JP2007028155A - 等化器、等化方法及び受信装置 - Google Patents

等化器、等化方法及び受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルタブロックのタップを効率良くマルチパス除去に使用することにより、マルチパス除去性能を上げる。
【解決手段】 フィルタブロック(5)は、複数のタップを有し、複数のタップのうちの任意の2以上のタップが、入力ディジタル信号の供給を受けるタップとして選択され、タップの選択により複数のフィルタ部分に分割される。サーチブロック(6)は、入力ディジタル信号中のポスト・マルチパス信号の位置を検出する。サーチブロック(7)による検出結果に基づいて、フィルタブロック(5)の入力信号を供給するタップの選択が制御される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、等化器に関し、特にVSB(残留側波帯)方式で変調されたディジタル信号を含む受信信号に対しマルチパス等化を行う等化器に関する。この発明はまた、等化方法及び等化器を備える受信装置に関する。
従来の波形信号等化装置として下記の特許文献1に記載されたものがある。この等化器は、ディジタル・データ信号を含む受信信号に応答して動作し、各々がタップ係数および時間的変位に応答する複数のタップを備え、マルチパス補正されたディジタル出力信号を出力するスパース・ディジタル・フィルタを備える。フィルタ制御部は受信信号に応答し、受信信号の自己相関(autocorrelation)を計算し、その自己相関に基づいてマルチパス信号を検出し、タップ係数と時間的変位を複数のタップの1つに与えることにより、その検出されたマルチパス信号をキャンセルする。
特開平8−237179号公報(3頁 段落0007 図2)
このような受信装置においては、スパース・ディジタル・フィルタの係数の初期値が固定であるため、収束時間が長いという問題があった。また、等化できるマルチパス信号(「ゴースト信号」とも呼ばれるものであり、以下の説明では単に「マルチパス」と言うこともある)の数が固定されており、あるマルチパスに対して不必要に多いタップ数が割り当てられている場合もそれ以上のマルチパスの等化が不可能であると言う問題点があった。
また、選択的にマルチパスが存在する位置のみに対して、スパース・ディジタル・フィルタによる等化を行う場合、その等化に使用するタップ数が固定され、その結果、等化に十分なタップ数が得られない、もしくは逆に、不必要に多いタップ数が割り当てられると言う問題点があった。
さらに、現時刻についてのみの処理を行っているためマルチパスの大きさ、位置が変化した際の収束に時間がかかると言う問題があった。
さらにまた、信号に対する外乱の状態(C/Nの値など)に拘らず、ステップサイズが固定であることにより、外乱が多い状態やその状態の変化が生じた際の収束に時間がかかると言う問題があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、フィルタのタップを効率良くポスト・マルチパス除去に使用することにより、全体としてポスト・マルチパス除去性能を劣化させることなく、特定の状況下において従来方法よりもポスト・マルチパス除去性能を上げることを目的としている。
この発明は、
VSB方式で変調されたディジタル信号を含む受信信号に応答して等化ディジタル出力信号を生成するFIRフィルタブロックと、
前記FIRフィルタの出力を受ける加算部と、
前記加算部から出力されるディジタル信号を記憶する入力信号メモリと、
前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号に対して等化を行って、等化ディジタル出力信号を生成するフィルタブロックと、
前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号に含まれるポスト・マルチパス信号を検出するサーチブロックと、
前記サーチブロックによる検出結果に基づいて、前記フィルタブロックを制御する制御ブロックとを有し、
前記加算部は、前記フィルタブロックの出力を受けて、前記FIRフィルタの出力と加算し、
前記フィルタブロックは、
複数のタップを有し、該複数のタップのうちの任意の2以上のタップが、前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号の供給を受けるタップとして選択され、該タップの選択により複数のフィルタ部分に分割されるものであり、
前記サーチブロックは、
前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号のうちの、既知のPN系列から相互相関を計算し、該相互相関に基づいてポスト・マルチパス信号を検出する第1の検出部と、
前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号のうちの、ポスト・マルチパス信号をフィルタを用いて等化し、そのタップ係数及び時間的変位から、ポスト・マルチパス信号の位置を検出する第2の検出部とを有し、
前記制御ブロックは、
前記サーチブロックによる検出結果に基づいて、前記フィルタブロックの前記ディジタル信号を供給するタップの選択を制御する
ことを特徴とする等化器を提供する。
この発明によれば、時間とともに変化する、ポスト・マルチパス信号の位置をサーチブロックで検出して、フィルタブロックでは、それに基づいて係数の最適化を図るので、等化における、ポスト・マルチパス状況の変化に対する応答速度が改善される。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による等化器を示す図である。図示の等化器は、FIRフィルタ1と、加算部2と、入力信号メモリ3と、スイッチ4と、フィルタブロック5と、サーチブロック6と、制御ブロック7とを有する。等化器の入力SiはFIRフィルタ1に入力され、加算部2の出力Saが等化器の出力Soを構成する。
FIRフィルタ(finite−impulse response filter)1は、VSB方式で変調されたディジタル信号を含む受信信号Siを受けて、その係数を適応制御することにより、伝送路歪や一部のマルチパス信号、特にプレ・マルチパス信号を除去する。適応制御のアルゴリズムとしては、例えばグラディエントアルゴリズム、LMSアルゴリズム、サインLMSアルゴリズム、最小二乗アルゴリズム、RLSアルゴリズム、CMAアルゴリズム、DDアルゴリズムなどを用い得る。
加算部2は、FIRフィルタ1の出力Seと、フィルタブロック5の出力Sfとを受けて、両者を加算する。
入力信号メモリ3は、加算部2から出力されるディジタル信号Saを記憶する。
スイッチ4は、制御ブロック7によって制御され、端子Tf側に切り換えられたとき、入力信号メモリ3から読み出されたディジタル信号Sdをフィルタブロック5に供給し、端子Ts側に切り換えられたとき、入力信号メモリ3から読み出されたディジタル信号Sdをサーチブロック6に供給する。
フィルタブロック5は、タップ係数および時間的変位に応答し、入力信号メモリ3から読み出されたディジタル信号Sdに対して等化を行って、等化ディジタル出力信号Sfを生成する。より詳しくは、複数のタップを有し、複数のタップのうちの、任意の2以上のタップが、入力信号メモリ3から読み出されたディジタル信号Sdの供給を受けるタップとして選択され、タップの選択により複数のフィルタ部分に分割される。
フィルタブロック5の一例の詳細が図2に示されている。図2に示すフィルタブロック5は、入力切り替えスイッチ11と、分離スイッチ部12と、遅延部13と、係数乗算部14と、加算部15とを有する。このうち、分離スイッチ部12と、遅延部13と、係数乗算部14と、加算部15とでタップ数可変フィルタ17が形成される。また、フィルタブロック5と加算部2とでスパースIIR(infinite impulse−response filter)フィルタが構成される。
遅延部13は、各々DFFで構成される複数の遅延器Dを接続したものであるが、各タップの遅延部Dの出力側と次の段の遅延部Dの入力側の間にスイッチSwが挿入され、これらの複数のスイッチSwが分離スイッチ部12を構成している。
各タップの遅延器Dの入力側及び加算部15の出力側が、それぞれ入力切り替えスイッチ11の端子Tdに接続され、これらの端子Tdが、図1のスイッチ4の端子Tfに接続された端子Tgに、後述のようにして選択的に接続される。
係数乗算部14の乗算器Mで乗算される係数は、後述の制御ブロック7により制御される。加算部15は、すべての乗算器Mの出力の総和を求める。加算部15の出力がフィルタブロック5の出力Sfを構成し、加算部2に帰還される。
タップ数可変フィルタ17に入力されたデータは、遅延部13に入力されるクロックに従って遅延され、係数乗算部14の乗算器Mで係数と乗算され、加算部15で乗算結果の総和が求められる。
乗算器Mで乗算に用いられる係数の更新のアルゴリズムとしては、グラディエントアルゴリズム、LMSアルゴリズム、サインLMSアルゴリズム、最小二乗アルゴリズム、RLSアルゴリズム、CMAアルゴリズム、DDアルゴリズムなどを用い得る。
後の説明から一層明確となるように、タップ数可変フィルタ17の複数のタップは、複数のフィルタ部分SC1〜SCNに分割され、複数のフィルタ部分SC1〜SCNが順に選択される。即ちスイッチ11の動作により、複数のフィルタ部分SC1〜SCNの先頭のタップに接続された端子Tdが順に(時分割的に)選択されて端子Tgに接続され、入力信号メモリ3から読み出されたデータが供給される。タップ数可変フィルタ17の総タップ数は例えば64程度である。また、分割に形成されるフィルタ部分SCの数N、及び各フィルタ部分のタップ数は、検出されるマルチパス信号の数、位置及び大きさに応じて時とともに変化し得る。
複数のフィルタ部分SCの数Nはサーチブロック6で検出されたマルチパス信号の数に等しい。言い換えると、サーチブロック6でN個のマルチパス信号が見つかると、タップ数可変フィルタ17のタップは、N個のフィルタ部分SC1〜SCNに分割される。但し、複数のフィルタ部分SCの数の最大数Nmax(例えば8)以下とされる。この最大数Nmaxは、等化器を含む回路システムがシンボル周波数に対して何倍のクロックで動作可能かに依存する。
複数のフィルタ部分SC1〜SCNの各々に割り当てられるタップ数は、後述のように各マルチパス信号の位置及び大きさに依存する。
サーチブロック6は、入力信号メモリ3から読み出されたディジタル信号Sdのポスト・マルチパス信号の位置(受信信号中の主信号に対する時間的変位)及び大きさを検出する。サーチブロック6の一例が図3に示されている。図示のサーチブロック6は、第1の検出部22と第2の検出部23とを有する。
第1の検出部22は、相関検出器で構成され、入力信号メモリ3から読み出されたディジタル信号Sdのうちの、既知のPN系列から相互相関を計算し、該相互相関に基づいて、言換えればPN系列をトレーニング信号として用いて、ポスト・マルチパス信号の位置及び大きさ検出する。
図1のFIRフィルタ1に入力される受信信号Siは、例えばVSB伝送システムによるものであり、例えば図4(a)に示すようにデータフレームの形で(各データフレームに分割されて)伝送される。図示のように各フレームは、2つのフィールドに分割されており、各フィールドは73個のセグメントを有する。各フィールドの最初のセグメントはフィールド同期用のセグメントであり、先頭以外のセグメントは、データ用のセグメントである。
各セグメントは832シンボルからなり、各セグメントの先頭の4個のシンボルは、セグメント同期用のシンボルである。
フィールド同期セグメントは、図4(b)に示すように、既知のPN(擬似雑音)系列として、PN511及びPN63を含む。これらは既知のPN系列であるので、適応等化に際し、トレーニング信号として用いうる。
入力信号メモリ3からフィールド同期セグメント(各フィールドの先頭のセグメント)のデータが読み出されるときは、スイッチ21が端子T2を選択し、読み出されたデータが第1の検出部22に供給される。
第1の検出部(相関検出部)22は、内部で例えば100個の既知データ系列を生成し、そのデータと入力信号メモリ3から読み出したディジタル信号(データ)を順次ずらしたものとの差分計算を行い、相関値を算出する。ただし、主信号よりも後のポスト・マルチパス信号のみを等化し、プレ方向の検出は行なわず、これにより、処理量を減らすこととしている。
入力信号メモリ3からフィールド同期セグメント以外のセグメント(各フィールドの先頭のセグメント以外のセグメント)のデータが読み出されるときは、スイッチ21が端子T4a〜T4cを選択し、読み出されたデータが第2の検出部23に供給される。
第2の検出部23は、入力信号メモリ3から読み出されたディジタル信号のうちの、ポスト・マルチパス信号を、例えばフィルタを用いて、例えばブラインド等化により等化し、そのタップ係数及び時間的変位から、ポスト・マルチパス信号の位置及び大きさを検出する。
第2の検出部23は複数の小領域フィルタ24a、24b、24cを有する。複数の小領域フィルタ24a、24b、24cは比較的タップ数の少ないものであり(そのために本明細書では便宜上「小領域フィルタ」と呼ぶ)、互いに同一の構成を有する。
小領域フィルタ24a、24b、24cの各々は例えば図5に示すように、遅延部32と、係数乗算部33と加算部15とを有し、適応等化により、係数更新を行い、その係数の値から、どの位置にマルチパス信号が存在するかを判断し、さらにマルチパス信号の大きさを判断する。マルチパス信号の大きさは、例えば小領域フィルタ24a、24b、24cの各々における乗算器Mの係数の絶対値の総和で判断する。
図5に示す小領域フィルタは8タップのものである。遅延部32は、各々DFFで構成される遅延器Dを接続したものである。係数乗算部33は、係数を乗算する複数の乗算器Mから成る。加算部34は、すべての乗算器Mの出力の総和を求める。
乗算器Mで乗算に用いられる係数の更新のアルゴリズムとしては、グラディエントアルゴリズム、LMSアルゴリズム、サインLMSアルゴリズム、最小二乗アルゴリズム、RLSアルゴリズム、CMAアルゴリズム、DDアルゴリズムなどを用い得る。
制御ブロック7は、サーチブロック6による検出結果(検出されたマルチパス信号の位置及び大きさ)に基づいて、フィルタブロック5を制御する。より具体的には、サーチブロック6による検出結果に基づいて、フィルタブロック5の入力信号(入力信号メモリ3から読み出された信号)Sdを供給するタップの選択を制御し、これにより、検出されたマルチパス信号の数と大きさに応じて、フィルタブロック5の分割により形成するフィルタ部分SC1〜SCNの数N、及び各フィルタ部分SC1〜SCNのタップ数の決定を制御する。
制御ブロック7は、マルチパス情報メモリ41と、演算部42と、メモリ制御部43と、フィルタ制御部44と、スイッチ制御部45とを有する。マルチパス情報メモリ41は、サーチブロック6におけるサーチの結果得られるポスト・マルチパス信号の情報、即ちタップ係数情報及び時間的変位を蓄積する。
メモリ制御部43は、マルチパス情報メモリ41及び入力信号メモリ3への書き込み及び読み出しをも制御する。そのために、書き込みや読み出しのアドレス及びタイミング信号を与える。
フィルタ制御部44は、メモリ41から読み出されたタップ係数情報を、所定のタイミングで、フィルタブロック5のそれぞれのタップ、即ちタップ数可変フィルタ17の係数乗算部14のそれぞれの乗算器Mに与える。
スイッチ制御部45は、スイッチ4、11、21及び分離スイッチ部12を制御する。
FIRフィルタ1及び加算部2の動作は、入力信号Siのシンボル周波数と同じ周波数で行われ、一方、入力信号メモリ3への書き込み及び入力信号メモリ3から読み出しは、入力信号Siのシンボル周波数よりも高い(整数倍の)周波数のクロックで行われる。以下では例えば8倍であるとして説明する。加算部2の動作と、入力信号メモリ3への書き込みが異なる周波数のクロックで行われるので、加算部2と入力信号メモリ3の間にバッファが設けられているが、図示を省略する。
入力信号メモリ3は例えば1セグメント分の記憶容量を有する。
各シンボルの受信に要する期間と同じ長さの期間(図6のPs)のうち、第1の部分Paで、加算部2から出力されるシンボルデータを入力信号メモリ3に書き込み、第2の部分Pbで、サーチブロック6によるポスト・マルチパス信号の検出が行われ、第3の部分Pcで、フィルタブロック5による等化が行われる。
より具体的には、入力信号の1シンボル周期に対応する期間のうちの最初の1クロック(第1の部分Pa)で、入力信号メモリ3への書き込みを行い、後の3クロック(第2の部分3b)で入力信号メモリ3からのデータの読み出し及びサーチブロック6への供給を行い、後の3クロック(第3の部分Pc)で、入力信号メモリ3からのデータの読み出し及びフィルタブロック5への供給を行う。最後の1クロックは例えば他の目的で利用される。
フィールドの先頭のセグメントのデータが入力信号メモリ3に書き込まれると、それが読み出されて第1の検出部22に供給され、フィールドの先頭以外のセグメントのデータが入力信号メモリ3に書き込まれると、それが第2の検出部23の小領域フィルタ24a、24b、24cに順に供給される。
フィールドの先頭のセグメントのデータSdがサーチブロック6に供給されるときは、上記3クロックの期間(Pb)、スイッチ21は端子T2を選択した状態に維持される。フィールドの先頭以外のセグメントのデータSdがサーチブロック6に供給されるときは、上記3クロックの期間(Pb)のうち、最初の1クロックで第1の小領域フィルタ24aに、次の1クロックで第2の小領域フィルタ24aに、3番目の1クロックで第3の小領域フィルタ24cにデータの供給が行われる。第1〜第3の小領域フィルタ24a、24b、24cに順次データの供給を行うために、スイッチ21は、端子T4a、T4b、T4cの順に切り換えられる。
フィルタブロック5では、フィールドの先頭のセグメントであるか否かに拘りなく、同じ動作が繰り返される。即ち、各シンボル期間に対応する期間のうちの上記の第3の期間Pcにおいて、シンボル周波数の8倍のクロックで入力信号メモリ3からデータSdが読み出され、スイッチ11の動作により、複数のフィルタ部分SC1〜SCNの先頭のタップに順に供給される。スイッチ11の動作は、入力信号メモリ3からのデータの読み出しのためのクロックに合せて行われる。
入力信号メモリ3から読み出されたデータがサーチブロック6に供給されるときはスイッチ4は端子Tsを選択し、入力信号メモリ3から読み出されたデータがフィルタブロック5に供給されるときはスイッチ4は端子Tfを選択する。
このようなスイッチ4、11、21、及び分離スイッチ部12の動作は、スイッチ制御部45により制御されて、メモリ制御部43による入力信号メモリ3からのデータの読み出しに同期して行われる。
上記のように、VSB方式における各フィールドの1セグメント目の期間にはフィールド同期信号として既知のPN系列が挿入されており、フィールド同期信号のセグメントに対応するデータがメモリ3から読み出されて、相関検出器22に供給されると、相関検出器22では、相関値が算出され、マルチパス信号の検出を行い、マルチパス信号の情報を得る。相関値の計算において、相関が高いと判断した位置(主信号に対する時間的変位)にポスト・マルチパス信号が存在するものと判定する。この際、一定の閾値を定めておき(例えば、図示しないレジスタなどに外部から与えられる)、その値以下の場合は無視する(即ち、ポスト・マルチパス信号が存在しないと判定する)ことにより、処理されるデータの量を減らすことができる。また、この場合、ポスト・マルチパス信号のみの検出を行い、プレ・マルチパス信号の検出を行わない。これにより、処理量を抑制することができる。得られたポスト・マルチパス信号の位置及び大きさの情報はマルチパス情報メモリ41に格納される。
VSB方式における1セグメント目以外の期間は未知のデータ系列であるため、この期間のデータはサーチブロック6内の第2の検出部23を構成する小領域フィルタ24a、24b、24cで等化を行うことによってマルチパス信号の位置及び大きさの検出を行う。
例えば、係数更新回数を100回と決め、その期間(100シンボル期間)は入力信号メモリ3内のデータを順番に読み出し、読み出したデータをそれぞれ小領域フィルタ24a、24b、24cに入力する。小領域フィルタ24a、24b、24cは入力されたデータに対して、所定数のシンボル期間の間、例えば100シンボル期間等化処理を行い、係数情報を得る。101シンボル目の時刻以降は、例えば前回読み出したデータに対してアドレスが2進んだ位置(メモリ3内のアドレス位置)から順番にデータを読み出し、前回同様100シンボル期間等化処理を行い、係数を得る。この処理で得られた係数は、前回の処理で得られた係数に対して1タップずれた8タップ分の係数となる。この位置での等化処理を100シンボル期間継続し、またアドレスが2進んだ場所からデータを読み出す。このようにすることにより、マルチパス検出を行いたい遅延時間の範囲のすべてについて、サーチ作業を行なう。これら一連の作業で得られた小領域フィルタの係数の、例えば絶対値の総和を所定の閾値と比較することにより、マルチパスの存在/非存在を判断する。(絶対値の総和が閾値よりも小さければマルチパスが存在しないものと判定する。)係数更新回数は、上記のように予め回数を定めても良いし、例えば係数情報の変化率を観測し、変化率がある程度の値以下になった際に、次の等化位置に移動しても良い。このようにして得られた、第2の検出部23におけるマルチパス信号の位置及び大きさの検出の結果得られた情報(係数更新情報)も、マルチパス情報メモリ41に格納される。
各フィールドの先頭のセグメントで、既知のPN系列を利用して、相互相関により係数を更新することで伝送路の状態が急速に変化しても、その変化に対して高速に係数の更新を行うことができる。一方、フィールドの先頭以外のセグメントでは、受信信号は既知ではないので、高速の係数変更はできないが、伝送路の変化がゆっくりである限り、十分高速に係数更新(追従補正)を行うことができる。
制御ブロック7の演算部42は、サーチブロック6で得られた係数値からポスト・マルチパス信号の電力値もしくは振幅値を計算し、その大小を比較し、さらに値の大きいほうから序列をつける。例えばマルチパス信号が3つ(MPa、MPb、MPc)検出され、大きさがマルチパス信号MPa、MPb、MPcの順であるとする。その場合、その情報(マルチパス信号の数、及び大きさの序列の情報)に基づいて、タップ数可変フィルタの分割によるフィルタ部分の数Nを3にするとともに、フィルタ部分SC1、SC2、SC3にそれぞれ、マルチパス信号の大きさの違い(序列)に応じて、割り当てるタップ数を変える。一例として、序列1、2、3の順に割り当てタップ数を30、22、12とする。
演算部42で算出された電力値もしくは振幅値の序列情報は、新しいマルチパス情報が得られたとき(新しいマルチパス信号が検出されたとき、或いはこれまでの検出されていたマルチパス信号が消滅したとき、或いはその両者の組み合わせ)に限り、フィルタ制御部44に渡される。
フィルタ制御部44はこの情報に従って、新しいマルチパス信号が検出された後(増加又は減少した後)の、ポスト・マルチパス信号を等化するための、フィルタ係数の初期値として使用するタップ係数値を、フィルタブロック5内のタップ数可変フィルタ17に設定する。
その後、サーチブロック6でマルチパス信号の検出のために読み出されたのと同じデータ(入力信号)Sdが、入力信号メモリ3から読み出され、フィルタブロック5のタップ数可変フィルタ17に入力される。
タップ数可変フィルタ17は入力されたデータに対して適応等化を行ってマルチパス信号の除去を行う。このとき、乗算器Mの係数の初期値は、上記のように、フィルタ制御部44によりメモリ41から読み出されて乗算器Mに設定される。
タップ数可変フィルタ17は、上記のように、検出されたマルチパス信号の数Nに対応した数のフィルタ部分SC1〜SCNに分割され、それぞれのフィルタ部分SC1〜SCNは、それぞれマルチパス信号に対して割り当てられ、それぞれのフィルタ部分SC1〜SCNには、対応するマルチパス信号の位置と大きさに応じた数のタップが割り当てられる。
このフィルタ部分SC1〜SCNへの分割及びタップ数の割り当ては、端子Tdの順次選択により行われるものであり、スイッチ制御部45により制御されて行われる。
例えば、タップ数可変フィルタ17の分割によるフィルタ部分SC1〜SCNの数の初期値は8であり、各フィルタ部分のタップ数の初期値も8である。
サーチブロック6においてマルチパス信号の検出のために用いられるフィルタの精度は、フィルタブロック5において等化のために用いられるフィルタの精度よりも低くても良い。これは、サーチブロックの最小限の役割は、マルチパス信号の位置及び大きさを大まかに検出することであるためである。
制御ブロック7の演算部42は、上記のように第1及び第2の検出部22及び23によって検出されたポスト・マルチパス情報から、入力信号メモリ3内に蓄積されたデータ中のポスト・マルチパス信号の位置を把握しているため、その情報を用いて、要等化と判断したデータを、タップ数可変フィルタ17を通すようにデータを振り分ける。
サーチブロック6でポスト・マルチパス信号が1つしか検出されなかった場合、制御ブロック7(特にそのスイッチ制御部42)は、タップ数可変フィルタ17を分割せず(フィルタ部分の数を1とし)、タップ数可変フィルタ17の全タップを使用して、検出されたポスト・マルチパス信号の適応等化(除去)を行わせる。
また、ポスト・マルチパス信号が一つも検出されなかったときは、スイッチ11は、加算部15の出力に接続された端子Tdを選択し、等化を行うことなく、入力をそのまま出力する。
また、サーチブロック6により、ポスト・マルチパス信号が複数個検出された場合、制御ブロック7は、それぞれのマルチパス信号の電力値もしくは振幅値を元に、タップ数可変フィルタ17の分割及び分割により形成されたフィルタ部分へのタップ数の割り当てを行う。例えば、マルチパス信号の数に応じて、フィルタ部分SC1〜SCNの数Nを3とし、各マルチパス信号の電力値もしくは振幅値を元に、それぞれのフィルタフィルタ部分SC1〜SCNのタップ数を32、16、16と割り当てる。
図7にタップ数振り分けのためのフローチャートを示す。図示の処理は1シンボル毎に開始される。
ステップ102では、加算部2から出力されるディジタル信号(「入力データ」と呼ぶこともある)Saを入力信号メモリ3に書込む。
ステップ104では、入力データSdを入力信号メモリ3から読み出す。
ステップ106では、入力信号メモリ3から現在読み出されているデータSdが各フィールドの先頭のセグメントのものかどうかの判定をする。
ステップ106で、先頭のセグメントであるとの判断がされたときは(ステップ106でYES)、ステップ108に進み、入力信号メモリ3から現在読み出されているデータSdが、相関検出部22に渡され、セグメント内のPN系列を使って相関値を算出する。ステップ108に次に、ステップ112に進む。
ステップ106で、先頭のセグメントではないとの判断がされたときは(ステップ106でNO)、ステップ110に進み、サーチブロック6内の第2の検出部23を用いて等化することによりマルチパス信号の検出(位置及び大きさの検出)を行う。
ステップ110の次にステップ111に進み、ステップ110の処理が所定回数、例えば100回繰り返されたどうかの判定を行なう。100回に達していなければ(ステップ111でNO)、ステップ128に進む。100回に達していれば、ステップ112に進む。
ステップ112では、マルチパス信号が検出されたかどうかの判定を行う。ステップ108を経てステップ112に進んだ場合には、相関が所定値よりも大であれば、マルチパス信号があるとの判断をする。
ステップ112で、マルチパス信号がないと判断されたときは(ステップ112でNO)、ステップ114に進み、入力信号メモリ3から読み出したデータを、タップ数可変フィルタ17を通すことなく(タップ数可変フィルタ17の出力に接続された端子Tdをスイッチ11で選択し)出力し、これにより処理を終了する。
ステップ112で、マルチパス信号があると判断されたときは(ステップ112でYES)、ステップ116に進み、マルチパス信号が1個のみかどうかの判定を行う。
ステップ116で、「1個」と判定されたときは(ステップ116でYES)、ステップ118に進み、すべてのタップを当該単一のマルチパス信号の等化に割り当てる。
ステップ116で、「1個」でないと判定されたときは(ステップ116でNO)、ステップ120に進み、マルチパス信号の大きさを評価し、大きさに応じて序列乃至優先度を決める。即ち大きいものほどより序列を先にする(優先度を高くする)。
次に、ステップ122で、序列の先のもの(優先度の高いもの)から順にフィルタタップを割り当てる。
ステップ118又はステップ120の次にステップ124に進み、新しいマルチパス信号が検出されたかどうかの判定を行う。
ステップ124で新しいマルチパス信号と判定されたときは(ステップ118でYES)、ステップ126に進み、サーチブロック6で、マルチパス検索した際のタップ係数をフィルタブロック5のタップ係数初期値として設定し、ステップ128に進み、設定された係数を初期値として適応等化を行う。
ステップ124で新しいマルチパス信号ではないと判定されたときは(ステップ124でNO)、直ちにステップ128に進み、フィルタブロック5内のそれまでの係数を用いて、適応等化を行う。
ステップ111でNOであるために、ステップ128に進んだ場合には、フィルタブロック5では、それ以前に検出されたマルチパス情報のままで(それまでの係数を用いて)等化を続ける。
実施の形態2.
実施の形態2の等化器の構成をブロック図で表したものは図1と同じとなる。実施の形態2の等化器は概して実施の形態1の等化器と同じであるが、以下の点で異なる。
実施の形態2の制御ブロック7、特に演算部42は、サーチブロック6で検出されたポスト・マルチパス信号の情報から、各ポスト・マルチパス信号の電力値もしくは振幅値を算出し、該電力値もしくは振幅値を複数の閾値と比較した結果(閾値よりも大きいかどうかの判定の結果)および該ポスト・マルチパス信号の位置情報から主信号への影響の大きさを算出し、制御ブロック7のスイッチ制御部45は、上記の算出結果に基づいて各ポスト・マルチパス信号に割り当てるタップ数を指定する。
実施の形態3.
実施の形態3の等化器の構成をブロック図で表したものは図1と同じとなる。実施の形態3の等化器は概して実施の形態1の等化器と同じであるが、以下の点で異なる。
実施の形態3では、制御ブロック7は、主信号の位置におけるポスト・マルチパス信号の電力値もしくは振幅値、即ち主信号への影響を評価する。ポストマルチ信号の主信号への影響は、例えば、ポスト・マルチパス信号の位置(主信号の位置に対する時間的変位)と、ポスト・マルチパス信号の電力値又は振幅値を掛け合わせることにより得られる積に対応する。そこで、上記の積を求め、この積の大きいほうが主信号への影響が大きいといった判断を行い、主信号への影響の大きい順に選択的にタップを割り当てる。
このように構成することにより、複数のポスト・マルチパス信号を検出した場合、主信号への影響の大きいポスト・マルチパス信号を優先して等化することができる。
実施の形態4.
実施の形態4の等化器の構成をブロック図で表したものは図1と同じとなる。実施の形態4の等化器は概して実施の形態1の等化器と同じであるが、以下の点で異なる。
実施の形態4では、制御ブロック7、特にそのフィルタ制御部44は、検出されたポスト・マルチパス信号の情報において、タップ係数が更新される毎のタップ係数の差分をメモリ41に蓄積する。そして、蓄積の結果(差分の変化率)を観測し、観測された差分その変換率に基づいて各々のポスト・マルチパス信号に対応する前記フィルタ部分のタップ係数更新のステップサイズを制御する。例えば、差分の変化率がある閾値よりも小さい場合はステップサイズを大きくし、差分の変化率がある閾値よりも小さい場合はステップサイズを小さくすると言った制御を行う。閾値は例えばレジスタなどで外部から与えられるようにしておく。
タップ係数の差分の変化率が大きい場合、伝送路の状態が時間に伴って急速に変化していると言える。逆にタップ係数の差分の変化率が小さい場合には、チャネルの状態が時間の経過とはあまり関係がなく、一定、或いは伝送路の状態の変化がゆっくりであると言える。
このように伝送路の状態の変化の仕方に応じて、係数更新のステップサイズを変えることで、伝送路に状態の変化に高速に追従することができる。
実施の形態5.
実施の形態5の等化器の構成をブロック図で表したものは図1と同じとなる。実施の形態5の等化器は概して実施の形態1の等化器と同じであるが、以下の点で異なる。
実施の形態5では、制御ブロック7、特にそのフィルタ制御部44は、等化器で受信され処理されているデータのC/N値、ビットエラーレート、若しくは検出されたポスト・マルチパス信号の全体の電力値などの情報を常に観測し、その値に応じて、タップ数可変フィルタの係数更新に使用するステップサイズを変更する。例えば、C/N値が所定の閾値よりも低い(悪い)場合、或いはビットエラーレートが所定の閾値よりも高い(悪い)場合には、ステップサイズを小さく設定するなどの制御を行う。閾値はC/N値の大小は例えば予め閾値をレジスタなどで与え、その値と比較することによって判断する。
C/N値としては、FIRフィルタ1の出力信号のC/N値を観測しても良く、フィルタブロック5から出力される信号のC/N値を観測しても良く、FIRフィルタ1の出力信号のC/N値とフィルタブロックの出力データのC/N値の双方を検出してそれを総合した結果に基づいてステップサイズの制御を行っても良い。
等化器で処理されている信号のC/Nなどを観測することにより、伝送路の状態に応じてステップサイズを切り替えることができ、伝送路が良いときに収束速度を上げることができ、逆に伝送路の状態が悪いときに、発散を防ぐことができる。
本発明の実施の形態1の等化器の全体的構成を示すブロック図である。 実施の形態1の等化器のフィルタブロックの構成例を示す図である。 実施の形態1の等化器のサーチブロックの構成例を示す図である。 VSB伝送システムによるデータフレームの構造を示す図である。 図3のサーチブロックの小領域フィルタの構成例を示す図である。 実施の形態1の等化器の動作のタイミングを示す図である。 タップ数変更の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 FIRフィルタ、 2 加算器、 3 入力信号メモリ、 4 スイッチ、 5 フィルタブロック、 6 サーチブロック、 7 制御ブロック、 11 スイッチ、 12 スイッチ部、 13 遅延部、 14 係数乗算部、 15 加算部、 21 スイッチ、 22 第1の検出部(相関検出部)、 23 第2の検出部、 32 遅延部、 33 係数乗算部、 34 加算部、 41 マルチパス情報メモリ、 42 演算部、 43 メモリ制御部、 44 フィルタ制御部、 45 スイッチ制御部。

Claims (20)

  1. VSB方式で変調されたディジタル信号を含む受信信号に応答して等化ディジタル出力信号を生成するFIRフィルタブロックと、
    前記FIRフィルタの出力を受ける加算部と、
    前記加算部から出力されるディジタル信号を記憶する入力信号メモリと、
    前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号に対して等化を行って、等化ディジタル出力信号を生成するフィルタブロックと、
    前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号に含まれるポスト・マルチパス信号を検出するサーチブロックと、
    前記サーチブロックによる検出結果に基づいて、前記フィルタブロックを制御する制御ブロックとを有し、
    前記加算部は、前記フィルタブロックの出力を受けて、前記FIRフィルタの出力と加算し、
    前記フィルタブロックは、
    複数のタップを有し、該複数のタップのうちの任意の2以上のタップが、前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号の供給を受けるタップとして選択され、該タップの選択により複数のフィルタ部分に分割されるものであり、
    前記サーチブロックは、
    前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号のうちの、既知のPN系列から相互相関を計算し、該相互相関に基づいてポスト・マルチパス信号を検出する第1の検出部と、
    前記入力信号メモリから読み出されたディジタル信号のうちの、ポスト・マルチパス信号をフィルタを用いて等化し、そのタップ係数及び時間的変位から、ポスト・マルチパス信号の位置を検出する第2の検出部とを有し、
    前記制御ブロックは、
    前記サーチブロックによる検出結果に基づいて、前記フィルタブロックの前記ディジタル信号を供給するタップの選択を制御する
    ことを特徴とする等化器。
  2. 前記制御ブロックは、前記サーチブロックによる検出結果として得られるタップ係数及び時間的変位を示す情報を記憶するマルチパス情報メモリを有することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  3. 前記制御ブロックは、前記第1の検出部及び第2の検出部から得られた複数のポスト・マルチパス信号の情報を蓄積するマルチパス情報メモリを有することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  4. 前記第1の検出部が、前記PN系列をトレーニング信号として用いて、前記ポスト・マルチパス信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  5. 前記第2の検出部が、ブラインド等化により、前記ポスト・マルチパス信号の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  6. 前記受信信号がフィールドごとに分割されたものであり、各フィールドを構成する複数のセグメントのうち、最初のセグメントが前記PN系列を含むことを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  7. 前記制御ブロックは、各シンボルの受信に要する期間と同じ長さの期間のうち、第1の部分で、前記シンボルデータを前記入力信号メモリへの書き込みを行わせ、第2の部分で、前記サーチブロックによるポスト・マルチパス信号の検出を行わせ、第3の部分で、前記フィルタブロックによる等化を行わせることを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  8. 前記制御ブロックは、前記マルチパス情報メモリに蓄積されたポスト・マルチパス信号の情報を用いて各ポスト・マルチパス信号の電力もしくは振幅を算出し、算出した電力値の大きいほうから序列をつけ、その序列順にタップ数を可変的に決定し、前記フィルタブロックの複数のフィルタ部分への分割に際し、各フィルタ部分が前記のようにして決定されたタップ数を有することとなるように、前記分割を行うことを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  9. 前記制御ブロックは、前記入力信号メモリからデータを読み出し、前記フィルタブロック又は前記サーチブロックにデータを供給する際、前記入力信号メモリの読み出しアドレスを指定することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  10. 前記制御ブロックは、前記サーチブロックによりポスト・マルチパス信号が検出されなかった場合には、前記入力信号メモリから読み出されたデータを、前記フィルタブロックによる等化を受けさせることなく、外部に出力させることを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  11. 前記制御ブロックは、前記サーチブロックで検出されたポスト・マルチパス信号の情報から、各ポスト・マルチパス信号の電力値もしくは振幅値を算出し、該電力値もしくは振幅値を複数の閾値と比較した結果および該ポスト・マルチパス信号の位置情報から、前記受信信号中の主信号への影響の大きさを算出し、その算出結果に基づいて各ポスト・マルチパス信号に割り当てるタップ数を指定することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  12. 前記制御ブロックは、
    ポスト・マルチパス信号に、前記受信信号中の主信号への影響が大きい順に、前記フィルタブロックの前記タップをより多く割り当てることを特徴とする請求項11に記載の等化器。
  13. 前記制御ブロックは、検出されたポスト・マルチパス信号の情報のタップが更新される毎のタップ係数の差分を蓄積し、該差分の変化率を観測し、観測された前記差分の変化率に基づいて各々のポスト・マルチパス信号に対応する前記フィルタ部分のタップ係数更新のステップサイズを制御することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  14. 前記制御ブロックは、前記FIRフィルタから出力されるデータのC/Nを観測することにより得られる観測結果に基づいて、前記フィルタブロックの前記フィルタ部分に与えるタップ係数更新のステップサイズを制御することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  15. 前記制御ブロックは、前記フィルタブロックから出力されるデータのC/Nを観測することにより得られる観測結果に基づいて、前記フィルタブロックの前記フィルタ部分に与えるタップ係数更新のステップサイズを制御することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  16. 前記第1の検出部は、前記相関の値が所定の閾値よりも小さいときは、前記ポスト・マルチパス信号が存在しないものと判定することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  17. 前記第2の検出部は、前記タップ係数の絶対値の総和が所定の閾値よりも小さいときは、前記ポスト・マルチパス信号が存在しないものと判定することを特徴とする請求項1に記載の等化器。
  18. 入力されたディジタル信号に対して等化処理を行なって出力するフィルタと、
    前記ディジタル信号に含まれるポスト・マルチパス信号を検出するサーチ手段と、
    該サーチ手段の出力に基づいて、前記フィルタにおいて前記ディジタル信号が入力されるタップを選択する制御手段と、
    前記ディジタル信号と、前記フィルタの出力とを加算して出力する加算手段と
    を備える等化器。
  19. 入力されたディジタル信号に対し、所定のフィルタにおいて等化処理を行ない、
    前記ディジタル信号に含まれるポスト・マルチパス信号を検出し、
    該検出の結果に基づいて、前記フィルタにおいて前記ディジタル信号が入力されるタップを選択し、
    前記ディジタル信号と、前記フィルタの出力とを加算して出力する
    ことを含む等化方法。
  20. 請求項1乃至18のいずれかに記載の等化器を備える受信装置。
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