JP2007026882A - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光反射膜を改善することにより光反射率を高めるとともに被膜強度を高めて外観などの品質向上をはかった蛍光ランプおよびこのランプを装着した照明器具を実現することを目的とする。
【解決手段】 気密封止されたガラスバルブ1と、このバルブ1に設けられた放電電極23,23と、上記バルブ1内に封入された放電媒体と、上記バルブ1表面の所定位置に、板状の微粒子を主体材料として形成された光反射膜4と、この光反射膜4より内方部分に形成された蛍光体膜6とを備えている蛍光ランプL1およびこのランプL1を装着した照明器具9である。
【選択図】 図2

Description

この発明はガラスバルブに光反射膜が設けられた蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
一般照明用の蛍光ランプにおいて、バルブと蛍光体膜との間にピロリン酸カルシウム、酸化チタンや酸化アルミニウム(アルミナ)などの白色微粉末を塗布した光反射膜を設けることにより開口部(光反射膜の非形成部)からの光放射を高め例えば直下照度を向上させることが知られている。
例えば直管形の反射形蛍光ランプを光反射膜形成側を上にして天井取付器具に装着し点灯したとき、反射膜を形成していない下方の開口部側からの光は集中して器具下方に放射されるので下面側の照度を高く明るくすることができる。
この従来の反射膜を形成する白色微粉末の形態は、例えばピロリン酸カルシウムなどの粒塊状の微粒子を用いるのが一般的であった。
そして、この光の反射は微粒子表面と空間の界面で起こり、高い反射率を得るためには表面積が小さい場合には塗布量を多くしたり粒子径を小さくするなどのことで界面を増やすことが行われていた。因みに、反射膜を形成する白色微粉末の略球状をなす微粒子の平均粒径は0.5〜2.0μm程度のものを用い10〜30μm程度の膜厚(成膜後)としていた。
しかし、この微粒子形状が略球状などその表面積が小さいと光透過率が高く光反射率が低下する傾向にあるとともに形成した光反射膜に亀裂が生じ易いという問題があった。また、塗布量を多くして膜厚を厚くすることはコスト的な不具合があり、また、粒径を小さくすると結晶成長が不十分となることにより、紫外線によるカラーセンターができ着色し易いなどのことがあった。
本発明は上記問題に鑑みなされたもので、光反射膜を改善することにより光反射率を高めるとともに被膜強度を高めて外観などの品質向上をはかった蛍光ランプおよびこのランプを装着した照明器具を実現することを目的とする。
本発明の請求項1記載の蛍光ランプは、気密封止されたガラスバルブと、このバルブに設けられた放電電極と、上記バルブ内に封入された放電媒体と、上記バルブ表面の所定位置に、板状の微粒子を主体材料として形成された光反射膜と、この光反射膜より内方部分に形成された蛍光体膜とを具備していることを特徴とする。
本発明の蛍光ランプに通電して点灯すると、バルブを横断した外周面からの光放射は均等ではなく、環形バルブの周方向の所定範囲に光反射率が高く光透過率が低い光反射膜が、残部の光反射膜が形成されていない光反射率が低く光透過率が高い開口部(光反射膜非形成部)を略正対させているので、バルブ軸方向に沿う開口部(光反射膜非形成部)から放射される光強度(光量)は、バルブ内の光反射膜で反射され開口部(光反射膜非形成部)に向かった分も加わって高く(強く)なり、開口部の照射方向の被照射面をより明るくすることができる。
本発明は光反射膜を、結晶構造が板状の微粒子からなる材料を主体とした不定形の微粒子を堆積して形成したもので、球状結晶の微粒子より表面積が大きく、微粒子表面(界面)で起きる反射発生確率を高く、すなわち反射率が高い微粒子構造としたものである。
この板状結晶の微粒子からなる光反射膜は、光反射膜面での反射率が従来の粒塊状の微粒子に比べて約10%高められるとともに、被膜が不定形な凹凸部を有する微粒子間の係合であるので相互の結合力が高められる結果、被膜に発生するクラックや剥離を抑制した高い被着力を有する被膜が得られる。
なお、本発明および以下の発明で、光反射膜を構成する材料の微粒子の結晶構造を板状の微粒子からなるものとしたが、この板状の微粒子の結晶構造とは略球状などの粒塊状のように大部分が円滑な連続曲面を有していない非球状の板状体などをなすものをいう。また、光反射膜を形成する板状の微粒子材料の占有率が高いほど光反射率はよく、全光反射膜形成材料の90質量%以上あるのが好ましい。
また、本発明でいう光反射膜とは、可視光の波長範囲(約380〜約780nm)を対象としてこの可視光の殆どを反射し、一部を透過する作用を有するものである。
また、被膜の形成は微粒子を塗布、蒸着あるいは透明体に塗布や蒸着したものを貼付するようにしてもよい。
本発明の請求項2記載の蛍光ランプは、光反射膜が、バルブ表面に直接または保護膜を介し形成されていることを特徴とする。
光反射膜は、バルブ表面に直接形成されていてもまたはバルブ表面に形成された保護膜上に形成されていても、あるいはラピッドスタート形蛍光ランプなどの場合には透明導電膜上に形成された保護膜上に形成されていても上記請求項1に記載と同様な作用を奏する。
本発明の請求項3記載の蛍光ランプは、光反射膜が、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化アルミニウムの内から選ばれた少なくとも一種の板状の微粒子を主体材料とする被膜からなることを特徴とする。
板状結晶の微粒子からなるピロリン酸カルシウム、ピロリン酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化アルミニウムの少なくとも一種を用い光反射膜を形成することにより、十分な可視光反射率と付着強度を得ることができる。
光反射膜は、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化アルミニウムを主体材料として形成されるが、ホウ酸バリウム・カルシウム(バリウムカルシウムボレート)や酸化ランタンなどの材料が10質量%未満含有されていてもよく、これらの添加材料も板状の微粒子からなるのが好ましい。
なお、光反射膜を構成するピロリン酸カルシウムなどからなる主体材料が、水銀を吸収したり水銀化合物(HgO等)を形成することに起因した不具合、例えば反射膜の変色や水銀を早期に消耗することによるランプの短寿命などに対処するため表面を保護膜で覆っておいてもよい。
本発明の請求項4記載の蛍光ランプは、光反射膜が、平均粒径2.0〜7.0μmの板状の微粒子を主体材料とする被膜からなることを特徴とする。
光反射膜を形成した掲記主体材料の板状の微粒子の平均粒径は、ばらつきなどを考慮すると2.0〜7.0μmで、平均粒径が2.0μm未満であると紫外線によるカラーセンターが発生し易く曲成加工時などに亀裂や剥れなどの不具合があり、また、7.0μmを超えた場合は所望の反射率を得るために塗布重量を多くする必要があり、剥離し易いなどの不具合があり、好ましくは3.0〜6.0μm程度のものがよく、膜厚は反射率や剥離などを考慮すると10〜40μm程度が好ましい。
また、本発明中で用いられる光反射膜などを形成する材料の微粒子(結晶)寸法は通気法により測定した。
また、板状結晶の微粒子の寸法を粒径としているが、本発明では径にとらわれず不定形であるので縦横や厚(高さ)などの差し渡し大きさを指す。
本発明の請求項5記載の照明器具は、器具本体と、この器具本体に設けられた支持部材と、この支持部材に支持された上記請求項1ないし4のいずれか一に記載の蛍光ランプと、この蛍光ランプに接続した点灯回路装置とを具備していることを特徴とする。
上記請求項1ないし4のいずれか一に記載の蛍光ランプを装着した照明器具であって、例えば天井面などに配設された場合に蛍光ランプは開口部が下方に向け装着される。そして、ランプを点灯したとき天井面側は光反射膜が設けられているので遮光されるか弱い光放射がなされ、また、ランプの下方側は開口部から強い光すなわち光量が多い明るい光放射が行われる。
請求項1ないし4の発明によれば、板状結晶をした微粒子からなる材料を用い光反射膜を形成することにより、球状結晶などの微粒子に比べて高い光反射率が得られ発光効率の向上がはかれるとともに凹凸状の微粒子であるので微粒子相互の結合が強く従来の球状結晶の微粒子に比べ被着力が増した被膜に亀裂や剥離の発生がなく、また、材料使用量を低減できるなど品質およびコスト的に優れた反射形の蛍光ランプを提供できる。
また、ピロリン酸カルシウムや酸化チタンなどを用いることにより光反射膜の水銀吸収やその化合物の発生に起因する不具合を抑制できる。
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4に記載の効果を有する反射形の蛍光ランプが装着されているので、明るさを必要とする特定方向への放射光量を多く放射して照明を行うことができる照射効率の向上がはかれた照明器具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図4を参照して説明する。図1は環形蛍光ランプL1の正面図(主光放出部(開口部)側)、図2は図1中の矢視A−A線に沿って切断した端面を拡大して示す横断面図、図3は図2の切断端面要部を示す電子顕微鏡写真の図、図4は図1の環形蛍光ランプL1を点灯したときの等照度曲線図である。
なお、図中、各被膜などの膜厚や被着形態などは説明上のもので一部誇張して示してあり、他構成部材との寸法比率などは現実のものとは相違している。
図示の環形蛍光ランプL1において、1はソーダライムガラスや鉛ガラスなどの円筒形ガラス管を曲成した環形のガラスバルブ、2,2はマウント、11,11は上記バルブ1の端部に形成したマウント2との封止部で、上記バルブ1とマウント2、2とで気密容器を構成している。
上記マウント2は、フレヤ状をなすステムガラス管21に一対のリード線22と排気管(図示しない。)とを圧潰封着しているとともにこのリード線22間にタングステン素線を巻回したコイル状のフィラメントからなる電極23が継線してある。なお、上記マウント2は、フレヤステムに限らずフレヤ無しステム、ボタンステムやビードステムなどを用いたものであってもよい。
また、3は保護膜で、水銀や紫外線による黒化防止や蛍光体のガラス中へのめり込み防止のため、バルブ1内表面のほぼ全面に塗布形成してある。保護膜3は、平均粒径が0.01〜0.1μm程度、好ましくは0.02〜0.08μm程度の酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウムまたは酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも一種の微粒子材料を主体として0.2〜5.0μm程度、好ましくは0.5〜3.0μm程度の膜厚で形成されている。
4はこの保護膜3上に形成された可視光を反射する光反射膜で、図示環形バルブ1の管軸に沿う上方側であってバルブ1周方向の所定角度範囲に塗布形成された平均粒径が2〜7μm程度の板状結晶の微粒子からなるピロリン酸カルシウムなどを主体とする材料が用いられ粒径によっても変わるが10〜40μm、好ましくは15〜30μm程度の膜厚で形成されている。
なお、この光反射膜4を形成するピロリン酸カルシウムなどを主体とする微粒子材料に添加する結着剤としての例えばバリウム・カルシウムボレートは、平均粒径が1.0〜8.0μmのピロリン酸カルシウム(100質量%)に対し、3〜6質量%(好ましくは3.5〜5.5質量%)添加することにより所望の被着強度が得られ、この上下限値を外れると剥離や発光特性の低下などを招くことが確かめられている。
5は上記光反射膜4と略正対した光反射膜が形成されていない下方側(図2)の開口部(光反射膜非形成部)、6は蛍光体膜で上記光反射膜4上およびこの光反射膜4が形成されていない保護膜3上(開口部5)に形成した3波長発光形蛍光体やハロリン酸カルシウム(白色蛍光体)などの蛍光体微粉末を塗布したものからなる。
なお、上記保護膜3、光反射膜4および蛍光体膜6は、各材料と、アルミニウムやケイ素などの金属酸化物の微粒子系結着剤またはホウ酸やリン酸などの低融点化合物系結着剤と、ニトロセルロースなどの有機系溶剤あるいはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性溶剤とを混合した懸濁液を塗布することにより形成できる。
そして、例えばFCL30EX−D/28の環形蛍光ランプL1において、上記保護膜3は、平均粒径が約0.02μmの酸化アルミニウムを主体とする微粉末材料の懸濁液をバルブ1内表面のほぼ全面に塗布したものからなり、約1μmの膜厚で形成されている。
また、光反射膜4は、平均粒径が約5μmの板状結晶をしたピロリン酸カルシウムを主体とする微粒子材料が用いられ、このピロリン酸カルシウム(100質量%)に対し平均粒径が0.2μmのバリウム・カルシウムボレートを結着剤として4.5質量%と、ニトロセルローズとを混合した懸濁液を上記保護膜3上の下記所定角度範囲ここでは光反射膜4として作用する約180゜(垂直中心線から各約90゜)の部分に塗布(バルブ1本当り1.1gr)して約25μmの膜厚さで形成されている。
また、蛍光体膜6は例えばユーロピウム付活ハロリン酸バリウム・カルシウム・ストロンチウム(青色蛍光体)、セリウム・テルビウム付活リン酸ランタン(緑色蛍光体)、ユーロピウム付活酸化イットリウム(赤色蛍光体)の三種の蛍光体の混合微粉末の懸濁液を上記光反射膜4上および開口部(光反射膜非形成部)5に塗布(バルブ1本当り1.8gr)して形成されたものからなり、その膜厚さは約20〜30μmである。
そして、図3に示す写真のような状態でバルブ1面上に保護膜3、光反射膜4、蛍光体膜6の順で積層され被膜が形成してある。
そして、バルブ1面上に保護膜3、光反射膜4、蛍光体膜6の順で積層形成された被膜は、保護膜3の部分が少々不鮮明であるが図3の電子顕微鏡写真で示すような状態となっている。
また、このバルブ1内には液状や合金化した水銀およびアルゴンAr、クリプトンKrやネオンNeなどの希ガスが単独または混合して250〜360Pa(パスカル)封入されている。また、図中7Aはピン端子75,…を備えたG10q形の口金で、曲成したバルブ1の両端封止部11,11を橋絡して固定されている。
このような構成の環形蛍光ランプL1は、光反射膜4形成側を上方にした水平状態で支持して、口金7Aを点灯回路装置に接続して口金7A、リード線22、22を介し電極23、23に通電して点灯すると、バルブ1軸と直交方向の横断面における配光は図4に示すような略鶏卵形の等照度分布Bを呈する。
すなわち、蛍光ランプL1は、バルブを横断した外周面からの光放射は均等ではなく、環形バルブ1の周方向180°以上の範囲に光反射率の高い光反射膜4が、残部に光反射膜4を形成していない光反射率が低く光透過率が高い開口部(光反射膜非形成部)5を略正対させているので、バルブ軸方向に沿う下方側の開口部(光反射膜非形成部)5から放射される光強度(光量)は、バルブ1内の光反射膜4で反射され開口部(光反射膜非形成部)5に向かった分も加わって高く(強く)なり、開口部の照射方向の被照射面はより明るくなる。なお、環形蛍光ランプL1全体としてもこれらが連続した集合体としてランプL1軸と直交方向に略鶏卵形の等照度分布Bを呈する。
そして、本発明は上記光反射膜4を、結晶構造が板状の微粒子からなるピロリン酸カルシウム材料を主体とした不定形の微粒子を堆積して形成したもので、球状結晶の微粒子より表面積が大きく、微粒子表面(界面)で起きる反射発生確率を高く、すなわち反射率が高い微粒子により形成されたものである。
本発明の光反射膜4は、反射率が従来の粒塊状の微粒子に比べて約10%高められるとともに、被膜4が不定形な凹凸部を有する微粒子間の係合であるので相互の結合力が高められる結果、亀裂や剥離の発生を抑制できる高い被着強度を有する被膜4が得られ、環形蛍光ランプL1などガラスバルブを加熱曲成するものにおいて大きい効果が得られる。
また、光反射膜4の主体材料であるピロリン酸カルシウム、ピロリン酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの微粒子の表面にマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよび亜鉛の酸化物のうちから選ばれた少なくとも一種の微粒子を付着しておくことにより、主体材料が水銀化合物を形成して変色を生じたり水銀を早期に消耗してランプの短寿命を招くことを防止できる。
すなわち、ピロリン酸カルシウムなどは水銀や水銀化合物と比較的反応し易い物質なので、その表面に酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムや酸化亜鉛の微粒子を付着させ帯電傾向等を制御することによって、ピロリン酸カルシウムやピロリン酸ストロンチウムからなる光反射膜4の水銀やその化合物に起因する変色を抑制できる。なお、その付着量はピロリン酸カルシウムやピロリン酸ストロンチウムに対して0.01〜5.0質量%、好ましくは0.02〜3.0質量%程度である。
また、この光反射膜4の形成材料に限らず、蛍光体膜6を構成する蛍光体に上記酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムや酸化亜鉛の微粒子を付着させてもよい。この付着によっても、蛍光体膜6が水銀やその化合物により生じる変色および水銀の枯渇を抑制して上記と同様な作用効果を得ることができる。
また、図5は本発明の他の実施の形態を示し、図中、図1,2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図5(a)は直管形蛍光ランプL2の正面図(主光放出部(開口部)側)、(b)は側面図で、このランプL2の場合もバルブ1内表面に形成した各被膜の状態は図2と同構成で、上記蛍光ランプL1と同様な作用効果を奏する。
なお、この直管形蛍光ランプL2の場合は2ピン端子75,75を有するG13形などの口金7B,7Bがバルブ1の両端に接合されている。そして、この直管形蛍光ランプL2においては口金7B,7Bの一対の端子ピン75,75とほぼ並行してフィラメント23の長手方向が張架された状態にあり、このフィラメント23の長手方向と光反射膜4の形成面とを合わせておくことにより、一対の端子ピン75,75と光反射膜4の形成面とも合致し、ランプL2をソケットに取り付けするときに光反射膜4の形成側を容易に位置決めすることができる。
すなわち、例えば天井へ取り付けられた大部分の器具においてランプL2を装着する場合に、天井面側には光反射膜4の形成側を、下方側には光反射膜非形成側の開口部5側を位置させて、下方側に反射ピークを指向させることができる。
また、図6(a)〜(e)は、本発明の蛍光ランプの他の実施の形態を示すガラス管バルブを横断した端面図で、図中図1ないし図5と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図6(a)は蛍光ランプL3のバルブ1内表面に保護膜3、光反射膜4、蛍光体膜6が順次積層して形成され、上記光反射膜4の膜厚が一様でなく中央部から端縁部に向かうにしたがい連続的あるいは段階的に薄膜に変化する膜厚勾配で形成してある。
このランプL3のように光反射膜4の膜厚を変化させ端縁部側を薄膜化することによって、点灯時に、開口部5からは高出力の光放射が行えるとともに反射膜4形成によるバルブ1面に発生する光量や輝度などの明暗差を解消できる。また、ガラスバルブ1や上面に形成した蛍光体膜6との馴染もよく強固に被着でき、ランプ点滅による熱衝撃や材料の熱膨脹率差などに起因する応力で光反射膜4が剥離することを防止できるなど外観品質の向上がはかれるとともに製造も容易となる。
図6(b)はラピッドスタート形の蛍光ランプL4であって、バルブ1の内表面に酸化スズや酸化インジウムなどのEC膜と呼ばれている透明導電性膜8を形成し、この透明導電性膜8上に保護膜3、バルブ軸に沿って150°以上の所定角度の範囲に上述したと同構成の材料で10μm以上の膜厚の光反射膜4を積層形成し、さらに、この光反射膜4上に蛍光体膜6が形成してある。
また、バルブ1の内表面に透明導電性膜8を形成したラピッドスタート形の蛍光ランプL4は、点灯中にEC黒化と呼ばれるバルブ1が黒化する現象が発生し、光束の低下とともにランプL4の外観が悪くなることがある。
しかし、この実施の形態のように、バルブ1に光反射膜4を形成しておくと、その黒化が少なく見え、外観をよくすることができる。特に、ランプL4点灯時の方向が規制できる場合は、透明導電性膜8を例えばバルブ1内表面の上方側のみに光反射膜4の幅とほぼ同じ幅形成しておけば、バルブ1の黒化範囲が減少してランプL4の外観がよくなるという効果がある。また、上述した光反射膜4をバルブ1の外表面にバルブ軸に沿って所定角度の範囲に形成するようにしてもよい。
表1は、ラピッドスタート形のFLR40S・EX−N/MランプL4において、光反射膜4の形成材料としてピロリン酸カルシウムを用いその平均粒径や膜厚を変化させた場合の、点灯12000時間後の黒化程度とランプの直下照度との比較値とを示す。比較例とは光反射膜が形成されていないランプであって実施例1〜3のランプとは光反射膜の形成条件を除き同一部材で構成してある。
なお、黒化の程度は点数の数値が高いほど黒化が少なくランプの外観が良好なものである。また、直下照度は比較用の従来のランプを100%とした場合の相対値である。
表1より明らかなように、実施例3の結晶の微粒子が2μm未満で膜厚さが10μm未満のランプでは、点灯12000時間後の黒化程度は少ないが直下照度の低下が従来ランプと同程度であった。
図6(c)の蛍光ランプL5は、バルブ1内表面の周方向に所定開き角度範囲で管軸に沿って形成された光反射膜4と、上記バルブ1内表面の光反射膜4の非形成部分に形成された保護膜3と、上記光反射膜4および保護膜3の表面に形成された蛍光体膜6とを備えている。
バルブ1内表面に保護膜3を形成することによって、封入された水銀の消費量が低減できるとともに光束維持率が向上できるが、反面バルブ1内表面全面に保護膜を形成した場合は、この保護膜上に形成した反射膜や蛍光体膜が剥れ易いという問題があることが知られている。
そこで、図6(c)のようにバルブ1内表面の周方向に所定開き角度例えば180°の範囲に光反射膜4を、残部に保護膜3を形成し、これら光反射膜4上および保護膜3上に蛍光体膜6を形成する。このようにすると、保護膜3より厚膜で形成される光反射膜4側は水銀のめり込みが少なく、保護膜がなくても光束維持率が大きく低下したり、水銀の消費量が増えることがないとともにバルブ1内表面に光反射膜4が強固に被着して剥離することを防止できる。
図6(d)の蛍光ランプL6は、バルブ1内表面の周方向に所定開き角度範囲で管軸に沿って形成された光反射膜4と、上記バルブ1内表面の光反射膜4上および光反射膜4の非形成部分に形成された保護膜3と、この保護膜3の表面に形成された蛍光体膜6とを備えている。
この蛍光ランプL6はバルブ1内表面の径方向の所定角度範囲に光反射膜4を形成し、この光反射膜4および開口部(無膜部)5を含む全周に保護膜3を形成し、この保護膜3の表面に蛍光体膜6が形成してある。
なお、上記実施の形態の蛍光ランプL1などでは、バルブ1の内表面側に保護膜3を形成したが、保護膜3は必須のものではなく、図6(e)に示す蛍光ランプL7のように保護膜3は設けずにバルブ1の内表面に直接に光反射膜4を形成しこの光反射膜4および開口部5の表面上に蛍光体膜6が形成してあってもよい。
また、上記実施の形態の蛍光ランプL1などではバルブ1の内表面に光反射膜4を形成したが、図6(f)に示すように光反射膜4をバルブ1の外面側に形成した蛍光ランプL8であってもよい。
さらに、図示していないが蛍光体膜6を形成していない希ガス発光などの蛍光ランプにおいても、バルブ1の内または外表面の少なくとも一方の面にバルブ軸に沿って所定角度の範囲で上記と同構成の光反射膜4を形成しておいてもよい。
そして、この希ガス発光の蛍光ランプは、例えばアルゴンなどの発光により光放射が行われ、光反射膜4で反射した光を加えて開口部5から放射させることができる。
上記図6(a)〜(f)に示す蛍光ランプL3〜L8も、上記反射膜4の形成によって、上記図1、図2のランプL1などが示すと同様な略鶏卵形の等照度分布および作用効果を奏する。
また、図7は本発明に係わる照明器具9の実施の形態を示す縦断面図である。この器具9は、上部に天井面などへの取付具(図示しない。)を備え、電源接続機構や安定器などのランプ点灯回路装置92を収容した器具本体91と、この本体91下方に設けた透光性合成樹脂やガラスで形成したカバー体93と、本体91内に配設されたランプ支持部材94およびソケット95と、支持部材94に支持されるとともに口金7Aにソケット95が装着された上記図1に示された構成の環形蛍光ランプL1とからなる。
この蛍光ランプL1は光反射膜4形成側を上方にし開口部5側を下方にしてソケット94に装着されている。
そして、この照明器具9は、電源接続機構および点灯回路装置92を介して蛍光ランプL1に給電されるとランプL1が点灯する。この点灯したランプL1からは開口部5が指向している下方側に多量の光放射が行われ、すなわち光量が多く明るい。また、上方側には光反射膜4を透過して弱い例えば下方側に対して5%程度の光量や輝度の光放射が行われる。すなわち、ランプL1はバルブ1の下方の明るさを必要とする方向へは光量の多い照明を行うことができる。
また、上記図5に示す直管形の蛍光ランプL2の場合は、電極を構成するフィラメント23を張架した長手方向と、光反射膜4の形成面とを合致させた状態にあり、また、このフィラメント23の長手方向と口金7Bの一対の端子ピン75、75ともほぼ並行した、一対の端子ピン75、75と光反射膜4の形成面とも位置合わせができる構造となっていて、照明器具にランプL2を装着する際、口金7Bのシェル部に形成したマークをソケットのマーク部に合わせるなどのことで光反射膜4の形成側を容易に位置決めすることができる。
すなわち、例えば天井へ取り付けられた大部分の器具9においてランプL1やL2を装着する場合に、天井面側には光反射膜4の形成側を、下方側には光反射膜非形成側の開口部5側を位置させて、下方側に反射ピークを向けることが上下さえ誤らなければその取り付けを容易に、かつ、正確に行なえる。また、ランプL1やL2点灯時には指向性に優れた配光分布が得られる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。例えば、ガラスバルブは、横断面が真円形に限らず長円形や角形などの管(筒)形をしたものあるいは平板形や偏平形などをしたものを用いた場合でも本発明の光反射膜を形成することができる。
また、本発明は汎用の環形、U字形や直管形の蛍光ランプに限らず、1本のガラスバルブをU字状に2回曲成して鞍形状に屈曲したり、U字形状に曲成した複数本のバルブを連結して形成した発光管を用いる電球形蛍光ランプやコンパクト形蛍光ランプなどにおいても、光反射膜を形成する場合には適用できる。
また、蛍光ランプの用途は、家庭、事務所、商店、工場などの一般照明用、OA機器用あるいは街路灯やトンネルなどの道路照明用など各種照明用として広く使用できる。
また、光反射膜、蛍光体膜や保護膜などの成膜順序やその組合わせは実施の形態に限らず、定格、品種、用途などに応じ適宜変えられ、また、光反射膜などの形成材料の種類、粒径や形成膜厚分布などは適用するランプの仕様に合わせ適宜選べることはいうまでもない。
電極は、バルブ内に封装される熱陰極電極や冷陰極電極であっても、また、バルブ外面に設けられる外部電極であってもよい。
また、照明器具も図7に示すものに限らず、蛍光ランプや器具の種類、大きさや用途などに対応した種々構造や形態のものに適用できる。また、照明器具はランプ保護や配光制御のためのカバー体や反射体などは必須のものではない。
なお、この種の反射形のランプは指向性があり、ソケットあるいはホルダへの取り付け方向を誤ると所定の直下照度が得られないので、この取扱い(注意)表示を行う必要があり、この表示を印として利用することも可能である。
本発明の環形蛍光ランプの実施の形態を示す正面図である。 図1中の矢視A−A線に沿ってバルブを切断した端面を拡大して示す横断面図である。 図2の切断端面の要部を示す電子顕微鏡写真の図である。 図1の蛍光ランプをバルブ軸と直交方向に切断した端面における等照度分布を示す説明図である。 本発明の直管形蛍光ランプの実施の形態を示し、図(a)は正面図、図(b)は側面図である。 図(a)〜(f)は本発明の実施の形態を示す他の蛍光ランプのバルブを切断した端面を拡大して示す横断面図である。 本発明の照明器具の実施の形態を示す縦断面図である。
符号の説明
L1〜L8:蛍光ランプ(発光管)
1:ガラスバルブ
23:電極(フィラメント)
3:保護膜
4:光反射膜
5:開口部
6:蛍光体膜
7A,7B,7C:口金
9:照明器具

Claims (5)

  1. 気密封止されたガラスバルブと;
    このバルブに設けられた放電電極と;
    上記バルブ内に封入された放電媒体と;
    上記バルブ表面の所定位置に、板状の微粒子を主体材料として形成された光反射膜と;
    この光反射膜より内方部分に形成された蛍光体膜と;
    を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 上記光反射膜は、バルブ表面に直接または保護膜を介し形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 上記光反射膜は、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化アルミニウムの内から選ばれた少なくとも一種の板状の微粒子を主体材料とする被膜からなることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光ランプ。
  4. 上記光反射膜は、平均粒径が2.0〜7.0μmの板状の微粒子を主体材料とする被膜からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
  5. 器具本体と;
    この器具本体に設けられた支持部材と;
    この支持部材に支持された上記請求項1ないし4のいずれか一に記載の蛍光ランプと;
    この蛍光ランプに接続した点灯回路装置と;
    を具備していることを特徴とする照明器具。
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