JP4796099B2 - 蛍光ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光ランプに関するものである。
蛍光ランプは、一般的な光源として従来から照明用途に広く用いられ、寿命、光束、ランプ効率等のランプ性能が改善されている。
一般的に用いられている蛍光ランプとして、例えば高周波点灯専用形直管蛍光ランプ(例えば、FHF32)やラピッドスタート形直管蛍光ランプ(例えば、FLR40S)がある。なお、このような蛍光ランプを「従来品」とする。
この従来品に対して、従来品と略同形状・同寸法を有しながら、従来品に比べて高い入力電力を印加して管壁負荷を高める等によりランプ性能を向上させた蛍光ランプ(所謂、G−Hf蛍光灯である。)がある。なお、このランプ性能を向上させたランプを、上記従来品と区別するために、「改良品」とする。
この改良品では、ランプ1本当たりの光出力が従来品の約2.1倍となり、これにより、所望の明るさを得るための必要なランプ数を少なくでき、ひいてはランプ交換時に発生する廃棄ランプの削減による省資源化を実現できることから近年注目されている。
さらに、ランプの寿命を従来品の平均的な寿命である12000時間を大きく上回る18000時間以上にすることができ、ランプ交換頻度の低減による省資源化を図ることができる(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
なお、一般的な蛍光ランプの寿命は、JIS C 7617−2における附属書CやJIS C 7618−2における附属書Cに試験の条件や方法が規定され、点灯時間100時間後のランプ光束に対する所定点灯時間後のランプ光束の比(所謂、光束維持率である。)が70(%)に低下した時点で当該蛍光ランプは寿命と見なされる。
特開2008−123998号公報 松下電器産業株式会社、「G−Hf蛍光灯」、松下電器産業株式会社製カタログ「ランプ総合カタログ2007」96ページ
上記改良品は、従来品に比べてすばらしいランプ性能を得ているが、さらに、点灯初期の明るさをできる限り寿命まで維持できるようなものが要望されている。つまり、点灯時間100時間後のランプ光束に対する、点灯18000時間後のランプ光束の比(光束維持率)が80(%)以上のものが要求されており、本要求を満たすべく種々の試みが数多くなされている。
しかしながら、改良品で行われた、高い入力電力を印加することにより管壁負荷を高めてランプ出力を増大させる技術においては、例えばIESNA Lighting Handbook-8th Edition (1993) 207ページに示されるように管壁負荷の増加にともなって蛍光ランプの光束維持率は大きく悪化する特性があるため、さらなる光束維持率の改善が要望されているにも関わらずそれを実現することが不可能であった。
本発明は、上記課題を解決するために、高い入力電力を印加することにより管壁負荷を高めてランプ出力を増大させた蛍光ランプでありながら高い光束維持率を有する蛍光ランプを提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光ランプは、複数種類の蛍光体粒子を含む蛍光体層が形成されたガラスバルブと、前記ガラスバルブの両端を封止する一対のステムと、前記各ステムを貫通する一対の導入線間に架設され且つ主線と当該主線に巻回された副線とからなるフィラメントコイルと、前記各フィラメントコイルに保持された電子放出物質とを備え、前記主線の線径が65μm以上、100μm以下の範囲内にあり、点灯時のランプ管壁負荷が0.05W/cm2以上の蛍光ランプであって、前記ガラスバルブには、少なくとも水銀が封入されており、前記複数種類の蛍光体粒子の一種類が、励起された前記水銀から放射される紫外線を可視光に変換し、かつ2価のユーロピウムを発光中心として有する中心粒径(D50)が2.5μm以上、5.5μm以下の範囲内にあるアルミン酸塩蛍光体粒子であることを特徴としている。
ここでいう「中心粒径(D50)」とは、所謂メディアン径であり、体積基準の積算分布において50(%)となる粒子径のことである。
本発明に係る蛍光ランプは、特に、複数種類の蛍光体粒子の一種類を、2価のユーロピウムを発光中心として有する中心粒径(D50)が2.5μm以上、5.5μm以下の範囲内にあるアルミン酸塩蛍光体粒子とすることにより、点灯時間100時間後のランプ光束に対する点灯時間18000時間後のランプ光束の比が80%以上とすることが、試験より確認することができている。
さらに、上記効果に加え、上記蛍光体粒子を用いることにより、例えば、蛍光ランプを搭載した器具を多数設置した照明空間で使用しても、蛍光ランプの両端の発光色の差(以下、「発光色色差」とする。)が実用上の許容範囲内で違和感を生じないことも確認した。
また、前記ガラスバルブと前記蛍光体層との間に保護膜が形成され、当該保護膜の膜厚が1μm以上3μm以下の範囲内にあることを特徴としている。或いは、前記電子放出物質の重量が5mg以上11mg以下の範囲にあることを特徴としている。
本発明に係る蛍光ランプを、JIS C 7617−2に規定された直管型の蛍光ランプに適用した一の実施の形態について説明する。なお、本発明に係る蛍光ランプは、例えばJIS C 7617−2やJIS C 7618−2で規定された蛍光ランプとして使用できる。
また、蛍光ランプの形状も、直管型に限定されるものでなく、円環型、二重環型、コンパクト型等にも適用できる。
1.蛍光ランプ
図1は、本発明の一の実施の形態に係る蛍光ランプの一部断面図であり、図2は、フィラメントコイルの一例を示す図であり、(a)はその全体模式図、(b)は(a)におけるX部分の拡大図である。
なお、図1では蛍光ランプの一方の端部のみを示しており、他方の端部はこれと同様であるためその説明を省略する。また、図1及び図2は、本実施の形態を説明するものであり、各部材の寸法比率等は現実のものとは異なる。
図1に示すように、蛍光ランプLa1は、内面に保護膜2、蛍光体層3が形成されたガラスバルブ4と、ガラスバルブ4の端部が封止された部分を貫通する一対の導入線6,6の先端(ガラスバルブ4内における端部である。)に架設されたフィラメントコイル7と、ガラスバルブ4の端部に装着された口金9とを備える。
本実施の形態では、一対の導入線6,6は、ステム5を貫通し、導入線6,6の一部がステム5におけるガラスバルブ4の内側に位置する部分からガラスバルブ4内へと突設している。また、このステム5によりガラスバルブ4の端部が封止されている。端部が封止されたガラスバルブ4の内部には、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、またはこれらのガスを複数種含む混合ガスなどの希ガス及び水銀が封入されている。
フィラメントコイル7は、図2に示すように、金属線、例えば、タングステン線のワイヤから形成された主線7aと、主線7aを巻回する金属線(例えば、タングステン線)のワイヤから形成され且つ主線7aよりも細い副線7bとからなり、副線7bが巻回された主線7aを一次巻回させてなる一次巻コイルをさらに、二次巻回して形成された二次巻コイル状の、所謂3重コイルである。
このフィラメントコイル7には、電子放出物質8が保持されている(図1参照)。電子放出物質としては、例えば、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム等を主成分として含むものが使用できる。
ステム5は、所謂、フレアステムであり、ガラスバルブ4の両端部を封止する。ステム5、5の内、少なくとも一方のステム5には、両端部が封止された(所謂気密状の)ガラスバルブ4内を排気したり、水銀や希ガス等を封入したりする際に使用する細管が設けられている。
なお、上記細管は、ガラスバルブ4内の排気等が終わると、チップオフ封止される。
口金9は、例えば、Gタイプ(より具体的にはG13である。)であり、一対の口金ピン10,10を有し、この口金ピン10,10に、ガラスバルブ4内でフィラメントコイル7を架設している一対の導入線6,6が電気的に接続している。なお、この口金9は、ガラスバルブ4の端部に固着剤(例えば、セメント等である。)により固着されている。
本実施の形態に係る蛍光ランプLa1は、上記の基本構成を有し、フィラメントコイル及び蛍光体層を以下の構成とすることで、本蛍光ランプLa1の寿命をこれまで一般的に用いられている蛍光ランプの平均的な寿命である12000時間を大きく上回る18000時間以上にすることが実現可能となる。
2.フィラメントコイル
本実施形態の蛍光ランプLa1では、高い入力電力を印加することにより、管壁負荷を高めてランプ出力を増大させる。ゆえに主線7aの線径D1は、ランプ点灯時のフィラメントコイル7の表面温度を適切にするため、65(μm)以上、100(μm)以下の範囲であることが好ましい。
これは、線径D1が65(μm)未満では、主線7aが細すぎるため表面温度が高くなりすぎて、電子放出物質8の消耗が早くなってランプ寿命が短くなり、逆に、線径D1が100(μm)を超える場合は、主線7aが太すぎるため電子放出物質8が機能するのに充分な表面温度が得られず、電子放出物質8が熱電子を放出できなくなるためである。
また、副線7bの線径は、15(μm)以上、45(μm)以下の範囲が好ましい。これは、フィラメントコイル7の製造において、副線7bの線径が15(μm)未満では、副線7bの強度が不足するため副線7bの断線を生じやすく、逆に線径が45(μm)を超える場合は、副線7bを主線7aに巻回加工する際等の加工性が著しく悪化するからである。
電子放出物質8は、一本(一つ)のフィラメントコイル7に対し、5(mg)以上、11(mg)以下の範囲の量が付着している。これにより、後述する、ランプ点灯により電子放出物質8が完全に消耗するまでの時間を、実用上のランプ点灯時間としては充分な18000時間〜30000時間程度にすることができる。
3.保護膜及び蛍光体層
保護膜2は、ガラスバルブ4の内周面(つまり、保護膜2とガラスバルブ4とが接触する状態である)に塗布され、当該保護膜2上に蛍光体層3が塗布されている。
保護膜2は、例えば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などを単独もしくは複数混合した無機金属酸化物の微粒子を用いている。
保護膜2の膜厚は、1(μm)以上、3(μm)以下の範囲であることが好ましい。つまり、膜厚を1(μm)以上にすることにより、ガラスバルブ4内に封入されている水銀とガラスバルブ4との反応が抑制され、管壁負荷の増加にともなう蛍光ランプLa1の光束維持率の悪化を抑制もしくは改善することが可能となる。また、膜厚を3(μm)以下にすることで、保護膜2上に形成した蛍光体層3がランプ製造時もしくはランプ製造後の取り扱い時にガラスバルブ4から脱落することを防止できる。
蛍光体層3は、ガラスバルブ4内の放電空間において励起された水銀より放射する主に253.7(nm)の紫外線を可視光に変換する機能を有し、紫外線励起によりそれぞれ青色・緑色・赤色発光する3種類の蛍光体粒子からなる混合蛍光体粒子を主成分とし構成されている。
青色発光する蛍光体粒子(の種類)としては、少なくとも2価のユーロピウムを発光中心とするアミン酸塩蛍光体粒子を含み、その蛍光体粒子の中心粒径(D50)が2.5(μm)以上、5.5(μm)以下の範囲にあるのが好ましい。この理由は後述する。なお、上記蛍光体粒子の中心粒径(D50)の測定には、レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD−2000A(株式会社 島津製作所 製)を用いている。
緑色発光する蛍光体粒子としては、例えば3価のセリウムと3価のテルビウムを発光中心とするリン酸塩蛍光体粒子を含み、その蛍光体粒子の中心粒径(D50)が、3.5(μm)以上、6.0(μm)以下の範囲にあるのが好ましい。この範囲内においては、効率が高く且つ外観品位が良好な蛍光体層を有する蛍光ランプLa1を得ることができるからである。
赤色発光する蛍光体粒子としては、例えば3価のユーロピウムを発光中心とする酸化物蛍光体粒子を含み、その中心粒径(D50)が、5.0(μm)以上、7.5(μm)以下の範囲にあるのが好ましい。この範囲内においては、効率が高く且つ外観品位が良好な蛍光体層を有する蛍光ランプLa1を得ることができるからである。
4.蛍光ランプの製造方法
蛍光ランプLa1の製造法について説明する。
まず、上記の複数種類(具体的には3種類である。)を混合した蛍光体粒子を溶媒である水もしくは有機溶媒のいずれかと、溶媒に可溶な高分子からなるバインダと、蛍光ランプLa1の完成時に混合蛍光体粒子を主成分とする蛍光体層3をガラスバルブ4から脱落しないように結着させる結着剤等と共に混合し蛍光体サスペンジョンに調整する。
そして、この蛍光体サスペンジョンを予め保護膜2を形成しておいたガラスバルブ4の内面に流し込むことにより前記蛍光体サスペンジョンを塗布し、その後ガラスバルブ4の長手方向を鉛直に支持した状態で30(℃)〜100(℃)に加温し、蛍光体サスペンジョンを乾燥して蛍光体層3を形成する。これに続いて、上記蛍光体層3を形成したガラスバルブ4をおよそ500(℃)〜700(℃)で焼成する。
一方、上記の工程とは別に、予め電子放出物質8が保持されたフィラメントコイル7が架設された一対の導入線6,6が突設されているステム5を製造・準備しておく。
そして、焼成後の上記のガラスバルブ4の端部にステム5を封止する。続いて、ガラスバルブ4内を排気、フィラメントコイル7への通電により電子放出物質8を活性化、好ましくは200(Pa)〜400(Pa)のガス圧の希ガス及び水銀を封入して、発光管を完成させる。
最後に、発光管の端部に、一対の口金ピン10,10を固定した口金9を装着し、かつ一対の口金ピン10,10を一対の導入線6,6のそれぞれに電気的に接続することにより、蛍光ランプLa1が得られる。
5.検討内容
発明者らは管壁負荷を高めてランプ出力を増大させた蛍光ランプにおける光束維持率向上の検討をおこなった結果、青色蛍光体粒子の中心粒径(D50)を上記特定の範囲にすることにより、高い入力電力を印加して管壁負荷を高めて、ランプ出力を増大させた蛍光ランプでありながら、併せて高い光束維持率を得ることができることを見出した。以下に詳しく説明する。
(1)試験内容
まず、蛍光体粒子の中心粒径(D50)と管壁負荷とを変更させて、その際のランプ効率と光束維持率とを測定した。具体的には、青色発光する蛍光体粒子に2価のユーロピウムである組成BaMgAl1017:Eu2+のアルミン酸塩蛍光体粒子を用い、緑色発光する蛍光体粒子には3価のセリウムと3価のテルビウムを発光中心とするLaPO:Ce3+,Tb3+のリン酸塩蛍光体粒子を用い、赤色発光する蛍光体粒子には3価のユーロピウムを発光中心とするY:Eu3+の酸化物蛍光体粒子を用いた。なお、緑色発光体の中心粒径(D50)が4.5(μm)であり、赤色蛍光体粒子の中心粒径(D50)が6.0(μm)である。
緑色蛍光体粒子及び赤色蛍光体粒子を上記とし、青色発光体の中心粒径(D50)が、2.0(μm)、2.5(μm)、3.5(μm)、5.5(μm)、6.0(μm)の5種類を用いている。
試験に用いる蛍光ランプは、上記種々の蛍光体層について、管径25.5(mm)、管長1198(mm)の高周波点灯専用形の直管型蛍光ランプを複数個作成した。なお、ガラスバルブ内に封入された希ガスにはアルゴンを用いガス圧は240(Pa)〜340(Pa)とし、上記蛍光ランプの光色の相関色温度は、5000(K)〜5100(K)としている。
蛍光ランプの点灯においては、管壁負荷を、0.05(W/cm)(入力電圧45(W)に相当する。)及び0.07(W/cm)(入力電圧63Wに相当する。)の2つの条件で点灯させて、そのランプ効率と光束維持率とを測定している。
なお、比較参照のため、青色蛍光体粒子として、2価のユーロピウムを発光中心として有する中心粒径(D50)が2.0(μm)、2.5(μm)、3.5(μm)、5.5(μm)、6.0(μm)である組成(SrCaBa)(POCl:Eu2+のハロリン酸塩蛍光体粒子を用いた蛍光ランプも複数個作成し、同様の管壁負荷の条件でランプ効率及び光束維持率を測定した。
また、上記の測定に加え、ランプ両端の発光色色差ΔCを測定している。
ランプ両端の発光色色差ΔCとは、蛍光ランプの一方の口金端より12(cm)内側の部分のランプ発光色のCIE1931色度図上における色度座標を(x,y)とし、他端の口金端より12cm内側の部分のランプ発光色のCIE1931色度図上における色度座標を(x,y)とした時の((x−x+(y−y1/2の値と定めた。
発明者らはランプ両端の発光色色差ΔCと実際のランプの光の直接的または間接的な視覚的影響を検討した結果、例えば蛍光ランプを搭載した照明器具を多数設置した照明空間では、照明器具に搭載された蛍光ランプの端部と隣接する照明器具に搭載された蛍光ランプの他端部とが至近距離に配置されることがあり、発光色色差ΔCが0.0050を超えるとランプ両端の発光色の差が大きすぎるため、違和感が生じ、実用上許容できないことを見出した。
このため、発明者らは、点灯時間100時間後のランプ光束に対する、点灯18000時間後のランプ光束の比(光束維持率)が80%以上のものを目標とするとともに、発光色色差ΔCが0.0050以下のものを目標としている。
(2)測定結果
上記種々のランプ効率及び光束維持率の測定結果を図3に示す。
図中のランプ効率(図中では、単に「効率」として表示している。)は、点灯時間100時間時のものであり、点灯時間18000時間での光束維持率は、点灯時間100時間後のランプ光束に対する点灯時間18000時間後のランプ光束の比であり、併せて、蛍光ランプにおける実用上重要な特性であるランプ両端のランプ両端の発光色色差ΔCは、点灯時間100時間後のものである。
(3)ランプ効率
ランプ効率においては、図3から明らかなように、管壁負荷によらず全ての水準で、高効率蛍光ランプの目安とされる80(lm/W)を大きく超え、良好であった。
また、管壁負荷との関係においては、管壁負荷が低い0.05(W/cm)の方が、管壁負荷の高い0.07(W/cm)よりも、ランプ効率が高くなっており、この傾向は、アルミン酸塩蛍光体粒子及びハロリン酸塩蛍光体粒子の両蛍光体粒子において見られている。
一方、蛍光体粒子の中心粒径(D50)との関係においては、中心粒径(D50)が大きくなるに従って、効率が高くなっており、この傾向は、アルミン酸塩蛍光体粒子及びハロリン酸塩蛍光体粒子の両蛍光体粒子において見られている。
(4)光束維持率
光束維持率においては、図3に示すように、管壁負荷を0.05(W/cm)で点灯させた場合は、青色発光する蛍光体粒子の組成(アルミン酸塩蛍光体粒子及びハロリン酸塩蛍光体粒子の両蛍光体粒子)もしくは中心粒径(D50)によらず、光束維持率が80(%)を超えて全て良好であったが、管壁負荷を0.07(W/cm)で点灯させた場合には青色発光する蛍光体粒子の組成及び中心粒径(D50)により大きく変化することがわかった。
すなわち、定格寿命時点の光束維持率をJIS C 7617−2やJIS C 7618−2に規定された基準である70(%)を大きく上回る、80(%)を超える高い光束維持率を得ることができるのは、中心粒径(D50)が2.5(μm)以上であるアルミン酸塩蛍光体粒子を用いた場合(実施例1〜3及び比較例2)であることを見出した。これは、適切な中心粒径(D50)を有するアルミン酸塩蛍光体粒子が、特に管壁負荷を高めた際に優れた耐劣化特性を示すものと考えられる。
(5)発光色色差
ランプ両端の発光色色差ΔCにおいては、ハロリン酸塩蛍光体粒子を用いた場合(比較例5〜9)には、中心粒径(D50)によらず0.0050以内で良好であったが、アルミン酸塩蛍光体粒子を用いた場合には中心粒径(D50)によって大きな差があり、2.0μm≦D50≦5.5μm(中心粒径(D50)が2.0(μm)以上、5.5(μm)以下である。)の狭い範囲の中心粒径(D50)を有する特定のアルミン酸塩蛍光体粒子を用いた場合(実施例1〜3及び比較例1)にのみ0.0050以内となることを見出した。
これは、蛍光体層の形成方法に由来してガラスバルブが長尺になるに従ってランプ両端には青色発光、緑色発光、赤色発光するそれぞれの蛍光体粒子が異なる割合でガラスバルブ内面に付着するものと考えられ、概ね蛍光体粒子の短軸長さが同粒子の長軸長さの1/2以下である比較的板状に近い粒子形状を有するアルミン酸塩蛍光体粒子を用いた場合に、その中心粒径(D50)の影響が大きくなり、ランプ両端の発光色色差ΔCに大きく差が表れたものと考えられる。
(6)まとめ
以上、ランプ効率、光束維持率、発光色色差の全ての特性を満足することができるのは、2.5μm≦D50≦5.5μmの狭い範囲の中心粒径(D50)を有する特定のアルミン酸塩蛍光体粒子を用いた場合(実施例1〜3)であることを見出した。
このような範囲の中心粒径(D50)を有するアルミン酸塩蛍光体粒子を用いることにより、高い入力電力を印加することにより管壁負荷を高めてランプ出力を増大させた蛍光ランプでありながら高い光束維持率を有し、かつランプ両端の発光色色差も許容範囲であり産業的利用価値の高い実用的な蛍光ランプを得ることが可能となった。
6.発明の経緯
背景技術では、従来品・改良品について説明したが、本発明に係るランプ(以下、「発明品」とする。)との対比について説明する。
図4は、各ランプの光束維持率を示す概念図である。
図中の「A」は背景技術における従来品を示し、「B」は背景技術における改良品である。
従来品である「A」は、光束維持率が70(%)となる点灯時間が12000時間であるのに対し、改良品である「B」は、光束維持率が70(%)となる点灯時間が18000時間である。このように光束維持率が70(%)になる点灯時間が、改良品が従来品に比べて、1.5倍程度改善されている。
一方で、背景技術において一例を説明したように、管壁負荷を高めることでランプ1本あたりの光出力を従来品より増加させている。
このように従来品から改良品へのランプ特性の改善は、フィラメントコイルや保護膜等の改良により達成しているが、特にフィラメントコイルの改良によるところが大きい。つまり、まず、管壁負荷を高めることで光出力を高め、そして、このように蛍光ランプに印加する管壁負荷を高めても従来品を大きく上回る寿命を実現できるフィラメントコイルの構成を見出したことにより可能としている。
なお、従来品をそのままの構成で管壁負荷だけを高めた場合は、光束維持率が大きく悪化し、図中の「C」の挙動を示すこととなる。また、電子放出物質の消耗が激しくなるため、場合によっては、電子放出物質が枯渇して(所謂エミッタレス状態である)点灯時間が6000時間程度で不点灯となる。
発明品は、図4中の「D」であり、改良品よりもさらに光束維持率を高めている。
これは、管壁負荷、フィラメントコイル7、電子放出物質8は、改良品と同じであるが、蛍光体層に含まれる青色蛍光体粒子をアルミン酸塩蛍光体粒子とし、その中心粒径を2.5(μm)以上、5.5(μm)以下の範囲にすることで達成している。
本発明は、高い入力電力を印加することにより管壁負荷を高めてランプ出力を増大させた蛍光ランプでありながら高い光束維持率を有する蛍光ランプに利用できる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る蛍光ランプの一部断面図である。 図2は、フィラメントコイルの一例を示す図であり、(a)はその全体模式図、(b)は(a)におけるX部分の拡大図である。 蛍光ランプのランプ特性の測定結果を示す図である。 各ランプの光束維持率を示す図である。
符号の説明
2 保護膜
3 蛍光体層
4 ガラスバルブ
5 ステム
6 リード
7 フィラメントコイル
7a 主線
7b 副線
8 電子放出物質
9 口金
10 口金ピン
La1 ランプ

Claims (3)

  1. 複数種類の蛍光体粒子を含む蛍光体層が形成されたガラスバルブと、前記ガラスバルブの両端を封止する一対のステムと、前記各ステムを貫通する一対の導入線間に架設され且つ主線と当該主線に巻回された副線とからなるフィラメントコイルと、前記各フィラメントコイルに保持された電子放出物質とを備え、前記主線の線径が65μm以上、100μm以下の範囲内にあり、点灯時のランプ管壁負荷が0.05W/cm以上の蛍光ランプであって、
    前記ガラスバルブには、少なくとも水銀が封入されており、
    前記複数種類の蛍光体粒子の一種類が、励起された前記水銀から放射される紫外線を可視光に変換し、かつ2価のユーロピウムを発光中心として有する中心粒径(D50)が2.5μm以上、5.5μm以下の範囲内にあるアルミン酸塩蛍光体粒子である
    ことを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 前記ガラスバルブと前記蛍光体層との間に保護膜が形成され、当該保護膜の膜厚が1μm以上3μm以下の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記複数種類の蛍光体粒子として、3価のセリウムと3価のテルビウムを発光中心として有する中心粒径(D 50 )が3.5(μm)以上、6.0(μm)以下の範囲内にあるリン酸塩蛍光体粒子と、3価のユーロピウムを発光中心として有する中心粒径(D 50 )が5.0(μm)以上、7.5(μm)以下の範囲内の酸化物蛍光体粒子とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光ランプ。
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