JP2006222065A - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents

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庄司 直木
Keiji Hatakeyama
圭司 畠山
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敏幸 池田
Takashi Yorifuji
孝 依藤
Yasuo Nakajima
康雄 中島
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Abstract

【課題】 反射膜を改善することによりランプの明暗差を解消して外観などの品質向上をした蛍光ランプおよびこのランプを装着した照明器具を実現することを目的とする。
【解決手段】 断面が略円筒状のガラス管バルブ1と、このバルブ1に設けられた放電電極23と、上記バルブ1内に封装された放電媒体と、上記バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に光反射率の高い第一の反射膜41およびこの第一の反射膜41に隣接する光反射率の低い第二の反射膜42がそれぞれ形成された光反射膜4と、この光反射膜4より内方部分に形成された蛍光体膜6とを備えている蛍光ランプL1およびこのランプL1を装着した照明器具9である。
【選択図】 図2

Description

この発明は光反射膜が設けられた蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
一般照明用の蛍光ランプにおいては、ランプのバルブ表面にアルミニウムなどの全光反射形の反射膜などからなる反射体を設けることにより照射効率を向上させることが知られている。
例えば直管形の反射形蛍光ランプを反射膜形成側を上にして天井取付器具に装着し点灯したとき、反射膜を形成していない開口部からの光は集中して器具下方に放射されるので下面側の照度は高く明るくなる。しかし、天井面側は反射膜が遮光体となっているので暗くなってしまい、この上下の明暗差が大きいと美観を損なうこともあるので一部の場合を除いてあまり普及していなかった。
そこで、本願発明者等は上記蛍光ランプ点灯時の明暗差などを解消する手段として、半透明の光反射膜を形成した反射形蛍光ランプを先に提案した。(特許文献1)
この特許文献1に記載の蛍光ランプは、酸化アルミニウムなどの微粒子材料をガラス管バルブの表面に被着することによって半透明の光反射膜が形成されている。そして、点灯時にランプからは光反射膜の形成部からは弱い光が、また、光反射膜が形成されていない開口部からは光反射膜で反射した光が加わった光量の多い光が放射され、光反射膜を設けたにも拘らず明暗差を押えた配光分布でバルブの全周から発光されるよう構成してある。
特開2000−251840号公報
特許文献1の蛍光ランプは、バルブの全周が発光し、光反射膜の形成部と開口部との明暗差が従来より大幅に減少して改善されたが、点灯中における放射光量の差が大きいので光反射膜と開口部との境界における明暗差が依然として目立ち外観上好ましくない。
また、ガラス管バルブが曲成加工されたランプは、バルブ内面に形成した光反射膜や蛍光体膜などの被膜が、加工温度や材料の熱膨張率差などの影響で剥離を生じるという不具合があった。
本発明は上記問題に鑑みなされたもので、光反射膜を改善することによりランプの明暗差を改善した蛍光ランプまたはこの光反射膜の被着強度を高めて外観などの品質向上をはかった蛍光ランプおよびこれら蛍光ランプを装着した照明器具を実現することを目的とする。
本発明の請求項1記載の蛍光ランプは、断面が略円筒状のガラス管バルブと、このバルブに設けられた放電電極と、上記バルブ内に封入された放電媒体と、上記バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に光反射率の高い第一の反射膜およびこの第一の反射膜に隣接する上記バルブの内表面に光反射率の低い第二の反射膜がそれぞれ形成された光反射膜と、この光反射膜より内方部分に形成された蛍光体膜とを具備していることを特徴としている。
この蛍光ランプを点灯すると、所定の開き角度範囲で形成した光反射膜の第一の反射膜は光反射率が高くなるよう形成され透過光が制限される結果、バルブ外方への光放射は減光された弱い光が放射され、また、この第一の反射膜に隣接して形成した第二の反射膜は第一の反射膜より光反射率が低くなるよう形成されているのでバルブ外方への光放射は第一の反射膜より高く、反射膜が形成されていない開口部(光反射膜非形成部)からは上記第一および第二の反射膜により反射された光が加わり蛍光体膜を透過して光量が増した強度の光を放射できる。
すなわち、断面が略円形をしたバルブの、第一の反射膜形成部分からは弱い光放射が、また、第二の反射膜形成部分からは第一の反射膜形成部分よりは強い光放射が、反射膜が形成されていない開口部からは主に第一の反射膜から反射された光が加えられた強力な光放射が行われる。この結果、第一の反射膜からランプの周方向に沿って開口部に到るまで放射光量や輝度の変化は急激ではなく徐々に減少または増加するような分布となるため、バルブの全周囲において反射膜の境界を外見上不明瞭なものとすることができる。
なお、第二の反射膜の光反射率を光放射量を十分確保できる程度に低くすることができれば、照度を高くしたい光放射方向のバルブ内表面にこの第二の反射膜を形成して開口部(反射膜非形成部)を省略してもよい。
なお、本発明および以下の発明で、光反射膜の構成を第一および第二の反射膜と表現しているが、第一の反射膜とは主として反射機能を有する領域を、また、第二の反射膜とは反射機能はあまり期待せずに反射膜形成部と非形成部との境界を目立たなくする緩衝機能を有する領域をいう。
また、互いに隣接する上記第一および第二の反射膜間、上記第一および第二の反射膜部あるいは全光反射膜において、光反射率(膜厚)が連続的に変化するとは、直線状、曲線状または階段状などあるいはこれらの混合状態で変化することを意味し、その変化は漸次であっても多少の変化度合いをもって変化していてもよい。また、両反射膜においても光反射率や膜厚が漸次変化していてもよい。
また、本発明でいう光反射膜とは、可視光の波長範囲(380〜780nm)を対象としてこの可視光の少なくとも一部を透過し、一部を反射する作用を有するものである。
そして、光反射膜の非形成部(開口部)の光透過率を100%とした場合、光反射膜形成側の第一の反射膜の光透過率は30〜70%、好ましくは40〜60%の範囲内となるように形成されている。
また、第二の反射膜は第一の反射膜の光透過率が略均一の場合にはこの光透過率を超える領域とし、第一の反射膜の光透過率が変化する場合には最小光透過率の1.5倍以上、好ましくは2倍以上の光透過率を示す領域を意味する。上記光透過率比率が30%未満であると、光反射膜の非形成部(開口部)からの放射光量が高められるが、光反射膜側からの放射光量が減って暗くなり過ぎて、バルブ周方向からの照射光量分布の強弱が大きく違和感を感じる。
また、光反射膜の非形成部(開口部)の輝度を100%とした場合、光反射膜の第一の反射膜形成側の輝度は30〜70%、好ましくは40〜60%の範囲内で、第二の反射膜形成側の輝度は80〜99%、好ましくは85〜95%の範囲内となるように形成されている。
上記第一の反射膜の輝度比率が70%を超えると、バルブ周方向から見た場合に外見上、明暗差が小さくて好ましいが、光反射膜の非形成部(開口部)からの放射光量を期待するほど高められなくなる。また、第二の反射膜の輝度比率が80%未満であると、非形成部(開口部)との輝度比率の差が大きくなり、明暗差が目立ち易くなるので好ましくない。
なお、上記光透過率および輝度比率の調整は、被膜の形成材料、微粉末粒径、粒度、膜厚や被着密度などにより行うことができる。
本発明の請求項2記載の蛍光ランプは、第一の反射膜が、第二の反射膜よりも厚膜に形成されており、少なくとも第一の反射膜は、第二の反射膜の境界部においてその膜厚が徐々に変化していることを特徴としている。
第一の反射膜は光反射率が高く光透過率が低くなるようその膜厚を厚膜とし、また、第二の反射膜は第一の反射膜より光透過率が高く光反射率が低くなるようその膜厚が薄膜として形成されており、厚膜としてある第一の反射膜部からは透過光が制限されてバルブ外方への光放射は減光された弱い光が、また、薄膜とした第二の反射膜部からは第一の反射膜部より高い光が、反射膜が形成していない開口部(光反射膜非形成膜部)からは上記第一および第二の反射膜により反射された光が加わった光量が増した強度の光を放射できる。
そして、この発明では第一の反射膜と、隣接する第二の薄膜の反射膜との境界部にかけては徐々に膜厚を変化させているので弱い光から強い光の放射へと、明るさ(光量)を連続的に徐々に変化させる光放射が得られ、点灯中に境目をより判別しにくくすることができる。
なお、ここでは第一の反射膜側の膜厚を変化させるとあるが、隣接する第一および第二の反射膜との境界部であり第二の反射膜側の膜厚を変化させたと同じ意味で両者どちら側であってもよい。また、上記第一および第二の反射膜部内において、さらに光反射率が円滑に変化するよう細分した膜厚で反射膜が形成してあってもよい。また、第一および第二の反射膜部内においては、均一膜厚の連続ではなく多少の膜厚差があってもよい。
また、この光反射膜はバルブの全周に亘り形成されていてもその膜厚さが約10μm未満、好ましくは約5μm未満の薄膜であれば光反射作用は小さく無視できるので、この発明では光反射膜は膜厚が約10μm以上の範囲を意味する。また、光反射膜のバルブの周方向に連続的に徐々に膜厚を変化させるとは、例えば膜厚が40μmの厚膜部から10μmの薄膜部へ変化するのに要する角度はバルブ内径が14〜36mm程度のもので対称中心線の片側開き角度で20〜90゜程度、両側開き角度で40〜180゜程度、好ましくは対称中心線の片側開き角度で30〜60゜程度、両側開き角度で60〜120゜程度の範囲であれば点灯中における光反射膜と開口部との境目が判別しにくくなる。
本発明の請求項3記載の蛍光ランプは、第一および第二の反射膜の膜厚が、第一の反射膜の最大膜厚部から連続的に徐々に変化していることを特徴としている。
第一の反射膜の最大膜厚部からこの反射膜および隣接する第二の反射膜に亘り膜厚が連続的に徐々に変化して形成してあったり、あるいは略同じ膜厚で厚膜に形成された第一の反射膜から連続的に徐々に薄膜に変化して形成された第二の反射膜を有する光反射膜である。
この光反射膜は、第一の厚膜の反射膜と、隣接する第二の薄膜の反射膜との全反射膜が徐々に膜厚が変化しているかあるいは開口部と対向する領域が同じ厚膜に形成された第一の反射膜が第二の反射膜に近づくにつれて膜厚を徐々に薄膜化して第二の反射膜を形成したもので、第一および第二の反射膜の境界をも感じることなく弱い光から強い光の放射へと、明るさ(光量)を連続的に徐々に変化させる光放射が得られる。
なお、反射膜の膜厚を連続的に徐々に変化とは、膜厚が直線状、曲線状や段階状に漸次変化していくことを意味し、膜の途中において±10%、好ましくは±5%程度の膜厚の変動があっても差し支えない。
本発明の請求項4記載の蛍光ランプは、断面が略円筒状のガラス管バルブと、このバルブに設けられた放電電極と、上記バルブ内に封入された放電媒体と、上記バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に光反射率の高い反射膜部分および光反射率の低い反射膜部分が光反射率を連続的に徐々に変化して形成された光反射膜と、この光反射膜より内方部分に形成された蛍光体膜とを具備していることを特徴としている。
バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に例えば光反射率の高い厚膜部を、この厚膜部と略正対する部分に薄膜部を連続的に徐々に膜厚を変化させて形成したもので、上記厚膜部は光反射膜として、また、徐々に膜厚が変化する薄膜部は緩衝部として作用して、ランプ点灯時に光反射膜形成部位における境界を目立たたなくすることがはかれ、上記請求項1に記載と同様な作用を奏する。
本発明の請求項5記載の蛍光ランプは、光反射膜が、蛍光体膜と同一または別体の蛍光体で形成されていることを特徴としている。
光反射膜の材料として蛍光体を用いて形成しても厚膜部は反射体と発光体として、また、厚膜部と略正対した部分の蛍光体膜は発光体としての作用を奏し、蛍光体膜とは別に反射膜を設けなくてもよいので材料の節減や被膜形成工程の簡略化などがはかれ上記請求項1ないし4に記載と同様な作用を奏する。
また、この光反射膜として機能する蛍光体と、発光物質として機能する別の蛍光体を混合しまたは重層形成しても差し支えない。
本発明の請求項6記載の蛍光ランプは、上記光反射膜が、酸化アルミニウム、酸化チタン、ピロリン酸カルシウムおよびピロリン酸ストロンチウムから選ばれた少なくとも一種を主体材料とする被膜からなることを特徴としている。
光反射膜が、可視光の一部を透過し、一部を反射する作用を有する掲記の材料を主体とした半透明の被膜からなり、その形成は微粉末の塗布、蒸着あるいは透明体に塗布や蒸着したものを貼付してもよい。微粉末の場合の平均粒径は剥離を考慮すると0.2〜10μm程度のものがよい。膜厚は透光性を考慮すると3〜40μm程度が好ましい。
本発明の請求項7記載の蛍光ランプは、上記光反射膜の主体材料が、酸化チタンまたはピロリン酸カルシウムまたはピロリン酸ストロンチウムから選ばれた少なくとも一種であり、この主体材料の表面にマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよび亜鉛の酸化物のうちから選ばれた少なくとも一種が付着されていることを特徴としている。
この発明は、光反射膜を構成する酸化チタン、ピロリン酸カルシウムまたはピロリン酸ストロンチウムからなる主体材料が、水銀を吸収したり水銀化合物(HgO等)を形成することに起因した不具合(例えば反射膜の変色や水銀を早期に消耗することによるランプの短寿命等)に対処してなされたものである。
すなわち、酸化チタン、ピロリン酸カルシウムやピロリン酸ストロンチウムは水銀やその化合物と比較的反応し易い物質なので、その表面に酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムや酸化亜鉛の微粒子を付着させて帯電傾向等を制御することによって、酸化チタンやピロリン酸カルシウムからなる光反射膜の水銀やその化合物に起因する変色を抑制できる。
なお、上記光反射膜を構成する酸化チタンやピロリン酸カルシウムの平均粒径は1.0〜8.0μm、好ましくは3.0〜6.0μm程度である。また、これら酸化チタンやピロリン酸カルシウムの表面に付着されるMg、Ca、Sr、Ba、Znなどの酸化物は、酸化チタンやピロリン酸カルシウムに対して0.01〜5.0質量%、好ましくは0.02〜3.0質量%程度付着されている。この酸化物は平均粒径が5〜100nm程度の微粒子とし、均質な膜として表面にコーティングして付着させてもよい。
本発明の請求項8記載の蛍光ランプは、上記光反射膜が、ボレート系の結着剤を光反射膜の主体材料に対し3.0〜6.0質量%含有されていることを特徴としている。
光反射膜などの被膜形成材料に添加する結着剤としては、大別してアルミニウムやケイ素などの金属酸化物の微粒子系結着剤と、ホウ酸やリン酸などの低融点化合物系結着剤とがありよく知られている。そして、一般的には結着剤の添加量が多ければ被膜の被着強度は高まるが紫外線の吸収が大きく光出力の低下を招き、また、添加量が少なければ被膜の被着強度が弱く剥離し易くなる。
この発明では光反射膜を構成する平均粒径が1.0〜8.0μmの主体材料に、バリウム・カルシウムボレートやカルシウムボレートなどのボレート系の結着剤を用い、主体材料(100質量%)に対し3.0〜6.0質量%添加することにより所望の被着強度が得られる。
この添加量が3.0質量%未満であると光反射膜の被着強度が低下し、特にバルブを曲成したときに剥れが顕著に発生するなどのことが分かった。また、6.0質量%を超えると所望の光透過性が得られない。なお、好ましい添加量は3.5〜5.5質量%であった。因みに通常、蛍光体膜の形成における結着剤(例えばピロリン酸カルシウム)の添加量は、蛍光体に対して2.0〜2.5質量%程度である。
本発明の請求項9記載の蛍光ランプは、断面が略円筒状のガラス管バルブと、このバルブに設けられた放電電極と、上記バルブ内に封入された放電媒体と、上記バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に可視光の一部を透過するように光反射特性を有する主体材料およびボレート系の結着剤を含有する材料を塗布して形成され、この塗布材料中にボレート系の結着剤が主体材料に対し3.0〜6.0質量%含有されている光反射膜と、この光反射膜の内表面側に形成された蛍光体膜とを具備していることを特徴としている。
上記請求項8に記載と同様な作用を奏する。
本発明の請求項10記載の蛍光ランプは、上記光反射膜と上記バルブ内面との間に酸化亜鉛および酸化チタンのうち少なくとも一方の微粒子を主体として構成された紫外線吸収膜が形成されていることを特徴としている。
光反射膜とバルブ内面との間に紫外線吸収膜を形成することにより、光反射膜のバルブ内側での紫外線反射機能が損なわれることがなく、バルブ外方への紫外線放射量を抑えることができるという作用を奏する。
本発明の請求項11記載の蛍光ランプは、断面が略円筒状のガラス管バルブと、このバルブに設けられた放電電極と、上記バルブ内に封入された放電媒体と、上記バルブの周方向に沿って少なくとも一部の膜厚が変化するように上記バルブの内表面に形成された厚膜部と、この厚膜部と略正対する薄膜部とを有する蛍光体膜とを具備していることを特徴としている。
バルブの内表面または外表面に設けられた光反射膜と対応する内方部分、すなわち内表面の場合は光反射膜上に、また、外表面の場合は光反射膜と対向した内表面に厚膜部を、この厚膜部と略正対する部分に徐々に膜厚が変化する薄膜部が形成された蛍光体膜を有するものであって、蛍光体膜より光透過率の低い材料からなる光反射膜を形成した上にさらに厚膜とした蛍光体膜を重ねることによって光反射率を高めることができる。
本発明の請求項12記載の照明器具は、筐体と、この筐体に設けられた支持部材と、この支持部材に支持された上記請求項1ないし11のいずれか一に記載の蛍光ランプと、この蛍光ランプに接続した点灯回路装置とを具備していることを特徴としている。
上記請求項1ないし11のいずれか一に記載の蛍光ランプを装着した照明器具であって、例えば天井面などに配設された場合に蛍光ランプは開口部が下方に向け装着される。そして、ランプを点灯したとき天井面側は半透明の光反射膜が設けられているので減光されるが弱い光放射がされ、また、ランプの下方側は開口部から強い光すなわち光量が多い明るい光放射がなされる。
請求項1または4の発明によれば、略円筒状をしたガラス管バルブに光反射膜を設けたにも拘らず、バルブの全周から周方向に円滑に光量が変化した放射光が得られるとともに点灯中における光反射膜の開口部での境界が判別しにくくなって境目が目立たなくなり、外観が向上できる。
したがって、開口部から照射方向への光量が増加し効率の向上がはかれるとともに光反射膜の境界による光量や輝度の明暗差が目立たない外観品質の向上した反射形の蛍光ランプを提供できる。
請求項2の発明によれば、光反射率を光反射膜の膜厚分布で調整することにより行うとともに隣接した第一の反射膜と第二の反射膜の境界部における膜厚を徐々に変化させたことにより、点灯時に光反射膜の境界部に生じる光量や輝度の明暗差が目立たない外観品質の向上した反射形の蛍光ランプを提供できる。
請求項3の発明によれば、光反射膜全体に亘りまたは第一の反射膜と第二の光反射膜の隣接部から連続的に徐々に膜厚を変化させていることにより、隣接部を仕切る境界が生じず段階的な光量や輝度の明暗差のない外観品質の向上した反射形の蛍光ランプを提供できる。
請求項5発明によれば、光反射膜の材料として蛍光体を用い形成しても、上記請求項1ないし4記載と同様な効果を奏する反射形の蛍光ランプを提供できる。
請求項6の発明によれば、可視光の一部を透過し、一部を反射する作用を有する掲記の材料を主体として半透明の光反射膜を形成することにより、バルブの全周から所定角度に所定光量の光放射が行える反射形の蛍光ランプを提供できる。
請求項7の発明によれば、酸化チタン、ピロリン酸カルシウムタンやピロリン酸ストロンチウムからなる光反射膜の水銀吸収やその化合物の発生に起因する不具合を抑制できる。
請求項8および9の発明によれば、光出力の低下を抑制して光反射膜の被着強度の向上がはかれる。特に環形蛍光ランプなどガラス管バルブを曲成したランプに適用して多大な効果を呈する。
請求項10の発明によれば、光反射膜のバルブ内側での紫外線反射機能が損なわれることがなく、バルブ外方への紫外線放射量を抑える効果のある反射形の蛍光ランプを提供できる。
請求項11の発明によれば、蛍光体膜より光透過率の低い材料からなる光反射膜と対応する部分に厚膜とした蛍光体膜を重ね光反射率を高めることによって、開口部から照射方向への光量が増加し発光効率の向上がはかれるとともに光反射膜の境界による光量や輝度の明暗差が目立たない外観品質の向上した反射形の蛍光ランプを提供できる。
請求項12の発明によれば、請求項1ないし11に記載の効果を有する反射形の蛍光ランプが装着されているので、明るさを必要とする特定方向へは放射光量を多く、あまり必要としない方向へも少ない放射光量を放射して照明を行うことができるとともに外見上のランプに光量や輝度の明暗差を感じない照射効率の向上がはかれた照明器具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。図1は例えば環形蛍光ランプL1の正面図(主光放出部(開口部)側)、図2(a)は図1中の矢視A−A線に沿って切断した端面を拡大した横断面図、図3は半透明の光反射膜の膜厚分布図である。なお、図中、各被膜などの膜厚や被着形態などは説明上のもので一部誇張して示してあり、必ずしも他構成部材との寸法比率などは現実のものとは異なっている。
図示の環形蛍光ランプL1において、1はソーダライムガラスや鉛ガラスなどの円筒形ガラス管を曲成した環形のバルブ、2,2はマウント、11,11は上記バルブ1の端部に形成したマウント2との封着部で、上記バルブ1とマウント2、2とで気密容器を構成している。
上記マウント2は、フレヤ状をなすステムガラス管21に一対のリード線22と排気管(図示しない。)とを圧潰封着しているとともにこのリード線22間にタングステン素線を巻回したコイル状のフィラメントからなる電極23が継線してある。なお、上記マウント2は、フレヤステムに限らずボタンステムやビードステムを用いたものであってもよい。
また、3は保護膜で、水銀や紫外線による黒化防止や蛍光体のガラス中へのめり込み防止のためバルブ1内表面のほぼ全面に塗布形成されている。保護膜3は、平均粒径が0.01〜0.1μm程度、好ましくは0.02〜0.08μm程度の酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウムまたは酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも一種の材料を主体として0.2〜5.0μm程度、好ましくは0.5〜3.0μm程度の膜厚で形成されている。
4はこの保護膜3上に形成された可視光を反射する半透明の光反射膜で、図示環形バルブ1の管軸に沿う上方側であってバルブ1周方向の所定角度範囲に塗布形成されている。この光反射膜4は、平均粒径が0.5〜10μm程度の蛍光体、酸化アルミニウム、酸化チタン、ピロリン酸カルシウムまたはピロリン酸ストロンチウムから選ばれた少なくとも一種の材料を主体として、粒径によっても変わるが1〜40μm、好ましくは3〜30μm程度の膜厚で形成されている。
5はこの半透明の光反射膜4と略正対した光反射膜が形成されていない下方側(図2(a))の開口部(光反射膜非形成部)、6は蛍光体膜で、上記光反射膜4上およびこの光反射膜4が形成されていない保護膜3上(開口部5)に形成した3波長発光形蛍光体やハロリン酸カルシウム(白色蛍光体)などの蛍光体の微粉末を塗布して形成されている。
なお、上記保護膜3、光反射膜4および蛍光体膜6は、各材料と、アルミニウムやケイ素などの金属酸化物の微粒子系結着剤またはホウ酸やリン酸などの低融点化合物系結着剤と、ニトロセルロースなどの有機系溶剤あるいはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性溶剤とを混合した懸濁液を塗布することにより形成できる。
そして、例えばここでは上記保護膜3は、平均粒径が約0.02μmの酸化アルミニウムを主体とする微粉末材料の懸濁液をバルブ1内表面のほぼ全面に塗布したものからなり、約1μmの膜厚で形成されている。
また、光反射膜4は、平均粒径が約5μmのピロリン酸カルシウムを主体とする微粉末材料が用いられ、このピロリン酸カルシウム(100質量%)に対しバリウム・カルシウムボレートを結着剤として4.5質量%と、ニトロセルローズとを混合した懸濁液を上記保護膜3上の下記所定範囲に塗布して、図3に示すような膜厚分布で形成されている。
図3は横軸にバルブを周方向に展開したとき位置する角度(°)(なお、0°は図2(a)中の最大厚膜部で、基点(B位置)としている)、縦軸は膜厚の相対値を示す。
この光反射膜4はバルブ1内表面に所定角度、例えば円周方向の開き角度約150゜(垂直中心線から片側各約75゜)の範囲に膜厚が約25μmの厚膜とした第一の反射膜41の厚膜部)が、また、この反射膜41の両側には膜厚が厚膜部41の約25μmから連続的に徐々に減らして0とした第二の反射膜(薄膜部)42,42が各開き角度約25゜の範囲に形成されており、第一の反射膜41と第二の反射膜42,42を合せた光反射膜4全体として約200゜(垂直中心線から各約100゜)の範囲、実質的には膜厚が5μm以上の光反射膜4として作用する約180゜(垂直中心線から各約90゜)の範囲に形成されている。
なお、光反射膜4を形成する平均粒径が1.0〜8.0μmのピロリン酸カルシウムを主体とする微粉末材料に添加する結着剤としての例えばバリウム・カルシウムボレートは、ピロリン酸カルシウム(100質量%)に対し、3〜6質量%(好ましくは3.5〜5.5質量%)添加することにより所望の被着強度が得られ、この上下限値を外れると剥離や発光特性の低下などを招くことが分かった。
また、蛍光体膜6は例えばユーロピウム付活ハロリン酸バリウム・カルシウム・ストロンチウム(青色蛍光体)、セリウム・テルビウム付活リン酸ランタン(緑色蛍光体)、ユーロピウム付活酸化イットリウム(赤色蛍光体)の三種の蛍光体の混合微粉末の懸濁液を上記光反射膜4上および開口部(光反射膜非形成部)5に塗布して形成されたものからなり、その平均膜厚さは約20〜30μmである。
また、このバルブ1内には液状や合金化した水銀およびアルゴンAr、クリプトンKrやネオンNeなどの希ガスが単独または混合して250〜360Pa(パスカル)封入されている。また、図中7Aはピン端子75,…を備えたG10q形の口金で、曲成したバルブ1の両端封着部11,11を橋絡して固定されている。
このような構成の環形蛍光ランプL1は口金7Aを点灯回路装置に接続して、口金7A、リード線22、22を介し電極23、23に通電して点灯すると、ランプL1は環状をなすバルブ1の全周面から光放射をする。
しかし、この蛍光ランプL1からのバルブを横断した外周面からの光放射は均等ではなく、環形バルブ1の周方向180°以上の範囲に光反射率の高い第一の反射膜(厚膜部)41および第二の反射膜(薄膜部)42を有する光反射膜4が、残部に光反射膜4を形成していない光反射率が低く光透過率が高い開口部(光反射膜非形成部)5を略正対させているので、バルブ軸方向に沿う下方側の開口部(光反射膜非形成部)5から放射される光強度(光量)は、バルブ1内の反射膜41,42で反射され開口部(光反射膜非形成部)5に向かった分も加わって強く(多く)なり、開口部の照射方向の被照射面はより明るくなる。
また、上記半透明の光反射膜4を形成した第一の反射膜(厚膜部)41および第二の反射膜(薄膜部)42を透過して上方側や側方側からも光が放射される。
これら半透明の光反射膜4は、光反射率が高く光透過率が低くなり、厚膜とした第一の反射膜(厚膜部)41からの放射光量は開口部(光反射膜非形成部)5に比べて非常に弱く、また、この第一の反射膜(厚膜部)41と連接した第二の反射膜(薄膜部)42は第一の反射膜(厚膜部)41に対し薄膜とし、しかも膜厚を徐々に薄く変化させているので第一の反射膜(厚膜部)41よりも光量が多いとともに連続的に徐々に変化した放射光量を生じさせることができる。
すなわち、第一の反射膜(厚膜部)41と開口部(光反射膜非形成部)5との間に形成された第二の反射膜(薄膜部)42は、放射光量が第一の反射膜(厚膜部)41と開口部(光反射膜非形成部)5との間を結ぶ勾配をもつ両者間の明暗差を緩衝して光量や輝度を連続的に徐々に変化した放射光を発生させることができる。
この環形蛍光ランプL1のバルブ1の周方向の鉛直配光曲線は、図4に示すように急激な変化のない開口部5(図4で下方側)の中心で約30%アップした配光分布C(実線)となり、点灯時に所定方向の光量が高められるとともにランプL1を見た場合バルブ1の表面の光量や輝度に差があっても僅かで、明暗差の少ない外観品質の向上した反射形の環形蛍光ランプL1を提供できる。なお、図4中、数字50、100、150は、光反射膜を形成していない比較用のランプR(光反射膜形成以外は同一仕様ランプ)を基準とした強度を100%(…長点線)とした相対配光曲線で単位は%である。
なお、上記実施の形態において、光反射膜4を第一の反射膜(厚膜部)41と第二の反射膜(薄膜部)42とで説明したが、本発明では反射機能および境界緩衝機能を呈する上記隣接して連続形成した各反射膜41,42を一体化したものを光反射膜4としてもよい。
また、曲成バルブを有する例えば環形蛍光ランプL1は、製造工程において半透明な光反射膜4を形成した直管形ガラス管バルブを加熱・軟化して環形に成形されるが、万一、ガラス管が成形時に捩じれるなどのことがあって両端付近の光反射膜4の周方向の形成位置が同一線上に揃わなかった場合でも、ランプL1点灯時に明暗差が少ないので外見上の違和感を低減できる。
また、バルブ内表面への光反射膜4の形成は、反射膜材料を懸濁液として塗布するなどの手段で行うことができる。懸濁液の場合は水平に載置した直管形ガラス管バルブ内の所定形成位置にまで反射膜材料の懸濁液を注入した後、懸濁液を排出したり、斜めにした直管形ガラス管バルブの上方開口端側から反射膜材料の懸濁液をバルブを周方向に回動しながら所定範囲に流し込み下方開口端側から排出した後、バルブを水平にして乾燥したり、あるいはバルブ内にスプレーのノズルを1本ないし複数本入れてノズルから塗布材を噴射しながらバルブ軸に沿って直線的や揺動させながら移動することにより塗布して付着した塗布液を乾燥させる。
そして、バルブの水平状態における乾燥時にバルブ内表面の上方側に付着した塗布液は側面に流れるので、上方側の付着量は少なく薄く、下方側に行くにしたがい連続的にしかも徐々にその付着量が変化して下方側の付着量が最も多く厚く形成される。バルブはこの乾燥の後ベーキングして厚膜の第一の反射膜(厚膜部)41と、膜厚を連続的に変化させた第二の反射膜(薄膜部)42とが形成された半透明の光反射膜4が完成する。
また、半透明の光反射膜4の他の形成手段として、反射膜材料を速乾性の溶剤に懸濁した液を1本ないしは複数本のスプレーノズルを用い、厚膜とする部分と薄膜とする部分でノズルの噴射口径や本数を変えるなどして、ノズルから塗布材を噴射しながら塗布することにより膜厚分布に変化をもたせ光反射膜4が得られる。
また、上記半透明の光反射膜は端縁部が徐々に薄膜となるように形成してあるので、ガラス管バルブや上面に形成した蛍光体膜との馴染もよく強固に被着でき、ランプ点滅による熱衝撃や材料の熱膨脹率差などに起因する応力で光反射膜が剥離することを抑制できる。
したがって、この環形蛍光ランプL1は点灯時に、開口部5からは高出力の光放射が行えるとともに反射膜4形成によるバルブ1面に発生する光量や輝度などの明暗差を解消できる。また、光反射膜4の端縁部が薄膜となるのでランプの点滅などの熱衝撃による被膜剥離の抑制ができるなど外観品質の向上がはかれるとともに製造も容易となる。
なお、上記実施の形態の蛍光ランプL1では図2(a)に示すようにバルブ1の内表面に保護膜3を形成したが、保護膜3は必須のものではなく、図2(b)に示すランプL2のように保護膜3は設けずにバルブ1の内表面に直接に上記膜厚分布の半透明光反射膜4を形成してもよい。また、図示していないが半透明光反射膜4の形成はバルブ1の外面であってもよい。
また、バルブ表面に形成した光反射膜4の主体材料として酸化チタン、ピロリン酸カルシウムまたはピロリン酸ストロンチウムあるいはこれらの混合物を用いている場合には、これら主体材料の表面にマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよび亜鉛の酸化物のうちから選ばれた少なくとも一種の微粒子を付着しておくことにより、主体材料が水銀化合物を形成して変色を生じたり水銀を早期に消耗してランプの短寿命を招くことを防止できる。
すなわち、酸化チタン、ピロリン酸カルシウムやピロリン酸ストロンチウムは水銀や水銀化合物と比較的反応し易い物質なので、その表面に酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムや酸化亜鉛の微粒子を付着させて帯電傾向等を制御することによって、酸化チタンやピロリン酸カルシウムからなる光反射膜4の水銀やその化合物に起因する変色を抑制できる。
上記光反射膜4を構成する酸化チタン、ピロリン酸カルシウムやピロリン酸ストロンチウムの平均粒径は1.0〜8.0μm、好ましくは3.0〜6.0μm程度である。また、これら酸化チタンやピロリン酸カルシウムの表面に付着されるMg、Ca、Sr、Ba、Znなどの酸化物を、酸化チタン、ピロリン酸カルシウムやピロリン酸ストロンチウムに対して0.01〜5.0質量%,好ましくは0.02〜3.0質量%程度付着させることができる。
また、この光反射膜4の形成材料に限らず、蛍光体膜6を構成する蛍光体に上記酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムや酸化亜鉛の微粒子を付着させてもよい。この付着によっても、蛍光体膜6が水銀やその化合物により生じる変色および水銀の枯渇を抑制して上記と同様な作用効果を得ることができる。
この酸化物は、平均粒径5〜100μm程度の微粒子として表面に付着させてもよいが均質な被膜として表面にコーティングして付着させてもよい。
また、図5は本発明の他の実施の形態を示し、図中、図1,2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図5(a)は直管形蛍光ランプL3の正面図(主光放出部(開口部)側)、(b)は側面図で、このランプL3の場合もバルブ1内表面に形成した各被膜の状態は図2(a)や(b)と同構成で、上記蛍光ランプL1と同様な作用効果を奏する。
なお、この直管形蛍光ランプL3の場合は2ピン端子75,75を有するG13形などの口金7B,7Bがバルブ1の両端に接合されている。そして、この直管形蛍光ランプL3においては口金7B,7Bの一対の端子ピン75,75とほぼ並行してフィラメント23の長手方向が張架された状態にあり、このフィラメント23の長手方向と光反射膜4の形成面とを合わせておくことにより、一対の端子ピン75,75と光反射膜4の形成面とも合致し、ランプL3をソケットに取り付けするときに光反射膜4の形成側を容易に位置決めすることができる。
すなわち、例えば天井へ取り付けられた大部分の器具においてランプL3を装着する場合に、天井面側には光反射膜4の形成側を、下方側には光反射膜非形成側の開口部5側を位置させて、下方側に反射ピークを指向することができる。
また、図6(a)〜(e)は、本発明の蛍光ランプの他の実施の形態を示すガラス管バルブを横断した端面図で、図中図1ないし図5と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
上記実施の形態では半透明の光反射膜4をピロリン酸カルシウムで形成したが、図6に示すように光反射膜4を蛍光体膜6の膜厚を変化させることによっても形成できる。
図6(a)は蛍光ランプL4のバルブ1内表面に形成した保護膜3上に蛍光体膜6の第一の反射膜に相当する厚膜部41が所定の開き角度例えば約180°の範囲と、この厚膜部41に隣接して膜厚を連続的に徐々に薄くしていった第二の反射膜に相当する薄膜部42が約20°の範囲と、厚膜部41と正対する約140°の範囲に通常の光透過率で所定の発光をなす膜厚の開口部5とが形成してある。
この蛍光体膜6の膜厚を厚くして光透過率を低下させ反射率を高めた厚膜部41は第一の反射膜として機能するとともにバルブ1外へも弱い光を放射し、また、上記厚膜部41と略正対した開口部5からは厚膜部41および薄膜部42からの反射光も加わった高光量の光放射がバルブ1外へ指向して行える。
また、側面部近傍の薄膜部42は、厚膜部41と開口部5を結ぶ膜厚勾配で形成され、光量や輝度の明暗差を解消する緩衝部として作用する。
図6(b)は蛍光ランプL5のバルブ1内表面に半透明の光反射膜4、蛍光体膜6が順次積層して形成され、上記光反射膜4の膜厚が一様でなく第一の反射膜(厚膜部)41から第二の反射膜(薄膜部)42へ連続的あるいは段階的に変化する膜厚勾配で形成してある。
このランプL5は、格別な開口部を有しないが、例えば光反射膜4の厚膜部41と正対する薄膜部42の膜厚を5μm以下としておくことによりこの部分から光放射がなされ、上記蛍光ランプL1と同様な作用効果を奏する。
図7はこの図6(b)のランプL5の膜厚分布図で、横軸は図3と同様にバルブを周方向に展開したとき位置する角度(°)、縦軸は膜厚の相対値を示す。なお、この蛍光ランプL5の場合も、上記蛍光ランプL4と同様に光反射膜4が厚膜部41から薄膜部42へ連続的あるいは段階的に変化する膜厚勾配で形成してある。
図6(c)はラピッドスタート形の蛍光ランプL6であって、バルブ1の内表面に酸化スズや酸化インジウムなどのEC膜と呼ばれている透明導電性膜8Eを形成し、この透明導電性膜8E上にバルブ軸に沿って所定角度の範囲を上述した第一の反射膜(厚膜部)41と第二の反射膜(薄膜部)42とで構成した半透明の光反射膜4を形成し、さらに、この光反射膜4上に蛍光体膜6が形成してある。この蛍光ランプL6を点灯したときの配光も、図4に示すような略鶏卵形の光放射強度分布となる。
また、バルブ1の内表面に透明導電性膜8を形成したラピッドスタート形の蛍光ランプL6は、点灯中にEC黒化と呼ばれるバルブ1が黒化する現象が発生し、光束の低下とともにランプL6の外観が悪くなることがある。
しかし、この実施の形態のように、バルブ1に光反射膜4を形成しておくと、その黒化が少なく見え、外観をよくすることができる。特に、ランプL6点灯時の方向が規制できる場合は、透明導電性膜8を例えばバルブ1内表面の上方側のみに半透明の光反射膜4の幅とほぼ同じ幅形成しておけば、バルブ1の黒化範囲が減少してランプL6の外観がよくなるという効果がある。また、バルブ1の外表面にバルブ軸に沿って所定角度の範囲に上述した光反射膜4を形成するようにしてもよい。
図6(d)は希ガス発光の蛍光ランプL7で、このランプL7はバルブ1の内表面にバルブ軸に沿って所定角度の範囲を上記酸化アルミニウムなどの材料からなる第一の反射膜(厚膜部)41と第二の反射膜(薄膜部)42,42とで構成した半透明の光反射膜4が形成してある。なお、このランプL7の場合も半透明の光反射膜4が、バルブ1の内外表面の少なくとも一方の面に形成してあればよい。
そして、この希ガス発光の蛍光ランプL7は、アルゴンなどの希ガス発光により光放射が行われ、光反射膜4で反射した光を加えて開口部5から放射し、この蛍光ランプL7を点灯したときの配光も、図4に示すものと同様な略鶏卵形の光放射強度分布となる。
図6(e)は紫外線吸収膜8Uが設けられた蛍光ランプL8であって、バルブ1の内表面に紫外線吸収膜8Uが設けられ、この紫外線吸収膜8U上にバルブ軸に沿って所定角度の範囲を上述した第一の反射膜(厚膜部)41と第二の反射膜(薄膜部)42とで構成した半透明の光反射膜4を形成し、さらに、この光反射膜4上に蛍光体膜6が形成してある。この蛍光ランプL6を点灯したときの配光も、図4に示すような略鶏卵形の光放射強度分布となる。
また、この紫外線吸収膜8Uを形成した蛍光ランプL8は、バルブ1内側での紫外線反射機能を損なうことがなく、バルブ1外への紫外線放射量を抑制できる。 この紫外線吸収膜8Uの形成は、バルブ表面や保護膜上あるいはこの保護膜と同様な作用をも兼ね奏する紫外線吸収膜を保護膜と兼用するよう形成しても差支えない。なお、ここでいう紫外線吸収膜とは、可視光は透過するが紫外線の透過を阻止する吸収や反射をする被膜をいう。
例えばこの紫外線吸収膜は、酸化亜鉛、酸化チタンや酸化セリウムなどのうちから選ばれた少なくとも一種の材料を主成分として塗布することにより形成できる。
上記図6(a)〜(e)に示す蛍光ランプL4〜L8も、略鶏卵形の光放射強度分布を呈し、反射膜4形成によってバルブ1外表面に現れる光量や輝度の境界が不明瞭で、上記図1、図2のランプL1が示すと同様な作用効果を奏する外観品質などが向上したランプを提供できる。
また、図8は本発明の応用例で、蛍光ランプのガラス管バルブを横断した断面図で、図中図1ないし図6と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図8(a)の蛍光ランプL9は、バルブ1内表面の周方向に所定開き角度範囲で管軸に沿って形成された半透明の光反射膜4と、上記バルブ1内表面の光反射膜4の非形成部分に形成された保護膜3と、上記光反射膜4および保護膜3の表面に形成された蛍光体膜6とを備えている。
バルブ内表面に保護膜を形成することによって、封入された水銀の消費量が低減できるとともに光束維持率が向上できるが、反面バルブ内表面全面に保護膜を形成した場合は、この保護膜上に形成した反射膜や蛍光体膜が剥れ易いという問題があることが知られている。
そこで、図8(a)のようにバルブ1内表面の周方向に所定開き角度例えば180°の範囲に光反射膜4を、残部に保護膜3を形成し、これら光反射膜4上および保護膜3上に蛍光体膜6を形成する。このようにすると、保護膜3より厚膜で形成される光反射膜4側は水銀のめり込みが少なく、保護膜がなくても光束維持率が大きく低下したり、水銀の消費量が増えることがないとともにバルブ1内表面に光反射膜4が強固に被着して剥離することを防止できる。
図8(b)の蛍光ランプL10は、バルブ1内表面の周方向に所定開き角度範囲で管軸に沿って形成された半透明の光反射膜4と、上記バルブ1内表面の光反射膜4および光反射膜4の非形成部分に形成された保護膜3と、この保護膜3の表面に形成された蛍光体膜6とを備えている。
この蛍光ランプL10はバルブ1内表面の径方向の所定角度範囲に第一の反射膜(厚膜部)41と第二の反射膜(薄膜部)42または厚膜部41のみからなる、ここでは厚膜部41のみからなる半透明の光反射膜4を形成し、この反射膜4および開口部(無膜部)5がある場合は開口部(無膜部)5を含む全周に保護膜3を形成し、この保護膜3の表面に蛍光体膜6が形成してある。
これら重層被膜は、通常、バルブ内面に保護膜3、半透明の光反射膜4、蛍光体膜6の順で形成していたが、蛍光体膜6の形成時に下層の反射膜4が蛍光体スラリーの有機溶媒に反射膜形成材料の有機バインダが溶けることにより溶け出すことがあった。このため光反射膜4と蛍光体膜6とを有機スラリー、水溶性スラリーのように使い分けて形成するか、または光反射膜4の形成に際し反射膜形成材料の塗布後にベーキングを行ってからこの上面に蛍光体懸濁液を塗布してベーキングを行い蛍光体膜6を形成するなど複雑な工程を要していた。
この実施の形態は、上記の半透明の光反射膜4、保護膜3、蛍光体膜6の順で重層を行うもので、光反射膜4と蛍光体膜6を有機スラリーで、また、保護膜3を水系のコロイド溶液で形成するものである。
例えばバルブ1の内面に1重量%のニトロセルロース酢酸ブチル溶液にピロリン酸カルシウムを分散させた懸濁液をバルブ1の径方向約200°の範囲に約20μmの厚さ塗布し乾燥させる。ついで、上記塗布膜上および露出しているバルブ内面に水に分散させた酸化アルミニウムのコロイド溶液を約1μmの厚さ塗布し乾燥させる。さらに、この塗布膜上に1重量%のニトロセルロース酢酸ブチル溶液に蛍光体を分散させた懸濁液を約20μmの厚さ塗布し乾燥させる。
そして、このバルブ1を焼成炉に入れベーキングを行って上記3層の被膜を形成する。このバルブ1は、両端にマウントが封着され、環形に曲成された後、排気、口金付け、エージングを経て環形蛍光ランプが完成する。
上記のように光反射膜と蛍光体膜を有機スラリーで、また、光反射膜と蛍光体膜との間の保護膜を水溶性スラリーで形成して、3層の被膜形成を行うことによって、従来のように各膜の形成に際し行っていたベーキング回数を減らし、製造工程の簡略化がはかれるとともに、被膜の熱劣化を低減した生産性が高く品質の向上した蛍光ランプが得られた。
また、上記図1〜図8では汎用の環形や直管形の蛍光ランプL1〜L10について説明したが、本発明はこれらのランプに限らず、1本のガラスバルブを鞍形状に屈曲したり、U字形状に曲成した複数本のバルブを連結して形成した発光管を用いる電球形蛍光ランプやコンパクト形蛍光ランプなどにも適用して、光反射膜を形成する場合には適用できる。
また、図9は本発明に係わる照明器具9の実施の形態を示す斜視図である。この器具9は、上部に天上面などへの取付具(図示しない。)を備え、電源接続機構や安定器などのランプ点灯回路装置92を収容した器具本体91と、この本体91下方に設けた透光性合成樹脂で形成したカバーをなす筐体93と、この筐体93内に配設された反射板94およびソケット95、…と、このソケット95、…に口金7Bが装着された上記図5に示された構成の直管形の2本の蛍光ランプL3、L3とからなる。
この蛍光ランプL3、L3は光反射膜4形成側を上方にし開口部5側を下方にしてソケット95、…に装着されている。
そして、この照明器具9は、電源接続機構および点灯回路装置92を介して蛍光ランプL3、L3に給電されるとランプL3、L3が点灯する。この点灯したランプL3からは開口部5が指向している下方側に多量の光放射が行われ、すなわち光量が多く明るい。また、上方側には半透明の光反射膜4を透過して弱い例えば下方側に対して50%程度の光量や輝度の光放射が行われる。
すなわち、ランプL3はバルブ1の全周表面から、かつ、明るさを必要とする方向へは光量を多く、あまり必要としない方向へも明暗などの違和感を感じない照明を行うことができる。因みに、部屋中央天井に取付けた器具9において、部屋全体の照度を従来の器具に比べて20%向上できるとともに点灯時の器具外観も感じがよいものとなった。
また、上記図5に示す直管形の蛍光ランプL3は、電極を構成するフィラメント23を張架した長手方向と、光反射膜4の形成面とが合わせた状態にあり、また、このフィラメント23の長手方向と口金7Bの一対の端子ピン75、75ともほぼ並行した、一対の端子ピン75、75と光反射膜4の形成面とも位置合わせができる構造となっている。
したがって、上記照明器具9において、ソケット95、…に設けた一対のピン装着部が水平方向に配置されている場合、図5に示す蛍光ランプL3を装着するときに光反射膜4の形成側を容易に位置決めすることができる。
すなわち、例えば天井へ取り付けられた大部分の器具9においてランプL3を装着する場合に、天井面側には光反射膜4の形成側を、下方側には光反射膜非形成側の開口部5側を位置させて、下方側に反射ピークを向けることが上下さえ誤らなければその取り付けを容易に、かつ、正確に行なえる。また、ランプL3点灯時には指向性に優れた配光分布が得られる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。例えば、ガラス管バルブは、切断端面が真円形に限らず長円形や偏平形などの略円筒形をしたものにも適用できる。
また、半透明の光反射膜を形成したガラス管バルブは、消灯しているときには光反射膜の形成位置が分かりづらいので、例えばバルブに形成された光反射膜の中心や開口部の中心などにサーモーカラーで線や図形あるいは商品表示用の商標や品種をマークインクなどにより印を付しておく。そして、バルブとステムとの封止、環形などの曲成や口金付けなどの作業の際の位置合せ時などに、この印をセンサーやカメラあるいは目視で検出できるようにしておくことによって位置合わせの自動化が容易になるとともに方向誤りによる不良発生などの防止がはかれ生産性を向上できる利点を有する。
なお、この種の反射形のランプは指向性があり、ソケットあるいはホルダへの取り付け方向を誤ると所定の直下照度が得られないので、この取扱い(注意)表示を行う必要があり、この表示を印として利用することも可能である。
図5(c)は上記直管形蛍光ランプL3の製造工程における説明図で、上述したようにバルブに形成した光反射膜4と対応した例えば端部の側面位置に線状の印を付しておくことにより、口金7B付けの際この印とピン端子75とを合わせ作業を行うことにより、口金7Bと光反射膜4とが所定の関係位置にあるランプL3を完成できる。また、このランプL3のバルブ1の上面の一端側(光反射膜4形成側)には光反射膜4が形成してある取扱い(注意)表示1nを、また、下面の他端側(開口部5側)には商標マーク1mを付すことにより、照明器具に方向の誤りがなくランプL3を取付けることができる。
また、バルブ1への光反射膜4(開口部)の形成位置は、円環形など曲成してある場合にはバルブ軸と直交している方向に限らず、斜行したりあるいは平行方向に開口部5を垂直線より所定角度外向きになる等所望の位置に形成することもできる。これは例えば図10に示すように、環形蛍光ランプL11のガラス管バルブ1の水平面に対し傾斜した例えば0≦D≦60°の範囲に開口部5が位置するよう光反射膜4を形成してもよい。
そして、これらランプは垂直線から所定角度外向きに強く光照射を行うことでより広い面積に高い照度な光照射を行うことができる。
電極は、コイル状フィラメントを用いたものに限らず、他の熱陰極電極や冷陰極電極であってもよく、また、黒化防止のため電極の周囲を金属製の帯板、多数の穿孔をした板体やメッシュで形成したリングで囲ったものであってもよい。
また、蛍光ランプは、直管形蛍光ランプ、バルブを曲成した環形蛍光ランプ,電球形蛍光ランプやコンパクト形蛍光ランプなどに適宜適用できるもので、実施の形態のランプに限定されない。
また、半透明の光反射膜、蛍光体膜や保護膜などの成膜順序やその組合わせは実施の形態に限らず、定格、品種、用途などに応じ適宜変えられ、また、半透明の光反射膜などの形成材料の種類、粒径や形成膜厚分布などは適用するランプの仕様に合わせ適宜選べることはいうまでもない。
また、照明器具も図9に示すものに限らず、蛍光ランプや器具の種類、要求される配光などに対応した種々構造や形態のものに適用できる。
なお、図11〜13は、図6(b)に示す蛍光ランプL5のバルブ1を場所を変え横切断(輪切り)した端面の電子顕微鏡写真である。
このバルブ1は内表面に半透明の光反射膜4、蛍光体膜6が順次積層して形成され、上記光反射膜4の膜厚が一様でなく第一の反射膜(厚膜部)41から第二の反射膜(薄膜部)42へ連続的に変化させたものである。
図11は、光反射膜4の第一の反射膜(厚膜部)41を形成した中央部で約30μmの膜厚を有する部分である。また、図12は第二の反射膜(薄膜部)42から反射膜がなくなる開き角が150〜200°付近の境界部(膜厚さ約10〜0μm)である。また、図13は、光反射膜4が形成されていない開口部5である。
図からも明らかなように境界部は中央部の最大膜厚部から0.2〜0.5倍、好ましくは0.2〜0.4倍程度から除々に0μmに変化している膜厚勾配で形成されている。
本発明の環形蛍光ランプの実施の形態を示す正面図である。 図(a)は図1中の矢視A−A線に沿ってバルブを切断した端面を拡大して示す横断面図、図(b)は本発明の他の蛍光ランプのバルブを切断した端面を拡大して示す横断面図である。 図1の蛍光ランプ中に示す半透明の光反射膜を展開した膜厚分布図である。 図1の蛍光ランプのバルブ周囲からの相対鉛直配光曲線(等照度曲線)を示す説明図である。 本発明の直管形蛍光ランプの実施の形態を示し、図(a)は正面図、図(b)は側面図、図(c)は組立て工程における説明図である。 図(a)〜(e)は本発明の実施の形態を示す他の蛍光ランプのバルブを切断した端面を拡大して示す横断面図である。 図6(b)の蛍光ランプの半透明の光反射膜を展開した膜厚勾配を示す膜厚分布図である。 図(a)、(b)は本発明の応用例を示す他の蛍光ランプのバルブを切断した端面を拡大して示す横断面図である。 本発明の照明器具の実施の形態を示す斜視図である。 本発明の応用例を示す他の蛍光ランプのバルブを切断した端面を拡大して示す横断面図である。 図6(b)に示す蛍光ランプのバルブの切断端面を示す電子顕微鏡写真である。 図6(b)に示す蛍光ランプのバルブの切断端面を示す電子顕微鏡写真である。 図6(b)に示す蛍光ランプのバルブの切断端面を示す電子顕微鏡写真である。
符号の説明
L1〜L10:蛍光ランプ(発光管)
1:ガラス管バルブ
23:電極(フィラメント)
3:保護膜
4:光反射膜
41:第一の反射膜(厚膜部)
42:第二の反射膜(薄膜部)
5:開口部
6:蛍光体膜
7A,7B,7C:口金
9:照明器具

Claims (12)

  1. 断面が略円筒状のガラス管バルブと;
    このバルブに設けられた放電電極と;
    上記バルブ内に封入された放電媒体と;
    上記バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に光反射率の高い第一の反射膜およびこの第一の反射膜に隣接する上記バルブの内表面に光反射率の低い第二の反射膜がそれぞれ形成された光反射膜と;
    この光反射膜より内方部分に形成された蛍光体膜と;
    を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 第一の反射膜は、第二の反射膜よりも厚膜に形成されており、少なくとも第一の反射膜は、第二の反射膜の境界部においてその膜厚が徐々に変化していることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 第一および第二の反射膜の膜厚が、第一の反射膜の最大膜厚部から連続的に徐々に変化していることを特徴とする請求項2に記載の蛍光ランプ。
  4. 断面が略円筒状のガラス管バルブと;
    このバルブに設けられた放電電極と;
    上記バルブ内に封入された放電媒体と;
    上記バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に光反射率の高い反射膜部分および光反射率の低い反射膜部分が光反射率を連続的に徐々に変化して形成された光反射膜と;
    この光反射膜より内方部分に形成された蛍光体膜と;
    を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
  5. 光反射膜が蛍光体膜と同一または別の蛍光体で形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
  6. 上記光反射膜が、酸化アルミニウム、酸化チタン、ピロリン酸カルシウムおよびピロリン酸ストロンチウムから選ばれた少なくとも一種を主体材料とする被膜からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
  7. 上記光反射膜の主体材料が、酸化チタンまたはピロリン酸カルシウムまたはピロリン酸ストロンチウムから選ばれた少なくとも一種であり、この主体材料の表面にマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよび亜鉛の酸化物のうちから選ばれた少なくとも一種が付着されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
  8. 上記光反射膜は、ボレート系の結着剤が光反射膜の主体材料に対し3.0〜6.0質量%含有されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
  9. 断面が略円筒状のガラス管バルブと;
    このバルブに設けられた放電電極と;
    上記バルブ内に封入された放電媒体と;
    上記バルブの管中心から所定の開き角度範囲の内表面に可視光の一部を透過するように光反射特性を有する主体材料およびボレート系の結着剤を含有する材料を塗布して形成され、この塗布材料中にボレート系の結着剤が主体材料に対し3.0〜6.0質量%含有されている光反射膜と;
    この光反射膜の内表面側に形成された蛍光体膜と;
    を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
  10. 上記光反射膜と上記バルブ内面との間に酸化亜鉛および酸化チタンのうち少なくとも一方の微粒子を主体として構成された紫外線吸収膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
  11. 断面が略円筒状のガラス管バルブと;
    このバルブに設けられた放電電極と;
    上記バルブ内に封入された放電媒体と;
    上記バルブの周方向に沿って少なくとも一部の膜厚が変化するように上記バルブの内表面に形成された厚膜部と、この厚膜部と略正対する薄膜部とを有する蛍光体膜と;
    を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
  12. 筐体と;
    この筐体に設けられた支持部材と;
    この支持部材に支持された上記請求項1ないし11のいずれか一に記載の蛍光ランプと;
    この蛍光ランプに接続した点灯回路装置と;
    を具備していることを特徴とする照明器具。
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