JP2007026727A - 寸法変化の少ない電解質膜の製造方法 - Google Patents

寸法変化の少ない電解質膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電池製造時及び使用時の、実質的な寸法変化が少ない固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法の提供。
【解決手段】 電解質膜を水を主成分とする湿潤雰囲気で膨潤させ、引き続き、電解質膜を回転する曲面を有する支持体に密着させ、その状態を保持させたまま拘束乾燥させることを特徴とする寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に使用される寸法変化の少ない電解質膜に関する。
燃料電池は、電池内で、水素、メタノール等を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを、直接、電気エネルギーに変換して取り出すものであり、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特に、固体高分子形燃料電池は、他と比較して低温で作動することから、自動車代替動力源、家庭用コジェネレーションシステム、携帯用発電機等として期待されている。
このような固体高分子型燃料電池は、電極触媒層とガス拡散層とが積層されたガス拡散電極がイオン交換膜の両面に接合された膜電極接合体を少なくとも備えている。ここでいうイオン交換膜が電解質膜とも呼ばれる物で、高分子鎖中にスルホン酸基、カルボン酸基等の強酸性基を有し、イオンを選択的に透過する性質を有する材料である。このようなイオン交換膜としては、化学的安定性の高いナフィオン(登録商標、デュポン社製)に代表されるパーフルオロ系イオン交換膜が好適に用いられる。
燃料電池の運転時においては、アノード側のガス拡散電極に燃料(例えば、水素)、カソード側のガス拡散電極に酸化剤(例えば、酸素や空気)をそれぞれ供給し、両電極間を外部回路で接続することにより作動する。具体的には、水素を燃料とした場合、アノード触媒上で水素が酸化されてプロトンが生じ、このプロトンがアノード触媒層内のプロトン伝導性ポリマーを通った後、イオン交換膜内を移動し、カソード触媒層内のプロトン伝導性ポリマーを通ってカソード触媒上に達する。一方、水素の酸化によりプロトンと同時に生じた電子は、外部回路を通ってカソード側ガス拡散電極に到達し、カソード触媒上にて上記プロトンと酸化剤中の酸素と反応して水が生成され、このとき電気エネルギーを取り出すことができる。
高耐熱性を有するポリベンズイミダゾールに燐酸等の強酸をドープしたイオン交換膜(以下、強酸ドープ膜と称する)が、100℃以上の高温で燃料電池運転が可能であることが報告されている(特許文献1)。しかしながら、100℃未満での燃料電池運転では水が存在するため、強酸が膜から水へ溶出して出力が低下するため、高温低加湿条件下での燃料電池運転では高い電圧を長時間維持することができない。
さらに、現在の固体高分子型燃料電池用電解質膜として用いられる膜は、プロトン電導性が高く、電気抵抗が低いため高い電池性能を発現する一方で、電池使用の際、含水時の膜の面積(縦×横)方向の寸法変化が生じ、電池寿命が短かくなるという問題が生じている。
具体的には、固体高分子型燃料電池のセル内で発生した水や、燃料ガスと共に供給される水蒸気等により膜が膨潤したり乾燥したりするため、膜のシワ、破れ、変形、折り重なり、ピンホール等の原因となり、電池の寿命が短くなるのである。
したがって、固体高分子型燃料電池用電解質膜としては、低電気抵抗で、かつ、含水率の変化や温度変化に伴う面積方向の寸法変化が少ないことが望まれているのである。
固体高分子型燃料電池用電解質膜を一対のガス拡散電極層の間に挟んで接合した膜電極接合体を作製する際には、通常、加熱下で行うので、加熱中の収縮による寸法変化や厚みムラが少ないことも望まれている。
上記の問題を解決する方法として、固体高分子型燃料電池用電解質膜をガラス転移温度から融点までの温度範囲で二軸延伸して薄膜化と同時に膜の強度を向上させる方法が開示されている(特許文献2)。しかし、この方法は、強度物性向上のためには有効であるが、上記延伸温度範囲で延伸しても含水率の変化や温度変化(熱収縮)による寸法変化を抑制することは困難である。
また、延伸により膜面積を5〜200%増大させ、含水時の寸法変化率を−5〜+5%にする固体高分子型燃料電池用電解質膜も開示されているが(特許文献3)、開示の手法による延伸倍率と含水時の寸法変化では、膜電極接合体作製時の寸法変化や厚みムラの発生を抑制することは困難である。
さらに、特許文献4には、パーフルオロカーボン重合体の末端がスルホン酸基およびスルホン酸基の前駆体であるSOF基を有する膜を延伸し、延伸配向後、α分散温度以上で拘束熱処理する方法等が記載されているが、実用時の寸法安定性が不十分である。
特表平11−503262号公報 特開平11−354140号公報 特開2002−343380号公報 国際公開WO02−062879号パンフレット
本発明は、固体高分子型燃料電池製造時および使用時の、加熱および含水状態での、実質的な(面積方向に対する)寸法変化が少ない固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、燃料電池に使用される固体高分子型燃料電池用電解質膜に要求される性能、特に寸法安定性について鋭意検討を行った。すると、従来行われていた延伸工程と熱処理工程を施した場合に寸法安定性はある程度改良されるが、ボーイング歪が発生し、面内(MD方向とTD方向)の寸法安定性が不均一であることを確認した。このボーイング歪を抑制することが、本発明の課題を解決できるポイントであることを見出すとともに、その解決には、電解質膜を水を主成分とする湿潤雰囲気で膨潤させ、引き続き、電解質膜を曲面を有する支持体に密着させ、その状態を保持させたまま拘束乾燥させることが重要であることを見出し、本発明を完成させるにいたった。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
1.電解質膜を水を主成分とする湿潤雰囲気で膨潤させ、引き続き、電解質膜を曲面を有する支持体に密着させ、その状態を保持させたまま拘束乾燥させることを特徴とする寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
2.電解質膜がフッ素系電解質膜であることを特徴とする1.に記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
3.電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.01〜2.50であることを特徴とする1.または2.に記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
4.電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.1〜2.0であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
5.電解質膜がパーフルオロスルホン酸ポリマーと塩基性ポリマーを含有することを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
6.曲面を有する支持体が回転体であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
本発明によれば、含水時および加熱時の面積方向に対する寸法変化率が小さい固体高分子型燃料電池用電解質膜が得られる。そのため、固体高分子型燃料電池製作時、実用時に、該膜の、シワ、破れ、変形、ピンホール等が発生しにくく、長寿命で安定した電池性能が得られる固体高分子型燃料電池とすることができる。
本発明により製造された固体高分子型燃料電池用電解質膜は、電池使用時に特にシワ等の発生しやすい燃料電池セルのガスケットの直ぐ内側部分でもシワ等の発生を抑制した膜とすることができる。
本発明について、以下に詳細に説明する。
本発明において好適に用いられる、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体には、公知の重合体が広く採用され、例えば、フッ化オレフィン化合物と、イオン交換基含有フッ化ビニル化合物との共重合体等を挙げることができる。
フッ化オレフィン化合物としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等をあげることができる。
イオン交換基含有フッ化ビニル化合物としては、CF2=CF−(OCF2CFX)−O−(CF2−Yで表される化合物を挙げることができる。(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数、nは1〜12の整数、pは0又は1であり、m+n≧1であり、n=0の場合はp=0である。Yはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の、イオンと交換反応を行う公知のイオン交換基である。)
本発明においては、フッ化オレフィン化合物としては、テトラフルオロエチレンが好ましく、イオン交換基含有フッ化ビニル化合物としては、スルホン酸基をイオン交換基とした下記の化学式(1)〜(4)に示す化合物が好ましい。
CF=CFO(CFSOH (1)
CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOH (2)
CF=CF(CFSOH (3)
CF=CF(OCFCF(CF))O(CFSOH (4)
上記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、sは1〜8の整数、tは1〜5の整数を示す。
次に、本発明のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の製造方法の一例として、SOF基を有するフルオロビニル化合物からスルホン酸基をイオン交換基とする重合体を製造する方法について説明する。
フルオロビニル化合物とフッ化オレフィン化合物とを、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等、公知の重合方法で共重合することによって前駆体を製造することができる。
尚、本発明において、前駆体は、エーテル結合性の酸素分子等を含んでいてもよい。
前駆体を構成するフルオロビニル化合物とフッ化オレフィン化合物の組成比は、後述する方法で前駆体を本発明のスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体とした状態のイオン交換容量、すなわち、スルホン酸基(SOH基)を有するパーフルオロカーボン重合体中のスルホン酸基の濃度が、好ましくは0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、より好ましくは0.7〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂となるように設定する。イオン交換容量がこの範囲より低い場合には膜の電気抵抗が大きくなり、高い場合には膜の機械的強度が弱くなる。
本発明におけるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体は、該重合体以外に、フィブリル、織布、不織布、多孔体等の補強材を含んでいてもよい。補強材を含む場合、補強材は、含フッ素重合体からなることが好ましく、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン又はパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む単独重合体又は共重合体が好ましく使用される。
具体的な補強材としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE、という)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEP、という)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体(以下、PFA、という)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(以下、PETFE、という)、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)共重合体、ポリパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等が挙げられる。なかでも、特にPTFE、FEP、PFAおよびPETFEが機械的強度および化学的安定性等の特性上、好ましい。
尚、本発明では、フッ化ビニル化合物、フッ化オレフィン化合物に加え、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のパーフルオロオレフィン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の第3成分を含む共重合体であってもよい。
本発明に用いることが可能な前駆体ポリマーの、JIS K−7210に基づいた270℃、荷重21.2N、オリフィス内径2.09mmで測定されるMFR(g/10分)は限定されないが、0.001以上1000以下が好ましく、より好ましくは0.01以上100以下、最も好ましくは0.1以上10以下である。
本発明に用いることが可能な前駆体ポリマーは、次に、塩基性反応液体に浸漬させてアルカリ加水分解処理を行う。反応液体は限定されないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液が好ましい。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の含有率は限定されないが、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。上記反応液体は、ジメチルスルホキシド、メタノール等の膨潤性有機化合物を含有するのが好ましい。膨潤性有機化合物の含有率としては、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
前駆体ポリマーをアルカリ加水分解処理した後、さらに必要に応じて塩酸等で酸処理を行うことにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体が製造される。
一方、本発明に用いる塩基性ポリマーとしては、特に限定はされないが、例えば、ポリベンズイミダゾール、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリイミダゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリアニリン等が挙げられる。この中でもポリベンズイミダゾールは耐熱性も高いことから特に好ましい。
本発明における固体高分子型燃料電池用電解質膜は、イオン交換容量、MFR等の特性が前述の範囲から外れない範囲内で、各種耐熱性ポリマー、エンジニアプラスチック、含窒素成分を含むポリマー等と混合してもよい。
、押し出し成膜やキャスト成膜を行って長尺膜を製造する際の巻き取り方向をいい(MD方向)、横方向とは、巻き取り方向と直交する方向(いわゆるTD方向)を言う。
本発明の燃料電池製造用の溶液に用いられる溶媒は限定されないが、非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の混合溶媒であることがより好ましい。
ここでプロトン性溶媒とは水、アルコール、酸などプロトンを出すことができる官能基を有する溶媒であり、一例として、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、フェノール類が挙げられる。これらのプロトン性溶媒は1種もしくは2種以上を混合して用いてもよく、特に、水とアルコールの混合溶媒を用いることが好ましく、水/エタノール=3/1〜1/3(体積割合)、水/イソプロパノール=3/1〜1/3(体積割合)の混合溶媒を用いることがより好ましい。
また、非プロトン性溶媒とは上記プロトン性溶媒以外の溶媒であり、一例として、NN-ジメチルホルムアミド、NN-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの非プロトン性溶媒は1種もしくは2種以上を混合して用いてもよく、特に、NN-ジメチルホルムアミド、NN-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドを用いることが好ましい。
これらのプロトン性溶媒と非プロトン性溶媒の混合溶媒を用いることにより、パーフルオロカーボン重合体と、塩基性ポリマーがともに良好に溶解し、結果、外観においても斑のない、均一な膜厚のイオン交換膜の製造が容易となる。
溶液として非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の混合溶媒を用いる場合、非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の質量比(非プロトン性溶媒:プロトン性溶媒)は、限定されないが、10:90から80:20の範囲であることが好ましく、より好ましくは15:85から70:30の範囲である。この範囲で両溶媒を用いることにより、ポリマーが溶液中から沈殿するのを防ぎ、結果、外観においても斑のない、均一に相溶したプロトン交換膜の製造が容易となり、また、得られたイオン交換膜の乾湿寸法変化も低く抑えることができる。
本発明においては、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、塩基性ポリマーと溶媒とを含む燃料電池製造用の溶液を用いてキャストした後、溶媒を除去することにより得られたイオン交換膜を用いることができる。
本発明におけるキャスト溶液の作製手順は、以下のように混合工程を2段階に分けて行うことで、より耐久性の高いイオン交換膜を製造することができる。
すなわち、塩基性ポリマーを非プロトン性溶媒に溶解した前段階溶液Aと、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体を非プロトン性溶媒に溶解した前段階溶液Bとを公知の攪拌方法により混合する。その後、得られた混合溶液と、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をプロトン性溶媒に溶解した前段階溶液Cとを混合することにより本発明の燃料電池製造用の溶液を得ることができる。このようにして製造された溶液は、ポリマーが溶液中で沈殿しないため溶液保持性が高く、結果としてキャストして得られたイオン交換膜も、外観において斑のない、ポリマーが均一に相溶したイオン交換膜となるのである。
前段階溶液Aおよび前段階溶液Bは非プロトン性溶媒を溶媒の主成分としていればよく、20質量%以下のプロトン性溶媒が存在していても差し支えない。また、前段階溶液Cはプロトン性溶媒を主成分としていればよく、20質量%以下の非プロトン性溶媒が存在していても差し支えない。
前段階溶液Cはプロトン性溶媒とイオン交換基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸をオートクレーブに入れ、40〜300℃で熱処理する等の方法により製造することができる。前段階溶液Cにおけるイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の含有率は、限定はされないが、好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上40質量%以下、もっとも好ましくは0.5質量%以上30質量%以下である。
前段階溶液Aは塩基性ポリマーと非プロトン性溶媒をオートクレーブに入れ、40〜300℃で熱処理する等の方法により製造することができる。前段階溶液Aにおける塩基性ポリマーの含有率は、限定はされないが、好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上30質量%以下、もっとも好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。
前段階溶液Bも同様に、非プロトン性溶媒にイオン交換基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸をオートクレーブに入れ、40〜300℃で熱処理する等の方法により製造することができる。また、前段階溶液Cに非プロトン性溶媒を添加し、その後、エバポレータを用いるなど公知の濃縮方法により、プロトン性溶媒を除去することにより製造することも可能である。前段階溶液Bにおけるイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の含有率は、限定はされないが、好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、もっとも好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
上記記載の前段階溶液A、B、Cの混合比は、限定されず、また、必要に応じて濃縮することも可能であるが、得られた溶液の組成は、上述したとおり、混合して得られた溶液中の非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の質量比が、好ましくは10:90から80:20の範囲、より好ましくは15:85から70:30の範囲となり、溶液中のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、塩基性ポリマーの質量比が、好ましくは99.999:0.001から50:50の範囲、より好ましくは99.995:0.005から80:20、もっとも好ましくは99.99:0.01から90:10の範囲となることが好ましい。
キャスト方法としては、シャーレに流し込み製造する方法をはじめ、グラビアロールコータ−、ナチュラルロールコータ、リバースロールコータ、ナイフコータ−、ディップコータ−等の公知の塗工方法を用いることができる。キャスト法に用いる基材は限定されないが、一般的なポリマーフィルム、金属箔、アルミナ、ケイ素等の基板、PTFE膜を延伸処理した多孔質膜、フィブリル化繊維等を用いることができる。
溶媒の除去方法として、室温〜200℃で熱処理、減圧処理等の方法を用いることができる。また、熱処理をする場合、段階的に昇温させ溶媒を除去することも可能である。熱処理工程の最終段階ではポリマーのα分散温度以上で行うことが、電解質膜の均一性や強度特性より必要である。イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の膜のα分散温度とは動的粘弾性測定装置にて測定される、重合体の主鎖が熱運動を開始すると考えられる温度を示している。例えば、ナイロン等の重合体のα分散温度は一般的に室温よりもはるかに高いため、延伸終了後にα分散温度以下に冷却することによって主鎖の熱運動を大きく減少させることが可能であり、これによって延伸配向を効果的に安定化させることができる。
例えば、イオン交換基がスルホン酸基の場合のパーフルオロカーボン重合体のα分散温度は110〜140℃近傍に存在する。そこで、α分散温度を仮に140℃とした場合、最終熱処理温度は150〜180℃の温度領域から設定すればよい。なお、パーフルオロカーボン重合体の熱劣化より考えると熱処理温度は190℃以下が好ましい。
このようにして得られたイオン交換膜は、イオン交換基がアミン塩等で存在しているので、酸処理工程及び水洗工程の後処理をしてイオン交換膜とする。
酸処理工程では、塩酸、硝酸、硫酸等の希鉱酸を用いれば良く、塩酸か硝酸が好ましい。また、処理温度は60℃以下が好ましく、40℃以下がさらに好ましい。
水洗工程の処理温度は60℃以下が好ましく、さらに40℃以下が好ましい。
本発明でいう、水を主成分とする湿潤雰囲気とは、好ましくは水を51質量%以上含有する液体(エタノール等を49質量%以下含有してもよい)中を意味する。
また、本発明の湿潤雰囲気での膨潤処理とは、膜面積を増大させる前に膜を湿潤雰囲気にて処理する前工程を経て、膜に外力を加えることなく膜面積を増大させる加工のことである。膨潤処理は水を主成分とする湿潤雰囲気で行うが、温度は60℃以上が好ましく、さらに好ましくは80℃以上である。
なお、湿潤雰囲気での膨潤処理は液体に浸漬しても良いし、環境ガスが湿潤状態でも構わない。
膨潤の雰囲気種と温度により、膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比は1.01〜2.50の範囲内で増加するが、好ましい膜面積比は1.05〜2.0であり、さらに好ましくは1.1〜1.8の範囲で電解質膜面積比が増加する膨潤処理条件が好ましい。
膨潤処理した電解質膜の拘束固定は、回転する曲面を有する支持体に貼り付け、膨潤処理した電解質膜が緩和されないよう固定した状態で行う。具体的には、電解質膜のMD方向とTD方向の全面が面固定された状態であればよく、回転する曲面を有する支持体の例としてロール或いはドラム形状の外周を用いて拘束乾燥するような方法を挙げることができる。曲面体に限定しているが、本発明者らの検討によれば、平面では電解質膜の乾燥時の収縮応力が電解質膜の固定力を上まり、拘束乾燥出来ずに、収縮してしまうことを確認した。平面形状では、ロール或いはドラムの曲面形状よりも面圧拘束力が小さいためと推測される。
曲面体の表面材質については、ガラスやステンレス素材が好ましく、また、表面粗度の観点からは、表面無垢や鏡面仕上げが拘束乾燥には好ましい。なお、曲面体の内部は水冷方式にしてもよい。
また、連続処理する場合には重要な事であるが、膨潤処理させた電解質膜を回転する曲面体に貼り付ける際、スポンジロールによる適度な押し圧が、皺や端部の剥れがない均一な貼り付けに適している事を確認した。さらに、スポンジロール直前の搬送ロールについても、膨潤処理後の電解質膜の弛みや張力により、クラウンロール、逆クラウンロール、フラットロールのいずれかを使用することが好ましい。
拘束乾燥条件は、加熱ドラムによる乾燥、熱風吹き付けによる乾燥のどちらでも良いが、連続処理を安定的に行うには熱風吹き付け乾燥が好ましい。乾燥温度は寸法変化率と相関関係があるが、20〜100℃が好ましく、40〜80℃がさらに好ましい。乾燥時間は生産性と関係があるが、本発明者らの検討によれば、5分以上が好ましく、さらに好ましくは10分以上である。
電解質膜の厚みに関しては、一般的に、薄いと電解質膜の強度が弱く、ハンドリング性が悪く、水素透過率が上がり、また膜電極接合体を作製する場合に電解質膜が破れるおそれがある。また厚すぎると、発電中に電解質膜中の水の移動が阻害され発電特性が低下する。
発電中は膜のアノード側とカソード側では含水率が異なり、厚さ方向に含水率の分布ができる。これが発電特性を低下させる原因の一つになっており、電解質膜が厚いほどこの現象が顕著となる。つまり、固体高分子型燃料電池用電解質膜の厚み制御は電池特性を左右する重要な因子であるといえる。したがって、厚みの範囲は、好ましくは、5〜300μmであり、より好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは15〜100μmである。
本発明の製造方法により製造された固体高分子型燃料電池用電解質膜は、80℃湿潤時の寸法変化率が−10〜30%の範囲内にあり、好ましくは−5〜20%の範囲内にあり、さらに好ましくは−2〜15%の範囲内にあることである。寸法変化率がこれらの範囲内であれば、膜電極接合体作製時のシワ発生や厚みムラ、燃料電池発電時の電解質膜の弛みや厚みムラといった問題の発生を防ぐことができる。
尚、80℃湿潤状態とは燃料電池の動作温度範囲である。
以下に、固体高分子型燃料電池の製造方法およびその使用方法の一例について説明する。
固体高分子型燃料電池用電解質膜は、公知の方法により膜の両面に触媒を含むガス拡散電極を密着接合させて膜電極接合体(MEA)の形成される。
ガス拡散電極と固体高分子型燃料電池用電解質膜とは、加熱プレス法等により強固に密着させる工程を必要とする。そのため、本発明の製造方法により得られる固体高分子型燃料電池用電解質膜を用いると、加熱下での熱収縮率が小さいので、膜厚のバラツキを小さくでき、電流密度の均一なガス拡散電極との密着性に優れたものとすることができる。
ガス拡散電極は、通常、白金触媒粒子または白金合金触媒粒子を担持させた導電性のカーボンブラック粉末を、PTFE等の疎水性樹脂結着材で保持してなるシート状の多孔質体を用いることができる。
該多孔質体には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を含む物を用いることができ、重合体には、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜を構成するパーフルオロカーボン重合体として挙げた重合体と同じ種類の重合体を用いることができる。カーボンブラック粉末は、上記パーフルオロカーボン重合体と触媒に被覆されていてもよい。
得られたMEAは、必要に応じて複数積層した後、通常の既知の方法により集電体(バイポーラプレート)を最外側に配置して、いわゆる燃料電池セルが形成される。本発明では、一つのMEAから構成した燃料電池セルを燃料電池単セルと称する。
集電体は、表面等にガス流路を有するグラファイト製または金属製のフランジのことであり、電子を外部負荷回路へ伝達する他に、水素や酸素をMEA表面に供給する流路としての機能を持っている。
以上のようにして得られた燃料電池セルは、さらに燃料電池フレーム、ガス供給装置等と組み合わせて燃料電池として作動することが可能となる。
燃料電池の作動は、一方の電極に水素を、他方の電極に酸素または空気を供給することによって行われる。燃料電池の作動温度は、高温であるほどガス拡散電極中の触媒活性が上がるため好ましいが、通常は水分管理が容易な50〜100℃で作動させることが多い。また、酸素や水素の供給圧力は高いほど燃料電池出力が高まるため好ましいが、膜の破損等によって両者が接触する確率も増加するため、適当な圧力範囲に調整することが好ましい。本発明の燃料電池の作動条件は上記の記載に基づき以下に示す条件として、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の燃料電池評価を行った。
以下に、本発明の物性値および燃料電池の評価方法について説明する。
(1)MFRの測定(JIS K−7210に準じて測定)
前述のスルホン酸基前駆体の共重合体組成物、約8gを用いて、東洋精機(株)製、商品名、MELT INDEXER C−50590型にて、温度270℃、荷重2.16kgで10分間に流出する量を求め、g/10分で表す。
(2)イオン交換容量:EWの測定
イオン交換膜およそ2〜10cmを、50mlの25℃の飽和NaCl水溶液(イオン交換水に過飽和状態になるまでNaClを溶解し、上澄み液を使用する)に浸漬し、攪拌しながら10分間放置する。次いで、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定する。中和後、得られたNa型イオン交換膜を純水ですすいだ後、10kPa以下、110℃、1時間真空乾燥して秤量する。中和に要した水酸化ナトリウム当量と真空乾燥重量より、イオン交換容量を算出する。
(3)α分散温度の測定
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御(株)製、商品名、DVA−225)を用いて、所定のサンプル(長さ30mm、幅5mm)形状に切り出し、室温から250℃までの温度範囲を昇温速度5℃/分、空気中、周波数35Hzの条件下で測定し、横軸に温度、縦軸にtanδをプロットし、変化率のピーク温度をα分散温度とする。
(4)膜厚の測定
自己膨潤前後の固体高分子型燃料電池用電解質膜を23℃、関係湿度50%の恒温室に1時間以上放置した後、膜厚計(東洋精機製作所製:型式B−1)を用いて測定する。また、前後の膜厚により平均延伸面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)を算出する。
(5)ボーイング歪の測定
自己膨潤前の電解質膜のTD方向に平行な2本線を引き、自己膨潤、及び拘束乾燥後にMD方向で2本線の端部と中央部のずれを測定し、TD方向に対してMD方向の中央部のずれがどの程度の割合であるか算出する。数値が+の場合、MD方向に対して中央部が遅れているボーイング歪であり、数値が−の場合、MD方向に対して中央部が進んでいるボーイング歪と定義する。
(6)80℃における含水時の寸法変化測定
固体高分子型燃料電池用電解質膜(5cm×4cm)を23℃、関係湿度50%の恒温室で12時間以上放置した後、含水前の縦方向および横方向の長さを測定する。その後、80℃熱水に30分間浸漬させ、取り出し後水中にて、含水後の縦方向および横方向の長さを測定する。含水前後の長さより含水時の寸法変化率を算出する。
(7)燃料電池性能評価
まず電極触媒層を作製する。Pt担持カーボンとパースルホン酸ポリマー溶液とエタノールを所定量秤量し、ホモジナイザーでよく混合して電極インクを得る。この電極インクをスクリーン印刷法にてPTFEシート上に塗布する。塗布後、室温及び120℃空気中で乾燥し電極触媒層とする。電極触媒層は、Pt及びポリマー担持量で2種類作製し、0.15mg/cmのものをアノード触媒層とし、0.30mg/cmのものをカソード触媒層とする。
次に、このアノード触媒層とカソード触媒層を向かい合わせて、その間に電解質膜を挟み込み、160℃、面圧0.1MPaでホットプレスすることにより、膜電極接合体(MEA)を作製する。
このMEAの両側にガス拡散層としてカーボンクロスをセットして、電池性能評価セルに組み込む。
電池性能評価条件は、セル温度80℃、アノード側に水素ガス、カソード側に空気ガスを流し、アノード及びカソード共に0.20MPaで加圧する。ガス加湿には水バブリング方式を用い、水素ガスは90℃、空気ガスは80℃で加湿して電池評価セルへ供給する。電流密度0.2A/cmで発電させて、初期セル電圧が30%低下するまでの時間を求める。
実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
テトラフルオロエチレンとCF2=CFO(CF2)2-SO2Fとから得られた前駆体ポリマーを、水酸化カリウム(15質量%)とジメチルスルホキシド(30質量%)を溶解した水溶液中に、60℃で4時間接触させて、アルカリ加水分解処理を行った。その後、60℃水中に4時間浸漬した。次に60℃の2N塩酸水溶液に3時間浸漬した後、イオン交換水で水洗、乾燥して、プロトン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体であるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(EW*710、MFR:3.0)を得た。
得られたパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーをエタノール水溶液(水:エタノール=50:50(質量比))とともにオートクレーブ中に入れて密閉し、180℃まで昇温して5時間保持した。その後オートクレーブを自然冷却して、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー:水:エタノール=5.0:47.5:47.5(質量比)の組成の前段階溶液C1を得た。
得られた前段階溶液C1にジメチルアセトアミドを添加し、その後エバポレータで水、エタノールを除去することにより、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー:ジメチルアセトアミド=1.5:98.5(質量比)の組成の前段階溶液Bを得た。
一方、前段階溶液C1をエバポレータで濃縮し、ポリマー濃度を10質量%とした後、イソプロパノールを添加し、攪拌することにより、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー:水:イソプロパノール=8.5:76.5:15(質量比)の組成の前段階溶液C2を得た。
一方、重量平均分子量が27000であるポリベンズイミダゾール(シグマアルドリッチジャパン(株)社製)をジメチルアセトアミドとともにオートクレーブ中に入れて密閉し、200℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、ポリベンズイミダゾール:ジメチルアセトアミド=10:90(質量比)の組成のポリマー溶液を得た。さらに、このポリマー溶液をジメチルアセトアミドで10倍に希釈して、ポリベンズイミダゾール:ジメチルアセトアミド=1:99(質量比)の組成の前段階溶液Aを製造した。
次に、100.0gの前段階溶液Bの中に、攪拌しながら16.25gの前段階溶液Aを徐々に添加、混合して均一な溶液とした。次いで、攪拌しながら更に172.25gの前段階溶液C2を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリベンズイミダゾールとを含む溶液を得た。
この溶液を30cm*40cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて160℃に昇温し、3時間熱処理することにより溶媒を除去した。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚60μmの電解質膜を得た。この膜は均一に黄色がかっていて、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリベンズイミダゾールが完全に相溶していた。このときのα分散温度は151℃であった。
この電解質膜を2N塩酸を用いて洗浄し、さらに純水にて洗浄を行った。その後、次の手順により自己膨潤処理を行ない固体高分子型燃料電池用電解質膜とした。まず、電解質膜を80℃のお湯をいれたステンレス製バッドに30分間浸漬した。この時は特に膜周辺の拘束はせずに、電解質膜の特性による自己膨潤状態としている。その後、ステンレス製バッドより電解質膜を取り出し、5Lガラスビーカーの周辺に貼り付け、40℃の温風乾燥機内で20分間、電解質膜を拘束乾燥した。ボーイング歪は0%であった。
拘束乾燥後の固体高分子型燃料電池用電解質膜として物性を測定したが、固体高分子型燃料電池用電解質膜の膜厚は50μmであり、プロトン伝導度は0.23(S/cm)と高かった。
また、ドラム式拘束乾燥工程を経て得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の80℃の湿潤寸法変化率は4.5%であり、寸法安定性に優れた固体高分子型燃料電池用電解質膜であることがわかった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であった。
(実施例2)
実施例1と同じ組成の溶液を12L作製し、パイプドクター方式のキャスト成膜機を用いて塗工を行った。乾燥ゾーンは1ゾーン1mが4ゾーンあり、それぞれ温度は20℃、80℃、110℃、120℃とした。塗工速度は0.1m/分で、PENフィルムをベースフィルムとして用い、22mのロール塗工膜が得られた。膜厚は74μmであった。
このロール塗工膜のα分散温度を測定したが、152℃であった。その後、170℃に設定した熱処理炉で炉内通過時間50分で熱処理を行った。
このロール塗工膜を0.15m/分のライン速度で、2N塩酸槽と純水洗浄槽を用いた連続洗浄を2回行った。なお、巻き取り装置前には乾燥ゾーンがあり、50℃と25℃の2段階で温風を吹き付け、乾燥後に巻き取っている。
その後、繰り出し機、自己膨潤処理槽、ドラム式熱風吹き付け乾燥機、巻き取り機からなる連続処理装置を用いて、固体高分子型燃料電池用電解質膜とした。ライン速度は0.1m/分であり、自己膨潤槽内には純水を入れ、温度は80℃、処理時間は30分、ドラム式乾燥機の熱風温度は40℃、乾燥時間は15分の条件下で連続処理を行った。なお、ドラム式乾燥機への貼り付けには、水を含ませたスポンジロールを用い、ドラム内部の冷却はしていない。
拘束乾燥後の固体高分子型燃料電池用電解質膜として物性を測定したが、固体高分子型燃料電池用電解質膜の膜厚は50μmであり、プロトン伝導度は0.23(S/cm)と高かった。ボーイング歪は0%であった。
また、ドラム式拘束乾燥工程を経て得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の80℃の湿潤寸法変化率は4.5%であり、寸法安定性に優れた固体高分子型燃料電池用電解質膜であることがわかった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であった。
(比較例1)
実施例1により得られた電解質膜を用いて、次の手順により乾式延伸を実施し固体高分子型燃料電池用電解質膜とした。延伸温度160℃、延伸倍率1.2倍、ヒートセット温度180℃で同時二軸乾式延伸した後の固体高分子型燃料電池用電解質膜の膜厚は50μmであり、プロトン伝導度は0.23(S/cm)と実施例1と同様であった。ボーイング歪は同時二軸延伸のため、0%であった。
しかし、乾式延伸工程を経て得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の80℃の湿潤寸法変化率は15.0%であり、寸法安定性の対策が取れているとは言い難い固体高分子型燃料電池用電解質膜であることがわかった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であり、ドラム式拘束乾燥の固体高分子型燃料電池用電解質膜と同様の結果であった。
(比較例2)
実施例2と同様にして得られた電解質膜を用いて、次の条件により逐次二軸乾式延伸を実施し固体高分子型燃料電池用電解質膜とした。逐次二軸乾式延伸条件は、MD及びTD延伸温度160℃、MD及びTD延伸倍率1.2倍、ヒートセット温度180℃で行った。逐次二軸乾式延伸した後の固体高分子型燃料電池用電解質膜の膜厚は50μmであり、プロトン伝導度は0.23(S/cm)と実施例2と同様であった。ボーイング歪は逐次二軸延伸のため、15%であった。
また、乾式延伸工程を経て得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の80℃の湿潤寸法変化率は15.0%であり、寸法安定性の対策が取れているとは言い難い固体高分子型燃料電池用電解質膜であることがわかった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であり、ドラム式拘束乾燥の固体高分子型燃料電池用電解質膜と同様の結果であった。
本発明により製造される寸法変化の少ない電解質膜は、寸法安定性に優れた固体高分子型燃料電池用電解質膜として、燃料電池の分野で好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 電解質膜を水を主成分とする湿潤雰囲気で膨潤させ、引き続き、電解質膜を曲面を有する支持体に密着させ、その状態を保持させたまま拘束乾燥させることを特徴とする寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
  2. 電解質膜がフッ素系電解質膜であることを特徴とする請求項1に記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
  3. 電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.01〜2.50であることを特徴とする請求項1または2に記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
  4. 電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.1〜2.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
  5. 電解質膜がパーフルオロスルホン酸ポリマーと塩基性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
  6. 曲面を有する支持体が回転体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の寸法変化の少ない電解質膜の製造方法。
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