JP2007023136A - ビニル系ポリマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子移動型ラジカル重合法を利用したビニル系ポリマーの製造方法であって、高転化率で原子移動型ラジカル重合が出来る様に改良されたビニル系ポリマーの製造方法の提供。
【解決手段】重合開始剤として有機ハロゲン化合物を使用し、1価のハロゲン化銅とアミン化合物から成る銅錯体の存在下、原子移動型ラジカル重合によりビニル系モノマーの重合を行なうビニル系ポリマーの製造方法において、上記のアミン化合物として、特定のトリスω−アミノアルキルアミン(A)と、特定のオリゴ(アルキレンジアミン)(B)とから成り、アミン化合物(A):(B)の重量比が10〜95:90〜5であるアミン混合物を使用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ビニル系ポリマーの製造方法に関し、詳しくは、原子移動型ラジカル重合法を利用したビニル系ポリマーの製造方法に関する。
原子移動型ラジカル重合法は、リビングラジカル重合法の1つの方法であり、次の様な図式で表される。
Figure 2007023136
上記において、Pはポリマー又は開始剤、(M)は遷移金属、Xはハロゲン、YおよびLは(M)に配位可能な配位子、nおよびn+1は遷移金属の原子価であり、低原子価錯体(1)と高原子価錯体(2)とはレドックス共役系を構成する。
最初に、低原子価錯体(1)が有機ハロゲン化物P−Xからハロゲン原子Xをラジカル的に引き抜いて、高原子価錯体(2)及び炭素中心ラジカルP・を形成する(この反応の速度はKactで表される)。このラジカルP・は、図示の様に単量体と反応して同種の中間体ラジカル種P・を形成する(この反応の速度はKpropagationで表される)。高原子価錯体(2)とラジカルP・との間の反応は、生成物P−Xを生ずると同時に、低原子価錯体(1)を再生する(この反応の速度はKdeactで表される)。そして、低原子価錯体(1)はP−Xと更に反応して新たな反応を進行させる。本反応においては、成長ラジカル種P・の濃度を低く抑制することが重合を制御することにおいて最も重要である。
上記の原子移動型ラジカル重合法の具体例としては、次の様な報告がある。
(1)CuCl/ビピリジル錯体の存在下、α―クロロエチルベンゼンを開始剤としたスチレンの重合(非特許文献1)
(2)RuCl(PPh、有機アルミ化合物の存在下でのCClを開始剤とするメタクリル酸メチルの重合(非特許文献2)
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その後、配位子、金属種、開始剤などの設計が行われ、原子移動型ラジカル重合法は、アクリレート単量体を含めて多種の単量体種への展開が計られてきた。また、種々のブロックポリマー、単分散ポリマー、グラジエントポリマーの様々な用途への応用が図られてきた。特に、ハロゲン価銅とアミンから形成される錯体を使用する方法は、安価かつ取り扱いが容易であり、多用されている。本錯体系はアミンの種類により重合活性が変わることが知られており、高活性、重合可能モノマー種の拡充のために各種アミン類が開発されている。
しかしながら、上記の方法ではハロゲン化銅がポリマー中に残存する可能性があり、これを減らすために銅化合物の使用量を減らすと活性が下がり、重合時間の長期化や転化率の低下などを招く問題点がある。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、原子移動型ラジカル重合法を利用したビニル系ポリマーの製造方法であって、高転化率で原子移動型ラジカル重合が出来る様に改良されたビニル系ポリマーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、触媒として、特定のアミン化合物を含む銅錯体を使用することにより、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨は、重合開始剤として有機ハロゲン化合物を使用し、1価のハロゲン化銅とアミン化合物から成る銅錯体の存在下、原子移動型ラジカル重合によりビニル系モノマーの重合を行なうビニル系ポリマーの製造方法において、上記のアミン化合物として、以下の一般式(1)で表されるアミン化合物(A)と、以下の一般式(2)で表されるアミン化合物(B)とから成り、アミン化合物(A):(B)の重量比が10〜95:90〜5であるアミン混合物を使用することを特徴とするビニル系ポリマーの製造方法に存する。
Figure 2007023136
本発明によれば、高転化率で分子量分布の狭いビニル系ポリマーを製造することが出来る。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
本発明に係るビニル系ポリマーの製造方法は、原子移動型ラジカル重合による方法であり、概念的には前述の図式で表される。すなわち、重合開始剤として有機ハロゲン化合物を使用し、遷移金属を中心金属とする金属錯体の存在下、ビニル系モノマーの重合はリビング的に進行し、分子量分布の狭いビニル系ポリマーが得られる。
本発明において、有機ハロゲン化物としては、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が好ましい。斯かる有機ハロゲン化物としては、以下の表1に示す化合物が挙げられる。
Figure 2007023136
Figure 2007023136
本発明において、好ましい開始剤は、1−フェニルエチルクロライド、1−フェニルエチルブロマイド、2−クロロプロピオニトリル、2−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−クロロイソブチル酸、2−ブロモイソブチル酸、及びそのアルキルエステル、p−ハロメチルスチレンであり、更に好ましい開始剤は、1−フェニルエチルクロライド、1−フェニルエチルブロマイド、メチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチル−2−ブロモプロピオネート、α,α’−ジクロロキシレン、α,α’−ジブロモキシレン、2,5−ジブロモアジピン酸エステル、2,6−ジブロモ−1,7−ヘプタン二酸エステルである。
なお、本発明においては、重合開始剤として、上記の開始剤を使用して合成された上記に列挙した末端を有するマクロモノマー、その他ハロゲン化物を連鎖移動剤として末端にトリハロメチル基を末端に有するテロマーを使用することも出来る。
本発明において、1価のハロゲン化銅としては、塩化第一銅、臭化第一銅またはヨウ化第一銅が好ましい。ハロゲン種は開始末端のハロゲン種と同じであってもよいし異なっていてもよい。
上記の1価のハロゲン化銅は、有機配位子がアミン化合物から成る銅錯体として使用される。有機配位子は、1価のハロゲン化銅を溶媒へ可溶化させると共に、前述の図式に記したレドックス共役錯体との可逆的な変化を可能にするために添加される。アミン化合物の場合、金属への配位原子は窒素原子であるが、その他の原子として酸素原子、リン原子、硫黄原子を含んでいてもよい。
本発明においては、上記のアミン化合物として、以下の一般式(1)で表されるアミン化合物(A)と、以下の一般式(2)で表されるアミン化合物(B)とから成り、アミン化合物(A):(B)の重量比が10〜95/90〜5であるアミン混合物を使用する。
Figure 2007023136
上記の一般式(1)及び(2)は、アルキル化ポリアルキレンポリアミン構造を有し、触媒活性の面から、R、R、R、R、R、R12およびR13は、炭素数1のメチル基が好ましく、nおよびmは1又は2が好ましく、aは1〜3が好ましい。
上記のアミン化合物は、モノアルコール類、アルデヒド類、ハロゲン化アルキル類などにより、直鎖および分枝鎖から成るポリアルキレンポリアミン類をN−アルキル化したアミン化合物である。一般式(1)及び(2)に該当する限り、その種類は限定されないが、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキサメチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン等のポリアミン類のN−アルキル置換体が好ましい。特に、アルキル基がメチル基であるN−アルキル置換体が活性が高くて好ましい。
N−メチル化体の具体例としては、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジヘキサメチレントリアミン、N,N’−ビス(2−ジメチルアミノエチル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、N,N”−ビス(2−ジメチルアミノエチル)−N,N’,N”−トリメチルジエチレントリアミン、N,N’”−ビス(2−ジメチルアミノエチル)−N,N’,N”,N’”−テトラメチルトリエチレンテトラミン、N,N””−ビス(2−ジメチルアミノエチル)−N,N’,N”,N’”,N””−ペンタメチルテトラエチレンペンタミン、トリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン、トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン等のアミン化合物が挙げられる。これらの内、重合体の製造において触媒活性が高いことから、アミン化合物(A)がトリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン、アミン化合物(B)がN,N’−ビス(2−ジメチルアミノエチル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミンであるアミン混合物が特に好ましい。
一般式(1)で表されるアミン化合物(A):一般式(2)で表される(B)の重量比は、前述の通り10〜95:90〜5であるが、好ましくは20〜95:80〜5である。アミン化合物(A)が上記の比率未満の場合は触媒活性が低く重合体の製造時間が長くなり、上記の比率超過の場合は触媒活性性に大差がなく精製コストが高くなるだけである。
反応開始時の反応系内に含まれる銅錯体の銅イオン濃度は、通常1×10-5〜5×10-4重量%、好ましくは2×10-5〜2.5×10-4重量%である。銅イオン濃度が上記の範囲を超える場合は、反応系内に含まれるアミン化合物の量が相対的に多くなるため、副反応を併発したり、製造後の銅の除去が困難となる。逆に、銅イオン濃度が上記の範囲より低い場合は、触媒活性が低くなる。また、銅錯体に対するアミン混合物の割合は、通常50〜500モル%、好ましくは50〜200モル%である。
配位子とハロゲン化銅化合物から成る銅錯体は、別々に重合系に添加してもよいし、予め錯体を合成して重合系中へ加えてもよい。なお、本発明においては、上記の銅錯体に加え、前述の図式に記したレドックス共役錯体(すなわち・価銅錯体)を加え、前述の図式に記したレドックス平衡を保ち、重合速度を大きく低下させずに重合の制御を可能ならしめることも出来る。
本発明で使用するビニル系モノマーは、特に制限されないが、好ましくはアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、スチレン誘導体である。具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールア(メタ)クリルアミド、N−ビニルピロリドン、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。また、これらは2種類以上使用し、ランダム共重合またはブロック共重合されてもよいし、重合の途中で他のモノマーを徐々に添加してもよい。
本発明において、反応溶媒の使用は任意であるが、反応溶媒を使用する場合は、反応系内における反応溶媒量と重合に使用する全ビニルモノマー量との体積比は、通常0.05:1〜2:1から選択される。
反応溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
重合温度は、特に限定されないが、通常-78〜200℃、好ましくは室温ないし150℃である。重合が完了した後、形成されたビニル系ポリマーが単離される。本発明の単離過程は、周知の方法によって行われ、残存モノマー及び/または溶媒の留去、適当な溶媒中での沈降、沈降したポリマーの濾過または遠心分離、ポリマーの洗浄、洗浄したポリマーの乾燥などの操作を含んでいてもよい。
なお、銅化合物は、アルミナ、シリカ及び/またはクレーのカラム又はパッドに重合後の反応液を通すことにより除去することが出来る。また、銅化合物は(もし必要ならば)酸化されていてもよく、ビニル系ポリマー中に安定化剤として残っていてもよい。
ポリマーの沈降は、典型的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンまたは鉱物アルコール等の適当なC5−C8アルカン(若しくはC5−C8シクロアルカン)、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のC1−C6アルコール、その他の適当な溶媒を使用して行うことが出来る。沈降用の好ましい溶媒は、水、メタノール、ヘキサン又はヘキサン類の混合物である。
沈降したビニル系ポリマーは、周知の方法(例えばブッフナー漏斗およびアスピレータを使用する方法)で重力下または真空条件下に濾過することが出来るし遠心分離することが出来る。また、上清液を移すことによりビニル系ポリマーを単離することも出来る。次いで、ビニル系ポリマーは、必要ならば、沈降に使用した溶媒で洗浄することが出来る。これらの操作は、必要に応じ、繰り返してもよい。
単離されたビニル系ポリマーは、周知の方法(好ましくは真空)で乾燥される。また、ビニル系ポリマーは、周知の手法に従って、サイズ排除クロマトグラフィ、NMRスペクトル等により分析および/または特性化することが出来る。
本発明によって得られたビニル系ポリマーは、エラストマー、エンジニアリング樹脂、塗料、接着剤、インク、画像形成組成物などへのの直接的使用や、セメント調整剤、分散剤、乳化剤、界面活性剤、粘性係数向上剤、紙添加剤、静電気防止剤、被覆剤、樹脂調整剤等の添加剤としての使用、ポリウレタン等のより大きな高分子製品の中間体として、水処理化学物質、複合部品、化粧品、毛髪用品、腸内拡張剤、診断剤、持続放出組成剤などの製薬剤などとして使用することが出来る。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1:
アミン混合物の製造:
1000mlの攪拌機付きオートクレーブに、直鎖以外に分枝鎖および環状体も含むトリエチレンテトラミン(東ソー(株)社製「TETA」)150g、水150g及び触媒ラネーニッケル6.0gを仕込んだ。オートクレーブを密閉し、水素置換後、攪拌下に120℃まで昇温した。続けて、オートクレーブ内に圧力3MPaで水素を導入しつつ37重量%ホルマリン水溶液464g(5.72mol)を4時間かけてポンプで供給した。1時間熟成反応を行った後、冷却して反応液を取り出した。
ロータリーエバポレーターを使用し、反応液から水を留去後、40段のオールダーショ蒸留装置で減圧下に生成物であるN−メチル化されたトリエチレンテトラミンを蒸留精製し、次の表1に示す留分を得た。なお、各留分の分析はガスクロマトグラフ及びH−NMRによって行なった。
Figure 2007023136
実施例1(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体の製造):
窒素置換された、コンデンサー、窒素導入管、撹拌機および温度計付きのフラスコに、溶媒:メタノール15g、メタクリル酸メチル100g、スチレン50g、開始剤:2−クロロプロピオン酸メチル0.5g仕込み、70℃に加熱した。触媒として臭化第一銅10mg、配位子としてアミン混合物(3)30mg添加した。触媒溶液添加後、還流下で12時間重合を行った。ガスクロマトグラフによるモノマーの消費量測定の結果、転化率は89%であった。冷却後、2Lのメタノール/水=4/1に注ぎ、吸引濾過により重合体を回収した。70℃、0.1mmHgで減圧処理で12時間乾燥し、得られた固体を原子吸光法により銅成分の残存量を測定した。乾燥後に分子量を測定した。結果を表2に示す。
実施例2(アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル共重合体の製造):
実施例1において、メタクリル酸メチルを75gに変更し、スチレンの代わりにアクリル酸メチル75gを使用し、アミン混合物(3)の代わりにアミン混合物(2)28mgを使用し、反応時間を24時間とした以外は、実施例1と同様にして重合体を製造、回収した。結果を表2に示す。
実施例3(アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル共重合体の製造):
実施例1において、溶媒をTHFに変更し、メタクリル酸メチルを75gに変更し、スチレンの代わりにアクリル酸メチル75gを使用し、アミン混合物(3)の代わりにアミン混合物(1)13mgを使用し、反応時間を24時間とした以外は、実施例1と同様にして重合体を製造、回収した。結果を表1に示す。
比較例1:
実施例1において、メタクリル酸メチルを75gに変更し、スチレンの代わりにアクリル酸メチル75gを使用し、アミン混合物(3)の代わりにトリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン9.8mgを使用し、反応時間を24時間とした以外は、実施例1と同様にして重合体を製造、回収した。転化率が67%と低かった。結果を表2に示す。
製造例2(アミン化合物(A)を5重量%含むアミン混合物の製造)
製造例1で得たアミン混合物(3)1.0gと(4)2.0gとを混合してトリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン:N,N’−ビス(2−ジメチルアミノエチル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミンの重量比率が5.2:94.8のアミン混合物(5)を得た。
比較例2:
実施例1において、アミン混合物(3)の代わりにアミン混合物(5)320mgを使用した以外は、実施例1と同様にしてポリマーを製造した。転化率が70%と低く、分子量分布も1.8と広かった。結果を表2に示す。
Figure 2007023136

Claims (5)

  1. 重合開始剤として有機ハロゲン化合物を使用し、1価のハロゲン化銅とアミン化合物から成る銅錯体の存在下、原子移動型ラジカル重合によりビニル系モノマーの重合を行なうビニル系ポリマーの製造方法において、上記のアミン化合物として、以下の一般式(1)で表されるアミン化合物(A)と、以下の一般式(2)で表されるアミン化合物(B)とから成り、アミン化合物(A):(B)の重量比が10〜95:90〜5であるアミン混合物を使用することを特徴とするビニル系ポリマーの製造方法。
    Figure 2007023136
  2. アミン化合物(A)がトリス(2−ジメチルアミノエチル)アミンである請求項1に記載の製造方法。
  3. アミン化合物(B)がN,N’−ビス(2−ジメチルアミノエチル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミンである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 反応開始時の反応系内に含まれる銅錯体の銅イオン濃度が1×10-5〜5×10-4重量%である請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 銅錯体に対するアミン混合物の割合が50〜500モル%である請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
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