JP2004513997A - ポリマー組成物の製造方法並びに使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリ(メタ)アクリレート組成物の製造方法に関しており、エチレン性不飽和モノマーを、移動可能な原子団を有する開始剤及び少なくとも1つの遷移金属を有する1種又は数種の触媒を用いて、1種又は数種の触媒と配位化合物を形成することができるリガンドの存在で重合させ、その際、エチレン性不飽和モノマーの全質量に対して、式(I)[式中、Rは水素又はメチル、Rは8〜40、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基、R及びRは独立して水素aM多は式−COOR′の基を表し、R′は水素又は8〜40、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の(メタ)アクリレート50〜100質量%を有するエチレン性不飽和モノマーを、銅の存在で重合させ、その際、重合組成物中の酸化数(I)及び(II)の銅の全濃度は、組成物の全質量に対して、組成物中の酸化数(0)の質量を減じて、≦200ppmである。

Description

【0001】
本発明はポリマー組成物の製造方法に関しており、この場合に移動可能な原子団を有する開始剤を用いてかつ少なくとも1種の遷移金属を有する1種又は数種の触媒を用いて、この1種又は数種の金属触媒と配位化合物を形成することができるリガンドの存在でエチレン不飽和モノマーを重合させる。さらに、本発明はこのポリマー組成物の使用並びにこのようなポリマー溶液からポリマーを単離する方法にも関する。
【0002】
このラジカル重合は多様なポリマー、例えばPMMA及びポリスチレンを製造するための重要な商業的方法である。この場合に、ポリマーの構造、分子量及び分子量分布を相対的にコントロールしにくいという欠点がある。
【0003】
この問題の解決手段は、いわゆるATRP法(原子伝達ラジカル重合、Atom Transfer Radical Polymerisation)が提供する。これは「リビング」ラジカル重合であり、このメカニズムの記載によって何ら制限がなされるべきでない。この方法の場合に遷移金属化合物は移動可能な原子団を有する化合物と反応する。この場合に、移動可能な原子団は遷移金属化合物に移り、それにより金属は酸化される。
【0004】
この反応の場合に、エチレン性の基に付加されるラジカルが形成される。原子団が遷移金属化合物に移ることは、しかしながら可逆的であるため、この原子団は成長するポリマー鎖に戻され、それによりコントロールされた重合システムが形成される。それに応じて、ポリマーの構造、分子量及び分子量分布をコントロールすることができる。
【0005】
この反応実施は、例えばJ−S. Wang, et al.著, J. Am. Chem. Soc., vol.117, p.5614−5615 (1995), Matyjaszewski著, Macromolecules, vol.28, p.7901−7910 (1995)に記載されている。さらに、特許出願WO 96/30421, WO 97/47661, WO 97/18247, WO 98/20050, WO 98/40415及びWO 99/10387は前記したATRPの改良法を開示している。
【0006】
前記したメカニズムは異論の余地がある。例えばWO 97/47661には、この重合はラジカルメカニズムによって行われるのではなく、挿入によって行われると記載されている。本発明にとってこのような区別は重要でない、それというのもWO 97/47661に開示された反応実施の際に、ATRPの場合にも使用される化合物が使用されるためである。
【0007】
所望のポリマー溶液に応じて、モノマー、遷移金属触媒、リガンド及び開始剤が選択される。遷移金属リガンド錯体と移動可能な原子団との間の反応の高い速度定数は、平衡状態でのフリーラジカルのわずかな濃度と同じ程度に、狭い分子量分布のために重要であると想定される。フリーラジカル濃度が高い場合には、広い分子量分布の原因となる典型的な分解反応が生じる。この交換速度は、例えば移動可能な原子団、遷移金属、リガンド及び遷移金属化合物のアニオンに依存する。当業者にとってこれらの成分の選択のための有効な示唆は、例えばWO 98/40415に記載されている。
【0008】
しかしながら、公知のATRP重合法のこのような利点は、それ自体極性であるか又は極性媒体中で良好な可溶性を示すモノマーに限られている。非極性の非プロトン性炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン及びヘキサンの散発的な使用も文献から公知であるが、これらの溶剤を用いて製造されたポリマーは明らかに高い多分散性を示す。この作用は、例えばWO 98/40415に記載されている。
【0009】
さらに、この文献は極性モノマー、例えばメチルメタクリレート又はスチレンを、金属銅を用いて重合させる方法が開示しているが、この分子量分布はCu/CuBrもしくはCu/CuBrの混合物を使用した場合よりも著しく有利ではない。
【0010】
Pol. Preprint (ACS, Div. Pol. Chem.), 1999,40 (2), 432に、M. J. Ziegler et al.は、t−ブチルメタクリレートの重合が塊状で行われる場合に特に制御性が悪いことを記載している。極性溶剤に対して約20〜25質量%の使用の場合に、分子量並びに多分散性は改善される。もちろん、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル鎖又はヘテロアルキル鎖を有するエチレン性不飽和エステル化合物を少なくとも50質量%まで含有するエチレン性不飽和モノマー混合物は、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル基又はヘテロアルキル基を有するエチレン性不飽和エステル化合物の可溶性は極性溶剤中で限定的であるため、公知のATRP法を用いて重合させることは困難である。さらに、使用に応じて大量の極性溶剤を、ポリマーの製造後に組成物から分離しなければならない。
【0011】
先行技術を考慮して、本発明の課題は、組成物中に含まれるポリマーが少なくとも50質量%まで、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル鎖又はヘテロアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートから構成されているポリマー組成物の製造方法を提供することである。
【0012】
さらに、この組成物中に含まれるポリマーは狭い分子量分布を有するのが好ましい。特に、このポリマー混合物の製造の場合には、例えばアニオン重合のような費用のかかる方法の使用を避けるのが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の課題は、比較的高い又は高い分子量を有するポリマーを得ることができる重合方法を提供することであった。
【0014】
他の課題は、大規模工業的に適用可能な、安価に実施可能な方法を提供することにあった。さらに、この方法は市販されている成分を用いて容易にかつ簡単に実施可能であるのが好ましい。
【0015】
これらの課題並びにここまでに議論された文脈から容易に導き出せるか又は推測可能な他の明示的に挙げられていない課題は、請求項1の全ての特徴を備えたポリマー組成物の製造方法によって解決される。本発明による方法の有利な実施態様は、請求項1を引用する引用形式請求項において保護されている。ポリマーの製造方法に関して、独立形式の方法の請求項が、根底をなす課題の解決を提供し、使用のカテゴリーからなる請求項はこの方法により製造されたポリマーの有利な使用方法を保護する。
【0016】
エチレン性不飽和モノマーの全質量に対して50〜100質量%式(I)
【0017】
【化8】
Figure 2004513997
【0018】
[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは8〜40個の、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表し、R及びRは無関係に水素又は式−COOR′の基を表し、R′は水素又は8〜40個の、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の1種又は数種のエチレン性不飽和エステル化合物を有するエチレン性不飽和モノマーを、銅の存在で重合させ、この場合、組成物中での酸化数(I)及び(II)の銅の量は、組成物中の酸化数(0)の銅の質量だけ減法して、組成物の全質量に対して≦200ppmであることにより、容易に予想できないような、ポリマーの狭い分布を達成できるポリマー組成物の製造方法を提供することができる。この場合に、移動可能な原子団を有する開始剤を用いてかつ少なくとも1種の遷移金属を有する1種又は数種の触媒を用いて、この1種又は数種の金属触媒と配位化合物を形成することができるリガンドの存在でエチレン不飽和モノマーを重合させる。この種の方法は、特に安価に実施可能であり、その点では工業的に重要である。
【0019】
同時に、本発明による方法により一連の他の利点が達成される。この利点を特に次に挙げる:
この方法により製造されたポリマー組成物中でのこのポリマーの狭い分布。
【0020】
本発明による方法は組成物中で得られるポリマーの分子量のコントロールに優れている。
【0021】
圧力、温度及び溶剤に関して、重合の実施は比較的問題なく、穏和な温度であっても所定の状況下で許容可能な結果が達成される。
【0022】
本発明による方法を用いて高い収率が達成される。
【0023】
本発明による方法は副反応が起こりにくい。
【0024】
この方法は安価に実施可能である。この場合に、極めて少量の触媒を使用することが考慮される。
【0025】
さらに、金属銅を銅供給源として使用する場合について、この金属銅は反応混合物から問題なく除去でき、この場合にこの触媒は精製せずに他の反応に再使用できる。
【0026】
本発明の方法を用いて、あらかじめ定義された構成及び適切な構造を有するポリマーを製造できる。
【0027】
多様な目的のために、溶液中に存在する銅触媒を分離する必要なく、このように得られたポリマー組成物を使用することができる。
【0028】
本発明による方法を用いて、それ自体リガンドとして作用することができる不飽和エステル化合物を有するモノマーを共重合できる。特に意外にも、この場合に狭い分子量分布が得られる。
【0029】
本発明による方法の場合に銅の存在で重合させる。本発明にとって重要なのは、この場合に本発明の範囲内では重合組成物中での重合の間に酸化数(I)及び(II)、有利に酸化数(+1)の酸化した銅として存在するような銅の量である。実際に酸化数(+2)の銅も存在できるかどうか、もし存在できるなら、これは重合の推移にとって関連しているかどうかは、本発明自体には重要ではない。しかしながら、酸化数(+2)の銅の量は、適用した測定法に基づき、酸化数(+1)の銅と一緒に合計される。重合組成物中の酸化数(0)の銅の量は200ppmの値を明らかに上回ることができ、酸化数(I)及び(II)の銅の量が十分にわずかである限り上限はない。
【0030】
本発明の命名法について、「酸化数(I)の銅」及び「酸化数(II)の銅」の表現は「酸化数(+1)の銅」もしくは「酸化数(+2)の銅」と同じ意味である。
【0031】
本発明において使用されるモノマーとの関連で、すでに極めて少量の酸化数(I)及び(II)の銅が意外にも比較的狭い分布のポリマーを生じさせる。この場合に、酸化数(I)及び(II)の酸化した銅の量は組成物中で、全体の組成物の質量に対して200ppmまで、有利に150ppmまで、特に有利に100ppmまでである。ppmで示す銅の量は、全ての組成物の質量に対するCu(I)及びCu(II)の質量から、組成物中の酸化数(0)の銅の質量だけ減じた合計として示される。ATRPの触媒のために必要な酸化した銅の最小量は、特別の重合組成物に応じて所定の範囲内にわたり変えることができる。一般に、少なくとも5〜10ppmが有利である。10ppmより多いのが有利であり、特に20ppm以上であるのが有利である。極めて有利な範囲は10〜200ppm、有利に20〜200ppm、特に有利に50〜200ppmである。最良に適用するために、50〜100ppmの範囲が最適であると見られる。
【0032】
本発明の所定の長鎖のエステル化されたモノマーのATRPにとって重要な酸化された銅(酸化数+1及び+2の銅)は多様な供給源から生じさせることができる。
【0033】
第1の特に有利な方法の実施態様の場合には、本発明の方法は、酸化数(I)及び(II)の銅のための供給源としてポリマー組成物中に金属銅を使用することを特徴とする。
【0034】
金属銅は反応混合物にそれぞれ任意の形で添加することができる。銅供給源として、特に銅板、銅線、銅箔、銅チップ、銅ネット、銅編物、銅織物及び/又は銅粉並びに銅粉塵を用いるのが有利である。この場合に、ポリマー組成物から簡単に除去可能な供給源、例えば銅板、銅線、銅箔及び銅編物が、簡単に除去できない供給源、例えば銅粉又は銅粉塵よりも有利である。
【0035】
本発明による方法のもう一つの特別な実施態様は、酸化数(I)及び(II)の銅のための供給源として銅塩を重合組成物中に使用することに関する。本発明による特徴のわずかな濃度で銅の遷移金属塩を使用することは、同様に使用すべき開始剤ともしくは移動可能な原子団を有するポリマー鎖とレドックスサイクルを形成することができる遷移金属の銅の全ての化合物が含まれる。このサイクルの場合に、移動可能なこの及び触媒は可逆的に化合物を形成し、この場合に遷移金属の酸化数は向上するか又は低下する。この場合にラジカルを放出するかもしくは捕捉することで、ラジカル濃度は極めて低く保たれることから出発する。もちろん、遷移金属化合物を移動可能な原子団に付加することにより、エチレン性不飽和モノマーを結合Y−XもしくはY(M)−X中に挿入することが可能になるかもしくは容易にすることも可能でもあり、この場合、Y及びXは後記する意味を有し、Mはモノマーを表し、zは重合度を表す。
【0036】
本発明の範囲内で、銅塩又は銅塩の混合物を銅供給源として、ひいては触媒として使用することができる。重合時に重合のレドックスサイクルが触媒され、その際、例えばレドックスペアCu/Cu2+が有効であると想定される。従って、銅供給源として使用可能な金属化合物はハロゲン化物、例えば塩化物又は臭化物、アルコキシド、水酸化物、酸化物、硫酸塩、リン酸塩又はヘキサフルオロリン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩として反応混合物に供給される。有利な金属化合物は、CuO、CuBr、CuCl、CuI、CuN、CuSCN、CuCN、CuNO、CuNO、CuBF、Cu(CHCOO)及び/又はCu(CFCOO)である。
【0037】
特に、銅塩として銅ハロゲン化物、特に有利に塩化銅(I)を使用する方法が有利である。
【0038】
しかしながら、より高い酸化数の化合物、例えばCuBr、CuCl及び/又はCuOを使用することもできる。この場合には、反応を典型的なラジカル形成剤、例えばAlBNを用いて開始することができる。この場合に、遷移金属化合物がまず最初に還元される、それというのも、この遷移金属化合物は典型的なラジカル形成剤から生じたラジカルと反応するためである。これはリバース−ATRPであり、これはWang及びMatyjaszewski著、Macromolekules (1995), Bd. 28, p. 7572−7573に記載されている。
【0039】
さらに、この遷移金属は酸化数ゼロの金属として、特に前記の化合物と混合して触媒に使用することができ、このことは例えばWO 98/40415に記載されている。この場合には、反応の反応速度は高まる。高い酸化数の遷移金属が金属性の遷移金属と均化反応(komproportionieren)することにより、触媒作用する遷移金属化合物の濃度が高められることが想定される。もちろん、本発明の範囲内で常に、銅(I)及び(II)の極端に低い総濃度が保証される。
【0040】
本発明による適した、酸化数(I)及び(II)の銅の量(濃度)の測定について、銅供給源の性質に依存して、例えば次の方法が選択される。
【0041】
銅供給源として金属の銅から出発する場合には、金属の銅供給源は重合の完了後に組成物から取り除くことができ、例えばバッチから取り出されるか又は濾過により分離される。残留したポリマー組成物中で、場合により自体公知の測定方法の実施により、例えば原子吸光分析(AAS)又は原子発光分析(AES)により、銅量の測定することができる。その後で、重合の進行において銅供給源から放出された(酸化された)銅(I)+銅(II)の量及びそれからその濃度が測定される。
【0042】
供給源として銅化合物(銅塩)から出発する場合には、その秤量を測定し、それから系中に存在する関連する酸化数(+1)及び(+2)の銅の最大量が導き出すことで十分である。
【0043】
本発明による方法に従って、エチレン性不飽和モノマーの全質量に対して50〜100質量%、有利に60〜100質量%式(I)
【0044】
【化9】
Figure 2004513997
【0045】
[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは8〜40個の、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表し、R及びR無関係に水素又は式−COOR′の基を表し、R′は水素又は8〜40個の、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の1種又は数種のエチレン性不飽和エステル化合物を有するエチレン性不飽和モノマーが重合される。
【0046】
この場合、アルキル基は線状、環状又は分枝状であることができる。
【0047】
式(I)によるこの化合物には、8〜40個、有利に10〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルコール基をそれぞれ有する(メタ)アクリレート、マレエート、フマレートが属する。
【0048】
この場合に、式(II)
【0049】
【化10】
Figure 2004513997
【0050】
[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは8〜40個、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の(メタ)アクリレートが有利である。
【0051】
(メタ)アクリレートの用語は、メタクリレート及びアクリレート並びにこれら2つの混合物を包含する。このモノマーは公知である。これには、特に飽和アルコールから誘導された(メタ)アクリレート、例えば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソ−オクチル(メタ)アクリレート、イソ−ノニル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、3−イソ−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、5−メチルウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−メチルドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、5−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、5−イソ−プロピルヘプタデシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルオクタデシル(メタ)アクリレート、5−エチルオクタデシル(メタ)アクリレート、3−イソ−プロピルオクタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、セチルエイコシル(メタ)アクリレート、ステアリルエイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート及び/又はエイコシルテトラトリアコンチル(メタ)アクリレート;不飽和アルコールから誘導された(メタ)アクリレート、例えばオレイル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、例えば3−ビニル−2−ブチル−シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びボルニル(メタ)アクリレートが所属する。
【0052】
長鎖アルコール基を有するエステル化合物は、例えば(メタ)アクリレート、フマレート、マレエート及び/又は相応する酸と長鎖脂肪アルコールとの反応により得られ、この場合に、一般にエステルの混合物、例えば多様な長鎖アルコール基を有する(メタ)アクリレートの混合物が生じる。この脂肪アルコールには、特にMonsanto社のOxo Alcohols(R) 7911及びOxo Alcohols(R) 7900、Oxo Alcohols(R) 1100;ICI社のAlphanol(R) 79;Condea社のNafol(R) 1620、Alfol(R) 610及びAlfol(R) 810;Ethyl CorporationのEpal(R) 610及びEpal(R) 810;Shell AGのLinevol(R) 79、Linevol(R) 911及びDobanol(R) 25L;Condea Augusta, MailandのLial(R) 125;Henkel KGaAのDehydad(R)及びLorol(R);Ugine KuhlmannのLinopol(R) 7−11及びAcropol(R) 91が所属する。
【0053】
成分a)として表される、8〜40個の炭素原子を有するアルコールから誘導されるエチレン性不飽和エステル化合物の他に、モノマー混合物はさらに、前記のエステル化合物と共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーを含有することができる。このモノマーには、特に次のものが所属する
b) 式(III)
【0054】
【化11】
Figure 2004513997
【0055】
[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは1〜7個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の1種又は数種の(メタ)アクリレート 0〜40質量%、特に0.5〜20質量%、
c) 式(IV)
【0056】
【化12】
Figure 2004513997
【0057】
[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは2〜20、特に2〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基又は式(V)
【0058】
【化13】
Figure 2004513997
【0059】
(式中、R及びRは無関係に水素又はメチルを表し、Rは水素又は1〜40個の炭素原子を有するアルキル基を表し、nは1から60までの整数を表す)のアルコキシル化された基を表す]の1種又は数種の(メタ)アクリレート 0〜40質量%、特に0.5〜20質量%、
d) 式(VI)
【0060】
【化14】
Figure 2004513997
【0061】
[式中、Rは水素又はメチルを表し、Xは酸素又は式−NH−又は−NR10−のアミノ基を表し、R10は1〜40個の炭素原子を有するアルキル基を表し、Rは少なくとも1個の−NR1112−基で置換された線状又は分枝状の、2〜20、有利に2〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R11及びR12は相互に無関係に水素、1〜20、有利に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、又はR11及びR12は窒素原子を含めてかつ場合によりさらに一つの窒素原子又は酸素原子を含めて5員又は6員環を形成し、この環は場合によりC〜C−アルキルで置換されていてもよい]の1種又は数種の(メタ)アクリレート 0〜40質量%、特に0.5〜20質量%、及び
e) 1種又は数種のコモノマー0〜40質量%、特に0.5〜20質量%、その際、質量%の表示はエチレン性不飽和モノマーの全質量に対するものである。
【0062】
成分b)の例は、特に飽和アルコールから誘導された(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート及びヘプチル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、例えばシクロペンチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート;不飽和アルコールから誘導された(メタ)アクリレート、例えば2−プロピニル(メタ)アクリレート及びアリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレートである。
【0063】
式(IV)による(メタ)アクリレートは当業者に公知である。これには、特にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3,4−ジヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール(メタ)アクリレート、1,2−プロパンジオール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のプロポキシエチレン−及びプロポキシプロピレン誘導体、例えばトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート及びテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレートが属する。
【0064】
式(VI)(成分d)による(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミドには、特に(メタ)アクリル酸のアミド、例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(ジエチルホスホノ)メタクリルアミド、1−メタクリロイルアミド−2−メチル−2−プロパノール、N−(3−ジブチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−t−ブチル−N−(ジエチルホスホノ)メタクリルアミド、N,N−ビス(2−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、4−メタクリロイルアミド−4−メチル−2−ペンタノール、N−(メトキシメチル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−(ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−メチル−N−ペンチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド;アミノアルキルメタクリレート、例えばトリス(2−メタクリルオキシエチル)アミン、N−メチルホルムアミドエチルメタクリレート、2−ウレイドエチルメタクリレート;複素環(メタ)アクリレート、例えば2−(1−イミダゾリル)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−モルホリニル)エチル(メタ)アクリレート及び1−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ピロリドンが属する。
【0065】
成分e)は特に、式(I)、(II)、(III)、(IV)及び/又は(VI)のエチレン性不飽和エステル化合物と共重合するエチレン性不飽和モノマーである。
【0066】
しかしながら、次の式に相当するコモノマーが本発明による重合のために適している:
【0067】
【化15】
Figure 2004513997
【0068】
前記式中、R1*及びR2*は無関係に水素、ハロゲン、CN、1〜20、有利に1〜6、特に有利に1〜4個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基(これは1〜(2n+1)個のハロゲン原子で置換されていてもよく、その際、nはアルキル基の炭素原子の数である(例えばCF))、2〜10、有利に2〜6、特に有利に2〜4個の炭素原子を有するα,β−不飽和の線状又は分枝状のアルケニル−又はアルキニル基(これは1〜(2n−1)個のハロゲン原子、有利にクロロで置換されていてもよく、その際、nはアルキル基の炭素原子の数である、例えばCH=CCl−)、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(これは1〜(2n−1)個のハロゲン原子、有利にクロロで置換されていてもよく、その際、nはシクロアルキル基の炭素原子の数である);C(=Y)R5*、C(=Y)NR6*7*、YC(=Y)R5*、SOR5*、SO5*、OSO5*、NR8*SO5*、PR5* 、P(=Y)R5* 、YPR5* 、YP(=Y)R5* 、NR8* (これは付加的なR8*基、アリール基又は複素環式基で4級化されていてもよく、その際、YはNR8*、S又はOは、有利にOであることができ;R5*は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルチオ、OR15(R15は水素又はアルカリ金属を表す)、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ、アリールオキシ又はヘテロサイクリルオキシを表し;R6*及びR7*は無関係に水素又は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、又はR6*及びR7*は一緒になって2〜7、有利に2〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を形成し、その際、これらは3〜8員の、有利に3〜6員の環を形成し、R8*は水素、1〜20個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル−又はアリール基を表し;
3*及びR4*は無関係に水素、ハロゲン(有利にフルオロ又はクロロ)、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基及びCOOR9*を表し、その際、R9*は水素、アルカリ金属又は1〜40個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、又はR1*及びR3*は一緒になって式(CHの基(これは1〜2n′個のハロゲン原子又はC〜C−アルキル基で置換されていてもよい)を形成することができるか、又は式C(=O)−Y−C(=O)を形成することができ、その際、n′は2〜6、有利に3又は4であり、Yは前記の定義であり;その際、基R1*、R2*、R3*及びR4*の少なくとも2つは水素又はハロゲンである。
【0069】
成分e)は特に、式(I)のエステル化合物と共重合するエチレン性不飽和モノマーである。これには、特に(メタ)アクリル酸のニトリル及び他の窒素含有メタクリレート、例えばメタクリロイルアミドアセトニトリル、2−メタクリロイルオキシエチルメタクリルアミド、シアノメチルメタクリレート;アリール(メタ)アクリレート、例えばベンジルメタクリレート又はフェニルメタクリレート、その際、アリール基はそれぞれ非置換であるか又は4個までの置換基を有していてもよい;カルボニル含有メタクリレート、例えば2−カルボキシエチルメタクリレート、カルボキシメチルメタクリレート、オキサゾリジニルエチルメタクリレート、N−(メタクリロイルオキシ)ホルムアミド、アセトニルメタクリレート、N−メタクリロイルモルホリン、N−メタクリロイル−2−ピロリジノン;グリコールジメタクリレート、例えば1,4−ブタンジオールメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシメチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、エーテルアルコールのメタクリレート、例えばテトラヒドロフルフリルメタクリレート、ビニルオキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、1−ブトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−(2−ビニルオキシ)エチルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、メトキシメトキシエチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシメチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1−エトキシブチルメタクリレート、メトキシメチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート;ハロゲン化されたアルコールのメタクリレート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、4−ブロモフェニルメタクリレート、1,3−ジクロロ−2−プロピルメタクリレート、2−ブロモエチルメタクリレート、2−ヨードエチルメタクリレート、クロロメチルメタクリレート;オキシラニルメタクリレート、2,3−エポキシブチルメタクリレート、3,4−エポキシブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート;リン−、ホウ素−及び/又はケイ素含有のメタクリレート、例えば2−(ジメチルホスファト)プロピルメタクリレート、2−(エチレンホスフィト)プロピルメタクリレート、ジメチルホスフィノメチルメタクリレート、ジメチルホスホノエチルメタクリレート、ジエチルメタクリロイルホスホネート、ジプロピルメタクリロイルホスフェート;イオウ含有メタクリレート、例えばエチルスルフィニルエチルメタクリレート、4−チオシアナトブチルメタクリレート、エチルスルホニルエチルメタクリレート、チオシアナトメチルメタクリレート、メチルスルフィニルメチルメタクリレート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)スルフィド;トリメタクリレート、例えばトリメチロイルプロパントリメタクリレート;ビニルハロゲニド、例えば塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン及びフッ化ビニリデン;ビニルエステル、例えば酢酸ビニル;スチレン、側鎖にアルキル置換基を有する置換スチレン、例えばα−メチルスチレン及びα−エチルスチレン、環にアルキル置換基を有する置換スチレン、例えばビニルトルエン及びp−メチルスチレン、ハロゲン化されたスチレン、例えばモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン及びテトラブロモスチレン;複素環式ビニル化合物、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペリジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール及び水素化されたビニルチアゾール、ビニルオキサゾール及び水素化されたビニルオキサゾール;ビニルエーテル及びイソプレニルエーテル;マレイン酸及びマレイン酸誘導体、例えばマレイン酸のモノエステル及びジエステル、その際、アルコール基は1〜9個の炭素原子を有する、無水マレイン酸、メチルマレイン酸無水物、マレインイミド、メチルマレインイミド;フマル酸及びフマル酸誘導体、例えばフマル酸のモノエステル及びジエステル、その際、アルコール基は1〜9個の炭素原子を有する;ジエン、例えばジビニルベンゾールが属する。
【0070】
スチレンの他に、コモノマーとして特に分散作用を有するモノマー、例えば前記した複素環式ビニル化合物が有利である。このモノマーはさらに分散性モノマーとしても表される。
【0071】
前記のエチレン性不飽和モノマーは単独で又は混合した形で使用することができる。さらに、定義された構造、例えばブロックポリマーを得るために、モノマー組成を重合の間に変えることもできる。
【0072】
本発明による方法の有利な実施態様の場合には、エチレン性不飽和モノマーの全質量に対して、エチレン性不飽和モノマーの少なくとも70質量%、特に有利にエチレン性不飽和モノマーの80質量%より多くが、少なくとも6個の炭素原子を有するアルキル鎖又はヘテロアルキル鎖を有する(メタ)アクリレート、マレエート及び/又はフマレートである。
【0073】
前記のモノマーは、移動可能な原子団を有する開始剤を用いて重合させる。一般に、この開始剤は式Y−(X)により表され、この場合、Yはラジカルを形成すると推定される中心分子を表し、Xは移動可能な原子又は移動可能な原子団を表し、mは基Yの官能性に依存して1〜10の範囲内の整数を表す。m>1の場合には、多様な移動可能な原子団Xは異なるものであることができる。開始剤の官能性が>2である場合には、星形のポリマーが得られる。有利な移動可能な原子もしくは原子団はハロゲン、例えばCl、Br及び/又はIである。
【0074】
前記したように、基Yによりラジカルが形成されると解釈され、これは開始分子として用いられ、この場合に、このラジカルがエチレン性不飽和モノマーに付加する。従って、基Yは有利にラジカルを安定化することができる置換基を有する。この置換基には、特に−CN、−COR及び−COR(この場合、Rはそれぞれアルキル基又はアリール基を表す)、アリール基及び/又はヘテロアリール基が所属する。
【0075】
アルキル基は、飽和又は不飽和の、分枝状又は線状の1〜40個の炭素原子を有する炭化水素基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンテニル、2−メチルブチル、ペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、2−メチルヘプテニル、3−メチルヘプチル、オクチル、ノニル、3−エチルノニル、デシル、ウンデシル、4−プロペニルウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、セチルエイコシル、ドコシル及び/又はエイコシルテトラトリアコンチルである。
【0076】
アリール基は、芳香環中に6〜14個の炭素原子を有する環状の芳香族基である。この基は置換されていてもよい。
【0077】
置換基は、例えば1〜6個の炭素原子を有する線状及び分枝状のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−メチルブチル又はヘキシル;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル及びシクロヘキシル、芳香族基、例えばフェニル又はナフチル;アミノ基、エーテル基、エステル基並びにハロゲニドである。
【0078】
芳香族基には例えばフェニル、キシリル、トルイル、ナフチル又はビフェニリルが所属する。
【0079】
「ヘテロアリール」の用語は、ヘテロ芳香族環系(この場合、少なくとも1つのCH−基はNにより、2つの隣接したCH−基はS、O又はNHに置き換えられる)、例えばチオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン及びベンゾ[a]フランを表し、これらは同様に前記の置換基を有していてもよい。
【0080】
本発明により使用可能な開始剤は、重合条件下でラジカルを移動可能な1つ又は複数の原子又は原子団を有するそれぞれの化合物であることができる。
【0081】
適当な開始剤はそれぞれ次の式を有している:R111213C−X、R11C(=O)−X、R111213Si−X、R1112N−X、R11N−X、(R11P(O)−X 、(R11O)P(O)−X 及び(R11)(R12O)P(O)−X、
前記式中、XはCl、Br、I、OR10(この場合、R10は1〜20個の炭素原子のアルキル基を表し、この場合にそれぞれの水素原子は無関係にハロゲニド、有利にフルオリド又はクロリドによって置き換えられていてもよい、2〜10個の炭素原子を有するアルケニル、2〜10個の炭素原子を有するアルキニル、有利にアセチレニル、フェニル(これは1〜10個のハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい)又はアラルキル(アリール置換アルキル、この中でアリール基はフェニル又は置換フェニルを表し、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有するアルキルを表し、例えばベンジル)を表す);SR14、SeR14、OC(=O)R14、OP(=O)R14、OP(=O)(OR14、OP(=O)OR14、O−N(R14、S−C(=S)N(R14、CN、NC、SCN、CNS、OCN、CNO及びNからなる基から選択され、この場合、R14はアリール基又は1〜20、有利に1〜9個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表し、この場合、2つのR14−基が存在する場合に、一緒になって5、6又は7員の複素環を形成することができ;
11、R12、R13は独立して水素、ハロゲン、1〜20、有利に1〜10、特に有利に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、R8* Si、C(=Y)R5*、C(=Y)NR6*7*(この場合、Y、R5*、R6*及びR7*は前記に定義したものを表す)、COCl、OH、(有利に基R11、R12及びR13の1つはOH)、CN、2〜20個の炭素原子、有利に2〜6個の炭素原子を有するアルケニル−又はアルキニル基、特に有利にアリル又はビニル、オキシラニル、グリシジル、2〜6個の炭素原子を有するアルキレン−又はアルケニレン基(これはオキシラニル又はグリシジル、アリール、ヘテロサイクリル、アラルキル、アラルケニル(アリール置換されたアルケニル、この場合、アリールは前記に定義したものを表しアルケニルはビニルであり、これは1又は2個のC〜C−アルキル基及び/又はハロゲン原子、有利にクロロで置換されている)で置換されている)、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(これは1個〜全ての水素原子、有利に1個の水素原子がハロゲンに置き換えられている(1又は複数の水素原子が置き換えられている場合には有利にフルオロ又はクロロ、1個の水素原子が置き換えられている場合には有利にフルオロ、クロロ又はブロモ))、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(これは1〜3個の置換基(有利に1個)で置換されていて、この置換基はC〜C−アルコキシ、アリール、ヘテロサイクリル、C(=Y)R5*(その際、R5*は前記に定義したものを表す)、C(=Y)NR6*7*(その際、R6*及びR7*は前記に定義したものを表す)、オキシラニル及びグリシジルからなるグループから選択され、(有利に基R11、R12及びR13の2より多くは水素ではなく、特に有利に基R11、R12及びR13の最大でも1つは水素である);m=0又は1;及びm=0、1又は2である。
【0082】
特に有利な開始剤には、ベンジルハロゲン化物、例えばp−クロロメチルスチレン、α−ジクロロキシレン、α,α−ジクロロキシレン、α,α−ジブロモキシレン及びヘキサキス(α−ブロモメチル)ベンゼン、塩化ベンジル、臭化ベンジル、1−ブロモ−1−フェニルエタン及び1−クロロ−1−フェニルエタン;α−位がハロゲン化されたカルボン酸誘導体、例えばプロピル−2−ブロモプロピオネート、メチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチル−2−ブロモイソブチレート;トシルハロゲン化物、例えばp−トルエンスルホニルクロリド、アルキルハロゲン化物、例えばテトラクロロメタン、トリブロモメタン、1−ビニルエチルクロリド、1−ビニルエチルブロミド;及びリン酸エステルのハロゲン誘導体、例えばジメチルリン酸クロリドが属する。
【0083】
この開始剤は、一般的に10 mol/L〜3mol/Lの範囲内、有利に10 mol/L〜10 mol/Lの範囲内、特に有利に5・10 mol/L〜5・10 mol/Lの範囲内の濃度で使用されるが、これにより制限されることはない。開始剤対モノマーの割合から、全モノマーが反応した場合にポリマーの分子量が得られる。この割合は有利に10 対1〜0.5対1の範囲内、特に有利に1・10 対1〜5・10 対1の範囲内にある。
【0084】
この重合は、1種又は数種の金属触媒と配位化合物を形成することができるリガンドの存在で行われる。このリガンドは、特に遷移金属化合物の可溶性を高めるために用いられる。このリガンドの他の重要な機能は、安定な有機金属化合物の形成を抑制することにある。これは、この安定な化合物が選択された反応条件下で重合しないために特に重要である。さらに、このリガンドは移動可能な原子団の引き抜きを容易にすると推測される。
【0085】
これらのリガンドは自体公知であり、例えばWO 97/18247,WO 98/40415に記載されている。この化合物は一般に1つ又は複数の窒素原子、酸素原子、リン原子及び/又は硫黄原子を有し、これらを介して金属原子と結合することができる。これらのリガンドの多くが、一般に式R16−Z−(R18−Z)−R17により表され、その際、R16及びR17は無関係にH、C〜C20−アルキル、アリール、ヘテロサイクリルを表し、これらは場合により置換されていてもよい。この置換基には、特にアルコキシ基及びアルキルアミノ基が属する。R16及びR17は場合により飽和、不飽和又は複素環式の環を形成することができる。ZはO、S、NH、NR19又はPR19を表し、その際、R19はR16と同じ意味を有する。R18は無関係に1〜40個のC原子、有利に2〜4個のC原子を有する二価の基を表し、この基は線状、分枝状又は環状であることができ、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基又はブチレン基である。アルキル及びアリールの意味は前記されている。ヘテロサイクリル基は4〜12個の炭素原子を有する環式基であり、この場合に環の1又は複数のCH−基はヘテロ原子団、例えばO、S、NH及び/又はNRにより置き換えられていて、この場合、基RはR16と同じ意味を有する。
【0086】
適当なリガンドの他のグループは、式
【0087】
【化16】
Figure 2004513997
【0088】
[式中、R、R、R及びRは無関係にH、C〜C20−アルキル基、アリール基、ヘテロサイクリル基及び/又はヘテロアリール基を表し、その際、基RとRとはもしくはRとRとは一緒になって飽和又は不飽和の環を形成することができる]により表される。
【0089】
有利なリガンドはこの場合に、N原子を有するキレートリガンドである。
【0090】
特別なリガンドには、特にトリフェニルホスファン、2,2−ビピリジン、アルキル−2,2−ビピリジン、例えば4,4−ジ−(5−ノニル)−2,2−ビピリジン、4,4−ジ−(5−ヘプチル)−2,2−ビピリジン、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)、N,N,N′,N′,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン及び/又はテトラメチルエチレンジアミンが属する。他の有利なリガンドは、例えばWO 97/47661に記載されている。
【0091】
このリガンドは単独で又は混合した形で使用することができる。
【0092】
このリガンドはin situで銅金属又は銅化合物と配位化合物を形成するか、又はこれはまず配位化合物として製造され、引き続き反応混合物中に添加することができる。
【0093】
リガンド対遷移金属の銅の割合は、リガンドの座数及び銅の配位数に依存する。一般にこのモル比は100:1〜0.1:1、有利に10:1〜0.1:1、好ましくは6:1〜0.1:1、特に有利に3:1〜0.5:1の範囲内にあるが、これによって制限されるものではない。
【0094】
意外にも、本発明の範囲内で、比較的高いリガンド濃度は、酸化数(I)及び(II)の酸化された銅の比較的低い濃度の場合に、これは本発明により有利な低い触媒量の場合に通常なように、特に優れた結果が生じることが明らかになった。特に有利な結果は、Cu(I)及びCu(II)用の供給源として銅ハロゲン化物を使用した場合に生じる。本発明の特別な実施態様は、この点では、CuX対リガンドの質量比が1:5〜1:20の範囲内、特に有利に1:7〜1:15の範囲内にあるような方法に関する。CuXはこの場合特に有利に銅ハロゲン化物、例えばCuCl又はCuBrである。
【0095】
所望のポリマー溶液に応じて、モノマー、銅触媒、リガンド及び開始剤が選択される。銅−リガンド−錯体と移動可能な原子団との間の反応の高い速度定数は狭い分子量分布のために重要であると想定される。この反応の速度定数が低すぎる場合、ラジカルの濃度が高すぎ、その結果、典型的な分解反応が生じ、この分解反応は広い分子量分布の原因となる。交換速度は例えば移動可能な原子団、遷移金属及びリガンドに依存する。
【0096】
本発明の方法は、溶剤なしで塊状重合として実施することができる。この塊状(bulk)での重合は著しく良好な結果を生じさせる。この方法の有利な実施態様において、非極性溶媒が使用される。もちろん、酸化数(I)及び(II)の銅の濃度は前記の値を上回ってはならない。
【0097】
非極性溶剤には、炭化水素溶剤、例えば芳香族溶剤、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン、飽和炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン(これらは分枝鎖で存在していてもよい)が属する。この溶剤は単独でも、混合した形でも使用できる。特に有利な溶剤は鉱油及び合成油又はこの混合物である。これらの中でも鉱油が特に有利である。
【0098】
鉱油は自体公知であり、かつ市販されている。これは一般に石油及び原油から蒸留及び/又は精留及び場合により他の精製及び精製加工法によって得られ、この場合、鉱油の概念は特に原油又は石油の高沸点成分である。一般に、鉱油の沸点は、5000Paで200℃よりも高く、有利に300℃より高い。頁岩油の乾留、石炭のコークス化、褐炭の空気遮断下での蒸留並びに石炭又は褐炭の水素化による製造も同様に可能である。わずかな割合で、鉱油は植物由来(例えばホホバ、ナタネ)又は動物由来(例えば牛脚油)の原料からも製造できる。従って、鉱油はその起源に応じて異なる割合の芳香族、環式、分枝状及び線状の炭化水素を有する。
【0099】
一般に、原油もしくは鉱油中のパラフィンベース、ナフテン及び芳香族成分は区別され、この場合にパラフィンベース成分の概念は長鎖もしくは著しく分枝したイソアルカンを表し、ナフテン成分はシクロアルカンを表す。さらに、鉱油はその起源並びに精製に応じて、異なる割合のn−アルカン、わずかな分枝度のイソアルカン、いわゆるモノメチル分枝パラフィン、及び極性の特性を付与するヘテロ原子、特にO、N及び/又はSを有する化合物を有する。n−アルカンの割合は、有利な鉱油中で3質量%より少なく、O、N及び/又はS含有化合物の割合は6質量%よりも少ない。芳香族化合物及びモノメチル分枝パラフィンの割合は、一般にそれぞれ0〜30質量%の範囲内にある。優れた態様によると、鉱油は主にナフテン性及びパラフィン性のアルカンであり、これらは一般に13個より多く、有利に18個より多く、特に有利に20個より多くの炭素原子を有している。この化合物の割合は、一般に≧60質量%、有利に≧80質量%であるが、これに制限されるものではない。
【0100】
慣用の方法、例えば尿素分離及びシリカゲルの液体クロマトグラフィーのような特に有利な鉱油の分析は、例えば次の成分を示し、その際、このパーセント表示はそれぞれ使用した鉱油の全質量に関している:約18〜31個のC原子を有するn−アルカン:0.7〜1.0%、18〜31個のC原子を有するわずかに分枝したアルカン:1.0〜8.0%、14〜32個のC原子を有する芳香族化合物:0.4〜10.7%、20〜32個のC原子を有するイソ−及びシクロアルカン:60.7〜82.4%、極性化合物:0.1〜0.8%、損失分:6.9〜19.4%。
【0101】
鉱油の分析並びに異なる組成を有する鉱油のリストに関する重要な示唆は、例えばUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition on CD−ROM, 1997,検索ワード”lubricants and related products”に記載されている。
【0102】
合成油は特に有機エステル、有機エーテル、例えばシリコーン油、合成炭化水素、特にポリオレフィンである。これらは、たいていは鉱油よりも若干高価であるが、その性能に関しては有利である。明確化については基油タイプの5APIクラス(API:American Petroleum Institute)に言及すべきであり、この場合、この基油は特に有利に溶剤として使用できる。
【0103】
この溶剤は濾過前又は濾過の間に、混合物の全質量に対して、有利に1〜99質量%、特に有利に5〜95質量%、さらに特に有利に10〜60質量%の量で使用される。
【0104】
この重合は常圧、加圧又は減圧で実施することができる。重合温度も重要ではない。しかしながら、一般に、−20〜200℃、有利に0〜130℃、特に有利に60〜120℃の範囲内にあるが、これに制限されるものではない。
【0105】
本発明の方法を用いて、所定の構造のポリマーを簡単に得ることができる。この可能性は、重合法の「リビング」特性から生じる。この構造には、特にブロックコポリマー、勾配コポリマー、星形ポリマー、高度に分枝したポリマー、反応性末端基を有するポリマー及びグラフトコポリマーが属する。
【0106】
本発明による方法で特に重要なのは、ポリマー組成物中でランダムでない構造、有利にジブロックポリマー、トリブロックポリマー又は勾配ポリマーを有するコポリマーを製造できることである。
【0107】
本発明の範囲内で製造したポリマーは、一般に1000〜1000000g/molの範囲内、有利に10・10〜500・10g/molの範囲内、特に10・10〜300・10g/molの範囲内、特に有利に50・10〜300・10g/molの範囲内の分子量を有するが、これに制限されるものではない。この値は組成物中で多分散性ポリマーの重量平均分子量に関する。
【0108】
本発明の方法の特に有利な実施態様は、≧7000g/molの重量平均分子量を有するポリマーを製造することを特徴とする。
【0109】
慣用のラジカル重合法と比較してATRPの特別な利点は、狭い分子量分布を有するポリマーを製造できる点にある。これに制限されるものではないが、本発明による方法により得られたポリマーは、M/Mにより計算された多分散性が1〜12、有利に1〜4.5、特に有利に1〜3、さらに特に有利に1.05〜2の範囲内である。
【0110】
本発明において典型的な、酸化数(I)及び(II)の銅のわずかな量は、一般に目標とする適応において障害とはならないため、触媒の分離を実施する必要はない。
【0111】
本発明によるわずかな量でさえ障害となるような特別な適用のために、溶解した銅は固−液分離法によって分離することができる。これについては、例えばクロマトグラフィー、遠心分離及び濾過が属している。
【0112】
触媒濾過により分離するのが有利である。このために、重合後に遷移金属の酸化数が高められる。遷移金属の酸化によって、1つ又は複数のリガンドの選択に応じて、触媒の可溶性は減少するため、溶剤、特に鉱油が存在する場合にこの誘電率が≦4、有利に≦3、特に有利に≦2.5である場合に、遷移金属は濾過により分離することができる。
【0113】
遷移金属の酸化は、公知の酸化剤、例えば酸素、H又はオゾンを用いて実施することができる。触媒を空気酸素で酸化するのが有利である。遷移金属又は遷移金属化合物を完全に酸化させる必要はない。多くの場合、遷移金属化合物の十分な沈殿を保証するために、数分間組成物を空気酸素と接触させるだけで十分である。
【0114】
この濾過はそれ自体公知であり、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Fifth Edition, 検索用語”Filtration”に記載されている。この組成物を0.1〜50bar、有利に1〜10bar、特に有利に1.5〜2.5barの範囲内の圧力差で、0.01μm〜1mm、有利に1μm〜100μm、特に有利に10μm〜100μmのメッシュ幅のフィルターを用いて精製するのが有利であるこの精製は溶剤の粘度及び沈殿物の粒径に依存するため、前記の数値は基準点として用いられる。
【0115】
この濾過は、重合と同じ温度範囲で行われ、この場合にこの範囲の上限はポリマーの安定性に依存する。下限は溶液の粘度から得られる。
【0116】
こうして製造されたポリ(メタ)アクリレート組成物は、他に精製することなしで、例えば潤滑油中の添加物として使用することができる。さらに、この組成物からポリマーを単離することができる。このためにポリマーを沈殿によって組成物から析出させることができる。
【0117】
次に、本発明を実施例及び比較例により詳説するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0118】
I) 出発物質及び製造についての記述
I.1) 出発物質
使用したDPMA(ドデシルペンタデシルメタクリレート)を98%の純度を考慮しながら秤量した。CuBr、CuO(粒度5μm)、銅粉、TsCl(p−トルエンスルホニルクロリド)、EBiB(エチル−2−ブロモイソブチレート)、PDETA(ペンタメチルジエチレントリアミン)並びに2,2,4−トリメチルペンタンを、Aldrich社から取り寄せ、同様にMMA(メチルメタクリレート)、BMA(n−ブチルメタクリレート)及びDMAPMAm(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)(全てRohm & Haas社)を100%の純度と仮定して秤量した。使用したナフテン性鉱油は、Calumet社の油である(100°Fで粘度:37SUS)。使用したパラフィン性油は製造元Petro Canada社の100N−油であった。銅箔(Aldrich:厚さ:0.025mm)を1cmの大きさの片で使用した。利用した銅板(Alfa Aesar)の厚さは1mmであった。使用した銅編物(Alfa Aesar)は50メッシュ−ネットであり、0.23mmの太さの銅線からなる。それぞれ使用した銅ネットの名目面積を実質銅表面積に換算するために次の換算式を使用した:
【0119】
【数1】
Figure 2004513997
【0120】
前記式中、A=名目面積、cm
D=銅線の直径、cm
L=長さ、cm
N=名目面積中の線の数(メッシュ幅の2倍に相当)
S=実質表面積、cm
W=幅、cm
I.2) 重合バッチ中の残留モノマー含有量の測定:
モノマーとしてMMA(メチルメタクリレート)もしくはBMA(n−ブチルメタクリレート)を使用した試験に対する残留モノマー含有量は、全ての場合にガスクロマトグラフィーにより測定した。この場合、試料はヘッドスペース−GC/MSを用いて130℃の温度で直接分析した。ポリ−DPMAはこの条件下で解重合する傾向にあるため、ポリ−DPMA−試料は10%THF溶液の形で200μlの体積でゲル浸透分離にかけ、DPMA含有フラクションを水素炎イオン化検出法を用いた高速ガスクロマトグラフィーで測定した。この方法は0.1%のDPMA−試料を用いて校正した。ヘッドスペース−GC−システムは1%MMA試料及びBMA試料を利用して校正した。
【0121】
DMAPMAm(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)の残留量は、150℃の温度で直接GCを用いて得られた。最終生成物中に見られたDMAPMAm/DPMA−質量比は、出発溶液中に含まれた相対比に一致した。
【0122】
I.3) ポリマー組成物中の銅含有量の測定
I.3.1) 銅(I)塩
可溶性の銅塩(例えばCuCl又はCuBr)の場合に、溶液中の銅含有量は使用した銅(I)塩−秤量に基づき、銅(I)塩が重合反応の間に完全に溶解して存在していると仮定して算出した。不溶性又は難溶性成分が存在した場合、溶液中の実際の銅濃度は、秤量に基づく理論的に可能な最大濃度を下回る。
【0123】
I.3.2) 難溶性の銅供給源(粉末、ネット、編物、スクリーン又は小板の形の元素状の銅)の場合に、溶液中の銅含有量の測定のために重合反応の完了後にICP−スペクトル分析を使用した。この場合次のように実施した:
重合し終えた反応バッチの試料約2gをフラスコ中に秤取し、分解の開始の前に硫酸10mを添加し、次いで硝酸及び過酸化水素を添加しながら開放マイクロ波分解によって最大250℃で分解した。この冷却された分解溶液をミリポア(Millipor)−水と共に50ml測定フラスコ中に定量的に注ぎ、検量マークまで充たし、測定溶液として銅含有量の測定のためにICP−スペクトル分析計(原子発光分析)を用いて測定した。Jobin Yvon社のTyp JY 38 PlusのICP装置を使用した。この銅は324.754nmの波長で測定した。この測定はプログラムW1を用いて行った。次の校正標準を使用した:時間あたり50ml測定フラスコ中で水約30mlを装入し、注意深く硫酸7〜8mlを添加し、冷却後に銅標準のそれぞれの量をピペットに取り、水で検量マークまで充たした。標準の濃度(mg Cu/l):0;0.5;1.0;2.0及び4.0。結果として、この方法の後に、重合反応の間に溶液に移行した(酸化した)、ひいては重合反応の完了までに溶解した銅の含有量が得られた。銅はATRPの間に消費されないため、重合反応の完了時の濃度は、酸化数(I)及び(II)を有する銅の実際の最大濃度に相当する。
【0124】
II. 実施例及び比較例の実施
比較例1(VB1):
トルエン175g中のMMA75g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は40.5%の収率で得られ、多分散性1.21及びM−値15100を有していた。
【0125】
比較例2(VB2):
トルエン143.5g中のBMA106.5g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は39.7%の収率で得られ、多分散性1.11及びM−値15500を有していた。
【0126】
例1(B1):
トルエン44.25g中のDPMA209.95g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は91.6%の収率で得られ、多分散性1.27及びM−値47700を有していた。
【0127】
比較例3(VB3):
トルエン175g中のMMA75g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA 104mg(0.6mmol)、続いて微粉末のCuBr 43mg(0.3mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 0.58g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率22%で得られた。
【0128】
比較例4(VB4):
トルエン143.5g中のBMA106.5g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA 104mg(0.6mmol)、続いて微粉末のCuBr 43mg(0.3mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 0.58g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率43.20%で得られた。
【0129】
例2(B2):
トルエン44.25g中のDPMA209.95g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA 104mg(0.6mmol)、続いて微粉末のCuBr 43mg(0.3mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 0.58g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は95.70%の収率で得られ、多分散性1.27及びM−値54300を有していた。反応生成物の取り出し後に、明らかに確認可能な固体触媒残留物がフラスコ底部に残留した。
【0130】
比較例5(VB5):
トルエン175g中のMMA75g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA 52mg(0.3mmol)、続いて銅粉末 20mgを添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率48.7%で得られた。
【0131】
比較例6(VB6):
トルエン143.5g中のBMA106.5g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA 52mg(0.3mmol)、続いて銅粉末 20mgを添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率84%で得られた。
【0132】
例3(B3):
トルエン44.25g中のDPMA209.95g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA 52mg(0.3mmol)、続いて銅粉末 20mgを添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率97.4%で得られた。
【0133】
比較例7(VB7):
トルエン175g中のMMA75g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。1cmのサイズの銅箔(Aldrich、厚さ:0.025mm)1.5g、続いてPMDETA 52mg(0.3mmol)を添加し、その後反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率87.00%で得られた。GPCで測定した多分散性は1.30であり、M値は27800であった。
【0134】
比較例8(VB8):
トルエン143.5g中のBMA106.5g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。1cmのサイズの銅箔(Aldrich、厚さ:0.025mm)1.5g、続いてPMDETA 52mg(0.3mmol)を添加し、その後反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率85%で得られた。GPCで測定した多分散性は1.32であり、M値は33600であった。
【0135】
例4(B4):
トルエン44.25g中のDPMA209.95g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。1cmのサイズの銅箔(Aldrich、厚さ:0.025mm)1.5g、続いてPMDETA 52mg(0.3mmol)を添加し、その後反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率99.6%で得られた。GPCで測定した多分散性は1.25であり、M値は65800であった。
【0136】
比較例9(VB9):
2,2,4−トリメチルペンタン175g中のMMA75g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率34%で得られた。
【0137】
比較例10(VB10):
2,2,4−トリメチルペンタン143.5g中のBMA 106.5g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率38.9%で得られた。
【0138】
例5(B5):
2,2,4−トリメチルペンタン44.25g中のDPMA 209.95g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は収率67.1%で得られた。
【0139】
比較例11(VB11):
ナフタリン性油(Calumet)143.5g中のBMA106.5g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は54.2%の収率で得られ、多分散性1.18及びM−値18900を有していた。
【0140】
例6(B6):
ナフタリン性基油(Calumet)44.25g中のDPMA 209.95g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。PMDETA52mg(0.3mmol)、続いて微粉末のCuO 22mg(0.15mmol)を添加し、その後で反応混合物を室温から95℃のまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.57g(3mmol)を添加し、反応混合物を95℃で9時間攪拌した。この後に得られた生成物は98.4%の収率で得られ、多分散性1.33及びM−値42600を有していた。
【0141】
比較例12(VB12):
トルエン175g中のMMA75g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。1cmのサイズの銅箔(Aldrich、厚さ:0.025mm)1.5g、続いてPMDETA 900mg(4.72mmol)を添加し、その後反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.18g(0.94mmol)を添加し、反応混合物を95℃で15時間攪拌した。この後に得られた生成物は多分散性2.26並びにM値69800を有していた。
【0142】
比較例13(VB13):
トルエン143.5g中のBMA106.5g(0.75mol)を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。1cmのサイズの銅箔(Aldrich、厚さ:0.025mm)1.5g、続いてPMDETA 900mg(4.72mmol)を添加し、その後反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.18g(0.94mmol)を添加し、反応混合物を95℃で15時間攪拌した。この後に得られた生成物は多分散性1.78並びにM値112000を有していた。
【0143】
例7(B7):
DPMA 212.5g、MMA 37.5g及びパラフィン性鉱油(Petro Canada)51.6gからなる混合物を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。1cmのサイズの銅箔(Aldrich、厚さ:0.025mm)1.5g、続いてPMDETA 900mg(4.72mmol)を添加し、その後反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.18g(0.94mmol)を添加し、反応混合物を95℃で15時間攪拌した。この後に得られた生成物は多分散性1.26並びにM値188000を有していた。
【0144】
例8(B8):
DPMA 212.5g、MMA 37.5g及びパラフィン性鉱油(Petro Canada)51.6gからなる混合物を、サーベル形撹拌機、還流冷却器並びに内部温度計を備えた、窒素を流入させた500mlの4口フラスコに装入した。1cmのサイズの銅箔(Aldrich、厚さ:0.025mm)1.5g、続いてPMDETA 500mg(2.88mmol)を添加し、その後反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、TsCl 0.25g(1.31mmol)を添加し、反応混合物を95℃で13時間攪拌した。この後に得られた生成物は多分散性1.21並びにM値142000を有していた。
【0145】
例9(B9):
DPMA 6375gとMMA1142.13gからなる混合物を、101.21gの重量の銅編物(Alfa Aesar; ロット番号:J26j18)が固定されている水冷式雌ねじを備えた、窒素を流入させた20Lの重合釜中に装入した。次いでPMDETA20g(0.115mol)を添加し、反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 122.7g(0.629mol)を添加し、反応混合物を95℃でさらに攪拌した。3時間後に生成物が98.7%の収率で得られ、この生成物は多分散性インデックス1.10並びにM値15100を有していた。空になったこの反応釜には固体触媒残留物の確認可能な沈着物は見られなかった。
【0146】
例10(B10):
DPMA 6375gとMMA1142.13gからなる混合物を、49.89gの重量の銅編物(Alfa Aesar; ロット番号:J26j18;例9から再使用した材料)が固定されている水冷式雌ねじを備えた、窒素を流入させた20Lの重合釜中に装入した。次いでPMDETA20g(0.115mol)を添加し、反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 122.7g(0.629mol)を添加し、反応混合物を95℃でさらに攪拌した。4時間後に生成物が98.9%の収率で得られ、この生成物は多分散性インデックス1.11並びにM値15700を有していた。空になったこの反応釜には固体触媒残留物の確認可能な沈着物は見られなかった。
【0147】
例11(B11):
DPMA 6375g、MMA1142.13g及び100N−油(100N,パラフィン性, Petro Canada)1500gからなる混合物を、101.21gの重量の銅編物(Alfa Aesar; ロット番号:J26j18)が固定されている水冷式雌ねじを備えた、窒素を流入させた20Lの重合釜中に装入した。次いでPMDETA20g(0.115mol)を添加し、反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 50g(0.288mol)を添加し、反応混合物を95℃でさらに攪拌した。6時間後に生成物が93%の収率で得られ、この生成物は多分散性インデックス1.26並びにM値29400を有していた。空になったこの反応釜には固体触媒残留物の確認可能な沈着物は見られなかった。
【0148】
例12(B12):
DPMA 6375g、MMA1142.13g及び100N−油(100N,パラフィン性, Petro Canada)1500gからなる混合物を、50.58gの重量の銅編物(Alfa Aesar; ロット番号:J26j18;例11から再使用した材料)が固定されている水冷式雌ねじを備えた、窒素を流入させた20Lの重合釜中に装入した。次いでPMDETA20g(0.115mol)を添加し、反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 50g(0.288mol)を添加し、反応混合物を95℃でさらに攪拌した。6時間後に生成物が82.6%の収率で得られ、この生成物は多分散性インデックス1.48並びにM値34100を有していた。空になったこの反応釜には固体触媒残留物の確認可能な沈着物は見られなかった。
【0149】
例13(B13):
DPMA 6375g、MMA1142.13g及び100N−油(100N,パラフィン性, Petro Canada)1500gからなる混合物を、50.58gの重量の銅編物(Alfa Aesar; ロット番号:J26j18;例12から再使用した材料)が固定されている水冷式雌ねじを備えた、窒素を流入させた20Lの重合釜中に装入した。次いでPMDETA20g(0.115mol)を添加し、反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 8.13g(0.042mol)を添加し、反応混合物を95℃でさらに攪拌した。21時間後に生成物が92.7%の収率で得られ、この生成物は多分散性インデックス1.27並びにM値143000を有していた。空になったこの反応釜には固体触媒残留物の確認可能な沈着物は見られなかった。
【0150】
例14(B14):
DPMA 6375g、MMA1142.13g及び100N−油(100N,パラフィン性, Petro Canada)1500gからなる混合物を、50.58gの重量の銅編物(Alfa Aesar; ロット番号:J26j18;例13から再使用した材料)が固定されている水冷式雌ねじを備えた、窒素を流入させた20Lの重合釜中に装入した。次いでPMDETA20g(0.115mol)を添加し、反応混合物を室温から95℃にまで加熱した。この溶液が所望の温度に達すると同時に、EBiB 5.85g(0.030mol)を添加し、反応混合物を95℃でさらに攪拌した。23時間後に生成物が98.8%の収率で得られ、この生成物は多分散性インデックス1.37並びにM値199000を有していた。空になったこの反応釜には固体触媒残留物の確認可能な沈着物は見られなかった。
【0151】
例15(B15):
例15に記載されたATRP重合法を、サーベル形撹拌機、マントルヒータ、窒素導管及び強力冷却器を備えた4口フラスコ中で実施した。この場合、ドデシルメタクリレート(DPMA、(R) Dobanol 25L(Shell AG)とメチルメタクリレートの反応により得られる、この場合、遊離したメタノールが分離された)212.5g(0.775mol)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート(DMAPMAm)10.12g(0.060mol)及びメチルメタクリレート37.5gからなるモノマー混合物及び鉱油51.6g(Petro Canada社のパラフィン性100N油)を反応フラスコ内に装入し、ドライアイスを添加し、窒素を導通させることにより不活性化させた。引き続き、銅箔(Aldrich、厚さ0.025mm、約1cmのサイズの片に裁断した)2g及びペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)900ml(5.2mmol)を添加した。
【0152】
95℃に加熱した後に、p−トルエンスルホニルクロリド(TSCl)0.97g(5mmol)を添加した。95℃で約9時間の反応時間の後に、この混合物を室温に冷却した。引き続きこの混合物をGPCで分析した。
【0153】
達成された収率は87%であった。得られたポリマーは多分散性1.48並びに数平均分子量37200であった。
【0154】
比較例14(VB14):
例15をほとんど繰り返した。しかしながら、触媒として金属銅ではなくCuBr 250mg(1.7mmol)を使用した。
【0155】
達成された収率は53%であった。得られたポリマーは多分散性2.59並びに数平均分子量39800であった。
【0156】
例16(B16):
例15をほとんど繰り返した。しかしながら、触媒としてpTSClの代わりにエチル−2−ブロモイソブチレート(EBiB)0.98g(5mmol)を開始剤として使用した。
【0157】
達成された収率は87%であった。得られたポリマーは多分散性1.65並びに数平均分子量38900であった。
【0158】
比較例15(VB15):
例16をほとんど繰り返した。しかしながら、触媒として金属銅ではなくCuBr 250mg(1.7mmol)を使用した。
【0159】
達成された収率は42%であった。得られたポリマーは多分散性2.91並びに数平均分子量22000であった。
【0160】
III. 結果
III.1) モノマーのアルキル鎖の長さの影響
長鎖アルキル置換された(メタ)アクリレート(エステル基中の炭素鎖はC10以上、以後AMA′sとする)は、短鎖メタクリレート、例えばMMA又はBMAと比較して、その他同じプロセス条件で重合させて、より高い転化率及びより狭い分布の生成物になった。このことは、MMA、BMAもしくはDPMA(ドデシルペンタデシルメタクリレート)を溶液中で(トルエン又は飽和炭化水素、例えば2,2,4−トリメチルペンタン中で又はBMA及びDPMAのためには鉱油中でも)単独重合させることにより、測定された残留モノマー濃度に関して示された(表1〜3参照)。
【0161】
表1:MMA、BMAもしくはDPMAのトルエン中での単独重合からの転化率
【0162】
【表1】
Figure 2004513997
【0163】
トルエン中のモノマー濃度に関して3モル濃度で単独重合(T=95℃);
開始剤:TsCl(全質量に対して0.23質量%)、CuBr中での接触反応を除く(この場合、EBiB、同様に0.23質量%);
リガンド:PMDETA([Kat.]:[Lig.]=1:2)
CuO濃度:[Kat.]:[lnit.]=0.05:1(70ppm Cuに相当);
CuBr触媒濃度:([Kat.]:[Lig.]=0.1:1)
バッチを9時間にわたり供給;
Cu粉末:80ppm;
リガンド量:[Lig.]:[Init.]=0.1:1
Cu箔:0.6質量%(1cmのサイズの片、厚さ:0.025mm、溶液中のCu <100ppm);
リガンド量:[Lig.]:[Init.]=0.1:1
残留モノマー及び転化率は全モノマー含有量の質量%
理論値:PMMA(25000)、PBMA(35500)、PDPMA(68500)
/M:全ての多分散性は1.1〜1.35の範囲内にあった。
【0164】
表2:トリメチルペンタン中でのMMA、BMAもしくはDPMAの単独重合からの転化率(表1に示した反応条件と同様)
【0165】
【表2】
Figure 2004513997
【0166】
表3:ナフテン性基油中でのBMAもしくはDPMAの単独重合からの転化率(表1に示した反応条件と同様)
【0167】
【表3】
Figure 2004513997
【0168】
次の表4は比較的高い分子量を有するポリマーのATRP合成の結果をまとめてある。この場合、AMA′s又はAMA含有のモノマー混合物は金属銅供給源を使用して重合させ、この場合に重合の終了時に組成物中で測定された銅の70ppmより低い値の濃度は相対的に低かった。
【0169】
表4:ATRPを用いた高分子量のポリマーの合成(触媒:Cu(0))
【0170】
【表4】
Figure 2004513997
【0171】
開始剤:塩化トシル、リガンド:PMDETA、温度:95℃、
反応時間:15h;
DP=重合度; DPexpはMexp/モノマーの平均分子量から算定される;DPthはMth/モノマーの平均分子量から算定される。
【0172】
出発濃度:鉱油中のモノマー3mol(DPMA/MMA);
MMAもしくはBMAバッチについてトルエン中のモノマー3mol;
全質量に対して銅箔0.66質量%(1cmのサイズの片、厚さ:0.025mm、溶液の銅含有量<70ppm);
MMAもしくはBMAから出発して重合度1000を目標とする重合はより大きな多分散性を生じさせる。DPMA/MMA混合物(質量比0.85:0.15)を用いたATRPプロセスは、重合度を高めながら(250000のMの目標に対してDP=1008もしくは180000のMの目標に対してDP=725)狭い分布M/M値を有する生成物が提供された(表4参照)。
【0173】
表1〜3並びに4にまとめた結果と同じ傾向が、開始剤としてエチル−2−イソブチレート(EBiB)をp−トルエンスルホニルクロリド(TsCl)の代わりに使用した場合でも、前記したと同様のことが生じた。触媒として銅ネットを使用した場合(特殊鋼釜、容量:20L、反応溶液の体積 約10L)に、分子量を高める目標の場合(表5中の例B13及びB14)でも狭い分子量分布が達成され、比較可能な反応時間でTsClに対して開始された合成と同様のことが観察された。反応混合物中に溶解した銅の濃度は、表5中の全てに示されたバッチにおいて20〜80ppmであった。
【0174】
特に、表5中にまとめた試験の場合には、AMA含有のATRPバッチは反応容器中での触媒残留物の認識可能な析出なしに実施されたことが確認できた。
【0175】
表5:鉱油中でCu(0)触媒を含めたEBiBを用いたATRP試験(温度:95℃)
【0176】
【表5】
Figure 2004513997
【0177】
この示された結果から、CuBrの代わりにCuOを使用することは、同じ反応条件下でも少ない触媒材料が必要であることが特に明らかである。CuOを用いたATRP試験において、溶解されないCuOはその微細粒のコンシステンシーに基づき、反応の開始時に本質的に簡単に反応混合物中に均質に分配され、CuBrよりも反応容器で良好に混合されたわずかな区域に沈着する傾向が少ないことが明らかになった。
【0178】
さらに、金属銅供給源((例えば触媒材料として銅箔又は銅編物から)(塊状重合又は溶剤として鉱油又はトルエンを使用した溶液重合))を使用する場合に、例外なく反応を終えていない触媒又は沈殿した金属化合物の沈着は完全に抑制できたことが確認された。
【0179】
触媒又は触媒供給源としてAMA含有ATRPプロセスにおいてCu(0)材料を使用することは、反応混合物に大きな表面積を提供することができ、その際、この触媒供給源は同時に固定層の形で存在し、従って簡単に再使用することができる。活性触媒種が固体金属結合から溶け出し、反応混合物中に均質に分配されると推測できる。このようなコンセプトを用いて、反応混合物にATRPプロセスのために実際に必要となる程度の金属含有種が提供される。元素状の銅は、このようなプロセスのために安易な供給源であり、このことは試験において銅箔又は合成釜中に固定配置された織物を用いても確認される(表1、4、5参照)。元素状の銅はここに記載されたモノマー混合物中に全く不溶性であるため、銅種の溶解した形に移行が開始剤とCu(0)との間での活性化反応の原因となることから出発することができる。液相中でわずかな触媒濃度(Cu<200ppm、有利に<100ppm、特に有利に20〜80ppm)にもかかわらず、AMA−含有モノマー混合物を用いて狭い分布の生成物が高い転化率でかつ満足できる反応時間内で得られる。
【0180】
この使用されたCu(0)触媒は、後続のATRP試験において再使用できた。触媒活性に関しては、新規の同材料を使用した場合と差異は確認できず、このことは大規模工業プロセスにおいてもこの触媒を快適に再使用できる。
【0181】
さらに意外にも、確認できた。分散性モノマー、例えばジエチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMAm)又はこのような分散性モノマーを有するモノマー混合物が、金属銅供給源又は酸化した銅(I)塩の使用下で十分に重合することが確認できた(例15及び16並びに比較例14及び15)。酸化銅(I)の使用に対して特に、CuOを利用する反応が完全な反応を特徴付けられることが明確に示されている。

Claims (20)

  1. 移動可能な原子団を有する開始剤及び少なくとも1種の遷移金属を含有する1種又は数種の触媒を用いて、この1種又は数種の触媒と配位化合物を形成することができるリガンドの存在で、エチレン性不飽和モノマーを重合させることによりポリマー組成物を製造する方法において、エチレン性不飽和モノマーの全質量に対して50〜100質量%式(I)
    Figure 2004513997
    [式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは8〜40個、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表し、R及びRは無関係に水素又は式−COOR′の基を表し、その際、R′は水素又は8〜40個、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の1種又は数種のエチレン性不飽和エステル化合物を有するエチレン性不飽和モノマーを銅の存在で重合させ、その際、この重合組成物中の酸化数(I)及び(II)の銅の全濃度は、組成物中の酸化数(0)の銅の質量だけ減法して、組成物の全質量に対して≦200ppmであることを特徴とする、ポリマー組成物の製造方法。
  2. 組成物中の酸化数(I)及び(II)の銅の全濃度は、組成物中の酸化数(0)の銅の質量だけ減法して、組成物の全質量に対して≦150ppm、有利に≦100ppmである、請求項1記載の方法。
  3. 酸化数(I)及び(II)の銅のための供給源として重合組成物中に金属銅を使用する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 銅供給源として、銅板、銅線、銅箔、銅チップ、銅ネット、銅編物、銅織物及び/又は銅粉を使用する、請求項3記載の方法。
  5. 酸化数(I)及び(II)の銅のための供給源として銅塩を重合組成物中に使用する、請求項1又は2記載の方法。
  6. 銅塩として銅ハロゲン化物、特に有利に塩化銅(I)を使用する、請求項5記載の方法。
  7. 重量平均分子量≧7000g/molのポリマーを製造する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 多分散性≦2.0のポリマーを製造する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 式(II)
    Figure 2004513997
    [式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは8〜40個、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の1種又は数種の(メタ)アクリレート少なくとも50質量%を有するモノマー組成物を重合させる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 次の成分:
    a) 式(I)
    Figure 2004513997
    [式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは8〜40個、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表し、R及びRは水素又は式−COOR′の基を表し、R′は水素又は8〜40個、有利に10〜40個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の1種又は数種のエチレン性不飽和エステル化合物 60〜100質量%、
    b) 式(III)
    Figure 2004513997
    [式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは1〜7個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表す]の1種又は数種の(メタ)アクリレート 0〜40質量%、
    c) 式(IV)
    Figure 2004513997
    [式中、Rは水素又はメチルを表し、RはOH基で置換された2〜20個の炭素原子を有するアルキル基又は式(V)
    Figure 2004513997
    のアルコキシル化された基を表し、R及びRは無関係に水素又はメチルを表し、Rは水素又は1〜40個の炭素原子を有するアルキル基を表し、nは1〜60の整数を表す]の1種又は数種の(メタ)アクリレート 0〜40質量%、
    d) 式(VI)
    Figure 2004513997
    [式中、Rは水素又はメチルを表し、Xは酸素又は式−NH−又は−NR10−のアミノ基を表し、R10は1〜40個の炭素原子を有するアルキル基を表し、及びRは少なくとも1つの−NR1112基で置換された2〜20個、有利に2〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基を表し、R11及びR12は相互に無関係に水素、1〜20個、有利に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、又はR11及びR12は窒素原子及び場合によりもう一つの窒素原子又は酸素原子を含めて5〜6員環を形成し、この環は場合によりC〜Cアルキルにより置換されていてもよい]の1種又は数種の(メタ)アクリレート 0〜40質量%
    e) 1種又は数種のコモノマー 0〜40質量%、
    その際、前記の質量%の表示はそれぞれエチレン性不飽和モノマーの全質量に対するものである、
    を有するモノマー組成物を重合させる、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. コモノマーとしてスチレン、(メタ)アクリレート誘導体及び/又は分散性モノマーを使用する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. N−原子を含有する少なくとも1種のキレートリガンドを使用する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. Cl、Br、I、SCN及び/又はNを有する開始剤を使用する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 溶液中で重合させる、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 溶剤として鉱油及び/又は合成油を使用する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 液体組成物の全質量に対して、5〜95質量%の範囲内の量で溶剤を使用する、請求項15記載の方法。
  17. 液体組成物の全質量に対して、10〜60質量%の範囲内の量で溶剤を使用する、請求項16記載の方法。
  18. 組成物中で、ランダムでない構造を有するコポリマー、有利にジブロックポリマー、トリブロックポリマー又は勾配ポリマーを製造する、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 請求項1から18までのいずれか1項記載の方法により得られたポリマー溶液からポリマーを単離することを特徴とする、ポリマーの製造方法。
  20. 潤滑油の添加物としての、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法により得られたポリマー組成物の使用。
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