JP2007022863A - シリコン単結晶の育成方法およびシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のシリコン単結晶の育成方法は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する方法であって、単結晶を育成する雰囲気ガスが水素原子含有物質の気体を水素ガス換算分圧で40〜400Pa含み、OSF発生領域からなるリングの前記シリコン単結晶の径方向における外径(a)と前記シリコン単結晶の直径(b)の比(a/b)が0.77以下となる引き上げ速度から前記OSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度の範囲で、前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
CZ法で製造されたシリコン単結晶には、デバイスの製造過程で顕在化してくる微細欠陥、すなわちGrown-in欠陥が生じることが知られている。図1は、CZ法にて得られたシリコン単結晶の径方向における欠陥分布状態を説明するための断面図である。図1に示すように、CZ法にて得られたシリコン単結晶のGrown-in欠陥は、赤外線散乱体欠陥またはCOP(Crystal Originated Particle)などと呼ばれる大きさが0.1〜0.2μm程度の空孔欠陥、および転位クラスターと呼ばれる大きさが10μm程度の微小転位からなる。
図2に示すように、引き上げ速度の早い段階では、結晶周辺部にリング状のOSF発生領域が現れ、OSF発生領域の内側部分が赤外線散乱体欠陥の多数発生する赤外線散乱体欠陥発生領域となっている。そして、引き上げ速度の低下にしたがって、OSF発生領域の径が次第に小さくなってOSF発生領域の外側部分に転位クラスターの発生する転位クラスター発生領域が現れ、やがてOSF発生領域が消滅して、全面に転位クラスター発生領域が現れる。
図3に示すように、(Gc≧Ge)となるホットゾーン構造を有する育成装置にて、図3に示すBからCの範囲の引き上げ速度で育成すると、固液界面近傍での結晶側の温度勾配Gが制御され、ウェーハ面全面にわたって均一な無欠陥領域となるシリコン単結晶が得られる。
また、本発明は、上記シリコン単結晶の育成方法によって育成されたシリコン単結晶の直胴部から採取された水素欠陥のないシリコンウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法では、前記水素含有雰囲気中の水素含有物質の濃度を、水素ガス換算分圧で40〜400Paの範囲とする方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法では、結晶中心部での温度勾配(Gc)が結晶外周部での温度勾配(Ge)と同一かこれより大きく(Gc≧Ge)なるホットゾーン構造を用いてシリコン単結晶を育成する方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法では、前記水素含有物質の気体が、水素ガスである方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法では、前記酸素濃度が12×1017atoms/cm3(ASTM F121−1979)以下である方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法では、前記リングの外側の領域が無欠陥領域である前記シリコン単結晶を引き上げる方法とすることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明のシリコンウェーハの製造方法は、上記のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法によって育成されたシリコン単結晶の直胴部から採取されたシリコンウェーハの表面に、エピタキシャル層を成長させることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明のシリコンウェーハの製造方法は、上記のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法によって育成されたシリコン単結晶の直胴部から採取されたシリコンウェーハに、無欠陥層形成熱処理を行なうことを特徴とする。
ここで、図7〜図9に示すように、OSFリング内部のCOP領域において、空孔分布は、結晶中心軸位置で最も高く結晶外周方向に向かって減少しOSFリングのすぐ内側で最も低くなる分布状態を有すると考えられる。この空孔分布状態はOSFリングの結晶径方向位置変化には依存せず、結晶中心軸位置で最も高く結晶外周方向に向かって減少しOSFリングのすぐ内側で最も低くなる分布を保つ。また、図7〜図9に示すように、OSFリングに対応する径方向位置における空孔濃度は、OSFリングの発生する径方向位置によらず、引き上げ雰囲気等の条件に規定される所定の値をとる。したがって、OSFリングの径方向位置が外側から内側へと変化するにしたがって、図7、図9、図8にそれぞれ示されるように、結晶中心位置における空孔分布は減少する。
本願発明者らは、これらの事情に鑑み、OSFリングが結晶径方向の外径に対する比が3/4付近となる半径位置、より正確には0.77以下となる位置にあれば、OSFリング内部のCOP領域内の空孔密度が低く、水素欠陥発生閾値を越えてしまうことがなく、結果的に水素欠陥が発生する可能性が非常に低いことを見出した。
同時にまた、図5に示すように、水素含有雰囲気で引き上げることにより、水素がない引き上げ雰囲気の場合に比べてOSFリングの幅寸法(リングの径方向への幅寸法)を縮小させて、OSFによる影響を低減することもできる。
したがって、水素欠陥がなくOSFリングの影響を低減した単結晶を速い速度で引き上げることが可能となるため、結果的に、シリコン単結晶およびシリコンウェーハの製造にかかる製造時間を短縮し、製造コストを低減することが可能となる。
また、本発明によれば、後述するように、育成されるシリコン単結晶中に転位クラスター発生領域が混在することはなく、転位クラスターによるデバイスへの悪影響が生じない優れたシリコン単結晶が育成できる。
育成中の装置内では、不活性ガス雰囲気中に含まれる水素の分圧に比例した水素が、シリコン融液中に溶け込んで凝固するシリコン結晶中に分配される。
シリコン融液中の水素濃度は、ヘンリーの法則から気相中の水素分圧に依存して決まり、
PH2=kCLH2と表される。
ここで、PH2は雰囲気中の水素分圧、CLH2はシリコン融液中の水素濃度、kは両者の間の係数である。
一方、シリコン単結晶中の濃度は、シリコン融液中の濃度と偏析との関係で決まり、
CSH2 =k′CLH2 =(k′/k)PH2と表される。
ここで、CSH2は結晶中の水素濃度、k′は水素のシリコン融液−結晶間の偏析係数である。
なお、Grown-in欠陥の形成に影響を及ぼした水素のほとんどは、その後の冷却の過程でシリコン単結晶外に逸散する。
「実験例1〜実験例5」
すなわち、図3と同じ(Gc≧Ge)となるホットゾーン構造を有する育成装置を用い、表1に示す実験例1〜実験例5の水素分子分圧となるように引き上げ炉内に水素が添加された不活性ガスを供給して、OSF発生領域からなるリングがシリコン単結晶の最外周部に存在するシリコン単結晶を育成し、得られたシリコン単結晶から採取したシリコンウェーハのCOPの平均サイズと密度とを求めた。
その結果を表1に示す。
また、COPの密度は、光散乱による表層部欠陥測定装置(MO601:三井金属鉱業製)を用いて測定したCOPの数に基づいて算出した。
水素分子分圧を40Pa未満とした場合、COPの平均サイズが0.11μmを越え、COPの平均サイズを小さくする効果が十分に得られないため好ましくない。COPの平均サイズが、0.11μm以上であると、育成されたシリコン単結晶から採取されたシリコンウェーハに無欠陥層形成熱処理を行なっても、無欠陥のシリコンウェーハを得ることができない場合が生じ、優れた酸化膜耐圧性が得られない虞がある。また、雰囲気ガス中における水素原子含有物質の気体の水素分子分圧を400Pa以下とすることで、仮に、シリコン単結晶の育成装置内にリークして空気が流入したとしても、燃焼することなく安全に操業することが可能である。
また、OSF領域の引き上げ速度マージンは、水素分圧の増加にしたがって、狭くなっている。PI領域の引き上げ速度マージンは、水素分圧の増加にしたがって、大幅に拡大される。また、PV領域の引き上げ速度マージンは、水素分圧の増加にしたがって、広がったり狭まったりしているが、水素分圧が100〜250Paのときに引き上げ速度マージンが大きくなっている。
なお、水素分子分圧を40Pa未満とした場合、無欠陥結晶の引き上げ速度マージンを大きくする効果が十分に得られないため好ましくない。また、雰囲気ガス中における水素原子含有物質の気体の水素分子分圧を400Pa以下とすることで、仮に、シリコン単結晶の育成装置内にリークして空気が流入したとしても、燃焼することなく安全に操業することが可能である。
すなわち、図4に示すように、結晶中心部での温度勾配(Gc)が結晶外周部での温度勾配(Ge)と同一かこれより大きく(Gc≧Ge)なるホットゾーン構造を用いて、OSF発生領域からなるリングの前記シリコン単結晶の径方向における外径(a)と前記シリコン単結晶の直径(b)の比(a/b)が0.77以下となる引き上げ速度(図4における符号F)からOSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度(図4における符号G)の範囲(図3におけるFからGの範囲)でシリコン単結晶を引き上げた場合、OSF発生領域からなるリングの外側の領域は、PV領域およびPI領域となる。したがって、本発明において育成されるシリコン単結晶中に転位クラスター発生領域が混在することはなく、転位クラスターによるデバイスへの悪影響が生じない優れたシリコン単結晶が育成できる。
なお、酸素濃度の調整は、るつぼの回転数や炉内圧力、ヒータなどを調整することによって行なうことができる。
また、本発明において育成されるシリコン単結晶から採取されたシリコンウェーハはOSF発生領域を含むシリコンウェーハであることから、デバイス工程で実施される熱処理条件によっては、ウェーハ表面のデバイス活性領域まで酸素析出物が形成されてしまい、デバイス特性を悪化させてしまう虞がある。上述した無欠陥層形成熱処理を実施すれば酸素外方拡散作用により、ウェーハ表層部に酸素析出核などが存在しないDZ層(Deneuded Zone)を形成することができるが、例えば、ウェーハに対してArまたはHe、またはNH3を含むArまたはHe雰囲気中で1100℃から1350℃で0秒以上熱処理を行なうRTA(Rapid Thermal Annealing)処理を行なうことで、ウェーハ表層部の酸素析出核を消滅させたDZ層を短時間で容易に形成することができる。
エピタキシャル層の形成方法としては、一般的に実施されている方法を採用すればよく、それによって0.5〜2μm以下程度の薄いエピタキシャル層であっても、COP(赤外線散乱体欠陥)痕のないエピタキシャルシリコンウェーハを得ることができる。
具体的には、本発明において育成されたシリコン単結晶から採取された直径300mmのシリコンウェーハの表面に、SiHCl3のガスを用いて、堆積温度1050℃で厚さ0.5μmのエピタキシャル層を形成させることで、シリコンウェーハの表面上における0.09μm以上のエピ欠陥を12個/wf未満とすることができる。
従って本発明においては、水素ガスが上記の分圧で不活性ガス中に導入されてなる水素含有雰囲気を基準とし、この基準となる雰囲気と同等の雰囲気が得られるように、水素含有物質の濃度を決めることが望ましく、このときの好ましい水素含有物質の分圧を水素ガス換算分圧として規定したものである。
即ち、本発明においては、水素含有物質がシリコン融液に溶解し高温のシリコン融液中で熱分解して水素原子に変換されると仮定した上で、変換後の雰囲気中の水素ガス換算分圧が上記の範囲になるように水素含有物質の添加量を調整すればよい。
図6は、本実施形態におけるシリコン単結晶の育成方法を実施するのに適したCZ炉の縦断面図である。
図6に示すCZ炉は、チャンバー内の中心部に配置された坩堝1と、坩堝1の外側に配置されたヒータ2と、ヒータ2の外側に配置された磁場供給装置9とを備えている。坩堝1は、内側にシリコン融液3を収容する石英坩堝1aを外側の黒鉛坩堝1bで保持する二重構造であり、ペディスタルと呼ばれる支持軸により回転および昇降駆動される。
坩堝1の上方には、円筒形状の熱遮蔽体7が設けられている。熱遮蔽体7は、黒鉛で外殻を作り、内部に黒鉛フェルトを充填した構造である。熱遮蔽体7の内面は、上端部から下端部にかけて内径が漸減するテーパー面になっている。熱遮蔽体7の上部外面は内面に対応するテーパー面であり、下部外面は、熱遮蔽体7の厚みを下方に向かって漸増させるようにほぼストレート面に形成されている。
また、カスプ磁場にあっては、磁場供給装置9から供給される磁場の強度は、200〜1000G、より好ましくは300〜700Gとされ、磁場中心高さが融液液面に対して−100〜+100mm、より好ましくは−50〜+50mmの範囲内になるように設定される。
上記の磁場の強度で上記の磁場中心高さ範囲で磁場供給装置9から磁場を供給することで、対流を抑えることができ、固液界面の形状を好ましい形状とすることができる。
(操業条件の設定)
まず、目標とするOSF発生領域からなるリングのシリコン単結晶の径方向における外径(a)とシリコン単結晶の直径(b)の比(a/b)が0.77以下となる引き上げ速度からOSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度の許容範囲などの操業条件を把握するために、雰囲気ガス中における水素分子分圧を例えば、0、20、40、160、240、400Paの混合比率とし、それぞれの条件で目標直径、例えば300mmの単結晶を育成する。
次に、図6に示すCZ炉を用い、単結晶を育成する雰囲気ガスとして、不活性ガスと水素ガスとの混合ガスを用いて、上述した方法により設定された適切な操業条件で、シリコン単結晶6の育成を行う。
このようにしてシリコン単結晶が育成されると、通常の加工方法にしたがいIDソーまたはワイヤソー等の切断装置でスライスし、面取り、ラッピング、エッチング、研磨等の工程を経てシリコン単結晶ウェーハに加工する。なお、これらの工程の他にも洗浄等種々の工程があり、工程順の変更、省略等目的に応じ適宜工程は変更使用される。
「実験例6〜実験例12」
結晶中心部での温度勾配(Gc)が結晶外周部での温度勾配(Ge)と同一かこれより大きく(Gc≧Ge)なるホットゾーン構造を有する育成装置を用い、表2に示す実験例6〜実験例12の水素分子分圧となるように引き上げ炉内に水素が添加された不活性ガスを供給して、OSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度よりも早い引き上げ速度で直径300mmのシリコン単結晶を育成し、得られたシリコン単結晶をスライスすることによりシリコンウェーハを得た。
すなわち、酸化雰囲気中で16時間1100℃に加熱する熱処理を行なった後、2μmライトエッチング(クロム酸エッチング)し、光学顕微鏡で観察することによりOSF発生領域からなるリングの位置を決定して算出した。その結果を表2に示す。
すなわち、レーザ光散乱式パーティクルカウンター(SFS6220:KLA−Tencor社製)を用いて、シリコンウェーハ表面におけるLPD個数を求めた。その結果を表2に示す。なお、ここでのLPD個数とは、シリコンウェーハ1枚当たりの表面において検出された0.11μm以上の大きさのCOP個数のことを意味する。
すなわち、赤外干渉法による欠陥評価装置(OPP(Optical Precipitate Profiler):High Yield Technology社製)を用いて観察した。その結果を表2に示す。
そして、水素分子分圧が40〜400Paで、(a/b)が0.77以下である本発明の実施例である実験例8〜実験例10、実験例12のシリコンウェーハでは、水素欠陥が無く、LPD個数が12個以下と少ないことが確認できた。
また、(a/b)が0.77を越える本発明の比較例である実験例11のシリコンウェーハでは、水素分子分圧が実験例10と同じであるにも関わらず水素欠陥が発生した。したがって、(a/b)を0.77以下とすることで、水素欠陥が抑止できることが明らかとなった。さらに、実験例11では、実験例10と比較してLPD個数が多かった。
また、水素分子分圧が40Pa未満である実験例6、実験例7のシリコンウェーハでは、水素分子分圧が低いため水素欠陥は無かったが、実験例8〜実験例10、実験例12と比較してLPD個数が多かった。
実験例6〜実験例12と同じ育成装置を用い、表3に示す実験例13〜実験例19の水素分子分圧となるように引き上げ炉内に水素が添加された不活性ガスを供給して、OSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度よりも早い引き上げ速度で直径300mmのシリコン単結晶を育成し、得られたシリコン単結晶をスライスすることによりシリコンウェーハを得た。
すなわち、レーザ光散乱式パーティクルカウンター(SP1(surfscan SP1):KLA−Tencor社製)を用いて、シリコンウェーハ表面におけるエピ欠陥個数を求めた。その結果を表3に示す。なお、ここでのエピ欠陥個数とは、シリコンウェーハ1枚当たりの表面において検出された0.09μm以上の大きさのLPDを測定した結果である。
そして、水素分子分圧が40〜400Paで、(a/b)が0.77以下である本発明の実施例である実験例15〜実験例17、実験例19のシリコンウェーハでは、水素欠陥に起因するエピタキシャル層欠陥が無く、厚さ0.5μm以上のエピタキシャル層を形成させるとエピ欠陥個数が12個/wf以下と少なくなることが確認できた。
なお、本発明の実施例である実験例15〜実験例17、実験例19のシリコンウェーハであっても、厚さ0.3μmのエピタキシャル層を形成させた段階では、エピ欠陥個数が非常に多かった。
また、水素分子分圧が40Pa未満である実験例13、実験例14のシリコンウェーハでは、水素欠陥に起因するエピタキシャル層欠陥は無かったが、エピタキシャル層を形成させることによるエピ欠陥個数の減少量が少なく、エピ欠陥個数を12個/wf以下と少なくするには、厚さ4μm以上のエピタキシャル層を形成させる必要があった。
実験例6〜実験例12と同じ育成装置を用い、表4に示す実験例20〜実験例26の水素分子分圧となるように引き上げ炉内に水素が添加された不活性ガスを供給して、OSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度よりも早い引き上げ速度で直径300mmのシリコン単結晶を育成し、得られたシリコン単結晶をスライスすることによりシリコンウェーハを得た。
すなわち、レーザ光散乱式パーティクルカウンター(SP1(surfscan SP1):KLA−Tencor社製)を用いて、シリコンウェーハ表面におけるCOP個数を求めた。その結果を表4に示す。なお、ここでのCOP個数とは、シリコンウェーハ1枚当たりの表面において検出された0.09μm以上の大きさのCOP痕数のことを意味する。その結果を表4に示す。
そして、水素分子分圧が40〜400Paで、(a/b)が0.77以下である本発明の実施例である実験例22〜実験例24、実験例26のシリコンウェーハでは、表4に示すように、厚さ5μm研磨したシリコンウェーハおよび厚さ10μm研磨したシリコンウェーハのCOP個数が12個/wf以下と少なくなることが確認できた。
このことより、本発明の実施例である実験例22〜実験例24、実験例26では、実験例20、実験例21と比較して、熱処理条件が同じである場合、深いDZ層(無欠陥層)が形成できることが確認できた。
実験例6〜実験例12と同じ育成装置を用い、表5に示す実験例27〜実験例33の水素分子分圧となるように引き上げ炉内に水素が添加された不活性ガスを供給して、OSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度よりも早い引き上げ速度で直径300mmのシリコン単結晶を育成し、得られたシリコン単結晶をスライスすることによりシリコンウェーハを得た。
そして、水素分子分圧が40〜400Paで、(a/b)が0.77以下である本発明の実施例である実験例29〜実験例31、実験例33のシリコンウェーハでは、表5に示すように、厚さ5μm研磨したシリコンウェーハおよび厚さ10μm研磨したシリコンウェーハのCOP個数が12個/wf以下と少なくなることが確認できた。
また、水素分子分圧が40Pa未満である実験例27、実験例28のシリコンウェーハでは、厚さ5μm研磨したシリコンウェーハおよび厚さ10μm研磨したシリコンウェーハのCOP個数が非常に多く、熱処理によるCOPの消滅効果が十分に得られなかった。
このことより、本発明の実施例である実験例29〜実験例31、実験例33では、実験例27、実験例28と比較して、熱処理温度が低くても無欠陥層が形成できることが確認できた。
実験例6〜実験例12と同じ育成装置を用い、表6に示す実験例34〜実験例35の水素分子分圧となるように引き上げ炉内に水素が添加された不活性ガスを供給して、OSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度よりも早い引き上げ速度で直径300mmのシリコン単結晶を育成し、得られたシリコン単結晶をスライスすることによりシリコンウェーハを得た。
実験例34〜実験例35のシリコンウェーハでは、表6に示すように、厚さ5μm研磨したシリコンウェーハおよび厚さ10μm研磨したシリコンウェーハのCOP個数が非常に多く、熱処理によるCOPの消滅効果が十分に得られなかった。
Claims (8)
- チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する方法であって、
単結晶を育成する雰囲気ガスが水素含有物質を含む水素含有雰囲気であり、
OSF発生領域からなるリングの前記シリコン単結晶の径方向における外径(a)と前記シリコン単結晶の直径(b)の比(a/b)が0.77以下となる引き上げ速度から前記OSF発生領域が結晶中心部で消滅する引き上げ速度の範囲で、前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。 - 前記水素含有雰囲気中の水素含有物質の濃度を、水素ガス換算分圧で40〜400Paの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
- 結晶中心部での温度勾配(Gc)が結晶外周部での温度勾配(Ge)と同一かこれより大きく(Gc≧Ge)なるホットゾーン構造を用いてシリコン単結晶を育成することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の育成方法。
- 前記水素含有物質の気体が、水素ガスであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
- 前記酸素濃度が12×1017atoms/cm3(ASTM F121−1979)以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシリコン単結晶の育成方法。
- 前記リングの外側の領域が無欠陥領域である前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法によって育成されたシリコン単結晶の直胴部から採取されたシリコンウェーハに、無欠陥層形成熱処理を行なうことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法によって育成されたシリコン単結晶の直胴部から採取されたシリコンウェーハの表面に、エピタキシャル層を成長させることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
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