JP2007022566A - 段ボール製緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1枚の段ボール板材から構成可能で、必要な段ボール資源が少なく、被包装物品の挿入方向に十分な緩衝効果を持たせた、被包装物品が直方体形状であった場合のその5面を受けることが可能な段ボール製緩衝材を提供する。
【解決手段】 段ボール板材の一部に被包装物品の外形に合わせて形成された切り抜き部7が設けられ、前記切り抜き部7が被包装物品の外形に合致するように折り畳んで設けた、被包装物品の外形の少なくとも一部が挿入される物品挿入空間3を有する段ボール積層体1を構成する段ボール製緩衝材において、前記段ボール板材の残部により、前記段ボール積層体1の被包装物品挿入面と対向する面に隣接して中空の緩衝部2を設けている。中空の緩衝部2が被包装包物品の挿入方向に対する十分な緩衝効果を発揮することで、従来の方法に比べて必要な段ボール資源を大幅に削減した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、梱包用ケースの内部に配置して、ケースの運搬・保管時に被包装物品の損傷・破損等を防止するために使用する段ボール製緩衝材に関する。
メーカーが生産した各種製品を出荷・運搬、あるいは出荷前に倉庫などに保管する際には、被包装物品の損傷・破損等の防止のために、段ボール等の梱包用ケースに緩衝材を介して各種製品を梱包するのが一般的である。
従来、一般に使用されている緩衝材としては、ポリウレタンフォーム、発泡ポリスチレン等の発泡合成樹脂系のものが挙げられる。これらは軽量で、成形が容易であり、緩衝性能も優れているが、焼却すると有毒ガスを発生する、リサイクルが困難である等の様々な環境への悪影響があることが知られている。
そこで、近年、使用後の処理における環境への影響が少なく、リサイクルが容易な紙製の緩衝材が広く使用されるようになってきた。特に、段ボールを用いた緩衝材が、その製作の容易さ、優れた緩衝機能により、広く求められるようになってきている。
段ボールを用いた緩衝材としては、例えば特許文献1、特許文献2に記載のものが従来より知られている。特許文献1に記載のものは、段ボール板材を屏風状に折り畳み、その折曲部分をスリットに結合させて積層したものである。また、特許文献2に記載のものは、段ボール板材を屏風状に折り畳んで積層し、段ボール板材の側縁部分に設けられたストッパを積層端面の凹部にはめ込むことによって形成されたものである。これら特許文献1、特許文献2に記載のものによれば、切り抜き部の構成によっては、例えば被包装物品が直方体形状である場合のその5面(挿入方向の端面、上下面、及び挿入方向と直角をなす横方向の2面)を受ける緩衝材を1枚の段ボール板材から構成することが可能である。これらはそれ単独で被包装物品全体に対する緩衝材とすることも可能であり、また、例えば被包装物品を左右から挟み込むように、被包装物品の一部を支持する緩衝材とすることも可能である。そして、被包装物品は、これらの緩衝材とともに段ボールケース等に梱包して出荷・運搬等を行うこととなる。
特開平7−291360号公報 特開2001―225872号公報
しかしながら、上記特許文献1、特許文献2に記載の段ボール製緩衝材においては、例えば被包装物品が直方体形状である場合のその5面を受ける構造としたとき、被包装物品の挿入方向の緩衝効果を十分得ようとすると、非常に多くの段ボールを積層する必要がある。つまり、挿入方向の端面に対して、被包装物品の挿入方向外側の段ボールの積層数を少なくすると、十分な緩衝効果が得られず、出荷・運搬・保管等されたときに、被包装物品が損傷・破損等する原因となってしまう。これらの問題の発生を防止するため、段ボールの積層数を多くすると、段ボール製緩衝材の作製コストが増し、環境への悪影響も懸念される。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、1枚の段ボール板材から構成可能で、必要な段ボール資源が少なく、被包装物品の挿入方向に十分な緩衝効果を持たせた、被包装物品が直方体形状であった場合のその5面を受けることが可能な段ボール製緩衝材を提供することである。
本発明は、段ボール板材の一部に被包装物品の外形に合わせて形成された切り抜き部が設けられ、前記切り抜き部が被包装物品の外形に合致するように折り畳んで設けた、被包装物品の外形の少なくとも一部が挿入される物品挿入空間を有する段ボール積層体を構成する段ボール製緩衝材において、前記段ボール積層体の物品挿入面と対向する面に隣接する中空の緩衝部を前記段ボール板材の残部によって構成することを特徴とする。
従来の発明においては、被包装物品が直方体形状であった場合のその5面を受ける段ボール製緩衝材を1枚の段ボール板材によって作製するとき、その段ボールの積層方向である被包装物品の挿入方向の緩衝効果は、材料による差異を除けば、挿入方向の端面に対する被包装物品の外側の段ボールの積層数によって決定された。そのため、被包装物品の挿入方向の十分な緩衝効果を得るためには、多くの段ボール資源を必要とした。しかしながら、本発明によると、段ボールの積層数を多くすることなく、中空の緩衝部分によって、被包装物品の挿入方向の衝撃を十分吸収することができる。したがって、少ない段ボール資源で十分な被包装物品の挿入方向の緩衝効果を得ることが可能となる。
また、本発明においては、段ボール積層体は、段ボール板材の側縁部に第1のストッパ、この第1のストッパに対応する箇所で第1のストッパに係合するスリット、段ボール板材の折り目に第2のストッパ、この第2のストッパに対応する箇所で第2のストッパに係合するスリットを備えることが望ましい。
これによると、単に段ボール板材を折り曲げて段ボール積層体を構成する場合に比べて、段ボール積層体が元の平面状に戻ろうとするのを防ぐことができる。よって、段ボール積層体の形状が安定し、この部分の緩衝効果を高めることが可能である。
また、本発明においては、中空の緩衝部を構成する段ボール板材の残部の側縁部に第3のストッパ、この第3のストッパに対応する箇所で第3のストッパと係合するスリットを備えることが望ましい。
これによると、単に段ボール板材を折り曲げて中空の緩衝部を構成する場合に比べて、中空の緩衝部が元の平面状に戻ろうとするのを防止することができる。よって、中空の緩衝部の形状が安定し、被包装物品の挿入方向の緩衝効果を高めることが可能である。
また、本発明においては、段ボール積層体の側面に設けられた第4のストッパと、段ボール積層体と中空の緩衝部の側面の、第4のストッパに対応する箇所で第4のストッパと係合する切り欠き部を備えることが望ましい。
これによると、段ボール積層体と中空の緩衝部とを単に押し合わせた場合に比べて、段ボール積層体と中空の緩衝部が離れて形状が崩れるのを防止することができる。よって、段ボール製緩衝材全体の形状が安定し、緩衝効果を高めることが可能である。
また、本発明においては、中空の緩衝部を構成する段ボール板材の残部の、段ボールの波板状中芯による細管の長さ方向が、段ボール積層体の被包装物品の挿入方向に平行となることが望ましい。
これによると、中空の緩衝部の被包装物品の挿入方向と直角をなす面がつぶれやすく、挿入方向と平行な面がつぶれにくい構成となる。このような構成とすることで被包装物品の挿入方向からの衝撃に対して、中空の緩衝部の空間部分が衝撃を十分吸収することが可能となり、段ボールの波板状中芯による細管の長さ方向を、被包装物品の挿入方向と直角をなす方向にした場合より少ない段ボール資源で十分な緩衝効果を得ることが可能である。
また、本発明においては、中空の緩衝部は、直方体形状となることが望ましい。
これによると、梱包用ケース内への配置時において無駄なスペースを取らずにすむこととなり、梱包用ケースを必要以上に大きくせずに済む。
本発明によると、被包装物品が直方体形状であった場合のその5面を受ける段ボール製緩衝材を1枚の段ボール板材によって作製するとき、少ない段ボール資源で十分な被包装物品の挿入方向の緩衝効果を得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の段ボール製緩衝材を示す斜視図、図2は本段ボール製緩衝材の展開図、図3は本段ボール製緩衝材の段ボール積層体部分の組み立て工程を表す説明図、図4は本段ボール製緩衝材の中空の緩衝部の組み立て工程を表す説明図である。
本実施形態の段ボール製緩衝材は、図1に示すように、段ボール積層体1と中空の緩衝部2が組み合わせられて構成される。また、被包装物品は、図1に示す段ボール積層体1の物品挿入空間3に挿入され、支持される。中空の緩衝部2は、被包装物品の挿入方向と直角をなす面4、挿入方向と平行な面5を備えている。本段ボール製緩衝材は、図2に示すような1枚の段ボール板材を、図3、図4に示すように、段ボール積層体1、中空の緩衝部2ごとに折り畳んで組み立て、それらを組み合わせることによって形成する。
図2の展開図に示すように、1枚の略長方形状の段ボール板材は、その一部に段ボール積層体1を構成する部分1aを備えると共に、中空の緩衝部2を構成する段ボール板材の残部2aを備えている。
段ボール積層体1を構成する部分1aには、その側縁部に、段ボール積層体1全体の形状を安定させるための第1のストッパ6が設けられている。そして、側縁部側から順に複数の切り抜き部7が設けられ、これらの切り抜き部7は、段ボール板材が折り曲げられて段ボール積層体1が形成されたとき、被包装物品の外形に合うような物品挿入空間3(図1参照)となる。側縁部に近い切り抜き部7付近には、折り目8が設けられている。この折り目8は、片方のライナーのみを残してもう一方のライナーと波状の中芯を切断して成る。ここで、ライナーとは段ボールの表面の板材のことである。折り目8は、段ボール積層体1を形成するために折り曲げたときに、この折り目8の箇所の形状を安定させるための第2のストッパとなる。
また、段ボール積層体1を構成する部分1aには、折り目8に続いて、側縁部側から順に折り目9a、9b、9cが設けられている。このうち、折り目9b上には、第2のストッパである折り目8と係合するスリット10が設けられている。折り目9c上には、第1のストッパ6と係合するスリット11が設けられている。
中空の緩衝部2を構成する段ボール板材の残部2aには、その側縁部に、中空の緩衝部2全体の形状を安定させるための第3のストッパ12が設けられている。そして、側縁部側から順に折り目13a、13b、13c、13dが設けられている。このうち、折り目13d上には、第3のストッパ12と係合するスリット14が設けられている。
なお、中空の緩衝部2を構成する段ボール板材の残部2aの、段ボールの波板状中芯による細管の長さ方向が、前記段ボール積層体1の被包装物品の挿入方向に平行となるようにする。
そして、段ボール積層体1を構成する部分1aにおいて、段ボール積層体1の側面に相当する箇所には、段ボール板材に切り込みを入れて形成した第4のストッパ15が設けられている。一方、段ボール積層体1が形成される部分1a、及び中空の緩衝部2を構成する段ボール板材の残部2aの、第4のストッパ15に対応する箇所には、第4のストッパ15と係合する切り欠き部16、17がそれぞれ設けられている。
続いて、段ボール積層体1の組み立て方について説明する。まず、図3(a)に示すように、折り目9aにそって段ボール板材を折り曲げ、折り曲げた内側の面同士を合わせる。次に、図3(b)に示すように、折り目9b、折り目8にそって段ボール板材を折り曲げる。このとき、折り目8が第2のストッパとなって、スリット10に係合する。次に、図3(c)に示すように、折り目9cで折り曲げ、第1のストッパ6をスリット11に係合させることで、段ボール積層体1が完成する。
続いて、中空の緩衝部2の組み立て方法について説明する。まず、図4(a)に示すように、折り目13a、13b、13cを、直方体を形成するように折り曲げる。このとき、第3のストッパ12をスリット14に係合させることで、中空の緩衝部2の形状を安定させる。次に、図4(b)に示すように、折り目13dで折り曲げることで、中空の緩衝部2が完成する。
最後に、段ボール積層体1と中空の緩衝部2とをつなぎ合わせて形状を安定させるために第4のストッパ15を切り欠き部16、17に係合させ、図1に示すような段ボール製緩衝材が得られる。このようにして、本段ボール製緩衝材は、段ボール板材の一部1aにより、物品挿入空間3を有する段ボール積層体1が構成され、段ボール板材の残部2aにより、段ボール積層体1の被包装物品挿入面と対向する面に隣接して中空の緩衝部2が構成されている。
この段ボール製緩衝材は、単独で被包装物品全体に対する緩衝材とすることも可能であり、また、例えば被包装物品を左右から挟み込むように、被包装物品の一部を支持する緩衝材とすることも可能である。そして、被包装物品は、これらの緩衝材とともに段ボールケース等に梱包して出荷・運搬等を行うこととなる。
上記のように構成された段ボール製緩衝材によると、段ボールの積層数を多くすることなく、中空の緩衝部2によって、被包装物品の挿入方向の衝撃を十分吸収することができる。したがって、少ない段ボール資源で十分な被包装物品の挿入方向の緩衝効果を得ることが可能となる。
また、第1のストッパ6、第2のストッパ8、第3のストッパ12、第4のストッパ15を用いることによって、段ボール積層体1、中空の緩衝部2、そして段ボール製緩衝材全体の形状を安定させることができる。したがって、緩衝効果を高めることが可能となる。
また、段ボールの波板状中芯による細管の長さ方向を前記段ボール積層体1の被包装物品の挿入方向に平行となるようにすることによって、中空の緩衝部2の側面4がつぶれやすく、上下の面5がつぶれにくい構成となる。このような構成とすることで段ボール積層体1側からの衝撃に対して中空の緩衝部2の空間部分が衝撃を吸収することが可能となり、段ボールの波板状中芯による細管の長さ方向を逆にした場合より少ない段ボール資源で十分な緩衝効果を得られる段ボール製緩衝材を構成することが可能となる。つまり、中空の緩衝部2の周の長さをある程度短くできるということである。
また、中空の緩衝材2を直方体形状とすることによって、梱包用ケース内への配置時において無駄なスペースを取らずにすむこととなり、梱包用ケースの大きさを必要最小限度とすることが可能となる。
また、本段ボール製緩衝材は製作がきわめて容易であり、量産性、形状安定性も優れている。また、接着剤や粘着テープを使用する必要がないので、環境に対する悪影響を最小限度に抑えることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、中空の緩衝部2は直方体形状でなくとも良く、様々な多面体の形状など、中に空間が作られる形状であれば良い。
また、切り抜き部7で構成される物品挿入空間3に挿入される被包装物品は、直方体に限られるわけではなく、他の形状であっても構わない。例えば、被包装物品が円柱状であって、物品挿入空間3が、円柱状の被包装物品の軸線方向の端面と、その端面近傍の周面を受ける形状であっても良い。
本発明は、梱包用ケースの内部に配置して、ケースの運搬・保管時に被包装物品の損傷・破損等を防止するために使用する緩衝材として有効である。
本発明の実施形態の段ボール製緩衝材を示す斜視図である。 本発明の実施形態の段ボール製緩衝材の展開図である。 本発明の実施形態の段ボール製緩衝材の段ボール積層体の組み立て工程を示す説明図であり、(a)、(b)、(c)の順に組み立てられる。 本発明の実施形態の段ボール製緩衝材の中空の緩衝部の組み立て工程を示す説明図であり、(a)、(b)の順に組み立てられる。
符号の説明
1 段ボール積層体
1a 段ボール板材において段ボール積層体を構成する部分
2 中空の緩衝部
2a 中空の緩衝部を構成する段ボール板材の残部
3 物品挿入空間
4 中空の緩衝部の側面
5 中空の緩衝部の上下の面
6 第1のストッパ
7 切抜き部
8 折り目(第2のストッパ)
9a、9b、9c 折り目
10 スリット
11 スリット
12 第3のストッパ
13a、13b、13c、13d 折り目
14 スリット
15 第4のストッパ
16 切り欠き部
17 切り欠き部

Claims (7)

  1. 段ボール板材の一部に被包装物品の外形に合わせて形成された切り抜き部が設けられ、前記切り抜き部が被包装物品の外形に合致するように折り畳んで設けた、被包装物品の外形の少なくとも一部が挿入される物品挿入空間を有する段ボール積層体を構成する段ボール製緩衝材において、
    前記段ボール板材の残部により、前記段ボール積層体の被包装物品挿入面と対向する面に隣接して中空の緩衝部を構成することを特徴とした段ボール製緩衝材。
  2. 前記段ボール積層体は、前記段ボール板材の側縁部に設けられた第1のストッパと、前記段ボール積層体を構成する段ボール板材の第1のストッパに対応する箇所で第1のストッパに係合するスリットを備えることを特徴とする請求項1に記載の段ボール製緩材。
  3. 前記段ボール積層体は、前記段ボール板材の折り目が第2のストッパとなるとともに、前記段ボール積層体を構成する段ボール板材の前記第2のストッパに対応する箇所で第2のストッパに係合するスリットを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の段ボール製緩材。
  4. 前記中空の緩衝部は、前記中空の緩衝部を構成する前記段ボール板材の残部の側縁部近傍に設けられた第3のストッパと、中空の緩衝部を構成する段ボール板材の前記第3のストッパに対応する箇所で第3のストッパと係合するスリットとを備えたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の段ボール製緩衝材。
  5. 前記段ボール積層体の側面に設けられた第4のストッパと、前記段ボール積層体と前記中空の緩衝部の側面の、前記第4のストッパに対応する箇所で第4のストッパと係合する切り欠き部を備えたことを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の段ボール製緩衝材。
  6. 前記中空の緩衝部を構成する前記段ボール板材の残部の、段ボールの波板状中芯による細管の長さ方向が、前記段ボール積層体の被包装物品の挿入方向に平行となることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の段ボール製緩衝材。
  7. 前記中空の緩衝部は、直方体形状となることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の段ボール製緩衝材。
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