JP2007022499A - 液圧緩衝装置 - Google Patents

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JP2007022499A JP2005211713A JP2005211713A JP2007022499A JP 2007022499 A JP2007022499 A JP 2007022499A JP 2005211713 A JP2005211713 A JP 2005211713A JP 2005211713 A JP2005211713 A JP 2005211713A JP 2007022499 A JP2007022499 A JP 2007022499A
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Abstract

【課題】 液圧緩衝装置において、車高調整器として機能するときは、車高の原位置への復帰時において車高の急な復帰を招来することがなく、しかも緩衝器としての機能と車高調整器としての機能を簡単な構造で切り換え可能とする。
【解決手段】 液圧緩衝装置は、シリンダ10およびリザーバ20(液圧緩衝器)と、油圧給排装置30(液圧給排装置)とを備える。シリンダ10における内筒11(シリンダ本体)の下室R2は、連通孔14aおよび外部通路L1を通してリザーバ20に連通される。油圧給排装置30は、一方向絞り弁32(流量制御弁)を備える。内筒11の上室R1内には、フリーピストン18が設けられる。フリーピストン18は、上室R1を上方の第1室R1uと下方の第2室R1dに区画する。第1室R1uは、連通孔11a、内部通路L0および外部通路L2を通して油圧給排装置30に連通される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液圧緩衝装置に関し、特に、車高調整機能を付加した車両用の液圧緩衝装置に関する。
この種の液圧緩衝装置の一つとして、車体と車輪側支持部材間に介装された油圧緩衝器におけるシリンダ本体の上室が外部通路を通して油圧給排装置に連通され、この油圧給排装置はシリンダ本体の上室内への作動油の供給時には作動油の流れを許容し上室からの作動油の排出時には作動油の流れを制限する流量制御弁を備えていて、油圧給排装置からシリンダ本体の上室内への作動油の給排により油圧緩衝器を伸縮させて車高を調整し得るものがあり、例えば下記特許文献1に記載されている。
実公平6−23446号公報
上記特許文献1に記載された油圧緩衝装置においては、シリンダ本体内に設けられたピストンおよびピストンロッドの内部に、シリンダ本体の上室と下室間を連通可能な通路が形成されている。この通路には、油圧給排装置が外部通路を通して連通されるとともに、パイロット切換弁が組み込まれている。パイロット切換弁は、弁体、弁座、ばねなどで構成された周知のものであり、通路内の圧力が設定圧未満であるとき、原位置にあって、油圧給排装置とシリンダ本体の上室間の連通を遮断し、シリンダ本体の上室と下室間をピストンに設けられた減衰バルブを介して連通させる。一方、パイロット切換弁は、油圧給排装置からシリンダ本体の上室内に作動油が加圧供給されて、通路内の圧力が設定圧以上になったとき、作動位置に切り換えられ、シリンダ本体の上室と下室間の連通を遮断し、油圧給排装置とシリンダ本体の上室間を連通させる。
上記従来の油圧緩衝装置においては、通路内の圧力が設定圧未満であるとき、シリンダ本体の上室と下室間がピストンの減衰バルブを介して連通されている。したがって、この場合には、油圧緩衝装置が、通常通り緩衝器として機能し、ピストンロッドの進退に応じて減衰バルブが上室と下室間の作動油の流れを制御する。このため、作動油の流れに抵抗力が付与されて車輪および車体の上下振動が減衰される。
一方、上記油圧緩衝装置においては、油圧給排装置からシリンダ本体の上室内に作動油が加圧供給され、通路内の圧力が設定圧以上になったとき、シリンダ本体の上室と下室間の連通が遮断され、油圧給排装置とシリンダ本体の上室間が連通される。したがって、この場合には、液圧緩衝装置が車高調整器として機能し、油圧給排装置からシリンダ本体の上室内への作動油の加圧供給に応じて、懸架ばねが縮んで車高が原位置から下がる。また、車高が所定位置に下がった状態にて、シリンダ本体の上室からの作動油の排出により、懸架ばねが伸びて車高が原位置に向かって上がる。
ところで、上記パイロット切換弁は、通路内の圧力をパイロット圧として油圧給排装置、シリンダ本体の上室および下室間の連通・遮断を切り換えるものである。したがって、パイロット切換弁の切り換え位置から原位置への戻り作動を確保するために、設定圧すなわち弁体を弁座に向けて付勢するばねの設定荷重を大きく設定した場合には、油圧緩衝装置が車高調整器として機能し車高を原位置に向けて上げている最中に、通路内の圧力の減少に伴って同圧力が設定圧より小さくなることがある。この場合には、パイロット切換弁が、切り換え位置から原位置に切り換えられ、油圧緩衝装置が車高調整器としてではなく、緩衝器として機能するようになる。このため、懸架ばねの復帰力により車高が原位置に向けて急に復帰して衝撃が発生するおそれがある。また、この油圧緩衝装置においては、ピストンロッドおよびピストン内に通路およびパイロット切換弁を設けて、緩衝器としての機能と車高調整器としての機能を切り換えるようにしているため、構造が複雑になるという問題もある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、車高調整器として機能するときは、車高の原位置への復帰時において車高の急な復帰を招来することがなく、しかも緩衝器としての機能と車高調整器としての機能を簡単な構造で切り換え得る液圧緩衝装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明においては、車体と車輪側支持部材間に介装された液圧緩衝器のシリンダ本体の上室が外部通路を通して液圧給排装置に連通され、この液圧給排装置は前記シリンダ本体の上室内への作動液の供給時には作動液の流れを許容し同上室からの作動液の排出時には作動液の流れを制限する流量制御弁を備えていて、前記液圧給排装置から前記シリンダ本体の上室内への作動液の給排により前記液圧緩衝器を伸縮させて車高を調整し得る液圧緩衝装置において、前記シリンダ本体の上室内を、上方の第1室と下方の第2室に区画するフリーピストンを設け、前記第1室を前記外部通路を通して前記液圧給排装置に連通させたことに特徴がある。
この液圧緩衝装置においては、シリンダ本体の上室内にフリーピストンが設けられ、フリーピストンにより区画された上方の第1室が外部通路を通して液圧給排装置に連通されている。したがって、第1室から作動液が排出された状態では、車体重量によって高められた第2室(シリンダ本体の下室)の圧力により、フリーピストンが上方に押され、ピストンと離間した初期位置にある。このため、ピストンおよびピストンロッドの上下動がフリーピストンにより規制されないので、液圧緩衝装置が、通常通り緩衝器として機能する。
一方、液圧給排装置から第1室内に作動液が加圧供給されると、フリーピストンが下方に押され、ピストンに係合する。さらに、作動液が加圧供給されると、フリーピストン、ピストンおよびピストンロッドが一体となって下方へ変位する。これと同時に、懸架ばねが縮んで車高が原位置から下がる。なお、このときは、フリーピストンに作用する第1室内の圧力による下方向の力が、ピストンロッドに作用する懸架ばねによる上方向のばね力に、ピストンに作用するシリンダ本体の下室内の圧力による上方向の力を加えた力より大きな状態にある。このため、フリーピストンがピストンに係合した後は、液圧緩衝装置が車高調整器として機能する。
車高が所定位置に下がった状態にて、第1室から作動液が排出されると、この作動液の流れが油圧給排装置を構成する流量制御弁により制限されて、第1室内の圧力が緩やかに減少する。したがって、この場合には、上記車高が下がる動作とは逆の動作、すなわち、フリーピストン、ピストンおよびピストンロッドが初期位置まで一体となって戻り、それ以後は、フリーピストンが単独で初期位置に戻る。
ところで、本発明に係る液圧緩衝装置では、車高が所定位置から原位置に向けて上がっているとき、第1室内の圧力が第2室内の圧力(シリンダ本体の下室内の圧力)に比して、ほぼ懸架ばねのばね力に応じた圧力分大きいので、フリーピストン、ピストンおよびピストンロッドが原位置まで一体に戻る。このため、懸架ばねの復帰に伴って車高が原位置に向けて徐々に戻るので、車高が急に復帰することが回避されて衝撃の発生が解消される。しかも、フリーピストンを用いて、緩衝器としての機能と車高調整器としての機能を得るようにしているため、従来技術の液圧緩衝装置に比して、その構造が極めて簡単である。
また、本発明の実施に際して、前記フリーピストンは、その上部に小径部を有しており、この小径部の上端が前記シリンダ本体の上壁に当接可能とすることも可能である。この場合には、フリーピストンにおける小径部の外周とシリンダ本体の内周間にて、第1室のためのスペースを確保することが可能である。このため、液圧給排装置から第1室内に作動液が流入し易くなるので、第1室内への作動液の供給に対するフリーピストンの下方への変位の応答性を良好にすることが可能である。また、従来からあるツインチューブ式の緩衝器を利用して、通常はリザーバ室として使用される内筒と外筒間のスペースを内部通路として利用し、その内筒の上端外周に、内部通路を第1室に連通させる連通孔を形成するようにすれば、液圧緩衝装置をシンプルかつ安価に構成することが可能である。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明による液圧緩衝装置の一実施形態における後輪側を概略的に示していて、この実施形態に係る液圧緩衝装置は、液圧緩衝器としての左右一対のシリンダ10,10および左右一対のリザーバ20,20と、液圧給排装置としての油圧給排装置30と、左右一対の懸架ばね40,40とを備えている。なお、この実施形態においては、左右一対のシリンダ10,10、左右一対のリザーバ20,20および左右一対の懸架ばね40,40は、それぞれ同じ構成とされているので、以下の説明では、一方の後輪側を代表して説明し、同一の部分には同一の符号を付して他方の後輪側の説明を省略する。
シリンダ10は、シリンダ本体としての内筒11、および外筒12を備えたツインチューブ式のものであり、車体60とナックル、キャリア等の車輪側支持部材70間に介装されている。内筒11および外筒12は、共に円筒状をなし、同軸的に配置されている。内筒11の内側には内室R0が形成され、内筒11と外筒12間には内部通路L0が形成されている。
内室R0は、上端にてアッパキャップ13により液密的に密封され、下端にてロアキャップ14により液密的に密封されている。また、内室R0は、ロアキャップ14に形成された連通孔14aおよび外部通路L1を通してリザーバ20に連通されている。内室R0には、アッパキャップ13に組み付けられた緩衝材13aを介してピストンロッド15が液密的に進退可能に挿入されている。
内部通路L0は、内室R0と同様、上端にてアッパキャップ13により液密的に密封され、下端にてロアキャップ14により液密的に密封されている。また、内部通路L0は、外筒12の下端部外周に形成された連通孔12aおよび外部通路L2を通して油圧給排装置30に連通されている。内部通路L0および内室R0は、内筒11の上端部外周に形成された連通孔11aを通して互いに連通している。
ピストンロッド15は、その上端部にて図示を省略するアッパシートを介して車体60に固定されており、外筒12とアッパシート間に介装された懸架ばね40と共に車体60を支持している。ピストンロッド15の下端部外周には、ピストン16が同ピストンロッド15と一体的に軸方向に変位するように組み付けられている。
ピストン16は、減衰バルブとしての機能を備えており、内筒11の内周に液密的かつ摺動可能に組み込まれて、内室R0を上室R1と下室R2に区画している。ピストン16には、上室R1と下室R2間を連通させるとともに作動油の流れに対して抵抗力を付与するオリフィスとしての連通孔16aが形成されている。また、ピストン16の上端面には、一方向性バルブ16bが設けられている。一方向性バルブ16bは、上室R1から下室R2への作動油の流れを規制して下室R2から上室R1への作動油の流れのみを許容する。ピストン16に対向して、下室R2にはベースバルブ17が設けられ、上室R1にはフリーピストン18が設けられている。
ベースバルブ17は、ピストン16と同様、減衰バルブとしての機能を備えており、内筒11の下端部内周に液密的に組み付けられている。ベースバルブ17には、下室R2とリザーバ20間を連通させるとともに作動油の流れに対して減衰力を付与するオリフィスとしての連通孔17aが形成されている。また、ベースバルブ17の上端面には、一方向性バルブ17bが設けられている。一方向性バルブ17bは、下室R2からリザーバ20への作動油の流れを規制してリザーバ20から下室R2への作動油の流れのみを許容する。
フリーピストン18は、その上部に略円錐状の小径部18aを有し、下部に略円柱状の大径部18bを有しており、ピストンロッド15の外周に配置されて、ピストンロッド15の外周面および内筒11の内周面に液密的かつ摺動可能に組み込まれている。また、フリーピストン18は、上室R1を小径部18aより上方の第1室R1uと、大径部18bより下方の第2室R1dに区画している。フリーピストン18の小径部18aは、初期位置にて上壁としての緩衝材13aに当接している。第1室R1uは、連通孔11aを通して内部通路L0に連通している。
リザーバ20は、ピストンロッド15の進退に伴う上室R1と下室R2内における作動油の体積変化を吸収するものであり、略円筒状をなし、シリンダ10とは別に設けられている。リザーバ20内には、フリーピストン21が設けられている。フリーピストン21は、リザーバ20の内周に液密的かつ気密的に摺動可能に組み込まれていて、リザーバ20内を液室R3とガス室R4に区画している。リザーバ20の下端部には、連通孔22aが形成されたロアキャップ22が液密的に組み付けられている。リザーバ20の液室R3は、連通孔22aおよび外部通路L1を通して内筒11の下室R2に連通している。
油圧給排装置30は、ポンプ31、一方向絞り弁32および電動モータ33を備えている。ポンプ31は、2方向流れ、すなわち電動モータ33の正転駆動によりリザーバタンク34から作動油を汲み上げてシリンダ10へ向けて加圧供給する作動油の流れと、電動モータ33の逆転駆動により作動油をシリンダ10からリザーバタンク34へ向けて排出する作動油の流れを許容するものである。
一方向絞り弁32は、流量制御弁としての機能を果たすものであり、リザーバタンク34からシリンダ10への作動油の流れを自由流れとするチェック弁32aと、それとは反対方向の作動油の流れを制御流れとする固定オリフィス32bを備えている。
電動モータ33は、その作動が電気制御装置(ECU)50によって制御されるようになっている。電気制御装置50は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものである。この電気制御装置50には、車高入力スイッチ51、圧力センサ52、駆動回路53などが接続されている。
車高入力スイッチ51は、予め設定されている車高モード(例えば、ハイ、ローなど)を選択するためのスイッチであり、選択された車高モードに応じてシリンダ10内に作動油が給排されて車高が調整される。なお、本実施形態においては、通常時の車高が「ハイ」に対応した原位置に設定されていて、「ロー」を選択することで車高が原位置から下がり、下がった状態にて「ハイ」を選択することで車高が原位置に向けて復帰するようになっている。圧力センサ52は、外部通路L2内の圧力を検出する。駆動回路53は、電気制御装置50からの作動信号に応じて電動モータ33に電流を供給する。
以上のように構成された本実施形態においては、シリンダ10の第1室R1uから内部通路L0および外部通路L2を通して油圧給排装置30に作動油が排出された状態では、車体重量によって高められたシリンダ10の第2室R1d(シリンダ10の下室R2、リザーバ20の液室R3)の圧力により、フリーピストン18が上方に押され、このフリーピストン18が緩衝材13aに当接した初期位置にある。このため、ピストン16およびピストンロッド15の上下動がフリーピストン18により規制されないので、液圧緩衝装置が、通常通り緩衝器として機能する。
一方、車高入力スイッチ51の操作に応じて、電動モータ33が駆動回路53を介して正転駆動され、ポンプ31の正転作動により外部通路L2および内部通路L0を通してシリンダ10の第1室R1u内に作動油が加圧供給されると、図2(A)に示すように、フリーピストン18が下方に押され、ピストン16に係合する。このとき、作動油の供給量が増大するに従って、第1室R1uの容積は増大し、第2室R1dの容積は減少する。
さらに、作動液が加圧供給されると、図2(B)に示すように、フリーピストン18、ピストン16およびピストンロッド15が一体となって下方へ変位する。これと同時に、懸架ばね40が縮んで車高が原位置から下がる。なお、このときは、フリーピストン18に作用する第1室R1u内の圧力による下方向の力が、ピストンロッド15に作用する懸架ばね40による上方向のばね力に、ピストン16に作用するシリンダ10の下室R2内の圧力による上方向の力を加えた力より大きな状態にある。
このため、フリーピストン18がピストン16に係合した後は、液圧緩衝装置が車高調整器として機能する。そして、圧力センサ52からの検出信号に基づいて、外部通路L2内の圧力が、車高を「ロー」位置まで下げるために必要な所定圧力に達したと判断された場合には、電動モータ33の駆動が停止されて車高が所定の「ロー」位置に保たれる。
車高が「ロー」位置に下がった状態にて、車高入力スイッチ51の操作に応じて、電動モータ33が駆動回路53を介して逆転駆動され、ポンプ31の逆転作動により第1室R1uから内部通路L0および外部通路L2を通してリザーバタンク34に作動油が排出されると、この作動油の流れが一方向絞り弁32の固定オリフィス32bにより制限され、第1室R1u内の圧力が緩やかに減少する。
したがって、この場合には、上記車高が下がる動作とは逆の動作、すなわち、フリーピストン18、ピストン16およびピストンロッド15が初期位置まで一体となって戻り、それ以後は、リザーバ20のガス室R4の圧力により、フリーピストン18が上方に押されて単独で初期位置に戻る。そして、圧力センサ52からの検出信号に基づいて、外部通路L2内の圧力が、車高が「ハイ」位置に維持されているときの所定圧力に戻ったと判断された場合には、電動モータ33の駆動が停止されて車高が原位置である「ハイ」位置に保たれる。
ところで、上記実施形態では、車高が「ロー」位置から原位置である「ハイ」位置に向けて上がっているとき、第1室R1u内の圧力が第2室R1d内の圧力(シリンダ10の下室R2内の圧力、リザーバ20の液室R3内の圧力)に比して、ほぼ懸架ばね40のばね力に応じた圧力分大きいので、フリーピストン18、ピストン16およびピストンロッド15が原位置まで一体に戻る。このため、懸架ばね40の復帰に伴って車高が原位置に向けて徐々に戻るので、車高が急に復帰することが回避されて衝撃の発生が解消される。しかも、フリーピストン18を用いて、緩衝器としての機能と車高調整器としての機能を得るようにしているため、従来技術の液圧緩衝装置に比して、その構造が極めて簡単である。
また、本実施形態においては、フリーピストン18がその上部に略円錐状の小径部18aを有しており、この小径部18aの上端がアッパキャップ13の緩衝材13aに当接している。このため、小径部18aの外周と内筒11の内周間にて、第1室R1uためのスペースが確保されるようになっている。これにより、油圧給排装置30から第1室R1u内に作動油が流入し易くなるので、第1室R1u内への作動油の供給に対するフリーピストン18の下方への変位の応答性が良好になる。
また、従来からあるツインチューブ式の緩衝器を利用して、通常はリザーバ室として使用される内筒と外筒間のスペースを内部通路L0として利用し、その内筒11の上端外周に、内部通路L0を第1室R1uに連通させる連通孔11aを形成するようにしたので、液圧緩衝装置をシンプルかつ安価に構成することができる。
また、本実施形態においては、フリーピストン18の初期位置にて、その小径部18aの上端が緩衝材13aに当接するようになっている。このため、フリーピストン18のアッパキャップ13との当接時の異音の発生を抑制することができる。
上記実施形態においては、シリンダ10とリザーバ20とを別体とし、両者を外部通路L1を通して接続したが、例えば、図3に一方の後輪側を代表して示すように、シリンダ10とリザーバ20とを別体とし、かつ両者を並設することも可能である。なお、以下の説明では、図1に示した液圧緩衝装置と異なる部分についてのみ説明し、前記液圧緩衝装置と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
この第1変形実施形態においては、ロアキャップ14に代えてロアキャップ114が用いられている。ロアキャップ114は、シリンダ10の内室R0および内部通路L0を、同シリンダ10の下端にて液密的に密封するとともに、リザーバ20の液室R3を、同リザーバ20の下端にて液密的に密封している。ロアキャップ114には、シリンダ10の下室R2とリザーバ20の液室R3を連通させる連通孔114aが形成されている。
この第1変形実施形態によっても、上記実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、この第1変形実施形態によれば、外部通路L1を用いる代わりに、連通孔114aを有するロアキャップ114を用いればよいので、外部通路L1のためのスペースが不要になり、液圧緩衝装置をよりシンプルに構成することができる。
また、上記実施形態および第1変形実施形態においては、シリンダ10とリザーバ20とを別体としたが、例えば、図4に一方の後輪側を代表して示すように、両者が一体化されたシリンダ210を用いることも可能である。なお、以下の説明では、図1に示した液圧緩衝装置と異なる部分についてのみ説明し、前記液圧緩衝装置と同一部分には同一の符号を含むように表示して説明を省略する。
シリンダ210は、上記実施形態等で用いたシリンダ10に比して、その全長が長く設定されている。シリンダ210の内筒211の内室R0は、ピストン216により上室R1と、下室であるリザーバ室RRに区画されている。リザーバ室RRは、フリーピストン221により液室R3とガス室R4に区画されている。
この第2変形実施形態によっても、上記実施形態等と同様の作用および効果が得られる。また、この第2変形実施形態によれば、リザーバ20を用いる代わりに、シリンダ210内にリザーバ室RRを形成したので、液圧緩衝装置をコンパクトに構成することができる。
上記実施形態等においては、シリンダ10の第1室R1u内に作動油が加圧供給されたとき、フリーピストン18がピストン16に係合するように実施したが、フリーピストンが、例えばピストンロッドの外周に設けたリバウンドストッパに係合するようにしても、上記実施形態等と同様の作用および効果が得られる。
また、上記実施形態等においては、フリーピストン18の小径部18aが略円錐状の側面を有するように実施したが、これに限らず、例えばフリーピストンの小径部が段付き状の側面を有するように実施することも可能である。
また、上記実施形態等においては、ツインチューブ式の液圧緩衝器を用いて、内筒の上端外周に、第1室と内部通路を連通させる連通孔を形成したが、ツインチューブ式の液圧緩衝器に代えて、シングルチューブ式の液圧緩衝器を用いて実施することも可能である。この場合には、アッパキャップに、第1室と外部通路を連通させる連通孔を形成することも可能である。
また、上記実施形態等においては、本発明を車両の後輪側に適用した場合について説明したが、車両の後輪側に加えてまたは代えて、車両の前輪側に適用することも可能である。
本発明による液圧緩衝装置の一実施形態の後輪側を示す概略図である。 (A)および(B)は、図1に示した液圧緩衝装置が車高調整器として機能するときの作動状態を示した説明図である。 本発明による液圧緩衝装置の第1変形実施形態の要部を示す概略図である。 本発明による液圧緩衝装置の第2変形実施形態の要部を示す概略図である。
符号の説明
10…シリンダ(液圧緩衝器)、11…内筒(シリンダ本体)、12…外筒、R0…内室、R1…上室、R1u…第1室、R1d…第2室、R2…下室、L0…内部通路、L1,L2…外部通路、13…アッパキャップ、13a…緩衝材、14…ロアキャップ、11a,12a,14a…連通孔、15…ピストンロッド、16…ピストン、17…ベースバルブ、18…フリーピストン、18a…小径部、20…リザーバ(液圧緩衝器)、21…フリーピストン、R3…液室、R4…ガス室、30…油圧給排装置(液圧給排装置)、31…ポンプ、32…一方向絞り弁(流量制御弁)、32a…チェック弁、32b…固定オリフィス、33…電動モータ、40…懸架ばね、50…電気制御装置(ECU)、51…車高入力スイッチ、52…圧力センサ、53…駆動回路、60…車体、70…車輪側支持部材、114…ロアキャップ、114a…連通孔、210…シリンダ、221…フリーピストン、RR…リザーバ室

Claims (2)

  1. 車体と車輪側支持部材間に介装された液圧緩衝器におけるシリンダ本体の上室が外部通路を通して液圧給排装置に連通され、この液圧給排装置は前記シリンダ本体の上室内への作動液の供給時には作動液の流れを許容し同上室からの作動液の排出時には作動液の流れを制限する流量制御弁を備えていて、前記液圧給排装置から前記シリンダ本体の上室内への作動液の給排により前記液圧緩衝器を伸縮させて車高を調整し得る液圧緩衝装置において、
    前記シリンダ本体の上室内を、上方の第1室と下方の第2室に区画するフリーピストンを設け、前記第1室を前記外部通路を通して前記液圧給排装置に連通させたことを特徴とする液圧緩衝装置。
  2. 請求項1に記載した液圧緩衝装置において、
    前記フリーピストンは、その上部に小径部を有しており、この小径部の上端が前記シリンダ本体の上壁に当接可能としたことを特徴とする液圧緩衝装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023189214A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 Kyb株式会社 車高調整機能付き緩衝器

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