JP2007021533A - 成形用アルミニウム合金板の製造方法および成形用アルミニウム合金の連続鋳造装置 - Google Patents

成形用アルミニウム合金板の製造方法および成形用アルミニウム合金の連続鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 Mg含有量が8%を超える高MgのAl-Mg 系合金などのアルミニウム合金を、双ロール式連続鋳造法を用いて製造する場合に、鋳造速度を速くすることを前提に、空隙などの鋳造欠陥を抑制することが可能な製造方法および連続鋳造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 双ロール式連続鋳造方法によって、板厚が30mm以下のアルミニウム合金板状鋳塊を得、この鋳塊を冷間圧延してアルミニウム合金板を製造する方法において、双ロールを連続鋳造ラインに対して2段以上配置し、注湯されたアルミニウム合金溶湯を、前段の双ロール10により、平均冷却速度を50℃/s以上として冷却して、板状鋳塊として凝固せしめ、次いで、中心部を含めて凝固が完了した状態にある板状鋳塊に対し、後段の双ロール11によって、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対して合計で2% 以上の圧下率で圧延し、その後冷間圧延されたアルミニウム合金板の空隙率を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、双ロール式連続鋳造方法による成形用アルミニウム合金板の製造方法および成形用アルミニウム合金の双ロール式連続鋳造装置に関するものである。本発明は、特に、空隙などの鋳造欠陥を、製造された板の伸びなどの成形特性に影響の無い範囲まで抑制できる、成形用高Mg含有Al-Mg 系アルミニウム合金板の製造方法および連続鋳造装置を提供するものである。
周知の通り、従来から、自動車、船舶、航空機あるいは車両などの輸送機、機械、電気製品、建築、構造物、光学機器、器物の部材や部品用として、各種アルミニウム合金板(以下、アルミニウムをAlとも言う)が、合金毎の各特性に応じて汎用されている。
これらのアルミニウム合金板は、多くの場合、プレス成形などで成形されて、上記各用途の部材や部品とされる。この点、高成形性の点からは、前記Al合金のなかでも、強度・延性バランスに優れたAl-Mg 系Al合金が有利である。
このため、従来から、Al-Mg 系Al合金板に関して、成分系の検討や製造条件の最適化検討が行われている。このAl-Mg 系Al合金としては、例えばJIS A 5052、5182等が代表的な合金成分系である。しかし、このAl-Mg 系Al合金でも冷延鋼板と比較すると延性に劣り、成形性に劣っている。
これに対し、Al-Mg 系Al合金は、Mg含有量を増加させて、8%を超える高Mg化させると、強度延性バランスが向上する。しかし、このような高MgのAl-Mg 系合金は、DC鋳造などで鋳造した鋳塊を均熱処理後に熱間圧延を施す、通常の製造方法では、工業的に製造することは困難である。この理由は、鋳造の際に鋳塊にMgが偏析したり、通常の熱間圧延では、Al-Mg 系合金の延性が著しく低下するために、割れが発生し易くなるからである。
一方、高MgのAl-Mg 系合金を、上記割れの発生する温度域を避けて、低温での熱間圧延を行うことも困難である。このような低温圧延では、高MgのAl-Mg 系合金の材料の変形抵抗が著しく高くなり、現状の圧延機の能力では製造できる製品サイズが極端に限定されるためである。
また、高MgのAl-Mg 系合金のMg含有許容量を増加させるために、FeやSi等の第三元素を添加する方法等も提案されている。しかし、これら第三元素の含有量が増えると、粗大な金属間化合物を形成しやすく、アルミニウム合金板の延性を低下させる。このため、Mg含有許容量の増加には限界があり、Mgが8%を超える量を含有させることは困難であった。
このため、従来から、高MgのAl-Mg 系合金板を、双ロール式などの連続鋳造法で製造することが種々提案されている。双ロール式連続鋳造法は、回転する一対の水冷鋳型 (双ロール) 間に、耐火物製の給湯ノズルからアルミニウム合金溶湯を注湯して凝固させ、かつ、この双ロール間において、上記凝固直後に圧下し、かつ急冷して、アルミニウム合金薄板とする方法である。この双ロール式連続鋳造法はハンター法や3C法などが知られている。
双ロール式連続鋳造法の冷却速度は、従来のDC鋳造法やベルト式連続鋳造法に較べて1〜3桁大きい。このため、得られるアルミニウム合金板は非常に微細な組織となり、プレス成形性などの加工性に優れる。また、鋳造によって、アルミニウム合金板の板厚も比較的薄い1〜13mmのものが得られる。このため、従来のDC鋳塊(厚さ200 〜 600mm)のように、熱間粗圧延、熱間仕上げ圧延等の工程が省略できる。さらに鋳塊の均質化処理も省略出来る場合がある。
このような双ロール式連続鋳造法を用いて製造した高MgのAl-Mg 系合金板の、成形性向上を意図して組織を規定した例は、従来においても種々提案されている。例えば、6 〜10% の高MgであるAl-Mg 系合金板の、Al-Mg 系の金属間化合物の平均サイズを10μm 以下とした、機械的性質に優れた自動車用アルミニウム合金板が提案されている (特許文献1参照) 。また、10μm 以上のAl-Mg 系金属間化合物の個数を300 個/mm2以下とし、平均結晶粒径が10〜70μm とした自動車ボディーシート用アルミニウム合金板なども提案されている (特許文献2参照) 。
特開平7 −252571号公報 (特許請求の範囲、1 〜2 頁) 特開平8 −165538号公報 (特許請求の範囲、1 〜2 頁)
一方、Mg含有量が8%を超える高MgのAl-Mg 系合金板を双ロール式連続鋳造法を用いて製造した場合、特に、空隙などの鋳造欠陥が生じやすい。これは、Mg含有量が8%を超える高MgのAl-Mg 系合金の凝固温度範囲が、これよりもMg含有量が低いAl-Mg 系合金に比較して、約100 ℃と広くなるためである。このため、鋳片凝固中に、鋳片中の水素が分散せず、偏析しやすくなり、ガス気泡となって鋳片組織内に残り、空隙となりやすい。
高MgのAl-Mg 系合金板において、組織内の上記空隙が多くなると、伸びを低下させ、Al-Mg 系合金板の特徴である強度延性バランスや、それに基づく成形性を低下させる。
これに対しては、双ロールにおける冷却速度を大きくする、あるいは、Tiなどの微細化剤を添加する、などの手段が有効ではある。しかし、これらの手段も、空隙などの鋳造欠陥を、製造された板の伸びなどの成形特性に影響の無い範囲まで抑制することには限界がある。
したがって、これまで、Mg含有量が8%を超える高MgのAl-Mg 系合金板を、双ロール式連続鋳造法を用いて製造する場合には、空隙などの鋳造欠陥をある程度許容せざるを得なかったのが実情である。
また、通常の1段(シングル)の双ロールによる連続鋳造では、双ロールにおける冷却速度を大きくしようとすると、鋳造速度を速くできないという限界がある。鋳造速度を速くした場合には、アルミニウム合金溶湯の急冷が困難となる。そして、鋳造速度が遅い場合には、生産性が低下し、双ロールによる連続鋳造工程の利点を大きく損なうこととなる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、Mg含有量が8%を超える高MgのAl-Mg 系合金などのアルミニウム合金を、双ロール式連続鋳造法を用いて製造する場合に、鋳造速度を速くすることを前提に、空隙などの鋳造欠陥を、製造された板の伸びなどの成形特性に影響の無い範囲まで抑制することが可能な製造方法および連続鋳造装置を提供することである。
この目的を達成するために、本発明成形用アルミニウム合金板の製造方法の要旨は、双ロール式連続鋳造方法によって、板厚が30mm以下のアルミニウム合金板状鋳塊を得、この鋳塊を冷間圧延してアルミニウム合金板を製造する方法において、双ロールを連続鋳造ラインに対して2段以上配置し、注湯されたアルミニウム合金溶湯を、前段の双ロールにより、平均冷却速度を50℃/s以上として冷却して、板状鋳塊として凝固せしめ、次いで、中心部を含めて凝固が完了した状態にある板状鋳塊に対し、後段の双ロールによって、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対して合計で2% 以上の圧下率で圧延し、その後冷間圧延されたアルミニウム合金板の空隙率を、50倍の光学顕微鏡の板断面観察による組織中に占める空隙の平均面積率として、0.5%以下とすることである。
また、前記目的を達成するために、本発明のアルミニウム合金の双ロール式連続鋳造装置の要旨は、上記要旨または下記好ましい態様のいずれかの製造方法に用いる、アルミニウム合金の双ロール式連続鋳造装置であって、連続鋳造ラインに対して双ロールを2段以上直列に配置し、前段の双ロールにおける、注湯手段から注湯されたアルミニウム合金溶湯の冷却能を平均冷却速度で50℃/s以上とするとともに、後段の双ロールにおける、前段の双ロールから供給された板状鋳塊に対し、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対して合計で2% 以上の圧下率で圧延する能力を付与したことである。
本発明では、双ロールにおける板状鋳塊の冷却速度を大きくするとともに、双ロールによって、この双ロール間で凝固しつつある板状鋳塊に対して、上記圧下を加える。
この際、鋳造速度を速くするために、本発明では、前記双ロールを、鋳塊に対してあるいは連続鋳造ラインに対して、通常の1段の双ロールではなく、2段以上直列(タンデム)に配置し、これら前段と後段との双ロールによって、各々の役割を分担させる。
即ち、前段の双ロールには、注湯されたアルミニウム合金溶湯の上記大きな冷却能を持たせて、板状鋳塊としてのシェルを形成せしめ、望ましくは、中心部も含めて凝固が完了するか、または、中心部が未凝固状態にある板状鋳塊とする。そして、後段の双ロールには、上記圧延能力(圧下荷重付加能)を持たせ、中心部を含めて凝固が完了した板状鋳塊に対して、上記圧下を付加する。
このような双ロールの多段構成によって、特に、高Mg含有Al-Mg 系アルミニウム合金における、溶湯乃至板状鋳塊の冷却速度を上記のように大きくして、板の成形特性を向上させるとともに、上記大きな圧下荷重を加えて、空隙などの鋳造欠陥を抑制し、板の成形特性を保証する。そして、これらの効果を、鋳造速度を速く、生産効率を高めた上で実現する。
通常の双ロール式連続鋳造では、1段(シングル)の双ロールにより鋳造を行ない、板状鋳塊を製造する。このような1段の双ロールでは、注湯されたアルミニウム合金溶湯の上記大きな冷却能と、板状鋳塊に対する上記圧下付加能との二つの機能を併せ持たせることは中々難しい。
特に、高Mg含有Al-Mg 系アルミニウム合金において、双ロールにおける板状鋳塊の冷却速度を大きくするとともに、双ロールによって板状鋳塊に上記圧下を加えることは、1段(シングル)の双ロールでは、可能ではあるが、難しい課題となる。
この課題の大きなひとつが、鋳造速度を速くできないことである。鋳造速度を速くした場合、アルミニウム合金溶湯の急冷が困難となる。また、上記圧下も加えにくい。このため、1段(シングル)の双ロールでは、10m/min.程度が限界であり、これ以上鋳造速度を速くできない。
この課題の原因となっているのは、これまで、特に、Mg含有量が8%を超える高MgのAl-Mg 系合金板を双ロール式連続鋳造法を用いて製造した例があまりないことにもよる。通常、双ロール式連続鋳造法では、双ロール間で凝固する板状鋳塊に対して、本発明のような大きな圧下荷重を加えない。ベルトキャスター式、プロペルチ式、ブロックキャスター式などの連続鋳造設備と異なり、双ロール式連続鋳造では、設備的にも、大きな圧下荷重を加えるようになっていない。双ロールによっては、元々、板状鋳塊の形状や板厚精度を出すための軽圧下が加えられるのみである。
しかし、前記した通り、Mg含有量が8%を超える高MgのAl-Mg 系合金板を双ロール式連続鋳造法を用いて製造する場合には、凝固温度範囲が約100 ℃と広く、特に、空隙などの鋳造欠陥が生じやすい。このため、双ロールにおける冷却速度を大きくする、あるいは、Tiなどの微細化剤を添加するなどの手段だけでは、これらを組み合わせても、空隙などの鋳造欠陥を、製造された板の伸びなどの成形特性に影響の無い範囲まで抑制することには限界がある。
これに対しては、本発明のように、双ロールにおける冷却速度を大きくするとともに、双ロールによって、板状鋳塊に対し圧下を加える必要がある。但し、通常の1段(シングル)の双ロールによる双ロール式連続鋳造には、鋳造速度を大きくできない限界があることは前記した通りである。
本発明では、前記した通り、双ロールの2段以上の直列化、多段化によって、鋳造速度を速く、生産効率を高めることができる。また、8%を超える高MgのAl-Mg 系合金を含めたアルミニウム合金の、板の材質特性としての、伸びや強度延性バランスを向上させることができ、張出成形、絞り成形、曲げ加工、穴あけ、穴拡げ、打ち抜き、あるいはこれら成形加工の組み合わせなどの成形性を向上させることができる。
更に、後段の双ロールで板状鋳塊に対して前記特定量以上の圧下を加えることによって、板状鋳塊の長手方向や幅方向の部位における目標板厚に対する、板厚精度を向上させることも可能である。
以下に、本発明の実施態様につき、具体的に説明する。
(双ロール連続鋳造装置)
先ず図1、2を用いて、本発明における、成形用アルミニウム合金板の連続鋳造装置を説明する。図1は縦型(垂直型)双ロール連続鋳造装置の実施態様を示し、図2は横型(水平型)双ロール連続鋳造装置の実施態様を示す。
図1の縦型双ロール連続鋳造装置において、10、11は連続鋳造ラインに対して2段直列に配置された双ロールである。前段(上流側)の双ロール10は、主として、注湯されたアルミニウム合金溶湯の冷却と凝固促進を担う。即ち、前段(上流側)の双ロール10は、溶湯の外側を凝固させて、シェル(凝固殻)を形成した板状鋳塊1とする役割を有する。
この双ロール10は、回転する一対のロール鋳型からなるが、冷却能が要求されるために、鋼製やステンレス製などの水冷ロール鋳型よりも、熱伝達率の大きな銅製の水冷ロール鋳型などを用いる方が好ましい。
後段(下流側)の双ロール11は、主として、板状鋳塊3の圧下と凝固促進を担い、前段の双ロール10によってシェルが生成し、内部(中心部)を含めて凝固が完了した板状鋳塊に対して、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対して合計で2% 以上の圧下率で圧延する。これによって、板状鋳塊の冷却を促進して、空隙の原因となる水素などのガスを鋳塊内に分散固溶させるとともに、既に内部に発生している空隙を潰す役割を担う。
この双ロール11は、前段の双ロール10と同様、回転する一対のロール鋳型からなるが、前記圧下能や圧下される板状鋳塊表面の美麗さ(平坦度や粗さなど)を損なわないことが要求される。このために、銅製の水冷ロール鋳型よりも、剛性や硬度の高い、鋼製やステンレス製などの水冷ロール鋳型などを用いる方が好ましい。
ここで、前段(上流側)の双ロール10を1段だけではなく、2段以上配置しても良く、また、後段(下流側)の双ロール11を1段だけではなく、2段以上配置しても良い。
13はアルミニウム合金溶湯の双ロールへの注湯乃至給湯用の手段である、耐火物製のタンディッシュあるいは給湯ノズルである。14は前段の双ロール10の上部に沿って配置された、溶湯を受ける堰である。15は前段の双ロール10の下部に配置されたピンチロール、12は双ロール10と11との間に配置された、板状鋳塊の強制冷却手段である。
この強制冷却手段12は、例えば冷媒としてのミストや水を、板状鋳塊2の両面に噴霧すべく、連続鋳造ラインに対して、単数あるいは複数個、直列や並列に配置されたノズル群やスリットなどから構成される。この強制冷却手段12は、板状鋳塊2の板厚が比較的厚い場合などの、鋳造速度のより高速化のために、前段の双ロール10の冷却能を補うために、選択的に設置乃至使用される。
16は鋳造後の板状鋳塊のガイドロール、17は鋳造後の板状鋳塊をコイル4とするために巻き取るコイラーである。
図2の横型双ロール連続鋳造装置においても、基本的な装置構成は、図1の縦型双ロール連続鋳造装置と同じであり、前段の双ロール10への注湯ノズル18などの構成が異なる程度である。
(製造方法)
このような装置構成を前提に、以下に、本発明製造方法の態様を、図1を用いながら説明する。
前提として、本発明が特にその対象とする、8%を超える高MgのAl-Mg 系アルミニウム合金板は、前記した通り、DC鋳造などで鋳造した鋳塊を均熱処理後に熱間圧延を施す、通常の製造方法では、工業的に製造することは困難である。したがって、本発明では、双ロール式連続鋳造と、熱間圧延を省略した、冷間圧延、焼鈍などとを組み合わせて製造する。
また、アルミニウム合金薄板の連続鋳造方法としては、双ロール式の他に、ベルトキャスター式、プロペルチ式、ブロックキャスター式などがある。しかし、8%を超える高MgのAl-Mg 系アルミニウム合金板を連続鋳造するためには、前記した通り、鋳造の際の冷却速度を大きくする必要があり、そのためにも、双ロール式とする。
(注湯)
耐火物製のタンディッシュ13から堰14を介して、前段双ロール10へ注湯されたアルミニウム合金溶湯は、互いに対向する方向に回転する双ロール間で冷却され、凝固が促進されて、内部は液相を有するシェル(凝固殻)を形成した板状鋳塊1とされる。
(冷却速度)
この前段双ロール10での冷却の際、本発明では、鋳造する板厚が30mm以下のの比較的薄板の範囲であっても、前段の双ロール10による鋳造の冷却速度は50℃/s以上のできるだけ大きくすることが必要である。冷却速度は50℃/s未満では、アルミニウム合金の種類によらず、平均結晶粒が50μm を超えて粗大化する。このため、成形性が著しく低下する。また、板の均質性も低下する。特に、Al-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、金属間化合物全般が粗大化するか、多量に晶出するため、強度伸びバランスが低下し、成形性が著しく低下する。
また、この前段双ロール10における冷却速度は、後段の双ロール11による圧下荷重を付加する際に、板状鋳塊を、中心部を含めて凝固が完了した状態とするためにも重要である。前段双ロール10における冷却速度が50℃/s未満では、冷却速度が小さ過ぎ、アルミニウム合金の種類によらず、凝固速度が遅くなり、シェル形成が遅れ、後段の双ロール11による上記した圧下荷重を板状鋳塊に付加できなくなる可能性が高くなる。このため、鋳造速度を遅くする必要が生じ、生産効率が犠牲となる。
なお、この冷却速度は、直接の計測は難しいので、鋳造された板 (鋳塊) のデンドライトアームスペーシング (デンドライト二次枝間隔、:DAS) から公知の方法(例えば、軽金属学会、昭和63年8.20発行、「アルミニウムデンドライトアームスペーシングと冷却速度の測定方法」などに記載)により求める。即ち、鋳造された板の中心部の鋳造組織における、互いに隣接するデンドライト二次アーム (二次枝) の平均間隔d を交線法を用いて計測し (視野数3 以上、交点数は10以上) 、このd を用いて次式、d = 62×C -0.337 (但し、d:デンドライト二次アーム間隔mm、C : 冷却速度℃/s) から求める。これによって求められた冷却速度は、板状鋳塊の中心部の冷却速度である。
(冷却速度の確保)
この冷却速度を確保するため、上記した通り、装置的には、前段の双ロール10として、熱伝達率の大きな銅製の水冷ロール鋳型などを用い、この冷却速度を確保する。
一方、ロール潤滑として潤滑剤を用いた場合には、理論計算上は冷却速度が大きくても、実質的な、あるいは実際における冷却速度が実質的に50℃/s未満となりやすい。このため、特に、前段の双ロール10としては、あるいは後段の双ロール11としても、潤滑剤によって表面が潤滑されていないロールを用いることが望ましい。
従来では、溶湯がロール表面に接触および急冷されて、双ロール表面に造形されるシェル(凝固殻)の割れを防止するために、酸化物粉末 (アルミナ粉、酸化亜鉛粉等) 、SiC 粉末、グラファイト粉末、油、溶融ガラスなどの潤滑剤 (離型剤) を、双ロール表面に塗布あるいは流下させて用いることが一般的であった。しかし、これら潤滑剤を前段の双ロール10に用いた場合、冷却速度が小さくなって、必要な冷却速度が得られない可能性が高くなる。
また、これら潤滑剤を用いた場合、双ロール表面において、潤滑剤の濃度や厚みの不均一によって、冷却のムラが生じやすく、板の部位によっては凝固速度が不十分となりやすい。このため、特にAl-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、マクロ偏析やミクロ偏析が大きくなり、強度延性バランスを均一にすることが困難となる可能性が高くなる。
(双ロール間での強制冷却)
前段の双ロール10による鋳造の冷却速度が例え50℃/s以上であっても、前段の双ロール10を出る板状鋳塊の板厚が比較的厚い、あるいは鋳造速度が比較的速い、などの場合には、アルミニウム合金の種類によらず、板状鋳塊の凝固速度が遅くなり、シェル形成が遅れる可能性がある。このような場合には、鋳造速度を遅くすることなく、かつ後段の双ロール11による上記した圧下荷重を板状鋳塊に付加できなくなるのを防止するために、双ロール間に設置した前記強制冷却手段12を用いて、前段の双ロール10の冷却能を補う。これによって、鋳造速度のより高速化も図れる。図1 における板状鋳塊2 は、この強制冷却手段12によって、冷却、凝固が促進される。
(双ロールによる圧下)
後段の双ロール11は、前記した通り、圧下と更なる冷却を担い、前段の双ロール10によってシェルが生成し、上記内部(中心部)を含めて凝固が完了した状態の板状鋳塊3 に対して圧下を付加する。これによって、板状鋳塊の冷却を促進して、空隙の原因となる水素などのガスを鋳塊内に分散固溶させるとともに、既に内部に発生している空隙を潰す役割を担う。
この効果を発揮するためには、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対して合計で2% 以上の圧下率で圧延を行なう必要がある。なお、後段の双ロールが2段以上の際には、これら2段以上の双ロールの各圧下率の合計を前記板厚に対して2% 以上とする。
圧下率が大きいほど、この圧下荷重付加によって、アルミニウム合金によらず、板状鋳塊の冷却能が向上するとともに、空隙をより潰すことが可能となる。このため、凝固温度範囲が約100 ℃と広く、最も空隙がでやすい前記高MgのAl-Mg 系合金であっても、合計で2% 以上の圧下率であれば、ガスの分散固溶され、これに起因する空隙が抑制される。そして、その後の冷間圧延との相乗効果で、空隙などの鋳造欠陥を、製造された板の伸びなどの成形特性に影響の無い範囲まで抑制することが可能である。
圧下荷重の付加によるこの作用効果は、勿論、鋳造する板厚や鋳造条件によっても左右される。しかし、鋳造する板厚が30mm以下の比較的薄板の範囲では、最も空隙がでやすい高MgのAl-Mg 系合金を含めて、アルミニウム合金によらず、合計で2% 以上の圧下によって発揮される。
更に、この圧下荷重付加によって、双ロール間で凝固する板状鋳塊に対して、前記特定量以上の圧下荷重を加えることによって、圧下荷重を加えない場合に比して、板状鋳塊の長手方向や幅方向の部位における目標板厚に対する、板厚精度を向上させることも可能である。
後段の双ロール11による圧下率が2% 未満では、通常の双ロール式連続鋳造における、形状や板厚精度を出すだけの圧下となる。このため、冷却速度を大きくしても、あるいは、その後の冷間圧延の圧下率を大きくしても、更には、Ti、B などの組織の微細化剤を添加しても、アルミニウム合金によらず、空隙を抑制できない。特に、空隙がでやすい高MgのAl-Mg 系合金において、空隙などの鋳造欠陥を、製造された板の伸びなどの成形特性に影響の無い、上記した範囲まで抑制することができない。
板状鋳塊に圧下を付加して空隙を抑制するためには、注湯され、双ロール間で鋳塊外側から順次凝固していく鋳塊において、鋳塊中心部を含めて、凝固が完了した板状鋳塊に対し、圧下を付加する必要がある。凝固が完了していない板状鋳塊に対しては、板状鋳塊自体が反力を持たないために、圧下の付加が行なえない。
板状鋳塊に対する圧下荷重量は、鋳造温度 (鋳塊温度) 、鋳造速度に応じて、双ロール径 (ロールと鋳塊との接触面積) 、双ロール間隔 (ロールギャップ) 等を設定して制御する。勿論、双ロールが、上記圧下荷重を付与できるような設備 (ロールの支持、駆動構造など) となっている必要もある。
(鋳造板厚)
双ロールにより連続鋳造する薄板の板厚は30mm以下、好ましくは1 〜13mmの範囲とする。そして、更に好ましくは、1mm 以上、5mm 未満の薄い板厚とする。板厚1mm 未満の連続鋳造は、双ロール間への注湯や、双ロール間のロールギャップ制御などの鋳造限界から、困難である。他方、板厚が30mmを超えて厚くなった場合、鋳造の冷却速度が著しく小さくなり、アルミニウム合金の種類によらず、上記圧下荷重をかけることが困難となる。
また、板状鋳塊の板厚が30mmを超えて厚くなった場合、例え、後段双ロール11で圧下率2%以上で圧下できても、圧下が不十分となって、空隙率を低減できない可能性が高い。この結果、空隙が増し、成形性が著しく低下する。特にAl-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、Al-Mg 系などの金属間化合物全般が粗大化したり、多量に晶出する傾向がある。この結果、空隙が増し、強度伸びバランスが低下し、成形性が著しく低下する可能性が高くなる。
(注湯温度)
アルミニウム合金溶湯を双ロールに注湯する際の注湯温度は、鋳造速度を高速化させるためにも、アルミニウム合金の液相線温度+100 ℃以下とすることが好ましい。注湯温度が液相線温度+100 ℃を超えた場合には、鋳造速度を高速化させると、前段の双ロール10による鋳造の冷却速度が例え50℃/s以上であっても、アルミニウム合金の種類によらず、後段の双ロール11まででブレイクアウトし、板状鋳塊ができない可能性がある。
(双ロール周速)
前段の双ロール10や後段の双ロール11の周速は鋳造速度となる。鋳造速度を高速化させるためにも、両者の双ロールの周速は1m /min 以上、好ましくは30m /min以上とする。双ロールの周速が遅くなると、鋳造速度自体が遅くなる。また、溶湯と鋳型 (双ロール) との接触時間が長くなり、鋳造薄板の表面品質が低下する可能性がある。更に、後段の双ロール11での凝固が進み過ぎて、上記圧下荷重をかけても空隙を抑制出来ない可能性がある。
この点、前段の双ロール10や後段の双ロール11の好ましい周速範囲は、ロール径が100 〜1200Φmmの範囲で、30〜150m/minである。
(熱履歴工程)
本発明において、上記前記板状鋳塊または薄板を400 ℃以上の温度に加熱する際、あるいは上記200 ℃を超える高温から板状鋳塊または薄板を冷却する際、などは、特にAl-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、成形性にとって有害なAl-Mg 系金属間化合物が発生する可能性が十分にある熱履歴工程を意味する。
そして、これらの熱履歴工程は、板の成形性を向上させるためや製造効率や歩留り向上などの工程設計上、選択的に入ってくる。したがって、これらの熱履歴工程が選択的に、単独であるいは組み合わせて製造工程に入ってくる場合、特にAl-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、これらの熱履歴工程毎に、Al-Mg 系金属間化合物発生を抑制する条件で行なうことが好ましい。以下に、このような熱履歴工程毎に、Al-Mg 系金属間化合物発生を抑制する条件につき説明する。
(鋳造直後の冷却過程)
双ロール式連続鋳造方法による板状鋳塊の鋳造直後から例えば室温まで冷却する際、板状鋳塊が200 ℃までの温度範囲において、冷却速度が小さいと、Al-Mg 系金属間化合物が発生する可能性が十分にある。このため、このような冷却工程を選択的に行なう際には、Al-Mg 系金属間化合物発生を抑制するために、板状鋳塊の鋳造直後から200 ℃までの温度範囲を平均冷却速度が5 ℃/s以上にて冷却することが好ましい。
(均質化熱処理)
双ロール式連続鋳造方法による板状鋳塊を、鋳塊均質化のために、冷間圧延前に400 ℃以上液相線温度以下で、選択的に、あるいは必要に応じて、均質化熱処理(均熱処理、荒焼鈍、荒鈍とも言う)しても良い。均質化熱処理するに際しては、鋳塊の昇温時と冷却時の両方の途中過程で、昇温速度と冷却速度が小さいと、Al-Mg 系金属間化合物が発生する可能性が十分にある。特にAl-Mg 系金属間化合物が発生する可能性が高い温度域は、昇温時は鋳塊中心部の温度が200 ℃から400 ℃までの範囲、冷却時は均質化熱処理温度から100 ℃までの範囲である。
このため、このような均質化熱処理を選択的に行なう際には、Al-Mg 系金属間化合物発生を抑制するために、均質化熱処理温度への加熱の際に、鋳塊中心部の温度が200 ℃から400 ℃までの範囲の平均昇温速度を5 ℃/s以上とすることが好ましい。また、均質化熱処理温度からの冷却に際して、均質化熱処理温度から100 ℃までの範囲の平均冷却速度を5 ℃/s以上とすることが好ましい。
(鋳造後の冷間圧延)
本発明では、鋳造後に、オンラインでもオフラインでも熱間圧延をせずに、成形用の製品板の板厚0.5 〜3mm に圧延して、鋳造組織を加工組織化する。この加工組織化の程度は冷間圧延の圧下率にもより、鋳造組織が残留する場合もあるが、成形性や機械的な特性を阻害しない範囲で許容される。
この際に、本発明では、前記した通り、この冷間圧延と、前記双ロールによる大圧下荷重付加ととの相乗効果で、空隙などの鋳造欠陥を、製造された板の伸びなどの成形特性に影響の無い範囲まで抑制する。このために、好ましい冷間圧延の全圧下率は5%以上である。全圧下率は5%未満では、特にAl-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、前記双ロールによる大圧下荷重付加を行なっても、空隙などの鋳造欠陥を上記範囲まで抑制できない可能性が高くなる。なお、ここで言う、全圧下率とは、冷間圧延の1 パス毎の圧下率を、全パスで合計した圧下率である。
冷間圧延は、なお、冷間圧延の途中に、通常の条件で、中間焼鈍を施しても良いが、その場合、400 ℃以上の温度で中間焼鈍する場合には、Al-Mg 系金属間化合物発生を抑制するために、昇温と冷却の過程を、前記最終焼鈍と同じ条件で行なう。
この冷間圧延は、室温まで冷却してから行なっても良いが、双ロール式連続鋳造方法による板状鋳塊の鋳造直後から室温まで冷却せずに、例えば、連続して冷間圧延(あるいは温間圧延)を行なっても良い。但し、特にAl-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、冷間圧延(あるいは温間圧延)開始温度が300 ℃以上の場合に、冷間圧延中に、Al-Mg 系金属間化合物が発生する可能性が十分にある。
したがって、冷間圧延(あるいは温間圧延)を、鋳造後で温度が300 ℃以上の前記板状鋳塊に対して選択的に行う場合には、冷間圧延中(あるいは温間圧延中)の板の平均冷却速度を50℃/s以上とするか、冷間圧延後(あるいは温間圧延後)の板を平均冷却速度5 ℃/s以上で冷却することが好ましい。
(冷間圧延後の最終焼鈍)
冷間圧延後に板を400 ℃以上液相線温度以下で、選択的に最終焼鈍(溶体化処理とも言う)するに際しては、特にAl-Mg 系アルミニウム合金、それも8%を超える高MgのAl-Mg 系では、板の昇温時と冷却時の両方の途中過程で、昇温速度と冷却速度が小さいと、Al-Mg 系金属間化合物が発生する可能性が十分にある。特に、Al-Mg 系金属間化合物が発生する可能性が高い温度域は、最終焼鈍温度までの昇温時は板中心部の温度が200 ℃から400 ℃までの範囲、冷却時は最終焼鈍温度から100 ℃までの範囲である。
このため、このような溶体化処理を選択的に行なう際には、Al-Mg 系金属間化合物発生を抑制するために、最終焼鈍温度への加熱の際に板中心部の温度が200 ℃から400 ℃までの範囲の平均昇温速度を5 ℃/s以上とすることが好ましい。また、最終焼鈍温度から冷却するに際しては、最終焼鈍温度から100 ℃までの範囲の平均冷却速度を5 ℃/s以上とすることが好ましい。
これによって、各熱履歴工程におけるAl-Mg 系の金属間化合物の発生を抑制でき、Al-Fe 系、Al-Si 系などの成形性を低下させる他の金属間化合物などを含めた、金属間化合物全般をその析出状態や量を含めて抑制できる。
なお、Al合金冷延板は、400 ℃〜液相線温度で最終焼鈍することが好ましい。この焼鈍温度が400 ℃未満では、溶体化効果が得られない可能性が高い。
(空隙率)
本発明では、双ロール式連続鋳造方法によって製造されたアルミニウム合金板の板組織における空隙率を、板の伸びなどの成形特性に影響の無い範囲まで抑制する。この板の成形特性に影響の無い範囲までとは、具体的には、50倍の光学顕微鏡の板表面観察による、組織中に占める空隙の平均面積率として0.5%以下とする。
板の組織における空隙の平均面積率が0%で、空隙が実質的に無いことが当然望ましい。しかし、実際には、前記した通り、8%を超える高MgのAl-Mg 系合金など、アルミニウム合金の凝固温度範囲の広さによっては、ある程度の空隙発生が避けられない。したがって、本発明では、どの程度まで空隙を減らせば、板の伸びなどの成形特性に影響が無くなるかを検討した結果、上記空隙の平均面積率規定とした。
(空隙率測定)
上記空隙の面積率測定は、Al合金板から採取した試料 (試験片) を機械研磨し、板中央部の断面組織を50倍の光学顕微鏡を用いて観察して行なう。そして、顕微鏡視野内を画像処理して、空隙欠陥と通常の組織とを識別した上で、視野内の識別できる空隙の合計面積を求め、視野面積に占める空隙の合計面積の割合(%) を、空隙率として求める。
ここで、上記空隙の平均面積率とは、板の先端部と後端部とを除く、板中央部の任意の10箇所において測定した各空隙の面積率を平均化したものを言う。
(平均結晶粒径)
本発明において、双ロール式連続鋳造方法によって製造されたアルミニウム合金板断面の平均結晶粒径は100 μm 以下に微細化させることが、成形性を満たす条件としても、空隙を少なくするためにも好ましい。結晶粒径をこの範囲に細かく乃至小さくすることによって、成形性が確保乃至向上される。結晶粒径が100 μm を越えて粗大化した場合、成形性が著しく低下し、成形時の割れや肌荒れなどの不良が生じ易くなる。一方、平均結晶粒径があまり細か過ぎても、Al-Mg 系(5000 系)Al 合金板では、特有の、SS (ストレッチャーストレイン) マークがプレス成形時に発生する。したがって、Al-Mg 系Al合金板では、平均結晶粒径は20μm 以上とすることが好ましい。
本発明で言う結晶粒径とは板の長手(L) 方向の結晶粒の最大径である。この結晶粒径は、Al合金板から採取した試料 (試験片) を0.05〜0.1mm 機械研磨した後電解エッチングした表面を、100 倍の光学顕微鏡を用いて観察し、前記L 方向にラインインターセプト法で測定する。1 測定ライン長さは0.95mmとし、1 視野当たり各3 本で合計5 視野を観察することにより、全測定ライン長さを0.95×15mmとする。このように、板の先端部と後端部とを除く、板中央部の任意の10箇所において測定した各平均結晶粒径を、更に平均化したものを、平均結晶粒径とする。
(化学成分組成)
次ぎに、本発明において、アルミニウム合金の種類は問わず、用途に応じて、周知のアルミニウム合金種が適宜選択される。また、各アルミニウム合金種の化学成分組成は、そのAA乃至JIS 規格に準じて決定される。
ただ、8%を超える高MgのAl-Mg 系の化学成分組成は、これまで上記規格化はされていないので、以下に、好ましい成分組成について説明しておく。8%を超える高MgのAl-Mg 系の組成は、質量% で、Mg:8% を超え14% 以下、Fe:1.0% 以下、Si:0.5% 以下、Ti:0.005〜0.1%を含み、残部がAlおよび不可避的な不純物からなる化学成分組成とすることが好ましい。
(Mg:8%を超え14% 以下)
MgはAl合金板の強度、延性、そして強度延性バランスを高める重要合金元素である。Mgが8%以下の含有量では、強度、延性が不足して、高MgのAl-Mg 系Al合金の特徴の強度延性バランスが出ず、成形性が不足する可能性がある。一方、Mgを14% を越えて含有すると、連続鋳造の際の冷却速度を大きくしたり、焼鈍後の冷却速度を大きくするなどの、製造方法や条件の制御を行なっても、Al-Mg 系化合物の晶析出が多くなる。この結果、やはり成形性が著しく低下する可能性がある。また、加工硬化量が大きくなり、冷間圧延性も低下させる。したがって、好ましくはMgは8%を超え14% 以下の範囲とする。
(Fe:1.0%以下、Si:0.5% 以下)
FeとSiは、溶湯の溶解原料から必然的に含まれ、できるだけ少ない量に規制すべき不純物である。FeとSiは、Al-Mg-(Fe 、Si) などから成るAl-Mg 系化合物や、Al-Fe 、Al-Si 系などのAl-Mg 系以外の化合物となって多く生成する。Feの含有量が1.0%、Siの含有量が0.5%、を各々超えた場合には、これらの化合物が過大となって、破壊靱性や成形性を大きく阻害する可能性が高い。この結果、成形性が著しく低下する。したがって、Feは1.0%以下、好ましくは0.5%以下、Siは0.5%以下、好ましくは0.3%以下に各々規制することが好ましい。
(Ti:0.005 〜0.1%)
Tiは、B とともに、鋳造板 (鋳塊) 組織の微細化効果があり、これによって、鋳造板の空隙発生を抑制する効果がある。したがって、鋳造板の空隙発生を抑制するために、0.005%以上含有させる。ただ、0.1%を越えて含有すると、却って、成形性を阻害する可能性がある。このため、Tiの含有量は0.005 〜0.1%の範囲とすることが好ましい。一方B は、Tiとともに、B:0.05% 以下まで含有させて良い。
(その他の元素)
この他、Mn、Cu、Cr、Zr、Zn、V などは、溶湯の溶解原料から含まれやすい不純物元素であり、含有量は少ない方が良い。しかし、Mn、Cr、Zr、V には圧延板組織の微細化効果もある。また、Cu、Znには、強度を向上させる効果もある。このため、これら効果を狙って、敢えて減らさずに、含有させる場合もあり、本発明板の特性である成形性を阻害しない範囲で、これら元素を一種または二種以上含有させることは許容される。これらの許容量は、各々質量% で、Mn:0.3% 以下、Cr:0.3% 以下、Zr:0.3% 以下、V:0.3%以下、Cu:1.0% 以下、Zn:1.0% 以下、である。
以下に本発明の実施例を説明する。シングルの(1段の) 銅製の水冷ロール鋳型を用いた双ロール連続鋳造実験装置を改造して、図1 に示す連鋳装置を製作した。即ち、上記銅製の水冷ロール鋳型を前段の双ロール10とし、これに、図1 に示すような、鋼製水冷ロール鋳型からなる圧下荷重を付与できる後段双ロール11と、強制冷却手段12としてミスト (空気と水との混合冷媒) 噴射ノズルを板状鋳塊両面に向かって一対、2 段に設けた。なお、図1 のコイラー17は設けず、板状鋳塊は平板のまま取り出すようにした。
このタンデム双ロール連続鋳造実験装置を用い、表1 に示す種々の化学成分組成のAl合金溶湯(A〜H)を、表2に示す各板厚の板状鋳塊に鋳造し、室温に冷却した。
この際、表2に示すように、前段の双ロール10への注湯後の板状鋳塊の平均冷却速度(℃/s)、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対する圧下率(% )を種々変化させた。
前段の双ロール10表面の潤滑は、表2 の比較例13のみ行い、SiC およびアルミナの粉末を水に懸濁させた潤滑剤を双ロール表面に塗布して行なった。また、他の例は全て双ロール表面の潤滑無し(無潤滑)で、連続鋳造した。この際に、後段双ロール11は共通して双ロール表面の潤滑無し(無潤滑)とした。
これら鋳造後の板状鋳塊に、各例とも共通して同一条件で、450 ℃×1 分の均熱処理を施し、一旦室温に冷却した後に、中間焼鈍無しで、複数回のパスにて、冷間圧延して、1mm の板厚の冷延板を製造した。製造した冷延板のサイズは200mm 幅×5m長さである。そして、これら冷延板を450 ℃×0.1 分最終焼鈍して供試材とした。
また、各例とも共通して、上記昇温加熱工程の熱履歴時に際しては、前記した好ましい製造条件の範囲内で行なった。具体的な条件を以下に列挙する。
均質化熱処理時の200 〜400 ℃の平均昇温速度:10 ℃/s
均質化熱処理時の200 ℃までの平均冷却速度:10 ℃/s
最終焼鈍時の200 〜400 ℃の平均昇温速度: 5 〜20℃/s
最終焼鈍時の200 ℃までの平均冷却速度: 5 〜20℃/s
(空隙の面積率)
このように製造された各例の供試材アルミニウム合金板から試験片を採取し、前記した各測定方法で、板組織について、空隙の平均面積率を測定した。この結果を表3に示す。なお、各発明例試験片の平均結晶粒径を前記した測定方法で測定した結果、10μm 以下であった。
(機械的性質)
また、同じく採取した試験片 (各5 個) から、機械的性質と、強度延性バランス [引張強度(TS:MPa)×全伸び(EL:%)](MPa%) の平均値を求めた。引張試験はJIS Z 2201にしたがって行うとともに、試験片形状はJIS 5 号試験片で行い、試験片長手方向が圧延方向と一致するように作製した。また、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
そして、実際の成形パネルとしての成形性を評価するために、前記得られたAl合金板のプレス成形性および曲げ加工性を評価した。これらの結果も表3 に示す。
(プレス成形性)
採取した試験片 (一辺が200mm の正方形のブランク)5枚を、中央部に一辺が60mmで、高さが30mmの角筒状の張出部と、この張出部の四周囲に平坦なフランジ部を有するハット型のパネルに、メカプレスにより張出成形した。しわ押さえ力は49kN、潤滑油は一般防錆油、成形速度は20mm/ 分の同じ条件で行った。
そして、5 回(5枚) のプレス成形ともに、前記張出部の四周囲や平坦なフランジ部に割れが生じなかったものを○、1 回でも前記割れが生じたものを×と評価した。
(曲げ加工性)
曲げ加工性は、前記採取試験片を、パネルとして、プレス成形後にフラットヘム加工されることを模擬して、常温にて、試験片に10% のストレッチを行った後、曲げ試験を行い評価した。試験片条件は、前記採取試験片を、JIS Z 2204に規定される3 号試験片 (幅30mm×長さ200mm)を用い、試験片長手方向が圧延方向と一致するように作製した。曲げ試験は、JIS Z 2248に規定されるVブロック法により、フラットヘム加工を模擬して、先端半径0.3mm 、曲げ角度60度の押金具で60度に曲げた後、更に180 度に曲げた。
そして、曲げ試験後の曲げ部 (湾曲部) の割れの発生状況を観察し、5 回(5枚) の試験共に、曲げ部表面に割れや肌荒れなどの以上が無いものを○、1 回でも割れがあるものを×と評価した。
表1 〜3 の通り、発明例1 〜12は、高MgのAl-Mg 系Al合金板例であっても、その他の合金例であっても、前段の双ロール10への注湯後の板状鋳塊の平均冷却速度50℃/s以上としている。また、後段双ロール11で、中心部まで含めて凝固が完了した板状鋳塊に対して2%以上の圧下を加えている。更に、その後の板状鋳塊の冷間圧延までの工程条件も好ましい範囲内で行なっている。
この結果、発明例1 〜12は、鋳造速度が比較的速い上で、平均結晶粒径が小さく、空隙率が0.5%以下であり、強度延性バランスが高く、また、成形性に優れている。
これに対して、比較例13は、潤滑された前段の双ロール10への注湯後の板状鋳塊の平均冷却速度が40℃/sであり、平均冷却速度が50℃/s未満となって、小さ過ぎる。このため、比較例13は、成形性に劣っている。
比較例14は、鋳造の際の平均冷却速度が50℃/s以上である。しかし、圧下率が1%と不足し、空隙率が0.5%を越えている。したがって、成形性に劣っている。
比較例15は、潤滑されていないが、前段の双ロール10への注湯後の板状鋳塊の平均冷却速度が30℃/sであり、平均冷却速度が50℃/s未満と小さ過ぎる。また板状鋳塊の板厚も35mmと厚いために、後段双ロール11で圧下率2%以上で圧下しても、圧下が不十分となって、空隙率が0.5%を越えている。
比較例16は、鋳造の際の平均冷却速度が50℃/s以上であり、圧下率も2%以上である。しかし、比較例15と同じく板状鋳塊板厚が35mmと厚いにもかかわらず、強制冷却手段12を使用していないために、後段双ロール11では、中心部が未凝固の状態で圧下されたものと推測される。このため、空隙率が0.5%を越えており、成形性も低い。
したがって。これらの結果から、双ロールを連続鋳造ラインに対して2段に配置し、注湯されたアルミニウム合金溶湯を、前段の双ロールにより、平均冷却速度を50℃/s以上として冷却し、次いで、中心部を含めて凝固状態にある板状鋳塊に対して、後段の双ロールによって圧下率を2%以上加えつつ鋳造することの臨界的な意義が分かる。
以上説明したように、本発明によれば、双ロールのタンデム化によって、鋳造速度を速く、生産効率を高めることができる。また、8%を超える高MgのAl-Mg 系合金を含めたアルミニウム合金の、板の材質特性としての、伸びや強度延性バランスを向上させることができ、成形性を向上させることができる。この結果、自動車、船舶、航空機あるいは車両などの輸送機、機械、電気製品、建築、構造物、光学機器、器物の部材や部品などの、成形性が要求されるアルミニウム合金板用途への適用を拡大できる。
本発明に係る縦型連続鋳造装置の一実施態様を示す説明図である。 本発明に係る横型連続鋳造装置の一実施態様を示す説明図である。
符号の説明
1、2、3:鋳塊、4:鋳塊コイル、5:溶湯、
10:前段双ロール、11:後段双ロール、12:強制冷却手段、
13:タンディッシュ、14:堰、15:ピンチロール、16:ガイドロール、17:コイラー、18:注湯ノズル

Claims (8)

  1. 双ロール式連続鋳造方法によって、板厚が30mm以下のアルミニウム合金板状鋳塊を得、この鋳塊を冷間圧延してアルミニウム合金板を製造する方法において、双ロールを連続鋳造ラインに対して2段以上配置し、注湯されたアルミニウム合金溶湯を、前段の双ロールにより、平均冷却速度を50℃/s以上として冷却して、板状鋳塊として凝固せしめ、次いで、中心部を含めて凝固が完了した状態にある板状鋳塊に対し、後段の双ロールによって、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対して合計で2% 以上の圧下率で圧延し、その後冷間圧延されたアルミニウム合金板の空隙率を、50倍の光学顕微鏡の板断面観察による組織中に占める空隙の平均面積率として、0.5%以下とすることを特徴とする成形用アルミニウム合金板の製造方法。
  2. 前記前段の双ロールから出た板状鋳塊を強制的に冷却する請求項1に記載の成形用アルミニウム合金板の製造方法。
  3. 前記アルミニウム合金板状鋳塊が、アルミニウム合金溶湯がAl-Mg 系アルミニウム合金である請求項1または2に記載の成形用アルミニウム合金板の製造方法。
  4. 前記Al-Mg 系アルミニウム合金が、質量% で、Mgを8%を超えて14% 以下含むものである請求項3に記載の成形用アルミニウム合金板の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの製造方法に用いる、アルミニウム合金の双ロール式連続鋳造装置であって、連続鋳造ラインに対して双ロールを2段以上直列に配置し、前段の双ロールにおける、注湯手段から注湯されたアルミニウム合金溶湯の冷却能を平均冷却速度で50℃/s以上とするとともに、後段の双ロールにおける、前段の双ロールから供給された板状鋳塊に対し、鋳造完了後の板状鋳塊の板厚に対して合計で2% 以上の圧下率で圧延する能力を付与したことを特徴とする成形用アルミニウム合金の連続鋳造装置。
  6. 前記前段と後段の双ロール間に、前段の双ロールを出た板状鋳塊の強制冷却手段を設けた、請求項5に記載の成形用アルミニウム合金の連続鋳造装置。
  7. 前記アルミニウム合金溶湯がAl-Mg 系アルミニウム合金である請求項5または6に記載の成形用アルミニウム合金の連続鋳造装置。
  8. 前記Al-Mg 系アルミニウム合金が、質量% で、Mgを8%を超えて14% 以下含むものである請求項7に記載の成形用アルミニウム合金の連続鋳造装置。
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