JP2007020876A - プラスチックチャックおよびそれを備えた袋体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】長さ方向に延在する雄雌一対の爪が嵌合することによって、一方の爪の内側に形成されたリブが他方の爪の内側に形成された溝に押圧されて密閉されるシール部を、雄雌一対の爪が嵌合する嵌合部の内部に設けたプラスチックチャックであって、
プラスチックチャックが、(A)プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体またはこれらの混合物60〜98重量%と、(B)0.940g/cm3以上の密度を有する、エチレン単独重合体、エチレン−αオレフィン共重合体またはこれらの混合物2〜40重量%とを含有する樹脂組成物からなることを特徴とするプラスチックチャックである。
【選択図】図1
Description
したがって、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、レトルト殺菌処理に耐える耐熱性を有し、処理後でも変形が少なく再開封機能を損なわないプラスチックチャックを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、長さ方向に延在する雄雌一対の爪が嵌合することによって、一方の爪の内側に形成されたリブが他方の爪の内側に形成された溝に押圧されて密閉されるシール部を、雄雌一対の爪が嵌合する嵌合部の内部に設けたプラスチックチャックであって、このプラスチックチャックが、(A)プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体またはこれらの混合物60〜98重量%と、(B)0.940g/cm3以上の密度を有する、エチレン単独重合体、エチレン−αオレフィン共重合体またはこれらの混合物2〜40重量%とを含有する樹脂組成物からなることを特徴とするプラスチックチャックである。また、上記樹脂組成物が、スリップ剤0.1〜2重量%をさらに含有することが好ましい。
上記(A)成分が、125〜145℃の融点を有する、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−αオレフィンランダム共重合体またはこれらの混合物であることが好ましい。
上記プラスチックチャックにおいて、プラスチックチャックの長さ方向と直交する方向に、複数のシール部を隣接して設けることが好ましい。
また、本発明は、上記プラスチックチャックを備えた袋体である。
なお、本発明において、レトルト殺菌処理に対しても使用可能な耐熱性を有するとは、プラスチックチャックを備えた袋体を密封した状態で、0.15〜0.3MPaの加圧下、120℃で30分間加熱処理を行った後、再開封機能を保っていることを言う。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るプラスチックチャック10を長さ方向に対して直角に切断した断面を示す図である。図1において、プラスチックチャック10は、長さ方向に延在する一対の雄爪11および雌爪12と、雌爪12の内側に形成されたリブ13と、雄爪11の内側に形成された溝14とを備えている。そして、雄爪11および雌爪12が嵌合することによって、リブ13が溝14に押圧されて密閉されるシール部15を、雄爪11および雌爪12が嵌合する嵌合部16の内部に設けた構成となっている。
雄爪11および雌爪12そのものは、それらの内側にリブ13や溝14を有するとはいえ、従来のプラスチックチャックの爪と本質的に異なるものではなく、雄爪11および雌爪12を押し付けることにより嵌合させることができ、かつ一旦嵌合した雄爪11および雌爪12は内部の圧力によっては開口し難く、外部から開口する時は開口し易い形状のものであれば特に限定されるものではない。
溝14に押圧されるリブ13は、長さ方向に延在する雄爪11および雌爪12と平行に形成されており、その先端部は、例えば、断面が半円状、楕円形状、三角形状、矩形状、梯形状、多角形状等であることができる。製造の容易性から、先端部は、半円形状、楕円形状、矩形状であることが好ましい。
リブ13が押圧される溝14は、長さ方向に延在する雄爪11および雌爪12と平行に形成されており、その断面形状は、雄爪11の内側に形成されているリブ13と密着して密閉を保持することができるように、原則として底部において狭く、頂部が広くなっている逆三角形状(直線でも曲線であっても良いテーパー形状)であることが好ましい。この溝14の構成面は、リブ13が押圧されてシール部15を形成可能であれば平面であっても曲面であっても構わないが、製造効率の観点から僅かの曲率を有する曲面が好ましい。
また、(A)成分は、樹脂組成物中に、好ましくは60〜95重量%、より好ましくは70〜95重量%含有される。
上記(A)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、チグラー系やメタロセン系触媒によって重合される。
また、(B)成分は、樹脂組成物中に、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%含有される。
上記(B)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、30〜100気圧の中圧で行う中圧法、常圧で行う低圧法などの重合法が挙げられる。
図2は、実施の形態2に係るプラスチックチャック20を長さ方向に対して直角に切断した断面を示す図である。図2において、プラスチックチャック20は、プラスチックチャックの長さ方向と直交する方向に、二つのシール部15a,15bが隣接して設けられている以外は実施の形態1と同様の構成である。すなわち、本実施の形態2では、長さ方向に延在する雄爪11および雌爪12が嵌合することによって、雌爪12の内側に形成された二つのリブ13a,13bが雄爪11の内側に形成された二つの溝14a,14bそれぞれに押圧されて、密閉された二つのシール部15a,15bが嵌合部16の内部に形成される構成となっている。そのため、プラスチックチャック20の幅は広くなるが、シールが二重に行えるため密閉度を高くすることができる。このようなプラスチックチャック20は、厚手のフィルムを用いた袋体あるいは大容量の袋体用として有用である。
図3は、実施の形態3に係るプラスチックチャック30を長さ方向に対して直角に切断した断面を示す図である。図3において、プラスチックチャック30は、雄爪11の内側に形成されたリブ13と、雌爪12の内側に形成された溝14とを備えている。すなわち、本実施の形態2では、実施の形態1とは反対の爪の内側にリブ13および溝13がそれぞれ形成されている。そのため、プラスチックチャック30では、実施の形態1と同様に、長さ方向に延在する雄爪11および雌爪12が嵌合することによって、リブ13が溝14に押圧されて密閉されたシール部15を、雄爪11および雌爪12が嵌合する嵌合部16の内部に設けた構成となっている。そのため、チャックの幅は広くなるがシール部が増えるため、密閉性を上げることができる。
図4は、実施の形態4に係るプラスチックチャック40を長さ方向に対して直角に切断した断面を示す図である。図4において、プラスチックチャック40は、雄爪11および雌爪12の嵌合が内圧によっては簡単に外れないように、ロック押え17が雄爪11の外側に設けられている以外は実施の形態1と同様の構成である。このようなプラスチックチャック40は、さらに強度の圧力あるいは大容量の袋体用として有用である。
口径が55mm、L/Dが28の押出機を用い、30m/minの成形速度で成形する。評価基準は下記の通りである。
○:サージングも起きず、チャック形状が安定して成形されている。
△:サージングは起きないが、チャック形状が不安定である。
×:サージングが発生する。
チャック成形後、24時間が経過したあとチャックを嵌合させる。評価基準は下記の通りである。
○:手でチャックが嵌合できる。
△:器具を用いれば嵌合できる。
×:器具を用いても嵌合できない。
プラスチックチャックを備えた袋体を密封した状態で、0.3MPaの加圧下、120℃で30分間、レトルト殺菌処理した後、チャックの開封を行う。評価基準は下記の通りである。
○:チャックの再開封機能を失わず、密閉性を保てる。
△:チャックの再開封機能は失っていないが、変形がすすみ密閉性が保てない。
×:チャックの再開封機能が失われる。
(A)成分として、融点135℃、密度0.900g/cm3、メルトフローレート5.0g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体90.4重量%、(B)成分として、融点134℃、密度0.954g/cm3、メルトフローレート5.3g/10分のエチレン−αオレフィン共重合体9重量%、およびスリップ剤(日本ポリプロピレン株式会社製、SMB)0.6重量%含有する樹脂組成物を用意した。
(A)成分83重量%、(B)成分16.5重量%およびスリップ剤0.5重量%を含有する樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2のプラスチックチャック付き袋体を得た。評価結果を表1に示した。
(A)成分76.6重量%、(B)成分23重量%およびスリップ剤0.4重量%を含有する樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3のプラスチックチャック付き袋体を得た。評価結果を表1に示した。
(A)成分100重量%を含有する樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1のプラスチックチャック付き袋体を得た。評価結果を表1に示した。
(A)成分99.4重量%、スリップ剤0.6重量%を含有する樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2のプラスチックチャック付き袋体を得た。評価結果を表1に示した。
(A)成分50重量%、(B)成分50重量%を含有する樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3のプラスチックチャック付き袋体を得た。評価結果を表1に示した。
Claims (5)
- 長さ方向に延在する雄雌一対の爪が嵌合することによって、一方の爪の内側に形成されたリブが他方の爪の内側に形成された溝に押圧されて密閉されるシール部を、雄雌一対の爪が嵌合する嵌合部の内部に設けたプラスチックチャックであって、
プラスチックチャックが、(A)プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体またはこれらの混合物60〜98重量%と、(B)0.940g/cm3以上の密度を有する、エチレン単独重合体、エチレン−αオレフィン共重合体またはこれらの混合物2〜40重量%とを含有する樹脂組成物からなることを特徴とするプラスチックチャック。 - 樹脂組成物が、スリップ剤0.1〜2重量%をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックチャック。
- (A)成分が、125〜145℃の融点を有する、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−αオレフィンランダム共重合体またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチックチャック。
- プラスチックチャックの長さ方向と直交する方向に、複数のシール部を隣接して設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチックチャック。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラスチックチャックを備えた袋体。
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