JP2007017432A - プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子及びその製造方法 - Google Patents

プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プラズモン共鳴を利用した検知素子の製造方法であって、金属を基板上に規則正しく配置する簡易な方法を提供すること。
【解決手段】 プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子の製造方法であって、導電層を有する基板を用意する工程と、前記導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層を選択的に除去して前記導電層を表出させる工程と、前記表出した導電層上に電解めっき法により金属を析出させる工程と、を有する検知素子の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラズモン共鳴を応用した検知素子、検出装置、及び検知素子の製造方法に関する。本発明は、生体由来の物質又はその類似物質の特異的な認識能を利用したいわゆるバイオセンサに関する。
バイオセンサは生体や生体分子の持つ、優れた分子認識能を活用した計測デバイスである。生体内には、互いに親和性のある物質の組み合わせとして、例えば酵素−基質、抗原−抗体、DNA−DNA等がある。バイオセンサは、これらの組み合わせの一方を基材に固定して、もしくは担持させて、用いることによって、もう一方の物質を選択的に計測できるという原理を利用している。近年では、バイオセンサは医療分野のみならず、環境や食料品等への幅広い応用が期待され、その使用領域を広げるためにも、あらゆる場所に設置あるいは持ち運び可能な小型、軽量なバイオセンサが望まれている。
そして、現在、高感度センシング方式のひとつとして、金属表面や金属微粒子に存在するプラズモンと光の相互作用を利用したセンサの研究が盛んに進められている。
従来の表面プラズモン共鳴を用いたセンサ(SPRセンサ)は、金属薄膜表面に光を入射させた時に、ある特定の角度から入射した光のみが金属表面プラズモンと共鳴して吸収され、反射光が減衰する現象を利用している。この吸収の起こる角度は、金属薄膜の表面状態(屈折率)に敏感であり、入射角を変えながら反射光の強度を測定することによって、金属表面でおきた反応(例えば、抗原−抗体反応)等を測定することができる。
しかし、このSPRセンサには、構成上プリズムが必要であり、光学系が複雑となってしまうという問題があった。また、金属薄膜を真空蒸着で作製するため、曲面状の基板には適用出来ず、基板や装置構造に制限があった。そして、これらの問題により、小型化が困難とされていた。
このような背景において、特許文献1では、金属微粒子における局在プラズモン共鳴(LSPR)を利用したセンサが提案されている。この局在プラズモン共鳴センサは、基板表面に膜状に固定された金属微粒子を透過した光の吸光度を測定することにより金属微粒子近傍の媒質の屈折率を検出するものである。
さらに、特許文献2では、金属粒子を任意の均一なサイズでかつ任意の配列で規則正しく独立に配列することを目的とし、陽極酸化アルミナの複数の細孔に、互いに孤立する金属粒子を形成してプラズモン共鳴デバイスとする発明が開示されている。
更に、特許文献3は、バイオセンサに適用可能な分子認識素子であって、基板上に形成された多孔質膜中の柱状の細孔内に金属材料を導入した後、多孔質膜を除去して得られる柱状構造体に分子認識材料が固定されたものを開示する。そして、金属材料導入の際、電着(電解めっき)を用いても良い旨、開示する。
特開2000−356587号公報 特開2003−268592号公報 特開2004−191341号公報
特許文献1は、金属微粒子を用いた局在プラズモン共鳴センサを開示するが金属微粒子を規則正しく配置する手法について開示がない。また、特許文献2及び特許文献3は、金属微粒子を規則正しく配置する手法について開示するが、ここで開示する手法は、必ずしも簡易な方法とはいえない。
本発明により提供される検知素子の製造方法は、プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子の製造方法であって、導電層を有する基板を用意する工程と、前記導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層を選択的に除去して前記導電層を表出させる工程と、前記表出した導電層上に電解めっき法により金属を析出させる工程と、を有することを特徴とする。
本発明により提供される検知素子の第一の態様は、プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子であって、基板と、該基板表面に設けられた導電層と、該導電層に接続して設けられた複数の金属ドットと、を有し、該金属ドットが表面に露出していると共に、露出した金属ドットの大きさが50nm以上450nm以下の範囲にあることを特徴とする。
本発明により提供される検知素子の第二の態様は、プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子であって、基板と、該基板表面に設けられた導電層と、該導電層に接続して設けられ、複数の開口を備えた金属膜、を有し、前記金属膜が表面に露出していると共に、前記開口の大きさが50nm以上450nm以下の範囲にあることを特徴とする。
また、本発明により提供される検体中の標的物質を検出する装置は、プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検出する装置であって、本発明の検知素子と、前記検知素子に光を照射する光源と、前記検知素子から反射した光あるいは前記検知素子を透過した光を検出する受光素子と、を備えていることを特徴とする。
本発明の検知素子の製造方法は、絶縁層を選択的に除去して導電層を表出させ、そこにプラズモン共鳴を誘起し得る金属を電解めっき法により析出させる。このため、所望の形状の金属を所望の間隔で、析出させることができる。この方法では、リフトオフ法により金属をパターニングして金属ドットを形成する際、金属層の下に位置するレジスト層を除去することにより生ずる恐れのある金属ドットの形状の変動、サイズの変動が抑えられる。また、金等、化学的に非常に安定な金属層をエッチングして金属ドットを形成するには条件の制御が難しいが、このめっき法を用いる方法では比較的容易に金属ドットを形成し得る。
また、本発明の検知素子においては、金属ドットの大きさ、または金属層の開口の大きさを規定したことで高感度の検出を実現できる。
本発明の検知素子の製造方法は、プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子の製造方法であって、導電層を有する基板を用意する工程と、前記導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層を選択的に除去して前記導電層を表出させる工程と、前記表出した導電層上に電解めっき法により金属を析出させる工程と、を有することを特徴とする。この方法では、絶縁層を選択的に除去して導電層を表出させ、そこにプラズモン共鳴を誘起し得る金属を電解めっき法により析出させる。このため、所望の形状の金属を所望の間隔で、析出させることができる。この方法では、リフトオフ法により金属をパターニングして金属ドットを形成する際、金属層の下に位置するレジスト層を除去することにより生ずる恐れのある金属ドットの形状の変動、サイズの変動が抑えられる。また、金等、化学的に非常に安定な金属層をエッチングして金属ドットを形成するには条件の制御が難しいが、このめっき法を用いる方法では比較的容易に金属ドットを形成し得る。
また、本発明の検知素子においては、金属ドットの大きさ、または金属層の開口の大きさを規定したことで高感度の検出を実現できる。
本発明にかかる検知素子は、プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検出するための素子であり、基板上に設けられた導電層に接して金属パターンを配置した構成を有する。この検知素子と、光照射用の光源及び受光素子などを組み合わせて標的物質の検出装置を構成することができる。以下、本発明にかかる検知素子及びそれを用いた検出装置などについて詳細に説明する。
本発明による検知素子は、プラズモン共鳴法を利用して検体中の標的物質を検知する検知素子であって、金属パターンが形成された基板を有し、金属パターンが基板上の導電層と接続して形成されているものを包含する。
(金属パターン)
本発明に係る金属パターンは、プラズモン共鳴現象を発生する金属構造体であり、ドットパターンやホールパターン等特定の形状とすることで、検知素子としての検出感度を向上させることが可能となる。
以下、まずドットパターンを例にして本発明による金属パターンについて説明する。
本発明によるドット形状の金属パターンは、図4のようなドット状の金属(以下、金属ドットと称する)が、基板表面に設けられた導電層に接続して形成されるものである。すなわち、金属ドットは導電層に接して、あるいは、導電層と一体化して設けられており、金属ドットと導電層間が電気的に導通した状態にある。なお、導電層と金属ドットが一体化している構成は、例えば、同一の金属材料からこれらを形成した場合に、導電層と金属ドットが連続した固体層として形成されていることを意味する。後述の製造方法において説明するが、本発明では、金属ドットを、その形状、配置などを精密制御可能な方法で導電層上に形成することができるので、高感度検出に必要な金属ドットの形状及び導電層上での独立配置を容易に得ることができる。尚、この金属ドット間は、図1(a)、のように空隙であり、この空隙によって各金属ドットが孤立化されていてもよいが、図1(b)のように金属ドット間に絶縁層が形成され、この絶縁層によって、各金属ドットが孤立化されていても構わない。また、金属ドット間の相互作用を一定にし、素子の安定化を図るために、金属ドット間の距離は実質的に等間隔になるように金属ドットが配置されていることが望ましい。本発明において、金属ドットの大きさは50nm以上450nm以下の範囲とするのが、良好な検出感度を得る上で好ましい。ここで金属ドットの大きさとは、金属ドットの平面形状における大きさをいい、金属ドットが円形であれば、円の直径をいい、正方形であれば、一辺の長さ、長方形であれば長辺の長さをいう。また、隣接する金属ドット間の距離は、50nm以上2000nm以下の範囲とするの良好な検出感度を得る上で好ましい。これは、金属ドット同士のプラズモンによる相互作用により影響がでるためと考えられる。
金属ドットには、プラズモン共鳴現象を生じうる金属が含まれていればよく、このような金属としては、金、銀及び銅の少なくとも1種を用いることが好ましい。特に、銀は耐食性が弱いものの、銀を用いて検知素子を作成した際の感度が高く、好適に用いられる。金は耐食性が高く、金を用いることで安定な検知素子を作製することができる。さらには、金属ドットは、異なる材料からなる2つ以上の層から形成されていることが好ましい。例えば、金からなる層と、銀からなる層の2層からなる金属ドットを用いれば、銀の耐食性を補いつつ、銀の高い感度を利用する事が可能となり、好適である。本発明においては、図1(c)及び(d)のように2層の金属層からなる金属ドットを簡便に作製することができる。更に、これ以外の金属層の配置や2層以上の多層構造も本発明に適用することが可能である。また、図1(e)のように、導電層を金属ドットの一部とする、つまり金属ドットが導電層を含んで一体形成されることも可能であり、検知素子の透明性を上げる上でも好適である。
また、本発明における金属パターンは、上述のようにホール形状の金属パターンでもよく、この金属パターンは図10のようなホール状の空隙(開口)を有する金属膜が、基板表面に設けられた導電層に接続して形成されるものも包含する。本発明では、前記ホール状の空隙を、その形状、配置などを精密制御可能な方法で導電層上に形成することができるので、高感度検出に必要なホール状空隙の形状及び導電層上での独立配置を容易に得ることができる。このようなホール状空隙を有する金属パターン(以下、ホールパターンと称する)においても、金属の材料、層構成等金属ドットと同様に適宜選択することができる。
尚、本発明においては、模式的に、円柱状のドットやホールを示しているが、検知素子として十分な感度を達成できるような形状であれば、これに限るものではない。本発明においては、金属膜に形成される開口の大きさは、50nm以上450nm以下の範囲とするのが、良好な検出感度を得る上で好ましい。また、隣接する開口間の距離は、50nm以上2000nm以下の範囲とするのが良好な検出感度を得る上で好ましい。
(基板)
基板は、金属パターン、導電層等の必要とされる構造体を保持できれば、材質、形状等限定されるものではなく、樹脂や、ガラス、シリコン等を含む無機材料、金属、金属酸化物等の一般的な基板を用いる事が可能である。但し、金属パターンを透過し、さらに基板を透過した光を「検知素子からの透過光」として検出に用いる場合は、基板は、入射する測定光(入射光)及び、検出を行う光の波長に対して、透明な材質、すなわち検出用の光に対して透光性を有した材料からなることが好ましい。また、金属パターンを透過した後に、基板より反射した光を検知素子からの反射光として検出に用いることも可能であり、この場合、基板としては、入射光、及び検出を行う波長の光を反射する材質により形成したものが利用される。
(導電層)
本発明による検知素子は、金属パターンが基板上の導電層に接続して形成されている。導電層は、基板表面の全面に設けられていてもよく、あるいは基板表面の検出に必要な所定位置の必要な広さの領域に設けられていてもよい。以下、金属パターンがドットパターンである場合を例にして、図を用いて導電層について説明する。図1(a)には、基板11上全面に導電層12を設けた構成を示した。更に、図1(e)のように、各金属ドット13に対応した個別の導電層12を基板11上に設けても良い。また、互いに分離されて形成された複数の導電層の各々に複数の金属ドットを形成したものであってもよい。
後述の製造方法において説明するが、本発明で目的とする高感度検知素子は、導電層に接続して金属パターンが形成されることにより得られるものである。従って、導電層と金属パターンからなる構造は、高感度検出を可能とする導電層と金属パターンの接続構造が得られていれば上述した構造に限定されるものではない。さらに、本発明においては、結果的に、導電層が金属パターンの一部として形成されていてもよい。つまり、図1(e)のように、導電層12が金属層1となり、金属層2とあわせて、2層からなる金属ドットとして用いられても構わない。もちろん、これらの構成はホールパターン等本発明に係る他の形状の金属パターンにおいても同様に適用可能である。
導電層の形成に用いられる導電性材料には、金属、無機酸化物等一般的なものを用いてよい。基板上に導電層を形成することが可能であり、後述の製造方法で説明する電解めっきを良好に行うことができれば、各種材料から選択して導電層形成用材料として用いることができる。なお、図1(e)に示すような金属ドットの一部として導電層を形成する場合は、金属層1を形成可能な材料を選択する。但し、金属ドットを透過し、さらに基板を透過した光を検知素子からの透過光として検出に用いる場合は、次のようにするのが好ましい。即ち、導電層は、検知素子として充分な検出感度を得られる範囲で、入射する測定光(入射光)及び、検出を行う光の波長に対して、実質的に透明な層として形成される。かかる透明層(透光性層)を形成し得る導電性材料を例示すると、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の金属酸化物が挙げられる。また、金属酸化物層以外の導電層としては、金属材料の薄膜が使用可能である。金属材料の薄膜は、金属酸化物系材料と比較すると若干透明性が劣るが、検知素子に適用するには充分な透明性を有し、かつ導電性が高いため好適に用いられる。
(捕捉体)
本発明による検知素子は、金属パターンの表面に、検体中の標的物質を捕捉する捕捉体を有していることが好ましい。使用する捕捉体は、検体中の標的物質の選択に係わる物質であり、例えば、検体中の標的物質と選択的に直接反応する物質(いわゆるレセプター)、標的物質の反応に係わる物質(例えば、標的物質の反応に選択的に触媒作用をもたらす物質)、検体中の標的物質以外の物質を不活性化する物質等である。また、この捕捉体は、検出の有無や程度の表示に係わる機能、例えば、レセプターが放出する物質や残余の物質と反応し発色する機能等を兼ねるものであってもよい。本発明に使用される捕捉体には、酵素、糖鎖、触媒、抗体、抗原、遺伝子、呈色試薬、などが挙げられるがこれに限る物ではない。
次に、これら捕捉体の金属パターン表面への固定又は担持について説明する。上述の捕捉体は、例えば、共有結合、イオン結合、吸着などによって、金属パターン表面に固定又は担持される。捕捉体を金属パターン表面に固定または担持するための方法は、捕捉体が、その機能を保持して良好に金属パターン表面に固定又は担持される方法であれば特に限定されない。
結合による方式では、金属パターン表面に直接作用できる反応基を持った捕捉体を直接反応させて結合させてもよいし、金属パターン表面に直接作用出来る架橋材料を反応させて、さらにこの架橋材料に捕捉体を反応させることで結合させても構わない。例えば、金属パターンが金、銀もしくは銅を含む場合は、チオール基やアミノ基等を有する捕捉体を直接固定化させることができる。また、このこれらチオール基やアミノ基等を有するシランカップリング剤等を金属パターン表面に反応させて、さらにこのシランカップリング剤に捕捉体を結合させることで担持することもできる。吸着による方式では、捕捉体と、金属パターンの材質との組み合わせにおいて、適当な親和性を有する組み合わせを選択すればよい。また、金属パターン表面をいったん表面修飾することで、適当な親和性を有する表面を形成し、捕捉体を固定化することも可能である。
(検出装置)
次に、本発明による、検出装置について説明する。本発明による検出装置は、上述の構成を有する検知素子と、検知素子に光を照射する光源と、検知素子から反射もしくは透過した光の特性を検出する受光素子とを備えていることを特徴とする。検知素子に標的物質を含む検体を接触させると、金属パターン近傍の物理的特性が変化する。そして、検知素子に対して光照射し、さらに、検知素子から透過もしくは反射した光を検出することで、金属パターン近傍の物理的な特性変化を検出することが可能と成る。特に、本発明においては、基板、導電層を光学的に透明な材料から形成することが可能であり、検知素子から透過した光の特性を検出する検出装置においてさらに効果が高い。
尚、本発明の検出装置における標的物質は、検出対象物質そのものでもよいし、検出対象物質に特異的に含まれている成分やその一部であってもよい。例えば、検出対象物質がタンパク質の場合、タンパク質そのものが標的物質であってもよく、あるいはそのタンパク質に特異的な部分アミノ酸配列が標的物質であってもよい。更に、本発明にかかる検出装置は、標的物質を直接捕捉体が捕捉することでこれを検出するものであっても、標的物質の存在を示す標的物質由来のあるいは標的物質以外の物質を捕捉体が捕捉することで間接的に標的物質を検出するものであってもよい。
例えば、測定対象は生体物質に限るものではなく、またそのサイズも限定されるものではない。ただし、標的物質は糖、蛋白質、アミノ酸、抗体、抗原や疑似抗原、ビタミン、遺伝子などの生物に含有される生体物質、及び、その関連物質や人工的に合成された擬似生体物質であることが望ましい。また、前記捕捉体を複合して使用することも可能であり、例えば、複合酵素センサ、抗体−酵素センサ、酵素−微生物ハイブリッドセンサ、などの検出装置を構成することも可能である。
(検知素子の製造)
次に、本発明による検知素子の製造方法について説明する。例えば、以下の工程(A)〜工程(D)を行うことにより、検知素子を作製することが出来る。
<工程(A):導電層を有する基板を用意する工程>
導電層を有した基板は、ITOコートガラス基板、FTOコートガラス基板等市販の基板を用いてもよいし、任意の基板上に導電層を形成して作製してもよい。形成方法としては、スパッタ法、真空蒸着法等の物理的作製法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、及びCVD法等の化学的作製方法等が採用できる。
<工程(B):導電層上に絶縁層を形成する工程>
絶縁層は、電界めっきによる金属パターン形成用の型として機能させる目的で基板上に形成するものである。従って、絶縁層を形成するための絶縁材料は、基板上に、電解めっきされない領域、つまり金属パターンが形成されない領域を形成出来る材料であればよい。このような絶縁層形成用の材料としては、いわゆるフォトレジスト材料や電子線レジスト材料、X線レジスト材料等が好適に用いられる。
本発明においては、工程(C)により絶縁性材料層が除去される領域のサイズによって、形成されるドットパターンの金属ドットやホールパターンのホール状空隙のサイズも制御可能である。金属ドットやホール状空隙(開口)のサイズは、断面が円形の場合、その直径が50nm以上450nm以下であることが実用上プラズモン共鳴法を利用した検出に適している。このように範囲のサイズの金属ドットやホール状空隙(開口)を形成する場合は、450nm以下のサイズでパターニングできるフォトレジスト材料が、絶縁性材料として好ましい。特に、ArF、KrF、F2レーザー等を用いたパターニング技術は数百nm以下のパターニングを可能とする技術であり、フッ素系高分子といったこれらに用いられるレジスト材料は本発明における絶縁性材料として好適に用いられる。電子線描画を用いたパターニング技術も同様に微細なパターニングを可能とする技術であり、これに用いられる電子線レジスト材料も絶縁性材料として好ましい。微細パターンを書き込んだマスクを形成し、X線で露光しパターニングするという方法も微細なパターニングを可能とする技術であり、これに用いられるX線レジスト材料も、絶縁性材料として好適に使用可能である。またこのような微細なパターニング技術には、フォトリソグラフィー、電子線リソグラフィー、X線リソグラフィーに代表されるトップダウン方式の技術だけでなく、ボトムアップ方式による技術も数多く提案されており、本発明にも好適に適用できる。例えば、相分離を利用して微細なパターン形成を可能とする、ブロックポリマー、グラフトポリマーは絶縁性材料として好適に用いられる。これらのポリマーは2種類以上のポリマー鎖からなり、相分離を起こさせた後に選択的1相以上のポリマー相を除去することで微細なパターニングが可能と成る。
これらの絶縁性材料からなる絶縁層が導電層上に形成される。絶縁層は、例えば、絶縁性材料、もしくは、絶縁性材料が含まれる溶液を、スピンコート法やディップコート法等で導電層上に塗布する事で形成可能である。このように塗布により形成する方法は簡便であり好ましい。
<工程(C):絶縁層を選択的に除去して導電層を表出させる工程>
本工程により、導電層の表面の所定部が露出し、工程(D)により金属パターンが形成される領域が形成される。例えば、工程(B)において、絶縁性材料にフォトレジスト材料を用いた場合は、マスクを介して、露光、現像等を行うことで、絶縁層の所定部を選択的に除去することが可能と成る。尚、このようにフォトリソグラフィー技術を用いる方法は、マスクにより、後に形成する金属ドットやホール状空隙等のサイズ、間隔等を制御出来、好ましい。また、工程(B)において、絶縁性材料に電子線レジストを用い、本工程に電子線リソグラフィー法を用いる場合は、フォトリソグラフィーのようなマスクを必要とせず直接露光によってさらに微細なパターンの直接書き込みが可能となる。また、工程(B)において、絶縁性材料にX線レジストを用いる場合は、X線リソグラフィー技術により、絶縁層のパターニングが可能となる。電子線露光で微細パターンを書き込んだ電子線マスクを形成し、X線で露光するといったX線リソグラフィー技術を用いれば、ナノ領域の微細なパターン形成とマスクを用いることによる生産性向上(製造時間の短縮化)の両方が可能となる。また、例えば、工程(B)において、絶縁性材料にブロックポリマー、グラフトポリマー等を用いた場合は、絶縁層形成後に相分離を起こさせ、その後相分離したポリマー相を選択的に除去することで、絶縁層の所定部を位置選択的に除去することが可能と成る。ポリマー相の選択的除去には、相分離したポリマー相の特性の差を利用すればよい。例示すると、溶解性、熱分解性、光分解性等の特性の差を利用してポリマー相の選択的除去を行うことができる。このようにブロックポリマーやグラフトポリマーの相分離を用いる方法も簡便で、更に低コストであり好ましい。尚、相分離を誘起するために、絶縁層形成後にガラス転移温度以上に加熱してもよい。また、前記の特性差を利用した除去において、除去が充分でなく、導電性材料層が表面に露出しない場合は、酸素プラズマで軽くエッチングしてもよい。
<工程(D):表出した導電層上に金属を析出させる工程>
本工程により、工程(C)において絶縁性材料が選択的に除去された領域に、金属パターンが形成される。本発明においては、金属パターン形成に、電解めっき法を用いるため、導電層が表面に露出した領域を起点に金属パターンが選択的に形成される。この金属パターンのサイズや形状は電解めっき時の電流密度、めっき時間を適宜選択することにより、制御可能である。よって、本発明における製造方法を用いれば、金属ドットやホール状空隙をそれぞれ独立して形成させることができ、検知素子、検出装置としての感度、安定性を向上させることが可能である。また、いったん、金属パターンを作製したのちに、さらにその金属パターン層を起点に電解めっきを行うことも可能であり、2層以上の材料層からなる金属パターンを形成することも可能である。
尚、本工程の後に、残っている絶縁層の全部もしくは一部を除去してもよい。この場合、検体と接触できる金属パターンの表面積が増加し、検知素子、及び検出装置の感度向上に寄与することが出来る。
以上の工程(A)〜工程(D)を行うことより、検知素子を作製することが出来る。
以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、材料、組成条件、反応条件等、本発明で目的とする機能を有する検知素子及び検出装置が得られる範囲で自由に変えることが可能である。
(実施例1)
本実施例は、導電性材料としてITOを用い、基板上に金からなる金属ドットパターンを作製し、金属ドットに捕捉体として抗体を担持させて検知素子を作製した例である。本実施例では、フォトリソグラフィー技術を用いるため、金属ドットのサイズや間隔均一性が高く良好な検知素子を得る事が可能と成る。
まず、ガラス基板にスパッタ法によりITOを成膜し、ITOコートガラス基板を用意する。このITOコートガラス基板は、図2(a)に示す基板21上に導電層22を積層した構造を有する。次に、ガラス基板上のITO層上に、フォトレジスト材料を用い、スピンコート法でフォトレジスト層を形成、プリベークし、絶縁層とする(図2(b))。次に、絶縁層に対して、マスクを通して露光し、現像すると、絶縁層がパターニングされ、絶縁層の所定部が選択的に除去された領域(以下、除去領域と称する)が複数形成される(図2(c)。尚、本実施例における絶縁層中の除去領域の形状は、直径100nmの円筒状であり、その底面に導電層が露出した状態にある。また、これらの除去領域は300nmの間隔をもって等間隔で配置される。次に、電源(不図示)と導電層を接続し、この基板を市販の金用電解めっき液中に入れる。そして、40℃に保持した酸性浴(pH=4.5)中において、0.5A/dmの電流密度を導電層に印加し、金の電着を行い、絶縁層に形成した除去領域中に金からなる金属ドット(金ドット)を形成する(図2(d))。尚、この電解めっきにおいて、電流密度やめっき時間を適宜制御することで、金ドット形状を変えることができる。例えば、図3(a)のように絶縁層の厚み以下の大きさで金ドットを形成することができ、ディスク状の金ドットを形成することが可能である。ディスク状の金属ドットは検知素子としての感度を高めることが可能である。また、図3(b)のように絶縁層の厚みと略同じ大きさで金ドットを形成してもよい。この場合、絶縁層が厚い場合は、形成される金属ドットのサイズ、表面積を大きくすることが出来、後に担持される捕捉体や反応する標的物質の量を増大させることができる。さらには、図3(c)のように、金属ドットが絶縁層上に溢れても、隣接する金属ドットと接触したり、接合することがなければ、本発明では効果を損なうものではなく、好適に用いることが可能である。
次に、必要に応じて、フォトレジスト層を剥離液もしくは酸素プラズマにより除去する。
以上の操作を経る事で、ガラス基板上の導電性材料層上に、図2(e)に示すような金からなる金属ドットが均一なサイズで等間隔に形成される。
次に、金ドット表面に捕捉体として抗体を固定化する。本実施例では、抗体としてウサギ抗マウスIgG抗体を用いる。まず、チオール基を持つ、11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液をガラス基板上に塗布する。この操作により、金ドット表面に固定されたカルボキシル基が露出される。次に、N−Hydroxysulfosuccinimide(同仁化学研究所社製)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride(同仁化学研究所社製)水溶液を同様に塗布する。これらの操作により、金ドット表面にスクシンイミド基が露出することになる。続いて、ウサギ抗マウスIgG抗体/トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)にガラス基板を浸漬する。そして、金ドット表面上に形成されたスクシンイミド基とウサギ抗マウスIgG抗体のアミノ基を反応させることにより、ウサギ抗マウスIgG抗体を金ドット表面に固定化する。
以上の操作を経る事で、捕捉体として、ウサギ抗マウスIgG抗体を有した検知素子を作製することができる。
次に、以上の操作で作製した検知素子を備えた検出装置の例を説明する。尚、本実施例は検知素子を透過した光により検出を行う例である。図4(a)は本実施例による検出装置を模式的に示した図である。検出装置は、検知素子44、光源45、受光素子46を備える。本実施例では、光源にキセノンランプを用いるが、ハロゲンランプ、水銀ランプ等、検体付与前後に特性変化をおこす波長領域を含む光を照射できる光源であればこれに限らない。また、検出時の光源の位置は、図4(a)に模式的に示すように、検知素子内の金属ドットに測定光を照射しえる位置であり、受光素子の位置は検知素子を透過した測定光の特性を検出しうる位置である。本実施例では、受光素子にシリコンのフォトダイオードを使用するが、フォトマル等、検体付与前後に特性変化をおこす波長領域を受光できる受光素子であればこれに限らない。尚、この他に、図示しない分光検出器が受光素子に備えられていても構わない。さらには、図示しないが、検出した特性変化を演算する演算装置、検出結果を表示する表示手段等が備えられていることが好ましい。
次に、作製した検出装置を用いて標的物質を検知する例を説明する。まず、上記検出時の位置関係に、検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、検知素子に標的物質としてマウスIgGが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体を付与し、検知素子と接触させ、金ドットの有する捕捉体と反応させる。この反応後、金属ドット表面をリン酸緩衝溶液で洗浄してもよい。その後再び、上記検出時と同様な位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。検体付与前後のスペクトル変化は、金ドットのプラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検知素子上で抗原抗体反応が起こり、捕捉体により標的物質が捕捉されたことを意味する。よって、スペクトル変化を検出することで、検体中の標的物質を検知することが可能と成る。
また、ここでスペクトルの変化と標的物質濃度の関係については、あらかじめ、既知の複数濃度の標準検体を用いて、スペクトル変化と濃度の関係を取得しておく。そしてこの関係をもとに検量線を求めスペクトル変化と濃度の関数を求めておけば、この関数を用いて、実際の計測時のスペクトル変化から標的物質濃度を求めることができる。
尚、ここではスペクトルの変化と記載したが、このスペクトル変化は、最大値をもつ波長でのスペクトルピークの変化でもよいし、スペクトルピーク波形の半値幅等ピーク形状の変化をもちいてもよい。さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度をもちいても構わない。
以上の説明したように、本発明により、検体中の標的物質を充分な感度で検知することが可能と成る。
(実施例2)
本実施例は、導電性材料としてITOを、絶縁性材料としてブロックポリマーを用い、基板上に金からなる金属ドットパターンを作製し、金属ドットに捕捉体として抗体を担持させて検知素子を作製した例である。ブロックポリマーを絶縁層に用いた場合は、微小なサイズの金属ドットを簡便に形成することが可能と成る。
まず、実施例1と同様にITOコートガラス基板を用意する(図5(a))。次に、ガラス基板上のITO層(導電層)上に、市販のブロックポリマーであるPS−b−MMA(ポリスチレン−メチルメタクリレート共重合体)(創和科学社製)をトルエンに溶解し、スピンコートして、絶縁層を形成する(図5(b))。次に、基板を150℃に加熱して、ブロックポリマーの相分離を誘起する。次に、ドライエッチングもしくは、UV照射後に酢酸に浸漬することでMMAを選択的に分解除去すると、絶縁層が部分的に除去されて底部に導電層が露出した除去領域が複数形成される(図5(c))。尚、本実施例における除去領域の形状は、直径50nmの円筒状である。
次に、電源(不図示)と導電性材料層を接続し、この基板を市販の金用電気メッキ液中に入れる。そして、40℃に保持した酸性浴(pH=4.5)中において、0.5A/dmの電流密度を導電層に印加し、金の電着を行い、除去領域中に金ドットを形成する(図5(d))。次に、絶縁層をドライエッチングにより除去する。
以上の操作を経る事で、ガラス基板上の導電層上に、図5(e)に示すような金からなる金属ドット(金ドット)が略均一なサイズで形成される。
次に、実施例1と同様な方法で、金ドット表面に捕捉体としてウサギ抗マウスIgG抗体を固定化し、検知素子を作製する。
次に、以上の操作で作製した検知素子を備えた検出装置の例を説明する。尚、本実施例は検知素子を反射した光により検出を行う例である。図4(b)は本実施例による検出装置を模式的に示した図である。検出装置は、検知素子、光源、受光素子を備える。検出時の光源の位置は、図4(b)に模式的に示すように、検知素子内の金ドットに測定光を照射しえる位置であり、受光素子の位置は検知素子を反射した測定光の特性を検出しうる位置である。尚、この他に、図示しない分光検出器が受光素子に備えられていても構わない。さらには、図示しないが、検出した特性変化を演算する演算装置、検出結果を表示する表示手段等が備えられていることが好ましい。
次に、作製した検出装置を用いて標的物質を検知する例を説明する。まず、上記検出時の位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、検知素子に標的物質としてマウスIgGが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体を付与し、検知素子と接触、捕捉体と反応させる。この反応後、金属ドット表面をリン酸緩衝溶液で洗浄してもよい。その後再び、上記検出時と同様な位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。検体付与前後のスペクトル変化は、金ドットのプラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検知素子上で抗原抗体反応が起こり、捕捉体により標的物質が捕捉されたことを意味する。よって、スペクトル変化を検出することで、検体中の標的物質を検知することが可能と成る。
尚、実施例1と同様に検量線を求める事で、標的物質濃度を求めることも可能である。また、実施例1と同様に、スペクトル変化は、スペクトルピーク波長の変化でもよいし、スペクトルピークの形状の変化をもちいてもよく、さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度をもちいても構わない。
以上のように、本発明により、検体中の標的物質を充分な感度で検知することが可能と成る。
(実施例3)
本実施例は、導電性材料としてITOを用い、基板上に金と銀2層から成るから金属ドットを作製し、金属ドットに捕捉体として複数の抗体を担持させて検知素子を作製した例である。本実施例では、2層の金属から金属ドットを構成するため、高感度化と耐食性向上の両方に寄与することが可能である。
まず、実施例1と同様にITOコートガラス基板を用意する(図6(a))。次に、ガラス基板上のITO層(導電層)上に、フォトレジスト材料を用い、スピンコート法でフォトレジスト層を形成、プリベークし、絶縁層とする(図6(b))。次に、フォトレジスト層に対して、マスクを通して露光し、現像すると、フォトレジスト層がパターニングされ、底部に導電層が露出した除去領域が複数形成される(図6(c))。尚、本実施例における除去領域の形状は、直径100nmの円筒状であり、これらの除去領域は、400nmの間隔をもって略等間隔に配置されている。
次に、電源(不図示)と導電性材料層を接続し、この基板を市販の銀用電気メッキ液中に入れる。そして、45℃に保持したアルカリ浴(pH=12)中において、1A/dmの電流密度を導電層に印加し、銀の電着を行い、ホール内に銀からなる金属層1(銀ドット)を形成する(図6(d))。さらに、この基板を市販の金用電気メッキ液中に入れ、金の電解めっきを行う。すると、銀ドット上に金が析出し、金からなる金属層2が形成される。尚、2度の電解めっき処理により、隣接した金属ドットどうしが接触しないように、適宜、電流密度や、めっき時間等電解めっきの条件を設定するとよい。
以上の操作を経る事で、ガラス基板上の導電性材料層上に、図6(e)に示すような金と銀の2層からなる金属ドット(金/銀ドット)が略均一なサイズ、間隔で形成される。
次に、金属ドット表面に捕捉体として、抗体を固定化する。本実施例では、抗体として抗CEA抗体、抗AFP抗体、抗PSA抗体、抗PAP抗体を用いる。まず、11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液で金属ドットに対して表面修飾する。この際に、図7に示すように、反応領域についてのみスポッタ等を用いて規定量の溶液を滴下する。これにより、金属ドット表面にカルボキシル基が露出される。その状態で、N−Hydroxysulfosuccinimide(同仁化学研究所社製)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride(同仁化学研究所社製)水溶液を同様にスポッタにて反応領域に滴下する。これにより、金属ドット表面にスクシンイミド基が露出される。さらに、ストレプトアビジンを結合させることにより、金属ドット表面がストレプトアビジンで修飾される。この金属ドットに、ビオチン修飾した抗体を固定化する。この際、図7の反応領域A〜Dそれぞれに、抗CEA抗体、抗AFP抗体、抗PSA抗体、抗PAP抗体の各々をそれぞれ個々に付与し、固定化する。
次に、以上の操作で作製した検知素子を備えた検出装置の例を説明する。尚、本実施例は検知素子を透過した光により検出を行う例である。本実施例における検出装置は、検知素子の反応領域に対して、光源と受光素子を備える。検出時の光源の位置は、実施例1と同様に、図4(a)に模式的に示すような、検知素子内反応領域中の金属ドットに測定光を照射しえる位置である。受光素子の位置は検知素子を透過した測定光の特性を検出しうる位置である。尚、この他に、図示しない分光検出器が受光素子に備えられていても構わない。さらには、図示しないが、検出した特性変化を演算する演算装置、検出結果を表示する表示手段等が備えられていることが好ましい。尚、本実施例では、複数の反応領域に対して検出を行う。よって、各反応領域それぞれに対して、光源、検知素子が備えられてもよい。しかし、光源、受光素子に対して、各反応領域を検出位置に配置するための移動手段や、逆に各反応領域に対して光源、受光素子を検出位置に配置するための移動手段を設けることがより好ましい。もしくは、各反応領域に対して検出可能な方向に測定光を屈折させる手段等を設けてもよい。
次に、作製した検出装置を用いた検出方法の例を説明する。まず、上記検出時の位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、実施例1と同様な方法で、基板上に標的物質としてCEAが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体を付与し、検体を検知素子に接触、反応させる。この反応後、リン酸緩衝溶液で洗浄するとよい。その後再び、上記検出時と同様な位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、各反応領域についてスペクトルを検出する。さらに、標的物質として、AFP、PSA、PAPが含まれたリン酸緩衝溶液それぞれに対しても、同様に反応、洗浄を行い、スペクトルを検出する。
検体付与前後のスペクトル変化は、金属ドットのプラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検知素子上で抗原抗体反応が起こり、捕捉体により標的物質が捕捉されたことを意味する。よって、本実施例のように、検知素子上に複数の反応領域を設け、それぞれに異なる捕捉体を担持した場合は、それぞれの抗原抗体反応が起きた場合に、それに対応する反応領域に対して、スペクトル変化が観測される。また、これらの複数の抗原を同時に付与した場合でも、各反応領域は反応を起こし、スペクトル変化を観測することが出来る。
以上のように、本発明により、検体中の複数の標的物質を充分な感度で検知することが可能と成る。
(実施例4)
本実施例は、導電性材料としてITOを用い、基板上に銀と金2層から成るから金属ドットを作製し、絶縁層を除去したあとに、金属ドットに捕捉体として抗体を担持させて検知素子を作製した例である。さらに、検知素子を備えた検出装置を作製し、連続的に標的物質の検出を行った例である。本実施例では、絶縁層を除去しているため、検体に露出する金属ドットの有効表面積を大きくすることができる。また、流路中に本発明を適用することで、検出装置のマイクロチップ化も可能となる。
まず、実施例1と同様に、ITOコートガラス基板を用意し、フォトレジスト材料より絶縁層を形成し、絶縁層をフォトリソグラフィー法によりパターニングし、除去領域を複数形成する。この際、後に流路内の反応領域となる領域に除去領域が形成されるようにする。さらに実施例3と同様に、銀の電解めっき、続いて、金の電解めっきを行い、図6(e)に示すような銀と金の2層からなる金属ドット(銀/金ドット)を形成する。さらに、絶縁層(フォトレジスト層)を剥離液もしくは酸素プラズマにより除去する。
以上の操作を経る事で、ガラス基板上の導電性材料層上に、図6(f)に示すような金と銀からなる金属ドット(金/銀ドット)がほぼ均一なサイズ、間隔で形成される。
次に溝を設けた樹脂からなるカバーをガラス基板上に固定化し、流路を作製する。このとき、流路内に金属ドットが形成された反応領域が配置されるように、図8のように、カバーと基板、反応領域を配置し、検知素子を作製する。
次に、金属ドット表面に捕捉体として、抗体を固定化する。本実施例では、実施例1と同様に、抗体としてウサギ抗マウスIgG抗体を用いる。固定化方法は、実施例1と同様の11−Mercaptoundecanoic acidエタノール溶液、
N−Hydroxysulfosuccinimide、
Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride水溶液、
ウサギ抗マウスIgG抗体/トリス−塩酸緩衝液を順次、流路内に流すことで行う。
以上の操作を経る事で、捕捉体として、ウサギ抗マウスIgG抗体を有した検知素子を作製することができる。
次に、以上の操作で作製した検知素子を備えた検出装置の例を説明する。尚、本実施例は検知素子を透過した光により検出を行う例である。
図8は本実施例による検出装置を模式的に示した図であり、図8(a)は斜視図、図8(b)は断面図である。検出装置は、検知素子に対して、光源と受光素子を備える。よって、検出時の光源の位置は、図8(b)に模式的に示すように、検知素子内の金属ドットに測定光を照射しえる位置である。受光素子の位置は検知素子を透過した測定光の特性を検出しうる位置である。尚、この他に、図示しない分光検出器が受光素子に備えられていても構わない。さらには、図示しないが、検出した特性変化を演算する演算装置、検出結果を表示する表示手段、ポンプ等流路内への検体送液手段等が備えられていることが好ましい。
次に、作製した検出装置を用いた検出方法の例を説明する。まず、上記検出時の位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、実施例1と同様なマウスIgGが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体を流路内に導入、送液し、検体を検知素子に接触、捕捉体と反応させる。その後再び、上記検出時と同様な位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。検体付与前後のスペクトル変化は、金属ドットのプラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検知素子上で抗原抗体反応が起こり、捕捉体により標的物質が捕捉されたことを意味する。尚、実施例1と同様に検量線を求める事で、標的物質濃度を求めることも可能である。また、実施例1と同様に、スペクトル変化は、スペクトルピーク波長の変化でもよいし、スペクトルピークの形状の変化をもちいてもよく、さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度をもちいても構わない。また、本発明は流路中に検知素子を設けた構成であるため、送液しながら検出し続けることで、経時変化や反応量の変化を検出することも可能である。
以上のように、本発明により、流路中においても、検体中の標的物質を充分な感度で検知することが可能と成る。
(実施例5)
本実施例は、導電性材料として銀薄膜を用い、基板上に金と銀の2層から成るから金属ドットを作製し、さらに、金属ドットに捕捉体として抗体を担持させて検知素子を作製した例である。さらに、検知素子を備えた検出装置を作製し、標的物質の検出を行った例である。尚、本実施例のように導電層を金属ドットの一部とすることで、感度を維持しつつ、基板の透明度を上げることが可能と成る。
まず、ガラス基板上に銀の薄膜を成膜し、基板とする(図9(a))。成膜方法は蒸着等一般的な方法が適用できる。次に、ガラス基板上の銀薄膜(導電層)上に、実施例1と同様に、フォトレジスト材料より絶縁層を形成し(図9(b))、絶縁層をフォトリソグラフィー法によりパターニングし、絶縁層中に除去領域を複数形成する(図9(c))。さらに実施例1と同様に、金の電解めっきを行い、金属層1を形成し(図9(d))、続いて、実施例1と同様に、絶縁層を剥離液もしくは酸素プラズマにより除去する(図9(e))。次に、銀をエッチングする。本実施例では、金属層1が金であり、金と銀のエッチング耐性の差を利用し、金からなる金属層1をマスクとすることで、銀を選択的にエッチング除去することができる。
以上の操作を経る事で、ガラス基板上の導電層上に、図9(f)に示すような、金と銀からなる金属ドット(金/銀ドット)が略均一なサイズ、間隔で形成される。
次に、金属ドット表面に捕捉体として、抗体を固定化する。本実施例では、抗体として抗AFP(a−fetoprotein)抗体を用いる。まず、実施例1と同様の方法で、11−Mercaptoundecanoic acidを用い、金属ドットを表面修飾し、表面にカルボキシル基を形成する。次に、N−Hydroxysulfosuccinimide(同仁化学研究所社製)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride(同仁化学研究所社製)水溶液を塗布することで、金属ドット表面にスクシンイミド基が露出される。さらに、ストレプトアビジンを結合させることにより、金属ドット表面がストレプトアビジンで修飾される。この金属ドットにビオチン化した抗AFP抗体を固定化する。
以上の操作を経る事で、捕捉体として、抗AFP抗体を有した検知素子を作製することができる。
次に、以上の操作で作製した検知素子を備えた検出装置の例を説明する。尚、本実施例は検知素子を透過した光により検出を行う例である。
本実施例における検出装置は、検知素子の反応領域に対して、光源と受光素子を備える。検出時の光源の位置は、実施例1と同様に、図4(a)に模式的に示すような、検知素子内の金属ドットに測定光を照射しえる位置である。受光素子の位置は検知素子を透過した測定光の特性を検出しうる位置である。尚、この他に、図示しない分光検出器が受光素子に備えられていても構わない。さらには、図示しないが、検出した特性変化を演算する演算装置、検出結果を表示する表示手段等が備えられていることが好ましい。
次に、作製した検出装置を用いて標的物質を検知する例を説明する。まず、上記検出時の位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、検知素子に標的物質としてAFPが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体を付与し、検知素子と接触、捕捉体と反応させる。この反応後、金属ドット表面をリン酸緩衝溶液で洗浄してもよい。その後再び、上記検出時と同様な位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。検体付与前後のスペクトル変化は、金属ドットのプラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検知素子上で抗原抗体反応が起こり、捕捉体により標的物質が捕捉されたことを意味する。よって、スペクトル変化を検出することで、検体中の標的物質を検知することが可能と成る。
尚、実施例1と同様に検量線を求める事で、標的物質濃度を求めることも可能である。
また、実施例1と同様に、スペクトル変化は、スペクトルピーク波長の変化でもよいし、スペクトルピークの形状の変化をもちいてもよく、さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度をもちいても構わない。
以上のように、本発明により、検体中の標的物質を充分な感度で検知することが可能と成る。
(実施例6)
本実施例は、導電性材料としてITOを用い、基板上に金からなる金属パターン(ホールパターン)を作製し、金属パターンに捕捉体として抗体を担持させて検知素子を作製した例である。本実施例では、フォトリソグラフィー技術を用いるため、ホール状空隙(開口)のサイズや間隔均一性が高く良好な検知素子を得る事が可能と成る。
まず、実施例1と同様にITOコートガラス基板を用意する(図11(a))。次に、ガラス基板上のITO層上に、フォトレジスト材料を用い、実施例1と同様に絶縁層を形成する(図11(b))。次に、絶縁層に対して、マスクを通して露光し、現像すると、絶縁層がパターニングされ、図11(c)のような、それぞれが独立した絶縁層からなる領域(以下、絶縁性領域と称する)が複数形成される。尚、本実施例における、絶縁性領域の形状は、直径200nmの円筒状であり、その周囲の除去領域の底面は導電層が露出した状態にある。また、これらの絶縁性領域は300nmの間隔をもって等間隔で配置される。
次に、実施例1と同様に、電源(不図示)と導電層を接続し、この基板を市販の金用電解めっき液中に入れる。そして、40℃に保持した酸性浴(pH=4.5)中において、0.5A/dmの電流密度を導電層に印加し、金の電着を行い、除去領域中に金からなる金属パターンを形成する(図11(d))。次に、フォトレジスト層を剥離液もしくは酸素プラズマにより除去する。
以上の操作を経る事で、ガラス基板上の導電層上に、図11(e)に示すような、ホール状空隙が均一なサイズで等間隔に配置され、金からなるホール状の金属パターンが、形成される。
次に、実施例1と同様な方法で、金パターン表面に捕捉体としてウサギ抗マウスIgG抗体を固定化し、検知素子を作製する。
次に、以上の操作で作製した検知素子を備えた検出装置の例を説明する。尚、本実施例は検知素子を透過した光により検出を行う例である。
本実施例における検出装置は、検知素子の反応領域に対して、光源と受光素子を備える。検出時の光源の位置は、実施例1と同様に、検知素子内の金パターンに測定光を照射しえる位置である。受光素子の位置は検知素子を透過した測定光の特性を検出しうる位置である。尚、この他に、図示しない分光検出器が受光素子に備えられていても構わない。さらには、図示しないが、検出した特性変化を演算する演算装置、検出結果を表示する表示手段等が備えられていることが好ましい。
次に、作製した検出装置を用いて標的物質を検知する例を説明する。まず、上記検出時の位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、検知素子に標的物質としてマウスIgGが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体を付与し、検知素子と接触、捕捉体と反応させる。この反応後、金属パターン表面をリン酸緩衝溶液で洗浄するとよい。その後再び、上記検出時と同様な位置関係に検知素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。検体付与前後のスペクトル変化は、金属パターンのプラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検知素子上で抗原抗体反応が起こり、捕捉体により標的物質が捕捉されたことを意味する。よって、スペクトル変化を検出することで、検体中の標的物質を検知することが可能と成る。
尚、実施例1と同様に検量線を求める事で、標的物質濃度を求めることも可能である。
また、実施例1と同様に、スペクトル変化は、スペクトルピーク波長の変化でもよいし、スペクトルピークの形状の変化をもちいてもよく、さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度をもちいても構わない。
以上のように、本発明により、検体中の標的物質を充分な感度で検知することが可能と成る。
本発明における基板上に形成された導電層、金属ドットの例を示す模式図である。 実施例1における金属ドットの作製過程を模式的に示した図である。 本発明における金属ドットと絶縁層の断面形状を示した模式図である。 実施例1及び2による検知装置の例を示した図である。 実施例2における金属ドットの作製過程を模式的に示した図である。 実施例3における金属ドットの作製過程を模式的に示した図である。 実施例3による基板上の反応領域の例を示す模式図である。 実施例4による検出装置の例を示す模式図である。 実施例5における金属ドットの作製過程を模式的に示した図である。 本発明における基板上に形成された導電層、金属ホールパターンの例を示す模式図である。 実施例6における金属ホールパターンの作製過程を模式的に示した図である。
符号の説明
11、21、31、41、51、61、71、81、91、101、111 基板
12、22、32、34、42、52、62、92、102、112 導電層
13、43、55、67、85、97 金属ドット
14、23、33、53、63、93、113 絶縁層
15、25、65、95 金属層1
16、66、96 金属層2
24、54、64、94、116 絶縁層が除去された領域(除去領域)
44 検知素子
45 光源
46 受光素子
47 測定光
48 測定光(検知素子透過後)
48 測定光(検知素子反射後)
72 反応領域A
73 反応領域B
74 反応領域C
75 反応領域D
82 カバー
83 反応領域
84 流路
86 測定光
87 測定光(検知素子透過後)
88 光源
89 受光素子
103、109 金属ホールパターン
104、118 ホール状空隙
115 独立した絶縁層からなる領域(絶縁性領域)
117 金属パターン

Claims (9)

  1. プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子であって、
    基板と、
    該基板表面に設けられた導電層と、
    該導電層に接続して設けられた複数の金属ドットと、を有し、該金属ドットが表面に露出していると共に、露出した金属ドットの大きさが50nm以上450nm以下の範囲にあることを特徴とする検知素子。
  2. 前記金属ドットが、金もしくは銀を含むことを特徴とする請求項1に記載の検知素子。
  3. 前記金属ドットが、異なる材料からなる2つ以上の層を有することを特徴とする請求項1に記載の検知素子。
  4. 前記導電層が光学的に透明であることを特徴とする請求項1に記載の検知素子。
  5. 隣接する前記複数の金属ドット間の距離は、50nm以上2000nm以下の範囲にある請求項1に記載の検知素子。
  6. 前記金属ドットの表面に前記標的物質を捕捉する捕捉体を有する請求項1に記載の検知素子。
  7. プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子であって、
    基板と、
    該基板表面に設けられた導電層と、
    該導電層に接続して設けられ、複数の開口を備えた金属膜、を有し、前記金属膜が表面に露出していると共に、前記開口の大きさが50nm以上450nm以下の範囲にあることを特徴とする検知素子。
  8. プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検出する装置であって、
    請求項1に記載の検知素子と、
    前記検知素子に光を照射する光源と、
    前記検知素子から反射した光あるいは前記検知素子を透過した光を検出する受光素子と、
    を備えていることを特徴とする検出装置。
  9. プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検知するための検知装置に用いられる検知素子の製造方法であって、
    導電層を有する基板を用意する工程と、前記導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層を選択的に除去して前記導電層を表出させる工程と、前記表出した導電層上に電解めっき法により金属を析出させる工程と、を有することを特徴とする検知素子の製造方法。
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