JP2014106011A - 金属検出センサー並びに金属検出方法及び装置 - Google Patents

金属検出センサー並びに金属検出方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象試料中に溶解している水銀などの金属種を特別な前処理不要で高い感度で検出する。
【解決手段】検出したい金属種と結合するアプタマーをプラズモン共鳴が起こる領域内に付着させる。これにより、この金属種と結合したアプタマーの振動状態の変化を高感度で検出する、プラズモンを利用した高効率の電磁増幅器を使用した水銀センサーが提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は非常に微量の水銀等の金属を特別な前処理等を行わずに簡単に検出可能な金属検出センサー並びに金属検出方法及び装置に関する。
世界各地の自然環境への水銀放出は、数10年もの間、緊急を要する問題であり続けてきた。水銀放出は、鉱業、化石燃料の燃焼、産業廃棄物、火山活動を含む多くの放出源に由来する。揮発性や長期間の大気滞留のため、水銀は人間社会にとって最も深刻かつ普遍的な危険の一つである。とりわけ、Hg2+イオンは環境水における最も深刻な水銀汚染物質の一つであり、生命体や人間の健康に有害な物質に変化するため、規制する必要がある。水銀は対流圏での循環(tropospheric cycling)の間に生態系に蓄積されるので、潜在的な危険を評価するために汚染の初期段階での非常に低い水銀濃度をモニターすることが強く求められる。現在のところ、ガスクロマトグラフィー(GC)と原子吸光分光(atomic absorption spectroscopy、AAS)が水銀検出のための最も高感度の方法である。その検出限界はppb(10−7重量%)レベルを優に超えるが、これらの方法はその目的のための専用の機器を必要とし、更にはサンプルとして取り出された水から水銀を抽出するための化学的な処理も必要とされる。電気化学的インピーダンス分光法(electrochemical impedance spectroscopy)、核磁気共鳴、フォトルミネッセンス、比色センサーのような多様な方法も報告されたが、それらは、多くの場合、特定物質の選択的な検出のために何段階かのステップを必要とし、また感度もGCやAASに比べて満足できるものではなかった。
この点に関して、表面プラズモンを利用した光学センシングは最も見込みのある技術である。というのも、これにより迅速、簡単、低価格でかつ高感度の検出が可能になるからである。この種のセンシングのうちでも、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance、SPR)誘電体センサーによれば、簡単で素早い検出を行うことができるが、このセンサーはHg2+のような金属種の場合には十分に高い感度を示さない(非特許文献7、8)。
一方、プラズモン増強振動分光法(plasmon enhanced vibrational spectroscopy)は、リンカー分子(linker molecule)(あるいはホスト材料)の振動状態をモニターすることによって、目的とする種(あるいはゲスト材料)を高い感度で検出できるようにする別の方法である(非特許文献9、10)。この方法は従来はもっぱら有機分子やセラミクスに対して適用されており、金属原子やイオンの検出に採用された例は見当たらない。しかし、この方法を用いて水銀との結合による分子の結合状態の変化を振動分光を通してモニターすることができれば、新しい水銀検出の方法として利用できることが期待できる。
しかしながら、環境水中の水銀を検出しようとすると、通常の環境水は多くの不純物、とりわけ、生物由来の各種の有機物が溶解、分散しており、また場所や季節により、不純物の種類や量が大きく変動する。従って、単に高感度であるだけではなく、このような環境水の多様性の影響を最小化し、かつ水銀を選択的に検出できるセンサー及び水銀検出方法が求められている。また、環境水などに含まれる水銀以外の各種の金属も問題とされる場合が多々あるため、水銀以外の微量金属用のセンサー及び検出方法も求められている(例えばカドミウムやヒ素など)。
本発明の課題は、GCやAASに匹敵するような高感度であって、かつ特殊な前処理を行うことなく比較的一般的な機器を使用して水銀等の金属種の原子やイオンの検出を行うことができる、環境水中の微量な元素の原子やイオンの検出に適したセンサーを提供し、また当該センサーを使用した金属検出方法及び装置を提供することにある。
本発明の一側面によれば、導電性材料で構成したナノ構造体の少なくともプラズモン共鳴が生起する領域上に検出対象の金属と結合するアプタマーを設けた、金属検出センサーが与えられる。
ここで、前記導電性材料は金属または導電性金属酸化物であってよい。
また、前記金属はAu、Cu、Pt及びAgからなる群から選択されてよい。
また、前記導電性材料はAuであり、前記アプタマーにチオール基を導入することにより前記アプタマーが前記導電性材料に吸着するようにしてよい。
また、前記導電性金属酸化物はInSn及びROからなる群から選択されてよい。
また、前記ナノ構造体は、前記導電性材料からなり相互に絶縁された複数の領域を含む構造を有してよい。
また、前記複数の領域は5nm〜20nmのナノギャップで相互に電気的に絶縁されていてよい。
また、前記アプタマーは、チオール基を導入した、15個のチミン塩基を有するシングルストランドDNAオリゴヌクレオチド(5’−SH−(CH)6−TTT TTT TTT TTT TTT−3’)であり、前記検出対象の金属は水銀であってよい。
また、ATR結晶上に前記ナノ構造体を形成してよい。
また、前記ATR結晶はシリコン結晶であってよい。
本発明の他の側面によれば、前記何れかの金属検出センサーに検出対象の液体を付与し、前記金属検出センサーに照射された光の反射光中の前記検出対象金属に対応する吸収を測定する金属検出方法が与えられる。
ここで、前記照射された光は赤外線であってよい。
また、前記吸収の測定は前記反射光のスペクトルを測定することによってよい。
また、前記スペクトルの測定はフーリエ変換赤外分光器を使用して行ってよい。
また、前記検出対象の液体は有機物を含んでよい。
また、前記検出対象の液体は環境水であってよい。
本発明の更に他の側面によれば、前記何れかの金属検出センサーを含み、測定対象の液体が導入されるフローセルと、前記フローセルに赤外ビームを照射する光源と、前記フローセルからの前記赤外ビームの反射光が導入される分光計とを設けた、金属検出装置が与えられる。
本発明によれば、化学的な前処理や特殊な専用装置を使用せずに従来の高感度測定に匹敵する金属イオン検出感度を有する金属検出センサー並びにこの金属検出センサーを利用して金属原子やイオンを検出する金属検出方法及び装置が与えられる。
(a)DNAアプタマーが水銀をトラップする態様を示す概念図。(b)プラズモン基板上でDNAアプタマーが設けられた金ナノギャップにおける電磁界増強を示す概念図。Hg2+吸着によるDNAアプタマーの構造的及び化学的変化により光学スペクトル(振動スペクトル)の変化がもたらされ、これが水銀イオン検出機構の役割を果たす。 水及び偏光を変化させた場合のDNAアプタマーが設けられたAuNPプラズモン構造の相対赤外線反射スペクトル及び測定時の金ナノギャップの態様の概念図。(a)は脱イオン水中でs偏光下での測定結果を、(b)は脱イオン水中でp偏光下での測定結果を示す。(c)は霞ケ浦から採取した環境水を用い偏光なしでの測定結果を示す。波数1400cm−1、1656cm−1及び1724cm−1における振動信号はDNAアプタマーからのものであり、1558cm−1及び3300cm−1における振動信号は環境水中の有機物によるものである。 (a)環境水中に添加したHg2+濃度の関数としてのスペクトル変化を示すグラフである。ω=1400cm−1における反吸収ピーク(Nの振動に対応)及びグラフ中でその右側のω=1724cm−1における弱い吸収ピーク(C=Oに対応)(下向きの小さな矢印で示す)が、Hg2+の吸着を反映して変化した。(b)左側は、多様な生体由来分子がギャップ内空間を占めている状況での連結箇所のHg2+吸着によるDNAアプタマーの構造変形を示す図。右側は、2つのイミノプロトン(imino proton)を放出した後、2つのチミン塩基がHg2+により連結されている態様を概念的に示す図。その後、イミド構造中の隣接する原子及び結合手(破線で示す斜めの長方形で囲まれた部分)の双極子モーメントが変化し、これにより(a)のグラフに示す赤外線信号の変化を引き起こす。(c)Hg2+濃度を変化させたときの、ω=1400cm−1におけるDNAアプタマーによるピーク強度(グラフ中ではDNA aptamerと表記)、並びにα:1558cm−1、β:1650cm−1及びγ:3300cm−1における生体由来分子によるピーク強度の変化を示すグラフ。
本発明の一実施例においては、水銀と結合したアプタマー(aptamer)の振動状態の変化を高感度で検出する高効率の「プラズモン増幅器」、つまりプラズモンを利用した高効率の電磁(EM)増幅器を使用した水銀センサーが提供される。さらに具体的に説明すれば、以下で説明する実施例においては、アプタマーとして特定のDNAを使用し、またプラズモン増幅器としては、例えば特許文献1に示されるようなナノギャップを有する金のナノ構造を使用して、実際の湖水から採取したままで化学的前処理を行っていない微量の水銀を含む試料中でHg2+と結合したDNAアプタマーの変化を光学的に検知する。
本発明の一実施例の水銀センサーでは、自由空間からの電界はシリコンなどの基板を通過し、水−固体界面で反射して、減衰長がサブμmレンジのいわゆるエバネセント場をもたらす。金ナノ構造が存在すると、この減衰長はナノメートルにまで縮小し、光の強度は金表面、特にそのナノギャップを覆う分子に集中する(非特許文献11)。この現象を利用し、赤外線分光にとって最も深刻な問題であるところのバルクの水からの巨大な信号を排除することによって、微量のターゲットとなる物質を検出する。
図1(a)は金表面に固定されたDNAアプタマー(15個のチミン塩基からなる)による水銀の結合を示す概念図である(非特許文献3、4、8)。先ずHg2+イオンが負に帯電したDNAに引き寄せられ、シングルストランド(一本鎖)DNAの直線状構造(図1(a)左側)をヘアピン状に折り曲げられた構造(図1(a)右側)に変化させることにより、このHg2+イオンが2つのチミン塩基の間に入る。また、両チミン塩基と結合する水銀近傍の原子における化学的/電気的状態が変化することにより、Hg−N結合の双極子モーメントなどに大きな変化を生じ、その結果、振動スペクトルの信号強度に変化が現れる(非特許文献4)。
本発明のプラズモン増強赤外センサー材料を全反射減衰(ATR)液体フローセルに取り付けた赤外分光装置を使用して得られたデータから、Hg2+に関連する鋭い赤外信号がpptレベル(10−10w%)の感度で、湖水の水中に含まれている生体由来の分子に基づく信号から分離して検出されることが示された。従って、本発明のセンサー材料は水中の金属種をモニターする高い能力を持つことが分かった。
なお、以下の実施例ではモニター対象の金属種としてHg2+を例に挙げて説明したが、それ以外の金属種についても、その金属種と特異的に結合するアプタマーを適宜使用することによって、Hg2+の場合と同様な原理に基づいて微量の当該金属種を検出することが可能となることは言うまでもない。
また、以下の実施例ではエバネセント場をもたらすために金のナノ構造を使用したが、この構造には他の材料も利用することができる。例を挙げれば、Cu、Pt、Agなどの金属、更にはInSn(ITO)やRuOなどの導電性酸化物も利用可能である。また、ナノ構造とは、より具体的には幅が5nm〜20nmのナノギャップで相互に絶縁された上記金属その他の導電性材料の複数の島状体から構成される構造である。ここで島状体とは特定の形状を指すものではなく、任意の形状を取ることが可能な、他から電気的に切り離された上記材料からなる小領域を意味する。
以下では、本発明の一実施例の水銀センサーを使用した測定系で実際の湖水の水、及びその水にごく微量の水銀を添加した試料を測定した結果を説明する。
[光学系の設定]
本実施例の測定は、MCT検出器(mercury cadmium telluride detector)を装着した標準的なフーリエ変換赤外(FTIR)分光計(Nicolet-Japan NEXUS-670)、KBrビームスプリッター、及び特注のフローセル(非特許文献11)を使用して行った。赤外線測定は、分解能4cm−1で適切な(s−あるいはp−)偏光条件の下で、全反射減衰(ATR)構成で行った。赤外ビームの入射角はシリコンATR結晶の表面垂直方向に対して30度傾けた。
[DNAアプタマーで被覆された赤外活性金ナノ構造の作成]
自然酸化層SiOを有するシリコンATR結晶を10%(アミノプロピル)トリエトキシシラン/メタノール溶液(APTES)に30分間暴露した。次に、直径11nmの金ナノ粒子(AuNP)懸濁液の液滴をAPTES表面に置いて、AuNPを単層以下で吸着させた。次に、このAuNP層を3ml/分の一定流量の水中でAu3+/NHOH溶液(0.3mMのHAuCL(Aldrich)及び0.4mMのNHOH(Acros Organics))に暴露することによって、成長させた。AuNP膜の成長の間、赤外線スペクトルを記録し、膜の光学的な変化をその場で調べ、制御した。膜形成の最終段階は、ナノ構造金基板中での水の振動(ωH2O=3400cm−1)とプラズモン励起(図2(a)参照)の混成したスペクトルの形状・強度を観察しながら制御した。なお、このような赤外線金ナノ構造とその製造方法については特許文献1において詳細に説明し、既に当業者に周知の事項となっているため、必要であれば当該文献を参照されたい。
チオール基を導入した、15個のチミン塩基を有するシングルストランド(一本鎖)DNAオリゴヌクレオチド(5’−SH−(CH)6−TTT TTT TTT TTT TTT−3’)を脱イオン処理した純水(抵抗率ρ>18.4MΩ・cm)に溶解し10mlの1μM溶液を得た。このDNA溶液を金ナノ構造を有する上記ATRフローセル中に導入して、その金表面に単分子層のDNAを固定した。
[検出対象の試料である、制御されたHg2+濃度を有する環境水の準備]
環境水として、霞ケ浦から採取した水を濾紙(細孔径5μm)でろ過することによってミクロンスケール以上の微粒子を除去したものを用いた。水銀検出実験は、Hg2+(HgCl,Sigma Aldrich)を環境水で希釈しDNA/金ナノ構造を有するATRフローセル中に導入して行った。水溶液中におけるHg2+の他の水銀成分(HgCl及びHgCl)の割合は電離平衡によって変化する。本実験における濃度領域(ppt領域)では、Hg2+イオンは最大濃度を持つ水銀成分である。
[環境水中の水銀イオンの光学的検出]
環境水中における微量のHg2+イオンの検出は以下のようにして行った。先ず、最適化された金ナノ構造を作製した後、上述したようにチオール基を導入したDNAアプタマーの1μM脱イオン水溶液をフローセル中に導入して、このDNAアプタマーを金表面に吸着させた。このDNAアプタマーは15個のチミン塩基からできていて、他のイオンに比べてHg2+に対して大きな選択性を有している(非特許文献3、8)。チオール末端基と金との強い結合により、30分間の吸着処理を行うことで、DNAアプタマーによるほぼ全面的な被覆が達成される。その後、環境水を導入して脱イオン水と置き換えた。水銀によって汚染された湖水環境汚染を模擬するため、環境水をフローセルに導入する前に、これに多様な濃度の希釈HgCl溶液を僅かに混合した。
ナノ構造の材料が金である場合には、上述したようにDNAアプタマーにチオール基を導入することでDNAアプタマーをナノ構造の表面に良好に吸着させて固定することができる。しかし、ナノ構造に他の材料を使用した場合には、当該材料への吸着等に好適な基を適宜選択してアプタマーに導入するなど、別の手段でアプタマーをナノ構造に固定するようにしてもよい。
図2(a)及び(b)に、金ナノ構造上に単層DNAアプタマーを吸着させた後、2つの異なる偏光の下で記録した脱イオン水中での相対赤外線反射スペクトルを示す。何れの偏光状態でもωがほぼ1380cm−1及び3400cm−1の2か所(図中で縦方向の破線で示す)で吸収パターンがあることがわかる。1380cm−1における反吸収シグナルは、金ナノ構造の作製後に残留した過剰の分子(APTESやクエン酸三ナトリウム等)の脱着に対応する。この種のパターンは各種のチオール分子の吸着の間によく見られるものであり、強固な金−硫黄結合に比較するとこれら過剰分子の結合が弱く脱離しやすいことに起因し得る。もう一つのブロードな吸収シグナルはωH2O=3400cm−1であるが、これは水のO−Hの伸縮運動に対応するものであり、DNAアプタマーの吸着につれて次第にこれの吸収と置き換わる。
DNAアプタマーのいくつかの特徴的な吸収ピークが、波数1400cm−1、1656cm−1及び1724cm−1における縦方向の実線で示される位置で明確に観察された。ここで、これらの位置はω=1400〜1730cm−1の範囲にあり、また偏光方向の影響を強く受けている。s偏光の場合(図2(a))には、ω=1656cm−1及び1724cm−1を中心としたチミンのC=0及びC=C伸縮に対応するピーク(信号強度0.2%)が明確に観察された(非特許文献16〜19)。p偏光(図2(b))では、ω=1400cm−1において、もっと強い吸収線(強度1.8%)が観察された。水中における遊離状態のチミンDNAの場合のもっと弱い信号に関する報告(非特許文献21)があるが、これとは対照的に、強い異方性を持つこの非常に大きなピークは、DNAが金表面に対して良好に整列していることを強く示唆するものである。このことは、このDNAアプタマーの塩基がチミンのみで構成されていて、DNAが直線的で異方的な構造を簡単にとれるというユニークな塩基配列によるものである。飽和吸着に近い被覆状態では、高い充填率及び負に帯電したDNA同士の静電的反発により、DNAの整列が起こる。
赤外光による電磁界は金ナノギャップに強く集中するので(非特許文献20)、観測された分子振動シグナルはほとんどがナノギャップに存在していてその側壁に垂直な方向であるDNAアプタマーからのものである。s偏光の場合には、電界はナノギャップの表面に垂直に向いていて、ギャップ中のDNAアプタマーもその長手方向軸に沿って励起される。これと対照的に、p偏光された光の電界はSi表面の垂直方向から30度傾いていて、s偏光された光とは異なる対称性でDNAアプタマーを励起することができる。この異方性により、図2(a)と図2(b)で対比できるような、スペクトル上で異なる吸収特性がもたらされる。
図2(c)は、純粋な脱イオン水中のDNAアプタマーの初期スペクトル(偏光なし)を参照スペクトルとして規格化した環境水の相対赤外吸収スペクトルを示す。16時間経過しても、ω=1400cm−1におけるチミンに関連するピークには何の変化も認められなかった。このことは、このω=1400cm−1の振動に関連する構造的な要素は非常に安定していて、湖水から採取されたままの(つまり何も前処理していない)自然状態のままの水に曝した後であっても変化しないことを示している。
DNAアプタマーに対応するスペクトルがこのように不変であることとは対照的に、生体由来分子に関連する振動バンドは湖水環境中のこれらの分子の存在を反映しスペクトル中に現れる。このような振動バンドは以下の通りである:1558cm−1近傍に存在する2つのブロードなピーク(α:C=O、N−H、アミドII)、1656cm−1近傍に存在するショルダー(β:C=O、N−H、アミドI)、及び3300cm−1近傍に存在するピーク(γ:N−Hの伸縮)。これらのスペクトルのパターンはアミノ酸(あるいは、脂肪酸及びアルドース)から期待される位置に一致している。これらの物質は微生物の分解によって生成される主要な成分として湖水中に存在している(非特許文献21)。
図3(a)は、Hg2+の濃度を3.68ppbから36.8pptまで変化させたときの環境水からの相対赤外線スペクトルの変化を示すグラフである。この測定における基準スペクトルとして、Hg2+の添加前の湖水から採取したままの環境水から得られたものを使用した。各スペクトルは吸着がHg2+の濃度によって定まる平衡状態にほぼ到達するように、30分間累算した。Hg2+を含まない元の環境水のスペクトル(図2(c))とは異なり、ωT=1400cm−1にピーク(反吸収シグナル)がはっきりと現れることを観測できた。1400cm−1におけるこのピークはHg2+濃度に対応してその強度が変化した。この変化はHg2+を含まない水からは観測できず、Hg含有溶液からだけ観測できた。
図3(b)は非特許文献3、4、8で認められているモデルに基づく、Hg2+吸着後のDNAアプタマーの概念図である。Hg2+の吸着により、DNAアプタマーはその形状が直線状からヘアピン状へと折れ曲がることができ、これによりその直線状かつ高度の異方性を有するという特徴が減殺される。この変化を起こす微視的なレベルでの駆動力は、2つのチミン塩基がHg2+イオンによって結合されて対になることである。図3(b)の右側部分に示すように、2つのイミノプロトンを溶液中に放出することにより、新たなN−HgII−N結合が形成される(非特許文献4)。このプロセスでは、イミド構造中のN原子近傍(図3(b)右側の破線長方形で示す)におけるかなりの電荷再配分をともなう。1393(±13)cm−1付近にある振動モードはイミド構造中のN原子の大きな原子移動に関係することが知られている(非特許文献16〜18)ので、ω=1400cm−1において観察された反吸収ピークは、ほぼ間違いなく、N−HgII−N結合による双極子モーメント変化を高感度で反映するところのこのN原子にかかわる振動モードに対応する。一方、ω=1724cm−1における同じイミド構造中のC=Oに関係する帯域(図3(a)で下向きの小さな矢印で示す)は吸収強度がわずかに増加するだけである。これは、HgII原子から2番目に近い箇所以遠の原子について起こる電荷再配分は非常に小さいことを示唆している。
その一方では、Hgの吸着と同期して生物由来分子に関係するα:1558cm−1、β:1656cm−1及びγ:3300cm−1に赤外線吸収シグナルが増加することも、観測される。Hg2+濃度の関数としてプロットされたこれらの振動スペクトルについての規格化された信号強度を図3(c)に示す。これら4種類の振動モード全てについての信号強度は同じ挙動を示し、これらの成分の吸着機構は皆同じであることがわかる。これは、生物由来分子はHg2+吸着プロセスの進行と同時に金ナノギャップに入ることを意味する。つまり、DNAアプタマー構造が折りたたまれることで、生物由来分子が金ギャップにより多く入るための場所を与え、これによってこれら分子の吸着信号がかなり大きくなる。ω=1400cm−1におけるチミン−HgII関連の信号は上述の生物由来分子によるいずれの信号ともエネルギー的に十分に分離されており、湖水から採取した水などの環境水を化学的な前処理なしで直接測定することによってpptレベルのスペクトル応答を簡単に得ることができる。これはいくつかの化学的処理ステップを測定前に行うことが通常必要とされる多くの他の技法(非特許文献2)に比べて明確な利点となる。
光を利用した従来技術と比べて、本発明で使用したランダムなナノギャップ構造は高い感度と迅速な検出をもたらす。湖水から採取したままの水に添加した非常に低い水銀濃度(37ppt)を標準的なFT−IR分光計を使用して光学的に検出できたことは驚くべきことである。すなわち、本発明には、水銀を他のバックグラウンド成分から抽出するための専用装置も化学的前処理も必要ないという大きな利点がある。振動スペクトルにおける水銀吸着に関連した信号と生物由来分子からの信号との間のエネルギーを利用することによって、水銀イオンを環境水から選択的に検出することが可能である。この簡潔な方法は水銀検出に限らず、金属イオンを補足するアプタマーの振動が、スペクトル中のバックグラウンド信号となる水中の生体分子の振動と分離できるという条件を満たせば多様な金属種において適用可能であり、大きな可能性をもっていることを示すものである。
以上説明したように、本発明によれば、対費用効果が高く、単純であり、また水銀イオンの環境モニターを現場で行うことができる可能性のある、その場プラズモンセンシングが与えられる。本発明のセンサー材料のキーとなる特徴は、高密度のナノギャップであり、これにより、金ナノ構造が中赤外域の電磁場増幅器として動作し、水銀と結合したDNAアプタマーの分子振動シグナルを増幅できるようになる。Hg2+に対応する信号は、湖水などからの環境水中に主要な成分として存在する残留生体由来分子の信号から区別して選択的に抽出することができる。上述の実施例においては、既存の標準的なFTIR分光器を使用したが、このような通常の測定系構成でさえも、pptレベル(10−10%レベル)に至るまでの極めて高い感度を示した。別の金属を選択吸着するアプタマーと組み合わせたり、また携帯型の赤外線分光計を採用すれば、本発明の適用範囲がさらに広がり、また環境モニタリング、実験室での化学研究、産業分野での品質管理などの現場での応用にも適用できるようになる。
以上説明したように、本発明によれば生物由来の分子などのバックグラウンド成分を多く含む環境水中のごく微量の水銀イオンを、専用に設計された装置や特別な化学的前処理を必要とせずに簡単に検出することができる。さらには、この特定の応用以外にも、検出対象の物質の拡大や現場測定への利用も容易なので、広い産業分野への貢献が大きいと期待される。
特開2009−80109
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Claims (17)

  1. 導電性材料で構成したナノ構造体の少なくなくともプラズモン共鳴が生起する領域上に検出対象の金属と結合するアプタマーを設けた、金属検出センサー。
  2. 前記導電性材料は金属または導電性金属酸化物である、請求項1に記載の金属検出センサー。
  3. 前記金属はAu、Cu、Pt及びAgからなる群から選択される、請求項2に記載の金属検出センサー。
  4. 前記導電性材料はAuであり、
    前記アプタマーにチオール基を導入することにより前記アプタマーが前記導電性材料に吸着するようにした、
    請求項3に記載の金属検出センサー。
  5. 前記導電性金属酸化物はInSn及びROからなる群から選択される、請求項2に記載の金属検出センサー。
  6. 前記ナノ構造体は、前記導電性材料からなり相互に絶縁された複数の領域を含む構造を有する、請求項1から5の何れかに記載の金属検出センサー。
  7. 前記複数の領域は5nm〜20nmのナノギャップで相互に電気的に絶縁されている、請求項6に記載の金属検出センサー。
  8. 前記アプタマーは、チオール基を導入した、15個のチミン塩基を有するシングルストランドDNAオリゴヌクレオチド(5’−SH−(CH)6−TTT TTT TTT TTT TTT−3’)であり、
    前記検出対象の金属は水銀である、
    請求項1から7の何れかに記載の金属検出センサー。
  9. ATR結晶上に前記ナノ構造体を形成した、請求項1から8の何れかに記載の金属検出センサー。
  10. 前記ATR結晶はシリコン結晶である、請求項9に記載の金属検出センサー。
  11. 請求項1から10の何れかの金属検出センサーに検出対象の液体を付与し、
    前記金属検出センサーに照射された光の反射光中の前記検出対象金属に対応する吸収を測定する
    金属検出方法。
  12. 前記照射された光は赤外線である、請求項11に記載の金属検出方法。
  13. 前記吸収の測定は前記反射光のスペクトルを測定することによる、請求項11または12に記載の金属検出方法。
  14. 前記スペクトルの測定はフーリエ変換赤外分光器を使用して行う、請求項13に記載の金属検出方法。
  15. 前記検出対象の液体は有機物を含む、請求項11から14に記載の金属検出方法。
  16. 前記検出対象の液体は環境水である、請求項15に記載の金属検出方法。
  17. 請求項9または10に記載の金属検出センサーを含み、測定対象の液体が導入されるフローセルと、
    前記フローセルに赤外ビームを照射する光源と、
    前記フローセルからの前記赤外ビームの反射光が導入される分光計と
    を設けた、金属検出装置。
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