JP2007013636A - 圧電振動子の製造方法及び圧電振動子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板ウェハと基板ウェハに実装される圧電素子と凹部を設けた蓋ウェハとから構成され、圧電素子を実装する実装パターン、実装パターンを外部に引き回す引き回しパターン、引き回しパターンにつながる外部実装パターン、蓋ウェハとの接合面に形成される接合金属膜とを有し、凹部を塞ぐように基板ウェハと蓋ウェハとが接合される圧電振動子の製造方法であって、引き回しパターンが基板ウェハの蓋ウェハとの接合面まで形成されるパターン形成工程、蓋ウェハの基板ウェハとの接合面において裏側まで貫通するスルーホールを形成するスルーホール形成工程、蓋ウェハと基板ウェハとを陽極接合するウェハ接合工程、ウェハ接合工程で塞がれたスルーホールの内部を封止金属膜で覆いつつ外部実装パターンを形成する外部実装パターン形成工程、を含む。
【選択図】 図4
Description
このような圧電振動子200は、圧電基板203の振動特性を低下させないようにするために、蓋201と基板202とに振動部203Bが収まる程度の凹部210が形成されている。また、圧電基板203の枠部203Aの裏面及び表面の両面には金属層203Cが形成されており、枠部203Aと蓋201、及び、枠部203Aと基板202とが陽極接合により、凹部210を振動部203Bに向けて接合されている。
また、電極を外部に引き回すために、基板202の水晶との接合面にスルーホール204を設けている。この場合、水晶側にスルーホール204の一方の端部を覆う取付電極205が設けられており、水晶と基板202とを接合した後に、スルーホール204内部にスパッタリングで金属膜205を設けて外部電極としている。
なお、一般的に、振動子や発振器の気密封止方法には、ガラスフリット、抵抗溶接、シーム溶接、樹脂封止、熱融着、EB封止などが知られている。
また、基板202及び蓋201が個片の状態で圧電振動子の組み立てを行う場合、設備が各部品を把持又は/及び固定する必要があるため、圧電振動子の小型低背化が困難な状態になっている。
また、圧電基板203に設けた取付電極に、スルーホール204の内面と共に金属膜205を形成する場合、スパッタリングによる熱で圧電基板203に設けられた取付電極の成分が変質しやすくなり、通電不良を起こす危険性や、当該金属膜205と取付電極との接合部で剥がれが生じやすくなる危険性がある。
また、剥がれが生じた場合、金属膜205を破損させる恐れもあり、この場合、凹部210内の気密が保持されなくなる危険性もある。
また、このような圧電振動子によれば、気密の保持が向上し、コストを削減し、小型低背化を可能とし、基板と蓋との接合状態を安定させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の圧電振動子には、圧電素子としてブランクタイプの水晶が用いられる場合について説明する。また、接合金属膜を基板ウェハ(基板)に形成した場合について説明する。また、特に説明する場合を除き、スルーホールは、基板となる部分の対角線上に位置する2つの隅に設けられる。
なお、本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子の製造方法の説明について、各構成要素の説明の中に含めるものとし、重複する説明を省略する。
また、複数の蓋20は、例えばガラスからなり、個片化される前において凹部21がマトリックス状に配列されており、全体でウェハ(以下、「蓋ウェハ」という。)の状態となっている(図1参照)。
なお、基板ウェハKWのそれぞれの基板10,10・・・の配列位置は、蓋ウェハFWのそれぞれの蓋20,20・・・の配列位置と対応している(図1参照)。
なお、基板ウェハKWへの処理や加工を行う場合、例えば、吸引式の固定ベッドが備えられた加工機(図示せず)を用いることで、基板ウェハKWを容易に固定することができる。
また、基板ウェハKW及び後述する蓋ウェハFWの表面の平坦処理は、鏡面研磨をして平坦にすることが望ましい。
また、引き回しパターン32は、実装パターン31と後述する外部実装パターン33とを繋ぐために、基板ウェハKWの基板10上の接合面内に設けられる、後述するスルーホール11に接続している溝12を介して設けられる。なお、引き回しパターン32は、例えば、この溝12を埋めて用いる。
この圧電素子40に形成された電極41は、Auであって、圧電素子40の表面上に膜状に形成されるとともに、前記実装パターン31上に実装される部分にバンプBが形成されている。
この凹部21は、基材ウェハKWに実装される後述する圧電素子40と接触しない程度に蓋ウェハFWの蓋20となる部分に形成される。
なお、蓋ウェハFWへの加工や搬送を行う場合、例えば、吸引式の固定アームが備えられた加工機(図示せず)を用いることで、蓋ウェハFWを容易に固定することができる。
このとき、基板ウェハKWの接合面に設けられた金属膜と蓋ウェハFWとが接合し、引き回しパターン32が蓋ウェハFWとは接合しない状態となって、基板ウェハKWと蓋ウェハFWとを接合している。
これにより、基板ウェハKWと蓋ウェハFWとが接合された状態となり、複数の圧電振動子100,100・・・がマトリックス状に配列されたウェハとなる。
なお、陽極接合は、従来から用いられている諸条件をそのまま適用することができる。
一例として、200℃から400℃の温度で500Vから1000Vの電圧を印加することにより行う。
つまり、外部実装パターン33は、封止金属膜からなり、スルーホール11の内部を覆いつつ蓋ウェハFWに形成される。
例えば、外部実装パターン33を拡張するために、外部実装パターン33と接続する金属膜を圧電振動子100の両端部の五面に設けている。
ここで、圧電振動子100の両端部の五面とは、圧電振動子100の一方の端部における蓋20の主面、相対する両側面、これら両側面と隣り合う面とこれらに対応する基板10の上面、相対する両側面、これら両側面と隣り合う面の五面と、他方の端部における蓋20の主面、相対する両側面、これら両側面と隣り合う面とこれらに対応する基板10の上面、相対する両側面、これら両側面と隣り合う面の五面とをいう。
なお、一方の端部に設けられる外部実装パターン33と他方の端部に設けられる外部実装パターン33とは、電気的に接続されていない。
また、外部実装パターン33が、スルーホール11の内周面と、スルーホール11の一方の端部を塞ぐ蓋ウェハFWの表面とを覆いつつ蓋ウェハFWに設けられるので、凹部21内からのリークを防ぐことができる。
また、基板10と圧電素子40とがGGI接合されているので接合が容易であり、基板ウェハKW又は蓋ウェハFWの接合面に接合金属膜34を形成することで、陽極接合を容易に行うことができ、コストを削減することができる。
また、引き回しパターン32が、見かけ上、蓋20と接触はしているが接合状態に無いため、蓋20の変形や熱伝導の影響が、接合している場合に比べて少なくすることができる。
次に本発明の第二の実施形態に係る圧電振動子は、基板と、凹部を有する蓋と、圧電素子と、凹部内に収まるように基板に設けられる圧電素子を実装する実装パターンと、この実装パターンを外部に引き回す引き回しパターンと、この引き回しパターンにつながる外部実装パターン(封止金属膜)とから構成されており、蓋ウェハと基板ウェとが直接接合によって接合される点で第一実施形態と異なる。
つまり、蓋ウェハと基板ウェハとを直接接合するために、第一の実施形態における接合金属膜34を除き、直接接合により接合している点で第一の実施形態と異なる。
このように基板ウェハと蓋ウェハとを同じ材質とすることで、熱膨張率が同じとなり、接合後に不良を起こすことがなくなる。
そして、基板ウェハ上の各圧電素子40の周波数調整を行う。
蓋ウェハの蓋となる部分に凹部を形成し、蓋ウェハの基板ウェハとの接合面であって蓋となる部分に対角方向にスルーホールを設け、蓋ウェハの基板ウェハと接合する表面を平坦に処理する。
そして、ウェハ接合工程により基板ウェハと蓋ウェハとを重ね合わせて直接接合を行い、外部実装パターン形成工程によりスルーホールの内周面とスルーホールの一方の端部を塞いでいる基板ウェハの表面とを例えばAuからなる封止金属膜で覆いつつ外部実装パターンを形成する。
個片化工程によりマトリックス状に配列された複数の圧電振動子、つまり、ウェハの状態で接合されている各基板と蓋とを、ダイシングやレーザなどを用いて個片化する。
そして、外部実装パターン拡張工程により、このように個片化して得られた圧電振動子の外部実装パターンをさらに当該圧電振動子の両端部の五面にまで拡張して設ける。
また、圧電素子の周波数調整を個片化後に行っても良いし、ウェハ接合工程の後であって個片化工程の前に、接合状態が良好か否かの検査を行っても良い。
10 基板
11 スルーホール
12 溝
20 蓋
21 凹部
31 実装パターン
32 引き回しパターン
33 外部実装パターン(封止金属膜)
34 接合金属膜
40 圧電素子
41 電極
60 回路(発振器として機能する回路)
KW 基板ウェハ
FW 蓋ウェハ
B バンプ
Claims (6)
- 基板ウェハと、この基板ウェハに実装される圧電素子と、この圧電素子を封止するための凹部をマトリクス状に設けた蓋ウェハとから構成され、前記蓋ウェハの接合面にスルーホールが形成され、前記基板ウェハの接合面に接合金属膜とが形成されるとともに、前記各凹部内に収まるように当該基板ウェハに前記圧電素子を実装する実装パターン、この実装パターンを外部に引き回す引き回しパターン、が形成され、前記凹部を塞ぐように前記基板ウェハと前記蓋ウェハとが接合される圧電振動子の製造方法であって、
前記各実装パターンに前記圧電素子を実装する圧電素子実装工程と、
前記蓋ウェハと前記基板ウェハとを陽極接合するウェハ接合工程と、
接合された前記基板ウェハと前記蓋ウェハとを個片化する個片化工程と、
前記ウェハ接合工程で塞がれた前記スルーホールの内部を封止金属膜で覆いつつ外部実装パターンを形成する外部実装パターン形成工程とを含むことを特徴とする圧電振動子の製造方法。 - 前記接合金属膜が、Al,Ti,Cr,Agのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子の製造方法。
- 基板ウェハと、この基板ウェハに実装される圧電素子と、この圧電素子を封止するための凹部をマトリクス状に設けた蓋ウェハとから構成され、前記蓋ウェハの接合面にスルーホールが形成され、前記基板ウェハの接合面に接合金属膜とが形成されるとともに、前記各凹部内に収まるように当該基板ウェハに前記圧電素子を実装する実装パターン、この実装パターンを外部に引き回す引き回しパターン、が形成され、前記凹部を塞ぐように前記基板ウェハと前記蓋ウェハとが接合される圧電振動子の製造方法であって、
前記各実装パターンに前記圧電素子を実装する圧電素子実装工程と、
前記蓋ウェハと前記基板ウェハとを直接接合するウェハ接合工程と、
接合された前記基板ウェハと前記蓋ウェハとを個片化する個片化工程と、
前記ウェハ接合工程で塞がれた前記スルーホールの内部を封止金属膜で覆いつつ外部実装パターンを形成する外部実装パターン形成工程とを含むことを特徴とする圧電振動子の製造方法。 - 前記個片化工程の後に、
外部実装パターンを、個片化した前記圧電振動子の両端部の五面に形成する外部実装パターン拡張工程を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の圧電振動子の製造方法。 - 基板と、この基板に実装される圧電素子と、この圧電素子を封止するための凹部を設けた蓋とから構成され、前記基板に前記凹部内に収まるように当該基板に前記圧電素子を実装する実装パターン、この実装パターンを外部に引き回す引き回しパターン、この引き回しパターンにつながる外部実装パターンとを有する圧電振動子であって、
前記蓋の前記基板との接合面に裏側まで貫通するスルーホールと、
前記実装パターンから前記スルーホールに至る前記引き回しパターンと、
前記引き回しパターンが設けられたスルーホールの内部全面を覆う封止金属膜と、
を備え、
ウェハの状態で前記凹部を塞いで接合された前記基板と前記蓋とが個片化されてなることを特徴とする圧電振動子。 - 前記外部実装パターンが前記圧電振動子の両端部の五面に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の圧電振動子。
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