JP2007012503A - 光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007012503A
JP2007012503A JP2005193536A JP2005193536A JP2007012503A JP 2007012503 A JP2007012503 A JP 2007012503A JP 2005193536 A JP2005193536 A JP 2005193536A JP 2005193536 A JP2005193536 A JP 2005193536A JP 2007012503 A JP2007012503 A JP 2007012503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
conversion element
titania
titanium
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005193536A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4804050B2 (ja
Inventor
Keisuke Nakayama
慶祐 中山
Takaya Kubo
貴哉 久保
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2005193536A priority Critical patent/JP4804050B2/ja
Publication of JP2007012503A publication Critical patent/JP2007012503A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4804050B2 publication Critical patent/JP4804050B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】電子電導性に優れ、膜の均一な半導体層が形成された光電変換素子を提供する。
【解決手段】導電性基板、半導体層、電荷輸送層および対向電極から少なくとも構成される光電変換素子において、該半導体層が、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液中でチタンもしくはチタンを主成分とする合金を電解酸化することにより製造される長手方向の長さが1μm以上のナノチューブ形状のチタニアを、電気泳動法により前記導電性基板の導電層上へ付着させることによって形成されたものであることを特徴とする光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は光電変換素子に関する。
1991年にグレッツェルらが発表した色素増感型太陽電池素子は、ルテニウム錯体によって分光増感された酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池であり、シリコン太陽電池並みの性能が得られることが報告されている(非特許文献1参照)。この方法は、チタニア等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、安価な色素増感型太陽電池素子を提供でき、しかも色素の吸収がブロードであるため、可視光線のほぼ全波長領域の光を電気に変換できるという利点があり、注目を集めている。
チタニア多孔質薄膜は、一般にチタニア微粒子を含む高粘度の分散液を電極上に塗布し、高温で焼成することにより得ている。この従来法では、400℃〜600℃という高温で焼成するため、支持体の種類が限定され、プラスチック基板などへの形成が困難なことから、チタニア微粒子を電気泳動法により導電層上に付着させる方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では低温で処理するため、チタニア微粒子間の密着が不十分となり、光励起した際に生じるキャリアー(電子)が粒子間の界面で失活しやすいという問題がある。また、チタニア微粒子は比表面積が小さいため、比表面積を増加させるために微粒子の量を増加させると、形成する膜の均一性が悪くなり、剥がれ易くなるという問題がある。
そこで、チタニア微粒子よりも比表面積が大きいチタニアナノチューブを用いて電気泳動法で半導体層を形成する方法も提案されている(特許文献2,3)。この方法では、導電層に略垂直にチタニアナノチューブの長手方向が付着するため、電子電導の経路がチューブの長手方向であることからスムーズに電子が流れるという利点がある。しかしながら、用いているチューブは長さが100nm〜500nm程度の従来のものであるため、個々のチューブの間に界面が数多く存在してしまい、それらにより電子移動が妨げられるという問題がある。さらには、より比表面積を増加させるため厚膜化が望まれるが、ナノチューブ粒子を積層させるため、やはり膜の均一性が悪くなり、剥がれ易くなるという問題がある。
特開2002−100416号公報 特開2004−311354号公報 特開2004−311355号公報 オレガン(B. O’Regan)、グレツェル(M.Gratzel),「ネイチャー(Nature)」,(英国),1991年,353巻,p.737
このように、光電変換素子においては、電子の電導性に優れ、かつ均一な膜の半導体層の形成が求められていた。
本発明はこのような実状に鑑み成されたものであり、一つ一つの粒子の比表面積が大きく、かつ長さが従来に比較して圧倒的に長い1μm以上のチューブ形状のチタニアを特定の方法で製造し、これを電気泳動法により導電層上へ付着させることにより、前記課題を解決することができたものである。
すなわち、本発明は、導電性基板、半導体層、電荷輸送層および対向電極から少なくとも構成される光電変換素子において、該半導体層が、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液中でチタンもしくはチタンを主成分とする合金を電解酸化することにより製造される長手方向の長さが1μm以上のナノチューブ形状のチタニアを、電気泳動法により前記導電性基板の導電層上へ付着させることによって形成されたものであることを特徴とする光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記ナノチューブの比表面積が50m/g以上であることを特徴とする前記記載の光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記ナノチューブの形状が、外径5〜50nm、肉厚2〜20nmであることを特徴とする前記記載の光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記電気泳動法が、電解質を含まないチタニア分散液を用いて行われることを特徴とする前記記載の光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記チタニア分散液が、ナノチューブ形状のチタニアとナノ粒子形状のチタニアの混合分散液であることを特徴とする前記記載の光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記電気泳動法が直流電場で行われ、その電界の強さが50〜300V/cmであることを特徴とする前記記載の光電変換素子に関する。
また、本発明は、形成された半導体層を100〜600℃で加熱処理することを特徴とする前記記載の光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記半導体層が色素で増感されることを特徴とする前記記載の光電変換素子に関する。
さらに、本発明は、前記記載の光電変換素子を用いた光電池に関する。
以下に本発明について詳述する。
本発明の光電変換素子は、導電性基板、半導体層、電荷輸送層および対向電極から少なくとも構成される。
導電性基板は、通常、基板上に電極層を有するものである。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、無色あるいは有色の樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。なお、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。
また、電極として作用する導電膜の材料は特に限定されないが、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン、チタンなどの金属や金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、錫や亜鉛などの金属酸化物に、他の金属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In:Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))などが好適なものとして用いられる。
導電膜の膜厚は、通常100〜10000μm、好ましくは500〜3000μmである。また、表面抵抗(抵抗率)は適宜選択されるところであるが、通常0.5〜500Ω/sq、好ましくは1〜50Ω/sqである。
導電膜の形成法は特に限定されるものではなく、用いる金属や金属酸化物の種類により公知の方法を適宜採用することができる。通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、あるいはスパッタリング法などが用いられる。いずれの場合も基板温度が20〜700℃の範囲内で形成されるのが望ましい。
本発明の光電変換素子における対向電極(対極)は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成しても良い。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や、炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
半導体層は、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液中でチタンもしくはチタンを主成分とする合金を電解酸化することにより製造される長手方向の長さが1μm以上のナノチューブ形状のチタニアを、電気泳動法により前記導電性基板の導電膜上へ付着させることによって形成される。
チタンまたはチタンを主成分とする合金(以下、チタン合金という。)としては、酸素、鉄、窒素、水素等で材質を調整した工業用純チタンや、ある程度のプレス成形性を有するチタン合金を用いることができ、JIS(日本工業規格)1種、2種、3種、4種の各種工業用純チタンや、ニッケル、ルテニウム、タンタル、パラジウム等を添加して耐食性を向上させた合金、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、錫、鉄、クロム、ニオブ等を添加した合金等をその一例として挙げることができる。チタンまたはチタン合金の結晶型としては、単結晶、多結晶にかかわらず、α型、α+β型、β型を用いることができる。また形状に関しては、チタンまたはチタン合金そのものが板状、ロッド状、メッシュ状等の様々な形状に加え、板、ロッド、メッシュといった形状の異種導電性材料表面にチタンまたはチタン合金を膜として成長させたもの、板、ロッド、メッシュといった形状の半導体もしくは絶縁性材料表面にチタンまたはチタン合金を膜として成長させたもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における電解酸化は、電解質溶液中でチタンもしくはチタン合金を陽極、任意の導電材料を陰極とし、電圧をかけることにより、陽極表面上にチタンの酸化物を形成する技術であり、電解酸化処理中にチタンもしくはチタン合金が陽極である状態が一度でもあればよく、陽極と陰極を交互に実施する場合も含む。
電解酸化は、通常、印加電圧が5〜200V、好ましくは10〜150V、より好ましくは14〜110Vであり、電流密度が0.2〜500mA/cm、好ましくは0.5〜100mA/cmの範囲で、時間は1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間行われる。電解中、これらの印加電圧や電流密度を変化させることも可能であり、この際は周波数が1×10−6Hz〜1×10Hzのパルスを印加して電解を行う。
また、陽極酸化時の電解質溶液の温度は0〜50℃が好ましく、より好ましくは0〜40℃である。
電解酸化に用いられる電解質溶液としては、チタンもしくはチタン合金をアノード分極した際に、チタンもしくはチタン合金を溶解させることができる溶解力が必要である。本発明において用いる電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンが含まれることが必須である。ここでいうハロゲン原子を含有するイオンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれかを含有するイオンであり、具体的には、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン等が挙げられる。これらのイオンは、単独でもよいし、二種以上の混合物として用いることも可能である。
本発明においては、ハロゲン原子としては塩素原子が特に好ましい。
これらのイオンを含む電解質溶液としては、水系、非水系のいずれも使用可能であるが、水系が好ましい。具体的には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩の水溶液が用いられる。その濃度は、酸もしくは塩として、0.0001〜10容量%が好ましく、より好ましくは0.0005〜5容量%、さらに好ましくは0.0005〜1容量%の範囲である。
電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩とは異種の酸性化合物あるいは塩基性化合物を含有させても良い。このような異種の酸性化合物、塩基性化合物を含有させることにより、陽極酸化速度を促進または抑制するといった、反応速度を制御することができる。
かかる酸性化合物としては、前述のハロゲン化物もしくはその酸化体イオンの酸の他、硫酸、硝酸、酢酸、過酸化水素、シュウ酸、リン酸、クロム酸、グリセロリン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
かかる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
電解質溶液には、水溶性のチタン化合物を含有させても良い。水溶性のチタン化合物は一般的に水溶液中で加水分解してチタニアを生成するため、これを含有させることにより、電解酸化により生じたチタン酸化物の表面に、さらに加水分解によりチタニアが生成することで、チタン酸化物の電解質溶液への再溶解を防ぎ、構造を強固にすることができる。
かかる水溶性のチタン化合物としては、チタンイソプロポキシド等のチタンアルコキシド、三塩化チタン、四塩化チタン、フッ化チタン、テトラフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタン、硫酸チタニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
また、電解質溶液には、チタニア微粒子を含有させても良い。チタニア微粒子を含有させることにより、生成したチタン酸化物が電解質溶液に再溶解することを防ぎ、チタン酸化物を強固にすることができる。
かかるチタニア微粒子としては、粒径が0.5〜100nmのものが好ましく、より好ましくは2〜30nmのものが使用される。具体的には、チタン鉱石から液相法により調製したものや、気相法、ゾル・ゲル法、液相成長法で合成したものを挙げることができる。ここで、気相法とは、チタン鉱石を、硫酸等の強酸で、加熱加水分解して得られる含水酸化チタンを800℃〜850℃で焼成してチタニアを製造する方法である。液相法とは、塩化チタンに酸素及び水素を接触させて、チタニアを製造する方法である。ゾル・ゲル法とは、チタンアルコキシドをアルコール水溶液中で加水分解させてゾルを生成させ、さらに、該ゾルに加水分解触媒を加えて、放置してゲル化させ、該ゲル化物を焼成してチタニアを製造する方法である。液相成長法とは、フッ化チタンやテトラフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタニル等の加水分解でチタニアを得る方法である。
上記の方法により、チタン金属もしくはチタンを主成分とする合金を陽極酸化して、長手方向の長さが1μm以上、好ましくは2〜100μmのナノチューブ形状のチタニアを得ることができる。また、ナノチューブ形状のチタニアの外径は、通常5〜50nmであり、好ましくは10〜30nmであり、肉厚は、通常2〜20nmであり、好ましくは3〜10nmである。また、前記ナノチューブの比表面積は、50m/g以上であり、好ましくは70m/g以上である。
上記のように得られたナノチューブ形状のチタニアは、必要により、加熱処理、加圧処理、電子線照射、光照射等の後処理を行うことで、任意の結晶型に結晶化させることができる。例えば、加熱処理の場合、100℃〜1200℃、好ましくは150℃〜800℃の温度で、10〜500分、好ましくは10〜300分処理を行うことで結晶化する。
本発明において、半導体層の形成は、前記ナノチューブ形状のチタニアを電気泳動法により、導電性基板の導電膜上に付着させることにより行われる。
電気泳動法は、導電性基板の導電膜と電着用対極とを一定の間隔で平行に対向させ、この間隙に、ナノチューブ形状のチタニアを溶媒に分散した分散液を注入し、両電極間に直流電圧を印加することにより行われる。その電界の強さは50〜300V/cmであることが好ましく、より好ましくは100〜250V/cmである。両電極間の間隔は特に限定されないが、0.1〜2mmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5mmである。また、印加時間は、通常1〜10分間程度である。温度は特に制限されず、通常0〜50℃であり、好ましくは0〜40℃である。
チタニアを分散するのに用いる溶媒としては、例えば、純水、アルコール、アセトニトリル、THF、ヘキサン、クロロホルム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール、無水酢酸、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。分散液中のチタニアの含有量は、電圧条件等により適宜決定されるものであるが、通常0.01〜0.1g/mLの範囲で行うことができる。なお、チタニア分散液中には、半導体層形成の障害となることから電解質が含まれていないことが好ましい。
本発明においては、ナノチューブ形状のチタニアに、ナノ粒子形状のチタニア(粒径0.5〜100nmのチタニア微粒子)を混合した分散液を用いることも好ましく採用される。チタニア微粒子と併用することにより、導電性基板の導電膜に付着したナノチューブ形状のチタニアがチタニア微粒子により補強され、より強固にチタニアナノチューブの半導体層が形成される。チタニア微粒子の混合割合は、チタニア全量基準で、1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。
本発明の電気泳動法で形成する半導体層の厚みは、1〜30μmが好ましく、より好ましくは2〜25μmである。
形成した半導体層は、チタニア同士の電子的接触の強化と、導電性基板との密着性を向上させる目的で加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理温度としては100℃〜600℃が好ましく、より好ましくは250℃〜550℃である。また加熱処理時間は、通常10分〜10時間の範囲で行うことができる。
本発明の光電変換素子においては、半導体層の光吸収効率を向上すること等を目的として、半導体層を色素で修飾(吸着、含有など)させたものが用いられる。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、半導体層の光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体が好ましい。また、半導体層への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基などの官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロムなど)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、または光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を半導体層に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、半導体層上にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。または半導体層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が十分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、半導体層に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、半導体層の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
電荷輸送層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する。本発明で用いる電荷輸送材料は、イオンが関わる電荷輸送材料であっても、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料であってもよい。イオンが関わる電荷輸送材料としては、酸化還元対イオンが溶解した溶液、酸化還元対の溶液をポリマーマトリックスのゲルに含浸したゲル電解質組成物、固体電解質組成物等が挙げられ、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料としては、電子輸送材料や正孔輸送材料等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は複数併用してもよい。
イオンがかかわる電荷輸送材料としての電解液は、電解質、溶媒及び添加物から構成されることが好ましい。電解液に用いる電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、臭素と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr、CaBr等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。中でも、Iと、LiI又はピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好ましい。電解質は混合して用いてもよい。
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。また、常温溶融塩類も用いることができる。ここで、常温溶融塩とは、常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
また、4−t−ブチルピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質組成物や電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を電解液に添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2mol/Lである。溶融塩電解質組成物に添加する場合、塩基性化合物はイオン性基を有することが好ましい。溶融塩電解質組成物全体に対する塩基性化合物の配合割合は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
ポリマーマトリックスとして使用できる材料としては、高分子マトリックス単体で、あるいは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、または可塑剤と支持電解質の添加によって固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限は無く、一般的に用いられるいわゆる高分子化合物を用いることができる。
上記高分子マトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデンなどのモノマーを重合または共重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。またこれらの高分子化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。これらの中でも、特にポリフッ化ビニリデン系高分子化合物が好ましい。
また、イオン伝導性電解質の代わりに、有機固体正孔輸送材料、無機固体正孔輸送材料、或いはこの両者を組み合わせた材料を使用することもできる。
好ましく使用できる有機正孔輸送材料の例としては、トリフェニレン誘導体類、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール、ポリアセチレン及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及び/又はその誘導体、ポリチエニレンビニレン及び/又はその誘導体、ポリチオフェン及び/又はその誘導体、ポリアニリン及び/又はその誘導体、ポリトルイジン及び/又はその誘導体等の導電性高分子を挙げることができる。また、ドーパントレベルをコントロールするために、トリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を正孔輸送材料に添加してもよい。また、金属酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うために、Li[(CFSON]のような塩を添加してもよい。
無機正孔輸送材料としてはp型無機化合物半導体を用いることができ、そのバンドギャップは好ましくは2eV以上、より好ましくは2.5eV以上である。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは、色素の正孔を還元するためには色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なるが、好ましくは4.5〜5.5eV、より好ましくは4.7〜5.3eVである。好ましいp型無機化合物半導体は1価の銅を含む化合物半導体であり、その例としては、CuI、CuSCN、CuInSe、Cu(In,Ga)Se、CuGaSe、CuO、CuS、CuGaS、CuInS、CuAlSe等が挙げられる。中でも、CuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。他のp型無機化合物半導体の例としては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi、MoO、Cr等が挙げられる。
電荷輸送層は2通りの方法のいずれかにより形成できる。1つ目の方法は半導体層と対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法である。2つ目の方法は半導体層上に直接電荷輸送層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
前者の方法の場合、電荷輸送層を挟み込む際には、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
後者の方法において湿式の電荷輸送層を用いる場合は、通常未乾燥のまま対極を付与しエッジ部の液漏洩防止措置を施す。またゲル電解質組成物を用いる場合には、これを湿式で塗布した後で重合等の方法により固体化してもよい。固体化は対極を付与する前に行っても後に行ってもよい。
固体電解質組成物や固体正孔輸送材料を用いる場合には、真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等により電極内部に導入することができる。無機固体化合物はキャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法等により電極内部に導入することができる。
以上のように、比表面積が大きく、かつ長さが1μm以上のチューブ形状のチタニアを特定の方法で製造し、これを電気泳動法により導電層上へ付着させることにより、電子電導性に優れ、膜の均一な半導体層を形成することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
《ナノチューブ形状のチタニアの作製》
1cm×5cmの純度99.9%のチタンを0.3%過塩素酸水溶液中で、30V定電圧で電解酸化することによりチタニアを得た。SEMおよびTEMを用いて、チューブ構造であり、直径が約20nm、肉厚が約5nm、長さが10μm程度であることを確認した。窒素吸着による比表面積は220m/gであった。
《電気泳動による半導体層(チタニア電極)の作製》
ろ過したチタニアナノチューブ3gを100mlのt−ブタノール中で超音波ホモジナイザーにて分散させた。この分散液を用いF−SnOを電極として、電極間距離0.3mm、200V/cmで電気泳動して、F−SnO上に白濁した膜を得た。膜厚は11μmであった。
《光電変換特性評価》
得られた膜を450℃で1時間焼成し、ルテニウム色素(Rutenium535−bisTBA:SOLARONIX社製)/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率7.1%)を得た。
[実施例2]
《電気泳動による半導体層の作製》
実施例1で得られたろ過したチタニアナノチューブ3gおよびチタニアナノ粒子(日本アエロジル社製、P−25)0.5gを100mlのt−ブタノール中で超音波ホモジナイザーにて分散させた。この分散液を用いF−SnOを電極として、電極間距離0.3mm、200V/cmで電気泳動して、F−SnO上に白濁した膜を得た。膜厚は12μmであった。
《光電変換特性評価》
得られた膜を450℃で1時間焼成し、ルテニウム色素(Rutenium535−bisTBA:SOLARONIX社製)/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率7.3%)を得た。
[比較例1]
《ナノチューブ形状のチタニアの作製》
チタニアナノチューブを特開2002−241129号公報に従い、チタンイソプロポキシドをエタノール水溶液中に溶解させて加水分解により生じたゾルに、希塩酸を加水分解触媒として添加し放置後、600℃で2時間焼成し、粉砕したチタニア粉末を、20重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に分散させ、110℃で20時間水熱合成を行い、塩酸にて中和洗浄を行い、チタニアナノチューブを得た。得られたチューブの直径は8nmで、長さは平均150nmであったが、チューブ以外の不定形の結晶も多く見られた。
《電気泳動による半導体層の作製》
ろ過したチタニアナノチューブ3gを100mlのt−ブタノール中で超音波ホモジナイザーにて分散させた。この分散液を用いF−SnOを電極として、電極間距離0.3mm、200V/cmで電気泳動を行ったが、F−SnO上に形成された膜は脆く、乾燥後F−SnOから剥離し、膜を得ることができなかった。

Claims (9)

  1. 導電性基板、半導体層、電荷輸送層および対向電極から少なくとも構成される光電変換素子において、該半導体層が、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液中でチタンもしくはチタンを主成分とする合金を電解酸化することにより製造される長手方向の長さが1μm以上のナノチューブ形状のチタニアを、電気泳動法により前記導電性基板の導電層上へ付着させることによって形成されたものであることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記ナノチューブの比表面積が50m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記ナノチューブの形状が、外径5〜50nm、肉厚2〜20nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記電気泳動法が、電解質を含まないチタニア分散液を用いて行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記チタニア分散液が、ナノチューブ形状のチタニアとナノ粒子形状のチタニアの混合分散液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記電気泳動法が直流電場で行われ、その電界の強さが50〜300V/cmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 形成された半導体層を100〜600℃で加熱処理することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 前記半導体層が色素で増感されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子を用いた光電池。
JP2005193536A 2005-07-01 2005-07-01 光電変換素子 Expired - Fee Related JP4804050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005193536A JP4804050B2 (ja) 2005-07-01 2005-07-01 光電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005193536A JP4804050B2 (ja) 2005-07-01 2005-07-01 光電変換素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007012503A true JP2007012503A (ja) 2007-01-18
JP4804050B2 JP4804050B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=37750703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005193536A Expired - Fee Related JP4804050B2 (ja) 2005-07-01 2005-07-01 光電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4804050B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014032847A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Toyota Central R&D Labs Inc 複合体、光電極、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュール

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4947951B2 (ja) * 2005-10-14 2012-06-06 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 チタン酸化物電極、その製造方法および光電変換素子

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311355A (ja) * 2003-04-10 2004-11-04 Fujikura Ltd 電極用基材の製造方法
JP2004311354A (ja) * 2003-04-10 2004-11-04 Fujikura Ltd 電極用基材の製造方法
JP2004319661A (ja) * 2003-04-15 2004-11-11 Fujikura Ltd 光電変換素子用基材およびその製造方法ならびに光電変換素子およびその製造方法
JP2005150278A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Nippon Oil Corp 電極および機能性素子
JP2005203510A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Kyocera Corp 光電変換装置
WO2006087841A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Osaka University 酸化チタンナノチューブ及びその製造方法
JP2006302531A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Sharp Corp 色素増感太陽電池およびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311355A (ja) * 2003-04-10 2004-11-04 Fujikura Ltd 電極用基材の製造方法
JP2004311354A (ja) * 2003-04-10 2004-11-04 Fujikura Ltd 電極用基材の製造方法
JP2004319661A (ja) * 2003-04-15 2004-11-11 Fujikura Ltd 光電変換素子用基材およびその製造方法ならびに光電変換素子およびその製造方法
JP2005150278A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Nippon Oil Corp 電極および機能性素子
JP2005203510A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Kyocera Corp 光電変換装置
WO2006087841A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Osaka University 酸化チタンナノチューブ及びその製造方法
JP2006302531A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Sharp Corp 色素増感太陽電池およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014032847A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Toyota Central R&D Labs Inc 複合体、光電極、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP4804050B2 (ja) 2011-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lee et al. Ni3Se4 hollow architectures as catalytic materials for the counter electrodes of dye-sensitized solar cells
Xie et al. Electrolyte effects on electron transport and recombination at ZnO nanorods for dye-sensitized solar cells
Tang et al. A microporous platinum counter electrode used in dye-sensitized solar cells
Raj et al. Surface reinforced platinum counter electrode for quantum dots sensitized solar cells
US20050211292A1 (en) Zwitterionic compounds and photovoltaic cells containing same
JPWO2003103085A1 (ja) 光電変換素子
US20230104362A1 (en) Dye sensitized photovoltaic cells
US20110277832A1 (en) Method for production of titanium dioxide composite and photoelectric conversion device incorporated with the same
JP5717500B2 (ja) 酸化チタンナノチューブの製造方法
Mehmood et al. Spray coated PbS nano-crystals as an effective counter-electrode material for platinum free Dye-Sensitized Solar Cells (DSSCs)
JP4741263B2 (ja) チタニアナノアレイ電極の製造方法およびそれを用いた光電変換素子
JP4690884B2 (ja) チタン−多孔質チタン酸化物複合体の製造方法
JP2008021582A (ja) 色素増感型光電変換素子
JP2009076369A (ja) 色素増感太陽電池
JP2006324111A (ja) フレキシブル色素増感太陽電池
JP2006286534A (ja) フレキシブル色素増感太陽電池
JP5702394B2 (ja) 電解質組成物用添加剤及びこの添加剤を用いた電解質組成物並びに色素増感太陽電池
JP2006299388A (ja) 多孔質チタン−チタン酸化物複合体の製造方法
JP4804050B2 (ja) 光電変換素子
JP2007073346A (ja) 色素増感太陽電池
JP2007265775A (ja) 色素増感型太陽電池
WO2018207857A1 (ja) 有機無機ハイブリッド材料ならびにこれを用いたペロブスカイト型太陽電池
JP4931402B2 (ja) 光電変換素子
JP5611098B2 (ja) 酸化チタン−ポリアニリン複合体
JP2008021581A (ja) 色素増感型光電変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees