JP2007011457A - 運転支援自動車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 運転者Dが側方の周辺視で視認可能な発光体を配置する。例えば、車両10の左右の前席ドア21の窓枠の下辺部分に、発光ユニット20を配置する。発光ユニット20は、ウインカ操作レバー31の操作に応じて、その操作された側が発光制御部40により発光される。発光ユニット20は、助手席側を、運転席側より前方へ配置しておくとよい。
【選択図】 図1
Description
そのため、運転者は、右左折や車線変更の際には、進行方向を一瞥するだけでなく、顔の向きをはっきりと進行方向(例えば、曲がろうとする左側)に向けて、道路状況を確認するのが望ましいが、運転に不慣れな者などは、ついこの動作を怠りがちである。
本発明は、簡易な構成によって、運転者に適切に注意を促し、運転者に適切な注視行動をとらせる運転支援自動車を提供することを目的とする。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る運転支援自動車の構成を示す平面図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る運転支援装置のブロック図であり、図3は、発光ユニットの配置および構造を示した車両の前席ドアの図であり、(a)は右側のドア、(b)は左側のドア、(c)は、(a)のZ−Z断面図である。
図1および図2に示すように、第1実施形態に係る運転支援自動車Aは、車両10と、車両10の両側部に設けられた発光体としての発光ユニット20と、車両10の置かれた状況を検知する車両状態検知部30と、発光ユニット20の動作を制御する発光制御部40とを備えた運転支援装置1を有して構成されている。
また、右左折の予定の交差点からある程度の距離の範囲に入ったとき、例えば、交差点から300m以内に入ったときに、車線変更を予知して、その予知を示す信号をナビゲーションシステム32に出力させてもよい。
ヨーレイトセンサ34から検出される現在のヨーレイトを用いる場合、ヨーレイトの絶対値が所定値以上になったときに、車両状態検知部30は、旋回がはじまったと判断することができる。逆に、ヨーレイトの絶対値が所定値未満となったとき、車両状態検知部30は、旋回が終了したと判断することができる。
発光制御部40は、車両状態検知部30からの信号に応じて発光ユニット20を単に発光させるだけであれば、発光ユニット20へ電力を供給するだけの回路でよいし、発光ユニット20を点滅させるのであれば、所定周波数で間歇的に電力を供給する点滅回路を用いるとよい。発光ユニット20を点滅させる場合、例えば、図4に示すように、発振回路41とトランジスタ42を備えて発光制御部40を構成することができる。
また、車両状態検知部30からの信号に応じて、複雑な演算をして、発光のオン・オフを決定する場合には、条件演算をするCPU(Central Processing Unit)や記憶装置を有するマイクロコンピュータと、電力供給回路とを備えて発光制御部40を構成することができる。
そして、ウインカ操作レバー31の操作を車両状態検知部30が常時検出する(S2,NO)。
ウインカ操作レバー31の操作が検知された場合には(S2,YES)、発光制御部40は、制御信号、例えば間歇的なパルス電圧を生成し(S3)、発光ユニット20に出力する。このとき、ウインカ操作レバー31が操作された側(右折側の操作であれば右側)の発光ユニット20に対して信号を出力する。そして、この信号に応じて発光ユニット20が発光する(S4)。
以上のステップS2〜S4は、イグニッションスイッチがオフにされるまで繰り返される(S5)。
そのため、運転者Dは、発光ユニット20が点滅している側の車外の状況を目視で認識でき、死角に入った車両の確認や、右左折した先の道路での横断歩行者の発見を確実に行うことができる。
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、助手席側の前席ドア21に2つの発光ユニット20を設け、助手席の乗員の有無によって発光ユニット20を使い分ける態様である。図6は、第2実施形態に係る運転支援自動車の構成を示す平面図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の部分については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
着座センサ35の検出結果、例えば検出した重量は、発光制御部40へ出力される。
まず、運転者Dが車両10に乗り込んで、イグニッションスイッチをオンにすることにより、運転支援装置1のシステム全体に電源が入る(S101)。
そして、ウインカ操作レバー31の操作を車両状態検知部30が常時検出する(S102,NO)。
ウインカ操作レバー31の操作が検知された場合には(S102,YES)、その操作が運転席側に曲がることを示す操作だった場合には、第1実施形態と同様の動作をする。一方、助手席AS側に曲がることを示す操作だった場合には、ステップS103〜S108の動作をする。すなわち、発光制御部40は、着座センサ35の出力に基づいて、乗員が助手席ASにいるかどうか判断する(S103)。乗員検知信号が検知されなかったときは(S103,NO)、発光制御部40は、後ろの発光ユニット20Rを発光させるべく、制御信号、例えば間歇的なパルス電圧を生成し(S104)、発光ユニット20Rに出力する。そして、この信号に応じて発光ユニット20Rが発光する(S105)。また、乗員検知信号が検知されたときは(S103,YES)、発光制御部40は、前の発光ユニット20Fを発光させるべく、制御信号を生成し(S106)、発光ユニット20Fに出力する。そして、この信号に応じて発光ユニット20Fが発光する(S107)。
以上のステップS101〜S107は、イグニッションスイッチがオフにされるまで繰り返される(S108)。
そして、助手席ASに人が乗っていない場合には、理想的な位置に近い運転者Dの略真横(左側)で発光ユニット20Fが発光するので、運転者Dが自然な形で左側に顔を向けることができる。また、助手席ASに人が乗っている場合でも、前の発光ユニット20Fが発光するので、助手席ASに乗っている人にじゃまされず、運転者Dが確実に発光ユニット20Fの発光を周辺視で見ることができる。
そのため、運転者Dは、発光ユニット20が点滅している側の車外の状況を目視で認識でき、死角に入った車両の確認や、右左折した先の道路での横断歩行者の発見を確実に行うことができる。
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、車外の明るさに応じて発光ユニット20の明るさを変える実施形態である。
参照する図において、図8は、本発明の第3実施形態に係る運転支援装置のブロック図である。
図8に示すように、運転支援装置1′は、第1実施形態に係る運転支援装置1と比較して、車両状態を検知するセンサとして、照度センサ36およびライトコントロールスイッチ37を有している。
照度センサ36は、車両10のダッシュボード上などに配設され、ダッシュボード上の照度を検知することで車両10の外部の明るさを検出する。検出した照度は、車両状態検知部30′へ出力される。
ライトコントロールスイッチ37は、ヘッドライトやフォグランプのスイッチを入れたり、明るさを変えたりするためのスイッチである。ライトコントロールスイッチ37によりヘッドライトやフォグランプが点灯された場合には、車両10の外部が暗くなっているはずであるから、ライトコントロールスイッチ37のオン・オフの状態を見ることで間接的に車両10の外部の明るさを検出することができる。ライトコントロールスイッチ37の操作状態は、車両状態検知部30′へ出力される。
照度センサ36およびライトコントロールスイッチ37は、両方備えていてもよいし、いずれか一方のみを備えていてもよい。
車両状態検知部30′は、第1実施形態の車両状態検知部30が有する機能に加えて、照度センサ36およびライトコントロールスイッチ37から入力された信号を取得する。
ライトコントロールスイッチ37からの信号を用いる場合は、ライトコントロールスイッチ37がオンになったときは、車両10の外部が暗いと考えられるので発光ユニット20を発光させる明るさを暗くし、オフになったときは、明るくする。
これらの明るさの変更には、例えば調光用の抵抗を調節すればよい。
照度センサ36とライトコントロールスイッチ37を両方備えている場合には、検出した照度が低く、かつライトコントロールスイッチ37がオンになっている場合には、発光ユニット20を暗くする。また、検出した照度が高いのにライトコントロールスイッチ37がオンになっている場合や、検出した照度が低いのにライトコントロールスイッチ37がオフになっている場合には、照度センサ36に物が被さっているとか、ライトを消し忘れている可能性が高いので、発光ユニット20を明るくするとよい。
次に本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、発光体を用いずに、誘目性の高い色彩を用いた実施形態である。
参照する図において、図9は、第4実施形態に係る運転支援自動車の平面図であり、図10は、車室内から右側(運転席側)の車両側部を見た図である。図9に示すように、第4実施形態の運転支援自動車Cは、運転席DSの左右に位置するピラー25(Bピラーともいわれる)に、周囲より誘目性の高い色を付した領域A1を設けたものである。誘目性の高い領域とは、人の注意を引きやすい色からなる領域であり、例えば、黄色、橙色、赤色などは誘目性が高い色である。一方、青色や黒色は、誘目性が低い色である。
例えば、図9に斜線で示した、ダッシュボードの上(実施形態ではメータバイザの上でもある)の領域B1や、図示はしないが、メータパネルの部分を誘目性の低い黒色にしておくとよい。このようにすることで、領域A1に付した誘目性の高い色が際立ち、より誘目性が高くなる。
また、領域A1を黄色にした場合には、領域B1や、メータパネルを、黄色の補色である青色にしておいても同様の効果が得られる。
また、同じ領域A2の範囲に、前後に長く誘目性の高い領域を設けるのではなく、周辺視で知覚できる程度の大きさ、例えば15mm四方の大きさの着色領域を配してもよい。
若しくは、図10に示す領域A3のように、前席ドア21のウィンドウガラス22に縦に誘目性の高い領域を設けても良い。この場合には、例えば黄色いテープを貼るなどの方法により簡易に誘目性の高い領域を作ることができ、また、運転者Dの体格に応じた適切な位置に簡単に誘目性の高い領域を作ることができる。
例えば、図11に示すように、運転席DSの前席ドア21の上部のサイドガーニッシュに誘目性が高い領域A2を照らす照明25aを設け、夜間、車両10が旋回するときにのみ、照明25aを点灯させることができる。
また、図12に示すように、運転席DSのヘッドレストDS1に、Bピラーの誘目性が高い領域A1に向けて照明25bを設けることもできる。
さらに、図13に示すように、車両10の天井11に、Bピラーの誘目性が高い領域A1を照らす照明25cを設けることもできる。
これらの変形例における夜間の判断は、第3実施形態と同様にして行うことができる。また、旋回状態の判断は、第1実施形態と同様にして行うことができる。
このような照明を設けた運転支援自動車Cによれば、簡易な構成で夜間も運転者Dの適切な動作を喚起することができる。
実施例1においては、第1実施形態と同様の運転支援自動車Aを用いた。車両状態検知部30は、ウインカ操作レバー31の操作を検知するように構成した。
3人の被験者に対し、3回ずつ右折および左折をしてもらい、その際の視線の水平方向の振れ角をアイカメラで測定した。視線の振れ角は、車両前方を0°とし、振れ角が大きい程、側方に注意が分配されているものと仮定した。実施例の実験は、周波数10Hzで発光ユニット20を点滅させた場合(実施例a)と、点滅させずに点灯させた場合(実施例b)の2種類で行った。
また、同じ被験者3人に対し同様の実験を運転支援装置1が搭載されていない同じ車で行った。
この実験の結果をまとめたのが図14である。図14(a)は、左折時の被験者の視線の最大振れ角を測定した結果を示すグラフであり、(b)は、右折時の被験者の視線の最大振れ角を測定した結果を示すグラフである。なお、グラフは、すべての測定結果を平均した値を示している。
実施例2では、ドライビングシミュレータを用いて、第4実施形態に相当する運転支援自動車Cの模擬的な試験運転を行った。
図15(a)は、ドライビングシミュレータを示す図であり、(b)は、指標の位置を示す角度αを示す図である。
図15(a)に示すように、実験に用いたドライビングシミュレータは、自動車の窓から見える風景や車内の状態を運転席の周りに映像として映し出し、運転席で模擬的な運転をする装置である。
ドライビングシミュレータには、自動車の運転席の横に位置するピラー(Bピラー)に相当する部分を黄色に着色した映像を映し出させ、装置のインストルメンタルパネルの部分を黄色の補色である青色に着色した。そして、車外の風景に相当する部分に、黒丸の移動する指標を映し出し、側方から前方へ移動させた。指標は、図15(b)に示す角度αの位置からスタートさせ、このαの値を変えた上で、運転者が移動する指標を発見するまでの時間を測定した。
3人の被験者に対しこのような実験を行い、指標を発見するまでの時間を平均してグラフにした。
比較例として、インストルメンタルパネルを黒色にし、Bピラーを黒色にした上で同様の実験を行った。
その結果、図16に示すように、指標のスタート角度αが30deg,45deg,60deg,75degのいずれの場合においても、比較例の被験者よりも実施例の被験者の方が早く指標を発見することができた。
10 車両
20(20F,20R) 発光ユニット
30 車両状態検知部
31 ウインカ操作レバー
32 ナビゲーションシステム
33 操舵角センサ
34 ヨーレイトセンサ
35 着座センサ
40 発光制御部
A,B,C 運転支援自動車
Claims (10)
- 運転者の注意を適切に配分させる運転支援自動車であって、
運転者が側方の周辺視で視認可能な発光体を配置したことを特徴とする運転支援自動車。 - 前記発光体は、車両の両側部に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の運転支援自動車。
- 車両が置かれた状況を予知または検知する車両状態検知部と、
検知された車両の状況に応じて前記発光体の発光を制御する発光制御部とをさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の運転支援自動車。 - 前記車両状態検知部は、ウインカの操作信号を検知し、
前記発光制御部は、前記車両状態検知部がウインカの操作信号を検知したときに、前記ウインカが作動している側の前記発光体を発光させることを特徴とする請求項3に記載の運転支援自動車。 - 前記車両状態検知部は、ナビゲーション装置から車両の旋回または車線変更を予知または検知し、
前記発光制御部は、前記車両状態検知部が車両の旋回または車線変更を予知または検知したときに、前記車両が旋回または車線変更する側の前記発光体を発光させることを特徴とする請求項3に記載の運転支援自動車。 - 前記車両状態検知部は、操舵角センサまたはヨーレイトセンサから車両の旋回を検知し、
前記発光制御部は、前記車両状態検知部が車両の旋回を検知したときに、前記車両が旋回する側の前記発光体を発光させることを特徴とする請求項3に記載の運転支援自動車。 - 前記車両状態検知部は、車両の外部の明るさを検知し、検知した明るさに応じて前記発光体を発光させる明るさを変更することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の運転支援自動車。
- 前記発光体は、2〜10Hzの頻度で点滅することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の運転支援自動車。
- 運転者の注意を適切に配分させる運転支援自動車であって、
運転者が側方の周辺視で視認可能な位置に誘目性の高い色の領域を設けたことを特徴とする運転支援自動車。 - 前記運転支援自動車は、運転者の前方に誘目性の低い色の領域を設けたことを特徴とする請求項9に記載の運転支援自動車。
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