JP2007011312A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 短波長から長波長まで幅広い波長の光源に対して好適な電気特性を示し、長期間の繰り返し使用によっても良好な画像を形成することができる電子写真感光体および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 電子写真感光体の感光層が、少なくとも下記一般式(2)で表される化合物を含み、下記一般式(1)で表される群より選ばれる複数種の化合物、および下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有する。
Figure 2007011312

Figure 2007011312

Figure 2007011312

【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
C.F.カールソンの発明による電子写真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が得られることなどから、複写機の分野にとどまらず、各種プリンターやファクシミリの分野に続き、最近はデジタル複合機としても広く普及し、大きな拡がりをみせている。
電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する、有機系の光導電材料を使用した感光体が主に使用されている。
中でも電荷発生層、および電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体は、より高感度な感光体が得られること、材料の選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、現在では感光体の主流となっており、大量に生産されている。
一方、より高画質な画像を得るためや、入力画像を記憶したり自由に編集したりするために、画像形成のためのデジタル化が急速に進行している。過去には、デジタル的に画像形成するものとしては、ワープロやパソコンの出力機器であるレーザープリンター、LEDプリンターや一部のカラーレーザーコピア等に限られていたが、最近になって、従来アナログ的な画像形成が主流であった普通の複写機の分野でもデジタル化がほぼ完全に達成された。
このようなデジタル的画像形成を行なう場合、感光体に対するデジタル信号の光入力用光源には、主としてレーザー光やLED光が用いられている。現在広く使用される光入力用光源の発信波長としては、780nmや660nmの近赤外光やそれに近い長波長光が広く用いられている。また近年、青色レーザーが実用化され、400〜500nmの短波長光を光入力用光源として使用することも可能となった。デジタル的画像形成に使用される感光体としては、これら各種の光入力用光源に対して有効な感度を持つこと必要があり、これまで多種多様な材料が検討されている。また、感度が高いことの他にも、十分な帯電性を有すること、帯電後の暗減衰が小さいこと、残留電位が低いこと、およびこれら特性の繰り返し使用時の安定性がよいことなどの、基本的な特性が要求される。
特に複写機やプリンターでの繰り返し使用においては、感光層が次第に劣化するという問題があるため、繰り返し使用によるダメージが少なく、電気特性も安定していることが望まれる。
これらの特性は電荷発生物質や電荷輸送物質、バインダー樹脂に大きく依存する。電荷発生物質としては、光入力用光源に対する感度を持つ必要があるため、主にフタロシアニン顔料やアゾ顔料が使われる。電荷輸送物質としては、多種のものが知られているが、ジアミン系化合物は、非常に低い残留電位を示すことから広く利用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
また、感光層、特に電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂が好適に用いられており、特定のユニットを含む共重合ポリカーボネート樹脂の優位性が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−75517号公報 特開2002−40688号公報
これまで、電子写真感光体の開発・製造においては、帯電装置、光入力用光源、現像装置などの種々の装置条件に適合する感光体を都度調製する必要があった。また、感光体を調製し、初期には良好な画像を形成できたとしても、長期の繰り返し使用によってその画像が劣化する場合があり、好適な感光体を得るには多大な検証が必要であった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、短波長から長波長に亘る広い波長域の光を光入力用光源とした場合でも好適な電気特性を有し、さらに長期間繰り返し使用したとしても良好な画像を形成することができる電子写真感光体を提供すること、また該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ、および電子写真装置を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、感光層に特定の構造のジアミン化合物を複数種含有し、しかも特定の構造の繰り返し単位を含むバインダー樹脂を使用することにより、幅広い波長域で好適な電気特性を有すると同時に、長期間繰り返し使用したとしても良好な画像を形成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記一般式(1)で表される群より選ばれる複数種の化合物、および下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有するものであって、一般式(1)より選ばれる化合物群のうち少なくとも一種は、下記一般式(2)で表される群より選ばれる化合物であることを特徴とする電子写真感光体に存する。
Figure 2007011312
(一般式(1)中、Ar〜Arは置換基を有していてもよいアリール基を、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
Figure 2007011312
(一般式(2)中、ArおよびArは、窒素原子に対して4位に置換基を有するアリール基を、ArおよびArは、窒素原子に対して3位に置換基を有するアリール基を、Ar10は置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、mは1〜10の整数を表す。)
Figure 2007011312
(一般式(3)中、Ar11およびAr12は、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。)
また本発明の要旨は、前記電子写真感光体を使用したプロセスカートリッジ、および前記電子写真感光体を使用した電子写真装置にある。
本発明によれば、本発明に特定の複数種の化合物を含有するとともに、本発明に特定の繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有する感光層を用いることで、幅広い波長域に感度を持ち、長期間繰り返し使用したとしても良好な画像を形成することができる電子写真感光体を提供することができる。また、この感光体を使用する、またはこの感光体を用いたプロセスカートリッジを使用することにより、種々の光入力用光源で好適な露光が可能であって、長期間繰り返し使用したとしても良好な画像を形成することができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜実施することができる。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、本発明に係る一般式(1)で表される群から選ばれ、少なくとも一種は一般式(2)で表される群より選ばれる、複数種の化合物と、本発明に係る一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有する感光層を設けたものであれば、その詳細な構成は特に制限されない。以下、代表的な構成について説明する。
<導電性支持体>
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を混合して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、その形態としては、例えばドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。さらに、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化処理を施してから用いても良い。なお、陽極酸化処理を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。また、下引き層は、単一層であっても、複数層を設けてもかまわない。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、
チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などがあげられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いても良い。
これらの金属酸化物粒子の中でも、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。これらの処理は何れか1種でもよく、2種以上が施されていてもよい。
酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスの何れも用いることができる。なお、酸化チタン粒子は、その結晶型が1種類のみであってもよく、2種以上の結晶型が任意の組み合わせ及び比率で含まれていてもよい。
金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも下引き層の原料であるバインダー樹脂等の特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。なお、この平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission electron micloscope:以下適宜「TEM」という)により直接観察される粒子の径の算術平均値によって求めることが可能である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等があげられる。なお、これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性及び塗布性を示し、好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の混合比は任意に選べるが、通常はバインダー樹脂100重量部に対して、10重量部以上500重量部以下の範囲で使用することが、塗布液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、及び繰り返し特性、並びに製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下が望ましい。
なお、下引き層には、画像欠陥防止などを目的として、有機顔料粒子、樹脂粒子などを含有させてもよい。
<感光層>
感光層は、上述の導電性支持体上に(前述の下引き層を設けた場合は下引き層上に)形成される。感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バ
インダー樹脂中に分散された単層構造のもの(以下適宜、「単層型感光層」という)と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)とがあげられるが、何れの形態であってもよい。また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあげられるが、どのような形態を採用することも可能である。
本発明に係る感光層は、下記一般式(1)で表される群より選ばれる複数種の化合物、および下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有するものであって、一般式(1)より選ばれる化合物群のうち少なくとも一種は、下記一般式(2)で表される群より選ばれる化合物である。
Figure 2007011312
一般式(1)中で、Ar〜Arは置換基を有していてもよいアリール基を、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を表す。
Figure 2007011312
一般式(2)中で、ArおよびArは、窒素原子に対して4位に置換基を有するアリール基を、ArおよびArは、窒素原子に対して3位に置換基を有するアリール基を、Ar10は置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、mは1〜10の整数を表す。
Figure 2007011312
一般式(3)中で、Ar11およびAr12は、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。
本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物は、感光層が複数の層により形成されている場合にはそれらの層のうちどの層が含有していてもかまわず、別の層がそれぞれ別の化合物を含有していてもかまわないが、一般式(1)および一般式(2)で表される化合物は、通常電荷輸送能を有するため、これらの化合物は、通常電荷を輸送する機能が必要とされる層が含有している。好ましくは一般式(1)〜(3)で表される化合物を、同時に同一の層が含有しているものであって、特に好ましくは一般式(1)〜(3)で表される化合物を、積層型感光層の電荷輸送層が含有しているものである。
一般式(1)中のAr〜Arは、置換基を有していてもよいアリール基であるが、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、ビフェニリ
ル基、テルフェニリル基などがあげられ、好ましくは芳香族環が3個以下のものであり、特に好ましくはフェニル基である。
有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子があげられるが、さらにこれらが置換基を有していてもよい。また、置換基が環を形成していても構わず、Ar〜Arのいずれか、または複数のアリール基と縮合環を形成していても構わない。前記置換基としては、炭素数10以下のアルキル基が好ましく、さらに好ましくはメチル基である。また、置換基は独立に複数存在してもよい。
Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基であるが、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ピレニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基などがあげられ、好ましくは芳香族環が3個以下のものであり、特に好ましくはフェニレン基である。
有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子があげられるが、さらにこれらが置換基を有していてもよい。前記置換基としては、炭素数10以下のアルキル基が好ましく、さらに好ましくはメチル基である。また、置換基は独立に複数存在してもよい。
nは1〜10の整数を表すが、好ましくは2以上であって、8以下であり、特には5以下である。nが2以上でAr10が置換基を有する場合は、それらの置換基が互いに結合して管を形成していてもよい。
一般式(2)中のArおよびArは、窒素原子に対して4位に置換基を有するアリール基であって、ArおよびArは、窒素原子に対して3位に置換基を有するアリール基であるが、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基などがあげられ、好ましくは芳香族環が3個以下のものであり、特に好ましくはフェニル基である。
有する置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子があげられるが、さらにこれらが置換基を有していてもよい。また、置換基が環を形成していても構わず、Ar〜Arのアリール基と縮合環を形成していても構わない。前記置換基としては、炭素数10以下のアルキル基が好ましく、さらに好ましくはメチル基である。また、他の結合位置に独立に複数の置換基が存在しても構わない。この場合、存在していても構わない置換基としては、Ar〜Arのアリール基が必ず有する置換基と同様の置換基があげられる。
Ar10は、置換基を有していてもよいアリーレン基であるが、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ピレニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基などがあげられ、好ましくは芳香族環が3個以下のものであり、特に好ましくはフェニレン基である。
有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子があげられるが、さらにこれらが置換基を有していてもよい。前記置換基としては、炭素数10以下のアルキル基が好ましく、さらに好ましくはメチル基である。また、置換基は独立に複数存在してもよい。
nは1〜10の整数を表すが、好ましくは2以上であって、8以下であり、特には5以下である。nが2以上でAr10が置換基を有する場合は、それらの置換基が互いに結合して管を形成していてもよい。
次に、一般式(1)および(2)で示される化合物について、その構造の具体例を例示する。例示は本発明の詳細な説明を行うために例示するものであり、一般式(1)および(2)で示される化合物は、本発明の趣旨に反しない限り以下の構造に限定されるものではない。
Figure 2007011312
Figure 2007011312
Figure 2007011312
Figure 2007011312
Figure 2007011312
上述した本発明に係る一般式(1)で表される化合物群、および一般式(1)で表される化合物群に含まれる一般式(2)で表される化合物郡は、通常電荷輸送能を有する化合物であるが、これらの化合物に加えて他の公知の電荷輸送物質を組み合わせて用いてもよい。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導
体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等があげられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。なお、これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。本願発明に係る一般式(1)に含まれない電荷輸送物質を併用する場合、当該化合物の使用量は、本願発明に係る一般式(1)に含まれる化合物の全量よりも重量として少ないことが好ましく、特には、本願発明に係る一般式(1)に含まれない電荷輸送物質は含有せず、電荷輸送物質としては本願発明に係る一般式(1)で表される化合物のみを使用することが好ましい。
本発明の感光層は、一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有し、一般式(3)中のAr11およびAr12としては、置換基を有していてもよいフェニレン基である。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などのアリール基、ベンジル基やフェネチル基などのアラルキル基があげられ、さらにこれらが置換基を有していてもよい。置換基として好ましくはアルキル基またはアリール基であって、アリール基がより好ましいが、特には置換基を有さないものが好ましい。
一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂は、電子写真感光体に使用可能な他の樹脂の有する、いかなる繰り返し構造との共重合体であっても構わず、共重合体である場合、一般式(3)で表される繰り返し単位数、および分子量に特に制限は無い。共重合体である場合の他の繰り返し構造として、ポリカーボネート樹脂の繰り返し構造、ポリエステル樹脂の繰り返し構造があげられる。感光層の機械的な特性を調整するため、好ましくは他の樹脂の有する繰り返し単位との共重合体が用いられる。この場合の共重合比率は、樹脂全体の繰り返し単位のユニット数に対して、ユニット数として1%以上、好ましくは3%以上であって、特に好ましくは5%以上であり、通常50%以下、好ましくは40%以下、特には30%以下である。
一般式(3)で表される繰り返し構造を含むバインダー樹脂の分子量に特に制限は無いが、感光層を塗布形成するのに適するよう、粘度平均分子量が、通常10,000以上、好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、通常300,000以下、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下である。粘度平均分子量が10,000未満であると樹脂の機械的強度が低下し実用的でなく、300,000以上であると、感光層を適当な膜厚に塗布形成する事が困難である。
本発明におけるバインダー樹脂の粘度平均分子量は、以下のように定義される。
バインダー樹脂をジクロロメタンに溶解し、濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
次に、一般式(3)をユニットとして含む、本発明に用いられるバインダー樹脂の構造の具体例を例示する。例示は本発明の詳細な説明を行うために例示するものであり、本発明の趣旨に反しない限り以下の構造に限定されるものではない。
Figure 2007011312
<積層型感光層>
以下、本発明の好ましい実施様態として積層型感光層を例としてさらに詳細に説明するが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明はこれらの実施様態に制限されるものではない。
・電荷発生層
積層型感光層の電荷発生層は、電荷発生物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生物質及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質としては、セレン及びその合金、硫化カドミウム、その他の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とがあげられるが、有機系光導電材料の方が好ま
しく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料の具体例としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などがあげられる。上記例示の有機顔料の中でも、特にフタロシアニン顔料およびアゾ顔料が好ましい。
フタロシアニン顔料は、波長600nm〜900nmの比較的長波長のレーザー光に対しても、波長350nm〜500nmの比較的短波長のレーザー光に対しても高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び波長300〜500nmの比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン顔料が使用される。フタロシアニン顔料は、結晶型を有するものであっても無定形のものであっても構わないが、通常、感度が高いという点で結晶型のフタロシアニン顔料が好ましく用いられる。結晶型フタロシアニン顔料の中でも、特に感度の高い、X型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のオキシチタニウムフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、結晶型フタロシアニン顔料の中でも、CuKa特性X線に対するX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)が、27.3°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン、9.3°,13.2°,26.2°及び27.1°に主たる回折ピークを示すチタニルフタロシアニン(オキシチタニウムフタロシアニン)、9.2°,14.1°,15.3°,19.7°,27.1°に主たる回折ピークを有するジヒドロキシシリコンフタロシアニン、8.5°,12.2°,13.8°,16.9°,22.4°,28.4°及び30.1°に主たる回折ピークを示すジクロロスズフタロシアニン、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°及び28.3°に主たる回折ピークを示すヒドロキシカリウムフタロシアニン、並びに、7.4°,16.6°,25.5°及び28.3°に回折ピークを示すクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。これらの中でも、27.3°に主たる回折ピークを示すチタニルフタロシアニン(オキシチタニウムフタロシアニン)が特に好ましく、この場合、9.5°,24.1°及び27.3°に主たる回折ピークを示すチタニルフタロシアニン(オキシチタニウムフタロシアニン)がとりわけ好ましい。
フタロシアニン顔料としては、何れか一種の化合物を単独で用いても良いし、複数種の化合物を混合あるいは混晶状態で用いても良い。ここでのフタロシアニン顔料ないしは結晶状態における混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン顔料の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に摩砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法があげられる。
一方、電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、光入力用光源に対して感度を有するものであれば従前公知の各種のアゾ顔料を使用することが可能であるが、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。好ましいアゾ顔料としては、下記一般式(4)で表される化合物があげられる。
Figure 2007011312
一般式(4)においてAr13は置換基を有していても構わないアリール基を表し、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等があげられるが、芳香族環が3個以下のものが好ましく、特にはフェニル基が好ましい。Ar13が有していても構わない置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ハロゲン原子が挙げられ、これらの中でもアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は環状構造を有するものでも構わない。アルコキシ基の総炭素数に制限は無いが、炭素数15以下のアルコキシ基が好ましく、特に好ましくは炭素数10以下のアルコキシ基である。
Zは、
Figure 2007011312
の混合物を表し、環Xは置換基を有していても構わないが、当該置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ハロゲン原子が挙げられ、これらの中でもアルキル基が好ましいが、特に好ましくは環Xには置換基を持たない。本発明に好適なアゾ顔料の例を下記に示すが、これらは本発明に適用可能な例を示すに過ぎず、本発明に用いられるアゾ顔料はこれらに限定されない。
Figure 2007011312
上記例示のアゾ顔料は、1種を単独で用いてもよいし2種類以上のアゾ顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましい。また、アゾ顔料とフ
タロシアニン顔料を併用してもよく、中でもジスアゾ顔料またはトリスアゾ顔料と、フタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の電荷発生物質を単独で用いて、例えば蒸着などの方法により膜等に形成してもよいが、通常は電荷発生物質をバインダー樹脂で結着した形で使用する。特に、電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、これらの有機顔料の微粒子をバインダー樹脂で結着した形で使用することが好ましい。バインダー樹脂の種類は特に制限されないが、例えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどがあげられる。
積層型感光層の電荷発生層に用いられるバインダー樹脂に制限はなく、任意の樹脂を用いることができる。その具体例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどを挙げることができる。また、例えば、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナールや、セルロースエステル、セルロースエーテル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリアミド、ケイ素樹脂等もあげられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、バインダー樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒に特に制限はなく、任意の溶媒及び分散媒を用いることができる。その具体例を挙げると、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の鎖状及び環状飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、
ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などがあげられる。中でも、下引き層を溶解しないものが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
積層型感光層の電荷発生層における電荷発生物質の配合比(重量)は、バインダー樹脂100重量部に対して通常1重量部以上、好ましくは10重量部以上、より好ましくは30重量部以上、また、通常2000重量部以下、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは500重量部以下の範囲である。電荷発生物質の比率が高すぎる場合は電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下し、一方、低すぎる場合は感光体としての感度の低下をまねく虞があることから、前記範囲で使用することが好ましい。なお、複数種の電荷発生物質を併用する場合には、それらの電荷発生物質の合計が上記範囲内になるようにする。
積層型感光層の電荷発生層の膜厚は、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは0.8μm以下である。
電荷発生物質を分散媒中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法、遊星ミル分散法、ロールミル分散法、超音波分散法等の公知の分散方法を任意に用いることができる。なお、分散時には、電荷発生物質の粒子を通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、特に好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
・電荷輸送層
本発明に係る積層型感光層の電荷輸送層は、一般式(1)で表される化合物群より選ばれる複数種の化合物、および一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有するものであって、一般式(1)より選ばれる化合物群のうち少なくとも一種は一般式(2)で表される群よりなる化合物である。電荷輸送層の形成方法に特に制限は無いが、通常は、少なくとも一種が一般式(2)で表される群よりなる化合物であるような、一般式(1)で表される化合物群より選ばれる複数種の化合物を、一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂とともに、溶媒または分散媒に溶解または分散して電荷輸送層を塗布形成するための塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂には、前記の通り一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂が用いられるが、電子写真感光体に使用できる従前公知の他の樹脂を併用してもかまわない。但し、本発明の効果を充分に得るためには、全バインダー樹脂の重量に対する、一般式(3)で表される繰り返し単位の重量比率が1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは3重量%以上であって、特には5重量%以上である。
併用できるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチルビニルエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹
脂、等が挙げられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。なお、これらは適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもできる。またこれらの樹脂は、本発明の樹脂と併用する際、単独でも、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。
また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお電荷輸送層には、成膜性、可とう性、塗布性などを向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの添加物を含有させてもよい。
積層型又は単層型の感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても構わない。
また、電荷輸送層には、電子吸引性化合物を含有させても良い。電子吸引性化合物としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができるが、例えば、クロラニル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、3,3’,5,5’−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類;無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニトリル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等の電子吸引性化合物があげられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質(本発明に係るトリフェニルアミン系化合物)、積層型感光層の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質、遮光剤及びバインダー樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光層の電荷輸送層について説明したものと同様である。これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂からなる電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散される。
電荷発生物質は、積層型感光層の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があることから、単層型感光層全体に対して通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲とする。
<添加剤>
積層型感光層、単層型感光層ともに、感光層またはそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加剤を含有させても良い。
例えば、電荷輸送層に使用される添加剤の例としては、成膜性、可撓性、機械的強度を向上させるために使用される周知の可塑剤や架橋剤、酸化防止剤、安定剤、増感剤、塗布性を改善するための各種レベリング剤、分散補助剤などの添加剤があげられる。可塑剤としては、例えばフタル酸エステル、リン酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、メチルナフタレンなどの芳香族化合物などが挙げられ、レベリング剤としては、例えばシリコーンオイル、フッ素系オイル等があげられる。
<表面層>
積層型感光層、単層型感光層ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号、特開平10−252377号各公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
保護層に用いる導電性材料としては、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物などを用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報に記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
保護層の電気抵抗は、通常10Ω・cm以上、1014Ω・cm以下の範囲とすることが望ましい。電気抵抗が前記範囲より高くなると、残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまう一方、前記範囲より低くなると、画像のボケ、解像度の低下が生じてしまう。また、保護層は像露光の際に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
<各層の形成方法>
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶媒又は分散媒に溶解又は分散させて得られた塗布液を、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される
。この際用いる溶媒又は分散媒の種類や使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
例えば、単層型感光層、及び、積層型感光層の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下の範囲とする。
また、積層型感光層の電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、通常0.01mPa・s以上、好ましくは0.1mPa・s以上、また、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下の範囲とする。
塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒に特に制限は無い。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等があげられる。また、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び種類で併用してもよい。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等があげられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
さらに、塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なっても良い。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどがあげられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば、波長が700nm〜850nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長300nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
特に、電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を使用する電子写真感光体の場合には、波長700nm〜850nmの単色光を用いることが好ましく、アゾ化合物を用いる電子写真感光体の場合には、波長700nm以下の単色光を用いることが好ましい。電荷発生物質として本発明に係る一般式(4)で表されるアゾ化合物を用いる電子写真感光体の場合には、波長500nm以下の単色光を光入力用光源としても充分な感度を有するため、波長300nm〜500nmの単色光を光入力用光源として用いることは、特に好適である。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコーン樹脂,ウレタン樹脂,フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼,アルミニウム,銅,真鍮,リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(加圧ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
以下実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
Figure 2007011312
この分散液を、外径30mm、長さ260mm、厚さ0.8mmのアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が1μmとなるように下引き層を設けた。
次に、電荷発生物質として、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない顔料分散液を作成した。こうして得られた160重量部の顔料分散液をポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部と適量の1,2−ジメトキシエタンに加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。
この分散液を、上述の下引き層上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように浸漬塗布した後、乾燥して電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質として、下記構造を有するジアミン化合物(1−1)を25重量部、(2−1)を25重量部混合したもの計50重量部と、
Figure 2007011312
バインダーとして下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(粘度平均分子量約30,000)100重量部、
Figure 2007011312
およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.05重量部を、1,4−ジオキサン溶媒640重量部に溶解させた液を、上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が26μmとなるように浸漬塗布し、感光体ドラムAを得た。
実施例2
電荷輸送物質として、実施例1で示した電荷輸送物質の混合比を変え、(1−1)を35重量部、(2−1)を15重量部用いて計50重量部とした以外は、実施例1と同様にして、感光体ドラムBを得た。
実施例3
電荷輸送層のバインダーとして、下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート
(粘度平均分子量約30,000)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Cを得た。
Figure 2007011312
実施例4
電荷輸送層のバインダーとして、下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(粘度平均分子量約30,000)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Dを得た。
Figure 2007011312
比較例1
電荷輸送物質として、下記構造のジアミン化合物(2−1)を単独で50重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体Eを得た。
Figure 2007011312
比較例2
電荷輸送物質として、下記構造のジアミン化合物(1−2)を25重量部、(1−1)を25重量部混合したもの計50重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体Fを得た。
Figure 2007011312
比較例3
電荷輸送物質として、下記構造のジアミン化合物(2−1)を25重量部、ヒドラゾン
化合物(4−1)を25重量部混合したもの計50重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体Gを得た。
Figure 2007011312
比較例4
電荷輸送層のバインダーとして、下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(粘度平均分子量約30,000)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Hを得た。
Figure 2007011312
比較例5
電荷輸送層のバインダーとして、下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(粘度平均分子量約30,000)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Iを得た。
Figure 2007011312
比較例6
電荷輸送層のバインダーとして、下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(粘度平均分子量約30,000)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Jを得た。
Figure 2007011312
実施例5
電荷輸送物質として、下記構造のトリフェニルアミン化合物(1−3)を25重量部、(2−1)を25重量部混合したもの計50重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体Kを得た。
Figure 2007011312
以上で得られた電子写真感光体を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、以下の手順に従って、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行なった。
感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで600nmの単色光としたものを照射して、表面電位が−350Vとなる時の照射エネルギー(μJ/cm2)を感度E1とした。
同様に、干渉フィルターを用いて425nmの単色光としたものを用い、同様の手順で、感度E2を測定した。
また、得られた電子写真感光体ドラムを、780nmの半導体レーザーで書き込み露光される、A4毎分33枚出力のモノクロページプリンタ(ヒューレットパッカード社製「LaserJet4200」)のドラムカートリッジに搭載し、市場からノーブランドのリサイクルトナーを購入、取り付けた後にハーフトーンのベタ画像をプリントアウトし、画像形成評価試験を行なった。続けて、5%印字画像を10,000枚プリントアウトした後のハーフトーン画像についても評価した。ここで、出力画像は、感光体に対して高い品質を要求するリサイクルトナー使用時に於いて顕著に差が見られるため、画像出力にはリサイクルトナーを使用した。
以上の結果をまとめて下表1に示す。
Figure 2007011312
この結果から、実施例の感光体A,B,C,D,Kでは、600nm露光と425nm露光の両方に感光体として相応しい感度を有し、780nm露光の実機評価でも良好な画像を得ることができることがわかる。一方、比較例の感光体Eは、化合物(2−1)の溶解性が単独では低いため、画像上、電荷輸送物質の析出物由来と思われる白斑が見られた。比較例の感光体Fは、一般式(2)で示される化合物を含有しないために感度が悪化しており、その結果、画像も濃度が薄くなっている。比較例3の感光体Gは、600nm露光では感度も高く、780nm露光での画像も良好に出力されるが、ヒドラゾン化合物を含む電荷輸送層が短波長の光を透過しないため、425nmの入力光に対して十分な感度を持つことができない。また感光体Gは、780nm露光であっても、繰り返し使用によって、ヒドラゾン化合物とジアミン化合物の共存によって電荷トラップが多数発生するためか、画像濃度が低下する。比較例4〜6の感光体H,I,Jは、初期的には良好な画像を得ることができるが、バインダー樹脂が本発明のユニットを持たないため、繰り返し使用によって画像欠陥が発生している。もちろん上述の通り、本発明のユニットを含むバインダー樹脂を用いた場合であっても、電荷輸送物質の選定が適切でない場合は、比較例1〜3の感光体E,F,Gのように問題を生じる。
続いてアゾ顔料を電荷発生剤として用いた場合も検討した。
実施例6
電荷発生層用の塗布液調製において、下記式(5−1)の電荷発生物質1.5部に1,2−ジメトキシエタン30部加え、サンドグラインドミルで8時間粉砕し、微粒化分散処理を行なった。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)0.75部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品、PKHH)0.75部を1,2−ジメトキシエタン28.5部に溶解したバインダー溶液と混合し、最後に1,2−ジメトキシエタンと4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノ
ンの任意混合液13.5部を加えて、固形分(顔料+樹脂)濃度4.0重量%の塗布液を調整した。これ以外は実施例1と同様にして感光体Lを作製した。
Figure 2007011312
比較例7
電荷輸送物質として、比較例3のジアミン化合物(1−1)を25重量部、ヒドラゾン化合物(4−1)を25重量部混合したもの計50重量部を用いたこと以外は、実施例5と同様にして感光体Mを得た。
実施例7
電荷発生物質として、実施例6の化合物(5−1)の代わりに下記化合物(5−2)を用いた以外は、実施例6と同様にして感光体Nを得た。
Figure 2007011312
以上で得られた電子写真感光体を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置に装着し、以下の手順に従って、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行なった。
感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで600nmの単色光としたものを照射して、表面電位が−350Vとなる時
の照射エネルギー(μJ/cm2)を感度E1とした。
同様に、干渉フィルターを用いて425nmの単色光としたものを用い、同様の手順で、感度E2を測定した。
同様に、干渉フィルターを用いて500nmの単色光としたものを用い、同様の手順で、感度E3を測定した。
以上の結果をまとめて下表2に示す。
Figure 2007011312
これより、実施例の感光体L,Mは、幅広い波長範囲に於いて感光体として相応しい感度を有し、広範な波長の光に対して感光体として機能することがわかる。特に実施例5の感光体Kでは、より好ましいアゾ化合物を選択することで、高い感度を発現することができる。
一方、比較例の感光体Nは600nmおよび500nmでは高い感度を示すことができるが、425nmでは感光体として十分な感度を示さなかった。これは電荷輸送物質の選択に問題があったためである。
このように、幅広い波長域に感度を持ち、長期使用に亘って良好な出力画像を得るには、電荷輸送物質として本発明の2種類のトリアリールアミン化合物を含有するとともに、本発明のビフェニル構造を有する繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有することが有効であることが分かる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 実施例で用いられるオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折図である。
符号の説明
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記一般式(1)で表される群より選ばれる複数種の化合物、および下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含むバインダー樹脂を含有するものであって、一般式(1)より選ばれる化合物群のうち少なくとも一種は、下記一般式(2)で表される群より選ばれる化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2007011312
    (一般式(1)中、Ar〜Arは置換基を有していてもよいアリール基を、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
    Figure 2007011312
    (一般式(2)中、ArおよびArは、窒素原子に対して4位に置換基を有するアリール基を、ArおよびArは、窒素原子に対して3位に置換基を有するアリール基を、Ar10は置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、mは1〜10の整数を表す。)
    Figure 2007011312
    (一般式(3)中、Ar11およびAr12は、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。)
  2. 前記感光層が、電荷発生層および電荷輸送層を有する感光層であって、該電荷発生層がフタロシアニン顔料および/またはアゾ顔料を含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電荷発生層が、下記一般式(4)で表されるアゾ顔料を含有することを特徴とする、請求項2に記載の電子写真感光体。
    Figure 2007011312
    (式(4)中、Ar13は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Zは
    Figure 2007011312
    の混合物を表す。なお環Xは置換基を有していてもよい。)
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする、
    画像形成装置用プロセスカートリッジ。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いて成ることを特徴とする画像形成装置。
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