JP2007010590A - 時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間安定に動作し易い回転伝達防止構造を備えた時計を提供すること
【解決手段】 時計1は、通常運針位置P0と針回し位置P1との間で可動な巻真50と、第一の回転軸33のまわりで回転される第一の車30及び該第一の回転軸と平行な第二の回転軸24の回りで回転可能で且つ該第一の車30に噛合する噛合位置S0と該第一の車との噛合が解除される噛合解除位置S1との間で第二の回転軸の延在方向に沿って変位可能な第二の車20を備えた時計輪列9と、第二の車20を噛合位置S0に弾性的に偏倚させるべく第二の車20と支持体2との間に設けられた弾性偏倚手段60と、巻真50が針回し位置P1に設定された際、弾性偏倚手段60の弾性偏倚力に抗して第二の車20を噛合解除位置S1に変位させる噛合解除手段70とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時計に係り、より詳しくは、時計の針回し構造に係る。
時・分・秒の三針を同軸に備えたタイプの電子時計においては、巻真が通常運針位置にある通常運針時には、モータの回転が、輪列を介して秒車に伝達され、該秒車の回転が該秒車に噛合された車(三番車)を介して分車に伝達され、分車の回転が日の裏車を介して時車に伝達される。一方、巻真が引出された針回し位置にある針合せ(針回し)時には、巻真の回転に応じて日の裏車が回転され、該日の裏車に噛合された分車及び時車が回転される。尚、針回し時における分車の回転により秒針が動いたり、秒車等が増速回転されるのを防ぐための組込まれている。
この回転伝達防止構造としては、(1)分車に組込まれたスリップ構造(特許文献1、特許文献2等)及び(2)三番車の回転軸を揺動・傾斜させる構造(特許文献3等)が知られている。
(1)のスリップ構造の場合、一定範囲の摩擦係合状態を保つことを要求するものであり、長期間安定に所定の摩擦状態を維持し得るようにすることが必ずしも容易でないだけでなく、スリップトルクを適切に保つためには、スリップ構造の材料やその寸法精度を高く保つ必要があることから、コスト高になるのを避け難い。
一方、(2)の三番車の回転軸を傾斜させて、三番かなと二番歯車との噛合を解除する構造の場合、三番車の一方の軸端のほぞ部がレバーの穴(ほぞ穴)に嵌った状態で三番車の軸が傾動されるので、ほぞ部が折れるなど損傷を受ける虞れがある。
実開昭53−16755号公報 実開平2−144790号公報 実公昭63−29270号公報
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、長期間安定に動作し易い回転伝達防止構造を備えた時計を提供することにある。
本発明の時計は、前記目的を達成すべく、通常運針位置と針回し位置との間で可動な巻真と、第一の回転軸のまわりで回転される第一の車及び該第一の回転軸と平行な第二の回転軸の回りで回転可能で且つ該第一の車に噛合する噛合位置と該第一の車との噛合が解除された噛合解除位置との間で第二の回転軸の延在方向に沿って変位可能な第二の車を備えた時計輪列と、第二の車を噛合位置に弾性的に偏倚させるべく第二の車と支持体との間に設けられた弾性偏倚手段と、巻真が針回し位置に設定された際、弾性偏倚手段の弾性偏倚力に抗して第二の車を噛合解除位置に変位させる噛合解除手段とを有する。
本発明の時計では、「第一の回転軸のまわりで回転される第一の車及び該第一の回転軸と平行な第二の回転軸の回りで回転可能で且つ該第一の車に噛合する噛合位置と該第一の車との噛合が解除される噛合解除位置との間で第二の回転軸の延在方向に沿って変位可能な第二の車を備えた時計輪列と、第二の車を噛合位置に弾性的に偏倚させるべく第二の車と支持体との間に設けられた弾性偏倚手段と」が設けられているので、第二の回転軸に対して軸方向(軸の延在方向)の外力がかかっていないときには、弾性偏倚手段が第二の車を第一の車に対して噛合状態に保つから、時計輪列を介して回転が伝達される。また、この場合、噛合状態において、第二の車は弾性偏倚手段により弾性偏倚されて軸方向にも支持され得るので、第二の車の軸(真)が実際上アガキのない状態で支持され得るから、第二の車に時刻表示針が取付けられた場合に、針アオリにより他の針に擦れる虞れが少ない。
また、本発明の電子時計では、「巻真が針回し位置に設定された際、弾性偏倚手段の弾性偏倚力に抗して第二の車を噛合解除位置に変位させる噛合解除手段」が設けられているので、巻真を通常運真位置から針回し位置に移動させることにより、噛合解除手段を動作させて第二の車を噛合解除位置に移動させ得る。従って、針回し位置では、第一及び第二の車を独立に回転させ得るので、第一及び第二の車のうちの一方の車が回転されてもその回転が他方の車に及ぶのを防ぎ得る。従って、針回しの際に、第一及び第二の車のうちの一方の車が回転されても他方の車を介して秒針及び/又はモータの出力軸等が回転されるのを防ぎ得る。
なお、噛合解除手段が、巻真が通常運針位置に設定された際、弾性偏倚手段による弾性偏倚力に抗して第二の回転軸を支えるべく該第二の回転軸に触れるように構成された噛合状態制御アームからなる場合、第二の車の軸(真)が実際上アガキのない状態で両側から弾性的に支持され得る。
なお、第二の車が第一の車と噛合する歯車部以外の歯車部(例えば、かな部)で他の車に噛合した状態に保たれる場合には、第二の車の軸方向変位によっては該かな部と他の車との噛合が外れないように、該かな部又は他の車の噛合車部が軸方向に十分長く形成される。
本発明の時計では、特に、第一及び第二の車の間の噛合及びその解除が、弾性偏倚手段及び噛合状態解除手段による第二の車の軸方向変位によって実現されるので、(1)摩擦係合のような不安定な条件に依存しないから、その噛合・同解除の動作が長期間安定に保たれ得るだけでなく、そのコストも最低限に抑えられ得、(2)細いほぞ部で軸を傾動させる必要がないから、ほぞ部が折れる虞れがなく、その噛合・同解除の動作が長期間安定に保たれ得る。
本発明の時計において、軸方向に可動な第二の車は、針回しにかかわるものである限り、相互に噛合された時計輪列のうちの任意の車であり得るけれども、典型的には、分車又はかな部で分車に噛合する三番車からなる。
前者の場合、即ち、第二の車が分車からなる場合、第二の車が減速比の大きい車であることから、第二の車に対して多少の軸方向力がかかってもそれによって回転が阻害される虞れが少ない。
この場合、典型的には、時計輪列が、分車と同軸に配置された秒車を有し、第一の車は、かな部で分車の歯車部に噛合し、歯車部で秒車のかな部に噛合する。また、典型的には、時計輪列が、分車と同軸に時車を有する。
この場合、即ち、分車が軸方向に変位される場合であって、時・分・秒の三針が同心に位置する中三針の時計であるときには、典型的には、秒車が分車と共に方向に変位されるように、秒車の真が分車の真に軸方向に係合可能に構成される。この場合、典型的には、分車のかな部及び秒車のかな部は、時計の厚さを過度に増加させない範囲内で、軸方向に十分長く形成される。但し、所望ならば、分車のみが軸方向に変位可能であってもよい。
なお、時計輪列が、分車と同軸に配置された秒車を備えていなくてもよい。即ち、分車が軸方向に変位される場合であって、時・分の二針が同心に位置する中二針の時計であるときには、典型的には、分車のみが軸方向に変位されるように構成される。但し、所望ならば、時車が分車と共に軸方向に変位されるように構成されてもよい。この場合、典型的には、分車のかな部は、時計の厚さを過度に増加させない範囲内で、軸方向に十分長く形成される。
後者の場合、即ち、第二の車が三番車からなる場合、時計は、時・分・秒の三針が同心に位置する中三針の時計であっても、時・分の二針が同心に位置する中二針の時計であってもよい。この場合、典型的には、三番車のかな部は、時計の厚さを過度に増加させない範囲内で、軸方向に十分長く形成される。
弾性偏倚手段は、第二の車を噛合位置に弾性的に偏倚させるべく第二の車と支持体との間に設けられる限りどのようなものでもよいけれども、典型的には、針座の形態のばねからなる。ここで、支持体は、地板でも、輪列受でも、他のどのようなもの(例えば他の受や中枠等)でものよい。
針座の形態のばねは、典型的には、環状平板を厚さ方向に円弧状に湾曲させてなり、中央孔のある部分で第二の車に圧接され、円弧状に湾曲した両端部で支持体に圧接される。
本発明の時計において、噛合解除手段は、典型的には、巻真が針回し位置に設定された際、第二の回転軸を噛合解除位置に変位させるべく、第二の回転軸の一端部に係合するように構成された噛合状態制御アームからなる。
噛合状態制御アームは、典型的には、巻真の出し入れに応じて、同じ向きに又は逆向きに、平行移動される。但し、噛合状態制御アームが、巻真の出し入れに応じて回動されるレバーの形態であってもよい。
噛合状態制御アームの第二の回転軸の端部に対する係合は、直接的であっても、間接的であってもよい。例えば、秒車の軸を介して分車の軸に係合する場合が、後者に該当する。
本発明の時計において、時計輪列を構成する車のうちの一部の車に取付けられ、巻真が通常運針位置にある際、モータの回転に応じて動いて時刻を表示する時刻表示針を有する。
なお、本発明の時計は、典型的には腕時計であるけれども、他の種類のウォッチであってもよい。また、本発明の時計は、典型的にはモータ駆動の電子時計であるけれども、所望ならば、ぜんまい駆動の機械式時計であってもよい。
本発明の好ましい実施の形態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
本発明の好ましい一実施例の電子時計1は、図1の(a)に示したように、地板2の文字板側(以下では「裏側」という)に配置された時車ないし筒車10と、地板2の裏蓋側(以下では「表側」という)に配置された分車ないし二番車20と、三番車30と、秒車ないし四番車40とを有する。筒車10、二番車20及び三番車30は、中心軸線Cに沿って同軸に配置されている。筒車10は、筒歯車部11と円筒状の真部ないし胴部12とを備える。
二番車20は、二番歯車21及び二番かな22を含む本体部23と該本体部23が嵌着された真ないし軸24とを備え、ほぼ円筒状の二番真24は、地板2の軸受部2cに回転自在に嵌合されて地板2の裏側に突出している。二番かな22の軸方向Zの長さは長い。
二番車20と該二番車20の本体部23に対向する地板2との間には、弾性偏倚手段としての針座60が配設されている。針座60は、図2及び図1の(a)からわかるように、中心孔61を備えた円板62を該中心孔61の両側部分で斜めに折り曲げた形状を有する。即ち、針座60は、図1の(a)からわかるように、中心孔61を含み該中心孔61で二番真24に嵌合された中央嵌合部63と、該中央嵌合部63の両側において折り曲げられて斜めに延び先端部66,67で地板2の対向表面2aに当接した弾性支持脚部64,65とを有する。従って、弾性支持脚部64,65に支持された針座60は、二番車20に対して常時+Z方向の弾性的力を及ぼす。
三番車30は、三番歯車31及び三番かな32を備え、軸方向長さが比較的短い三番かな32には、二番歯車21が噛合されている。三番車30の真ないし軸33は、地板2及び輪列受3の軸受部により中心軸線Eの周りで回転自在に支持されている。
四番車40は、四番歯車41及び四番かな42を含む本体部43と、該本体部43が嵌着された真ないし軸44とを備える。Z方向に長い四番かな42には、三番歯車31が噛合している。四番真44は、二番真24の表側端面27に摺動可能に当接したフランジ状部45と、ソロバン玉状部46で円筒状二番真24に摺動自在に嵌合され該二番真24を−Z方向に貫通して裏側に突出する先端側真部47と、輪列受3の軸受穴3aに摺動自在に嵌合され輪列受3の表面側凹部4の底面4aから+Z方向に突出可能な表側真部48とを備える。
二番車20及び四番車40は、中心軸線Cの延在方向に沿って+Z方向および−Z方向に変位可能である。針座60の弾性偏倚力により+Z方向に偏倚された場合、二番車20は、図1の(a)に示したように、二番歯車部21で三番車30のかな部32に噛合する噛合位置S0になり、針座60の弾性偏倚力に抗して−Z方向に変位された場合、二番車20は、図1の(b)に示したように、二番歯車部21と三番車30のかな部32との噛合が解除された噛合解除位置S1になる。
電子時計1は、時計輪列9として、図1に加えて図3に示したように、モータのロータ6に固定されたロータかなないし六番車6aと、該六番車6aに歯車部5aで噛合しかな部5bで四番歯車41に噛合した五番車5と、二番かな部22に歯車部8aで噛合しかな部8bで筒歯車11に噛合した日の裏車ないし八番車8とを有する。
従って、電子時計1では、通常運針時には、モータのロータ6の回転に応じた輪列6a,5,40,30,20,8,10の回転により、時車10、分車20及び秒車40の真12,24,44の先端部に取付けられた時・分・秒の時刻表示針13,28,49が回転される。
電子時計1は、更に、図2及び図3に示したように、A1,A2方向に出し入れ可能に且つ中心軸線Bのまわりで回転可能に地板2の穴ないし凹部(図示せず)に装着された巻真50を備える。巻真50は、先端側及び中間の小径軸部51,52と、該小径軸部51,52間の円柱状大径軸部53と、先端の角柱部54とを含む。巻真50の先端近傍には、地板2の凹部2bに嵌込まれたつづみ車55が嵌合されている。つづみ車55は、先端側に歯車部56を備えると共に、基端側大径穴57及び先端側角穴58を備える。つづみ車55の歯車部56は小鉄車(図示せず)の如き中間車を介して日の裏車8に噛合されている。大径穴57は、巻真50の大径軸部53が回転自在に嵌合される大きさであり、角穴58は、巻真50の角柱部54が丁度嵌合される大きさ及び形状である。つづみ車55は、地板2の凹部2b内に配置された状態において、地板2に対するA1,A2方向の相対変位が禁止されると共に、中心軸線Bのまわりにおける回転が許容されている。
従って、巻真50が、A2方向に押込まれた巻真0段目ないし通常運針位置P0にある場合、図2に示したように、巻真50の先端側小径軸部51及び大径軸部53が夫々つづみ車55の角穴58及び大径穴57に回転自在に嵌合されるので、つづみ車55は地板2の凹部2b内で巻真50に対して回転自在である。従って、時計輪列9は、巻真50によって規制されることなく、モータのロータ6の回転に応じて回転され時刻表示が行なわれる。一方、巻真50が、A1方向に引出された巻真1段目ないし針回し位置P1にある場合、図3に示したように、巻真50の角柱部54がつづみ車55の角穴58に嵌合されるので、巻真50の回転がつづみ車55を介して日の裏車8に伝達されて、針回しが行なわれる。
電子時計1は、更に、噛合解除手段としての噛合状態制御アーム70を備える。アーム70は、輪列受3の表面側の凹部4(図1)に沿ってA方向に延びたアーム本体部71と、該本体部71の一端において該本体部71に対して−Z方向に折れ曲がり且つ巻真50に向かって延びた巻真係合部72と、本体部71の他端から斜めに突出した四番真係合部73と、該四番真係合部73の一側から横方向(A方向に対して直角な方向)Dに突出したばね部74とを有する。
アーム70の巻真係合部72は、先端部75で巻真50の小径部52に遊嵌されて、小径部52と大径部53との間の段差面59に当接可能である。
アーム本体部71には、A方向に延びた長孔76が形成され、該長孔76には輪列受3の凹部4の底壁4aから突出した突起部4b,4cが遊嵌されている。突起部4b,4cは、A方向に一列に整列している。輪列受3の表面4aには、更に、係止用突起部4fが形成され、アーム70のばね部74が先端部74aのA1側面74bで係止突起部4fに当接している。
アーム70の四番真係合部73は、切欠ないし開口77と、該開口77のA2方向周縁部から該開口77内にA1方向に突出し且つZ方向に斜めに折れ曲がった係合片部78とを備える。
以上のように構成された電子時計1では、巻真50が図2に示したように0段目位置P0にある場合、噛合解除手段としての噛合状態制御アーム70はばね部74によりA2方向に偏倚せしめられてA1方向に位置する突起部4bが長孔76の端部76aに当接する巻真0段目位置ないし通常運針位置Q0を採る。アーム70がこの巻真0段目位置Q0を採る場合、図1の(a)の断面図で示したように、係合片部78の立上り端部78aが、開口77に遊嵌された四番真44の表側端面48に軽い接触圧で接触する。即ち、二番車20及び四番車40は、弾性偏倚手段としての針座60により+Z方向に弾性偏倚されつつ係合片部78の立上り端部78aで軽く支えられた巻真0段目位置ないし通常運針位置R0を採る。この巻真0段目位置ないし通常運針位置R0では、モータのロータ6の回転に応じた輪列6a,5,40,30,20,8,10の回転により、時車10、分車20及び秒車40の真12,24,44の先端部に取付けられた時・分・秒の時刻表示針13,28,49が回転されて時刻表示が行なわれる。また、この位置R0では、二番車20及び四番車40が針座60及び係合片部78の立上り端部78aの間でZ方向に弾性支持されるので、四番車40及び二番車20がアガキがない状態で回転されるので、針アオリによる針擦れもない。
一方、電子時計1において巻真50が図3に示したようにA1方向に引出されて一段目位置P1に設定されると、係合部72の先端部75で巻真50の小径部52に係合されたアーム70は、巻真50の大径部53の端面59に当接し、ばね部74のA2方向のばね力に抗して巻真50と同様にA1方向に偏倚される。このとき、長孔76で突起部4b,4cに係合されたアーム70がA1方向に平行移動される。アーム70は、一段目位置Q1では、図3に示したように、突起部4cが長孔76の端部76bに当接する。但し、突起部4cと端部76bとの間に隙間が残っていてもよい。アーム70がこの巻真一段目位置Q1を採る場合、図1の(b)の断面図で示したように、係合片部78がA1方向に変位されてその基端部78bが四番真44の表側端面48に当接し、係合片部78のA1方向移動に伴い四番真44の端面48が−Z方向に押し下げられる。それ故、針座60の+Z方向ばね力に抗して、四番車40及び二番車20が−Z方向に偏倚された巻真一段位置ないし針回し位置R1を採る。従って、二番車20の二番歯車21と三番車30の三番かな32との噛合が解除される。なお、二番かな22及び四番かな42はZ方向の長さが長いので、夫々、日の裏歯車8a及び三番歯車31と常時噛合状態に保たれる。その結果、巻真50を回すことによって、つづみ車55及び日の裏車8を介して時車10及び分車20を回して時針13及び分針28の表示時刻を修正しても、分車20の回転が三番車30に伝達されるのを避け得る。また、このとき、秒車40の四番真44の端面48にアーム70の係合片部78が押付けられているので、秒針49が振れるのを禁止し得る。なお、巻真50が一段目位置P1に設定されると、図示しないリセット手段によりモータのロータ6の回転駆動が停止されている。
この電子時計1では、二番車20と三番車30との噛合及びその解除が、針座60の作用下にある二番車20の軸方向Zの変位により実現されるので、二番車20にスリップ係合部(摩擦係合部)を設ける場合と比較して寸法精度や材料に関する要求が緩和されるから、低コストで長期間正確な動作が確保され得る。また、この電子時計1では、三番車30を傾動させる必要がないのでほぞ部を横方向に変位させる必要がないから、ほぞ部の折れ等が生ずる虞れがない。
なお、以上において、アーム70は、巻真50のA方向の出し入れに応じてA1,A2方向に変位されることにより別体として設けられたばね60と協働して四番真44を+Z方向,−Z方向に変位させ得る限り、その形状や構造は異なっていてもよく、配設場所も異なっていてもよい。例えば、巻真50をA1方向に引出した際にアーム70がA1方向に引出される代わりにA2方向に押込まれるように、アーム70がおしどりのような設定レバー等を介して巻真50に結合ないし係合されていてもよい。また、巻真50のA方向出し入れに応じて、アーム70が並進される代わりに回動ないし揺動されてもよい。更に、アーム70が、輪列受3の凹部4に配置される代わりに、輪列受3の表面に配設されても、輪列受3に孔を開けておき該孔内にアーム70を延設させてもよく、輪列受以外の部材でアーム70を支えてもよい。
以上において、針座60が脚部64,65の先端部66,67で地板2の表面2aに常時圧接された状態で、二番車20が地板2に対して回転されることにより、摩擦による多少のロスがあるけれども、二番車20は、モータのロータ6に対して大きな減速比で回転されるので、摩擦の影響は実際上無視し得る。なお、針座60は、二番車20に固定されていても、二番車20と地板2との両方に対して相対回転可能であってもよい。また、弾性偏倚手段は、二番車20に+Z方向の弾性偏倚力を及ぼし得る限り、針座60とは異なる形状を有していてもよい。その場合、弾性偏倚手段は、地板2に固定されていてもよい。
また、以上においては、中心軸線Cのまわりで、時針13、分針28及び秒針49の三つの針が回転するタイプの電子時計1について説明したけれども、電子時計は、図5に示したように、回転中心軸線Cのまわりで、時針13及び分針28の二針が回転されるタイプの電子時計1kであってもよい。
図4の(a)及び(b)において、図1に示した要素ないし部位と同一の要素ないし部位には、同一の符号が付され、部分的に異なるけれども対応する要素ないし部位には添字kが付されている。
電子時計1kでは、中心軸線Cのところには四番車がなく、二番真24kが+Z方向に輪列受3まで延びて、端部29において輪列受3の軸受部3akにより回転自在に支持され、且つ端面29aが輪列受3を貫通して+Z方向に突出している点を除き、図1の電子時計1と同様に構成されている。なお、電子時計1kでは、四番車(図示せず)は、中心軸線Cとは異なる中心軸線のまわりで回転可能に、三番歯車31及び五番かな5bに噛合される。四番車に秒針がついていてもついていなくてもよい。
この電子時計1kでは、巻真50が0段目位置P0にある場合、0段目位置Q0にあるアーム70の係合片部78が0段目位置R0にある時計輪列9の二番車20の二番真24kの端面29aに軽く接触する(図4の(a))。この状態における時計1kの動作は、時計1の動作と同様である。
一方、巻真50が一段目位置P1に設定されると、一段目位置Q1へとA1方向に移動するアーム70の係合片部78の基端部78bにより二番真24kが−Z方向に押し下げられて、二番歯車21と三番かな32との噛合が解除される(図4の(b))。この状態では、二番歯車21と三番かな32との噛合が解除されているので、巻真50を回して時針及び分針の針回しをする場合に、二番車20の回転が三番車30以降の増速側に伝わらないから、針回しの際に、ロータ等が高速回転される虞れがなく、ロータかなや五番かな等が損傷を受ける虞れがない。なお、軸線Cとは別のところにある四番車に秒針がついている場合には秒針が振れる虞れがないことは時計1について説明したとおりである。二番車にスリップ機構を要しないこと及び三番真を傾動させる必要がないことによるメリットは、時計1の場合と同様である。
なお、軸方向に可動な車は、分車(二番車)の代わりに、三番車であってもよい。図5から図7には、二番車20mの代わりに三番車30mが軸方向(Z方向)に移動可能であり、針座60mが三番車30mと輪列受3mとの間に配設された電子時計1mが示されている。
図5から図7に示した変形例において、図4に示した電子時計1kや図1から図3に示した電子時計1と同一の要素や部位には同一の符号が付され、部分的に異なる要素や部位には、添字mを付加した符号が付されている。
電子時計1mでは、図5の(a)や(b)からわかるように、三番車30mの本体34の輪列受側表面34aと輪列受3mの対向表面3gとの間に針座60mが配設され、針座60mは中心孔61mを備えた中央部62mで三番真33mに嵌合され脚部64m,65mの先端部66m,67mで輪列受3mの表面3gに当たっている。従って、針座60mは、三番車30mに対して、−Z方向の偏倚力を及ぼす。
三番車30mの真33mの文字板側の端部36は、軸受部2fを貫通して突出している。軸受部2fは、地板2mの一部であっても、地板2mとは別に配設された受部材(三番受)であってもよい。
地板2mのうち輪列受3mに対面する側の表面2aには凹部2hが形成され、該凹部2hに沿って噛合解除手段としての噛合状態制御アーム70mが配設される。巻真50が通常運針位置P0にありアーム70mが通常運針位置Q0にある場合、アーム70mの真係合部73mの開口77に三番真33mの端部36が遊嵌され、該端部36の端面37がアーム70mの真係合部73mの係合片部78と係合可能である。なお、アーム70mの本体部71mの長孔76mには、地板2mに形成された突起部2p,2qが遊嵌され、A方向に一列に整列した突起部2p,2qが、アーム70mをA1,A2方向に案内する。また、アーム70mのばね部74mは、地板2に形成された突起部2fmに係止される。
なお、この変形例では、二番車20kの真は、端部29mにおいて、輪列受3amの軸受部により回転自在に支持されている。
巻真50が図6に示したようにA2方向に押込まれた通常運針位置P0にある場合、係合部72で巻真50に係合したアーム70mもばね部74mの作用下でA2方向に偏倚した0段目位置Q0を採る。このとき、図5の(a)に示したように、アーム70mの真係合部73mの係合片部78mの先端78amが、針座60mによる−Z方向偏倚力を受けた三番真33mの端部36の端面37に軽く当接する。この状態では、三番車30mが−Z方向に偏倚した噛合位置S0をとるので、三番かな32mが二番歯車21に噛合し、モータのロータ6の回転が、三番車30mを介して二番車20mに伝達される。
一方、巻真50が図8に示したようにA1方向に引出された一段目位置P1を採る場合、係合部72で巻真50に係合したアーム70mもばね部74mに抗してA1方向に偏倚した一段目位置Q1を採る。このとき、図6の(b)に示したように、アーム70mの真係合部73mの係合片部78mが弾性アーム部60mの−Z方向偏倚力に抗して三番真33mの端部36の端面37を+Z方向に押し、係合片部78mの基端78bmが三番真33mの端部36の端面37に当接する。この状態では、三番車30mが+Z方向に偏倚した噛合解除位置S1をとるので、三番かな32mと二番歯車21との噛合が解除される。従って、巻真50を回して分車(二番車)20kを回転させても三番車30mは回転されず、増速側は回転されない。関連する動作及びそのメリットについては、電子時計1kに関する説明がそのままあてはまる。
なお、以上においては、第二の車を軸方向に弾性偏倚させるべく第二の車と支持体との間に別体として設けられた弾性偏倚手段が針座からなる例について説明したけれども、弾性偏倚手段は、第二の車の回転を妨げないように第二の車に軸方向偏倚力を及ぼし得る弾性部材であれば、針座の代わりに他の弾性部材であってもよい。
本発明による好ましい一実施例の電子時計を示したもので、(a)は時計が通常運針位置にある場合の断面説明図、(b)は(a)の時計が針回し位置にある場合の断面説明図。 図1の時計が通常運針位置にある場合の平面説明図。 図1の時計が針回し位置にある場合の平面説明図。 本発明による一変形例の電子時計を示したもので、(a)は時計が通常運針位置にある場合についての図1の(a)と同様な断面説明図、(b)は(a)の時計が針回し位置にある場合についての図1の(b)と同様な断面説明図。 本発明による別の一変形例の電子時計を示したもので、(a)は時計が通常運針位置にある場合についての図1の(a)と同様な断面説明図、(b)は(a)の時計が針回し位置にある場合についての図1の(b)と同様な断面説明図。 図5の時計が通常運針位置にある場合の平面説明図。 図5の時計が針回し位置にある場合の平面説明図。
符号の説明
1,1k,1m,1n 電子時計
2,2m 地板
3,3m,3n 輪列受
5 五番車
6 ロータ
9,9k,9m,9n 時計輪列
10 筒車
11 筒歯車
13 時針
20 二番車
21 二番歯車
22 二番かな
23 二番車本体
24 二番真
28 分針
30 三番車
31 三番歯車
32 三番かな
33 三番真
40 四番車
41 四番歯車
42 四番かな
44 四番真
50 巻真
52 小径部
53 大径部
55 つづみ車
59 係止用端面
60,60k,60m 針座
70 アーム部70
72 巻真係合部
74 ばね部
76 長孔
77 開口
78 係止片部
78a 立上り端部
78b 基端部
A,A1,A2 方向
C,E 回転中心軸線
P0,Q0,R0 通常運針位置
P1,Q1,R1 針合せ位置(針回し位置)
S0 噛合位置
S1 噛合解除位置
Z 方向

Claims (10)

  1. 通常運針位置と針回し位置との間で可動な巻真と、
    第一の回転軸のまわりで回転される第一の車及び該第一の回転軸と平行な第二の回転軸の回りで回転可能で且つ該第一の車に噛合する噛合位置と該第一の車との噛合が解除される噛合解除位置との間で該第二の回転軸の延在方向に沿って変位可能な第二の車を備えた時計輪列と、
    前記第二の車を噛合位置に弾性的に偏倚させるべく前記第二の車と支持体との間に設けられた弾性偏倚手段と、
    前記巻真が針回し位置に設定された際、前記弾性偏倚手段の弾性偏倚力に抗して前記第二の車を噛合解除位置に変位させる噛合解除手段と
    を有する時計。
  2. 前記弾性偏倚手段が針座の形態のばねである請求項1に記載の時計。
  3. 前記第二の車が分車である請求項1又は2に記載の時計。
  4. 前記分車と同軸に配置された秒車を有し、前記第一の車は、かな部で分車の歯車部に噛合し、前記歯車部で秒車のかな部に噛合する請求項3に記載の時計。
  5. 前記秒車が前記分車と共に軸方向に変位可能に構成されいる請求項4に記載の時計。
  6. 前記第二の車がかな部で分車に噛合する三番車である請求項1又は2に記載の時計。
  7. 前記噛合解除手段は、前記巻真が針回し位置に設定された際、前記第二の回転軸を前記噛合解除位置に変位させるべく、第二の回転軸の一端部に係合するように構成された噛合状態制御アームからなる請求項1から6までのいずれか一つの項に記載の時計。
  8. 前記噛合状態制御アームは、前記巻真が通常運針位置に設定された際、前記弾性偏倚手段による弾性偏倚力に抗して前記第二の回転軸を支えるべく該第二の回転軸に触れるように構成されている請求項7に記載の時計。
  9. 前記噛合状態制御アームが、前記巻真の出し入れに応じて、平行移動されるように構成された請求項7又は8に記載の時計。
  10. 時計輪列を構成する車のうちの一部の車に取付けられ、前記巻真が通常運針位置にある際、モータの回転に応じて動いて時刻を表示する時刻表示針を有する請求項1から9までのいずれか一つの項に記載の時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013142631A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Seiko Instruments Inc 針合わせ機構及びアナログ時計

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