JP2007010519A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、水晶振動子を使用した測定方法及び測定装置に関する。
従来、DNAやタンパク質等の生体物質の相互作用や抗原抗体反応を利用した測定等にQCM(Quartz Crystal Microbalance)が広く使われている。
しかしながら、従来のQCMの場合、共振周波数FSの変化を測定することにより、水晶振動子への物質の結合量を測定していたが、共振周波数FSは、質量負荷以外にも、物質の粘性の変化、粘弾性の変化の影響も受けることがあり、これらの3つ要素について、分離して測定することができなかった。
しかしながら、従来のQCMの場合、共振周波数FSの変化を測定することにより、水晶振動子への物質の結合量を測定していたが、共振周波数FSは、質量負荷以外にも、物質の粘性の変化、粘弾性の変化の影響も受けることがあり、これらの3つ要素について、分離して測定することができなかった。
そこで、本発明は、質量負荷、粘性負荷及び粘弾性負荷のうちの何れかを残りの負荷から分離して測定し、測定対象となる物質の物性の正確な測定をできるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、鋭意検討の結果、下記の知見を得た。
Martinの伝送理論(V.E.Granstaff,S.J.Martin,J.Appl.Phys. 1994,75,1319)から、粘弾性を有する物質が液中で水晶振動子に付着した場合のインピーダンスZの変化は、式(1)で表される。式中、ωは角周波数、ηは液体の粘性、ρは液体の密度、hは膜厚、Gはコンダクタンス、G'は貯蔵弾性率、G"は損失弾性率である。
式(1)から、共振周波数FSの変化は、式(2)の通りとなる。
前記共振周波数FsとなるコンダクタンスをGとして、その半分1/2Gのときの周波数F1,F2(F1<F2)となる(図1)。この半値周波数(F1−F2)/2の変化量は、式(3)で表される。
また、一方の周波数F2の変化は、Fs=(F1+F2)/2の関係から式(4)で表される。
ここで膜の粘弾性のモデルであるvoightモデルG=G'+iG"=μ+iωηを、式中のG'とG"に適用した場合、式(4)と式(3)は次式の通りとなる。
ここで、
として(Cは変数である。)、N倍のオーバートーン(ここでは、N=3,5、・・・)に拡張する(ωを基本波とするとNωがN倍波の角周波数となる)と、式(5)及び式(6)は、次式の通りとなる。尚、F1NとF2Nは、N倍のオーバートーンで振動させた場合の周波数(F1とF2)である。
オーバートーンの質量負荷による周波数変化は、基本波の質量負荷による周波数変化量のN倍の変化を示すため、式(7)を利用して、例えば、基本波による質量負荷の変化量(ΔF21)と3倍波による質量負荷の変化量(ΔF23/3)の差、即ち、(ΔF21−ΔF23/3)を求めると式(9)の通りとなる。
また、オーバートーンの粘性負荷による周波数変化は、基本波の粘性負荷による周波数変化量の√N倍の変化を示すため、式(8)を利用して、例えば、基本波と3倍波における周波数変化量(Δ(F1−F2)/2)の差、即ち、((F11−F21)/2)−((F13−F23)/2√3))を求めると式(10)の通りとなる。
式(9)において、測定系が質量負荷のみで成り立っている場合には、右辺の値は、理論的には0となるが、粘弾性項1を含む場合には、右辺の値が粘弾性項1の値となる。
また、式(10)においても、測定系が粘性負荷のみで成り立っている場合には、右辺の値は、理論的には0となるが、粘弾性項2を含む場合は、右辺の値が粘弾性項2の値となる。
Martinの伝送理論(V.E.Granstaff,S.J.Martin,J.Appl.Phys. 1994,75,1319)から、粘弾性を有する物質が液中で水晶振動子に付着した場合のインピーダンスZの変化は、式(1)で表される。式中、ωは角周波数、ηは液体の粘性、ρは液体の密度、hは膜厚、Gはコンダクタンス、G'は貯蔵弾性率、G"は損失弾性率である。
また、オーバートーンの粘性負荷による周波数変化は、基本波の粘性負荷による周波数変化量の√N倍の変化を示すため、式(8)を利用して、例えば、基本波と3倍波における周波数変化量(Δ(F1−F2)/2)の差、即ち、((F11−F21)/2)−((F13−F23)/2√3))を求めると式(10)の通りとなる。
また、式(10)においても、測定系が粘性負荷のみで成り立っている場合には、右辺の値は、理論的には0となるが、粘弾性項2を含む場合は、右辺の値が粘弾性項2の値となる。
ここで式(9)と式(10)の左辺は測定値であるので(9)/(10)は変数Cのみの式となり、Cを求めることができる。
Cが決まると、式(9)より、
の項が得られ、式(7)の質量負荷項が求められ、それを式(5)に代入することにより粘弾性項1も求められる。同様に式(8)の粘性負荷項も求めることができ、この値を式(6)に代入することにより粘弾性項2も求めることができる。従って、式(5)の粘弾性項1及び質量負荷が得ることができる。また、同様に式(6)の粘性負荷及び粘弾性項2も求めることができる。
Cが決まると、式(9)より、
以上により、基本波と3倍波で質量負荷、粘性負荷、粘弾性項1、粘弾性項2の分離を行ったが、図2に示すように、N倍波(N=1,3,5、・・・(N=2n+1))のうちの少なくとも2つの組み合わせを使用することができ、例えば、3倍波と5倍波の周波数変化量、更には、基本波と5倍波の周波数変化量及び3倍波と7倍波の周波数変化量等の複数の組み合わせで測定することができる。尚、複数の組の周波数変化量を測定する場合には、各組で得られた周波数変化量の平均を求めることによりそれぞれの値の誤差を小さくすることが可能となる。また、3組以上の場合は最小2乗法を用いることも可能である。
また、粘弾性のモデルにはこの例ではvoightモデルを用いたが、MaxwellモデルG=G'+iG"=μ+iηやその他のモデルを適用することも可能である。
また、粘弾性のモデルにはこの例ではvoightモデルを用いたが、MaxwellモデルG=G'+iG"=μ+iηやその他のモデルを適用することも可能である。
上記知見に基づき、本発明の測定方法は、請求項1に記載の通り、水晶板の両側に電極を備えた水晶振動子に接触する物質の物性を、前記水晶振動子の周波数変動に基づいて測定する方法であって、前記電極間に電圧を印可した際の水晶振動子のN倍波(N=1,3,5、・・・(N=2n+1))のうちの少なくとも2つの周波数を使用して、各周波数による共振点付近のコンダクタンスの最大値の1/2を与える周波数F1,F2(F1<F2)を用いて、前記物質の物性を測定することを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の測定方法において、前記各周波数のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とから、前記物質の質量負荷、粘性負荷及び粘弾性負荷のいずれかを残りの負荷から分離して測定することを特徴とする。
本発明の測定装置は、請求項3に記載の通り、請求項2に記載の測定方法を使用する測定装置であって、請求項2に記載の測定方法を使用する測定装置であって、前記各周波数のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とをそれぞれグラフ表示することを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の測定方法において、前記各周波数のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とから、前記物質の質量負荷、粘性負荷及び粘弾性負荷のいずれかを残りの負荷から分離して測定することを特徴とする。
本発明の測定装置は、請求項3に記載の通り、請求項2に記載の測定方法を使用する測定装置であって、請求項2に記載の測定方法を使用する測定装置であって、前記各周波数のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とをそれぞれグラフ表示することを特徴とする。
本発明によれば、水晶振動子を使用した測定において、測定対象となる物質の質量負荷、粘性負荷及び粘弾性負荷のうちの少なくとも1つを残りの負荷から分離して測定することができるので、測定対象となる物質の正確な測定が可能となる。
本発明では、N倍波(N=1,3,5、・・・2n+1)のうちの少なくとも2つの周波数を使用するものである。尚、N倍波による共振周波数には、N倍波の共振周波数以外にも、N倍波の共振周波数の近傍の周波数も含まれ、例えば、±500kHz程度の範囲をスキャンすることまで含まれる。
また、周波数変化の測定に関しては、振動子が直列共振状態にあるときのコンダクタンスGの半分の大きさの半値コンダクタンスを与える半値周波数F1,F2(F1<F2)を使用する。
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。尚、本発明は、この実施の形態に制限されるものではない。
図3において、符号1は、本発明の一実施の形態であるバイオセンサー装置を示すものである。
このバイオセンサー装置1は、センサー部2と、ネットワークアナライザ3と、コンピュータ4とを有している。センサー部2及びネットワークアナライザ3の間と、ネットワークアナライザ3及びコンピュータ4の間とには、それぞれケーブル5、6を介して接続されている。また、センサー部2は、水晶振動子を備えている。
図3において、符号1は、本発明の一実施の形態であるバイオセンサー装置を示すものである。
このバイオセンサー装置1は、センサー部2と、ネットワークアナライザ3と、コンピュータ4とを有している。センサー部2及びネットワークアナライザ3の間と、ネットワークアナライザ3及びコンピュータ4の間とには、それぞれケーブル5、6を介して接続されている。また、センサー部2は、水晶振動子を備えている。
センサー部2に備えられる水晶振動子は、図4(a)、(b)にその平面図と断面図とをそれぞれ示すように、円形状に形成された石英製の結晶板8の表面側と裏面側とにそれぞれ第一の金電極9aと第二の金電極10aと備えている。尚、図示される金電極9a、10aは、円形状に構成され、それぞれにリード線9b、10bが連接されている。裏面側の第二の金電極10aは、図4(b)に示すように樹脂カバー11により被覆されており、水晶振動子7を溶液中に入れた状態でも、裏面側の第二の金電極10aが溶液に曝されず、発振できるように構成されている。他方、表面側の第一の金電極9a表面には、特定の成分と反応し、その成分を吸着するように構成された反応材12が配置されており、測定時に試料溶液と接触することになる。
また、ネットワークアナライザ3は、図5に示すように、信号供給回路13と測定回路14とを有している。
信号供給回路13は、周波数を変化させながら交流の入力信号を出力することができるように構成されている。
測定回路14は、水晶振動子7の出力信号や、信号供給回路13から出力される入力信号に基づいて、水晶振動子7の共振周波数や位相等の電気的特性を測定して、コンピュータ4に出力することができるように構成されている。
信号供給回路13は、周波数を変化させながら交流の入力信号を出力することができるように構成されている。
測定回路14は、水晶振動子7の出力信号や、信号供給回路13から出力される入力信号に基づいて、水晶振動子7の共振周波数や位相等の電気的特性を測定して、コンピュータ4に出力することができるように構成されている。
コンピュータ4は、測定された水晶振動子7の周波数特性等の電気的特性に基づいて、試料溶液中の成分の反応速度などを求め、成分の分析をすることができるように構成されている。
上述した構成のバイオセンサー装置1により、例えば、血液等試料溶液中の特定成分と、水晶振動子7の表面に配置された反応材12との反応状態を分析する手順について以下に説明する。
まず、図6に示すように、水晶振動子7を底部に備えた円筒形状のセル15内に試料溶液8を注入し、水晶振動子7が試料溶液8中に浸漬された状態で、ネットワークアナライザ3を起動し、コンピュータ4から制御信号を出力する。出力された制御信号に基づいて、信号供給回路13から出力された入力信号が、ケーブル5を介してセンサー部2に出力される。
水晶振動子7に信号供給回路13から入力信号が供給されると、入力信号が供給された水晶振動子7は、入力信号に応じて出力信号を出力する。出力信号は、図5に示すように、ケーブル5を介してネットワークアナライザ3に出力され、ネットワークアナライザ3内の測定回路14に入力される。そして、測定回路14は、入力信号が供給された水晶振動子7の出力信号の信号強度(ここでは、発振周波数の振幅に相当する)を検出する。
前記信号供給回路13は、入力信号の周波数を所定の周波数範囲内で変化させ、測定回路14は、入力信号の周波数が変化するごとに、出力信号の信号強度を検出する。その結果、入力信号の周波数と、出力信号の信号強度との関係を求める。
このようにして、測定回路14は、水晶振動子7の共振周波数を測定し、求められた水晶振動子7の共振周波数は、ケーブル6を介してコンピュータ4に出力される。そして、所定時間が経過後に、コンピュータ4は、信号の供給を停止する。
このようにして、測定回路14は、水晶振動子7の共振周波数を測定し、求められた水晶振動子7の共振周波数は、ケーブル6を介してコンピュータ4に出力される。そして、所定時間が経過後に、コンピュータ4は、信号の供給を停止する。
本実施の形態では、以上の測定をまず、水晶振動子7の基本波により行い、基本波による共振周波数を決定する。そして、測定された共振周波数に基づいて、N倍の共振周波数を使用して上記基本波による測定と同様の測定を行う。
そして、上記説明した方法により、測定対象となる物質の物性である、質量負荷、粘弾性負荷及び粘性負荷の少なくとも何れかを測定する。
また、本装置は、コンピュータ4のディスプレイに、前記各周波数間のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数間のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とをそれぞれグラフ表示する。
そして、上記説明した方法により、測定対象となる物質の物性である、質量負荷、粘弾性負荷及び粘性負荷の少なくとも何れかを測定する。
また、本装置は、コンピュータ4のディスプレイに、前記各周波数間のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数間のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とをそれぞれグラフ表示する。
次に、本発明の一実施例について説明する。
バッファー液(生化学用緩衝液であり、主な含有物はNaClやKCl等である)で満たされたセル内に、共振周波数27MHzの水晶振動子を浸漬し、そこへ、アビジン、30merB-DNA、30merC-DNAを順に結合させた。
その際に、水晶振動子を基本波(27MHz)と3倍のオーバートーン(81MHz)で振動させた場合のコンダクタンスGの半値G/2を与える周波数F1とF2を用いて、それぞれのΔF2の変化量とΔ(F1−F2)/2の変化量とを測定した(図7)。
Δ(F1−F2)/2の値が大きく変化する場合には、上記式(6)より、粘性変化及び粘弾性変化が大きく変化していることを示すことから、B-DNAを添加した場合には、粘性変化及び粘弾性変化が大きいことがわかる。
図8は、ΔF2の変化量とΔ(F1−F2)/2の変化量を、voightモデルに適用して上記式(5)及び式(6)に基づいて計算した結果であり、図9は、Maxwellモデルで計算した結果である。
この結果から、添加物の物性である粘性変化及び粘弾性変化を質量付加から分離して測定できることがわかる。また、水晶振動子の金電極表面にアビジンが結合する場合と、B-DNAにC-DNAが結合する場合とを比べると、質量負荷に比べて大きな粘弾性の変化はないが、アビジンにB-DNAが結合する場合には、粘弾性による周波数変化量の割合が他の結合に比べて大きい、即ち、大きな粘弾性変化が生じることがわかる。
バッファー液(生化学用緩衝液であり、主な含有物はNaClやKCl等である)で満たされたセル内に、共振周波数27MHzの水晶振動子を浸漬し、そこへ、アビジン、30merB-DNA、30merC-DNAを順に結合させた。
その際に、水晶振動子を基本波(27MHz)と3倍のオーバートーン(81MHz)で振動させた場合のコンダクタンスGの半値G/2を与える周波数F1とF2を用いて、それぞれのΔF2の変化量とΔ(F1−F2)/2の変化量とを測定した(図7)。
Δ(F1−F2)/2の値が大きく変化する場合には、上記式(6)より、粘性変化及び粘弾性変化が大きく変化していることを示すことから、B-DNAを添加した場合には、粘性変化及び粘弾性変化が大きいことがわかる。
図8は、ΔF2の変化量とΔ(F1−F2)/2の変化量を、voightモデルに適用して上記式(5)及び式(6)に基づいて計算した結果であり、図9は、Maxwellモデルで計算した結果である。
この結果から、添加物の物性である粘性変化及び粘弾性変化を質量付加から分離して測定できることがわかる。また、水晶振動子の金電極表面にアビジンが結合する場合と、B-DNAにC-DNAが結合する場合とを比べると、質量負荷に比べて大きな粘弾性の変化はないが、アビジンにB-DNAが結合する場合には、粘弾性による周波数変化量の割合が他の結合に比べて大きい、即ち、大きな粘弾性変化が生じることがわかる。
本発明は、DNAやタンパク質等の生体物質の相互作用や抗原抗体反応を利用した測定等に利用することができる。
1 バイオセンサー装置
2 センサー部
3 ネットワークアナライザ
4 コンピュータ
5 ケーブル
6 ケーブル
7 水晶振動子
8 円形状の結晶板
9a 第一の金電極
10a 第二の金電極
11 樹脂カバー
12 反応材
13 信号供給回路
14 測定回路
15 セル
2 センサー部
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8 円形状の結晶板
9a 第一の金電極
10a 第二の金電極
11 樹脂カバー
12 反応材
13 信号供給回路
14 測定回路
15 セル
Claims (3)
- 水晶板の両側に電極を備えた水晶振動子に接触する物質の物性を、前記水晶振動子の周波数変動に基づいて測定する方法であって、前記電極間に電圧を印可した際の水晶振動子のN倍波(N=1,3,5、・・・(N=2n+1))のうちの少なくとも2つの周波数を使用して、各周波数による共振点付近のコンダクタンスの最大値の1/2を与える周波数F1,F2(F1<F2)を用いて、前記物質の物性を測定することを特徴とする水晶振動子を用いた測定方法。
- 前記各周波数のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とから、前記物質の質量負荷、粘性負荷及び粘弾性負荷のいずれかを残りの負荷から分離して測定することを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
- 請求項2に記載の測定方法を使用する測定装置であって、前記各周波数のF2の変化量(ΔF2)の差と、前記各周波数のF1,F2の差の変化量(Δ(F1−F2)/2)の差とをそれぞれグラフ表示することを特徴とする測定装置。
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