JP2007010178A - 熱交換器およびこれを備えた給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出湯用ヘッダの下部に出湯口を設けた場合であっても、そのチャンバ内にエア溜まりが発生しないようにし、エア溜まりに起因する騒音や腐食の発生などの不具合を適切に抑制することが可能な熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換用の複数の水管5の端部に繋がり、かつ複数の水管5内を通過してきた湯水が流入するチャンバ61Bを内部に形成している出湯用ヘッダ6Bと、この出湯用ヘッダ6Bの下部に設けられている出湯口60bとを備えている、熱交換器Bであって、チャンバ61B内の上部領域に位置する上部開口部23を有し、かつこの上部開口部23に進入した湯水を出湯口60bに導く流路24を内部に形成している湯水ガイド手段2を備えている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、複数の水管とヘッダとを備えたいわゆる多管式の熱交換器、およびこれを備えた給湯装置に関する。
周知のとおり、給湯装置としては、ガスバーナなどの燃焼器と、この燃焼器により発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯を生成するための熱交換器とを組み合わせたものがある。このような給湯装置においては、熱交換効率が高いなどの理由から、多管式の熱交換器がよく用いられる。多管式の熱交換器は、たとえば複数の水管の両端または一端に入水用および出湯用のヘッダが設けられた構成を有しており、入水用ヘッダに水が供給されると、この水は複数の水管内を通過し、その過程において加熱されることにより湯が生成される。次いで、この湯は、出湯用ヘッダに到達した後に、この出湯用ヘッダに設けられている出湯口から所望の給湯先に送られる(たとえば、特許文献1を参照)。
しかしながら、前記したような熱交換器においては、次に述べるように、解決すべき課題があった。
すなわち、たとえば図8(a)に示すように、熱交換器の出湯用ヘッダ9の下部に出湯口90が設けられている場合には、そのチャンバ91内の上部領域に、エア溜まり93が発生し易くなっていた。チャンバ91内には、熱交換器の使用開始前からエアがもともと存在している。また、複数の水管92からチャンバ91内に湯水が流入する際には、この湯水と一緒にエアが流入する場合もある。これに対し、出湯口90が出湯用ヘッダ9の下部に設けられていたのでは、前記したようなエアが出湯口90の形成箇所まで降下せず、チャンバ91の外部に適切に排出されないこととなるため、エア溜まり93が発生するのである。ところが、このようなエア溜まり93が発生すると、チャンバ91において湯水が流出入する際に発生する騒音が大きくなる。また、熱交換器に供給される水として、水道水が用いられている場合には、エア溜まり93と湯水との境界部分に水道水中の塩素が濃縮した状態で滞留し易くなり、出湯用チャンバ91の内面、とくに前記境界部分に対応する部分が腐食し易くなるといった不具合を招く。
前記したような不具合を解消するには、たとえば図8(b)に示すように、出湯口90を出湯用ヘッダ9の上部に設ければよい。このような構成によれば、チャンバ91内の上部に存在するエアを水流とともに出湯口90に送り込ませることにより、エア溜まりを生じないようにすることができる。ところが、熱交換器を実際に製造して施工する場合には、出湯口90に連結される配管の施工容易性などの観点から、出湯口90を出湯用ヘッダ9の上部ではなく、下部に設けたい場合がある。また、寒冷期において熱交換器を使用しない場合には、出湯用ヘッダ9内に残留する水が凍結しないように、チャンバ91内の水抜きを行ないたい場合があるが、出湯口90を出湯用ヘッダ9の上部に設けたのでは、この出湯口90を利用してチャンバ91内の水の全量を抜くことは困難である。水抜きを適切に行なうには、同図に示すように、出湯用ヘッダ9の下部に、水抜き用の開口部94を別途設ける必要があるが、そのようにしたのでは、開口部94に水抜き用の配管を別途接続する必要があり、配管構造の複雑化を招く。また、開口部94は、水抜き時以外の通常時には閉じておく必要があり、そのための部材も必要となる。
なお、出湯用チャンバとは異なり、入水用ヘッダについては、そのチャンバ内のエアを水流とともに複数の水管内に流入させ、このことによりチャンバ内にエア溜まりを生じないようにすることができる。したがって、前記したようなエア溜まりに関連した問題点は、出湯用チャンバに特有の問題点である。
実開昭63−54982号公報
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、出湯用ヘッダの下部に出湯口を設けた場合であっても、そのチャンバ内にエア溜まりが発生しないようにし、エア溜まりに起因する騒音や腐食の発生などの不具合を適切に抑制することが可能な熱交換器、および給湯装置を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される熱交換器は、熱交換用の複数の水管の端部に繋がり、かつ前記複数の水管内を通過してきた湯水が流入するチャンバを内部に形成している出湯用ヘッダと、前記出湯用ヘッダの下部に設けられている出湯口と、を備えている、熱交換器であって、前記チャンバ内の上部領域に位置する上部開口部を有し、かつこの上部開口部に進入した湯水を前記出湯口に導く流路を内部に形成している湯水ガイド手段を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、出湯用ヘッダのチャンバ内の上部領域には、湯水ガイド手段の上部開口部が位置しており、複数の水管から前記チャンバ内に湯水が流入してくると、前記チャンバ内の上部領域に存在していたエアは、前記湯水とともに前記上部開口部に進入することとなる。また、前記湯水にエアが混入している場合にも、このエアは湯水とともに前記上部開口部に進入する。すると、前記エアは、湯水とともに湯水ガイド手段の流路を通過して出湯口に導かれることとなり、出湯用ヘッダの外部に排出される。したがって、本発明によれば、出湯口が出湯用ヘッダの下部に設けられているにも拘わらず、チャンバ内にエア溜まりが発生しないようにし、エア溜まりに起因する騒音の増大や、水道水を利用した場合に塩素濃縮を生じて出湯用ヘッダ内面が腐食し易くなるといった従来の不具合を適切に解消することができる。さらに、本発明においては、出湯口が出湯用ヘッダの下部に設けられているために、後述するように、凍結防止などを目的として出湯用ヘッダから水抜きを行なう場合には、前記出湯口を利用した水抜きも可能となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記湯水ガイド手段は、前記チャンバ内の下部領域に位置する下部開口部を有しており、この下部開口部に進入した湯水も前記出湯口に導くように構成されている。
このような構成によれば、次に述べるように、凍結防止などを目的として出湯用ヘッダから水抜きを行なう場合に、その作業を適切に行なうことが可能となる。すなわち、前記チャンバ内の湯水の液面レベルが、前記湯水ガイド手段の上部開口部よりも低くなると、もはやこの上部開口部には湯水が流入しないこととなる。ところが、湯水ガイド手段は、チャンバ内の下部領域に位置する下部開口部をさらに備えており、湯水の液面レベルが前記上部開口部よりも低くなった場合であっても、この湯水を下部開口部から出湯口に導くことができる。その結果、チャンバ内に多くの湯水を残留させないように、出湯用ヘッダからの水抜き処理を的確に行なうことができる。また、水抜き処理は、出湯口を利用して行なわれるために、水抜き専用の排水口や配管を出湯用ヘッダに別途設ける必要もなくなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記上部開口部は、前記下部開口部よりも開口面積が大きくされている。
このような構成によれば、出湯用ヘッダのチャンバ内に流入してくる湯水を上部開口部と下部開口部とのそれぞれに流入させる場合に、下部開口部に対する湯水の流入量よりも上部開口部に対する湯水の流入量の方を多くすることができる。このことにより、チャンバ内の上部領域に存在するエアを湯水とともに上部開口部に確実に流入させることが可能となり、エア溜まりが発生することを防止するのにより好適となる。また、上部開口部はもちろんのこと、下部開口部についても、常時、開口状態にしておけばよく、たとえば下部開口部を水抜き作業時にのみ開口させ、かつそれ以外のときには閉塞しておくような必要もないため、便利である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記出湯用ヘッダは、前記複数の水管が接続されているベース部材と、このベース部材との間に前記チャンバが形成されるように前記ベース部材に接合されたヘッダカバーと、前記出湯口の上方において前記ヘッダカバーおよび前記ベース部材を互いに連結する連結部材と、を備えており、前記湯水ガイド手段は、前記出湯口を形成し、かつ少なくとも一部分が前記チャンバ内の下部領域に位置しているハウジング部材と、このハウジング部材から上方に向けて起立し、かつ上端に前記上部開口部を形成している管体部とを有しており、この管体部は、前記連結部材との干渉を避けるように、略くの字状に屈曲または湾曲している。
このような構成によれば、出湯用ヘッダのチャンバを形成するベース部材とヘッダカバーとの接合強度が前記連結部材の連結作用によって高められる一方、前記湯水ガイド手段を前記連結手段に対して不当に干渉させないようにして前記チャンバ内に適切に設けることができる。
本発明の第2の側面により提供される給湯装置は、燃焼器と、この燃焼器により発生された燃焼ガスから熱を回収する熱交換器と、を備えている、給湯装置であって、前記熱交換器として、本発明の第1の側面により提供される熱交換器が用いられていることを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される熱交換器について述べたのと同様な効果が得られる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図6は、本発明に係る給湯装置およびこれに関連する構成の一例を示している。図1によく表われているように、本実施形態の給湯装置Aは、燃焼器3、1次熱交換器1、および2次熱交換器Bを具備している。この給湯装置Aは、2次熱交換器Bに特徴があり、それ以外の全体的な基本構造は、従来既知のものと同様である。
燃焼器3は、たとえば正燃式のガスバーナであり、缶体30内に配され、かつ燃料ガスが外部から供給されるように構成されている。缶体30内には、下方の送風ファン31から燃焼用空気が上向きに送風されるようになっている。1次熱交換器1は、燃焼器3で発生された燃焼ガスから顕熱を回収するためのものであり、複数のフィン12を有する水管11が缶体10に対して略水平方向に貫通した構造を有している。缶体10は、燃焼器3の缶体30上に載設されているが、これらの缶体10,30を一体に形成してもよい。
2次熱交換器Bは、前記燃焼ガスから潜熱を回収するためのものであり、1次熱交換器1の上方に配され、かつ缶体10に対して補助缶体19を介して接続されている。この2次熱交換器Bは、複数の水管5、これら水管5の一端に設けられた入水用および出湯用のヘッダ6A,6B、複数の水管5の他端に設けられた湯水折り返し用のヘッダ6C、およびこれらを囲むケース7を備えている。この2次熱交換器Bによって燃焼ガスから潜熱を回収すると水蒸気が凝縮し、凝縮水が発生するが、この凝縮水は燃焼ガス中の硫黄酸化物や窒素酸化物などを吸収した強酸性となる。このため、好ましくは、2次熱交換器Bの各構成部材は、ステンレスなどの耐酸性を有する材質とされている。
図2に示すように、ケース7の後壁部70aおよび前壁部70bには、給気口71および排気口72が設けられている。1次熱交換器1を通過してその上方に進行した燃焼ガスは、給気口71からケース7内に進入して複数の水管5によりその潜熱が回収され、その後排気口72から外部に排出される。ケース7の底壁部70cには、凝縮水用の排出口73が設けられており、潜熱回収に伴って発生した凝縮水が底壁部70c上に滴下すると、この凝縮水は排出口73からケース7の外部に排出され、その中和処理を行なうための中和器(図示略)などに送られるようになっている。
図3に示すように、入水用および出湯用のヘッダ6A,6Bは、入水口60aおよび出湯口60bを有するチャンバ61A,61Bを内部に形成している。ヘッダ6Cは、チャンバ61Cを内部に形成している。この2次熱交換器Bにおいては、ヘッダ6Aの入水口60aからチャンバ61Aに水が供給されると、この水は複数の水管5の第1グループG1を通過してヘッダ6Cのチャンバ61Cに流れ込み、その後複数の水管5の第2グループG2を通過してヘッダ6Bのチャンバ61Bに流れ込む。後述するように、チャンバ61B内には、湯水ガイド2が設けられており、チャンバ61Bに流入した湯水は、この湯水ガイド2によって出湯口60bに導かれて外部に排出されるようになっている。なお、図4に示すように、入水口60aおよび出湯口60bは、ヘッダ6A,6Bのそれぞれの側面の下部に設けられている。ただし、これら入水口60aおよび出湯口60bについては、ヘッダ6A,6Bの底壁部に下向き開口状に設けた構成とすることもできる。図1に示すように、出湯口60bから排出された湯水は、1次熱交換器1の入水口11aに送られ、水管11を通過して出湯口11bから所望の給湯先に送られる。なお、1次および2次の熱交換器に対する通水の順序は限定されず、たとえば先ず1次熱交換器1に入水がなされ、この1次熱交換器1を通過した湯水がその後2次熱交換器Bに供給される構成とすることもできる。
図3によく表われているように、入水用および出湯用のヘッダ6A,6Bは、ともに複数の水管5の長手方向一端が接続されたベース部材69に、ヘッダカバー68が組み付けられることにより構成されている。ヘッダカバー68の先端外周縁68aは、ベース部材69の外周縁に沿って形成された起立部69aに嵌合しており、かつこの嵌合部分は、たとえばロウ付けの手法により接合されている。ただし、この接合は、連結部材8を用いてベース部材69とヘッダカバー68との連結を予め図り、かつそれらの間隔を所定の寸法に規定した上でなされている。図6に示すように、連結部材8は、先端部にネジ軸部81が形成されている軸状であり、このネジ軸部81がベース部材69のネジ孔69bに螺合していることによりベース部材69に固定されている。連結部材8の基端部側には、ボルトまたはその他のネジ体82が螺合しており、このネジ体82の締め付けにより、連結部材8の基端部側とヘッダカバー68との固定連結が図られている。このような構成により、ベース部材69とヘッダカバー68との間の寸法s1は、所望の寸法に正確に規定される。また、ケース7の側壁部70dは、ヘッダカバー68の外面に重ね合わされ、かつネジ体82よって締結されている。このような構成により、入水用および出湯用のヘッダ6A,6Bはケース7の側壁部70dに対して連結部材8を利用して合理的に組み付けられている。図3に示すように、ヘッダ6Cは、ベース部材69Cとヘッダカバー68Cとが組み合わされて構成されているが、その基本的な構成はヘッダ6A,6Bと同様であり、その詳細な構造の説明は省略する。
図6によく表われているように、湯水ガイド2は、出湯用ヘッダ6Bの下部に設けられたハウジグ部材20と、このハウジング部材20から上方に向けて起立した管体部21とを有している。ハウジング部材20は、たとえば短寸の金属製パイプを利用して構成されており、その一端開口部が出湯口60bとなっている。この出湯口60bの周縁部は、外部配管を連結するためのフランジ22aを備えた継手部22となっている。管体部21は、たとえば金属製パイプを用いて構成されており、その下端部はハウジング部材20に連結されている。この管体部21の上端には、チャンバ61B内の上部領域に位置する上部開口部23が形成されており、管体部21およびハウジング部材20の内部には、上部開口部23に流入した湯水を出湯口60bに導く流路24が一連に形成されている。
ハウジング部材20の壁部の一部には、チャンバ61B内の湯水をこのハウジング部材20内に流入可能とする下部開口部25も設けられている。この下部開口部25は、後述するように、凍結防止用の水抜きに役立つものであり、ハウジング部材20のできるかぎり高さが低い部分に形成されている。この下部開口部25は、上部開口部23よりも開口面積が小さい小孔状である。図4および図5に示すように、管体部21は、側面視略くの字状に屈曲または湾曲しており、このことによりこの管体部21と連結部材8との干渉が回避されている。
次に、2次熱交換器B、およびこれを備えた給湯装置Aの作用について説明する。
図1において、給湯装置Aは、1次熱交換器1および2次熱交換器Bの水管11,5に通水がなされると、運転が開始されて燃焼器3が駆動し、この燃焼器3によって発生された燃焼ガスからは1次熱交換器1および2次熱交換器Bによって顕熱および潜熱が回収される。この熱回収により生成された湯は、出湯口11bから所望の給湯先に供給される。
図6に示すように、2次熱交換器Bの複数の水管5からチャンバ61B内に湯水が流入した場合、この湯水は、湯水ガイド2の上部開口部23および下部開口部25のそれぞれに進入して出湯口60bに導かれ、出湯用ヘッダ6Bの外部に出湯する。上部開口部23は、チャンバ61B内の上部領域に位置しているために、この上部領域に仮にエアが存在していたとしても、このエアは湯水とともに上部開口部23内に流れ込む作用が生じる。複数の水管5からは、水流とともにエアが流入してくる場合もあるが、このようなエアも水流と一緒に上部開口部23内に流れ込み、出湯口60bに導かれる。したがって、チャンバ61Bの上部にはエア溜まりが発生しないようにし、チャンバ61B内に湯水が流入する際の騒音が大きくなったり、あるいは2次熱交換器Bに水道水を入水させた場合にエア溜まり部分と水道水との境界部分において塩素が凝縮して出湯用ヘッダ6Bの内面が腐食し易くなるといった不具合を生じないようにすることができる。とくに、本実施形態においては、上部開口部23の開口面積が下部開口部25の開口面積よりも大きくされているために、上部開口部23への湯水の流入量を多くして、多量の湯水とともにエアが上部開口部23から流路24に流れ込む作用がより的確に得られることとなる。
次いで、たとえば冬季において給湯装置Aの運転を長期間停止させておく場合には、1次熱交換器1や2次熱交換器B内の凍結防止を図るべく、それらに対する入水を停止し、それらの内部から水を抜く。この場合、チャンバ61B内に存在する水の殆どを湯水ガイド2の下部開口部25から出湯口60bに導くことができる。このように出湯口60bを利用して水抜き処理を行なえば、出湯用ヘッダ6Bに別途水抜き専用の開口部を設けて水抜き用の配管を接続しておく必要はなく、2次熱交換器Bの周辺部の配管本数を少なくし、周辺構造の簡素化などを図るのに好適となる。なお、入水用ヘッダ60A内の水については、その下部に入水口60aが設けられているために、この入水口60aから水抜きを的確に行なわせることができる。各水管5を傾斜させることにより、ヘッダ6,6Bがヘッダ6Cよりも低くなるようにすれば、各水管5およびヘッダ6C内の水をヘッダA,6B内に流入させてから外部に抜く作業がより円滑となる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る熱交換器、および給湯装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明でいう湯水ガイド手段は、出湯用ヘッダのチャンバ内の上部領域に位置する上部開口部を有し、かつこの上部開口部に流入した湯水を出湯口に導くようにガイドする機能を有していればよく、前記実施形態のものとは異なる種々の形状ならびに構造に形成することが可能である。また、熱交換器をその内部が凍結する虞れの無い条件で使用する場合、あるいは熱交換器に凍結防止用のヒータを設けたような場合には、凍結防止を目的として出湯用ヘッダから水抜きを行なう必要が無くなるために、このような場合には水抜きに利用される下部開口部が設けられていなくても特に不具合はなく、そのような構成にしてもよい。
上述の実施形態では、顕熱回収用の1次熱交換器1はヘッダを有しない水管構造とされているために、本発明が適用されていないものの、顕熱回収用の熱交換器が出湯用ヘッダを有している場合には、やはり本発明を適用することが可能である。本発明が適用される熱交換器は、顕熱回収用、潜熱回収用の種別を問わない。また、本発明は、たとえば図7に示すように、複数の水管5の一端に入水用のヘッダ6Aが設けられ、かつ他端に出湯用ヘッダ6Bが設けられていることにより、水管5の一端から他端に向けて湯水が一方通行で通過するように構成された熱交換器にも適用できることは勿論である。水管の具体的な材質や形状など、およびヘッダの具体的な構造などは問わない。水管として、蛇腹状の管体やU字管を用いたものにも適用可能である。
本発明に係る給湯装置においては、燃焼器として、ガスバーナ以外のものを用いてもよく、たとえばオイルバーナを用いた構成とすることもできる。また、燃焼器により発生された燃焼ガスが上方に進行する正燃式のものに代えて、燃焼ガスを下方に進行させる逆燃式として構成することもできる。本発明でいう給湯装置は、瞬間式給湯器以外として、たとえば床暖房用の給湯装置などとして構成することもでき、湯の具体的な供給先や用途を問うものではない。
本発明が適用された給湯装置の一例を示す概略正面断面図である。 図1のII−II要部断面図である。 図1のIII−III断面図である。 図1に示す給湯装置に用いられている2次熱交換器の左側面図である。 図1に示す給湯装置に用いられている2次熱交換器の左側面断面図である。 図1に示す給湯装置に用いられている2次熱交換器の出湯用ヘッダの構造を示す要部断面図である。 本発明が適用される熱交換器の他の概略構造を示す説明図である。 (a),(b)は、従来技術の要部断面図である。
符号の説明
A 給湯装置
B 2次熱交換器
2 湯水ガイド
3 燃焼器
5 水管(2次熱交換器の)
6B 出湯用ヘッダ
8 連結部材
20 ハウジング部材
21 管体部
23 上部開口部
24 流路
25 下部開口部
60b 出湯口
61B チャンバ(出湯用ヘッダの)
68 ヘッダカバー
69 ベース部材

Claims (5)

  1. 熱交換用の複数の水管の端部に繋がり、かつ前記複数の水管内を通過してきた湯水が流入するチャンバを内部に形成している出湯用ヘッダと、
    前記出湯用ヘッダの下部に設けられている出湯口と、
    を備えている、熱交換器であって、
    前記チャンバ内の上部領域に位置する上部開口部を有し、かつこの上部開口部に進入した湯水を前記出湯口に導く流路を内部に形成している湯水ガイド手段を備えていることを特徴とする、熱交換器。
  2. 前記湯水ガイド手段は、前記チャンバ内の下部領域に位置する下部開口部を有しており、この下部開口部に進入した湯水も前記出湯口に導くように構成されている、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記上部開口部は、前記下部開口部よりも開口面積が大きくされている、請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記出湯用ヘッダは、前記複数の水管が接続されているベース部材と、このベース部材との間に前記チャンバが形成されるように前記ベース部材に接合されたヘッダカバーと、前記出湯口の上方において前記ヘッダカバーおよび前記ベース部材を互いに連結する連結部材と、を備えており、
    前記湯水ガイド手段は、前記出湯口を形成し、かつ少なくとも一部分が前記チャンバ内の下部領域に位置しているハウジング部材と、このハウジング部材から上方に向けて起立し、かつ上端に前記上部開口部を形成している管体部とを有しており、この管体部は、前記連結部材との干渉を避けるように、略くの字状に屈曲または湾曲している、請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 燃焼器と、この燃焼器により発生された燃焼ガスから熱を回収する熱交換器と、を備えている、給湯装置であって、
    前記熱交換器として、請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器が用いられていることを特徴とする、給湯装置。
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