JP2007009493A - ゴムクローラの芯金剥離装置および油圧パワーショベル用アタッチメント - Google Patents

ゴムクローラの芯金剥離装置および油圧パワーショベル用アタッチメント Download PDF

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Abstract

【課題】設備コストが安く、環境に優しいゴムクローラの芯金剥離装置、および油圧パワーショベル用アタッチメントを提供することを目的としている。
【解決手段】 支持面26上に載置したゴムクローラ16に対して遠近移動可能とした可動アーム3の先端部に、ゴムクローラ16を押圧する押え部材8を装着し、この押え部材8の一端部に中間部を枢着した剥離レバー9の一端に、ゴムクローラ16における芯金17に係合しうる爪19を設け、かつ剥離レバー9の他端と可動アーム3との間に剥離用の油圧シリンダ25を連結し、この剥離用の油圧シリンダの作動により、剥離レバー9を回動させ、爪19で芯金17をゴムクローラ16から剥離しうるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、油圧パワーショベル等の移動式建設機械用のゴムクローラの廃棄物から芯金を剥離して除去するゴムクローラの芯金剥離装置、および油圧パワーショベル用アタッチメントに関する。
一般に、建設機械用のゴムクローラは、ゴムからなるゴムクローラ本体内に鋳鋼材または鍛造材からなる芯金およびスチールコードが埋設された構造であり、摩耗によりスチールコードの配列が乱れると使用不能となり、このゴムクローラは廃棄物となる。
従来、このようなゴムクローラの廃棄物の処理法は、細かく切断して埋め立て処理するか、焼却した残渣物を埋め立て処理する方法が一般的である。
この方法は、まだ使用可能な芯金もまとめて廃棄してしまうという問題があるので、これを解決するため、ゴムクローラ廃棄物を不完全燃焼が可能な焼却炉の中で過熱し、ゴム質を分解した後、残渣中の芯金を回収するようにした芯金の再利用方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−111680号公報
しかし、特許文献1に記載されている処理方法では、加熱処理するための大掛かりな焼却炉を必要とし、多大の設備コストがかかるばかりでなく、ゴム燃焼による環境汚染の問題も生ずる。
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、設備コストが安く、環境にも優しいゴムクローラの芯金剥離装置、および油圧パワーショベル用アタッチメントを提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)ゴムクローラの芯金剥離装置において、ゴムクローラを支持する支持面に対して遠近移動可能とした可動アームの先端部に、ゴムクローラを押圧する押え部材を装着し、この押え部材の一端部に中間部を枢着した剥離レバーの一端に、前記ゴムクローラにおける芯金に係合しうる爪を設け、かつ前記剥離レバーの他端と前記可動アームとの間に、剥離用の油圧シリンダを連結し、この剥離用の油圧シリンダの作動により、前記剥離レバーを回動させ、前記爪で、芯金をゴムクローラから剥離しうるようにする。
(2)上記(1)項において、可動アームと押え部材との間に、押え用の油圧シリンダを連結して、押え部材を回動可能とする。
(3)上記(1)または(2)項において、押え部材の底面に、ゴムクローラにおける芯金間に嵌入する突起を設ける。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、押え部材の底面における剥離レバー側の端部と、前記剥離レバーから離れる方向に離間した部分との2個所に、突起を設ける。
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、爪を、芯金を挟む二股状とする。
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、可動アームの上部を、昇降用の油圧シリンダに連結し、この油圧シリンダにより可動アームを昇降させるようにする。
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、油圧パワーショベルにおけるバケット取付用の可動アームに、バケットに代えて押え部材を装着し、剥離用の油圧シリンダとして、前記バケットを開閉するバケットシリンダを利用するようにする。
(8)油圧パワーショベルの可動アームの先端部に取り付けられるアタッチメントにおいて、前記可動アームの先端部に着脱可能に装着される押え部材と、この押え部材の一端部に中間部が枢着され、一端にゴムクローラにおける芯金に係合しうる爪が設けられ、かつ他端がパケットシリンダに連結されるようにした剥離レバーとを備えるものとする。
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、押え部材でゴムクローラを押えて、芯金に係合した剥離レバーを油圧シリンダにより作動させることにより、芯金をゴムクローラ本体から剥離することができるので、従来のような加熱や焼却工程が不要となり、焼却炉等の大規模な設備が不要となるとともに、低コストで芯金を取り出すことができ、環境汚染の問題も解消される。
(b)請求項2記載の発明によると、押え用の油圧シリンダにより、押え部材を回動させることにより、ゴムクローラに対する押え部材の位置決めが容易となる。
(c)請求項3記載の発明によると、押え部材の底面に設けた突起を、ゴムクローラの芯金間に嵌入することにより、芯金剥離時のゴムクローラの動きを確実に止めることができる。
(d)請求項4記載の発明によると、押え部材の底面における剥離レバー側の端部と、前記剥離レバーから離れる方向に離間した部分との2個所に突起を設けてあるので、そのいずれかに係合しているゴムクローラの芯金が、ゴムクローラから脱落した場合でも、もう一方の突起が、ゴムクローラの芯金に係合していれば、芯金剥離時に、ゴムクローラが位置ずれするのを確実に阻止することができるだけでなく、押え部材をゴムクローラに押しつける際に、押え部材の底面における剥離レバー側の端部に設けた突起を、最初にゴムクローラにおける芯金間に差し込むようにすれば、この突起が最初の位置決め用の突起として作用し、その後の押え部材によるゴムクローラの押しつけ作業が円滑に行われる。
(e)請求項5記載の発明によると、二股状の爪で芯金を挟むことにより、芯金を、爪から外れることなく、確実に剥離することができる。
(f)請求項6記載の発明によると、可動アームを、昇降用の油圧シリンダに連結することにより、専用のゴムクローラの芯金剥離装置とすることができる。
(g)請求項7記載の発明によると、油圧パワーショベルのバケット取付用の可動アームに押え部材を装着し、かつバケットシリンダを押え用油圧シリンダとして利用することにより、油圧パワーショベルを、そのままゴムクローラの芯金剥離装置として利用することができる。
(h)請求項8記載の発明によると、油圧パワーショベルの可動アームに、押え部材および剥離レバーを備えたアタッチメントを装着することにより、簡単にゴムクローラの芯金剥離装置を構成することができる。
以下、本発明のゴムクローラの芯金剥離装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態の外観斜視図、図2〜図4は、それぞれゴムクローラの芯金剥離装置の作動順序に沿った側面図、図5は、図2の矢印IV方向から見た背面図である。
図示の実施形態は、油圧パワーショベルを利用したときのものである。
第1の可動アーム(1)は、後下端部がパワーショベル本体(A)に支持され、第1の可動アーム(1)とパワーショベル本体(A)との間には、油圧シリンダ(2)(2)が連結されている。
第1の可動アーム(1)は、パワーショベル本体(A)に乗った操作者の操作により、図1に矢印で示すように上下方向に回動しうるようになっている。
第1の可動アーム(1)の先端部には、第2の可動アーム(3)が、左右方向を向く軸(4)をもって枢着されている。第1の可動アーム(1)と第2の可動アーム(3)との間には、第1の油圧シリンダ(5)が連結されている。
第2の可動アーム(3)の下端部には、アタッチメント(6)が、左右方向を向く軸(7)をもって枢着されている。このアタッチメント(6)は、押え部材(8)と剥離レバー(9)とからなっている。
押え部材(8)は、ほぼ水平のベースフレーム(10)と、ベースフレーム(10)の下面に固着された左右1対の押え板(11)(11)(図5参照)と、ベースフレーム(10)の上面に固着され、かつ後上部が軸(7)に枢着された左右1対の支持フレーム(12)(12)と、ベースベースフレーム(10)の上面から後方に延出する左右1対のレバー支持フレーム(13)(13)とを備えている。押え板(11)の両側には、補強リブ(14)(14)が設けられている。左右の押え板(11)(11)間におけるベースフレーム(10)の下面には、すべり止め用の突起(15)が下向き突設されている。
剥離レバー(9)は、ゴムクローラ(16)の芯金(17)を剥離するものである。ゴムクローラ(16)は、ゴム製のゴムクローラ本体(18)の内部に、金属製の芯金(17)、およびときには、スチールコードが埋め込まれたものよりなっている。
剥離レバー(9)は、下端にゴムクローラ(16)の芯金(17)に係合可能な二股形状の爪(19)が形成されたほぼ横向きL字状のもので、その中間部は、左右1対のレバー支持フレーム(13)(13)の後部に、左右方向を向く軸(20)をもって枢着されている。
押え部材(8)と第2の可動アーム(3)との間は、第1リンク(21)および第2リンク(22)により、それらによって四節リンクが形成されるように連結され、両リンク(21)(22)の連結軸(23)と、第2の可動アーム(3)との間には、押え用の油圧シリンダ(24)が連結されている。また、剥離レバー(9)の先端と第2の可動アーム(3)との間には、剥離用の油圧シリンダ(25)が連結されている。
次に、芯金剥離動作についてを説明する。
図2に示すように、先ず、ゴムクローラ(16)を、地面等の支持面(26)上に載置させた状態で、第2の可動アーム(3)を下降させて、剥離レバー(9)の爪(19)を1つの芯金(17)に係合させる。この状態で、押え部材(8)はゴムクローラ(16)から上方に離れた位置にある。次に、第2の可動アーム(3)をさらに下降させるとともに、押え用の油圧シリンダ(24)のピストンロッド(24a)を伸び出させると、押え部材(8)は、軸(7)を支点として回動しつつ下降し、図3に示すように、ゴムクローラ(16)上に当接して、ゴムクローラ(16)全体を押圧する。このとき、押え部材(8)の下面に突設した突起(15)が、ゴムクローラ(16)の芯金(17)(17)間に突き刺さり、ゴムクローラ(16)を動かないように固定する。
押え部材(8)は、第2の可動アーム(3)に軸(7)を介して回動自在に支持されているため、仮にゴムクローラが斜面に置かれていても、ゴムクローラ(16)の表面に追従して動き、確実に押圧することができる。
次に、図4に示すように、第3の剥離用の油圧シリンダ(25)のピストンロッド(25a)を引き込む方向に作動させると、剥離レバー(9)は、図4の反時計回りに回動し、爪(18)に係合している芯金(17)を、ゴムクローラ(16)から剥離して持ち上げる。
次に、押え部材(8)を図1の状態に上昇させ、装置全体を若干図の左方に移動させ(ゴムクローラ(16)を右方に移動させてもよい)た後、剥離レバー(9)を元の位置まで戻し、爪(19)を、次に剥離しようとする芯金(17)に係合させる。
以下、同様の動作を繰り返すことにより、芯金(17)が次々と剥離されていく。
上記実施形態では、既存の油圧パワーショベルを利用し、第2の可動アーム(3)にバケットに代えて、アタッチメント(6)を装着したもので、第2、第3の油圧シリンダ(24)(25)として既存のバケットシリンダを利用することができる。
また、第2の可動アーム(3)を、床面に立設した支柱(図示略)等に上下動可能として装着し、かつ油圧シリンダ等により昇降させるようにして、専用のゴムクローラの芯金剥離装置として構成することも可能である。この構成の場合は、油圧パワーショベルは不要である。
さらに、図6に示す変形例のように、押え部材(8)の底面における剥離レバー(9)側の端部と、剥離レバー(9)から離れる方向に離間した上記と同様の部分との2個所に、突起(27)(15)を設けると、そのいずれかに係合しているゴムクローラ(16)の芯金(17)が、ゴムクローラ(16)から脱落した場合でも、もう一方の突起(15)(27)が、ゴムクローラ(16)の芯金(17)に係合していれば、芯金(17)剥離時に、ゴムクローラ(16)が位置ずれするのを確実に阻止することができるだけでなく、押え部材(8)をゴムクローラ(16)に押しつける際に、押え部材(8)の底面における剥離レバー(9)側の端部に設けた突起(27)を、最初にゴムクローラ(16)における芯金(17)間に差し込むようにすれば、この突起(27)が最初の位置決め用の突起(27)として作用し、その後の押え部材(8)によるゴムクローラ(16)の押しつけ作業が円滑に行われる。
この場合は、両突起(27)(15)間の間隔は、ゴムクローラ(16)における芯金(17)のピッチの複数倍に定めておくのがよい。
以上のように、押え部材(8)により、ゴムクローラ(16)を押えて、芯金(17)に係合した剥離レバー(9)を剥離用の油圧シリンダ(25)により作動させることにより、芯金(17)をゴムクローラ本体(18)から剥離することができるので、従来のような加熱や焼却工程が不要となり、焼却炉等の大規模な設備が不要となり、低コストで芯金(17)の取り出し操作が可能となるとともに、環境汚染の問題も解消される。
本発明を油圧パワーショベルにアタッチメントとして装着した実施形態の外観斜視図である。 同じく、ゴムクローラの芯金剥離装置の作動状態を示す側面図である。 同じく、図2に続く作動状態を示す側面図である。 同じく、図3に続く作動状態を示す側面図である。 同じく、図4の矢印V方向から見た側面図である。 押え部材の変形例を示す、図2と同様の側面図である。
符号の説明
(A)パワーショベル本体
(1)第1の可動アーム
(2)油圧シリンダ
(3)第2の可動アーム
(4)軸
(5)第1の油圧シリンダ
(6)アタッチメント
(7)軸
(8)押え部材
(9)剥離レバー
(10)ベースフレーム
(11)押え板
(12)支持フレーム
(13)レバー支持フレーム
(14)補強リブ
(15)突起
(16)ゴムクローラ
(17)芯金
(18)ゴムクローラ本体
(19)爪
(20)軸
(21)第1リンク
(22)第2リンク
(23)連結軸
(24)押え用の油圧シリンダ
(24a)ピストンロッド
(25)剥離用の油圧シリンダ
(25a)ピストンロッド
(26)支持面
(27)突起

Claims (8)

  1. ゴムクローラを支持する支持面に対して遠近移動可能とした可動アームの先端部に、ゴムクローラを押圧する押え部材を装着し、この押え部材の一端部に中間部を枢着した剥離レバーの一端に、前記ゴムクローラにおける芯金に係合しうる爪を設け、かつ前記剥離レバーの他端と前記可動アームとの間に、剥離用の油圧シリンダを連結し、この剥離用の油圧シリンダの作動により、前記剥離レバーを回動させ、前記爪で、芯金をゴムクローラから剥離しうるようにしたことを特徴とするゴムクローラの芯金剥離装置。
  2. 可動アームと押え部材との間に、押え用の油圧シリンダを連結して、押え部材を回動可能としたことを特徴とする請求項1記載のゴムクローラの芯金剥離装置。
  3. 押え部材の底面に、ゴムクローラにおける芯金間に嵌入する突起を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のゴムクローラの芯金剥離装置。
  4. 押え部材の底面における剥離レバー側の端部と、前記剥離レバーから離れる方向に離間した部分との2個所に、突起を設けたことを特徴とする請求項3記載のゴムクローラの芯金剥離装置。
  5. 爪を、芯金を挟む二股状としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴムクローラの芯金剥離装置。
  6. 可動アームの上部を、昇降用の油圧シリンダに連結し、この油圧シリンダにより可動アームを昇降させるようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴムクローラの芯金剥離装置。
  7. 油圧パワーショベルにおけるバケット取付用の可動アームに、バケットに代えて押え部材を装着し、剥離用の油圧シリンダとして、前記バケットを開閉するバケットシリンダを利用するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴムクローラの芯金剥離装置。
  8. 油圧パワーショベルの可動アームの先端部に取り付けられるアタッチメントであって、
    前記可動アームの先端部に着脱可能に装着される押え部材と、この押え部材の一端部に中間部が枢着され、一端にゴムクローラにおける芯金に係合しうる爪が設けられ、かつ他端がパケットシリンダに連結されるようにした剥離レバーとを備えることを特徴とする油圧パワーショベル用アタッチメント。
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