JP2007009371A - 非ハロゲン系防炎剤の水分散液 - Google Patents

非ハロゲン系防炎剤の水分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】防炎加工剤と分散染料を併用して浸染同浴処理法を行っても、分散染料の特性を阻害せず目的の色相が得られ、堅牢度低下のない防炎加工剤の水分散液を提供する。
【解決手段】式(1)の芳香族ジホスフェートをポリオキシエチレンフェニルエーテルの硫酸エステル塩から選ばれるアニオン系界面活性剤によって微粒子、分散化する。
Figure 2007009371

(式中R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、同一でも異なってもよい)
【選択図】なし

Description

本発明は、浸染同浴で併用される染料の特性を低下させることなく、合成繊維に耐久性にすぐれる防炎性能を付与することができる非ハロゲン系防炎加工剤の水分散液に関する。
従来、後加工処理によって合成繊維に防炎性能を付与する方法として、ハロゲン系化合物、代表的には、例えば、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカンのような臭素化シクロアルカンを分散剤にて水に分散させてなる防炎加工剤を使用する方法が知られている。しかしながら、このような合成繊維が燃えたとき、有害なハロゲン化ガスが発生し、これが自然環境に有害な影響を及ぼす等の問題がある。従って、近年においては、防炎剤としてこのようなハロゲン系化合物を用いることが規制されるに至っている。
そこで、これまでも、このようなハロゲン系化合物に代わる防炎剤として、有機リン酸エステルのようなリン系化合物を用いて、合成繊維に防炎性能を付与することが行われている。しかし、従来、防炎剤として一般に用いられているリン系化合物は、同浴で用いられる分散染料やカチオン染料の特性阻害が考慮されておらず、又、その分子量が低いために、例えば、ポリエステル系合成繊維の引火点以下で分解、揮散するために、合成繊維に十分な防炎性能を付与することが困難である。従って、このようなリン系化合物によってポリエステル系合成繊維に十分な防炎性能を付与するには、特別なリン系化合物と分散化方法が必要であった。
又、リン系化合物を用いた場合には、合成繊維の風合いを損ねたり、また、このリン系化合物が経時的に合成繊維の表面に移行すると共に、この合成繊維と染色に用いた染料等も合成繊維の表面に移行する所謂表面ブリードを生じたり、使用する分散染料の特性阻害(染料の変色)や染色堅牢度を低下させる問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、従来から、分子量が高く、結晶性のリン系化合物を防炎剤として用いて、合成樹脂成形品や合成繊維に防炎性能を付与することが提案されている。また合成繊維に浸染同浴処理又は、後加工処理にて防炎性能を付与するには、上記のリン系化合物の製剤化、即ち、微粒子として安定に高濃度で水中に分散させてなる水分散液を調製することが必要である。
特許文献1には、結晶性のリン系化合物を用いて、合成樹脂成形品や合成繊維に防炎性能を付与することが開示されている。また特許文献2、4及び5にはリン系化合物を、非イオン界面活性剤によって水に分散させる方法が開示されている。さらに特許文献3には、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカンのような臭素化シクロアルカンを防炎剤として分散剤にて水に分散させてなる防炎加工剤を合成繊維に吸着させる方法が開示されている。
特開平5−1079号 特開2001−254268号 特公昭53−8840号 特開2000−328445号 特開平10−298188号
従来の合成繊維、特にポリエステル系合成繊維の防炎加工処理における上述した問題を解決するため、浸染同浴で併用される染料の特性を低下させることなく、耐久性にすぐれる防炎性能を合成繊維に付与することができる防炎加工剤の水分散液を提供することが求められている。
かかる事情の下、本発明者らは、ある種の芳香族ジホスフェートの結晶性粉末を合成繊維、特に、ポリエステル系合成繊維の防炎剤として用いることについて鋭意研究した結果、ある種のアニオン界面活性剤を用いることによって、上記芳香族ジホスフェートを微粒子として、水中に安定に、しかも使用する分散染料の特性低下もなく分散させることができ、かくして、このような水分散液からなる防炎加工剤を合成繊維に浸染同浴や後加工処理にて吸着させることによって、耐久性にすぐれる防炎性能を合成繊維に付与することができることを見出して、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(1)、
Figure 2007009371
(式中、R1及びR2は水素原子、水酸基、カルボキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、同一でも異なってもよい。) で示される芳香族ホスフェートをポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステルまたはその塩の存在下に水に分散させてなることを特徴とする、合成繊維の防炎加工剤の水分散液。
(2)ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステルが一般式(2)、
Figure 2007009371
(式中Rは、炭素数6〜18のアルキル基又は、スチリル基、ベンジル基を表し、nは1〜15の整数を表し、mは0又は、1の整数を表す。)で表される化合物またはその塩を含有することを特徴とする(1)に記載の防炎加工剤の水分散液。
(3)(1)記載の一般式(1)で示される芳香族ホスフェートがメディアン径で1.2μm以下の微粒子である、(1)又は(2)に記載の合成繊維の防炎加工剤の水分散液。
(4)合成繊維が、ポリエステル系合成繊維である(1)〜(3)のいずれか一項に記載の防炎加工剤の水分散液。
本発明による合成繊維の防炎加工剤は、前記式(1)で表わされる芳香族ジホスフェートを水中に微粒子として分散させてなるものであり、このような加工剤を合成繊維に後加工処理にて吸着させることによって、耐久性にすぐれる防炎性能を付与することができる。又、従来のようなタイプと異なり浸染同浴処理法でも使用される分散染料やカチオン染料の特性を阻害しない防炎加工剤の水分散液が得られる。
本発明による合成繊維の防炎加工剤において、防炎剤としては、式(1)
Figure 2007009371
で示される芳香族ジホスフェートが用いられる。
前記式(1)で表わされる芳香族ジホスフェートにおいて、R1及びR2は水素原子、水酸基、カルボキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、同一でも異なっても良い。ここに、上記アルキル基はいずれも、直鎖又は分岐鎖のアルキル基であって、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基であるものが好ましい。上記アルコキシ基はいずれも、直鎖のアルコキシ基であって、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であるものが好ましい。本発明においては、特にR1及びR2は水素原子であるものが好ましい。
前記式(1)で表わされる芳香族ジホスフェートとして、例えば、テトラ(2,6−ジメチルフェニル)−p−フェニレンホスフェート、テトラ(2,6−ジエチルフェニル)−p−フェニレンホスフェート、テトラ(2,6−ジプロピルフェニル)−p−フェニレンホスフェート、等を挙げることができる。これらのなかでも、特にテトラ(2,6−ジメチルフェニル)−p−フェニレンホスフェートが好ましく用いられる。このような芳香族ジホスフェートは、例えば、特許文献1に記載されており、また、市販品として入手することもできる。
一般に、繊維を浸染同浴処理又は、後加工処理する場合、用いる防炎剤の粒径は、その加工によって繊維に付与される防炎性能にとって非常に重要な因子であり、防炎剤の粒径が小さいほど、繊維に高い防炎性能を付与することができる。特に、防炎剤による防炎性能に耐久性が必要とされる場合には、防炎剤が繊維の内部に十分に拡散することができるように、防炎剤の粒径が小さいことが不可欠である。本発明によれば、上記アニオン界面活性剤を分散剤として用いることによって、上記芳香族ジホスフェートをメディアン径1.2μm以下の微粒子として水中に安定に、しかも高濃度に分散させることができる。
一般式(2)で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル又はその塩はアニオン界面活性剤であり、Rは炭素数6〜18のアルキル基又は、スチリル基、ベンジル基を表し、好ましいものは炭素数6〜15の直鎖アルキル基、より好ましくはn-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシルである。nは1〜15の整数であり、好ましくは3〜12、より好ましくは6〜9である。
mは0又は、1の整数を表し、好ましくは1である。
塩としては、式(2)中の硫酸基と塩を形成し得るものならいずれでもよく、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩などが挙げられ、好ましいものは、アルカリ金属との塩すなわちリチウム、ナトリウム、カリウム塩又はアンモニウム塩を表し、より好ましくはナトリウム塩またはアンモニウム塩である。
上記アニオン界面活性剤またはその塩を分散剤として用いることによって、上述したような芳香族ホスフェートをメディアン径2μm以下の微粒子として水中に安定に且つ高濃度に分散させることができる。
アニオン界面活性剤は、上記芳香族ジホスフェートに対して、通常、1〜60重量%の範囲、好ましくは、1〜25重量%の範囲で用いられる。また、本発明による防炎加工剤において、防炎剤である上記芳香族ジホスフェートの含有量は、通常、10〜70重量%の範囲であり、好ましくは、20〜50重量%の範囲である。
本発明による防炎加工剤の水分散液は、その性能や加工に際してのハンドリング性を阻害しない範囲内において、必要に応じて、上記界面活性剤を分散剤として含んでいてもよい。更に、必要に応じて、貯蔵安定性を高めるために、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン糊等の保護コロイド剤、防炎性を高めるための防炎助剤、耐光堅牢度を高めるための紫外線吸収剤、酸化防止剤等を含んでいてもよい。更に、必要に応じて、従来より知られている防炎剤を含んでいてもよい。
本発明による水分散液は、ポリエステル系繊維の浸染同浴処理又は、後加工処理による防炎加工に有用である。ここに、ポリエステル系合成繊維とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシエトキシベンゾエート、ポリエチレンナフタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステルに、付加的成分として、イソフタル酸、アジピン酸、スルホイソフタル酸のようなジカルボン酸成分や、プロピレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールのようなジオール成分を共重合させたもの等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。又、繊維として織物、編物、不織布等のいずれの形態のものであってもよい。
本発明による水分散液によって合成繊維を防炎加工するには、浸染同浴処理法やパディング法を用いることができる。すなわち、防炎加工剤水分散液を分散染料や蛍光染料などと同浴で、浸染処理することができる。例えば、ポリエステル繊維などの合成繊維を分散染料等と併用し110〜150℃、好ましくは、120〜140℃の範囲の温度で10〜60分間程度処理を行う。これにより、分散染料などの耐光堅牢度低下、染料の変色もなく防炎効果の優れる加工布を得ることができる。
ポリエステル繊維をパディング法で処理する場合には、繊維をパッド後、乾熱処理や、また、飽和常圧スチーム処理、過熱スチーム処理、高圧スチーム処理等の蒸熱処理によって熱処理する。乾熱処理、蒸熱処理のいずれにおいても、熱処理温度は、通常、110〜210℃の範囲であり、好ましくは、170〜210℃の範囲である。熱処理温度が210℃を超えるときは、ポリエステル系合成繊維の黄変や脆化のおそれがある。
有効な防炎性能を付与するには、合成繊維に前記芳香族ジホスフェートを1.0〜40重量%、特に好ましくは、5〜20重量%吸着させることが好ましい。必要に応じて、浸染同浴処理法によりポリエステル系合成繊維に防炎加工を施した後、更に、パディング法で防炎加工処理を行うことにより、より高い防炎性能を付与することもできる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例中「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び
「重量%」である。
なお実施例及び各比較例に記載のメディアン径は、上記水分散液の調整に使用した各種芳香族ホスフェート(防炎剤)の水分散液中での実測値を示す。測定には、(株)HORIBAレーザー回折式粒度分布測定装置LB−500を用い、上記水分散液中の各種芳香族ホスフェートの粒度分布データを得た。得られた分布データの粒子径スケールに対する積算%の分布曲線からメディアン径(50%粒子径)を選択し、実施例及び各比較例に記載した。
実施例及び比較例に用いた化合物は以下の通りである。
式(3):R1及びR2がエーテル結合に対して、全てメタ位のメチル基である式(1)の化合物
式(4):特許文献2記載の化合物
式(5):大八化学工業(株)製、商品名TCP
式(6):特許文献4記載の化合物
式(7):特許文献5記載の化合物
式(8):特許文献3記載の化合物
式(9):第一工業製菓(株)製、商品名ハイテノールNE−053(30%水溶液として使用)
なお、上記式(3)〜(9)の化合物を以下に示す。
Figure 2007009371
Figure 2007009371
Figure 2007009371
Figure 2007009371
Figure 2007009371
Figure 2007009371
Figure 2007009371
実施例1
サンドグラインダーを用い、下記成分の混合物を10時間、湿式粉砕を行うことにより、メディアン径0.876μmの式(3)の化合物を含む防炎剤の水分散液を得た。
成分
水 54.9%
式(3)の化合物 30.0%
ハイテノールNE−053 14.4%
湿潤剤 0.5%
消泡剤 0.1%
防カビ剤 0.1%
合計 100.0%
比較例1
サンドグラインダーを用い、下記成分の混合物を10時間、湿式粉砕を行うことにより、メディアン径0.886μmの式(3)の化合物を含む防炎剤の水分散液を得た。
成分
水 54.9%
式(4)の化合物 30.0%
ハイテノールNE−053 14.4%
湿潤剤 0.5%
消泡剤 0.1%
防カビ剤 0.1%
合計 100.0%
比較例2
サンドグラインダーを用い、下記成分の混合物を10時間、湿式粉砕を行うことにより、メディアン径0.864μmの式(3)の化合物を含む防炎剤の水分散液を得た。
成分
水 65.8%
式(4)の化合物 30.0%
オクチルフェノールのエチレンオキサイト10モル付加物 3.5%
湿潤剤 0.5%
消泡剤 0.1%
防カビ剤 0.1%
合計 100.0%
比較例3
サンドグラインダーを用い、下記成分の混合物を10時間、湿式粉砕を行うことにより、メディアン径0.886μmの式(3)の化合物を含む防炎剤の水分散液を得た。
成分
水 54.9%
式(5)の化合物 30.0%
ハイテノールNE−053 14.4%
湿潤剤 0.5%
消泡剤 0.1%
防カビ剤 0.1%
合計 100.0%
比較例4
サンドグラインダーを用い、下記成分の混合物を10時間、湿式粉砕を行うことにより、メディアン径0.846μmの式(3)の化合物を含む防炎剤の水分散液を得た。
成分
水 54.9%
式(6)の化合物 30.0%
ハイテノールNE−053 14.4%
湿潤剤 0.5%
消泡剤 0.1%
防カビ剤 0.1%
合計 100.0%
比較例5
サンドグラインダーを用い、下記成分の混合物を10時間、湿式粉砕を行うことにより、メディアン径0.846μmの式(3)の化合物を含む防炎剤の水分散液を得た。
成分
水 54.9%
式(7)の化合物 30.0%
ハイテノールNE−053 14.4%
湿潤剤 0.5%
消泡剤 0.1%
防カビ剤 0.1%
合計 100.0%
比較例6
サンドグラインダーを用い、下記成分の混合物を10時間、湿式粉砕を行うことにより、メディアン径0.986μmの式(3)の化合物を含む防炎剤の水分散液を得た。
成分
水 54.9%
式(8)の化合物 30.0%
ハイテノールNE−053 14.4%
湿潤剤 0.5%
消泡剤 0.1%
防カビ剤 0.1%
合計 100.0%
上記の方法により調製した実施例および比較例の防炎剤の水分散液及び分散染料を用い、下記の方法でポリエステル繊維混紡布帛(供試布)に加工処理を施した後、得られた防炎加工布に対して各種試験を実施した。

1.染料との浸染同浴処理による防炎加工布の調製
ミニカラー染色機を用い、上記供試布10gに対して分散染料(レサイプ1:Disperse Yellow 64 34mg、Disperse Red 60 24mg、Disperse Blue 56 14mg)(レサイプ2:Kayalon Polyester Yellow AL 75mg、Kayalon Polyester Red AL 33mg、Kayalon Polyester Blue AL(N)69mg 日本化薬社製)及び実施例または比較例で調整した水分散液を3gとpH調整剤(pH=4.5)を加え、各実施例及び比較例に対応する染色調整液200mlをそれぞれ調製した。これを室温で初気圧2.7kg/cm2に加圧後、密閉し、130℃で60分間処理した。次いで15分間の還元洗浄後、得られた加工処理済の湿潤供試布を乾燥することにより、各実施例及び比較例に対応する防炎加工布をそれぞれ得た。
2.染料ブリード試験方法
上記1.の方法にて調整した防炎加工布を、180℃で30秒間の感熱処理を実施後、水試験(JIS−0846)により級数を判定した。なお級数の大きいほど堅牢度が良好なことを示し、5級が最も優れる値である。
3.染料変色試験方法
上記1.に記載した浸染同浴処理に際し、防炎加工剤の水分散液を添加しない条件で供試布を染色することにより染色布を得た。得られた染色布を標準色とし、上記1.で得られた各防炎加工布との色相差を側色機(ΔE)で判定した。
4.対光堅牢度試験方法
フェードメーター(スガ試験機社製)を用い、各防炎加工布に63℃にて40時間カーボンアークを照射した。次いで、変退色グレースケール(JIS−0804−74)により級数を判定した。なお級数の大きいほど堅牢度が良好なことを示し、5級が最も優れる値である。
5.防炎性能試験
防炎加工布を下記の条件で水洗濯又はドライクリーニングしたものについて、JIS L 1091 A−1法(45度ミクロバーナー法)及びJISL 1091 D法(45度コイル法)にて防炎性能を測定した。ミクロバーナー法では、1分間加熱、着炎後3秒加熱共に残炎が3秒以内、残塵が5秒以内、炭化面積が30cm2以内のものを合格○とした。また、上記合格には該当せず、残炎または残塵が10秒以内のものを△とした。
45度コイル法における試験結果は、幅100mmの試験片の下端から90mmのところが溶融し燃焼するまでの回数を接炎回数として示した。また下端から90mmを超えて、上記試験片の全てが溶融し燃焼した場合には、当業者の慣習上、接炎回数に「+」を付記した。
上記2種類の防炎性能試験はそれぞれ4回ずつ行い、その平均値を表2に記載した。
6.水洗濯
JIS K 3371に従って、弱アルカリ性第1種洗剤を1g/Lの割合で用い、浴比1:40として、60℃±2℃で15分間水洗濯した後、40℃±2℃で5分間のすすぎを3回行ない、遠心脱水を2分間行ない、その後、60℃±5℃で熱風乾燥する処理を1サイクルとし、これを5サイクル行なった。
7.ドライクリーニング
試料1gにつき、テトラクロロエチレン12.6mL、チャージソープ0.265g(チャージソープの重量組成はノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤/水=10/10/1)を用いて、30℃±2℃で15分間の処理を1サイクルとし、これを5サイクル行なった。
染料ブリード試験、染料変色試験および対光堅牢度試験の結果を表1に、防炎性能試験の結果を表2に示す。
表1及び表2中に用いた用語は以下の通りである。
濃度 :防炎加工布の調整時における、供試布の重量に対する防炎剤水分散液の重量 %を示した
初期 :水洗濯及びドライクリーニングを行っていない防炎加工布を用いた試験
水洗後 :水洗濯を行った防炎加工布を用いた試験
Dry後:ドライクリーニングを行った防炎加工布を用いた試験
Figure 2007009371
Figure 2007009371
表1より明らかなように、比較例1〜6は染料変色の度合いが大きく、耐光堅牢度にも問題点のあることが判る。これと比較し、実施例1においては、染料変色の度合いも小さく、耐光堅牢度にも優れている。
また表2より明らかなように、比較例1〜5はミクロバーナー法における防炎性能、比較例1〜4はコイル法においても水洗後またはDry後の防炎性能に問題があるのに対し、実施例1の合成繊維はいずれにおいても高い防炎性能を有しており、耐洗濯性等の耐久性にもすぐれている。なお、防炎性能に関しては、比較例6に挙げた従来のハロゲン系化合物と同等の、優れた効果を有することが判明した。
本発明は、防炎加工剤と分散染料を併用して浸染同浴処理法を行っても、分散染料の特性を阻害せず目的の色相が得られ、堅牢度低下のない防炎加工剤の水分散液を提供するものである。

Claims (4)

  1. 一般式(1)、
    Figure 2007009371
    (式中、R1及びR2は水素原子、水酸基、カルボキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、同一でも異なってもよい。) で示される芳香族ホスフェートをポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステルまたはその塩の存在下に水に分散させてなることを特徴とする、合成繊維の防炎加工剤の水分散液。
  2. ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステルが一般式(2)、
    Figure 2007009371
    (式中Rは、炭素数6〜18のアルキル基又は、スチリル基、ベンジル基を表し、nは1〜15の整数を表し、mは0又は、1の整数を表す。)で表される化合物またはその塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の防炎加工剤の水分散液。
  3. 請求項1記載の一般式(1)で示される芳香族ホスフェートがメディアン径で1.2μm以下の微粒子である、請求項1又は2に記載の合成繊維の防炎加工剤の水分散液。
  4. 合成繊維が、ポリエステル系合成繊維である請求項1〜3のいずれか一項に記載の防炎加工剤の水分散液。
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