JP2007007568A - 可撓性支持体塗布方法および塗布装置 - Google Patents

可撓性支持体塗布方法および塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 支持体への厚塗りを防止して、ロールを汚すことがないような可撓性支持体塗布方法を提供する。
【解決手段】回転可能なロッド部材14と、走行する可撓性支持体Sに塗布液給液可能なスリットを有してかつロッド部材14を回転自在に保持可能なブロック部材とからなる塗布装置13を用い、塗布液Iを過剰給液状態でスリットから吐出して可撓性支持体S上に塗布し、ロッド部材14により余剰分を掻き落とし所望の厚み塗膜を得る塗布方法において、給液側側にバイパス機能15,19を設け、塗布開始時および塗布終了時バイパス機能を働かせてスリットから吐出する給液量を少なくした。
【選択図】 図1

Description

本発明は連続走行する可撓性ウェブに塗布液を連続塗布する方法、特にロッド方式の塗布方法およびその装置に関する。
図7は、本発明が対象とする塗布液を塗布した可撓性支持体の製造装置の全体構成図である。
図において、70は支持体用の塗布製品の製造装置、71はベース原反、72はパスローラ、73は塗布部、73aは塗布部材、73bは塗布ロッド、74はパスローラ、75はプルローラ、76は乾燥部、77は巻取ロールである。
塗布層の製造装置70は、支持体Sを巻回させてなる原反71と、該支持体Sを巻き取って保持する巻取ロール78との間で、支持体原反71から巻取ロール78へ送り出すことによって支持体Sを搬送させる構成である。
製造装置70は、支持体原反71から支持体Sの搬送方向に沿って、順に、パスローラ72、塗布部73、パスローラ74、プルロール75、乾燥部76を備えている。
塗布部73は、塗布液供給タンク11(図8)に接続された塗布ブロック部材13と塗布ロッド14とから成る。塗布ブロック部材13は供給された塗布液Iを塗布ノズルとして支持体Sに吐出させ、塗布ロッド14を回転させるとともに、支持体Sの表面に塗布ロッド14を押圧することで所定量の塗布液Iを塗布すると共に過剰な塗布液を掻き取り・回収する。
塗布ブロック部材13は、支持体Sに塗布ロッド14を押圧する位置(ラップする位置)と、支持体Sから塗布ロッド14を離間させた位置(待機位置)とに任意に設定できるように上下移動可能な部材として構成されている。
塗布ブロック部材13としては、バーコーダ形式のものを用いることができ、塗布時には、塗布ブロック部材13を待機位置から上昇させて、バー形状の塗布ロッド14を上方へ搬送されてきた支持体Sに押圧(ラップ)させ、塗布ロッド14を回転させて支持体Sの表面に塗布液Iを塗布する。
塗布時以外には、塗布ブロック部材13を待避させ、塗布ロッド14を支持体Sから離間させる。
支持体Sの搬送方向において、塗布ロッド14の上流側と下流側とにはパスローラ(駆動ローラ)72、74が設けられている。これら駆動ローラ72、74は、塗布時に、支持体Sを搬送方向に送り出す方向に一定の速度で回転するように駆動部79によって駆動される。
プルロール75は、塗布時に回転駆動し、その周面において支持体Sと接触して該支持体Sを搬送させる場合に、支持体Sの搬送速度の基準となるロールである。プルロール75は、図示しないプルロール制御部に制御され、一定の速度で支持体Sを搬送させる。プルロール75は、支持体Sに対する保持力を確保するため、表面に溝が設けられた構成としてもよく、また、エアを吸引することで支持体Sを吸着保持する構成としてもよい。
乾燥部76は、支持体Sを搬送させつつ、該支持体Sに塗布された塗布液Iを乾燥させる構成である。
また、この後に必要に応じて、紫外線照射させて、支持体Sを搬送させた状態で、支持体Sにおける塗布液Iが塗布された面に紫外線を照射し、塗布層を硬化させるようにしてもよい。塗布液Iを硬化させることができれば、紫外線に以外の活性エネルギーの光を照射する構成としてもよい。
本発明は上記製造ラインのうち塗布部73を対象とするものである。
このロッド方式による塗布方法は、連続走行する可撓性支持体に対して塗布する場合において、溶剤供給可能なスリットを有しかつ該スリット先端部分に回転自在に設けたロッド部材を適宜回転させながら有機溶剤系の塗布液をスリットから吐出させながら塗布液をロッド部材にて掻き落として支持体表面の除塵を行ないながら塗布層を層設するものである。
これに関する技術としては、例えば、特許文献1および2に記載されたロッド方式の塗布方法等で知られている。
特公平5−50419号公報 特開平6−296992号公報
特許文献1に記載された発明は、効率的な支持体の除塵を行うことを可能とするもので、可撓性支持体の片面に支持体走行方向と反対方向に回転するロッド部材の溶剤潤滑面を近接させて支持体の片面の付着物をロッド部材の外周面に転着させた後、ロッド部材の外周面から付着物を剥離させるようにするものである。
特許文献2に記載された発明は、塗布ヘッドにおける支持体の走行方向の上流側で溶剤ミストが発生しないようにするために、有機溶剤を主体とする塗布液を、スリットから加圧しつつ過剰供給状態で吐出して走行する可撓性支持体上に塗布する塗布方法で、スリットに対して支持体の走行方向の上流側のバックエッジ先端面を支持体の入射方向と略平行となるようにし、スリットから吐出されオーバーフローした塗布液が支持体面から離れる液離れ位置を支持体対向面上に位置させるようにするものである。
図8はロッド方式による塗布装置の従来装置を示す図である。
図において、100は従来の塗布装置で、塗布装置100は、塗布液供給タンク11と、塗布液パイプ12と塗布ブロック部材13と回転可能なロッド部材14とから構成されている。塗布ブロック部材13の下方には塗布液パイプ12が接続され、塗布液供給タンク11から塗布液Iが塗布液パイプ12内を圧送ポンプ12aによって塗布ブロック部材13まで送られる。なお、ここでは圧送ポンプ12aによって給液を行っているが、下流側に吸引ポンプをおいて下流側から塗布液を引抜くようにしてもよい。
塗布ブロック部材13の頂部には、頂部に開口するスリット13aとスリット13aの(支持体Sの搬送方向)下流直近に溝13bがあり、溝13bにはロッド部材14が回転可能に納められている。ロッド部材14は支持体Sを下方から常時一定の圧力で押圧している。塗布液供給タンク11から塗布液パイプ12を通って塗布ブロック部材13まで送られてきた塗布液Iは、スリット13aから上方に常時吐出され、支持体Sが塗布ブロック部材13のスリット13aの直上を通過するときにスリット13aから吐出された塗布液Iが支持体Sの裏側に過剰に塗布される。支持体Sの裏側に過剰に塗布された塗布液Iは、ロッド部材14によって掻き落とされ、所望の塗布液量I1が支持体Sの裏側に塗布されて、次の乾燥部76(図7)へ搬送され、乾燥させられる。一方、掻き落とされた過剰分の塗布液I2は塗布ブロック部材13の側壁を伝って流れ落ちて、図示しない回収装置により回収されて、再び塗布液供給タンク11に戻される。
このように、ロッド方式塗布装置100は、塗布液Iを過剰給液状態で吐出して可撓性支持体Sに塗布し、ロッド部材14により余剰分を掻き落とし、所望の厚み塗膜を得るようにしている。
このロッド方式塗布装置100は定常的な塗布についてはほぼ完成された技術である。ところが、本出願人は、(1)塗布開始時、および(2)終了時に、可撓性ウェブに厚塗り現象が発生することを見い出した。そして、この厚塗りが生じると、次の乾燥部76(図7)で十分乾燥しないまま、その後にある塗布面タッチロールを通過し、その際にロールを汚すという問題が発生してしまった。
図9〜図13は塗布開始・終了時に生じる厚塗り現象を時間的推移で説明した図で、そのうち図9〜図11は塗布開始時に生じる厚塗り現象を、図12と図13は塗布終了時に生じる厚塗り現象をそれぞれ説明する図である。
<塗布開始時>
図9において、図8と同じ符号は同じ部材であり、これと同じ機能をするので、重複説明は省略する。図9(a)は塗布装置の待機状態から塗布動作へ移るため塗布装置が上昇し始めた直後の状態を示す図で、そのロッド14と支持体Sとの距離はまだ相当ある。図において、塗布ブロック部材13のスリット13aからは過剰な塗布液Iが吐出されているが、この時点では塗布液I先端は支持体Sに達せず、塗布液I2は支持体Sを塗布することなく、塗布ブロック部材13の側壁を伝って流れ落ちて回収される。
図9(b)は、塗布装置が上昇して、塗布液の先端の浮上液Itが支持体Sに達したがロッド14の頂部14aはまだ支持体Sに接していない状態を示している。図において、塗布ブロック部材13のスリット13aから吐出された過剰な塗布液Iは、その先端Itが支持体Sに達し、塗布液I3が支持体Sに塗布される。ところが、ロッド14の頂部14aが支持体Sにまだ接していないので、ロッド14は過剰の塗布液I3を掻き落として所定の塗布量I1(図8)にすることができず、したがって、支持体Sには過剰塗布量I3が塗布されたまま、搬送されることになる。
このように、待機状態でロッド頂点14aに比べて浮上液Itが、支持体Sに近い状態となる給液量でブロックを上昇させるため、ロッド14より浮上液Itのほうが先に走行する支持体Sに接触し塗りつく。このときロッド14は支持体とは接触しておらず、該塗りつけ液はロッド14で掻き落とされないため厚塗が発生する。
図10(c)は、さらに塗布装置が上昇して、ロッド14が支持体Sを下から押圧している状態を示している。図において、塗布ブロック部材13のスリット13aから吐出された過剰な塗布液Iが支持体Sに達し、次いでロッド14が支持体S上の過剰塗布液I3を掻き落し、所定の塗布量I1を支持体Sに塗布する定常状態を示している。ところが、その前のロッド14が支持体Sにまだ接していないときの過剰塗布液I3はそのまま搬送され、これが後段の工程で障害となる。
図11は、以上のように従来の塗布装置により厚塗りされる塗布開始直後の支持体を示す斜視図である。図において、A1は厚塗部,A2は正常塗布部、A3は未塗布部である。図9および図10で説明したように、待機中に給液スリットから吐出する浮上液位置が、ロッド頂点位置より高くなるような給液量では、塗布開始時と塗布終了時に、塗りついた過剰液がロッドで掻き落とされず厚塗部A1を発生してしまう。この厚塗部A1は次の乾燥部で十分乾燥が進行せず、未乾燥状態でその後にある塗布面タッチロールを通過し、その際にロールを汚すことにより、塗膜面の故障や、支持体の蛇行やツレといったハンドリングの問題が発生してしまう。
また、給液量は塗布膜厚を決めるパラメータであり、これを変更することは容易にできないという前提がある。
本発明は給液量を変更することなくこの厚塗り現象をなくすことにより安定した生産を行なうようにするものである。
<塗布終了時>
図12および図13は塗布終了時に生じる厚塗り現象を説明する図である。
両図において、図8と同じ符号は同じ部材であり、これと同じ機能をするので、重複説明は省略する。
図12(a)のように、塗布状態でロッド頂点14aに比べて浮上液Itが支持体Sに近い状態となる給液量Iで塗布している定常状態から、図12(b)のように、ブロック13を下降させると、浮上液Itよりロッド14の先端14aが先に支持体Sから離脱してしまう。このとき浮上液Itは支持体Sに塗りついたままであり、該塗りつけ液はロッド14で掻き落とされないため、図13(c)のように厚塗I3が発生する。この厚塗I3が上記のように、後段の乾燥部で十分乾燥が進行せず、未乾燥状態でその後にある塗布面タッチロールを通過するので、その際にロールを汚すことになり、これが塗膜面の故障や、支持体の蛇行やツレといったハンドリングの問題が発生してしまった。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、(1)塗布開始時、および(2)塗布終了時において、可撓性ウェブに厚塗り現象が生じないようにすることで、ロールを汚さないようにすることを目的としている。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1記載の発明は、可撓性支持体塗布方法に係り、回転可能なロッド部材と、走行する可撓性支持体に塗布液給液可能なスリットを有してかつ前記ロッド部材を回転自在に保持可能なブロック部材とからなる塗布装置を用い、前記塗布液を過剰給液状態で前記スリットから吐出して前記可撓性支持体上に塗布し、前記ロッド部材により余剰分を掻き落とし所望の厚み塗膜を得る塗布方法において、給液側もしくは引抜側にバイパス機能を設け、塗布開始時および塗布終了時の少なくともどちらかに前記バイパス機能を働かせて前記スリットから吐出する給液量を調整可能とすることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の可撓性支持体塗布方法において、前記スリットから吐出する給液量の調整が、前記塗布液の先端の浮上液よりも前記ロッドの頂部の方が前記支持体に近くなるようにすることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の可撓性支持体塗布方法において、前記ロッド部材を前記支持体に接近させる際には前記給液量の一部を予めバイパス側に送液し、前記ロッドが前記支持体に接触したら直ちに前記バイパス側への送液を停止して、定常給液を再開して前記塗布液を前記支持体へ塗布することを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の可撓性支持体塗布方法において、ΔT1を前記上昇開始時から前記定常給液に切替えるまでの時間、L1を待機中のブロック頂点―支持体間距離、V2をブロック昇降速度とすると、ΔT1が、ΔT1>L1/V2を満たすことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の可撓性支持体塗布方法において、前記ロッドを前記支持体から離す際には定常給液の一部を予めバイパス側に送液し、その後前記ロッドを前記支持体から離すことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の可撓性支持体塗布方法において、ΔT2を前記下降開始時から前記バイパス側送液に切替えるまでの時間、L1を待機中のブロック頂点―支持体間距離、L2を待機中のブロック頂点―塗布中のブロック頂点間距離、V2をブロック昇降速度とすると、ΔT2が、ΔT2<(L2−L1)/V2を満たすことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、可撓性支持体塗布装置に係り、回転可能なロッド部材と、走行する可撓性支持体に塗布液給液可能なスリットを有してかつ前記ロッド部材を回転自在に保持可能なブロック部材とからなる塗布装置と、前記塗布装置に塗布液を供給する塗布液供給タンクと、前記塗布装置と前記塗布液供給タンクとを結ぶ塗布液パイプとから成り、前記塗布液パイプの途中と前記塗布液供給タンクとを結ぶバイパス通路と、前記塗布液パイプ内の塗布液の一部を前記バイパス通路側に向けるバルブとを備えたことを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の可撓性支持体塗布装置において、前記塗布液パイプ内の塗布液を前記バイパス通路側へ向ける塗布量が、前記スリットから吐出する塗布液の先端の浮上液よりも前記ロッドの頂部の方が前記支持体に近くなるようにする量であることを特徴としている。
このように、給液量は塗布膜厚を決める重要なパラメータであるが、塗布中を除くブロックの待機状態、昇降状態時に給液量を増減させることは品質上問題ない。給液量を塗布中とブロック昇降中で変更できるようなバイパス機構を設けることで、上記厚塗りを防止することができ、したがって後段の乾燥部で十分乾燥が進行し、未乾燥部分がなくなった状態でその後にある塗布面タッチロールを通過するので、ロールを汚すことがなくなり、塗膜面の故障や、支持体の蛇行やツレといったハンドリングの問題が解消する。
以下、本発明について、バイパスを用いて厚塗を防止するメカニズムについて、塗布開始時(図1と図2)と塗布終了時(図3と図4)とに分けて詳細に説明する。
<塗布開始時>
図1において、図8と同じ符号は同じ部材であり、これと同じ機能をするので、重複説明は省略する。本発明に係る装置が従来装置と異なるのは、塗布液供給タンク11から塗布ブロック13へ塗布液を送る塗布液パイプ12の途中から塗布液供給タンク11へ戻るバイパス通路15を設け、塗布液パイプ12内の塗布液Iの一部I5をバイパス通路15側に向けるバルブ19を備えた点である。
図1(a)は塗布装置の待機状態から塗布動作へ移るため塗布装置13が上昇し始めた直後の状態を示す図で、そのロッド14と支持体Sとの距離はまだ相当ある。
図において、塗布液供給タンク11からは一定量の塗布液Iが塗布装置13に向けて送出されているが、この局面ではバイパス通路15側に向かうバルブ19が開いているので、塗布液パイプ2内の塗布液Iの一部I5がバイパス通路15を通って塗布液供給タンク11へ戻っている。
図1(b)は、塗布装置がじょの状態で上昇していき、ロッド14の頂部14aが支持体Sに達した直後を示している。この局面ではバイパス通路15側に向かうバルブ19はまだ開いている。したがって、スリット13aから吐出される塗布液量は、塗布液供給タンク11から送出される塗布液Iからバイパス通路へ回った塗布液I5を差し引いた塗布液I4(I4=I−I5)となる。この塗布液量I4は浮上液先端Itがロッド14の頂点14aよりも支持体Sから離れているので、塗布液I4が支持体Sに厚塗りされることがないばかりか、塗りつくことすらできない。
図2(c)は、さらに塗布装置13が上昇して、ロッド14が支持体Sを下から押圧している定常状態を示している。この局面ではバイパス通路15側に向かうバルブ19は閉じられている。したがって、塗布ブロック部材13のスリット13aから吐出された塗布液Iが支持体Sに達し、次いでロッド14が支持体S上の過剰塗布液I3を掻き落し、所定の塗布量I1を支持体Sに塗布する。
以上のように、本発明によれば、ブロック上昇中はバイパスを使用し、待機状態で浮上液に比べてロッド頂点が支持体に近くなる給液量(※1)に調整することで、ロッドを先に支持体へ接触させることができ、塗布開始時の厚塗は解消できる。ロッドが支持体に接触した後、弁を切替えて(バイパス未使用)、所望の給液量で塗布を正常に開始することができる。
<塗布終了時>
図3(a)は、塗布装置13が上昇して、ロッド14が支持体Sを下から押圧している定常状態を示している。この局面ではバイパス通路15側に向かうバルブ19は閉じられている。したがって、塗布液供給タンク11から送出された塗布液Iがそのまま塗布ブロック部材13のスリット13aから吐出され、支持体Sに達する。次いでロッド14が支持体S上の過剰塗布液I3を掻き落し、所定の塗布量I1を支持体Sに塗布している。
図3(b)は、図3(a)の状態から塗布が終了して、塗布装置13が待機位置まで降下しようとする直前の状態を示している。この局面ではバイパス通路15側に向かうバルブ19が開かれているので、塗布液パイプ2内の塗布液Iの一部I5がバイパス通路15を通って塗布液供給タンク11へ戻っている。したがって、スリット13aから吐出される塗布液量は、塗布液供給タンク11から送出される塗布液Iからバイパス通路へ回った塗布液I5を差し引いた塗布液I4(I4=I−I5)となり、この塗布液量I4は浮上液先端Itがロッド14の頂点14aよりも支持体Sから離れているので、塗布液I4が支持体Sに厚塗りされることがないばかりか、塗りつくことすらできない。
図4(c)は塗布装置13が待機状態へ戻った状態を示す図で、この局面ではバイパス通路15側に向かうバルブ19が開いているので、塗布液パイプ2内の塗布液Iの一部I5がバイパス通路15を通って塗布液供給タンク11へ戻っている。
以上のように、本発明によれば、支持体からロッドが離脱する直前に弁を切替え(バイパス使用)、待機状態で浮上液に比べてロッド頂点が支持体に近くなる給液量(※2)に調整することで、浮上液をロッドよりも先に支持体から離脱させることができる。浮上液、ロッドの順で支持体から離脱させることで、塗布終了時の厚塗を解消することができる。
ただし、スロットでの塗布液の乾きやロッドの支持体への空擦りを防止するために、バイパス使用時でも吐出量はゼロとせずに、所定量I4を流すようにしておくのがよい。
実施例として以下に示す条件で、連続走行する支持体に下塗り液を乾膜厚み0.1μmになるように塗布を行った。
[塗布条件]
(a)支持体:幅550mm/厚み9μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)ベース
(b)支持体搬送速度:V1:250m/min
(c)ブロック昇降速度:V2:75mm/s
(d)待機中のブロック頂点―支持体間距離:L1=150mm
(e)待機中のブロック頂点―塗布中のブロック頂点間距離:L2=200mm
(f)ロッドの定常吐出流量(余剰給液量):4L/min
(g)バイパス引き抜き流量(厚塗り回避時):2L/min
(h)ブロック上昇開始時から定常吐出量に切替えるまでの時間差:ΔT1
(i)ブロック下降開始からバイパスに切替えるまでの時間差:ΔT2
(j)下塗り塗布液
・高分子バインダ 2重量部
・メチルエチルケトン 200重量部
・シクロヘキサノン 800重量部
上記条件にてバイパス引き抜き量を変化させた場合の厚塗の発生有無、及びロール汚れについて調べた。ロール汚れが品質に影響を与えた場合は×、汚れたが問題ないレベルは△、汚れなかった場合は○とした。
実施例の結果、表1および表2が得られた。
Figure 2007007568
表1において、ブロック上昇開始時から定常吐出量に切替えるまでの時間差ΔT1が0の場合(すなわち、ブロック上昇開始時からいきなり定常吐出量とする、いわゆる従来例の場合)は、厚塗りが生じ、厚塗り部分が乾燥部76(図7)で乾燥しきれないため、ロール汚れが生じた。これと同じ現象は、時間差ΔT1が0.5秒、そして1.5秒の場合にも生じた。
しかし、時間差ΔT1が2.0秒になると厚塗りが生じてロール汚れが生じたが許容レベルであった。
時間差ΔT1が2.5秒の場合には厚塗りがなく、ロール汚れもなかった。
そこで、上記ブロック上昇開始時から定常吐出量に切替えるまでの時間ΔT1を一般式で表すと、次のようになる。
図5において、L1を待機中のブロック頂点―支持体間距離、V2をブロック昇降速度とすると、ΔT1は
ΔT1>L1/V2、となる。
ちなみに、L1/V2を求めると、
L1/V2=150/75=2(s)
となり、時間差ΔT1が0.5秒や1.5秒の場合には不可であったが、2.0秒になるとロール汚れが生じたが許容レベルであり、2.5秒の場合には厚塗りがなく、ロール汚れもなかったという表1の検証結果と一致する。
このように、表1から判ることは、バイパスを用い、塗布開始時の余剰給液量を最適化することで、設備の大幅な変更を要さず、厚塗を解消することができるということである。
Figure 2007007568
表2において、ブロック下降開始時からバイパスに切替えるまでの時間差ΔT2が0の場合(すなわち、ブロック下降開始時から直ぐにバイパスに切替える場合)、厚塗りがなく、ロール汚れもなかった。また、時間差ΔT2が0.5秒の場合も、厚塗りがなく、ロール汚れもなかった。
しかし、時間差ΔT2が1.0秒の場合には、厚塗りが生じてロール汚れが生じたが許容レベルであった。
そして、時間差ΔT2が1.5秒以上の場合には、厚塗りが生じ、ロール汚れが生じた。
そこで、上記ブロック下降開始時からバイパスに切替えるまでの時間差ΔT2を一般式で表すと、次のようになる。
図6において、L1を待機中のブロック頂点―支持体間距離、L2を待機中のブロック頂点―塗布中のブロック頂点間距離、V2をブロック昇降速度とすると、ΔT2は
ΔT2<(L2−L1)/V2、となる。
ちなみに、(L2−L1)/V2を求めると、
(L2−L1)/V2=(200−150)/75mm(s)=約0.67(s)
となり、時間差ΔT2が0や0.5秒の場合、厚塗りがなく、1.0秒の場合は厚塗りが出たが許容レベル、1.5秒以上の場合には、厚塗りが生じたという表2の検証結果と一致する。
表2から判ることは、バイパスを用い、塗布終了時の余剰給液量を最適化することで、設備の大幅な変更を要さず、厚塗を解消することができるということである。
以上、本発明によれば、塗布液パイプの途中と塗布液供給タンクとを結ぶバイパス通路を設け、塗布開始時および終了時の余剰給液量をバイパス通路に迂回させることで、設備の大幅な変更を要さず、厚塗を解消することができる。
本発明に係るバイパス機能付塗布装置の塗布開始時の使用法を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最初の2図である。 本発明に係るバイパス機能付塗布装置の塗布開始時の使用法を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最終の1図である。 本発明に係るバイパス機能付塗布装置の塗布終了時の使用法を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最初の2図である。 本発明に係るバイパス機能付塗布装置の塗布終了時の使用法を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最終の1図である。 ブロック上昇開始時から定常吐出量に切替えるまでの時間を求めるために使用するブロック部の拡大図である。 ブロック下降開始時からバイパスに切替えるまでの時間を求めるために使用するブロック部の拡大図である。 本発明が対象とする塗布液を塗布した可撓性支持体の製造装置の全体構成図である。 ロッド方式による従来の塗布装置を示す図である。 図8の従来装置によると塗布開始時に厚塗りが生じる理由を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最初の2図である。 図8の従来装置によると塗布開始時に厚塗りが生じる理由を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最終の1図である。 図8の従来装置による塗布開始直後の厚塗りされた支持体を示す斜視図である。 図8の従来装置によると塗布終了時時に厚塗りが生じる理由を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最初の2図である。 図8の従来装置によると塗布終了時に厚塗りが生じる理由を(a)〜(c)の経時で説明する3図のうちの最終の1図である。
符号の説明
10 本発明に係る塗布装置
11 塗布液供給タンク
12 塗布液パイプ
12a 圧送ポンプ
13 塗布ブロック部材
13a スリット
13b ロッド部材用溝
14 ロッド部材
15 バイパス通路
19 バイパス通路に向けるバルブ
70 塗布された支持体の製造装置
71 ベース原反
72 パスローラ
73 塗布部
73a 塗布部材
73b 塗布ロッド
74 パスローラ
75 プルローラ
76 乾燥部
77 巻取ロール

Claims (8)

  1. 回転可能なロッド部材と、走行する可撓性支持体に塗布液給液可能なスリットを有してかつ前記ロッド部材を回転自在に保持可能なブロック部材とからなる塗布装置を用い、前記塗布液を過剰給液状態で前記スリットから吐出して前記可撓性支持体上に塗布し、前記ロッド部材により余剰分を掻き落とし所望の厚み塗膜を得る塗布方法において、給液側もしくは引抜側にバイパス機能を設け、塗布開始時および塗布終了時の少なくともどちらかに前記バイパス機能を働かせて前記スリットから吐出する給液量を調整可能とすることを特徴とする可撓性支持体塗布方法。
  2. 前記スリットから吐出する給液量の調整は、前記塗布液の先端の浮上液よりも前記ロッドの頂部の方が前記支持体に近くなるようにすることを特徴とする請求項1記載の可撓性支持体塗布方法。
  3. 前記ロッド部材を前記支持体に接近させる際には前記給液量の一部を予めバイパス側に送液し、前記ロッドが前記支持体に接触したら直ちに前記バイパス側への送液を停止して、定常給液を再開して前記塗布液を前記支持体へ塗布することを特徴とする請求項2記載の可撓性支持体塗布方法。
  4. ΔT1を前記上昇開始時から前記定常給液に切替えるまでの時間、L1を待機中のブロック頂点―支持体間距離、V2をブロック昇降速度とすると、ΔT1は、ΔT1>L1/V2を満たすことを特徴とする請求項3記載の可撓性支持体塗布方法。
  5. 前記ロッドを前記支持体から離す際には定常給液の一部を予めバイパス側に送液し、その後前記ロッドを前記支持体から離すことを特徴とする請求項2記載の可撓性支持体塗布方法。
  6. ΔT2を前記下降開始時から前記バイパス側送液に切替えるまでの時間、L1を待機中のブロック頂点―支持体間距離、L2を待機中のブロック頂点―塗布中のブロック頂点間距離、V2をブロック昇降速度とすると、
    ΔT2は、ΔT2<(L2−L1)/V2を満たすことを特徴とする請求項5記載の可撓性支持体塗布方法。
  7. 回転可能なロッド部材と、走行する可撓性支持体に塗布液給液可能なスリットを有してかつ前記ロッド部材を回転自在に保持可能なブロック部材とからなる塗布装置と、前記塗布装置に塗布液を供給する塗布液供給タンクと、前記塗布装置と前記塗布液供給タンクとを結ぶ塗布液パイプとから成り、前記塗布液パイプの途中と前記塗布液供給タンクとを結ぶバイパス通路と、前記塗布液パイプ内の塗布液の一部を前記バイパス通路側に向けるバルブとを備えたことを特徴とする可撓性支持体塗布装置。
  8. 前記塗布液パイプ内の塗布液を前記バイパス通路側へ向ける塗布量は、前記スリットから吐出する塗布液の先端の浮上液よりも前記ロッドの頂部の方が前記支持体に近くなるようにする量であることを特徴とする請求項7記載の可撓性支持体塗布装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20230122300A (ko) * 2022-02-14 2023-08-22 황판권 도료펌핑장치를 포함하는 페인팅장치

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