JP2005224737A - 塗布液除去方法 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、連続して走行する支持体上に塗布液を塗布する際に生じる塗布開始及び終了時の塗布厚塗り部分を、支持体搬送系の張力バランスに支障をきたすことなく安定に、かつ十分に除去し、更には一旦除去した除去物が正常塗布面または未塗布部分へ再付着することのない塗布厚塗り部の除去方法を提供することにある。
【解決手段】塗布装置の下流側に支持体を張設させるための一対のパスローラを独立して配し、パスローラ間の支持体下方よりドクターブレードを当接させて塗布厚塗り部を除去し、このドクターブレードの支持体への当接量をパターン制御するとともに、厚塗り部の除去を終了する際に、支持体へのドクターブレードの当接量を一時減少させた後に離脱させることを特徴とする塗布液除去方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続して走行する可撓性支持体(以下、支持体と称する)に塗布液を塗布した際に生じる塗布厚塗り部分の除去方法に関し、特に塗布開始及び終了時に生じる塗布液の厚塗り部分を除去する方法に関する。
ハロゲン化銀写真感光材料、磁気記録材料、感圧及び感熱記録紙、インクジェット記録材料等の製造において、連続して走行する支持体に塗布液を塗布する方法として、例えばグラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、スライドコーター、スロットダイコーター等の塗布装置が知られており、とりわけ前計量方式と称されるカーテンコーター、スライドコーター、スロットダイコーターは、他の塗布方法に比べて塗布量の再現性、均一性に優れ、良好な塗布面質が得られることから、前記した材料の塗布方法に多用されている。
このような塗布方法を用いて支持体に塗布液を塗布する工程において、塗布開始あるいは塗布終了時に塗布装置が支持体へ近接もしくは離脱する際に、局所的に塗布の厚塗り部分が形成されるのが常である。この塗布厚塗りは、コーターの塗布操作を開始しても直ちに塗布液が支持体へ正常に塗布されない、いわゆる正規塗布量の塗布膜が得られる前の誘導期間に生じ、正規の塗布膜厚に対して2〜10倍の厚塗りになることが知られている。また、この厚塗りは塗布操作の開始時に限定されず、塗布終了時に塗布装置を支持体から離脱させる際にも発生する。
この塗布開始及び終了時に発生する厚塗り部分は数十m以上の長さにも及ぶため、製品の歩留まりを著しく低下させるばかりでなく、塗布操作後に行われる通常の乾燥操作では塗布膜を完全に乾燥させることができず、未乾燥となった厚塗り部分が支持体を搬送するローラに転写してしまう。搬送ローラに転写したこの未乾燥物は、その後の正常な塗布面に次々と再転写して製品歩留まりを更に低下させたり、更には搬送ローラの清掃作業を余儀なくされるなど、塗布厚塗りに関する技術課題は近年の高速薄層塗布においてますます重要なものとなっている。
このような課題に対して、従来より厚塗り部分を除去する方法が種々提案されており、例えば、円筒状のローラ部材を支持体に回転させながら当接して厚塗り部分をローラ側に転写させて除去する方法が開示されている。(例えば特許文献1及び2参照)しかしながらこの方法によれば、厚塗り部分を十分に除去するためには円筒状のローラ部材を支持体に強く押しつけながら当接させ、更にこのローラを回転させる必要があるために、支持体搬送系の張力バランスが大きく崩れて支持体にバタツキや蛇行が生じ、その結果、支持体が断裂したり支持体上の塗布膜が塗布装置や乾燥経路に接触して当該の設備を汚染させてしまう。また、ローラ部材を支持体の走行速度に同調させて回転させる必要があるために、装置が大掛かりで複雑になるという問題があった。
前述した方法とは別に、ドクターブレードを用いる方法が開示されており、例えば、支持体を介してバックアップローラと対向する位置にドクターブレードを設置して厚塗り部分を除去する方法が示されている。(例えば特許文献3、4参照)この方法によれば装置そのものを比較的コンパクトにできる利点を有するが、この方法においても厚塗り除去の程度は充分ではなく、また、厚塗りの除去を終えてドクターブレードを支持体から離脱する際に、ドクターブレード先端に堆積、付着した除去物が支持体の正常塗布面または未塗布部分へ多量に再付着してしまい、この再付着した未乾燥除去物が搬送ローラに転写して正常塗布面または未塗布部分に次々と再転写する問題がある。
ドクターブレードを用いる別の方法として、サポートローラで搬送される支持体の下方から塗布液を塗布するスロットダイと、その直後にドクターブレードを一体に配して厚塗りを除去する方法が示されている。(例えば特許文献5参照)この方法によれば、厚塗り部分を除去するためにドクターブレードを支持体に当接する際に、塗布装置であるスロットダイと支持体の間にギャップが生じて塗布面質の低下や塗布操作そのものが困難となる基本的、かつ重大な問題があった。
特公平6−85907号公報(第1−4頁) 特開平11−179274号公報(第2−4頁) 特開平11−179266号公報(第2−4頁) 特開2002−79173号公報(第2−6頁) 特開平11−138091号公報(第2−4頁)
前述の問題に対して本発明の課題は、連続して走行する支持体上に塗布液を塗布する際に生じる塗布開始及び終了時の塗布厚塗り部分を、支持体搬送系の張力バランスに支障をきたすことなく安定に、かつ十分に除去し、更には一旦除去した除去物が正常塗布面または未塗布部分へ再付着することのない厚塗り部の除去方法を提供することにある。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、
1.連続して走行する可撓性支持体上に塗布装置で塗布された少なくとも一部の塗布膜を前記可撓性支持体から除去する方法において、前記塗布装置の下流側に該可撓性支持体を張設させるための一対のパスローラを独立して配し、前記パスローラ間の該可撓性支持体の下方よりドクターブレードを当接させて塗布膜を除去することを特徴とする塗布液除去方法。
2.前記ドクターブレードの該可撓性支持体への当接量をパターン制御することを特徴とする塗布液除去方法。
3.前記ドクターブレードにより塗布膜の除去操作を終了する際に、該可撓性支持体への該ドクターブレードの当接量を一時減少させた後に、該ドクターブレードを該可撓性支持体から離脱させることを特徴とする塗布液除去方法をもって本発明を完成させるに至った。
本発明による塗布液の除去方法を用いることにより、支持体上に塗布液を塗布する際に発生する塗布厚塗り部分を、支持体搬送ラインの張力バランスに支障をきたすことなく安定に、かつ十分に除去することが可能となった。また、除去した除去物が正常な塗布面または未塗布部分に再付着するのを完全に防止するのに、特に著しい効果が認められた。
以下、本発明を詳細に説明する。前述したようにハロゲン化銀写真感光材料、磁気記録材料、感圧及び感熱記録紙、インクジェット記録材料等の記録材料は、各種の塗布液を支持体に塗布した後乾燥して製造される。これらの塗布液の固形分濃度は通常3〜30質量%である。本発明の塗布液除去方法に用いられるドクターブレードは、通常乾燥工程に配置されるが、ハロゲン化銀写真感光材料やインクジェット記録材料等で用いられる塗布後の冷却ゲル化工程や予備乾燥工程がある場合には、この冷却ゲル化工程もしくは予備乾燥工程に配置してもよい。冷却もしくは予備乾燥を行うまでの塗布装置直後にドクターブレードを配置した場合には、塗布された塗布膜の乾燥はほとんど進行しておらず固形分濃度が低いままであることから、ドクターブレードで除去した塗布膜が周辺に飛散して汚染させるため好ましくない。また、塗布装置近傍で同一のパスローラ内にドクターブレードを配置した場合には、ドクターブレードの塗布液除去動作により正常な塗布操作が行えないのは言うまでもない。好ましくは、塗布装置下流の冷却ゲル化工程もしくは予備乾燥工程後であって塗布膜の固形分濃度が70質量%に到達するまでの乾燥工程に配置することであり、より好ましくは塗布膜の固形分濃度が50質量%に達するまでの乾燥工程に配置することである。
以下、本発明にかかる塗布厚塗り部の除去方法の実施形態について、図面を用いて説明する。まず、本発明による厚塗り除去の全体の構成例を模式側面で表した図1を参照しながら説明する。図1において、図示しない塗布装置で塗布液を塗布された支持体1は、上流側パスローラ3と下流側パスローラ5とからなる塗布装置とは独立した一対のパスローラに張設されている。この一対のパスローラに張設された支持体1の下方にはドクターブレード7が固定アングル11に保持されて昇降装置13に連設されている。昇降装置13はドクターブレード7を支持体1に当接、または離脱させるために充分なストロークで上下動作する機構を備えており、更には、支持体にドクターブレードを当接して押し込む量、すなわち当接量を細かく変化させる微昇降動作機能をも有している。
図2は、塗布開始時に発生する厚塗り部をドクターブレードで除去する過程を模式的に現したものである。図2aにおいて、支持体1は塗布された塗布膜9を伴い矢印方向に走行している。支持体1のB点からC点の間は塗布開始時における厚塗り部であり、C点より下流側は塗布開始の誘導期間を経て正規の塗布量に達した正常塗布面である。ドクターブレード7の上方の支持体1にはまだ塗布液が塗布されておらず、支持体のみが走行している。走行する支持体1のA点が上流側パスローラに達したとき、昇降装置13を上昇させてドクターブレード7を支持体1に当接させて厚塗り除去の準備を整える。やがて走行する支持体1のB点がドクターブレード7に達して厚塗り除去が始まり、正常塗布面D点がドクターブレード7に到達した時点で昇降装置13を降下させてドクターブレードを支持体から離脱し、厚塗りの除去操作が完了する。図2bはドクターブレード7が支持体1のB点とC点の間で厚塗り部を除去している状態を表し、図2cは厚塗りの除去操作が完了した直後の状態を表している。
塗布膜9を除去するときのドクターブレード7の支持体1への当接量は、厚塗りを除去するのに充分な当接量とし、且つ支持体1に傷や破断を生じさせない程度の当接量にすることが好ましく、塗布膜9の乾燥状態、塗布液物性、支持体の材質および物性などにより適宜調節することができる。
本発明によるドクターブレード7は、塗布装置とは独立した一対のパスローラ間に配置されるが、塗布装置とドクターブレードとの間には例えばサクションローラ等のテンション制御装置を備えることが好ましい。このテンション制御装置は、ドクターブレードの厚塗り除去動作に伴って生じるテンション変動が塗布措置に影響するのを回避させるだけでなく、ドクターブレード部における支持体へのテンション値を任意に設定し、且つ最適化させ、厚塗り除去の効果を向上させる意味からも好適である。
ドクターブレード7は、一般的に用いられているフェノール樹脂やエポキシ樹脂を初めとする各種樹脂ブレードや、ステンレス等の金属ブレードを用いることができ、加工精度、剛性、耐摩耗性等を考慮して適宜選択することができる。
前述した方法により除去された塗布膜9は、ドクターブレード7の支持体が走行する上流方向の側面に沿って流下し、排出されるが、除去した塗布膜の流下を促するためにシャワーノズル等から水または温水をドクターブレード側面に噴霧させる洗浄装置を設けてもよい。また、この洗浄装置はドクターブレードの上流方向にある支持体上の厚塗り部分に噴霧してもよく、ドクターブレードによる厚塗り除去を効果的なものとする。更には、厚塗り塗布膜の除去を促進するために、ドクターブレード本体を電気ヒーター、温水循環等の手段で加熱昇温させてもよく、乾燥過程にある厚塗り塗布膜の状態に応じてこれらの補助装置及び機能を付加させてもよい。
引き続き、本発明のもう一つの特徴である、ドクターブレードの支持体への当接量のパターン制御、及び厚塗り除去を終了する際の操作について説明する。前述したように、支持体から厚塗り部が除去される作用は、ドクターブレードの当接よって支持体がドクターブレードに伴って撓み、ドクターブレード先端に密接する支持体の接触角度、接触圧の程度に応じて厚塗り部が除去されるものである。当然のことながら当接量が大きければ除去量は多くなり、当接量が小さければ除去量は少なくなる。従って、ドクターブレード7の支持体1への当接量は、厚塗りを除去するのに必要な当接量であればよく、塗布膜の厚塗り程度に応じて当接量を調節、制御することで張設された支持体に過度の抵抗を加えず、支持体搬送ラインの張力バランスを正常に保ったまま厚塗り除去を効果的に行うことができる。
図3は、本発明によるドクターブレードの支持体への当接量をパターン制御する一例を示したものである。図3aは支持体に塗布された塗布膜の厚塗り程度を示し、図3bは塗布膜の厚塗り程度に応じて変化させるドクターブレードの当接量を示し、また、図3cは支持体にドクターブレードを当接させた状態を示している。図3a及びbの横軸は時間軸で、図3bの縦軸はドクターブレードの上下移動量を現している。図3b及びcに示したYは、一対のパスローラに張設された支持体の走行基準線を示し、hは支持体にドクターブレードが当接して基準線より押し込まれた当接量である。ドクターブレードを設置した地点に厚塗りの先頭部が到達する手前から、ドクターブレードをa点まで上昇させ支持体に当接させておく。この時の当接量は多くなく、いわゆる厚塗り除去の準備期間である。次いでドクターブレードをb点まで大きく上昇させ厚塗り部を確実に除去する。その後、塗布先頭部の強い厚塗り部を経て正規塗布量に至る期間は、ドクターブレードをc点からd点まで緩やかに降下させ、続いてe点まで一旦当接量を減少させる。正規塗布量の正常塗布面で所定期間を当接した後、f点でドクターブレードを降下させて支持体からドクターブレードを離脱させ、一連の厚塗り除去動作が完了する。
前述した図3bにおけるd点からf点の間のドクターブレードの動作とその作用について、図4を加えて更に説明する。図4aは、ドクターブレードにより厚塗り塗布膜を除去している様子を模式的に表したもので、図3bのb点〜d点に相当する。ドクターブレード先端部には除去された塗布膜が多量に付着、堆積し、ドクターブレードに沿って除去物が流下している。先に説明したように、ドクターブレードは次いで図3bのe点まで一旦当接量を減少させるが、その時のドクターブレード先端部は図4bに示すように、依然、除去された塗布膜が付着、堆積していることが分かる。この時、ドクターブレードの支持体走行方向の下流側には塗布膜が存在し、除去前の塗布膜厚と同等か若しくは僅かに膜厚が少ない状況にある。言い換えると、正常塗布面に達したならば、最早ドクターブレードにより塗布膜の除去を完全に行う必要はなく、ドクターブレードの当接量を減少させることで塗布膜の除去を緩和させる形態を作り出している。
図3bのe点からf点に進行する過程でドクターブレード先端の除去物は順次流下して少なくなり、ドクターブレードを支持体から離脱させる図3bのf点に相当する図4cにおいては、ドクターブレード先端には除去物は全く付着、堆積しておらず、ドクターブレードを支持体から離脱する際には正常塗布面へ除去物を再付着させることはない。
本発明における昇降装置の駆動機構には、直流または交流電動機、サーボモータ、ステッピングモータ等の電気系アクチュエータ、空気圧モータ、空気圧シリンダ等の空気圧系アクチュエータ、油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータ等公知の方式が利用でき、例えば、支持体にドクターブレードを当接して当接量の調節、制御を行う間は位置決めや速度制御を正確に且つ簡便に行うことができるサーボモータを用い、ドクターブレードの待機位置と支持体の間を大きく昇降駆動させる時には駆動力及び駆動速度に優れた油圧シリンダを用いる等、前述した各種アクチュエータを組み合わせて用いてもよい。
本発明によるドクターブレードの当接量のパターン制御を行うには、例えば、予め図3bに示すようなパターンをプログラマブルコントローラ内のメモリに記憶させておき、例えば、塗布装置から出力される塗布又は塗布終了信号をプログラマブルコントローラに入力してこれを厚塗り除去操作の起点として、記憶パターンをDA変換器を介して出力させ昇降装置の駆動機構を制御させればよい。前述したパターンは、支持体の走行速度、厚塗り部の長さ及び厚塗り程度、ドクターブレードの厚塗り除去能等に応じて、時間軸に対する当接量を任意に設定することができる。
次に、本発明を更に具体的に説明するために実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において各種の応用が行えるものである。
まず、ハロゲン化銀乳剤塗布液として、ダブルジェット法で調製した塩臭化銀乳剤に界面活性剤、硬膜剤、次いで粘度が80mPa・sとなるように増粘剤を添加し、湿潤塗布量を42g/m2とした時の塗布付着銀量が3.6g/m2、同ゼラチン量が1.7g/m2となるように仕上げた。更に保護層塗布液としてゼラチン水溶液に界面活性剤、不定形シリカマット剤、硬膜剤、ポリマーラテックスを添加し、次いで粘度が95mPa・sとなるように増粘剤を添加し、湿潤塗布量を15g/m2とした時の塗布付着ゼラチン量が1.4g/m2となるように仕上げた。この乳剤および保護層塗布液をスライドカーテンコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルムに多層同時塗布した。これらの塗布液を支持体に塗布した直後の塗布膜の固形分は12.3%であり、後述するドクターブレードを設置した箇所の支持体上の塗布膜の固形分は19.6%であった。
ドクターブレード装置は、塗布後の支持体が走行して5秒間の冷却ゾーンを経て23℃の温度で10秒間温風で乾燥される乾燥ゾーンを通過した直後の位置に設置した。ドクターブレードはSUS304素材を用いて厚み20mm、面長2,000mm、先端角度35度に加工し、DCサーボモータを駆動機構とする昇降装置に連接させ、間隔が500mmの2つのパスローラの丁度中間に配置した。
塗布開始時におけるドクターブレードの支持体への当接量すなわちhは、図3bに示したa点から3秒間を5mm、塗布厚塗り部を除去するb点からc点にかけては23mmとし、c点から7秒間を要してd点の当接量を19mmへと緩やかに減少させ、正規塗布量となったe点からf点は12mmとするパターンで制御した。
このようにして厚塗り除去を行った結果、塗布開始時に生じた厚塗り部を完全に除去することができ、厚塗り除去が完了してドクターブレードを支持体から離脱する際にも正常塗布面を除去物を再付着させることがなかった。また、支持体搬送系の張力バランスを正常に保つことができ、塗布操作への影響や支持体搬送系に支障をきたすことは全くなかった。
(比較例1)
本発明のドクターブレードを設置した同一の箇所に、特開平11−179274号公報に開示されている、円筒状のローラ部材を支持体に回転させながら当接して厚塗り部分をローラ側に転写させて除去する方法により、本発明と同じ条件で塗布した支持体上の厚塗り部の除去を行った。その結果、厚塗り部分を十分に除去するためには円筒状のローラ部材を支持体に強く押しつける必要があり、支持体の張力バランスが崩れて大きく蛇行し、塗布膜が乾燥経路に接触して設備を汚染させてしまった。これを回避するためにローラ部材の押しつけを緩和させたが、支持体上の厚塗り部を充分には除去できなかった。
(比較例2)
同じく同一の箇所に、特開2002−79173号公報に開示されている、支持体を介してバックアップローラと対向する位置にドクターブレードを設置して厚塗り部分を除去する方法により、本発明と同じ条件で塗布した支持体上の塗布厚塗り部の除去を行った。その結果、バックアップローラに保持された支持体に対してドクターブレードの押し圧(線圧)を最大限にしたにもかかわらず、厚塗り除去部を完全に除去することができなかった。更には、厚塗りの除去を終えてドクターブレードを支持体から離脱する際に、ドクターブレード先端に堆積、付着した除去物が支持体の正常塗布面に再付着してしまい、この再付着物が搬送ローラに転写して正常塗布面に再転写してしまった。
本発明による塗布液除去方法は、紙、高分子フィルム、布、金属ウェブなどの可撓性を有する支持体に塗布液を塗布する際の厚塗り除去に利用可能であり、例えば、各種紙塗工、接着及び粘着材料、電気及び電子部品材料等の塗布工程に活用できる。
本発明の一例を示す模式側面図 本発明による厚塗り除去過程の一例を示す模式図 本発明による当接量の一例を示すパターン制御図 本発明によるドクターブレード先端部の模式図
符号の説明
1 支持体
3 上流側パスローラ
5 下流側パスローラ
7 ドクターブレード
9 塗布膜
11 アングル
13 昇降装置

Claims (3)

  1. 連続して走行する可撓性支持体上に塗布装置で塗布された少なくとも一部の塗布膜を前記可撓性支持体から除去する方法において、前記塗布装置の下流側に該可撓性支持体を張設させるための一対のパスローラを独立して配し、前記パスローラ間の該可撓性支持体の下方よりドクターブレードを当接させて塗布膜を除去することを特徴とする塗布液除去方法。
  2. 前記ドクターブレードの該可撓性支持体への当接量をパターン制御することを特徴とする請求項1記載の塗布液除去方法。
  3. 前記ドクターブレードにより塗布膜の除去操作を終了する際に、該可撓性支持体への該ドクターブレードの当接量を一時減少させた後に、該ドクターブレードを該可撓性支持体から離脱させることを特徴とする請求項1または2記載の塗布液除去方法。
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