JP2007006958A - 放射線撮影装置 - Google Patents

Abstract

【課題】放射線を効率的に利用可能にする。
【解決手段】スカウトスキャンを実施する際にＸ線管２０とＸ線検出器２３とを被検体の周囲に回転移動する回転移動位置を、スカウトスキャンが実施される被検体についての被検体情報に基づいて、スカウトスキャン条件設定部３０４が設定する。そして、スカウトスキャンの実施を開始する際においては、スカウトスキャン条件設定部３０４により設定された回転移動位置に、回転部２７が、Ｘ線管２０とＸ線検出器２３とを被検体の周囲に回転移動する。その後、その回転移動位置にて、スカウトスキャンを実施する。
【選択図】図５

Description

本発明は、放射線撮影装置に関し、放射線を照射する照射部と、放射線を検出する検出部とが被検体の周囲を回転し移動された回転移動位置において、照射部から放射線を被検体に照射し、その被検体を透過した放射線を検出部が検出するスカウトスキャンを実施することによって、被検体についてのスカウト画像を生成する放射線撮影装置に関する。

Ｘ線ＣＴ（Ｃｏｍｐｕｔｅｄ Ｔｏｍｏｇｒａｐｈｙ）装置などの放射線撮影装置は、Ｘ線などの放射線で被検体をスキャンして得られる投影データに基づいて、被検体の断層面についての断層画像を生成する。このような放射線撮影装置は、医療用途や産業用途などの広範な用途で利用されている。

Ｘ線ＣＴ装置においては、断層画像を生成するための本スキャンを実施する前に、本スキャン条件を設定するために、スカウト画像を生成するスカウトスキャンを実施する。

このスカウトスキャンにおいては、被検体にＸ線を照射するＸ線管と、そのＸ線管から照射され、被検体を透過したＸ線を検出するＸ線検出器とを、被検体の周囲における所定のビュー角度の位置に固定する。そして、その固体した所定のビュー角度の位置において、Ｘ線管からＸ線を被検体に照射し、その被検体を透過したＸ線をＸ線検出器に検出させる。そして、そのＸ線を検出したＸ線検出器により生成される投影データに基づいて、被検体についての透視画像であるスカウト画像を生成し表示させる。

その後、スカウトスキャンにより生成されたスカウト画像をオペレータが参照して、断層画像が生成される断層面に対応するスライス位置などの本スキャン条件を入力する。そして、たとえば、アキシャルスキャン方式やヘリカルスキャン方式による本スキャンを実施し、オペレータにより入力されたスライス位置の断層面についての断層画像を生成する（たとえば、特許文献１参照）。

特開２００５−５８６５１号公報

上記のスカウトスキャンは、たとえば、テーブルに仰臥位で支持されている被検体の胸部側の正面になるようにＸ線管が固定され、その位置からＸ線を照射することによって実施される。

このため、被検体が女性であって胸部を含むようにスカウトスキャンする場合においては、高い放射線感受性である乳腺について、被曝線量が多くなる場合があり、Ｘ線などの放射線を効率的に利用して撮影することが困難な場合があった。また、その他に、被検体の頭部における水晶体や、首部における甲状腺などのように、被検体の体表面付近に放射線感受性が高い部位がある場合についても、同様な不具合があった。

したがって、本発明の目的は、放射線を効率的に利用し容易に撮影することが可能な放射線撮影装置を提供することにある。

上記目的を達成するため、本発明の放射線撮影装置は、被検体に放射線を照射する照射部と、前記照射部から照射され、前記被検体を透過した前記放射線を検出する検出部と、前記被検体の周囲を回転するように前記照射部と前記検出部とを移動させる回転部とを有し、前記回転部により前記照射部と前記検出部とが前記被検体の周囲を回転し移動された回転移動位置において、前記照射部から前記放射線を前記被検体に照射し、前記被検体を透過した前記放射線を前記検出部が検出するスカウトスキャンを実施することによって、前記被検体についてのスカウト画像を生成する放射線撮影装置であって、前記スカウトスキャンが実施される前記被検体についての被検体情報を入力する入力部と、前記入力部により入力された前記被検体情報に基づいて、前記スカウトスキャンを実施する前記回転移動位置を設定する設定部とを有し、前記回転部は、前記スカウトスキャンの実施においては、前記設定部により設定された前記回転移動位置に、前記照射部と前記検出部とを前記被検体の周囲に回転させて移動する。

本発明によれば、放射線を効率的に利用し容易に撮影することが可能な放射線撮影装置を提供することができる。

本発明にかかる実施形態について説明する。

図１は、本発明にかかる実施形態のＸ線ＣＴ装置１についての全体構成を示すブロック図であり、図２は、本実施形態のＸ線ＣＴ装置１における要部を示す構成図である。

図１に示すように、Ｘ線ＣＴ装置１は、走査ガントリ２と、操作コンソール３と、被検体搬送部４とを有し、スキャン条件に基づいて被検体をＸ線でスキャンすることによって得られた被検体の投影データを用いて、被検体の断層面についての画像を再構成し生成する。

走査ガントリ２について説明する。

走査ガントリ２は、操作コンソール３からの制御信号ＣＴＬ３０ａに基づいて、被検体搬送部４により撮影空間２９に移動された被検体をＸ線でスキャンして、その被検体の投影データを得る。走査ガントリ２は、図１に示すように、Ｘ線管２０とＸ線管移動部２１とコリメータ２２とＸ線検出器２３とデータ収集部２４とＸ線コントローラ２５とコリメータコントローラ２６と回転部２７とガントリコントローラ２８とを有する。走査ガントリ２においては、図２に示すように、被検体が搬入される撮影空間２９を挟むように、Ｘ線管２０とＸ線検出器２３とが配置されている。そして、コリメータ２２が、Ｘ線管２０から撮影空間２９の被検体へ照射されるＸ線を成形するように配置されている。そして、走査ガントリ２は、被検体の体軸方向ｚを中心にして、Ｘ線管２０とコリメータ２２とＸ線検出器２３とを被検体の周囲で旋回させる。これにより、被検体の周囲における複数のビュー方向からＸ線管２０がＸ線を照射し、Ｘ線管２０から被検体を透過するＸ線をＸ線検出器２３が検出して、投影データを生成する。走査ガントリ２の各部について、順次、説明する。

Ｘ線管２０は、たとえば、回転陽極型であり、Ｘ線を被検体に照射する。Ｘ線管２０は、図２に示すように、Ｘ線コントローラ２５からの制御信号ＣＴＬ２５１に基づいて、所定強度のＸ線を被検体の撮影領域にコリメータ２２を介して照射する。Ｘ線管２０から放射されたＸ線は、コリメータ２２によって、たとえば、コーン状に成形され、Ｘ線検出器２３に照射される。そして、Ｘ線管２０は、被検体の周囲のビュー方向からＸ線を被検体に照射するために、被検体の体軸方向ｚを中心に回転部２７によって被検体の周囲を回転移動する。つまり、Ｘ線管２０は、被検体搬送部４が被検体を撮影空間２９に移動する方向に沿った軸を中心にして、被検体の周囲を旋回する。

Ｘ線管移動部２１は、図２に示すように、Ｘ線コントローラ２５からの制御信号ＣＴＬ２５２に基づいて、Ｘ線管２０の放射中心を、走査ガントリ２における撮影空間２９内の被検体の体軸方向ｚに移動させる。

コリメータ２２は、図２に示すように、Ｘ線管２０とＸ線検出器２３との間に配置されている。コリメータ２２は、たとえば、Ｘ線が透過しない遮蔽板を含み、チャネル方向ｉと列方向ｊとにそれぞれ２枚ずつ、遮蔽板が設けられている。コリメータ２２は、コリメータコントローラ２６からの制御信号ＣＴＬ２６１に基づいて、各方向に設けられた２枚の遮蔽板を独立して移動させて、Ｘ線管２０から照射されたＸ線をそれぞれの方向において遮ってコーン状に成形することにより、Ｘ線の照射範囲を調整する。つまり、コリメータ２２は、Ｘ線管２０から照射されたＸ線が通過する開口の大きさを可変することにより、Ｘ線の照射範囲を調整する。

Ｘ線検出器２３は、Ｘ線管２０から照射され被検体を透過するＸ線を検出し、被検体の投影データを生成する。Ｘ線検出器２３は、Ｘ線管２０と共に、回転部２７によって被検体の周囲を回転する。そして、被検体の周囲からＸ線管２０により照射され、被検体を透過したＸ線を検出して投影データを生成する。

図２に示すように、Ｘ線検出器２３は、複数の検出素子２３ａからなる。Ｘ線検出器２３は、たとえば、Ｘ線管２０が撮影空間２９の被検体の周囲を回転部２７により回転する回転方向に沿ったチャネル方向ｉと、Ｘ線管２０が回転部２７によって回転する際に中心軸となる回転軸方向に沿った列方向ｊとに検出素子２３ａがアレイ状に２次元的に配列されている。たとえば、Ｘ線検出器２３は、検出素子２３ａがチャネル方向ｉに１０００個程度配列され、列方向ｊに３２から６４個程度配列されている。また、Ｘ線検出器２３は、２次元的に配列された複数の検出素子２３ａによって、円筒な凹面状に湾曲した面を形成している。

Ｘ線検出器２３を構成する検出素子２３ａは、たとえば、固体検出器として構成されており、Ｘ線を光に変換するシンチレータ（図示なし）と、シンチレータが変換した光を電荷に変換するフォトダイオード（図示なし）とを有する。なお、検出素子２３ａは、これに限定されるものではなく、たとえば、カドミウム・テルル（ＣｄＴｅ）等を利用した半導体検出素子、あるいはキセノン（Ｘｅ）ガスを利用した電離箱型の検出素子であって良い。

データ収集部２４は、Ｘ線検出器２３からの投影データを収集するために設けられている。データ収集部２４は、Ｘ線検出器２３のそれぞれの検出素子２３ａが検出したＸ線による投影データを収集して、操作コンソール３に出力する。図２に示すように、データ収集部２４は、選択・加算切換回路（ＭＵＸ，ＡＤＤ）２４１とアナログ−デジタル変換器（ＡＤＣ）２４２とを有する。選択・加算切換回路２４１は、Ｘ線検出器２３の検出素子２３ａによる投影データを、中央処理装置３０からの制御信号ＣＴＬ３０３に応じて選択し、あるいは組み合わせを変えて足し合わせ、その結果をアナログ−デジタル変換器２４２に出力する。アナログ−デジタル変換器２４２は、選択・加算切換回路２４１において選択あるいは任意の組み合わせで足し合わされた投影データをアナログ信号からデジタル信号に変換して中央処理装置３０に出力する。

Ｘ線コントローラ２５は、図２に示すように、中央処理装置３０からの制御信号ＣＴＬ３０１に応じて、Ｘ線管２０に制御信号ＣＴＬ２５１を出力し、Ｘ線の照射を制御する。Ｘ線コントローラ２５は、たとえば、Ｘ線管２０の管電流や照射時間などを制御する。また、Ｘ線コントローラ２５は、中央処理装置３０による制御信号ＣＴＬ３０１に応じて、Ｘ線管移動部２２１に対し制御信号ＣＴＬ２５２を出力し、Ｘ線管２０の放射中心を体軸方向ｚに移動するように制御する。

コリメータコントローラ２６は、図２に示すように、中央処理装置３０からの制御信号ＣＴＬ３０２に応じてコリメータ２２に制御信号ＣＴＬ２６１を出力し、Ｘ線管２０から被検体へ照射されたＸ線を成形するように、コリメータ２２を制御する。

回転部２７は、図１に示すように、円筒形状であり、中心部分に撮影空間２９が形成されている。回転部２７は、ガントリコントローラ２８からの制御信号ＣＴＬ２８に応じて、たとえば、モーター（図示なし）を駆動し、撮影空間２９内における被検体の体軸方向ｚを中心にして回転する。回転部２７は、Ｘ線管２０とＸ線管移動部２１とコリメータ２２とＸ線検出器２３とデータ収集部２４とＸ線コントローラ２５とコリメータコントローラ２６とが搭載されており、各部を支持している。そして、回転部２７は、スリップリング（図示なし）を介して、各部に電力を供給する。また、回転部２７は、各部を被検体の周囲に回転移動させ、撮影空間２９に搬入される被検体と各部との位置関係を回転方向にて相対的に変化させる。ここでは、被検体についてスカウトスキャンを実施する際には、回転部２７は、スカウトスキャン条件設定部３０４により設定されたスカウトスキャン条件に基づいて、撮影空間２９に収容された被検体の周囲における所定のビュー角度に対応する回転移動位置に、Ｘ線管２０とＸ線検出器２３とを回転させて移動する。そして、その回転移動位置において、Ｘ線管２０にＸ線を照射させ、その被検体を透過したＸ線をＸ線検出器２３に検出させる。また、被検体についてアキシャルスキャン方式で本スキャンを実施する際には、回転部２７は、本スキャンスキャン条件設定部３０３により設定された本スキャン条件に基づいて、撮影空間２９に収容された被検体の周囲においてＸ線管２０とＸ線検出器２３とを回転させながら、被検体の周囲における複数のビュー角度において、Ｘ線管２０にＸ線を照射させ、その被検体を透過したＸ線を複数のビュー角度ごとにＸ線検出器２３に検出させる。

ガントリコントローラ２８は、図１および図２に示すように、操作コンソール３の中央処理装置３０による制御信号ＣＴＬ３０４に基づいて、回転部２７に制御信号ＣＴＬ２８を出力し、回転部２７が回転するように制御する。

操作コンソール３について説明する。

操作コンソール３は、図１に示すように、中央処理装置３０と、入力装置４１と、表示装置５１と、記憶装置６１とを有する。各部について、順次、説明する。

操作コンソール３における中央処理装置３０は、オペレータにより入力装置４１に入力される指令に基づいて、種々の処理を実施する。中央処理装置３０は、コンピュータと、このコンピュータを種々の手段として機能させるプログラムとを含む。

図３は、中央処理装置３０の構成を示すブロック図である。

中央処理装置３０は、図３に示すように、制御部３０１と、画像生成部３０２と、本スキャン条件設定部３０３と、スカウトスキャン条件設定部３０４と、被曝線量算出部３０５とを有する。各部は、コンピュータを種々の手段として機能させるプログラムを含む。

制御部３０１は、Ｘ線ＣＴ装置１の各部を制御するために設けられている。制御部３０１は、オペレータにより入力装置４１に入力された指令に基づいて各部を制御する。たとえば、制御部３０１は、本スキャン条件設定部３０３により設定された本スキャン条件に対応するように、各部を制御し、本スキャンを実施する。また、制御部３０１は、スカウトスキャン条件設定部３０４により設定されたスカウトスキャン条件に対応するように、各部を制御し、スカウトスキャンを実施する。具体的には、制御部３０１は、被検体搬送部４に制御信号ＣＴＬ３０ｂを出力し、被検体搬送部４に被検体を撮影空間２９へ搬送させて移動させる。そして、制御部３０１は、ガントリコントローラ２８に制御信号ＣＴＬ３０４を出力して、走査ガントリ２の回転部２７を回転させる。そして、制御部３０１は、Ｘ線管２０からＸ線の照射するように、制御信号ＣＴＬ３０１をＸ線コントローラ２５に出力する。そして、制御部３０１は、制御信号ＣＴＬ３０２をコリメータコントローラ２６に出力し、コリメータ２２を制御してＸ線を成形する。また、制御部３０１は、制御信号ＣＴＬ３０３をデータ収集部２４に出力し、Ｘ線検出器２３の検出素子２３ａが得る投影データを収集するように制御する。

画像生成部３０２は、データ収集部２４により収集された投影データに基づいて被検体についての画像を生成する。本実施形態においては、画像生成部３０２は、スカウトスキャンにより得られた投影データに基づいて、被検体の透視像であるスカウト画像を生成する。また、画像生成部３０２は、本スキャンにより得られた投影データに基づいて、被検体の断層面についての断層画像を生成する。ここでは、フィルタ処理逆投影法などの画像再構成法によって、本スキャンにて得られた投影データから、被検体の断層面についての画像を再構成して生成する。

本スキャン条件設定部３０３は、本スキャンの実施において各部を動作させる本スキャン条件を設定する。たとえば、本スキャン条件設定部３０３は、オペレータにより入力装置４１に入力された指令に基づいて、アキシャルスキャン方式やヘリカルスキャン方式などのスキャン方式、Ｘ線管２０を動作させる管電流値などの本スキャン条件を設定する。そして、本スキャン条件設定部３０３は、設定したスキャン条件についてのデータを制御部３０１に出力して、各部を制御させる。

スカウトスキャン条件設定部３０４は、スカウトスキャンの実施において、各部を動作させるスカウトスキャン条件を設定する。スカウトスキャン条件設定部３０４は、オペレータによって入力装置４１に入力された指令に基づいて、スカウトスキャン条件を設定する。

本実施形態においては、スカウトスキャン条件設定部３０４は、オペレータにより入力装置４１に入力された被検体情報に基づいて、回転部２７がＸ線管２０とＸ線検出器２３とを被検体の周囲に回転移動し、スカウトスキャンが実施される回転移動位置を、スカウトスキャン条件として設定する。ここでは、後述するように、スカウトスキャンを実施する回転移動位置を被検体情報に対応付けて記憶装置６１が記憶している回転移動情報を用いて、入力装置４１に入力された被検体情報から、スカウトスキャンを実施する回転移動位置を、スカウトスキャン条件設定部３０４が設定する。具体的には、まず、スカウトスキャン条件設定部３０４は、被検体の部位、性別、年齢、体位などの被検体情報についてのデータを入力装置４１から受ける。その後、スカウトスキャン条件設定部３０４は、その入力装置４１からの被検体情報に対応する回転移動位置についてのデータを、記憶装置６１によりルックアップテーブルとして記憶されている回転移動情報から抽出する。そして、スカウトスキャン条件設定部３０４は、その抽出した回転移動位置をスカウトスキャン条件として設定する。

被曝線量算出部３０５は、スカウトスキャンの実施において、Ｘ線管２０により被検体に照射されるＸ線の被曝線量を算出する。

本実施形態においては、被曝線量算出部３０５は、入力装置４１により入力された被検体情報と、スカウトスキャン条件設定部３０４により設定された回転移動位置と、後述する記憶装置６１により記憶されている被曝線量情報とに基づいて、スカウトスキャンの実施において被検体に照射されるＸ線についての被曝線量を参照値として求める。ここでは、後述するように、被曝線量算出部３０５は、Ｘ線管２０によって被検体が照射されるＸ線による被曝線量を被検体情報と回転移動位置とに対応付けて記憶装置６１にて記憶されている被曝線量情報を用いて、被検体情報と回転移動位置とから被曝線量を算出する。具体的には、まず、被曝線量算出部３０５は、被検体の部位、性別、年齢、体位などの被検体情報についてのデータを入力装置４１から受けると共に、スカウトスキャンを実施する回転移動位置についてのデータをスカウトスキャン条件設定部３０４から受ける。その後、被曝線量算出部３０５は、その被検体情報と回転移動位置とに対応する被曝線量についてのデータを、記憶装置６１によりルックアップテーブルとして記憶されている被爆線量情報から求める。

操作コンソール３の入力装置４１は、たとえば、キーボードやマウスなどにより構成されている。入力装置４１は、オペレータの入力操作に基づいて、スキャン条件や被検体情報などの各種情報や指令を中央処理装置３０に入力する。たとえば、スカウトスキャンを実施する際においては、入力装置４１は、被検体情報として、被検体の部位、被検体の性別、被検体の年齢、被検体搬送部４のテーブル部４０１によって支持されている被検体の体位を入力する。

操作コンソール３の表示装置５１は、たとえば、ＣＲＴを含み、中央処理装置３０からの指令に基づき、表示面に画像を表示する。

本実施形態においては、表示装置５１は、スカウトスキャンの実施により画像生成部３０２が生成したスカウト画像を表示面に表示する。そして、表示装置５１は、被曝線量算出部３０５により算出された被曝線量の値を表示画面に表示する。その他に、表示装置５１は、本スキャンの実施により画像生成部３０２が生成した断層画像を表示面に表示する。

操作コンソール３の記憶装置６１は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶装置６１は、その記憶されたデータが必要に応じて中央処理装置３０によってアクセスされる。

本実施形態においては、記憶装置６１は、スカウトスキャンを実施する回転移動位置を、被検体情報に対応付けて回転移動情報として記憶している。ここでは、記憶装置６１は、被検体の部位と性別と年齢と体位との被検体情報に対応付けられた回転移動位置についての回転移動情報を、ルックアップテーブルとして記憶している。そして、上述したように、スカウトスキャン条件設定部３０４が被検体の部位、性別、年齢、体位などの被検体情報についてのデータを入力装置４１から受けた際には、記憶装置６１は、そのスカウトスキャン条件設定部３０４によってアクセスされ、その入力装置４１からの被検体情報に対応する回転移動位置についてのデータが、ルックアップテーブルとして記憶している回転移動情報から抽出される。そして、その抽出された回転移動位置が、スカウトスキャン条件設定部３０４によってスカウトスキャン条件として設定される。

また、本実施形態においては、記憶装置６１は、スカウトスキャンにおいてＸ線管２０から被検体が照射されるＸ線についての被曝線量を、被検体情報と回転移動位置とに対応付けて被曝線量情報として記憶している。ここでは、記憶装置６１は、被検体の部位と性別と年齢と体位との被検体情報と、スカウトスキャンの実施の際に回転部２７がＸ線管２０とＸ線検出器２３とを回転移動する回転移動位置とに対応付けられた被曝線量についての被曝線量情報を、ルックアップテーブルとして記憶している。そして、上述したように、被曝線量算出部３０５が、被検体の部位、性別、年齢、体位などの被検体情報についてのデータを入力装置４１から受けると共に、スカウトスキャンを実施する回転移動位置についてのデータをスカウトスキャン条件設定部３０４から受けた際には、記憶装置６１は、その被曝線量算出部３０５によってアクセスされ、その被検体情報と回転移動位置とに対応する被曝線量についてのデータが抽出される。

被検体搬送部４について説明する。

被検体搬送部４は、撮影空間２９の内部と外部との間で被検体を搬送する。

図４は、被検体搬送部４の構成を示す斜視図である。

図４に示すように、被検体搬送部４は、テーブル部４０１と、テーブル移動部４０２とを有する。

被検体搬送部４のテーブル部４０１は、被検体が載置される載置面が形成されており、その載置面で被検体を支持する。たとえば、被検体は、仰向けになるようにテーブルに寝かされて、被検体搬送部４のテーブル部４０１に支持される。

被検体搬送部４のテーブル移動部４０２は、被検体の体軸方向ｚに沿った水平方向Ｈにテーブル部４０１を移動させる水平移動部４０２ａと、水平方向Ｈに対して垂直な鉛直方向Ｖにテーブル部４０１を移動させる垂直移動部４０２ｂとを有し、中央処理装置３０からの制御信号ＣＴＬ３０ｂに基づいて、撮影空間２９の内部に被検体を搬入するように、テーブル部４０１を移動させる。

本実施形態のＸ線ＣＴ装置１の動作について説明する。

図５は、被検体をスカウトスキャンする際の主要な動作を示すフロー図である。

図５に示すように、まず、被検体情報の入力を実施する（Ｓ１１）。

ここでは、スカウトスキャンの実施において、スカウト画像を生成するスライス位置に対応する被検体の部位と、被検体の性別と、被検体の年齢と、被検体搬送部４のテーブル部４０１によって支持されている被検体の体位とを、被検体情報として、操作コンソール３の入力装置４１がオペレータによる入力操作に基づいて入力する。たとえば、被検体の部位については、胸部である旨のデータを入力し、被検体の性別については、女性である旨のデータを入力し、被検体の年齢については、２０歳である旨のデータを入力し、被検体の体位については、仰臥位である旨のデータを入力する。

つぎに、図５に示すように、スカウトスキャンにおける回転移動位置の設定を実施する（Ｓ２１）。

ここでは、スカウトスキャンの実施の際に回転部２７がＸ線管２０とＸ線検出器２３とを被検体の周囲に回転移動する回転移動位置を、前述のようにして入力される被検体情報に基づいて、スカウトスキャン条件設定部３０４が設定する。具体的には、被検体の部位、性別、年齢、体位などの被検体情報についてのデータをスカウトスキャン条件設定部３０４が入力装置４１から受ける。その後、その入力装置４１からの被検体情報に対応する回転移動位置についてのデータを、記憶装置６１によりルックアップテーブルとして記憶されている回転移動情報から、スカウトスキャン条件設定部３０４が抽出する。

図６は、記憶装置６１において記憶されている回転移動情報を示す図である。

図６に示すように、記憶装置６１は、被検体の部位と性別と年齢と体位との被検体情報に対応付けるように、回転移動位置としてのビュー角度ｖを記憶している。なお、ここで、ビュー角度ｖは、図１に示すように、鉛直方向ｙを０°として、Ｘ線管２０が被検体の周囲を回転移動された角度をいう。

そして、本実施形態においては、上述したように、たとえば、被検体の部位が胸部であり、被検体の性別が女性であり、被検体の年齢が２０歳であり、被検体の体位が仰臥位である旨のデータを、スカウトスキャン条件設定部３０４が被検体情報として受けた場合には、スカウトスキャン条件設定部３０４は、図６に示すように、回転移動情報から回転移動位置としてビュー角度１８０°を抽出する。そして、その抽出した回転移動位置をスカウトスキャン条件としてスカウトスキャン条件設定部３０４が設定する。また、その他のスカウトスキャン条件についても、オペレータによって入力装置４１に入力された指令に基づいて、スカウトスキャン条件設定部３０４が設定する。

つぎに、図５に示すように、被曝線量の算出と表示を実施する（Ｓ３１）。

ここでは、スカウトスキャンの実施において、Ｘ線管２０により被検体に照射されるＸ線の被曝線量を被曝線量算出部３０５が算出する。本実施形態においては、記憶装置６１にて記憶されている被曝線量情報を用いて、入力装置４１により入力された被検体情報と、スカウトスキャン条件設定部３０４により設定された回転移動位置とから、スカウトスキャンの実施における被検体の被曝線量を被曝線量算出部３０５が算出する。具体的には、まず、被検体の部位、性別、年齢、体位などの被検体情報についてのデータと、スカウトスキャンを実施する回転移動位置についてのデータとのそれぞれを入力装置４１とスカウトスキャン条件設定部３０４とのそれぞれから被曝線量算出部３０５が受ける。その後、その被検体情報と回転移動位置とに対応する被曝線量についてのデータを、記憶装置６１によりルックアップテーブルとして記憶されている被爆線量情報から被曝線量算出部３０５が求める。

図７は、記憶装置６１において記憶されている被曝線量情報を示す図である。

図７に示すように、記憶装置６１は、スカウトスキャンにおいてＸ線管２０から被検体が照射されるＸ線についての被曝線量を、被検体の部位と性別と年齢と体位とからなる被検体情報と、回転移動位置とに対応付けて被曝線量情報として記憶している。この被曝線量情報は、たとえば、人体ファントムについて所定のスキャン条件でスキャンを実施することにより、予め取得され、記憶装置６１に記憶されている。このため、上述したように、たとえば、被検体の部位が胸部であり、被検体の性別が女性であり、被検体の体位が仰臥位である旨のデータを、スカウトスキャン条件設定部３０４が受けて、回転移動位置としてビュー角度１８０°を設定した場合においては、被曝線量算出部３０５は、図７に示すように、被曝線量情報から乳腺の臓器線量である１．２ｍＧｙを被曝線量として算出する。その後、被曝線量算出部３０５により算出された被曝線量についてのデータを、表示装置５１が受け、表示画面に表示する。

つぎに、図５に示すように、スカウトスキャンを実施する（Ｓ４１）。

ここでは、スカウトスキャン条件設定部３０４によって設定されたスカウトスキャン条件に基づいて、制御部３０１が各部を制御することにより、スカウトスキャンが実施される。

図８は、スカウトスキャンが実施される様子を示す側面図である。

図８に示すように、本実施形態においては、スカウトスキャン条件設定部３０４によって回転移動位置として設定されたビュー角度１８０°に対応するように、制御部３０１が回転部２７の回転移動動作を制御する。すなわち、仰臥位の体位でテーブル部４０１に載置されている女性の被検体の胸部へ、背面側からＸ線管２０がＸ線を照射し、正面側においてＸ線検出器２３が被検体を透過したＸ線を検出するように、制御部３０１が回転部２７にＸ線管２０とＸ線検出器２３との位置を調整させる。その後、スカウトスキャン条件設定部３０４によって設定されたスカウトスキャン条件に基づいて、回転移動位置として設定されたビュー角度１８０°において、Ｘ線管２０からＸ線を被検体に照射し、その被検体を透過したＸ線をＸ線検出器２３に検出させることにより、スカウトスキャンを実施する。

つぎに、図５に示すように、被検体のスカウト画像を生成して表示する（Ｓ５１）。

ここでは、スカウトスキャンの実施により得られた投影データに基づいて、被検体の透視像であるスカウト画像を画像生成部３０２が生成する。そして、そのスカウトスキャンの実施により画像生成部３０２が生成したスカウト画像を、表示装置５１が表示面に表示する。

以上のように、本実施形態においては、スカウトスキャンを実施する際にＸ線管２０とＸ線検出器２３とを被検体の周囲に回転移動する回転移動位置を、スカウトスキャンが実施される被検体についての被検体情報に基づいて、スカウトスキャン条件設定部３０４が設定する。そして、スカウトスキャンの実施を開始する際においては、スカウトスキャン条件設定部３０４により設定された回転移動位置に、回転部２７が、Ｘ線管２０とＸ線検出器２３とを被検体の周囲に回転移動する。その後、その回転移動位置にて、スカウトスキャンを実施する。たとえば、仰臥位の体位でテーブル部４０１に載置されている女性の被検体の胸部についてスカウトスキャンを実施する際においては、その被検体の背面側からＸ線管２０がＸ線を照射し、正面側においてＸ線検出器２３が被検体を透過したＸ線を検出するように、回転部２７がＸ線管２０とＸ線検出器２３との位置を調整する。これにより、被検体の乳腺は、正面側からＸ線を照射した場合と比較して、１／５から１／６の被曝線量に低減される。このように、本実施形態は、被検体が女性であって胸部のように、高い放射線感受性である乳腺を含むようにスカウトスキャンする場合であっても、被検体の背面側からＸ線を照射することで被曝線量を低減することができ、Ｘ線を効率的に利用して撮影することができる。

なお、上記の実施形態において、Ｘ線ＣＴ装置１は、本発明の放射線撮影装置に相当する。また、上記の実施形態において、Ｘ線管２０は、本発明の照射部に相当する。また、上記の実施形態において、Ｘ線検出器２３は、本発明の検出部に相当する。また、上記の実施形態において、回転部２７は、本発明の回転部に相当する。また、上記の実施形態において、入力装置４１は、本発明の入力部に相当する。また、上記の実施形態において、表示装置５１は、本発明の表示部に相当する。また、上記の実施形態において、記憶装置６１は、本発明の第１記憶部，第２記憶部，第３記憶部，第４記憶部，第５記憶部に相当する。また、上記の実施形態において、スカウトスキャン条件設定部３０４は、本発明の設定部に相当する。また、上記の実施形態において、被曝線量算出部３０５は、本発明の被曝線量算出部に相当する。また、上記の実施形態において、テーブル部４０１は、本発明のテーブル部に相当する。

また、本発明の実施に際しては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。

たとえば、上記の実施形態においては、放射線としてＸ線を用いている例について説明しているが、これに限定されない。たとえば、たとえば、ガンマ線等の放射線を用いても良い。

また、その他に、スカウトスキャンを実施する回転移動位置の設定においては、スカウトスキャン設定部３０４は、入力装置４１により入力された被検体の部位と、Ｘ線管２０との距離を算出し、その被検体の部位とＸ線管２０との距離が短くなるように、回転部２７がＸ線管２０を回転移動させる回転移動位置を設定してもよい。たとえば、仰臥位の体位でテーブル部４０１に載置されている女性の被検体の胸部についてスカウトスキャンを実施する際においては、その被検体の周囲にてＸ線管２０が回転移動された各位置において、被検体の胸部において放射線感受性の高い乳腺とＸ線管２０との距離を算出する。たとえば、記憶装置６１に被検体の部位についての座標位置情報を記憶させておき、その座標位置情報を用いて、被検体の部位とＸ線管２０との距離を算出する。そして、その被検体の胸部の乳腺とＸ線管２０との距離が最も短くなる被検体の背面に対応するＸ線管２０の回転移動位置を、スカウトスキャンの際に回転移動させる回転移動位置として設定する。また、その他に、スカウトスキャン設定部３０４は、記憶装置６１により記憶されている被曝線量情報において、入力装置４１により入力された被検体情報に対応する複数の被曝線量についてのデータから、小さな被曝線量に対応する回転移動位置を選択し設定してもよい。

図１は、本発明にかかる実施形態において、Ｘ線ＣＴ装置の全体構成を示すブロック図である。 図２は、本発明にかかる実施形態において、Ｘ線ＣＴ装置の要部を示す構成図である。 図３は、本発明にかかる実施形態において、中央処理装置の構成を示すブロック図である。 図４は、本発明にかかる実施形態において、被検体搬送部の構成を示す斜視図である。 図５は、本発明にかかる実施形態において、被検体をスカウトスキャンする際の主要な動作を示すフロー図である。 図６は、本発明にかかる実施形態において、記憶装置６１にて記憶されている回転移動情報を示す図である。 図７は、本発明にかかる実施形態において、記憶装置６１にて記憶されている被曝線量情報を示す図である。 図８は、本発明にかかる実施形態において、スカウトスキャンが実施される様子を示す側面図である。

符号の説明

１…Ｘ線ＣＴ装置（放射線撮影装置）、
２…走査ガントリ、
３…操作コンソール、
４…被検体搬送部、
２０…Ｘ線管（照射部）、
２１…Ｘ線管移動部、
２２…コリメータ、
２３…Ｘ線検出器（検出部）、
２３ａ…検出素子、
２４…データ収集部、
２４１…選択・加算切換回路、
２４２…アナログ−デジタル変換器、
２５…Ｘ線コントローラ、
２６…コリメータコントローラ、
２７…回転部（回転部）、
２８…ガントリコントローラ、
２９…撮影空間、
３０…中央処理装置、
４１…入力装置（入力部）、
５１…表示装置（表示部）、
６１…記憶装置（第１記憶部，第２記憶部，第３記憶部，第４記憶部，第５記憶部）、
３０１…制御部、
３０２…画像生成部、
３０３…本スキャン条件設定部、
３０４…スカウトスキャン条件設定部（設定部）
３０５…被曝線量算出部（被曝線量算出部）、
４０１…テーブル部（テーブル部）、
４０２…テーブル移動部

Claims (8)

1. 被検体に放射線を照射する照射部と、前記照射部から照射され、前記被検体を透過した前記放射線を検出する検出部と、前記被検体の周囲を回転するように前記照射部と前記検出部とを移動させる回転部とを有し、前記回転部により前記照射部と前記検出部とが前記被検体の周囲を回転し移動された回転移動位置において、前記照射部から前記放射線を前記被検体に照射し、前記被検体を透過した前記放射線を前記検出部が検出するスカウトスキャンを実施することによって、前記被検体についてのスカウト画像を生成する放射線撮影装置であって、
   前記スカウトスキャンが実施される前記被検体についての被検体情報を入力する入力部と、
   前記入力部により入力された前記被検体情報に基づいて、前記スカウトスキャンを実施する前記回転移動位置を設定する設定部と
   を有し、
   前記回転部は、前記スカウトスキャンの実施においては、前記設定部により設定された前記回転移動位置に、前記照射部と前記検出部とを前記被検体の周囲に回転させて移動する
   放射線撮影装置。
2. 前記スカウトスキャンを実施する前記回転移動位置を、前記被検体の部位に対応付けて第１の回転移動情報として記憶する第１記憶部
   を有し、
   前記入力部は、前記被検体情報として、前記スカウトスキャンが実施される前記被検体の部位を入力し、
   前記設定部は、前記入力部により入力される前記被検体の部位と、前記第１記憶部により記憶されている前記第１の回転移動情報とに基づいて、前記回転移動位置を設定する
   請求項１に記載の放射線撮影装置。
3. 前記スカウトスキャンを実施する前記回転移動位置を、前記被検体の性別に対応付けて第２の回転移動情報として記憶する第２記憶部
   を有し、
   前記入力部は、前記被検体情報として、前記スカウトスキャンが実施される前記被検体の性別を入力し、
   前記設定部は、前記入力部により入力される前記被検体の性別と、前記第２記憶部により記憶されている前記第２の回転移動情報とに基づいて、前記回転移動位置を設定する
   請求項１または２に記載の放射線撮影装置。
4. 前記スカウトスキャンを実施する前記回転移動位置を、前記被検体の年齢に対応付けて第３の回転移動情報として記憶する第３記憶部
   を有し、
   前記入力部は、前記被検体情報として、前記被検体の年齢を入力し、
   前記設定部は、前記入力部により入力される前記被検体の年齢と、前記第３記憶部により記憶されている前記第３の回転移動情報とに基づいて、前記回転移動位置を設定する
   請求項１から３のいずれかに記載の放射線撮影装置。
5. 前記被検体が載置面に載置され、前記載置面で前記被検体を支持するテーブル部と、
   前記スカウトスキャンを実施する前記回転移動位置を、前記テーブル部によって支持される前記被検体の体位に対応付けて第４の回転移動情報として記憶する第４記憶部と
   を有し、
   前記入力部は、前記被検体情報として、前記テーブル部によって支持されている前記被検体の体位を入力し、
   前記設定部は、前記入力部により入力される前記被検体の体位と、前記第４記憶部により記憶されている前記第４の回転移動情報とに基づいて、前記回転移動位置を設定する
   請求項１から４のいずれかに記載の放射線撮影装置。
6. 前記被検体情報と前記回転移動位置とに対応付けて、前記被検体において前記照射部によって放射線が照射される被曝線量を、被曝線量情報として記憶する第５記憶部と、
   前記入力部により入力された前記被検体情報と、前記設定部により設定された前記回転移動位置と、前記第５記憶部により記憶されている前記被曝線量情報とに基づいて、前記被検体において前記照射部により放射線が照射される被曝線量を求める被曝線量算出部と
   を有する
   請求項１から５のいずれかに記載の放射線撮影装置。
7. 前記被曝線算出部により算出された前記被曝線量を表示する表示部
   を有する
   請求項６に記載の放射線撮影装置。
8. 前記照射部は、前記放射線としてＸ線を照射する
   請求項１から７のいずれかに記載の放射線撮影装置。
   

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