JP2007006164A - 増幅器 - Google Patents

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陽一 大久保
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康弘 武田
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勝 安達
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俊雄 野島
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Abstract

【課題】歪を更に改善し、周囲環境温度の変化時にも性能の変動が少ない高効率の増幅器を提供する。
【解決手段】本発明の増幅器は、入力信号を分配器で分配して複数の増幅回路に入力し、複数の増幅回路の出力を合成して出力とする増幅器であって、複数の増幅回路は、増幅素子をAB級で動作させる少なくとも一つの第1の増幅回路と、増幅素子をB級またはC級で動作させる少なくとも一つの第2の増幅回路とにより構成され、分配器の配分比を異ならせ、第1及び第2の増幅回路の出力をそれぞれ任意の長さの電気長を有する伝送線路からなるインピーダンス変換器を介して接続して合成としたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、増幅器に係り、特にドハティ増幅器に関する。
従来、CDMA信号(code division multiple access)やマルチキャリア信号のような無線周波信号を電力増幅する場合、共通増幅器に歪補償手段を付加し、共通増幅器の動作範囲を飽和領域付近まで広げることで低消費電力化を図っていた。歪補償手段として、フィードフォワード歪補償やプリディストーション歪補償などがあるが、このような歪補償だけでは低消費電力化に限界が近づいている。そのため近年、高効率増幅器としてドハティ増幅器が注目されている。
図7は従来のドハティ増幅器のブロック図である。
入力端子1から入った信号は、分配器2で分配される。
分配された一方の信号は、キャリア増幅回路4に入力される。キャリア増幅回路4は、分配器の出力側と増幅素子42の入力側との整合を取る入力整合回路41と、増幅素子42の出力側とキャリア増幅回路4の出力側との整合を取る出力整合回路43から構成されている。キャリア増幅回路4の出力は、λ/4変成器61でインピーダンス変換される。
分配されたもう一方の信号は、移相器3で位相を90度遅らされ、ピーク増幅回路5に入力される。ピーク増幅回路5は、キャリア増幅回路4と同様に、入力整合回路51と、増幅素子52と、出力整合回路53から構成されている。
λ/4変成器61及びピーク増幅回路5の出力はノード(合成点)62において合成される。合成された信号は、出力負荷9のインピーダンスZ0に整合するため、λ/4変成器7でインピーダンス変換される。λ/4変成器61とノード62とを合わせて、ドハティ合成部6と呼ぶ。
λ/4変成器7の出力は出力端子8を介して出力負荷9に接続される。
上記のドハティ増幅器の動作を説明する。キャリア増幅回路4とピーク増幅回路5は、増幅素子42がAB級にバイアスされ、増幅素子52がB級又はC級にバイアスされている点で異なる。そのため、増幅素子52が動作する入力レベルまでは増幅素子42が単独で動作し、増幅素子42が飽和領域に入る入力レベル、すなわち増幅素子42の線形性が崩れ始めると、増幅素子52が動作し始め、増幅素子52の出力が負荷に供給され、増幅素子42とともに負荷を駆動する。このとき増幅出力整合回路43の負荷特性線は、後述するように高い抵抗値から低い抵抗値へ移動するが、増幅素子42は飽和領域にあるので効率は良い。
入力端子1からの入力が更に増加すると、ピーク増幅回路5の増幅素子52も飽和し始めるが、増幅素子42、52ともに飽和しているのでこのときも効率は良い。
図8は、図7のドハティ増幅器に係る理論上のコレクタ効率ないしドレイン効率を示す図である。なおここでいうコレクタ効率とは、コレクタに印加される電源の電圧(直流)とその電源から供給される電流(直流)の積に対する、コレクタから取り出せる無線周波出力電力の割合の意味であり、ドレイン効率についても同様である。これらは縦軸の効率(%)で表わされる。
図8の横軸はバックオフのレベル(dB)であり、増幅素子42、52の両方が飽和する最小の入力端子1への入力レベル、即ちコンプレッションポイントを0dBとし、入力レベルがコンプレッションポイントに対しどれだけ余裕があるかを示す数値である。
更に、図8において、点線は、一般的なB級増幅器の論理効率特性曲線を示し、実線は、簡単なモデルにおけるドハティ増幅器の論理効率特性曲線を示している。
入力レベルがA区間にあるときは、基本的にキャリア増幅回路4のみが動作する。バックオフが6dBになる付近でキャリア増幅回路4は飽和し始め、効率はB級増幅器の特性で示されるように最大効率付近と同等まで達する。ドハティ増幅器の最大出力をP0とすると、このときキャリア増幅回路4の出力は約P0/4である。
バックオフが6dB以下のB区間では、入力レベルが増加するに従い、キャリア増幅回路4の出力は約P0/4からP0/2へ増加し、それとともにピーク増幅回路5の出力はほぼ0からP0/2へ増加の経過をたどる。このときキャリア増幅回路4とピーク増幅回路5の出力電力との和の電力は、入力端子1への入力電力に対し、A区間のときと同じ比例定数で比例した値をたどる。
実線の特性曲線で示されるようにピーク増幅回路5が動作し始めるときの効率は一旦低下するが、ピーク増幅回路5も飽和し始めるコンプレッション点(バックオフが0dB)で再びピークを迎える。コンプレッション点において、キャリア増幅回路4とキャリア増幅回路5の出力は等しくなる。
一般に、CDMA信号やマルチキャリア信号は高いピークファクタ、すなわちピーク電力と平均電力の比が大きくなる様を有するが、通常の増幅器では、その比が7〜12dBであるようなピークファクタに対応できるように、コンプレッション点からその分を下げた点を動作点(バイアス点)としている。
図7に戻り、各部のインピーダンスを説明する。出力負荷Z0は一定に規定されているので、これを起点とする。ノード62からλ/4変成器7をみたインピーダンスZ7は、λ/4変成器7の特性インピーダンスをZ2とすると、 Z7=Z2 2/Z0となる。
出力整合回路43からλ/4変成器61をみたインピーダンスZ4は、特性図のA区間において出力整合回路53の出力インピーダンスが実質的に無限大となるために、ピーク増幅回路5の出力側は接続されていないと看做せるため、前記Z7=Z2 2/Z0と同様の考えで求まり、下式(A区間)の式となる。
また、C区間に入ると負荷を等しく分担するため、λ/4変成器61の負荷インピーダンス(ノード62での増幅回路4の寄与分)と整合回路53の負荷インピーダンスがそれぞれ2Z7となるので、下式(C区間)の式となる。
Figure 2007006164
Figure 2007006164
なお、Z1は、λ/4変成器61の特性インピーダンスである。Z4及びZ5はB区間では、A区間の時の値とC区間に入る時の値との間をそれぞれ遷移する。
ドハティ増幅器を数百MHz以上の周波数の高い領域に応用したときは、上記の説明に代え、以下の説明のように理解される。
すなわち、Z4は入力信号レベルの小さいとき(A区間)のインピーダンス値に対し、入力信号レベルが大きいとき(C区間の領域)には1/2倍大きくなり、別の言い方をすれば2倍の負荷変動を起こす。例えば、Z7=25Ω、Z1=50Ωとすると、Z4は100〜50Ωの間で変化する。従って増幅素子42の負荷インピーダンスも変動していることになる。
しかしながら従来のドハティ増幅器では数百MHz以上の周波数の高い領域に応用したときには必ずしも効率や歪特性など十分な性能が得られず、本願の出願人による改善例がある。その一例として図9に示されるようなキャリア増幅回路4の出力側にインピーダンス変換器64と、ピーク増幅回路5の出力側にインピーダンス変換器65とを備えて、電力合成の際、インピーダンス変換機64と65はλ/4に固定されるわけでなく任意の長さで効率、歪などの性能を上げようとしている。
これについては、先行出願(特願2004−322092号)しているものがある。
また増幅素子の特性の劣化を補償しているものもある。(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−260232号公報
しかしながら、本願の出願人による従来の増幅器に対し、歪を更に改善し、周囲環境温度の変化時にも性能の変動が少ない高効率の増幅器とすることが課題であった。
キャリア増幅回路の出力とピーク増幅回路の出力とを合成する場合に、その合成点でのそれぞれの信号の位相とか振幅とかが目標値に比べずれると当初の機能が得られないのは明白である。
特にピーク増幅回路はC級で動作させる為、電力利得の低下が避けられないので、合成の精度は増幅素子の動作バイアス点(C級の流通角)で決まってしまう。
このバイアス点の位置が温度などの環境変化により変わってしまうと歪特性も変動して、両増幅回路の特性バランスを得るのが難しくなる。
図10には各動作級の入出力特性を示している。
(a)の特性曲線はAB級,(b)の特性曲線はB級あるいは浅いC級,(c)の特性曲線はバイアスが深いC級である。いずれも負荷インピーダンスは簡単の為50Ωの場合として示している。
例えば(a)の特性曲線と(b)の特性曲線の合成では、出力レベル比が、ある値以下となる点、つまり本例では(a)の特性曲線がP/4となる○印点から実質的な合成が始まるが、(a)と(c)では(a)の特性曲線がP/2となる△印点から合成が始まる。
このようにバイアス点の位置がずれたとする場合の合成特性は異なる事になる。
さらに、温度により各増幅素子であるトランジスタ内部のhfeなどのパラメータ特性値が変動するので、これらも改善された増幅器全体としての特性精度を向上させて安定化も必要である。
図2に示されるように、キャリア増幅回路4の入出力特性曲線をa1,利得の低いピーク増幅回路5の入出力特性曲線をcとすると(但しいずれも50Ω負荷一定で表している),合成後は点線の入出力特性曲線a1cの様になり直線性が悪くなる問題があった。
本発明は、上述した背景からなされたものであり、歪を更に改善し、周囲環境温度の変化時にも性能の変動が少ない高効率の増幅器を提供することを目的とする。
本発明の増幅器は、入力信号を分配器で分配して複数の増幅回路に入力し、該複数の増幅回路の出力を合成して出力とする増幅器であって、
前記複数の増幅回路は、増幅素子をAB級で動作させる少なくとも一つの第1の増幅回路と、増幅素子をB級またはC級で動作させる少なくとも一つの第2の増幅回路とにより構成され、
前記分配器の配分比を異ならせ、前記第1及び第2の増幅回路の出力をそれぞれ任意の長さの電気長を有する伝送線路からなるインピーダンス変換器を介して接続して前記合成としたものである。
さらに、本発明の増幅器は、入力信号を分配器で分配して複数の増幅回路に入力し、該複数の増幅回路の出力を合成して出力とする増幅器であって、
前記複数の増幅回路は、増幅素子をAB級で動作させる少なくとも一つの第1の増幅回路と、増幅素子をB級またはC級で動作させる少なくとも一つの第2の増幅回路とにより構成され、
前記分配器の配分比を異ならせ、前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の前に一方又は両方にプリアンプを挿入接続し、前記第1、第2の増幅回路への入力信号レベルを互いに異ならせ、前記第1及び第2の増幅回路の出力をそれぞれ任意の長さの電気長を有する伝送線路からなる前記インピーダンス変換器を介して接続して前記合成としたものである。
さらに、本発明の増幅器は、前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方又は両方のゲート電圧を温度により制御する第1の制御手段と、
前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方の入力側に挿入接続される減衰器の減衰量を温度により制御する第2の制御手段と、
前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方または両方の前記ゲート電圧を周波数情報により制御する第3の制御手段と、
前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方の入力側に挿入接続される前記減衰器の減衰量を前記周波数情報により制御する第4の制御手段と、
の少なくとも一つがさらに追加されたことを特徴とするものである。
本発明に係る増幅器は、温度などの周囲環境変化が生じても、増幅素子の動作バイアス点の位置を安定に保っての合成がなされた高効率、低歪みの増幅器が実現でき、従来技術の各種ドハティ増幅器に比較し、さらに付加効率の向上など性能を改善したものである。
以下、本発明の実施の形態について、複数の実施例を例示して説明する。尚、以下で説明する機能の実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。また、本実施形態の機能又は構成の全ての組み合わせが本発明に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の最良の形態に係る増幅器のブロック図である。図1の増幅器は主に、分配器の分配比を変えたこと,減衰器を追加した点で従来と異なり、他の構成は定数等の違いはあるものの基本的に同じである。
1は、増幅器への入力信号が入力される入力端子である。
21は、入力端子1に入力された信号を分配する分配器である。分配器21は、例えば配線板上に形成されたT分岐ライン、あるいはカプラ等で実現されるものであるが分配器21の一方の分配出力端子(ア)と他方の分配出力端子(イ)では、そのレベルの分配比が異ならせている。
33は、原理的にはインピーダンス変換器64に相当する遅延量を発生させる伝送線路で実現される移相器である。
ピーク増幅回路5側に挿入された移相器33は合成点における合成をキャリア増幅器側と同相にさせるためのものであり、キャリア増幅回路4の増幅信号とピーク増幅回路5の増幅信号との位相差も吸収しなければならないので、インピーダンス変換器64の遅延と若干異ならせることもある。
41は、分配出力端子(ア)の出力インピーダンスを増幅素子42の入力インピーダンスに変換させる入力整合回路である。
42は、分配された一方の信号を増幅する増幅素子である。増幅素子42はAB級にバイアスされる。
43は、インピーダンス変換器64とともに増幅素子42の負荷インピーダンスをA区間において、図示などの記載はしていないが、Zを中心としてほぼ円上のインピーダンスに変換し、C区間においてはZに変換する出力整合回路である。(先行出願:特願2004−322092号参照)
51は、分配器2で分配された信号のインピーダンスを、後段の増幅素子52の入力インピーダンスに変換する、入力整合回路である。
52は、信号を増幅する増幅素子である。増幅素子52はB級またはC級にバイアスされる。増幅素子42及び52は通常、LD−MOS(Lateral Double-diffused MOS)、GaAs−FET、HEMT、HBT等の1つの半導体デバイスを用いたものである。
53は、増幅素子52の負荷インピーダンスを2Zに変換する出力整合回路である。入力整合回路41、51及び出力整合回路43、53は、集中定数回路、分布定数回路、又はそれらの組み合わせのいずれで構成されても良く、また、実装上避けられないストレーキャパシタンスやインダクタンス等を含んでもかまわない。
54は一例としてピーク増幅回路5と移相器33との間に挿入接続して、ピーク増幅回路5の入力レベルを調整する減衰器である。
62は、出力整合回路43及び53からの出力信号をインピーダンス変換器64及び65を介して結合するノード(合成点)である。
64は、長さL=0〜λ/2又はそれ以上の任意の長さの電気長を有する伝送線路からなるインピーダンス変換器であり、その特性インピーダンスZ1は2Z7=2Z2 2/Z0に等しい。(先行出願:特願2004−322092号参照)
7は、ノード62から負荷側を見たインピーダンスZを出力負荷Z0に変換するλ/4変成器である。λ/4変成器7は、その特性インピーダンスZ2に相当する線幅、及びλ/4に相当する長さを有する導体パターンとして配線板上に形成させても良い。λ/4変成器を用いることにより比較的広い周波数範囲で整合が取れるが、整合さえ取れればλ/4変成器以外の整合手段を用いても良い。
65は長さL=0〜λ/2又はそれ以上の任意の長さの電気長を有する伝送線路からなるインピーダンス変換器であり、A区間におけるZ21を最大にする、又はある程度大きくしてピーク増幅回路5の特性が良くなるような長さとする。
インピーダンス変換器64,65の作用を説明する。
ピーク増幅回路5が増幅出力を出さない低入力レベル範囲(A区間)のときであって、キャリア増幅回路4が増幅信号を出力する動作のとき、ノード62からインピーダンス変換器65側をみたインピーダンスZ21が概ね大きく(無限大より若干ずれた)なるように、インピーダンス変換器65の伝送線路の長さが決められる。
次に、低入力レベル範囲(A区間)を超えた入力レベル範囲(B区間、C区間)のときは、キャリア増幅回路4およびピーク増幅回路5が増幅動作を行い増幅信号がそれぞれから出力され、このときキャリア増幅回路4の出力からインピーダンス変換器64側をみたインピーダンスZ4 及びピーク増幅回路5の出力からインピーダンス変換器65側をみたインピーダンスZ5 が増幅素子の機能(効率、利得、歪みおよび最大出力)を最良にする値となるようにインピーダンス変換器64、65の電気長が決められる。
従って、インピーダンス変換器65の伝送線路長は、A区間においてインピーダンスZ21が概ね大きくなり、かつ、B区間、C区間で増幅器の機能が良くなるような長さとなる。(先行出願:特願2004−322092号参照)
図2に入出力特性曲線によって本発明の合成例を示す。
分配器21の分配比率を変え,すなわち分配器21の一方の分配出力(ア)と他方の分配出力(イ)の出力比を一方の分配出力を小さくし、他方の分配出力を大きくするように変化させると、入力1からキャリア増幅回路4の出力までの利得が低下し入出力特性曲線はa1からa2へシフトし、入力1からピーク増幅回路5の出力までの利得が増加し入出力特性曲線はcからbへシフトする。
入出力特性曲線a2と入出力特性曲線bとの合成されたP/2以上の入出力特性曲線は一点鎖線で示されるa2・bとなり、合成後における直線性が確保されていることが分かる。実際上は各部品の固有定数のばらつきを吸収させる為、減衰器54の減衰量を変え入出力特性曲線b1やb2のような特性にして微調整する事もある。
当然のことながら減衰器54をキャリア増幅回路側に入れても同様のことが云えるが、キャリア増幅回路側に入れた場合には、入力1から出力8までの増器としての総合利得が変わってしまうので、こちらのみに減衰器を挿入接続することは稀な場合である。
また、合成後の直線性変動幅が微小であれば増幅素子のバイアス電圧を変化させて、ほぼb1やb2の様な入出力特性曲線になるのでバイアスを微調整する場合もある。
以上の説明では、全体出力(合成出力)はP0、キャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5のそれぞれの出力は最大P0 /2であり、P0 /4点から合成が開始されることを示しているが、特にその点での合成が唯一であるわけではない。
あくまでも増幅器全体の合成特性(歪特性,効率特性,外囲条件等)を考慮して電力合成を決めればよい。温度変化による補正は減衰器54の減衰量を変える方法と、それほど大きな変動でない場合には、増幅素子のゲート電圧を変える方法がある。
温度検出はサーミスタや半導体などで検出して、その検出値を用いて減衰量を制御したりゲート電圧を制御したりする。
また、広帯域信号の内の一部分の信号帯域を使用する場合に、周波数特性を改善するために、ゲート電圧や減衰器の減衰量をその一部分の周波数帯域の特性に合わせるように使用周波数に整合させて制御することも可能である。
図示はしていないが、ゲート電圧を変えて、合成特性を向上させる一例としての説明を行う。それぞれの増幅回路には、予め広帯域内のすべての部分周波数帯域に対する補完値なども含んだゲート電圧値がメモリ例えばROMなどに記憶されている。指定された周波数情報に従って、ゲート電圧値がメモリから呼び出されて増幅素子へ与えられる。
更に、温度センサを設けて、温度変化に対応する最適ゲート電圧を予めメモリに記憶させておき、指定された温度情報に従って、ゲート電圧値がメモリから呼び出されて増幅素子へ与えられる。なお、温度についての回路はアナログ回路によることもある。
図3は、本発明の実施例2に係る増幅器のブロック図である。本実施例の増幅器は、ピーク増幅回路5の入力側と減衰器54との間にプリアンプ55を挿入接続した点で実施例1と異なり、図1と同一の符号を有する構成要素は緒元を除き図1と基本的に同一である。
図1の増幅器の構成において、分配器21の入力(ウ)と一方の分配出力(ア)間の信号損失が多い場合には、増幅器全体の付加効率が悪くなる。
付加効率の定義は、出力負荷9の出力電力×(1−1/(増幅器全体のゲイン))÷増幅器全体の消費電力である。
そこで実施例2では、分配器21の入力(ウ)と一方の分配出力(ア)間の損失を少なくして、その分だけ、ゲインを大きくし、入力(ウ)と一方の分配出力(イ)間の損失(減衰)を大きくしてピーク増幅回路系の利得不足分をプリアンプ55で補償し付加効率を向上させるものである。
この場合には、ゲインが大きくなったが、プリアンプの消費電力分だけ増幅器全体の消費電力も増えるので、それでも付加効率が良くなる場合に有効である。但し、通常使用されるバックオフ7〜10dBの点ではプリアンプ55やピーク増幅器5が動作していないので付加効率は上がる。
図4は、本発明の実施例3に類似の増幅器のブロック図である。
本実施例の増幅器は、実施例2に対しキャリア増幅回路4の入力側と分配器21との間にプリアンプを挿入接続した点で異なるが、図3と同一の符号を有する構成要素は緒元を除き図3と基本的に同一である。
一般的な増幅器の使用例では、入力の小信号を大信号まで増幅しようとするものである。
その場合には、図1や図3の増幅器の前段などに、別のプリアンプを増幅器の入力に接続して全体性能を満足させようとしている。(図示はない。)
しかしながら、増幅器の入力側に接続された別のプリアンプと図1の増幅器の間の分配器21で信号に損失分が生じるので、増幅器全体での効率が低下する。
本発明の図4のように、合成増幅器としてのキャリア増幅回路4やピーク増幅回路5の直前にプリアンプ45,55を挿入接続することによって、増幅器全体での効率低下を改善することができる。
これと同時に、減衰器54の挿入接続による増幅素子のバイアスを調整して合成の最適化を図っても良い。
このようにして、本実施例によれば、入力レベルが小さいうちに分配するので、分配損失の絶対量が小さくて済み、付加効率は向上するのである。
図1,3,4の合成部(インピーダンス変換器64,65、ノード62)を構成するインピーダンス変換器64やインピーダンス変換器65を図5の回路に示されたような可変素子を有する位相器64、65に換えれば増幅器の調整が容易となる。
すなわち、図1,3,4の合成部は、プリント基板上にパターン形成されたストリップライン等にエッチング加工で行うので、インピーダンス変換器および接続線の電気長が固定化され、各増幅素子などの部品の定数偏差のために合成の調整が容易でない場合もある。
そこで、例としてディスクリート部品である3dBカプラなどによる反射形位相器400、500を使用して、これに接続される可変リアクタンス素子407,408,507,508の値を変化させて等価的に伝送線路の電気長を変えることが出来る。
また、可変リアクタンス素子407,408,507,508の代わりに、オープン,ショートの接続線を有する回路にして、歪発生を抑える方法もある。これであればプリント基板のパターンカットをするかしないかの回路構成とする。
図5ではインピーダンス変換器65,64を両方ともに位相器に換えたが、片方だけを移相器に換えても良い。
このように本実施例によれば、調整が容易になる増幅器である。
詳細な説明は省くが、更に図6に示されるようなマルチステージドハティ増幅器の構成も本発明に含まれる。複数のキャリア増幅回路(4−1〜4−k)および複数のピーク増幅回路(5−1〜5−m)を備えることができる。
入力を複数の分配信号に分配する場合でも当然分配器21は不等分配型,複数のキャリア増幅回路(4−1〜4−k)および複数のピーク増幅回路(5−1〜5−m)の任意の入力にプリアンプを挿入する場合、又は減衰器付の場合もある。
本発明は、移動通信又は固定通信に用いられる無線通信システムに適用されて通信事業
等に利用することができる。
本発明の実施例1に係る増幅器のブロック図である。 本発明の実施例1に係る増幅器の入出力特性図である。 本発明の実施例2に係る増幅器のブロック図である。 本発明の実施例3に係る増幅器のブロック図である。 本発明の実施例4に係る合成部のブロック図である。 本発明の実施例5に係る増幅器のブロック図である。 従来技術のドハティ増幅器のブロック図である。 ドハティ増幅器に係る理論上のコレクタ効率ないしドレイン効率を示す特性図である。 従来技術の改善されたドハティ増幅器のブロック図である。 A級、B級,C級の動作別の入出力特性図である。
符号の説明
1 入力端子
2、21 分配器
3、33 移相器
4 キャリア増幅回路
41 入力整合回路
42 増幅素子
43 出力整合回路
45 プリアンプ
5 ピーク増幅回路
51 入力整合回路
52 増幅素子
53 出力整合回路
54 減衰器
55 プリアンプ
6 ドハティ合成部
61 λ/4変成器
62 ノード(合成点)
64、65 インピーダンス変換器(伝送線路)
7、71 λ/4変成器
8 出力端子
9 出力負荷

Claims (3)

  1. 入力信号を分配器で分配して複数の増幅回路に入力し、該複数の増幅回路の出力を合成して出力とする増幅器であって、
    前記複数の増幅回路は、増幅素子をAB級で動作させる少なくとも一つの第1の増幅回路と、増幅素子をB級またはC級で動作させる少なくとも一つの第2の増幅回路とにより構成され、
    前記分配器の配分比を異ならせ、前記第1及び第2の増幅回路の出力をそれぞれ任意の長さの電気長を有する伝送線路からなるインピーダンス変換器を介して接続して前記合成とした増幅器。
  2. 入力信号を分配器で分配して複数の増幅回路に入力し、該複数の増幅回路の出力を合成して出力とする増幅器であって、
    前記複数の増幅回路は、増幅素子をAB級で動作させる少なくとも一つの第1の増幅回路と、増幅素子をB級またはC級で動作させる少なくとも一つの第2の増幅回路とにより構成され、
    前記分配器の配分比を異ならせ、前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の前に一方或いは両方にプリアンプを挿入接続し、前記第1、第2の増幅回路への入力信号レベルを互いに異ならせ、前記第1及び第2の増幅回路の出力をそれぞれ任意の長さの電気長を有する伝送線路からなる前記インピーダンス変換器を介して接続して前記合成とした増幅器。
  3. 前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方或いは両方のゲート電圧を温度により制御する第1の制御手段と、
    前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方の入力側に挿入接続される減衰器の減衰量を温度により制御する第2の制御手段と、
    前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方または両方の前記ゲート電圧を周波数情報により制御する第3の制御手段と、
    前記第1の増幅回路と第2の増幅回路の一方の入力側に挿入接続される前記減衰器の減衰量を前記周波数情報により制御する第4の制御手段と、
    の少なくとも一つがさらに追加されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の増幅器。
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