JP2007006049A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
放電型照明下において、照明の照度が高い状態で電子シャッターが動作された際に、照
明のエネルギー変化に対応した出力信号の変動を補正する機能を備えた固体撮像装置。
【解決手段】
放電型照明のエネルギー変動周期を検知し、検知した変動周期にあわせて全体露光期間
を決定する。全体露光期間を、一定の割合で有効露光期間(図1α)と無効露光期間(図
1β)に交互に分割し、有効露光期間の合計が実露光期間(実際のシャッタースピードに
対応した露光期間)と一致するように両露光期間を調整する。有効露光期間中にCMOS
センサーに蓄積された電荷はコンデンサ(FD)に蓄積されるが、無効露光期間に蓄積さ
れた電荷は排出される。全体露光期間が満了した際に、有効露光期間に蓄積された電荷の
みが電気信号に変換され、固体撮像装置の信号処理回路に対して出力される。
【選択図】 図1
Description
って画素信号を順次読み出すX−Yアドレス型固体撮像素子を用いた固体撮像装置におけ
る出力信号のレベル変動の補正方法に関する。
て、CCD(Charge Coupled Devices)センサーおよびCMOS(Complementary Metal
Oxide Semiconductor)センサーが広く知られている。このうち近年、技術改善によりC
MOSセンサーの感度が飛躍的に向上している。これにより、CMOSセンサーを用いた
撮像装置における出力信号のレベル変動を補正する際に、従来の補正方法では補正しきれ
ない補正範囲が出現するという問題が発生するようになってきた。
もとで行われる撮像において発生する現象である。放電型照明下において、画素又は走査
ライン単位で露光が行われるX‐Yアドレス型固体撮像素子(例えばCMOSセンサー)
を用いて撮像を行う場合、電荷の蓄積を行うタイミングが画素又は走査ラインごとに異な
る。このため、高速で電子シャッターを切った場合、シャッター期間が放電型照明のエネ
ルギー変動周期よりも短くなり、画素又は走査ラインごとに出力される信号の大きさにば
らつきが生じる。この結果、各走査ラインごとに異なるレベルの出力信号となり、撮像さ
れたデータに横縞ビートが出現する。これがレベル変動と呼ばれる現象である。
ィールド周波数、もしくはフレーム周波数の周期に一致または倍数にさせることにより、
レベル変動を補正することが可能である。しかし照明が高照度である場合、CMOSセン
サーの電子シャッターの露光期間をCMOSセンサーのフィールド周波数、もしくはフレ
ーム周波数の周期以下にしなければならないために一致させることができない。
照明周波数、光源のエネルギー変動周期、およびCMOSセンサーの走査ラインごとの露
光期間を、時間軸をもとに表した図である。同図(a)は光源の照明周波を、同図(b)
は光源のエネルギー変動周期を表している。同図(c)および同図(e)は、CMOSセ
ンサーの走査ラインごとの露光期間を表している。同図(d)および同図(f)は、走査
ラインごとに出力される信号の大きさ(エネルギー量)を表した出力波形である。
は等倍である)場合、同図(d)に示すように、走査ライン毎の出力信号の大きさは均一
になる。しかし同図(e)に示すように、露光期間Δt2がエネルギーが変動周期よりも
短い場合(例えば高速で電子シャッターが切られた場合など)、露光が行われるタイミン
グにより、走査ライン毎に蓄えられる光源のエネルギー量に差異が生じる。この結果、同
図(f)に示すように、主力波形の大きさに変動が生じる。このような状態で撮像された
データには、明るい横縞と暗い横縞とが走査ライン単位で交互に現れる。
による露光期間と、照明のエネルギーの周期とを一致させる(あるいは等倍にあわせる)
ことにより行っていた。しかしこの方法では、CMOSセンサーの感度が向上し、露光期
間が短くなると、上記のように補正できる範囲に限界が生じるという問題があった。この
結果、補正しきれない範囲における出力信号のレベル変動が発生し、撮像される画像の品
質が劣化する原因となっていた。
発生することはなかった。CCDセンサーのような電荷転送型固体撮像素子では、全画素
について同一時刻に信号電荷の蓄積が開始され、各画素から一斉に信号電荷が読み出され
る(図12参照)。従って、信号電荷の蓄積時間(露光期間)が全画素均一であり、走査
ライン毎のレベル変動は発生しない。
波数もしくはフレーム周波数の周期とが異なっている場合には(図12(b)および同図
(c))、フィールドもしくはフレーム単位でのレベル変動(フリッカー)が発生した。
これを補正する方法としては、電子シャッターの露光期間を放電型照明エネルギーの周期
と一致または倍数にさせる(同図(e))ことにより、フィールドもしくはフレーム毎に
発生するフリッカーを発生しないようにすることが可能であった。
、もしくはフレーム周波数の周期に一致または倍数にさせることができない場合、もしく
は照明が高照度の状況である場合でも、出力信号をフィールド周波数もしくはフレーム周
波数の周期でゲイン(増幅度)を変える事により、フリッカー補正を行うことが可能であ
った。
通り放電型照明のもとでは出力信号の大きさが走査ライン(或いは画素)ごとに変動する
(しかも照明の周波数が50Hzでも60Hzでも関係なく変動する)ため、CCDセン
サーと同じ方法ではレベル変動およびフリッカーの補正を行うことができない。また、高
照度であるほど変動も大きくなるため、高い感度が必要とされるデジタルカメラ等の固体
撮像装置のセンサーとして用いるには不向きであった。そのため、比較的補正が容易であ
るCCDセンサーが固体撮像素子として用いられるのが主流となっていた。
照明下の撮像において、高速の電子シャッターを切った際に発生するフリッカーを軽減可
能である固体撮像素子およびその駆動方法、並びに撮像装置が開示されている。
に分けて設定している。そして分割した各露光期間の露光開始点を、照明のエネルギー変
動周期をもとに規定している。例えば照明の周波数が50hzであり、かつ露光期間を二
分割する場合、照明のエネルギー変動周期(この場合は10msecが一周期)を二分割
し、5msecの二つの期間に分ける。そしてこの二つの期間の各開始点から、二回の露
光を、通常の半分の期間だけ行う。つまり一回目の露光を通常のタイミングで行い(ただ
し露光期間は通常の半分)、かつ二回目の露光を、照明のエネルギー変動周期の半分(こ
の例では5msec)だけ遅れたタイミングで開始する(こちらも露光期間は通常の半分
)。そして二回の露光で得られた電荷を積分して信号出力することにより、レベル変動お
よびフリッカーの補正を行っている。
が関連付けられていない。仮に露光期間が照明周波数の整数倍であれば、合計される信号
電荷の出力量が均一になり、十分な補正効果が得られるが、逆に整数倍でない場合は合計
される信号電荷の出力量は均一にならない。このため、レベル変動およびフリッカーの発
生を軽減することはできても、完全に防止することはできないという問題があった。
ォトダイオード)の間に垂直レジスタを設け、前記センサ部からの信号電荷を垂直レジス
タに転送した後、垂直レジスタに垂直転送クロックを与えることにより、上記信号電荷を
読み出すようにしたインターライン構造のCCDセンサーにおいて、露光期間を調整する
ための駆動方法が開示されている。
部から信号電荷を転送する電圧を与えることによって停止される撮像期間を設け、撮像期
間をN個(N≧2の整数)の期間に分割している。このN個に分割された期間は、それぞ
れ上記センサ部に蓄積された信号電荷を捨てる排出期間(無効露光期間)と、上記センサ
部に信号電荷を蓄積する蓄積期間(有効露光期間)とに分別されている。このうち、無効
露光期間を制御することでCCDの感度制御を行うとともに、垂直レジスタに転送された
信号電荷を、垂直レジスタに垂直転送クロックを与えることによって読み出すことを特徴
としたCCDセンサーの駆動方法が開示されている。
転送するか、或いは蓄えた信号電荷を基盤に排出するかを選択的に処理できる機構(例え
ば読み出しゲートや電荷排出機構など)を備えた電荷転送型固体撮像素子においてのみ実
現可能である。このため、CMOSセンサーのように走査ライン毎に信号を出力するX‐
Yアドレス型固体撮像素子では用いることができず、なんらかの改良、あるいは他機能と
の併用(例えばグローバルシャッターの採用など)が必要であり、単独では使用できない
という問題があった。
撮像装置において、エネルギー変動を伴う照明下の撮影におけるフリッカーの発生を抑制
でき、また移動体撮影時の歪みを軽減することが可能な撮像装置が開示されている。
に対応して、各垂直期間内で連続する所定の露光期間を設定している。設定した露光期間
と垂直同期周波数との位相差によって決定される所定の分割基数を選択し、露光期間を分
割基数の整数倍で割る。これにより決定される各分割点を起点として、同時または略同時
の露光動作及び信号読み出し動作を行ない、その読み出した信号を各画素毎に加算して撮
像信号を生成している。
らして蓄積電荷を読み出している。しかし分割した領域毎に蓄積電荷を積分するための外
部メモリが必要となるため、装置構成を追加もしくは変更する必要がある。また補正の精
度を上げるためには、分割する領域の数およびそれに付随する外部メモリの数を増やす必
要がある。この場合、処理および装置構成の複雑化(例えば外部メモリの増加によるコス
トの増大など)が避けられないという問題があった。
放電型照明(例えば蛍光灯、水銀灯等)のもとでCMOSセンサーによる撮像が行われ
た際に、照明のエネルギー量の変化によって引き起こされる出力信号のレベル変動(出力
信号量のばらつき)を補正する機能と、
照明の照度が高い放電型照明のもとでCMOSセンサーによる撮像が行われた際に、照
明のエネルギー量の変化によって引き起こされる出力信号のレベル変動を補正する機能と
、
放電型照明のもとでCMOSセンサーによる撮像が行われ、かつレンズの絞りによる入
射光の制御が不十分な際に、照明のエネルギー量の変化によって引き起こされる出力信号
のレベル変動を補正する機能と、
CMOSセンサーの感度向上により、従来の補正方法(フレームレートもしくは電子シ
ャッターの露光期間を、照明のエネルギー周期に合わせる方法)では補正しきれない範囲
の出力信号のレベル変動を補正する機能と、
を備えた固体撮像装置を提供することを目的とする。
放電型照明のエネルギー変動周期を検出する変動検出手段と、
撮像においてフレーム単位或いはフィールド単位で設定される露光期間を、前記変動検
出手段において検出された前記エネルギー変動周期を元に決定する露光期間決定手段と、
前記露光期間の間、X−Yアドレス型固体撮像素子を用いて光電変換した電荷を蓄積す
ることにより撮像を行う撮像手段と、
を備えた固体撮像装置において、
前記露光期間を複数の期間に分割する分割手段と、
前記分割手段で分割された前記露光期間を、有効露光期間と無効露光期間とに分別する
分別手段と、
前記撮像手段において前記露光期間に蓄積された電荷のうち、前記有効露光期間におい
て蓄積された電荷のみを選択的に積分し、得られた前記電荷をもとに電気信号を出力する
選択出力手段と、
を備えたことを特徴としている。
、検知した変動周期にあわせて全体露光期間(受光素子により電荷の蓄積を行う期間)を
決定する。全体露光期間を、一定の割合で有効露光期間と無効露光期間に交互に分割し、
有効露光期間の合計が実露光期間(実際のシャッタースピードに対応した露光期間)と一
致するように両露光期間を調整する。有効露光期間中にCMOSセンサー(X−Yアドレ
ス型画像撮像素子)に蓄積された電荷はコンデンサ(FD)に蓄積されるが、無効露光期
間に蓄積された電荷はFDに蓄積されず、排出される。全体露光期間が満了した際に、有
効露光期間に蓄積された電荷のみが電気信号に変換され、固体撮像装置の信号処理回路に
対して出力される。
前記変動検出手段において、被写体方向に向けた受光素子を用いて放電型照明のエネル
ギー変動周期を検出すること
を特徴としている。
蛍光灯等の放電型照明から照明のエネルギー変動周期を検知し、得られたエネルギー変動
周期にあわせて上記全体露光期間を決定する。
前記変動検出手段において、前記X−Yアドレス型固体撮像素子の出力信号中の光源の
エネルギー変動成分からエネルギー変動周期を検出することと、
前記エネルギー変動成分を一定期間保持することと、
を特徴としている。
灯等の放電型照明から、照明のエネルギー変動成分を検出して一定期間保持する。そして
エネルギー変動成分が変化する度に、前記エネルギー変動成分からエネルギー変動周期を
算出し、それをもとに前記全体露光期間を決定する。
前記撮像手段により蓄積された電荷のうち、前記無効露光期間において蓄積された電荷
を走査ライン単位で基板方向に排出すること
を特徴としている。
像素子において、前記無効露光期間に蓄積した電荷を、走査ラインを指定することにより
走査ライン単位で任意のタイミングで回路基盤方向に対して排出する。
CMOSセンサーを用いた固体撮像装置において、放電型照明下で撮影を行なわれ、な
おかつ放電型照明のエネルギー変動周期よりも露光期間が短い場合に、照明のエネルギー
変動周期に対応して出力信号の大きさにばらつきが生じるのを防ぐ(レベル変動およびフ
リッカーを補正する)ことが可能である。このため、蛍光灯等の放電型照明下で、感度の
高い撮像(露光期間の短い撮像)を行っても、正常な画像を得ることが可能である。この
ため、CMOSセンサーをCCDセンサーに変わる二次元イメージセンサーとして、例え
ば動画を主体とするカムコーダー等に採用することが可能である。また、いかなる照明下
(例えば高周波照明下)でもレベル変動およびフリッカーを補正し、正常な画像を得るこ
とが可能である。
照明周波数の検知を、PD等の受光素子を用いた検出部により行う。これにより、少な
い部材によって確実に照明周波数を検知し、それをもとに全体露光期間を設定することが
可能である。
照明周波数の検知を行うために検出部(例えばPD等)を用いず、既存のCMOSセン
サーと50/60Hz検出用回路とを用いて行う。このため、装置を構成する部材を減ら
し、装置のダウンサイジングおよびコストダウンを図ることが可能である。
例えば4Tr型CMOSセンサーのようにPDの電荷のリセットをリセットTrで行わ
ないCMOSセンサーにおいて、無効露光期間において蓄積された電荷(使用しない電荷
)の排出を走査ライン単位で任意のタイミングで行うことができる。このため、走査ライ
ン毎に独立して有効露光期間および無効露光期間に対応した電荷の蓄積および排出を行う
ことが可能である。
て、図面を参照しつつ説明する。
[実施の形態1]
〈1.固体撮像装置の電気回路システムの要部構成について〉
ここで、固体撮像装置1の電気回路システムの要部構成を図3のブロック図を用いなが
ら説明する。
ンサー11、照明周波数検出回路12、制御回路13、信号処理回路14、駆動回路15
、および記憶部21を含むように構成されている。
体)を利用したイメージセンサーである。入射光によって発生した信号電荷を各画素毎に
増幅し、各画素をX−Yアドレス方式で選択し、信号を電圧または電流として取り出すこ
とを特徴とする。従来のCCDセンサーに比べて約1/10の電力で動作し、単一の低電
圧で稼動することから、周辺回路との一体化も可能であるという特徴を持つ。CCDセン
サーに比べて感度に劣るという欠点を持っていたが、近年の技術改良により感度が向上し
つつある。
路である。CMOSセンサーが受けた入射光(照明)の周波数を特定する役割を持つ。照
明周波数検出回路12は、例えば図4に示すように、センサー(受光素子)31、アンプ
(増幅回路或いは増幅素子)32、50/60Hz検出回路33から構成されている。
から構成される部材であり、周波数を判別すべき照明を受光するために用いられる。セン
サー31は例えば固体撮像装置の前面に設置され、放電型照明の照明エネルギーを電荷に
変換する。アンプ32は、センサー31において蓄積された信号電荷を増幅して別回路に
対して送出するための増幅回路である。50/60Hz検出回路33は、アンプ32から
受けた信号電荷を元に、センサー31が受光した入射光の周波数が50Hzか或いは60
Hzかを判定するための回路である。
路14に組み込まれて構成されていてもよい。この場合、CMOSセンサー11において
受光した照明における信号の変動成分を50/60Hz検出回路33を用いて検出し、照
明の照明周波数を特定する。照明の周波数が判定されると、この周波数に応じた長さの露
光期間で電子シャッターが駆動される。
となるため、一度信号の変動成分を検出すると、それをトリガーにして次に照明が変化す
るまでホールドする必要がある。この処理を、図5に示すホールド回路34によって行な
っている。
て、固体撮像処理等を統括制御するものである。制御回路13は、照明周波数検出回路1
2により検出された信号をもとに、CMOSセンサー11の駆動を制御すると共に、信号
処理回路14において処理される信号のレベル変動を抑制する役割を持つ。
ータ(例えば画像データ)を作成して他回路に対して出力する処理を行う回路である。
。駆動回路は主に、制御回路からの命令を受けて、各種駆動命令の実行を行う。
であり、例えば不揮発性メモリ等により構成されている。
〈2.レベル変動およびフリッカーの補正方法について〉
ここで、本発明の固体撮像装置におけるレベル変動およびフリッカーの補正方法につい
て、図1と図2とを用いて説明する。
により、本処理が開始される(S1)。
を発生させるタイプの照明かどうかを判断する。変動が発生している場合、その周波数の
検出を行う(S2)。例えば、照明から受けた入射光をセンサー31を用いて信号電荷に
変換し、信号電荷を図4のアンプ32で増幅する。増幅された信号電荷をもとに、50/
60Hz検出回路33を用いて、照明周波数が50Hzか或いは60Hzかのいずれであ
るかを判定する。
)。高周波数点灯でない場合は、次のS4に移行する。高周波数点灯である場合は、図1
3に示すように、照明エネルギー変動周期(同図(b))に対し、CMOSセンサーのフ
ィールドもしくはフレーム周波数の周期(同図Δt)が大幅に長い。このため、信号の出
力波形(同図(d))が各水平走査ラインの露光期間(同図(c))に対応した照明のエ
ネルギー積分値となり、その変化は微小であり、ほとんどCMOSセンサーの出力変化は
発生しない。従ってレベル変動およびフリッカー補正の必要がないため、本処理を終了す
る。
使用する必要がないレベルの低照度である場合は、フレームもしくはフィールド周期を照
明エネルギーの周期の倍数に合わせることにより、出力波形の変動を発生させないように
することが可能である(S4a)。これにより、フリッカー補正を行うことができるため
、本処理を終了する。逆に高照度である場合(電子シャッターの露光期間を照明エネルギ
ーの周期より短くせねばならない場合)は、上記S4aの方法では、出力波形の変動を補
正することはできないため、次のS5に移行する。
周期の倍数に合わせるとともに(S5)、電子シャッターの全体露光期間(実際の露光期
間に関わらず、照明エネルギー周期の倍数の長さをとった仮の露光期間)を設定する(S
6)。例えば図1では、照明エネルギー周期(図1(b))の等倍の長さに全体露光期間
(図1(d)に示すΔt)が設定されている。
、電荷を蓄積する有効露光期間(図1(d)のうち、αで示す実線部分)と、電荷を蓄積
しない無効露光期間(図1(d)のうち、βに示す無線部分)とに分ける(S7)。
信号処理回路14を用いてデータへの変換を行う(S8)。図1に示すように、全体露光
期間は照明エネルギーの周期に合わせた電子シャッターの仮の露光期間であり、実際に利
用される電荷は無効露光期間を除去した期間(図1(d)のαに示す実線部分の合計)に
蓄積された電荷のみである。全体露光期間全体の長さは照明エネルギーの変動周期と同期
しているため、図1(e)に示すように、蓄積された電荷の大きさを示す出力波形はほぼ
均一になる。なお、分割数を多くするほど、出力波形の均一化はより高精度に行われるこ
ととなる。
〈3.回路構成について〉
上記〈2.レベル変動およびフリッカーの補正方法について〉のS7およびS8におい
て実行されている電荷蓄積方法(有効露光期間のみ電荷を蓄積し、無効露光期間の電荷を
排出する)を実施するためのCMOSセンサーの構成を図6および図7を用いて説明する
。
−sub(N型基盤)の上にP−well(P型基盤)を形成し、その上に不純物、例え
ば砒素(As:N型半導体)を注入してPDを形成する。さらに必要があれば、このPD
の上にP+層を形成して暗電流を抑えた埋め込み型のPDとすることも可能である。この
PDに隣接してフローティングディフュージョン(FD)と、前記PDの電荷をこのFD
に移動させるための信号読み出しゲート(G−sg)とが設けられている。
入射光を受けることによって蓄積された信号電荷のうち、有効露光期間に発生した電荷の
み、G−sgを用いてFDに移動させる(図7の矢印α)。無効露光期間に発生した電荷
はN−Subに排出される(図7の矢印β)。有効露光期間の電荷はとぎれとぎれに分割
されて蓄積されるため、これらをFDにおいて積分し、この積分された信号電圧を外部(
信号処理回路14)に対して出力する。
〈4.読み出しゲートの駆動について〉
図8は、上記〈3.回路構成について〉においてPDやG−sg、およびリセットゲー
ト(G−rs)を駆動するパルス波形と、P−wellに対して印加される電位(w)の
関係を示した図である。図中のΔtは、一フィールド或いは一フレームごとの全体露光期
間を示しており、照明エネルギー周期と一致または倍数にさせられている。φ-sgおよ
びφ-rsは印加されるパルスを、wは印加される電位を示している。
り、これが印加されることによりG−sgがONになる。これにより、図7の矢印αに示
すように、有効露光期間中に蓄積された電荷がFDに蓄積される。
が印加されることにより、FDに蓄積された電荷がリセットされる。次に、第1のφ-s
gにより第1の有効露光期間内に蓄積された電荷を読み出し、FDに蓄積する。
されることにより、無効露光期間中にPDに蓄積された電荷が図6に示すN−Subに排
出される。次に、第2のφ-sgにより、第2の有効露光期間内に蓄積された電荷を読み
出し、FDで重積される。
た電荷のみが、外部回路に対して出力される。
図7に示す画素回路における電荷の移動を模式的に表した図である。同図(b)は初期状
態を示している。この状態ではFDに前回処理の蓄積電荷が残留している可能性があるた
め、φ−rsをG−rsに印加することにより、リセットを行う(同図(c))。リセッ
ト終了後、入射光量に応じて光電変換された電荷がPDに発生する(同図(d))。
てφ−sgを印加することにより、PDの電荷をFDに移動させる(同図(e))。その
後、φ−sgの印加を停止させると、再びPDに入射光量による電荷が蓄積される状態に
なる。
llに対してwを印加することにより、電荷がN−Subに吸収され、PDの電荷が空の
状態になる(同図(f))。その後、wの印加を停止させると、再びPDに入射光量によ
る電荷が蓄積される状態になる。
仮に、再びG−sgにφ−sgが印加された場合、この電荷は先のFDに移された電荷の
上に重なって積分される(同図(g))。
蓄積された電荷のみが信号電荷として読み出されることとなる。このため、全体露光期間
は照明のエネルギー変動周期の倍数の長さに制限されるが、有効露光期間は自由に設定す
ることができる。以上のようにして、CMOSセンサーにおいて放電型の照明下で発生す
る出力信号の変動を抑えることが可能となる。
〈5.走査ライン毎の電荷排出方法について〉
上記の図9(f)において示されている、特定の走査ラインのみ排出処理を行う方法を
、図10を用いて説明する。図10は、CMOSセンサーの走査ライン毎の構造を示した
模式図である。図10(a)において点線で囲まれた部分が一つのP−Wellを表して
おり、PDを含む水平走査ライン単位に分離されて構成されている。つまり、一つの水平
走査ラインに対して一つのP−Wellが存在する構成となっている。これを断面図で示
したものが図10(b)である。図に示すように、N型のPDとP−WellとN−Su
bとで垂直方向にN−P−N型Tr(トランジスタ)部を構成している。
ell上のPDの電荷のみN−Subに排出される。排出を行う場合、水平走査ラインを
シフトレジスター(SR)で選択し、選択した水平走査ラインのP−Wellに対してw
を印加する。これにより、選択した水平走査ラインのPDのみ、電荷排出を行うことがで
きる。なお、SRは水平同期信号(HD)で駆動する。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも
上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において
様々に変形して実行することができる。
記憶媒体を、CMOSセンサーを備えた固体撮像装置に供給し、固体撮像装置のコンピュ
ータ(例えばCPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することに
よっても、達成されることは言うまでもない。
拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後
、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態
の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成するこ
とになる。
メラ、ビデオカメラ、カムコーダ、携帯電話、PDA、ノートパソコンなどを用いること
ができる。
ても、前述した実施形態の機能の実現が可能である。またワンチップカメラのような、回
路自体が一つの撮像装置として機能する回路においても実現可能であることはいうまでも
ない。
11 CMOSセンサー(X−Yアドレス型固体撮像素子)
12 照明周波数検出回路
13 制御回路
14 信号処理回路
15 駆動回路
21 記憶部
31 センサー(受光素子)
32 アンプ
33 50/60Hz検出回路
34 ホールド回路
Claims (5)
- 放電型照明のエネルギー変動周期を検出する変動検出手段と、
撮像においてフレーム単位或いはフィールド単位で設定される露光期間を、前記変動検
出手段において検出された前記エネルギー変動周期を元に決定する露光期間決定手段と、
前記露光期間において、X−Yアドレス型固体撮像素子を用いて光電変換した電荷を蓄
積することにより撮像を行う撮像手段と、
を備えた固体撮像装置において、
前記露光期間を複数の期間に分割する分割手段と、
前記分割手段で分割された前記露光期間を、有効露光期間と無効露光期間とに分別する
分別手段と、
前記撮像手段において前記露光期間に蓄積された電荷のうち、前記有効露光期間におい
て蓄積された電荷のみを選択的に積分し、得られた前記電荷をもとに信号を出力する選択
出力手段と、を備え、
前記変動検出手段において、被写体方向に向けた受光素子を用いて放電型照明のエネル
ギー変動周期を検出する、或いは前記X−Yアドレス型固体撮像素子の出力信号中の光源
のエネルギー変動成分を一定期間保持して前記エネルギー変動成分からエネルギー変動周
期を検出することと、
前記撮像手段により蓄積された電荷のうち、前記無効露光期間において蓄積された電荷
を走査ラインごとに基板方向に排出することと、
を特徴とする固体撮像装置。 - 放電型照明のエネルギー変動周期を検出する変動検出手段と、
撮像においてフレーム単位或いはフィールド単位で設定される露光期間を、前記変動検
出手段において検出された前記エネルギー変動周期を元に決定する露光期間決定手段と、
前記露光期間において、X−Yアドレス型固体撮像素子を用いて光電変換した電荷を蓄
積することにより撮像を行う撮像手段と、
を備えた固体撮像装置において、
前記露光期間を複数の期間に分割する分割手段と、
前記分割手段で分割された前記露光期間を、有効露光期間と無効露光期間とに分別する
分別手段と、
前記撮像手段において前記露光期間に蓄積された電荷のうち、前記有効露光期間におい
て蓄積された電荷のみを選択的に積分し、得られた前記電荷をもとに信号を出力する選択
出力手段と、
を有することを特徴とする固体撮像装置。 - 前記変動検出手段において、被写体方向に向けた受光素子を用いて放電型照明のエネル
ギー変動周期を検出すること
を特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。 - 前記変動検出手段において、前記X−Yアドレス型固体撮像素子の出力信号中の光源の
エネルギー変動成分からエネルギー変動周期を検出することと、
前記エネルギー変動成分を一定期間保持することと、
を特徴とする請求項2または請求項3に記載の固体撮像装置。 - 前記撮像手段により蓄積された電荷のうち、前記無効露光期間において蓄積された電荷
を走査ラインごとに基板方向に排出すること
を特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の固体撮像装置。
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