JP2007002533A - トラクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ローダを操作するローダ操作装置を、運転席の近傍で且つ運転者の乗降の妨げとならない位置に配備できるようにする。
【解決手段】トラクタ車体の前部に着脱自在なローダ装置を備えると共に後上部に運転席31を備え、該運転席31の両側に後輪フェンダ27をそれぞれ配備すると共に運転席31の前方に操舵装置33を配備し、該操舵装置33と運転席31の間にステップ35を敷設し、運転席31と一方の後輪フェンダ27の内側の間に変速操作部32を配備しているトラクタであって、変速操作部32の前方であって、ステップ端部に設けられた乗降口Eよりも後方で且つ運転席31に着座した運転者の脚置き位置の外側方となる位置に、ローダ装置を操作するローダ操作装置17を配備している。
【選択図】図4

Description

本発明は、車体の前部にローダ装置を備えたトラクタに関するものである。
従来、車体の前部にフロントローダ等のローダ装置を備えたトラクタにおいては、運転席の一側方に主変速レバー等のレバー群が配備され、該主変速レバーの前方にローダ装置を操縦するローダ操作装置が配備されているものが知られている。例えば特許文献1に開示されているトラクタによれば、運転席の一側方に位置する後輪フェンダの前端部に取付ブラケットを運転席に向けて突出状に設け、該取付ブラケットの先端部に上下方向に筒軸を有する支持筒を設け、該支持筒にく字状に屈曲させた支持杆を回動調整自在に挿入し、該支持杆の先端部にフロントローダ用の操縦装置(ローダ操作装置)を配備している。
実開平5−46677号公報
しかしながら、上記特許文献1のローダ操作装置においては、運転者が乗降する度に支持杆を回動させて乗降路となるべき空間から移動させる必要がある。
そこで、本発明は、ローダを操作するローダ操作装置を、運転席の近傍で且つ運転者の乗降の妨げとならない位置に配備できるようにしたトラクタを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、トラクタ車体の前部に着脱自在なローダ装置が装着されると共に後上部に運転席が備えられ、該運転席の両側に後輪フェンダがそれぞれ配備されると共に運転席の前方に操舵装置が配備されており、該操舵装置と運転席の間にステップが敷設され、運転席と一方の後輪フェンダの内側の間に変速操作部が配備されているトラクタであって、
前記変速操作部の前方であって、ステップ端部に設けられた乗降口よりも後方で且つ運転席に着座した運転者の脚置き位置の外側方となる位置に、前記ローダ装置のコントロールバルブを操作するローダ操作装置が配備されていることを特徴とする。
これによれば、ローダ操作装置は、変速操作部の前方で且つ運転者の乗降や着座した状態での脚の移動の妨げとなることのないスペースに配備されることとなる。このため、ローダ操作装置が運転者の乗降を妨げることはなく、また、運転空間がローダ操作装置の配備によって狭められてしまうこともない。
また、前記ローダ操作装置は、前記変速操作部に配備された1又は複数の変速レバーの動作を案内する変速ガイドよりも前側であって且つ前記一方の後輪フェンダの前上部に配備されていることが好ましい。
これによれば、ローダ操作装置が前記一方の後輪フェンダの前上部に配備されることとなるため、該ローダ操作装置がステップ側に突出することはなく、運転空間の更なる有効利用が図られるのである。
また、前記ローダ操作装置は、前記変速ガイドの前部に着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
これによれば、ローダ操作装置の着脱に際し変速ガイドを運転席の側方から取り外す必要はなく、ローダ操作装置の着脱が簡便なものとなる。
さらに、前記トラクタ車体の後上部には、運転席、操舵装置、変速操作部及びローダ操作装置を包囲するキャビンが配備されていることが好ましい。
これによれば、ローダ操作装置は、キャビン内にて上述如き位置に配備されることとなり、キャビン内の空間の有効利用が図られ、該空間の居住性を向上させることができる。
本発明のトラクタによれば、ローダを操作するローダ操作装置を、運転席の近傍で且つ運転者の乗降の妨げとならない位置に配備できるのである。
以下、本発明をトラクタ1に実施した形態につき、図面を参照して説明する。
図10に示す如く、本発明を実施したトラクタ1は、トラクタ車体2と、該トラクタ車体2の前部に着脱自在に配備されたローダ装置(フロントローダ)3と、トラクタ車体2の後上部に配備されたキャビン4とから構成されている。
トラクタ車体2は2軸4車輪形であって、左右一対の前輪5と左右一対の後輪6とを備えている。該左右一対の前輪5は操向輪であると共に駆動可能であり、ここに四輪駆動トラクタとされているが、前輪5への動力伝達を断つことにより二輪駆動とすることも可能である。
また、トラクタ車体2は、エンジンの後部にクラックハウジングを介してミッションケース7を連結する構成を有しており、エンジン及びラジエータ等のエンジン補器は開閉自在に配備されたボンネット8によって被われている。
ローダ装置3は、ボンネット8を挟んで配備された左右一対のマスト10の上部にブーム11を上下揺動自在に枢支し、左右一対のブーム11の先端にバケット12を上下揺動自在に枢支して構成されている。左右一対のマスト10は、トラクタ車体2の左右両側に固定された取付台13に取付固定されており、ここに、ローダ装置3はトラクタ車体2に着脱自在とされている。また、マスト10の上下中途部とブーム11の中途部との間にブームシリンダ14aが配備されると共に、ブーム11の中途部とバケット12の背面との間には、バケット12を上下揺動させるためのバケットシリンダ14bが設けらている。
なお、これらのシリンダは油圧シリンダによって構成されている。
また、左右一対のマスト10の何れか一方(本実施の形態においては右方)には、コントロールバルブ15が配備されている。該コントロールバルブ15は、油圧ホースを介してブームシリンダ14a及びバケットシリンダ14bに接続されると共に、油圧ホースを介して油圧ポンプ(図示省略)に接続されており、筐体内に配備されたスプールの押し引き動作によってブームシリンダ14a及びバケットシリンダ14bに択一的に又は同時に圧油を供給することが可能となっている。また、該コントロールバルブ15は、ワイヤ連動手段16に連結されている。該ワイヤ連動手段16は、プッシュプルワイヤ又はボーデンワイヤ等で形成されてキャビン4に向けて伸びており、該キャビン4の内部に配備されたローダ操作装置17に連結されている。
キャビン4は、前記ミッションケース7に突設された支持台上にマウントゴムを介して支持されている。
図2及び図3に示す如く、キャビン4は、骨格となるキャビンフレーム20を有し、該キャビンフレーム20は、前部に配備された左右一対の前支柱21と、後部に配備された左右一対の後支柱22と、左右一対の後支柱22の下端を連結する後梁材23と、左右各後支柱22の下端側から前下方に向けて前支柱21の下端まで延びる左右一対の側梁材側梁材24と、左右一対の前支柱21の上端及び左右一対の後支柱22の上端を連結する屋根梁材(図示省略)とを備えている。
該左右一対の側梁材24は、後輪6に略沿うように前上方に向けて湾曲する湾曲部24aと、該湾曲部24aの先端から前支柱21の下端側に延びる横架部24bとから構成されている。また、左右一対の前支柱21の下端部には、対向する前支柱21に向けて延びる前梁材25がそれぞれ連結されている。
また、左右一対の前支柱21の間の左右方向中央部且つ上下方向やや下方には、板状の前パネル26が配備されており、該前パネル26の側下端部には、前梁材25がそれぞれ連結されている。
また、側梁材24の湾曲部24aには、後輪6の泥よけとなる後輪フェンダ27がそれぞれ連結されており、該後輪フェンダ27は、側梁材24の湾曲部24aに沿って湾曲して後輪6を後上方から前方までを覆う湾曲部27aと、該湾曲部27aに連結されて後輪6の内側面と対向する側壁部27bとを有している。
また、図6に示す如く、前支柱21の下端、前梁材25、側梁材24及び前パネル26及び後輪フェンダ27は、板状の底部板28に連結されており、底部板28の後部には平坦部29aを備えた座板29が立ち上がって配備されている。
また、図2及び図4に示す如く、左右方向で同じ側にある前支柱21と後支柱22との間は乗降口Eとされ、該前支柱21と後支柱22との間には該後支柱22に枢支されたドア30が配備されている。
図3及び図6に示す如く、キャビン4の内部は運転者の運転空間とされ、左右一対の後輪フェンダ27の間で且つ前記座板29の上方に配備された運転席31と、該運転席31の右側から右側の後輪フェンダ27の上方に亘って配備された変速操作部32と、運転席31の前方に配備された操舵装置33とを備えている。該操舵装置33には運転席31と対向する位置にハンドル34が配備されている。
また、図4に示す如く、運転席31と操舵装置33の間には、底部板28を覆うステップ35が敷設されており、該ステップ35は、これら運転席31と操舵装置33の間に配備されて前記座板29及び前パネル26に連接されてこれらの間を覆うと共に、前梁材25と後輪フェンダ27に連接されてこれらの間を覆っており、該ステップ35の側端部は前記乗降口Eまで延設されている。
運転席31は、図2に示す如く、前記座板29の平坦部29a上に運転席支持体36を介して配備されており、左右の乗降口Eに向けて揺動自在とされている。
変速操作部32は、図4及び図6に示す如く、運転席31の右側部から右側の後輪フェンダ27の上方に亘って設けられており、前部に主変速レバー41と、副変速レバー42と、ハンドアクセルレバー43と、補助コントロールレバー44とを備え、これらのレバー41〜44の基部側は変速ガイド45によって覆われている。また、これらのレバー41〜44の各基部は、変速ガイド45に内装された状態で前記後輪フェンダ27の内側に取り付け支持された図3に示すレバー枢支部材46に枢支されている。また、レバー枢支部材46の前部には、取付具46aを介して平板状のブラケット47が配備されている。
また、該変速操作部32は、後部にPTOレバー48と、ポジションレバー49と、ドラフトレバー50とを備えており、これらのレバー48〜50の基部側も変速ガイド45に覆われている。
図2、図4及び図6に示す如く、変速ガイド45は運転席31の右側方を後輪フェンダ27の前方から後方に亘って覆うカバー状に形成されており、側梁材24の湾曲部24a及び後輪フェンダ27の湾曲部27aに沿ってこれら側部材24の湾曲部24a及び後輪フェンダ27を覆うフェンダ覆い部51と、主変速レバー41、副変速レバー42、ハンドアクセルレバー43及び補助コントロールレバー44の動作を案内する第1レバー案内部52と、ポジションレバー49及びドラフトレバー50の動作を案内する第2レバー案内部53とを備えている。
また、フェンダ覆い部51と第1レバー案内部52の外側方の間には、上方突出状にスイッチ部54が設けられており、該スイッチ部54を介してフェンダ覆い部51と第1レバー案内部52とが連結されている。また、第1レバー案内部52の後方には、後輪フェンダ27の湾曲部27aに沿ってキャビン4の後部に伸び且つキャビン4の下方から上方に向かうに連れてキャビン4の外側方に向けて傾斜する傾斜壁部55が設けられており、該傾斜壁部55にPTOレバー49を案内するPTOレバー案内部56が突出状に設けられている。
また、第1レバー案内部52及び傾斜壁部55の運転席側の縁部には、キャビン4の下方に向けて伸びて運転席31と対向する縦壁部57が連接されている。該縦壁部57の前部は、図2に示す如く第1レバー案内部52の縁部の形状に沿って湾曲しつつキャビン外側方に伸び、前記フェンダ覆い部51及びスイッチ部54に連接されている。また、縦壁部57の後部は、図5に示す如く第1レバー案内部52の後方にてキャビン4の外側方に向けて屈曲して前記傾斜壁部55に連結され、キャビン4の後方から前方に向かうに連れてキャビン4の前方に向けて湾曲する形状に形成された前記第2レバー案内部53に連結されている。
図4に示す如く、第1レバー案内部52はキャビン4の前方に突出する凸円弧状に形成されている。ここで、第1レバー案内部52は、フェンダ覆い部51の先端部からキャビン4の後方に向けて距離Lだけ後退した位置に縁部52aの先端を有している。該縁部52aは、キャビン外側方側に伸びて平面視でフェンダ覆い部51の上方に位置してスイッチ部54に連接されると共に、運転席側に伸びてステップ35の上方に僅かに突出しつつキャビン4の後方に向けて延設されており、これによって、第1レバー案内部52は、平面視で乗降口Eの後端と運転席31とを結ぶ図中の直線Pよりもキャビン後方側に位置している。
また、図5に示す如く、第1レバー案内部52の下方に前記レバー枢支部材46が位置することとなり、縦壁部57には、図2に示す如く、第1レバー案内部52の前下部にて前記ブラケット47と対向することとなる位置に開閉自在な開口58が形成されている。
また、図4中に示す直線Pは、運転席31に運転者が着座した場合の脚置き位置の最外縁として捉えることも可能であり、これによって、第1レバー案内部52は、乗降口Eよりも後方で且つ運転席31に着座した運転者の脚置き位置外側方となる位置に配置されることとなり、該第1レバー案内部52の前方には、後輪フェンダ27の上方であって且つステップ35の側縁に略沿うスペースSが設けられることとなる。
そして、該スペースSに前記ローダ装置3を操作するローダ操作装置17が配備されているのである。
該ローダ操作装置17は、着脱自在可能なカセット式のものであって、図5に示す如く、ローダレバー61と、該ローダレバー61を揺動自在に支持する支持体62と、ローダレバー61の動作を案内すると共に支持体62を覆う装置カバー63とを備えており、図10に示す如く、ワイヤ連動手段16を介してコントロールバルブ15に連結されている。
図7〜図9に示す如く、支持体62は、ローダレバー61の支持機構及び該ローダレバー61の動作をワイヤ連動手段16に伝達する伝達機構を収容している筐体64と、該筐体64を支持する支持フレーム65とから構成されている。筐体64は上下方向に伸びる直方体状に形成されており、上端部からローダレバー61が上方突出状に設けられ、下端部にはワイヤ連動手段16を連結するための連結部64aが設けられている。また、該筐体64の上端部及びローダレバー61の基端部は、ローダレバー61の動作に伴って伸縮する蛇腹体66に覆われている。
支持フレーム65は、板金材を折り曲げて形成されており、筐体64の前面と対向する前板部67と、筐体64のキャビン外側方側の側面と対向する側板部68と、筐体64の後部と対向する後板部69とを有しており、筐体64は、前面を前板部67に及び前記側面を側板部68に当接させた状態で支持フレーム65内に収められ、前板部67から後板部69に亘って配備されるボルト等の締結具70に挿通されて該支持フレーム65に支持されている。また、筐体64の後面と支持フレーム65の後板部69との間には、締結具70に挿通されたブッシュが介在している。
また、支持フレーム65の後板部69は、図7及び図9に示す如く、前記運転席側に向けて延設された連結部69aを有しており、該連結部69aがボルト等の締結具71及びブッシュ72を介してブラケット73に支持されている。これによって支持体62は、ブラケット73及びレバー枢支部材46を介して後輪フェンダ27に支持されることとなる。
また、図8及び図9に示す如く、支持フレーム65は、前板部67の下縁からキャビン4の下方に向けて伸びる垂れ板部74を有しており、該垂れ板部74には、バケットレベリング装置(図示省略)を入切するためのバケットレベリング制御レバー75が揺動自在に支持されている。
該バケットレベリング装置は、バケット12によってすくい上げた土砂等をこぼすことなく運ぶために、ブーム11によって上方に持ち上げたバケット12の姿勢を制御して該バケット12のすくい口を上方に向けた状態で水平に保つためのものであって、プッシュプルケーブル76を介してバケットレベリング制御レバー75に連結されている。
前記支持フレーム65の垂れ板部74は、上下方向中途部に上下方向に伸びる長孔74aと、背面側に長孔74aに隣接して配備された突状部74bとを有し、前記バケットレベリング制御レバー75は、長孔74aに挿通された状態で中途部が突状部74bに揺動自在に支持されている。また、バケットレベリング制御レバー75の後端部には、前記プッシュプルケーブル76のケーブル76aが取り付けられると共に、該プッシュプルケーブル76の外筒体76bは垂れ板部74の先端をキャビン4の後方に向けて略直角に屈曲して形成した屈曲部74cに支持されている。
これによってバケットレベリング制御レバー75は、支持フレーム65から前方突出状に配備されると共に上下方向揺動自在とされ、該バケットレベリング制御レバー75を引き上げることによりバケットレベリング装置は切状態とされ、バケット12の水平制御機構は機能しない。一方、バケットレベリング制御レバー75を引き下げることによりバケットレベリング装置は入状態とされ、これによって作業時のバケット12の姿勢を水平に保つことができる。
装置カバー63は、図1及び図5に示す如く、支持体62の前面及び両側方を覆う形状に形成されており、支持体62の上部及び蛇腹体66を露出させる開口部81を備えた上面部82と、支持体62を運転席側の側面から前面及びキャビン外方側の側面までを覆う側面部83と、前記変速ガイド45の第1レバー案内部52の縦壁部57に略沿う凹円弧状に切り欠かれた背部84とを有しており、該背部84を該縦壁部57に嵌合させることにより変速ガイド45の第1レバー案内部52に連結されている。
該装置カバー63の上面部82は、運転席側に向けて低く傾斜状に形成されると共に、図4に示す如くキャビン4の前方に向けて凸円弧状とされており、該上面部82の縁部は、運転席側の端部から前方に向けて前記直線Pに沿って伸びると共に前方に凸円弧状に屈曲しつつキャビン外側方側に向けて伸び、該キャビン外側方側にて変速操作部32のフェンダ覆い部51の外側縁に沿ってキャビン4の後方に伸びている。
また、装置カバー63の側面部83は、前記キャビン4の上面部82の縁部からキャビン4の下方に向けて略垂直に伸びており、平面視でステップ35に面して(沿って)伸びる内側面83aと、該内側面83aの前端部からキャビン外側方に伸びて変速ガイド45のフェンダ覆い部51の内面側前上部に略沿う前面83b及び外側面83cとを有している。また、側面部83の前面83bには、支持フレーム65の垂れ板部74の長孔74aと対向する位置に前記バケットレベリング制御レバー75を挿通させるための切欠き部83dが下端を該前面83bの下端縁に連結させた状態で形成されている。
ローダレバー61は、先端部に把持部61aを有すると共に、中途部に該把持部61aを主変速レバー41の上方に位置させるべく該上方に向けて屈曲する屈曲部61bを有している。ローダレバー61の中途部に屈曲部61bを設けることにより、該ローダレバー61の把持部61aは主変速レバー41の動作範囲を廻り込んで該主変速レバー41の把持部61aの上方に位置することとなり、これによって、主変速レバー41とローダレバー61においては、一方のレバーが他方のレバーの動作の妨げとなることはない。
該ローダ操作装置17の変速操作部32への取付は、図5に示す如く、先ず、変速ガイド45の第1レバー案内部52の縦壁部57の開口58を開放し、該開口58を介して変速ガイド45に内装されているブラケット47と支持体62とを対向させる。そして、該ブラケット47にブッシュ72を介して支持体62の支持フレーム65の後板部69を固定し、これによって支持体62を変速ガイド45前部に取り付ける。
次に、該支持体62を覆う装置カバー63を取り付ける。このとき、図4及び図6に示す如く装置カバー63の背部84を変速ガイド45の第1レバー案内部52の縦壁部57に嵌合させると共に装置カバー63の側面部83をフェンダ覆い部51の内側面に沿わせて該装置カバー63を取り付けることにより、装置カバー63は変速ガイド45に収まりよく連結されることとなり、これによって、ローダ操作装置17の支持体62及び装置カバー63が前記スペースS内に収容されると共に変速ガイド45と一体的に連結されるのである。
また、装置カバー63の側面部83の前面83bに形成された切欠き部83dが該前面83bの下端縁に連結されて形成されているため、該切欠き部83dの下端から支持体62に配備された状態のバケットレベリング制御レバー75を嵌め込むことができる。これによって、装置カバー63の装着前に支持体62にバケットレベリング制御レバー75を組み付けることができ、該バケットレベリング制御レバー75の支持体62への配備が容易なものとなる。また、ローダ操作装置17を取り外す場合にも、バケットレベリング制御レバー75を支持体62から取り外すことなく装置カバー63を支持体62から取り外すことができ、装置カバー63の着脱作業が簡便なものとなる。
なお、装置カバー63は、ボルト等の締結具を介して支持体62に取付支持されているが、該装置カバー63を変速ガイド45に固定する構成としても構わない。
そして、支持体62にローダレバー61を取り付けることにより、ローダ操作装置17は、図4に示す如く変速操作部32の前方であってステップ35端部に設けられた乗降口Eよりも後方で且つ運転席31に着座した運転者の脚置き位置の外側方となる位置に配備されることとなる。
ここで、図2及び図4に示す如く、ローダレバー61の把持部61aは、平面視で主変速レバー41の前方であって正面視で該主変速レバー41及び副変速レバー42の上方となる位置に配置されており、ローダレバー61と主変速レバー41とが互いに隣接した位置に配備されることとなるものの、一方のレバーが他方のレバーの動作を干渉することはない。
本実施の形態によれば、ローダ操作装置17が後輪フェンダ27の前上部であって変速ガイド45の第1レバー案内部52の前方に設けられたスペースS内に収容される。該スペースSは、ステップ35の上方に突出することなく後輪フェンダ27の上方に設けられており、該スペースSにローダ操作装置17が収容されることにより、該ローダ操作装置17が乗降口Eと運転席31の間を往復する運転者の移動や該運転席31に着座した運転者の脚の移動の妨げとなることはない。
また、上記スペースSは、キャビン4の内部にて運転席31に着座した運転者の手が届き難く且つ運転者の視線から隠れる部位であるとも言え、該スペースSにローダ操作装置17を配備することにより、ローダ操作装置17を配備しない場合に比してキャビン4内の運転空間が大幅に狭められてしまう虞はなく、ローダ操作装置17を配備した場合にも該運転空間を快適性が維持されることとなるのである。
しかも、ローダ操作装置17の装置カバー63が変速ガイド45の第1レバー案内部52及びフェンダ覆い部51に収まりよく連結されている。このため、ローダ操作装置17が違和感なく変速操作部32に連接されてカセット式のローダ操作装置17と予めキャビン4に配備されている変速操作部32との一体感が向上し、これによってキャビン4内部の運転空間の快適性が向上すると共に運転者の操作性の向上が図られるのである。
また、図2に示す如く、主変速レバー41の把持部41aは、運転者が運転席31の肘掛け31aに肘を載せた状態で操作可能とすべく、該肘掛けの斜め前方で且つ該肘掛けの低位となる位置に配備されている。ローダ操作装置17は、ローダレバー61の把持部61aが該主変速レバー41の上方となる位置に配備されているため、運転者は肘掛け31aに肘を乗せた状態でローダレバー61をも操作可能となり、これによって、これら2つのレバーを連続して操作する作業を行った場合にも、運転者の疲労が大幅に低減されることとなるのである。
以上、本発明をトラクタ1に実施した形態を詳述したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、ローダ装置3をトラクタ車体2の前部に着脱不能に取り付け、ローダ操作装置17を予めキャビン4内部に着脱不能に配備した構成としても構わないが、ローダ操作装置17をローダ装置3と同様着脱自在とし、これらローダ操作装置17とローダ装置3とを一組として販売することが好ましい。もちろん、これらローダ操作装置17とローダ装置3とを別々に販売することも可能である。
また、変速ガイド45は一体成形とされているが、フェンダ覆い部51、第1レバー案内部52、第2レバー案内部53等、複数の部分に分割したものを連結することによって形成することもできる。また、変速操作部32の複数のレバー及び該複数のレバーとローダレバー61の配置関係は作業の実情や変速操作部32の形状に合わせて適宜変更が可能である。
また、変速操作部32は運転席31の左方に配備した構成とすることもでき、ドア30を前支柱21に開閉自在に枢支した構成とすることもできる。
また、本実施の形態はキャビン4を備えたトラクタ1に採用しているが、キャビン4の代わりにロプスを備え、運転席31と後輪フェンダ27の間に変速操作部32を設けたトラクタに採用しても、本実施の形態と同様の効果を有する。
ローダ操作装置及びその周囲を示す斜視図である。 キャビンの右側を示す正面図である。 変速ガイドを取り付けない状態でキャビンの右側を示す平面図である。 変速ガイドを取り付けた状態でキャビンの右側を示す平面図である。 変速ガイド及びローダ操作装置を分解して示す側面図である。 変速操作部側のキャビン内部を示す側断面図である。 ローダ操作装置の平面図である。 ローダ操作装置の左側図である。 ローダ操作装置の正面図である。 トラクタの右側図である。
符号の説明
1 トラクタ
2 トラクタ車体
3 ローダ装置
4 キャビン
17 ローダ操作装置
31 運転席
32 変速操作部
33 操舵装置
34 ハンドル
35 ステップ
41 主変速レバー
45 変速ガイド
46 レバー枢支部材
47 ブラケット
61 ローダレバー
62 支持体
63 装置カバー
64 筐体
65 支持フレーム
75 バケットレベリング制御レバー
E 乗降口
S スペース

Claims (4)

  1. トラクタ車体の前部に着脱自在なローダ装置が装着されると共に後上部に運転席が備えられ、該運転席の両側に後輪フェンダがそれぞれ配備されると共に運転席の前方に操舵装置が配備されており、該操舵装置と運転席の間にステップが敷設され、運転席と一方の後輪フェンダの内側の間に変速操作部が配備されているトラクタであって、
    前記変速操作部の前方であって、ステップ端部に設けられた乗降口よりも後方で且つ運転席に着座した運転者の脚置き位置の外側方となる位置に、前記ローダ装置のコントロールバルブを操作するローダ操作装置が配備されていることを特徴とするトラクタ。
  2. 前記ローダ操作装置は、前記変速操作部に配備された1又は複数の変速レバーの動作を案内する変速ガイドよりも前側であって且つ前記一方の後輪フェンダの前上部に配備されていることを特徴とする請求項1に記載のトラクタ。
  3. 前記ローダ操作装置は、前記変速ガイドの前部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のトラクタ。
  4. 前記トラクタ車体の後上部には、運転席、操舵装置、変速操作部及びローダ操作装置を包囲するキャビンが配備されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のトラクタ。
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