JP2007001055A - 高誘電率材シートの製造方法、配線基板の製造方法、粒体の配列方法、突出部の形成方法 - Google Patents

高誘電率材シートの製造方法、配線基板の製造方法、粒体の配列方法、突出部の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量化が容易な高誘電率材シートを、簡単にかつ確実に得ることができる高誘電率材シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】高誘電率材シート20は、位置決め工程、転写工程、固着工程及び露出工程を経て製造される。位置決め工程では、治具に誘電体粒22を保持させることで、誘電体粒22を二次元的にかつ単層状に配列させる。転写工程では、治具上にて位置決めされた誘電体粒22をキャリア材上に転写する。固着工程では、転写された誘電体粒22同士を有機樹脂材料23で固着して誘電体層21とする。露出工程では、誘電体層21の表面117,118にて誘電体粒22の一部を露出させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高誘電率材シートの製造方法、配線基板の製造方法、粒体の配列方法、突出部の形成方法に関するものである。
近年における電子機器の高性能化や小型化の要求は高く、このような要求が高まるにつれて電子部品の高密度化や高機能化に対する要求も確実に高くなってきている。それゆえ、配線基板における電子部品の実装効率を上げるために、例えば、配線基板埋込用の電子部品(キャパシタなど)が各種提案されている。
ところで、配線基板埋込用のキャパシタは、一般的にはセラミック焼結体からなる高誘電率シートを電極で挟んだ構造を有している(例えば、特許文献1参照)。高誘電率シートは、未焼結の誘電体セラミックを含むグリーンシートを焼成することによって製造される。このようにすれば、高誘電率材シートの誘電率を比較的容易に高くすることができ、高容量のキャパシタを容易に製造できる。しかし、上記の配線基板は、グリーンシートを電極形成用金属とともに高温で所定時間焼成して高誘電率材シートを作製した後、電極が形成された高誘電率材シートを配線基板の絶縁層中に埋め込むことにより製造される。しかし、金属とセラミックとでは、焼成収縮の割合や熱膨張係数が互いに異なるため、製造時にソリ、剥れ等が発生しやすい。よって、信頼性の高いキャパシタ内臓配線基板を製造することができない。
高温で焼成を行わずに製造されるキャパシタ(キャパシタ層)としては、例えば有機樹脂材料中に高誘電体粒子を分散させたキャパシタ(キャパシタ層)が従来提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。例えば、図31に示されるように、キャパシタ121は、誘電体層122と、同誘電体層122の上面及び下面に形成された電極123とを備えている。また、誘電体層122は、チタン酸バリウムからなる誘電体粒子124と、有機材料からなる層間絶縁材125とを混合することにより形成される。なお、キャパシタ121は、可能な限り高い静電容量を有することが求められる。そのためには、例えば誘電体粒子124として、比誘電率の高いものを使用することが好ましいと考えられている。
特公平6−14580号公報 特開2003−292733号公報 特開2004−292848号公報(図3など)
ところが、従来のキャパシタ121の誘電体層122は、誘電体粒子124と層間絶縁材125との混合により形成されるため、両電極123間には、誘電率の高い誘電体粒子124のみが介在するのではなく、誘電体粒子124よりも誘電率が相対的に低い層間絶縁材125がどうしても介在してしまう。その結果、両電極123間に誘電率の低い部分が存在することとなるため、たとえ誘電率の高い誘電体粒子124を用いたとしても、キャパシタ121全体の誘電率を期待するほど高くすることができない。ゆえに、上記のキャパシタ121の製造方法では、キャパシタ121全体の高容量化が困難である。なお、上記のキャパシタ121の製造方法では、誘電体層122と電極123との密着強度が十分に得られないため、密着強度を高くできる製造方法が望まれている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、高容量化が容易な高誘電率材シートを、簡単にかつ確実に得ることができる高誘電率材シートの製造方法を提供することにある。第2の目的は、高容量化が容易なキャパシタを埋め込んだ配線基板を、簡単にかつ確実に得ることができる配線基板の製造方法を提供することにある。
そして、上記課題を解決するための手段(手段1)としては、治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、前記複数の位置決め部に複数の誘電体粒を保持させることで、前記複数の誘電体粒を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる位置決め工程と、付着層を有するキャリア材を用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の誘電体粒を前記付着層上に転写する転写工程と、転写された前記複数の誘電体粒同士を有機樹脂材料で固着して誘電体層とする固着工程と、前記誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程とを含むことを特徴とする高誘電率材シートの製造方法がある。
従って、手段1の製造方法によれば、位置決め工程において誘電体粒が治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列されるため、固着工程にて形成される誘電体層において誘電体粒が存在する部分においては、誘電体層の厚さ方向に沿って誘電体粒のみが配置される。従って、高誘電率材シート全体の誘電率を高くしやすくなるため、高容量化が容易な高誘電率材シートを、簡単にかつ確実に得ることができる。
また、誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程を実施している。このため、誘電体粒の露出部分に他層(電極となる金属層など)を直接形成することができる。よって、誘電体粒と他層との間に低誘電率物質が介在している場合に比べて、高容量化が容易な高誘電率材シートを得ることができる。
さらに、位置決め工程において複数の誘電体粒が治具の複数の位置決め部に保持されるため、複数の誘電体粒を確実に配列できる。そして、転写工程を実施すれば、複数の誘電体粒がキャリア材に仮固定されるため、複数の誘電体粒の位置関係を保持できる。その後、固着工程を実施すれば、複数の誘電体粒を位置関係を保持したまま相互に固着させることができるため、高誘電率材シートを比較的容易に得ることができる。
以下、高誘電率材シートの製造方法について説明する。
まず、治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、位置決め工程を実施する。なお、前記位置決め工程で使用する前記治具としては、複数の誘電体粒を支持する凹部を有する治具や、前記複数の誘電体粒の粒径よりも小さい網目を有する治具(メッシュ部材)などが挙げられるが、メッシュ部材であることが好ましい。メッシュ部材の網目は小さいため、その網目を、誘電体粒を保持させる好適な位置決め部として利用できるからである。また、市販のスクリーン印刷機の印刷スクリーンを治具として用いることもできるからである。
なお、メッシュ部材は、金属製であることがより好ましい。金属製のメッシュ部材は強度が高いため、各位置決め部に複数の誘電体粒を保持させる際に、例えば複数の位置決め部を介して真空引きを行ったとしても、メッシュ部材の変形を防止できるからである。また、金属製のメッシュ部材は静電気の影響を受けにくいため、静電気に起因した複数の誘電体粒の移動を防止できるからである。
位置決め工程では、治具が有する複数の位置決め部に複数の誘電体粒を保持させる。ここで、誘電体粒は、単数の粒子からなっていてもよいし、複数の粒子からなっていてもよい。なお、複数の粒子からなる誘電体粒の場合には、誘電体粒とは、複数の粒子を押し固めた状態で焼結(化学的に結合)することにより形成されたものを含む。なお、誘電体粒とは、有機樹脂材料よりも誘電率の高い無機物(例えばセラミックなど)を主成分とする粒状物のことをいう。上記セラミックとしては、ジルコニア、アルミナ、窒化珪素、窒化ほう素、炭化珪素、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどがあるが、特には、高誘電率セラミックであることが好ましい。ここで高誘電率セラミックとは、比誘電率が10以上のセラミックのことをいい、特には比誘電率が100以上であることが好ましい。このようにすれば、高誘電率材シート全体の誘電率がよりいっそう高くなるため、高誘電率材シートの高容量化がよりいっそう容易になる。上記高誘電率セラミックとしては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ペロブスカイト型結晶構造を有したペロブスカイト酸化物が挙げられる。ペロブスカイト酸化物の具体例としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸鉛及びチタン酸ストロンチウムから選択される1種または2種以上にて構成された化合物を挙げることができる。
また、複数の誘電体粒は、略球状(例えば、真球状、楕円球状など)であってもよいし、略柱状(例えば、略円柱状、略四角柱状、略三角柱状など)などの非球形状であってもよいが、特には、略球状であることが好ましい。このようにすれば、位置決め工程において、複数の誘電体粒を複数の位置決め部に保持させる際に、誘電体粒の向きを考慮しなくても済む。よって、高誘電率材シートを効率良く製造できる。また、複数の誘電体粒は、真球度が高いことが好ましく、それぞれの粒径が揃っていることが好ましい。このようにすれば、上記位置決め部に対する誘電体粒の保持などが容易になるため、高誘電率材シートを製造しやすくなる。
さらに、前記複数の誘電体粒の粒径は、誘電体層において前記有機樹脂材料が主となる部分の最大厚さよりも大きいことが好ましく、具体的には、10μm以上50μm以下であることが好ましい。仮に、誘電体粒の粒径が10μm未満であれば、上記位置決め部に対する誘電体粒の保持が困難になる。一方、誘電体粒の粒径が50μmよりも大きいと、高誘電率材シート全体が厚くなってしまう。特に、誘電体粒が真球状ではなく楕円球状などである場合、誘電体粒における誘電体層の厚さ方向の長さ(厚み径)は、前記低誘電率部の最大厚さよりも大きいことが好ましい。
なお、複数の誘電体粒を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる方法としては、複数の誘電体粒を、前記治具主面に沿って格子状または千鳥状に配置させることなどが挙げられる。このように構成した場合、誘電体粒が誘電体層の平面方向に沿って均一に配置されるため、高誘電率材シートの機械的強度を均一に高めることができる。また、いわゆる多数個取りの高誘電率材シートを製造し、その多数個取り高誘電率材シートを分割して高誘電率材シートを得る場合、高誘電率材シートごとの誘電体粒の体積比のバラツキが小さくなる。ゆえに、高誘電率材シートごとの静電容量のバラツキを防止できる。
次に、付着層を有するキャリア材を用意し、転写工程を実施する。このようにすれば、高誘電率材シートを製造する際の誘電体層の破損を防止できる。また、誘電体層が薄くても、キャリア材が付着することで肉厚になるため、誘電体層の取扱性が向上する。ここで、前記転写工程で使用するキャリア材は、付着層を有する樹脂フィルムであることが好ましい。このようにすれば、キャリア材として市販の樹脂フィルムを用いることができる。なお、樹脂フィルムは透明であることが好ましい。このようにすれば、複数の誘電体粒の固定状況を樹脂フィルムを介して確認できる。また、付着層は、粘着層であっても接着層であってもよいが、粘着層であることが好ましい。粘着層であれば、接着層である場合よりもキャリア材を剥離しやすい。また、キャリア材の再使用が可能である。なお、前記粘着層は、温度に応じて粘着力が変化する材料からなることが好ましい。特に、転写工程後にキュア工程などの加熱工程が実施される場合、前記粘着層は、温度が高くなるに従って粘着力が低下する材料からなることが好ましい。このようにすれば、加熱工程を実施した際に粘着力が低下するため、キャリア材を容易に剥離できる。また、前記転写工程で使用するキャリア材は、接着層を有するとともに後に電極として使用されるべき導電性金属箔であってもよい。このようにすれば、前記誘電体層上に金属層を直接形成する金属層形成工程を実施しなくても済むため、高誘電率材シートを効率良く製造できる。なお、導電性金属箔としては、銅箔、ニッケル箔、銀箔、金箔などが挙げられる。
転写工程では、治具の上方にキャリア材の付着層側を配置するとともに、治具上に保持された複数の誘電体粒に付着層を接触させる。そして、この状態で垂直方向に押圧力を加える。その結果、治具上にて位置決めされた複数の誘電体粒が付着層上に転写される。なお、前記転写工程では、前記治具上にて位置決めされた前記複数の誘電体粒を前記付着層上に転写する際に、前記複数の誘電体粒の一部を前記付着層中に埋め込むようにすることが好ましい。このようにすれば、誘電体粒と付着層との接触面積が大きくなるため、複数の誘電体粒を所望の位置に確実に仮固定することができる。また、キャリア材を剥離した際に、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から露出させることができる。
次に、転写された前記複数の誘電体粒同士を有機樹脂材料で固着して誘電体層とする固着工程を実施する。詳述すると、例えば、複数の誘電体粒が転写されたキャリア材の付着層上にシート状の有機樹脂材料を配置し、この状態で前記垂直方向と同一方向に押圧力を加える。その結果、有機樹脂材料の一部が各誘電体粒間に侵入して、複数の誘電体粒同士が固着される。なお、熱溶解させた有機樹脂材料を各誘電体粒間に流し込んで冷却することで、複数の誘電体粒同士を固着するようにしてもよい。
誘電体層において前記有機樹脂材料が主となる部分の厚さは、5μm以上45μm以下に設定されることが好ましい。当該有機樹脂材料が主となる部分の厚さを5μm以上に設定することにより、高誘電率材シートの高い機械的強度を確保することができるとともに、高誘電率材シートの厚さ方向(Z方向)への大型化を防止することができる。一方、当該有機樹脂材料が主となる部分の厚さを45μm以下に設定することにより、誘電体粒の一部を有機樹脂材料から突出させやすくなる。
また、有機樹脂材料は、コスト性、接合性、絶縁性、機械的強度などを考慮して適宜選択することができる。なお、誘電体粒がセラミックからなり、誘電体層上にめっき層(金属層)が直接形成される場合、誘電体粒上はめっき付着強度が低い。このため、めっき付着強度が高い有機樹脂材料を用いることが好ましい。また、研削が容易な有機樹脂材料を用いることにより、高誘電率材シートの製造時に、複数の誘電体粒同士を固着する材料を研削して前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から突出させることにより、前記誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程を実施することが容易になる。なお、セラミックに比べて有機樹脂材料のほうがめっき付着強度が高い理由としては、粗化した場合の表面状態の差が考えられる。セラミックを粗化した場合、表面に谷形状の奥部が形成されるのみであるが、有機樹脂材料を粗化した場合、奥に入り込んだ形状のアンカー部が形成される。その結果、めっきが有機樹脂材料のアンカー部に入り込むため、強固な密着力を得ることができる。なお、有機樹脂材料としては、複数の誘電体粒同士を固着させる力が大きい材料であることが好ましく、その好適例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。
なお、有機樹脂材料(低誘電率材料)の比誘電率は、できるだけ高いほうが好ましいが、実際の比誘電率は、前記誘電体粒(高誘電率材料)の比誘電率よりもかなり低くなる(例えば5以下)。よって、前記誘電体層における前記高誘電率材料の体積比は、前記誘電体層における前記低誘電率材料の体積比よりもできるだけ大きいことが好ましい。例えば、高誘電率材料の体積比を60%以上にして、残りの部分を低誘電率材料にすることが好ましい。特には、高誘電率材料の体積比を70%以上にして、残りの部分を低誘電率材料にすることが好ましい。このようにすれば、高誘電率材シート全体の誘電率が高くなるため、高誘電率材シートの高容量化がいっそう容易になる。
前記固着工程後、前記誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程を実施する。なお、「露出」とは、前記誘電体粒の一部が前記第1主面及び前記第2主面のうち少なくともいずれかにて現われている状態をいい、誘電体粒の露出部分は他層に覆われていてもよい。露出工程としては、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から突出させることにより、前記誘電体層の表面に凹凸を形成する凹凸形成工程であることが好ましい。このようにすれば、誘電体層の表面積が増大するため、誘電体層と他層(電極となる金属層など)との界面に作用する物理結合力が大きくなり、両者の密着性が向上する。よって、信頼性に優れた高誘電率材シートを得ることができる。誘電体粒の一部を露出または突出させる手法としては、例えば、前記有機樹脂材料の表層を除去することにより、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から露出または突出させるような方法が挙げられる。より具体的には、例えば、表面研削によって前記有機樹脂材料の表層を除去することにより、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から露出または突出させるような物理的な方法が挙げられる。また、例えば、プラズマアッシングやエッチング処理によって前記有機樹脂材料の表層を除去することにより、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から露出または突出させるような化学的な方法が挙げられる。プラズマアッシングやエッチング処理によれば、有機樹脂材料の表層を除去する際に誘電体粒に物理的なストレスが加わらないため、除去後においても好適な誘電体粒の形状を維持することができる。そして、このことは密着性の改善にとって好ましいと考えられる。
また、前記露出工程では、前記キャリア材(前記樹脂フィルム)を剥離することにより、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から露出させることが好ましい。このようにすれば、複数の誘電体粒の一部を有機樹脂材料から容易に露出させることができるため、高誘電率材シートを効率良く製造できる。
なお、前記複数の誘電体粒の一部が露出した前記誘電体層の表面において、誘電体粒と有機樹脂材料との高低差は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。その理由は、誘電体粒と有機樹脂材料との高低差が大きくなりすぎると、凹となる部分(誘電体粒の一部が露出していない部分)まで他層が入り込まないため、十分な物理的密着力を得られないからである。また、誘電体層の厚さが実質的に増えてしまうため、例えば高誘電率材シートによってキャパシタを形成する場合に、静電容量の低下につながってしまうからである。
上記高誘電率材シートにおいて、前記複数の誘電体粒の一部が露出した前記誘電体層の表面における、誘電体粒と有機樹脂材料との高低差は、1μmよりも大きくなるように設定される。その理由は、誘電体粒と有機樹脂材料との高低差がこの値以下であると、密着性改善につながる誘電体層とはならず、十分な物理的密着力が得られないからである。なお、当然ながら、誘電体粒と有機樹脂材料との高低差は、誘電体粒の有効径を超えることはない。
なお、前記露出工程後、さらに前記誘電体層上に金属層を直接形成する金属層形成工程を実施してもよい。金属層を直接形成する方法としては、めっき、金属ペーストの印刷焼成、金属箔の貼付、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティングなどが挙げられる。0.1μm以上10μm以下という極めて薄層の金属層を形成したいような場合には、特にめっき、スパッタリング、CVD、PVD、イオンプレーティング等の手法を選択することが好ましい。なお、特にめっき法によれば、大量の処理が可能となるため、高誘電率材シートの低コスト化に有利となる。
なお、金属層は導電性に優れた材料を用いて形成されることが好ましく、具体的には、銀、金、白金、銅、チタン、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タングステンなどから選択される1種または2種以上の合金を用いて形成されることがよい。特に、金属層の形成用材料としては例えば銅や銀を用いることが好ましい。銅や銀は高い導電性を有しており、電極用材料として好適だからである。
金属層の厚さは、例えば0.1μm以上50μm以下であることがよい。金属層が薄すぎると、電気的信頼性を確保しにくくなるおそれがあるからである。一方、金属層が厚くなりすぎると、高誘電率材シートの厚さが厚くなるおそれがあるからである。その点、0.1μm以上50μm以下の範囲内で厚さを設定すれば、電気的信頼性を確保しつつ高誘電率材シート全体の厚肉化を防止することができる。
なお、上記高誘電率材シートは、例えば、半導体集積回路チップ、トランジスタ、ダイオード等の能動部品を形成するための材料であってもよいし、能動部品そのものであってもよい。また、高誘電率材シートは、抵抗、キャパシタ、インダクタ、コイル等の受動部品を形成するための材料であってもよいし、受動部品そのものであってもよい。また、高誘電率材シートは、金属層と誘電体部とを積層してなる積層電子部品を形成するための材料とすることができる。その具体例としてはキャパシタなどがある。なお、ここでいう高誘電率材シートとは、高誘電率材シートの完成品のみを指すのではなく、金属層を後で形成する(例えば配線基板への埋込後に形成する)ことではじめて完成する高誘電率材シートも含むものとする。高誘電率材シート全体の厚さは特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下であることがよく、好ましくは、5μm以上75μm以下であることがよい。全体の厚さが薄すぎると、シート単体として取り扱うことが困難になる。一方、全体の厚さが厚すぎると、高誘電率材シートを配線基板に埋め込む場合に、配線基板の高密度化や小型化の達成を阻害するおそれがある。また、全体の厚さが厚すぎると、段差が発生しやすくなるため、基板表面の平滑性を確保しにくくなるおそれがある。即ち、前記高誘電率材シートは、配線基板埋込用電子部品を形成するための材料であってもよい。
また、上記課題を解決するための他の手段(手段2)としては、誘電体層と電極とを備えたキャパシタが絶縁層内に埋め込まれた配線基板の製造方法において、治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、前記複数の位置決め部に複数の誘電体粒を保持させることで、前記複数の誘電体粒を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる位置決め工程と、付着層を有するキャリア材を用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の誘電体粒を前記付着層上に転写する転写工程と、転写された前記複数の誘電体粒同士を有機樹脂材料で固着して誘電体層とする固着工程と、前記絶縁層内に前記誘電体層を埋め込む埋込工程と、前記誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程と、前記誘電体層上に電極を直接形成する電極形成工程とを含むことを特徴とする配線基板の製造方法がある。
従って、上記手段2の配線基板の製造方法によれば、埋込工程を実施することで高容量化されたキャパシタが埋め込まれるため、高効率にノイズを除去してICチップなどに供給すべき電源を安定化させることができるとともに、ICチップなどへの電力供給が可能となる。また、当該キャパシタが配線基板内に埋め込まれた結果、配線基板表面上の部品実装可能領域が増えるため、そこに他の電子部品を実装することが可能となる。
また、位置決め工程において誘電体粒が治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列されるため、固着工程にて形成される誘電体層において誘電体粒が存在する部分においては、誘電体層の厚さ方向に沿って誘電体粒のみが配置される。従って、キャパシタ全体の誘電率を高くしやすくなるため、高容量化が容易なキャパシタを埋め込んだ配線基板を、簡単にかつ確実に得ることができる。
さらに、誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程を実施している。その結果、誘電体層の表面積が増大するため、誘電体層と他層(電極となる金属層など)との界面に作用する物理結合力が大きくなり、両者の密着性が向上する。よって、信頼性に優れたキャパシタを得ることができる。
また、位置決め工程において複数の誘電体粒が治具の複数の位置決め部に保持されるため、複数の誘電体粒を確実に配列できる。そして、転写工程を実施すれば、複数の誘電体粒がキャリア材に仮固定されるため、複数の誘電体粒の位置関係を保持できる。その後、固着工程を実施すれば、複数の誘電体粒を位置関係を保持したまま相互に固着させることができるため、キャパシタを比較的容易に得ることができる。
上記配線基板は、例えばコア基板上に絶縁層及び導体層を形成した構成を有している。コア基板の形成材料については特に限定されず、コスト性、加工性、絶縁性、機械的強度などを考慮して適宜選択することができる。コア基板としては、例えば、樹脂基板、セラミック基板、金属基板などが挙げられる。樹脂基板の具体例としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)基板、PI樹脂(ポリイミド樹脂)基板、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)基板、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)基板などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料からなる基板等を使用してもよい。あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる基板等を使用してもよい。前記セラミック基板の具体例としては、例えば、アルミナ基板、ベリリア基板、ガラスセラミック基板、結晶化ガラス等の低温焼成材料からなる基板などがある。前記金属基板の具体例としては、例えば、銅基板や銅合金基板、銅以外の金属単体からなる基板、銅以外の金属の合金からなる基板などがある。
コア基板上に形成される好適な絶縁層としては、樹脂絶縁層を挙げることができる。その理由は、樹脂製の絶縁層はキャパシタの支持体として好ましいため、例えばキャパシタを埋め込んだ構造を実現しやすくなるからである。よって、量産性やコストへの対応能力が高くなる。また、配線基板の大型化にも有利となる。樹脂絶縁層は、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイドートリアジン樹脂)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて形成される。
導体層は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって、コア基板上や絶縁層上にパターン形成される。導体層の形成に用いられる金属材料の例としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などが挙げられる。なお、コア基板の片面または両面に、導体層と絶縁層とが交互に積層されてなるビルトアップ層が形成されていてもよい。
また、上記課題を解決するための他の手段(手段3)としては、治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、前記複数の位置決め部に複数の粒体を保持させることで、前記複数の粒体を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる位置決め工程と、付着層を有するキャリア材を用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の粒体を前記付着層上に転写する転写工程とを含むことを特徴とする粒体の配列方法がある。
従って、手段3の配列方法によれば、位置決め工程において複数の粒体が治具の複数の位置決め部に保持されるため、複数の粒体を確実に配列できる。そして、転写工程を実施すれば、複数の粒体がキャリア材に仮固定されるため、複数の粒体の位置関係を保持できる。よって、例えば、微小な(ミクロンオーダーの)多数の粉体であっても、粒体を比較的容易に配列させることができる。
ここで、粒体としては、金属粒、ガラス粒、樹脂粒、前記誘電体粒などが挙げられる。なお、粒体が誘電体粒である場合、複数の誘電体粒を用いて誘電体層を備える高誘電率材シートを製造すれば、位置決め工程において誘電体粒が治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列されるため、誘電体層において誘電体粒が存在する部分においては、誘電体層の厚さ方向に沿って誘電体粒のみが配置される。従って、固着工程及び露出工程を経ることにより、高誘電率材シートの高容量化を実現することができる。
また、上記課題を解決するための他の手段(手段4)としては、粘着層を有する樹脂フィルムを前記キャリア材として用意し、複数の粒体をその一部が前記粘着層中に埋め込まれるように配置する配置工程と、配置された前記複数の粒体同士を有機樹脂材料で固着する固着工程と、前記樹脂フィルムを剥離することにより、前記有機樹脂材料から前記複数の粒体の一部を露出させて突出部を形成する露出工程とを含むことを特徴とする突出部の形成方法がある。
従って、手段4の形成方法によれば、前記配置工程において、前記複数の粒体の一部が前記付着層中に埋め込まれるように配置される。その結果、粒体と付着層との接触面積が大きくなるため、複数の粒体を所望の位置に確実に仮固定することができる。また、露出工程において樹脂フィルムを剥離するだけで、前記複数の粒体の一部を前記有機樹脂材料から露出させて突出部を形成できるため、有機樹脂材料の表面と突出部とからなる凹凸を容易に形成できる。
ここで、突出部の用途は限定されないが、例えば、他層(電極となる金属層など)との接合のために用いられることがよい。この場合、有機樹脂材料の表面積が増大するため、有機樹脂材料と他層との界面に作用する物理結合力が大きくなり、両者の密着性が向上する。よって、上記複数の粒体や上記有機樹脂材料を用いて高誘電率材シートを製造すれば、信頼性に優れた高誘電率材シートを得ることができる。なお、突出部の他の用途としては、他の部材の研磨のために用いることや、有機樹脂材料の表面の装飾のために用いることなどが挙げられる。
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した第1実施形態のセラミックキャパシタ内蔵配線基板及びその製造方法を図1〜図16に基づき説明する。
図1に示されるように、このセラミックキャパシタ内蔵配線基板71(配線基板)は、ガラスエポキシからなるコア基板72の片側面上に、ビルドアップ層73を形成してなるものである。ビルドアップ層73は、同じくエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層81,82,83,84(いわゆる層間絶縁層)を4層備えている。コア基板72と樹脂絶縁層81との界面には、銅からなる導体層90がパターン形成されている。樹脂絶縁層81,82,83,84同士の界面には、銅からなる導体層91,92,93がパターン形成されている。また、最表層の樹脂絶縁層84の表面上における複数箇所には、銅にニッケル−金めっきを被覆した端子パッド94が形成されている。各端子パッド94は、MPUとしての機能を有するICチップ97と電気的に接続可能になっている。また、コア基板72及び樹脂絶縁層81,82,83,84内には、それぞれビア導体96が設けられている。これらのビア導体96のほとんどは同軸上に配置されるとともに、それらを介して導体層91,92,93及び端子パッド94が相互に電気的に接続されている。
図1に示されるように、コア基板72の下面上における複数箇所には、ビア導体96と電気的に接続されるBGA用パッド55が格子状に形成されている。また、コア基板72の下面は、ソルダーレジスト52によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト52の所定箇所には、BGA用パッド55を露出させる開口部53が形成されている。BGA用パッド55の表面上には、図示しないマザーボードとの電気的な接続を図るための複数のはんだバンプ49が配設されている。はんだバンプ49は、90Pb/10Snという組成の錫鉛はんだからなっている。
そして、各はんだバンプ49により、図1に示されるセラミックキャパシタ内蔵配線基板71はマザーボード上に実装される。なお、本実施形態のセラミックキャパシタ内蔵配線基板71はBGA(ボールグリッドアレイ)である。セラミックキャパシタ内蔵配線基板71の形態は、BGAのみに限定されず、例えばLGA(ランドグリッドアレイ)やPGA(ピングリッドアレイ)等であってもよい。
前記ビルドアップ層73の内部(具体的には第1層の樹脂絶縁層81と第2層の樹脂絶縁層82との界面)には、図2,図3に示すセラミックキャパシタ10(キャパシタ)が、埋め込んだ状態で実装されている。セラミックキャパシタ10は、誘電体層21を備える高誘電率材シート20によって形成されている。誘電体層21の第1主面117(表面)上には銅めっきからなる第1金属電極層11(金属層)が形成され、誘電体層21の第2主面118(表面)上には銅めっきからなる第2金属電極層31(金属層)が形成されている。
また、誘電体層21は、複数の誘電体粒22(粒体)と、層間絶縁材23とを有している。誘電体粒22は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、第1金属電極層11−第2金属電極層31間の誘電体として機能する。一方、層間絶縁材23は、有機樹脂材料の一種であるエポキシ樹脂からなり、複数の誘電体粒22同士を固着するとともに、複数の誘電体粒22同士を絶縁する機能を有する。また、層間絶縁材23も、第1金属電極層11−第2金属電極層31間の誘電体として機能する。
図1〜図3に示されるように、各誘電体粒22は、誘電体層21の平面方向に沿って二次元的にかつ単層状に配列されている。具体的には、各誘電体粒22は、誘電体層21の平面方向に沿って格子状(アレイ状)に配置されている。そして、各誘電体粒22の周囲に層間絶縁材23が配置されることにより、誘電体部24が形成される。これにより、誘電体部24においては、誘電体粒22と層間絶縁材23とが、誘電体層21の平面方向に沿って交互にかつ規則的に配置される。なお、誘電体部24は、各誘電体粒22が密集している領域であり、誘電体層21の厚さ方向から見て矩形状をなす領域(図3参照)である。各誘電体粒22は、輪郭度が第1金属電極層11及び第2金属電極層31の厚み以下(約0.5μm〜1.5μm)となる略球状をなしており、その粒径は30μmに設定されている。また、隣接する誘電体粒22の中心間距離(ピッチ)も、誘電体粒22の粒径と同じ30μmに設定されている。このため、各誘電体粒22は互いに接触している。なお、図3に示されるように、誘電体粒22間のピッチは、セラミックキャパシタ10の縦方向(図3では上下方向)においても横方向(図3では左右方向)においても等しくなっている。
なお、本実施形態における誘電体部24内の誘電体粒22の体積比は70%であり、誘電体部24内の層間絶縁材23の体積比(30%)よりも大きくなっている。また、誘電体粒22の比誘電率は3000であり、層間絶縁材23の比誘電率は3である。よって、層間絶縁材23の比誘電率は、誘電体粒22の比誘電率よりも相対的に低くなる。また、誘電体部24の最大厚さは、誘電体粒22の粒径と同じ30μmである。従って、本実施形態における誘電体部24の静電容量密度は、0.056μF/cmとなり、本実施形態における誘電体部24の静電容量係数は、168pF/cmとなる。なお、「静電容量係数」とは、静電容量密度と、誘電体部24の厚さとの積である。
図1,図2に示されるように、各誘電体粒22の粒径は、層間絶縁材23の最大厚さ(約20μm)よりも大きくなっている。このため、各誘電体粒22の上端部は第1主面117にて突出し、各誘電体粒22の下端部は第2主面118にて突出する。その結果、第1主面117及び第2主面118の両方には凹凸が形成される。これにより、第1主面117及び第2主面118において、誘電体粒22と層間絶縁材23との高低差は、3μm〜7μm程度に設定されている。また、前記第1金属電極層11及び前記第2金属電極層31の厚さは約30μmに設定されている。このため、セラミックキャパシタ10全体の厚さは、90μm程度であって、極めて薄くなっている。
図1に示されるように、第1金属電極層11は配線基板実装時に上向きの状態となるため、第2層の樹脂絶縁層82内にあるビア導体96に電気的に接続されている。一方、第2金属電極層31は配線基板実装時に下向きの状態となるため、第1層の樹脂絶縁層81内にあるビア導体96に電気的に接続されている。
そして、このような構成のセラミックキャパシタ10に通電を行い、第1金属電極層11−第2金属電極層31間に所定の電圧を加えると、一方の電極にプラスの電荷が蓄積し、他方の電極にマイナスの電荷が蓄積するようになっている。その結果、セラミックキャパシタ10がキャパシタとして機能する。本実施形態において、このセラミックキャパシタ10は、ノイズを除去してICチップ97に供給すべき電源を安定化させる機能を有しており、ICチップ97の動作性向上に関与している。
次に、このセラミックキャパシタ10の製造方法を図4〜図16に基づいて説明する。
まず、図4,図5に示すようなメッシュ部材100(治具)を用意し、位置決め工程を実施する。メッシュ部材100は、縦方向に沿って互いに平行に配置される複数の金属線材と、横方向に沿って互いに平行に配置される複数の金属線材とを直交させることにより構成される。メッシュ部材100は、同メッシュ部材100の平面方向(治具主面方向)に沿って格子状に配列された複数の位置決め部101を有している。個々の位置決め部101は、4本の金属線材によって正方形状に構成された空間(網目)であり、網目の幅は誘電体粒22の粒径(30μm)よりも小さく(約25μm)なっている。このため、誘電体粒22は金属線材によって確実に支持される。なお、本実施形態では、メッシュ部材100として市販のスクリーン印刷機の印刷スクリーンを用いている。
そして、位置決め工程では、複数の位置決め部101を介してメッシュ部材100の片側から真空引きを行うことにより、複数の誘電体粒22が各位置決め部101に嵌め込まれる。これにより、複数の位置決め部101に複数の誘電体粒22が保持され、各誘電体粒22がメッシュ部材100の平面方向に沿って格子状に配列する。なお、本実施形態では真空引きを行っているため、複数の位置決め部101に複数の誘電体粒22を素早く保持させることができる。しかも、振動などに起因する各誘電体粒22の位置ずれや脱落を防止できる。
次に、図6に示すような金属箔111(キャリア材)を用意し、転写工程を実施する。なお、本実施形態の金属箔111は、片側面に付着層112を有している。付着層112は、エポキシ樹脂製の接着剤によって形成されている。
転写工程では、メッシュ部材100の上方に金属箔111の付着層112側を配置するとともに、メッシュ部材100上にて位置決めされた複数の誘電体粒22に付着層112を接触させる(図7参照)。そして、この状態で垂直方向(図7では下方向)に押圧力を加える。その結果、各誘電体粒22が付着層112上に転写される。このとき、複数の誘電体粒22の一部が付着層112中に埋め込まれることで、各誘電体粒22と付着層112との接触面積が大きくなるため、各誘電体粒22をより確実に位置決めできる。その後、所定温度及び所定時間加熱する第1キュア工程を行い、付着層112を少しだけ熱硬化させる。その結果、付着層112を介して金属箔111に各誘電体粒22が仮固定される。
次に、固着工程を実施し、複数の誘電体粒22同士をエポキシ樹脂からなる層間絶縁材23で固着する。詳述すると、複数の誘電体粒22が転写された金属箔111の付着層112側にシート状の層間絶縁材23を配置し(図8参照)、この状態で前記垂直方向と同一方向(図8では下方向)に押圧力を加える。本実施形態において具体的には、20Torr(≒2666Pa)以下の真空下で100℃以上の温度となるように加熱を行いながら垂直方向と同一方向に押圧力(0.7MPa)を加える(真空熱プレス)。これに伴い、金属箔111、付着層112、各誘電体粒22及び層間絶縁材23が積層方向に沿って押圧され、金属箔111及び層間絶縁材23が付着層112を介して接合(熱圧着)される。この際、層間絶縁材23の一部が各誘電体粒22間に侵入する(図9参照)。
さらに、所定温度及び所定時間加熱する第2キュア工程を行い、付着層112を熱硬化させる。その結果、複数の誘電体粒22同士が固着し、各誘電体粒22が移動不能となる。なお、付着層112は、層間絶縁材23と同じエポキシ樹脂からなるため、熱により層間絶縁材23と一体化する。その結果、誘電体層21が得られる(図10参照)。
固着工程後、第1凹凸形成工程(露出工程)を実施する。具体的には、複数の誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から突出させて、誘電体層21の表面に凹凸を形成し、その面を第2主面118とする(図11参照)。なお、本実施形態では、従来公知のバフ研磨装置、ラッピング装置、ポリッシング装置、ブラスト装置、Oプラズマなどを用いて表面研削を行うことにより、層間絶縁材23の表層を除去して、複数の誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から突出させる。なお、各誘電体粒22の突出量は、研削時間を変更したり研磨剤の硬度を変更したりすることで調節可能である。
第1凹凸形成工程後、第1金属層形成工程(金属層形成工程、電極形成工程)を実施する。具体的には、誘電体層21の第2主面118上に、従来公知の手法に基づいて無電解銅めっきを行った後にさらに電解銅めっきを行って、厚さ約30μmの第2金属電極層31を直接形成する(図12参照)。なお、第2金属電極層31の形成を無電解銅めっき及び電解銅めっきによって行えば、大量の処理が可能となるため、セラミックキャパシタ10を低コストで製造できる。
次に、導体層90及び第1層の樹脂絶縁層81が形成されたコア基板72を用意し、その第1層の樹脂絶縁層81上に、第2金属電極層31側を下向きにした誘電体層21を搭載する(図13参照)。なお、搭載時においては、本実施形態のセラミックキャパシタ10は、完成前の中間品である。
より詳細に言うと、第1層の樹脂絶縁層81を形成するための未硬化のフィルム材を用意し、それをラミネータ等でコア基板72の表面上に貼付する。前記フィルム材としては、例えば、未硬化の熱硬化性樹脂からなるものが好適である。次いで、図13の状態の誘電体層21をフィルム材上に搭載し、所定の圧力で押し付ける。この時点では、まだフィルム材は未硬化であるため、誘電体層21の一部をフィルム材内に容易に埋め込むことができる。次に、加熱を行ってフィルム材を硬化させ、第1層の樹脂絶縁層81にセラミックキャパシタ10の中間品を支持固定させる。
次に、金属箔111をエッチングなどで除去し(図14参照)、第2凹凸形成工程(露出工程)を実施する。具体的には、前記第1凹凸形成工程と同様の工程(本実施形態では表面研削)を実施する。即ち、複数の誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から突出させて、誘電体層21の表面に凹凸を形成し、その面を第1主面117とする(図15参照)。
次に、第2金属層形成工程(金属層形成工程、電極形成工程)を実施する。具体的には、誘電体層21の第1主面117上に、従来公知の手法に基づいて無電解銅めっきを行った後にさらに電解銅めっきを行って、厚さ約30μmの第1金属電極層11を直接形成する(図16参照)。なお、本実施形態のセラミックキャパシタ10はこの時点で完成する。
その後、従来周知の手法に従って、第1層の樹脂絶縁層81における導体層91の形成を行う。次いで、第1層の樹脂絶縁層81上に上記の未硬化のフィルム材をラミネータ等で貼付した後、熱硬化させて第2層の樹脂絶縁層82とする。この時点でセラミックキャパシタ10が完全に埋め込まれる。
次に、第2層の樹脂絶縁層82に対するビア穴あけを行った後、さらに銅めっきまたは銅ペーストの充填、印刷を行って、ビア導体96を形成するとともに、第2層の導体層92を形成する。
この後、同様の手法により、第3層及び第4層(最表層)の樹脂絶縁層83,84の形成を行うとともに、従来周知の手法に従って、コア基板72の下面側にBGA用パッド55、ソルダーレジスト52及びはんだバンプ49を形成する。その結果、図1のセラミックキャパシタ内蔵配線基板71が完成する。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)一般的に、従来のセラミックキャパシタの製造方法では、誘電体粒22と層間絶縁材23とを混合することにより、誘電体層21を形成する。その結果、比誘電率が相対的に高い誘電体粒22と、比誘電率が相対的に低い層間絶縁材23とが、誘電体層21の厚さ方向に沿って直列に存在する(例えば、図31に示す誘電体粒子124及び層間絶縁材125の関係を参照)。
この場合、セラミックキャパシタ全体の比誘電率ε1は、1/ε1=V1×1/ε2+V2×1/ε3の式から求められる。ここで、ε2は、誘電体粒22の比誘電率、ε3は、層間絶縁材23の比誘電率、V1は、誘電体部24内における誘電体粒22の体積比(%)、V2は、誘電体部24内における層間絶縁材23の体積比(%)である。
しかしながら、例えば比誘電率ε2を3000、比誘電率ε3を3、体積比V1を70%、体積比V2を30%として比誘電率ε1を算出したとしても、ε1=10.0となり、比誘電率ε1はあまり高くならない。
それに対して、本実施形態のセラミックキャパシタ10(高誘電率材シート20)の製造方法では、位置決め工程において、各誘電体粒22がメッシュ部材100の平面方向に沿って格子状に配列されるため、固着工程にて形成される誘電体層21において誘電体粒22が存在する部分においては、誘電体層21の厚さ方向に沿って誘電体粒22のみが配置される。
この場合、セラミックキャパシタ10全体の比誘電率ε1は、ε1=V1×ε2+V2×ε3の式(Nielsen の複合則より)から求められる。ここで、従来と同条件にて比誘電率ε1を算出すれば、ε1=70(%)×3000+30(%)×3=2100.9となるため、比誘電率ε1が従来に比べてかなり高くなる。ゆえに、高容量化が容易なセラミックキャパシタ10を、簡単にかつ確実に得ることができる。
(2)本実施形態の製造方法では、誘電体層21の第2主面118に凹凸を形成する第1凹凸形成工程と、誘電体層21の第1主面117に凹凸を形成する第2凹凸形成工程とを実施している。その結果、誘電体層21の表面積が増大するため、誘電体層21と第1金属電極層11との界面に作用する物理結合力と、誘電体層21と第2金属電極層31との界面に作用する物理結合力とが大きくなり、両者の密着性が向上する。よって、信頼性に優れた高誘電率材シート20を得ることができる。
(3)本実施形態の製造方法では、位置決め工程において複数の誘電体粒22がメッシュ部材100の複数の位置決め部101に保持されるため、複数の誘電体粒22を確実に配列できる。そして、転写工程を実施すれば、各誘電体粒22が金属箔111に仮固定されるため、各誘電体粒22の位置関係を保持できる。その後、固着工程を実施すれば、各誘電体粒22を位置関係を保持したまま相互に固着させることができるため、高誘電率材シート20を比較的容易に得ることができる。
(4)本実施形態の製造方法では、従来必須であった工程(例えば、未焼結の誘電体を含むグリーンシートを所定時間焼成する工程など)を実施しなくても済む。よって、セラミックキャパシタ10を効率良く製造できる。
(5)本実施形態では、各誘電体粒22の一部が第1主面117及び第2主面118の両方にて突出している。このため、第1主面117においても第2主面118においても、誘電体粒22の突出部分と他層(第1金属電極層11または第2金属電極層31)とが直接接触する。よって、各誘電体粒22の一部が第1主面117及び第2主面118のいずれか一方のみにて突出している場合に比べて、より信頼性に優れた高誘電率材シート20を得ることができる。
(6)本実施形態の誘電体粒22は略球状である。よって、複数の誘電体粒22を揃えやすくなるため、セラミックキャパシタ10の製造が容易になる。また、セラミックキャパシタ10の製造時において、誘電体粒22をメッシュ部材100の位置決め部101に保持させる際に、誘電体粒22の向きを考慮しなくても済む。よって、セラミックキャパシタ10を効率良く製造できる。
(7)本実施形態では、セラミックキャパシタ内蔵配線基板71内にセラミックキャパシタ10が埋め込まれるとともに、セラミックキャパシタ内蔵配線基板71の上面にICチップ97が実装され、セラミックキャパシタ10及びICチップ97が互いに電気的に接続されている。これにより、セラミックキャパシタ10とICチップ97とを繋ぐ配線長が短縮されるため、セラミックキャパシタ10−ICチップ97間での信号の高速化を図ることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2実施形態のセラミックキャパシタ10の製造方法を図17〜図25に基づいて説明する。ここでは第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については同じ部材番号を付す代わりに説明を省略する。
本実施形態の製造方法は、例えば図17に示す樹脂フィルム113(キャリア材)を用いる点で、第1実施形態の製造方法と相違している。本実施形態において、この樹脂フィルム113は、片側面に粘着層114(付着層)を有する市販の粘着テープである。
まず転写工程において、複数の誘電体粒22を樹脂フィルム113の粘着層114上に転写する(図18参照)。このとき、複数の誘電体粒22の一部が粘着層114中に埋め込まれる。次に、固着工程を実施し、複数の誘電体粒22同士を層間絶縁材23で固着する。詳述すると、複数の誘電体粒22が転写された樹脂フィルム113の粘着層114側にシート状の層間絶縁材23を配置し(図19参照)、この状態で加熱を行いながら接合力を加える。これにより、樹脂フィルム113及び層間絶縁材23が粘着層114を介して接合(熱圧着)される。この際、層間絶縁材23の一部が各誘電体粒22間に侵入する(図20参照)。さらに、所定温度及び所定時間加熱するキュア工程を行い、層間絶縁材23を熱硬化させると、複数の誘電体粒22同士が固着して、誘電体層21が得られる。
固着工程後、第1凹凸形成工程(露出工程)を実施し、複数の誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から突出させる(図21参照)。さらに第1凹凸形成工程後、第1金属層形成工程(金属層形成工程、電極形成工程)を実施して、誘電体層21の第2主面118上に第2金属電極層31を直接形成する(図22参照)。
次に、導体層90及び第1層の樹脂絶縁層81が形成されたコア基板72を用意し、その第1層の樹脂絶縁層81上に、第2金属電極層31側を下向きにした誘電体層21を搭載する(図23参照)。次に、第2凹凸形成工程(露出工程)を実施する。具体的には、前記第1凹凸形成工程とは異なる工程を実施する。即ち、樹脂フィルム113を剥離することにより、複数の誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から露出させ、突出部を形成する(図24参照)。なお、本実施形態の粘着層114は、熱(温度)によって粘着力が低下する材料(ニッタ株式会社製 インテリマー)からなり、前記キュア工程を実施した際に粘着力が低下しているため、樹脂フィルム113を容易に剥離することができる。
次に、第2金属層形成工程(金属層形成工程、電極形成工程)を実施し、誘電体層21の第1主面117上に第1金属電極層11を直接形成する(図25参照)。その結果、セラミックキャパシタ10が完成する。その後、従来周知の手法に従って、第2層〜第4層(最表層)の樹脂絶縁層82,83,84などを形成すると、図1のセラミックキャパシタ内蔵配線基板71が完成する。
従って、本実施形態の製造方法によれば、粘着層114がキュア工程を行う際においても各誘電体粒22を保持し続けるため、各誘電体粒22の移動をより確実に防止できる。よって、複数の誘電体粒22を所望の位置に固着させることができるため、信頼性に優れたセラミックキャパシタ10を製造できる。また、第2凹凸形成工程では、樹脂フィルム113を剥離するだけで、各誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から突出させることができるため、セラミックキャパシタ10を効率良く製造できる。さらに、樹脂フィルム113を除去する際にエッチングなどを実施しなくても済む。よって、工数が減るため、セラミックキャパシタ10の製造コストを低減できる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、セラミックキャパシタ10の製造と同時に、セラミックキャパシタ内蔵配線基板71の製造を行っていた(図13〜図16,図23〜図25参照)。しかし、セラミックキャパシタ10を完成させた後、完成したセラミックキャパシタ10をセラミックキャパシタ内蔵配線基板71に内蔵させるようにしてもよい。
・上記実施形態の第1凹凸形成工程では、表面研削によって層間絶縁材23の表層を除去することにより、各誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から突出させていた。しかし、例えばプラズマアッシングによって層間絶縁材23の表層を除去することにより、各誘電体粒22の一部を層間絶縁材23から突出させてもよい。このようにすれば、層間絶縁材23の表層を除去する際に誘電体粒22に物理的なストレスが加わらないため、除去後においても好適な誘電体粒22の形状を維持することができる。そして、このことは密着性の改善にとって好ましいと考えられる。
・上記実施形態では、第1凹凸形成工程及び第2凹凸形成工程を実施することにより、複数の誘電体粒22の一部が、第1主面117及び第2主面118の両方にて突出していた。しかし、各誘電体粒22の一部を、第1主面117及び第2主面118のいずれか一方にて突出させてもよい。
・上記実施形態では、第1金属層形成工程及び第2金属層形成工程を実施することにより、第1主面117に第1金属電極層11が形成され、第2主面118に第2金属電極層31が形成されていた。しかし、第1金属電極層11及び第2金属電極層31のいずれか一方が形成されていなくてもよいし、両方が形成されていなくてもよい。
・上記実施形態の誘電体粒22は略球状であったが、誘電体粒22を非球形状(例えば図26に示すような略柱状)にしてもよい。この場合、複数の誘電体粒22の一部を、第1主面117及び第2主面118のいずれか一方にて突出させてもよいし、第1主面117及び第2主面118の両方にて突出させてもよい(図27)。
・上記実施形態のメッシュ部材100は、同メッシュ部材100の平面方向に沿って格子状に配列された複数の位置決め部101を有し、複数の誘電体粒22がメッシュ部材100の平面方向に沿って格子状に配置されるようになっていた。しかし、図28に示されるように、複数の位置決め部101を、メッシュ部材100の平面方向に沿って千鳥状に配列し、複数の誘電体粒22が平面方向に沿って千鳥状に配置されるようにしてもよい。このようにすれば、複数の誘電体粒22同士の隙間がより小さくなるため、誘電体粒22の体積比が、層間絶縁材23の体積比よりもさらに大きくなる。よって、セラミックキャパシタ10の静電容量をさらに大きくすることができる。
・上記実施形態では、位置決め工程で使用する治具として、複数の誘電体粒22の粒径よりも小さい網目を有するメッシュ部材100が用いられていた。しかし、図29,図30に示されるような真空チャック102を、治具として用いてもよい。この真空チャック102は、複数の誘電体粒22を支持する複数の誘電体粒保持凹部103(位置決め部)を備えている。各誘電体粒保持凹部103は、支持面104(治具主面)に沿って格子状に配列されている。誘電体粒保持凹部103には真空引き路105が連通しており、その真空引き路105を介して真空引きを行うことにより誘電体粒22が誘電体粒保持凹部103に吸着保持される。なお、真空チャック102は、従来公知の半導体製造プロセスにより作製することが可能である。
なお、誘電体粒保持凹部103の形状は、誘電体粒22の形状に合わせて適宜設定されることが好ましい。例えば、誘電体粒22が略球状である場合、誘電体粒保持凹部103はすり鉢状に形成されることがよい(図29参照)。また、誘電体粒22が略柱状である場合、誘電体粒保持凹部103は、断面略コ字状に形成されることがよい(図30参照)。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)誘電体層と電極とを備え、配線基板内に埋め込まれた状態で使用されるキャパシタの製造方法において、治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、前記複数の位置決め部に複数の誘電体粒を保持させることで、前記複数の誘電体粒を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる位置決め工程と、付着層を有するキャリア材を用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の誘電体粒を前記付着層上に転写する転写工程と、転写された前記複数の誘電体粒同士を有機樹脂材料で固着して誘電体層とする固着工程と、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から突出させることにより、前記誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程と、前記凹凸が形成された前記誘電体層上に電極を直接形成する電極形成工程とを含むことを特徴とする配線基板埋込用キャパシタの製造方法。
本発明のセラミックキャパシタ内蔵配線基板を示す概略断面図。 本発明のセラミックキャパシタを示す概略断面図。 本発明のセラミックキャパシタを示す上面図。 メッシュ部材及び誘電体粒の一部を示す断面図。 メッシュ部材を示す上面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第1実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 他の実施形態のセラミックキャパシタを示す概略断面図。 他の実施形態のセラミックキャパシタを示す概略断面図。 他の実施形態のメッシュ部材を示す上面図。 他の実施形態の真空チャックを示す概略断面図。 他の実施形態の真空チャックを示す概略断面図。 従来技術の高誘電率材シートを示す概略断面図。
符号の説明
10…キャパシタとしてのセラミックキャパシタ
11…金属層及び電極としての第1金属電極層
20…高誘電率材シート
21…誘電体層
22…粒体としての誘電体粒
23…有機樹脂材料としての層間絶縁材
31…金属層及び電極としての第2金属電極層
71…配線基板としてのセラミックキャパシタ内蔵配線基板
81,82,83,84…絶縁層としての樹脂絶縁層
100…治具としてのメッシュ部材
101…位置決め部
102…治具としての真空チャック
103…位置決め部としての誘電体粒保持凹部
104…治具主面としての支持面
111…キャリア材としての金属箔
112…付着層
113…キャリア材としての樹脂フィルム
114…付着層としての粘着層
117…誘電体層の表面としての第1主面
118…誘電体層の表面としての第2主面

Claims (8)

  1. 治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、前記複数の位置決め部に複数の誘電体粒を保持させることで、前記複数の誘電体粒を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる位置決め工程と、
    付着層を有するキャリア材を用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の誘電体粒を前記付着層上に転写する転写工程と、
    転写された前記複数の誘電体粒同士を有機樹脂材料で固着して誘電体層とする固着工程と、
    前記誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程と
    を含むことを特徴とする高誘電率材シートの製造方法。
  2. 前記露出工程では、前記有機樹脂材料の表層を除去することにより、前記複数の誘電体粒の一部を前記有機樹脂材料から突出させることを特徴とする請求項1に記載の高誘電率材シートの製造方法。
  3. 前記転写工程では、粘着層を有する樹脂フィルムを前記キャリア材として用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の誘電体粒を前記粘着層上に転写するとともに、その際に前記複数の誘電体粒の一部を前記粘着層中に埋め込むようにし、前記露出工程では、前記樹脂フィルムを剥離することにより、前記誘電体層の表面に前記誘電体粒の一部を露出させることを特徴とする請求項1に記載の高誘電率材シートの製造方法。
  4. 前記粘着層は、温度に応じて粘着力が変化する材料からなることを特徴とする請求項3に記載の高誘電率材シートの製造方法。
  5. 前記誘電体層上に金属層を直接形成する金属層形成工程を、さらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高誘電率材シートの製造方法。
  6. 誘電体層と電極とを備えたキャパシタが絶縁層内に埋め込まれた配線基板の製造方法において、
    治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、前記複数の位置決め部に複数の誘電体粒を保持させることで、前記複数の誘電体粒を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる位置決め工程と、
    付着層を有するキャリア材を用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の誘電体粒を前記付着層上に転写する転写工程と、
    転写された前記複数の誘電体粒同士を有機樹脂材料で固着して誘電体層とする固着工程と、
    前記絶縁層内に前記誘電体層を埋め込む埋込工程と、
    前記誘電体層の表面にて前記複数の誘電体粒の一部を露出させる露出工程と、
    前記誘電体層上に電極を直接形成する電極形成工程と
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  7. 治具主面に沿って複数の位置決め部を二次元的に配列した構造の治具を用意し、前記複数の位置決め部に複数の粒体を保持させることで、前記複数の粒体を前記治具主面に沿って二次元的にかつ単層状に配列させる位置決め工程と、
    付着層を有するキャリア材を用意し、前記治具上にて位置決めされた前記複数の粒体を前記付着層上に転写する転写工程と
    を含むことを特徴とする粒体の配列方法。
  8. 粘着層を有する樹脂フィルムを前記キャリア材として用意し、複数の粒体をその一部が前記粘着層中に埋め込まれるように配置する配置工程と、
    配置された前記複数の粒体同士を有機樹脂材料で固着する固着工程と、
    前記樹脂フィルムを剥離することにより、前記有機樹脂材料から前記複数の粒体の一部を露出させて突出部を形成する露出工程と
    を含むことを特徴とする突出部の形成方法。
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