ところが、キャパシタ本体は、一般的に硬いセラミックによって形成されるが、層間絶縁層は、セラミックよりもかなり柔らかい樹脂によって形成される。よって、レーザー加工機を用いてビアホールを形成する場合、硬いキャパシタ本体を貫通させるためには、照射されるレーザーの出力を高くしなければならない。しかし、キャパシタ本体を通過したレーザーは、出力が高いままの状態でキャパシタ本体の下側にある層間絶縁層やコア基板に照射されるため、条件によっては、層間絶縁層上やコア基板上にある導体層が発熱して溶融してしまう可能性がある。また、ドリル機を用いてビアホールを形成する場合、硬いキャパシタ本体を貫通させるためには、孔あけ加工時の力を大きくしなければならない。しかし、孔あけ加工時において、層間絶縁層やコア基板には大きな応力が加わるため、条件によっては、層間絶縁層やコア基板が破損してしまう可能性がある。また、キャパシタ本体の誘電体層を樹脂あるいは樹脂−セラミック複合材料により形成した場合においても、条件によっては、穴あけ加工時にかかる熱や機械的衝撃により同様の不具合が発生する可能性がある。
その結果、ビアホール内にビア導体を形成したとしても、ビア導体の端部を層間絶縁層上やコア基板上にある導体層に上手く接続できないため、ビア導体と各導体層との導通を図ることが困難になる。その結果、製造される配線基板が不良品となり、歩留まりの低下に繋がってしまう。特に、上記のキャパシタがいわゆるビアアレイタイプのキャパシタ(ビアアレイキャパシタ)であれば、ビアホールを多数個形成する必要が生じるため、ビアホールの形成時にダメージを受けたときに、上記の問題を引き起こす確率が高くなる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造が容易で、かつ不良品の発生を防止できるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段(手段1)としては、以下のものがある。第1主面(102)及び第2主面(103)を有するとともに、誘電体層(105)と内部電極層(141,142)とが交互に積層配置された構造を有するキャパシタ本体(104)を備え、前記キャパシタ本体(104)に、前記内部電極層(141,142)と導通しうる複数のビア導体(131,132,138)が内部に配置される複数の穴部(133,134)が全体としてアレイ状に形成されたビアアレイキャパシタ(101)と、層間絶縁層(33,35,37)及び導体層(42)をコア基板(11)上にて交互に積層した積層部(31)とを備えるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板(10)の製造方法であって、前記キャパシタ本体(104)を準備する準備工程と、前記準備工程後、前記キャパシタ本体(104)の前記第2主面(103)側を前記コア基板(11)上または前記層間絶縁層(33,35,37)上に配置した状態で、前記第1主面(102)上に別の層間絶縁層(33,35,37)を積層することにより、前記積層部(31)内に前記キャパシタ本体(104)を内蔵する内蔵工程と、前記層間絶縁層(33,35,37)を貫通して前記複数の穴部(133,134)に連通する複数のビアホール(136,137)を形成するビアホール形成工程と、前記複数のビアホール(136,137)内及び前記複数の穴部(133,134)内に導電性材料を充填して前記複数のビア導体(131,132,138)を形成するビア導体形成工程とを含むことを特徴とするビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法。
そして、前記誘電体層にセラミックを用いた場合の手段としては、以下のものがある。第1主面(102)及び第2主面(103)を有するとともに、セラミック誘電体層(105)と内部電極層(141,142)とが交互に積層配置された構造を有するキャパシタ本体(104)を備え、前記キャパシタ本体(104)に、前記内部電極層(141,142)と導通しうる複数のビア導体(131,132,138)が内部に配置される複数の穴部(133,134)が全体としてアレイ状に形成されたビアアレイキャパシタ(101)と、層間絶縁層(33,35,37)及び導体層(42)をコア基板(11)上にて交互に積層した積層部(31)とを備えるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板(10)の製造方法であって、前記キャパシタ本体(104)を準備する準備工程と、前記準備工程後、前記キャパシタ本体(104)の前記第2主面(103)側を前記コア基板(11)上または前記層間絶縁層(33)上に配置した状態で、前記第1主面(102)上に別の層間絶縁層(35)を積層することにより、前記積層部(31)内に前記キャパシタ本体(104)を内蔵する内蔵工程と、前記層間絶縁層(33,35)を貫通して前記複数の穴部(133,134)に連通する複数のビアホール(136,137)を形成するビアホール形成工程と、前記複数のビアホール(136,137)内及び前記複数の穴部(133,134)内に導電性材料を充填して前記複数のビア導体(131,132,138)を形成するビア導体形成工程とを含むことを特徴とするビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法。
この製造方法では、あらかじめ複数の穴部が形成されたキャパシタ本体を用いているため、キャパシタ本体を内蔵して層間絶縁層にビアホールを形成する際に、層間絶縁層よりも硬いセラミック製のキャパシタ本体を貫通する加工をしなくても済む。その結果、ビアホール形成時の穴加工に要する力の調整が容易になるため、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造が容易になる。また、ビアホール形成時の穴加工に要する力の調整が容易になることで、キャパシタ本体の第2主面側にあるコア基板または層間絶縁層(導体層)を破損、溶融させなくて済む。よって、ビアホール内及び穴部内にビア導体を形成すれば、ビア導体の端部を層間絶縁層上やコア基板上にある導体層に確実に接続できるため、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の不良品の発生率を低減できる。また、前記誘電体層に樹脂あるいは樹脂−セラミック複合材料を用いた場合においても、キャパシタ本体を貫通する加工をしなくても済むため、不要な熱や機械的衝撃に起因する不具合の発生を抑えることができる。
以下、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法について説明する。ここでは、誘電体層にセラミックを用いた場合を例として説明する。なお、誘電体層に樹脂あるいは樹脂−セラミック複合材料を用いた場合の説明は省略する。準備工程において焼成工程が不要となる点のみが主な相違点だからである。
準備工程では、ビアアレイキャパシタを構成するキャパシタ本体を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。前記キャパシタ本体の厚さは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。仮に、ビアアレイキャパシタ全体の厚さが10μm未満であると、キャパシタ本体の形成が困難になる。一方、ビアアレイキャパシタ全体の厚さが200μmよりも大きくなると、キャパシタ本体の積層部への内蔵が困難になる。
上記キャパシタ本体は、板状をなし、セラミック誘電体層と内部電極層とが交互に積層配置された構造を有している。前記セラミック誘電体層としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの誘電体セラミックが好適に使用される。誘電体を使用した場合、静電容量の大きなビアアレイキャパシタを実現しやすくなる。その他、ホウケイ酸系ガラスやホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機セラミックフィラーを添加したガラスセラミックのような低温焼成セラミックが好適に使用されるほか、要求特性に応じて、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素、窒化珪素などといった高温焼成セラミックが好適に使用される。なお、前記誘電体層に樹脂を用いた場合には、エポキシ樹脂、接着剤を含んだ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などの樹脂が好適に使用される。また、前記誘電体層に樹脂−セラミック複合材料を用いた場合には、セラミックとして、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどが好適に使用され、樹脂材料として、エポキシ樹脂、フェノール、ウレタン、シリコン、ポリイミド、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート、アクリル、ポリアセタール、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂及びニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどのラテックスが好適に使用される。
前記内部電極層を形成する材料としては特に限定されないが、前記誘電体層が焼成温度が高いセラミックの焼結体である場合、当該セラミックと同時に焼結しうる金属、例えば、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン等の使用が好適である。なお、1000℃以下で焼成可能な低温焼成セラミックの焼結体を選択した場合、銅や銀などの使用が可能となる。一方、前記誘電体層が前記樹脂誘電体層である場合、または、前記誘電体層が前記セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層である場合は、誘電体層は焼結しない。ゆえに、前記内部電極層は、焼成ではなく、めっきや接着によってキャパシタ本体に形成される。内部電極層は、ニッケル、コバルト、銅、コバール等の金属や合金を用いて形成されたり、ニッケル−ボロン(Ni−B)めっきや、ニッケル−リン(Ni−P)めっき等を用いて形成される。
なお、キャパシタ本体の角部は面取りされていることが好ましい。このようにすれば、キャパシタ本体の取扱時(例えば、積層部への内蔵時など)において、キャパシタ本体の角部に掛かる応力が緩和されるため、角部の欠けを防止できる。また、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板に対して熱応力が加わった際に、ビアアレイキャパシタと積層部を構成する層間絶縁層との熱膨張差によるクラックの発生を防止できる。面取り形状はC面取り、R面取りといった周知の加工方法を適用できる。面取りと併せてチャンファーを形成することがより好ましい。工程における製品同士の接触による欠けの発生を防止できる。
前記複数の穴部は、前記セラミック誘電体層及び前記内部電極層の両方を貫通する複数の第1穴部と、前記内部電極層を貫通せずに前記セラミック誘電体層のみを貫通し、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する第2穴部とを含んでいてもよい。このような場合、第2穴部は内部電極層を貫通しないため、第2穴部内に形成されるビア導体は内部電極層とは絶縁された状態になる。これにより、第2穴部内のビア導体を介して、キャパシタ本体の上側の導体層とコア基板との導通を図ることができる。ゆえに、キャパシタ本体の上側の導体層とコア基板とをつなぐ配線を迂回させなくても済むため、本発明のようなビアアレイキャパシタを内蔵した配線基板であっても、電気回路の形成が容易になる。しかも、第2穴部は内部電極層を貫通せずにセラミック誘電体層のみを貫通するため、内部電極層の端面が第2穴部の内周面に露出する可能性が低くなる。よって、第2穴部内に形成されるビア導体と内部電極層との接触が防止されるため、第2穴部を介してキャパシタ本体の上側の導体層とコア基板とをつなぐ配線の信頼性が向上する。
前記複数の第1穴部は、前記第1主面のみにて開口する非貫通穴部であってもよいが、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する貫通穴部であることが好ましい。このようにすれば、キャパシタ本体の第1主面側とコア基板側との導通を図ることができる。また、キャパシタ本体を層間絶縁層上に配置する場合に、未硬化状態にある層間絶縁層の一部が第1穴部内に入り込むため、キャパシタ本体の平面方向への位置ずれを防止できる。
なお、前記キャパシタ本体に、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方の上に配置される金属含有層を設け、前記第1主面上に配置された金属含有層の厚さと前記第2主面上に配置された金属含有層の厚さとの合計を、例えばビアアレイキャパシタ全体の厚さの15%以上80%以下に設定してもよい。このようにすれば、ビアアレイキャパシタ全体において金属部分の比率が高くなる。その結果、ビアアレイキャパシタ全体が金属部分により補強され、柔軟性が向上して自身の強度も向上するため、ビアアレイキャパシタ全体の厚みを薄くした場合であってもビアアレイキャパシタの破損を防止することができる。
仮に、金属含有層の合計の厚さがビアアレイキャパシタ全体の厚さの15%未満であると、上記の強度(柔軟性)向上の効果が小さくなる。一方、80%を超えると、ビアアレイキャパシタ全体に対してキャパシタ本体が薄くなってキャパシタ本体の製作が困難になるため、ビアアレイキャパシタがキャパシタとしての機能を発揮できなくなる可能性がある。また、キャパシタ本体が薄くなることにより、キャパシタ本体を構成する誘電体層及び内部電極層の層数が減るため、キャパシタの容量が低下する。なお、金属含有層の合計の厚さは、ビアアレイキャパシタ全体の厚さの25%以上70%以下であることがより好ましく、35%以上60%以下であることがさらに好ましい。ここで、「ビアアレイキャパシタ全体の厚さ」とは、前記第1主面上に配置された金属含有層の厚さと前記第2主面上に配置された金属含有層の厚さとの合計に、キャパシタ本体の厚さを加えた厚さをいう。
なお、金属含有層は主として金属からなる。なお、前記第1主面上や前記第2主面上にビア導体の端面に接続される複数の端子電極がある場合、これは金属含有層に含まれる。前記誘電体層が前記セラミック誘電体層である場合、金属含有層は、セラミックと同時に焼結しうるためメタライズに適した金属材料、例えば、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン、銅、銀等を用いて形成されている。金属含有層は、純金属層を用いることができるが、好ましくはガラス成分を含有した金属層あるいはセラミック誘電体層を構成するセラミックを共材(フィラー)として含んだ複合金属層がよい。同時焼成(co-fire )時の焼成挙動をあわせるように調整したり、熱衝撃を受けたときの熱膨張係数の差異を緩和調整したり、密着力を付与したりできるため、セラミック誘電体層に確実に密着させることができる。一方、前記誘電体層が前記樹脂誘電体層である場合、または、前記誘電体層がセラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層である場合は、誘電体層は焼結しない。ゆえに、金属含有層は、焼成ではなく、めっきや接着によってキャパシタ本体に形成される。金属含有層は、ニッケル、コバルト、銅、コバール等の金属や合金を用いて形成されたり、ニッケル−ボロン(Ni−B)めっきや、ニッケル−リン(Ni−P)めっき等を用いて形成される。
前記金属含有層の厚さは前記キャパシタ本体の厚さに応じて設定される。例えば、キャパシタ本体の厚さが10μm以上200μm以下である場合、第1主面上及び第2主面上の少なくとも一方に配置された金属含有層の厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましい。仮に、金属含有層の厚さが3μm未満であると、ビアアレイキャパシタ全体の柔軟性を十分に向上させることができない。一方、金属含有層の厚さが50μmよりも大きくなると、ビアアレイキャパシタ全体が厚くなりすぎてしまう。また、第1主面上に配置された金属含有層及び第2主面上に配置された金属含有層は、互いに同じ厚さに設定されていることが好ましい。このようにすれば、ビアアレイキャパシタの凹凸、反り、うねりを低減することができる。その結果、ビアアレイキャパシタを内蔵した積層部の実装面側の平坦性(いわゆるコプラナリティ)が良くなり、半導体素子を実装した後の実装信頼性が向上する。なお、前記金属含有層が複数の端子電極を含む場合、隣接する端子電極間には所定量のクリアランスを設けることが望ましい。
また、前記キャパシタ本体は、前記内部電極層よりも厚い1つまたは2つ以上の補強用金属層をその内部に有していてもよい。このようにすれば、ビアアレイキャパシタ全体が金属部分により補強され、柔軟性が向上して自身の強度も向上するため、ビアアレイキャパシタ全体の厚みを薄くした場合であってもビアアレイキャパシタの破損を防止することができる。
なお、前記補強用金属層は、前記内部電極層として機能してもよいし、前記内部電極層として機能しなくてもよい。補強用金属層が内部電極層として機能すれば、キャパシタ本体において補強用金属層が占める割合が大きくなったとしても、ビアアレイキャパシタをキャパシタとして確実に機能させることができる。
また、補強用金属層は、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン、銅、銀等を用いて形成される。誘電体層がセラミックの場合は、セラミックと同時焼成(co-fire )しうるのに適した金属材料が選択される。
上記コア基板を形成する材料は特に限定されないが、好ましいコア基板は高分子材料を主体として形成される。コア基板を形成するための高分子材料の具体例としては、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。また、高分子材料以外に、誘電体セラミックやガラス−セラミック複合材料を使用してもよい。
上記積層部は、高分子材料を主体とする層間絶縁層及び導体層を交互に接続した構造を有しており、例えば、ビルドアップ工法などの周知の工法を用いて形成できる。積層部はコア基板の片面にのみ形成されていてもよく、コア基板の両面に形成されていてもよい。なお、ビアアレイキャパシタが内蔵された積層部については、その表面においてビアアレイキャパシタに対応した領域に半導体素子搭載部が設定されることが好ましい。このような半導体素子搭載部に半導体素子を搭載すれば、ビアアレイキャパシタをコア基板に内蔵する場合に比べてビアアレイキャパシタと半導体素子との距離が短くなるため、ビアアレイキャパシタ−半導体素子間の低インダクタンス化による電源の安定化を図ることができる。
なお、前記準備工程は、前記キャパシタ本体を準備するキャパシタ本体準備工程と、前記キャパシタ本体に、前記キャパシタ本体の厚さ方向に延びる複数の穴部をアレイ状に形成する穴部形成工程とを含んでいてもよい。特に、前記誘電体層にセラミックを用いた場合、前記準備工程は、前記キャパシタ本体となるべきセラミック未焼結体を準備するセラミック未焼結体準備工程と、前記セラミック未焼結体に、前記セラミック未焼結体の厚さ方向に延びる複数の穴部をアレイ状に形成する穴部形成工程と、前記複数の穴部が形成されたセラミック未焼結体を焼成して前記キャパシタ本体とする焼成工程とを含んでいてもよい。このようにした場合、焼成工程前に穴部形成工程を実施するため、穴部の形成時においてキャパシタ本体に大きな応力が作用しなくなり、キャパシタ本体へのクラックの発生が防止される。仮に、焼成工程後に穴部形成工程を実施すると、穴部の形成時においてキャパシタ本体に大きな応力が作用するため、キャパシタ本体にクラックが発生する可能性がある。
なお、複数の穴部の形成方法としては、セラミック未焼結体に対してドリル機を用いて孔あけ加工を行う、あるいは、打ち抜き用ピンやそれを複数本備えた打ち抜き用金型を用いて孔あけ加工を行うなどの機械的な方法が挙げられる。しかし、本発明においては、厚みの厚いコア基板(通常0.8mm程度)と比較してはるかに厚みの薄い積層部に内蔵するために全体の厚さが薄いビアアレイキャパシタを製造するため、厚さが薄いセラミック未焼結体に対して機械的衝撃を与えることは好ましくない。ゆえに、複数の穴部の形成には、レーザー加工機から照射されるレーザーを用いて孔あけ加工を行うなどの機械的ではない方法を用いることが好ましい。
さらに、前記穴部形成工程後、前記複数の穴部(複数の穴部が前記複数の第1穴部と前記第2穴部とを含む場合には複数の第1穴部)の内周面に、前記内部電極層の前記穴部(複数の穴部が複数の第1穴部と第2穴部とを含む場合には第1穴部)への露出部分に接続されるビア電極層を形成するビア電極層形成工程を行うことが好ましい。このように構成すれば、穴部(第1穴部)の内周面にビア電極層を形成しない場合に比べてビア導体との接触面積が大きくなるため、ビア導体と内部電極層との接続信頼性が向上する。また、穴部(第1穴部)の内周面にビア電極層を形成することで、キャパシタ本体を補強することもできる。
このようなビア電極層を形成する材料としては特に限定されないが、セラミックと同時に焼結しうる金属、例えば、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン等の使用が好適である。なお、低温焼成セラミックの焼結体を選択した場合、ビア電極層を形成する材料として、さらに銅や銀などの使用が可能となる。即ち、ビア電極層は、前記内部電極層及び前記ビア導体を形成する材料と同じ材料からなることが好ましい。なお、ビア電極層を形成する手法としては、穴部(第1穴部)の内周面にペーストを印刷する方法などが挙げられる。
前記焼成工程では、複数の穴部が形成されたセラミック未焼結体を焼成して前記キャパシタ本体とする。なお、焼成工程は穴部形成工程の後に実施される。即ち、焼成後のキャパシタ本体よりも柔らかい状態であるセラミック未焼結体の状態で穴部が形成されるため、穴部の形成が容易になる。仮に、焼成工程を穴部形成工程の後に実施すると、穴部の形成時に発生する応力により、キャパシタ本体にクラックが発生するおそれがある。
また、前記準備工程は、前記キャパシタ本体を準備するキャパシタ本体準備工程と、前記キャパシタ本体において前記第1穴部となるべき部分に導電性材料を充填するための複数の充填用穴を形成する充填用穴形成工程と、前記複数の充填用穴内に導電性材料を充填する充填工程と、前記充填用穴内に充填された導電性材料に対して前記充填用穴よりも小径のビア導体形成用穴を形成することにより、前記第1穴部の内周面に、前記内部電極層の前記第1穴部への露出部分に接続されるビア電極層を形成するビア電極層形成工程とを含んでいてもよい。特に、前記誘電体層にセラミックを用いた場合、前記準備工程は、前記キャパシタ本体となるべきセラミック未焼結体を準備するセラミック未焼結体準備工程と、前記セラミック未焼結体において前記第1穴部となるべき部分に導電性材料を充填するための複数の充填用穴を形成する充填用穴形成工程と、前記複数の充填用穴内に導電性材料を充填する充填工程と、前記充填用穴内に充填された導電性材料に対して前記充填用穴よりも小径のビア導体形成用穴を形成することにより、前記第1穴部の内周面に、前記内部電極層の前記第1穴部への露出部分に接続されるビア電極層を形成するビア電極層形成工程と、前記ビア電極層形成工程後、前記セラミック未焼結体を焼成して前記キャパシタ本体とする焼成工程とを含んでいてもよい。このようにした場合、ビア電極層の形成に際し、第1穴部となる充填用穴内にあらかじめ導電性材料を充填しておくため、第1穴部の内周面に導電性材料が確実に付着する。ゆえに、ビア電極層を確実に形成できる。また、焼成工程前に充填用穴形成工程及びビア電極層形成工程を実施するため、充填用穴の形成時においてキャパシタ本体に大きな応力が作用しなくなり、キャパシタ本体へのクラックの発生が防止される。それとともに、ビア導体形成用穴の形成時において充填用穴内に充填された導電性材料に大きな応力が作用しなくなるため、導電性材料の破損が防止される。なお、充填用穴内に導電性材料を充填する手法としては、充填用穴の内周面にペーストを印刷する方法などが挙げられる。
なお、複数の充填用穴の形成方法としては、セラミック未焼結体に対してドリル機を用いて孔あけ加工を行う、あるいは、打ち抜き用ピンやそれを複数本備えた打ち抜き用金型を用いて孔あけ加工を行うなどの機械的な方法が挙げられる。しかし、本発明においては、全体の厚さが薄いビアアレイキャパシタを製造するため、厚さが薄いセラミック未焼結体に対して機械的衝撃を与えることは好ましくない。ゆえに、複数の充填用穴の形成には、レーザー加工機から照射されるレーザーを用いて孔あけ加工を行うなどの機械的ではない方法を用いることが好ましい。
同様に、ビア導体形成用穴の形成方法としては、導電性材料に対してドリル機を用いて孔あけ加工を行う、あるいは、打ち抜き用ピンやそれを複数本備えた打ち抜き用金型を用いて孔あけ加工を行うなどの機械的な方法が挙げられる。しかし、本発明においては、導電性材料に対して機械的衝撃を与えることは好ましくない。ゆえに、ビア導体形成用穴の形成には、レーザー加工機から照射されるレーザーを用いて孔あけ加工を行うなどの機械的ではない方法を用いることが好ましい。
前記準備工程後、キャパシタ本体を前記コア基板上または前記層間絶縁層上に配置した状態で、前記第1主面上に別の層間絶縁層を積層することにより、前記積層部内に前記キャパシタ本体を内蔵する内蔵工程を実施する。前記内蔵工程において、前記キャパシタ本体を、コア基板の上に直接配置してもよいし、前記層間絶縁層の上に配置してもよい。さらに、キャパシタ本体を層間絶縁層上に配置する場合、キャパシタ本体をコア基板に近い側の層間絶縁層上に配置してもよいし、コア基板から離れた側の層間絶縁層上に配置してもよい。キャパシタ本体をコア基板に近づける程、キャパシタ本体をコア基板によって安定的に支持しやすくなる。一方、キャパシタ本体をコア基板から離間させる程、キャパシタ本体が内蔵された積層部の表面に半導体素子搭載部を設定した場合に、キャパシタ本体と半導体素子搭載部に搭載される半導体素子との距離がより短くなる。これにより、ビアアレイキャパシタ−半導体素子間のインダクタンスがより確実に低下するため、よりいっそうの電源の安定化を図ることができる。
続くビアホール形成工程では、前記層間絶縁層を貫通して前記複数の穴部に連通する複数のビアホールを形成する。なお、複数のビアホールの形成方法としては、層間絶縁層に対してドリル機やパンチング装置を用いて孔あけ加工を行うなどの機械的な方法が挙げられる。しかし、本発明においては、全体の厚さが薄いビアアレイキャパシタや、積層部を構成する層間絶縁層に対して機械的衝撃を与えることは好ましくない。ゆえに、複数のビアホールの形成には、レーザー加工機から照射されるレーザーを用いて孔あけ加工を行うなどの機械的ではない方法を用いることが好ましい。
続くビア導体形成工程では、前記複数のビアホール内及び前記複数の穴部内に導電性材料を充填して前記複数のビア導体を形成する。ビア導体を形成する材料としては特に限定されないが、積層部の導体層を形成する材料と同じ材料、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金、導電性を有する樹脂ペースト等の使用が好適である。このようにすれば、ビア導体の形成を積層部の形成と同時に実施することができる。特に、ビア導体を形成する材料としては、低抵抗の銅を用いることが好ましい。なお、ビア導体を形成する手法としては、めっき法が、簡単かつ低コストという理由で好適である。しかし、めっき法以外にも、例えば、スパッタリング、CVD、真空蒸着などといった手法を採用することも可能である。また、ビア導体を形成する材料に導電性を有する樹脂ペーストを用いた場合、穴埋め印刷等の手法が好適に用いられる。
また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、以下のものがある。第1主面(102)及び第2主面(103)を有するとともに、誘電体層(105)と内部電極層(141,142)とが交互に積層配置された構造を有するキャパシタ本体(104)を備え、前記キャパシタ本体(104)に、前記内部電極層(141,142)と導通しうる複数のビア導体(131,132,138)が内部に配置される複数の穴部(133,134)が全体としてアレイ状に形成されたビアアレイキャパシタ(101)と、層間絶縁層(33,35,37)及び導体層(42)をコア基板(11)上にて交互に積層した積層部(31)とを備えるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板(10)であって、前記ビアアレイキャパシタ(101)は前記第2主面(103)側を前記コア基板(11)側に向けた状態で前記積層部(31)に内蔵され、前記複数のビア導体(131,132,138)は、少なくとも前記第1主面(102)を覆う前記層間絶縁層(35)を貫通し、前記積層部(31)内の前記導体層(42)に接合されていることを特徴とするビアアレイキャパシタ内蔵配線基板。
従って、手段2のビアアレイキャパシタ内蔵配線基板によると、ビアアレイキャパシタを構成するビア導体は、積層部内の導体層に接合された構造となっている。これにより、ビアアレイキャパシタと導体層との確実な導通を図ることができるため、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の信頼性が向上する。
以下、本発明のビアアレイキャパシタ内蔵配線基板を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態のビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10は、ICチップ搭載用の配線基板であって、ガラスエポキシからなる略矩形板状のコア基板11と、コア基板11の上面12上に形成されるビルドアップ層31(積層部)と、コア基板11の下面13上に形成されるビルドアップ層32とからなる。コア基板11における複数箇所にはビア導体16が形成されている。かかるビア導体16は、コア基板11の上面12側と下面13側とを接続導通している。また、コア基板11の上面12及び下面13には、銅からなる導体層41がパターン形成されており、各導体層41は、ビア導体16に電気的に接続されている。
コア基板11の上面12上に形成されたビルドアップ層31は、エポキシ樹脂からなる3層の樹脂絶縁層33,35,37(いわゆる層間絶縁層)と、銅からなる導体層42とを交互に積層した構造を有している。第3層の樹脂絶縁層37の表面上における複数箇所には、端子パッド44がアレイ状に形成されている。また、樹脂絶縁層37の表面は、ソルダーレジスト40によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト40の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。端子パッド44の表面上には、複数のはんだバンプ45が配設されている。各はんだバンプ45は、半導体素子であるICチップ21の面接続端子22に電気的に接続されている。なお、各端子パッド44及び各はんだバンプ45は、ビルドアップ層31においてビアアレイキャパシタ101の真上の領域内に位置しており、この領域が半導体素子搭載部23となる。また、樹脂絶縁層33,35,37内には、それぞれビア導体43が設けられている。これらのビア導体43は、導体層41,42と端子パッド44とを相互に電気的に接続している。
図1に示されるように、コア基板11の下面13上に形成されたビルドアップ層32は、上述したビルドアップ層31とほぼ同じ構造を有している。即ち、ビルドアップ層32は、エポキシ樹脂からなる3層の樹脂絶縁層34,36,38と、導体層42とを交互に積層した構造を有している。第3層の樹脂絶縁層38の下面上における複数箇所には、ビア導体43を介して導体層42に電気的に接続されるBGA用パッド48が格子状に形成されている。また、樹脂絶縁層38の下面は、ソルダーレジスト47によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト47の所定箇所には、BGA用パッド48を露出させる開口部50が形成されている。BGA用パッド48の表面上には、図示しないマザーボードとの電気的な接続を図るための複数のはんだバンプ49が配設されている。そして、各はんだバンプ49により、図1に示されるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10は図示しないマザーボード上に実装される。
ビルドアップ層31の中央部には、図2等に示すビアアレイキャパシタ101が内蔵されている。本実施形態のビアアレイキャパシタ101を構成するキャパシタ本体104は、縦15.0mm×横15.0mm×厚さ0.08mmの板状物である。図1,図2に示されるように、キャパシタ本体104は、上面102(第1主面)及び下面103(第2主面)を有しており、上面102上にビルドアップ層31を構成する前記樹脂絶縁層35が位置し、下面103上にビルドアップ層31を構成する前記樹脂絶縁層33が位置している。キャパシタ本体104は、セラミック誘電体層105を介して第1内部電極層141(内部電極層)と第2内部電極層142(内部電極層)とを交互に積層配置した構造を有している。セラミック誘電体層105は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、第1内部電極層141及び第2内部電極層142間の誘電体(絶縁体)として機能する。第1内部電極層141及び第2内部電極層142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、キャパシタ本体104の内部において一層おきに配置されている。
図2に示されるように、キャパシタ本体104には複数の第1穴部133(穴部)と、複数(図2では1つのみ図示)の第2穴部134(穴部)とが形成されている。これらの穴部133,134は、キャパシタ本体104をその厚さ方向に貫通するとともに、全面にわたって格子状(アレイ状)に配置されている。詳述すると、第1穴部133は、セラミック誘電体層105及び内部電極層141,142の両方を貫通し、上面102及び下面103にて開口する貫通穴部である。よって、第1穴部133の内周面には、第1内部電極層141または第2内部電極層142が露出している。一方、第2穴部134は、内部電極層141,142を貫通せずにセラミック誘電体層105のみを貫通し、上面102及び下面103にて開口する貫通穴部である。よって、第2穴部134の内周面には、内部電極層141,142が露出しにくくなっている。
図2に示されるように、各第1穴部133の内周面には、それぞれビア電極層135がニッケルを主材料として形成されており、これらのビア電極層135は、第1内部電極層141または第2内部電極層142に接続されている。そして、各ビア電極層135の内周面には、前記ビルドアップ層31を構成する前記樹脂絶縁層33,35を貫通し、第1穴部133に連通する複数の第1ビアホール136が形成されている。即ち、各第1ビアホール136の内径は、第1穴部133の内径よりも小さくなっている。各第1ビアホール136内(各第1穴部133内)には、複数のビア導体131,132が電解銅めっきによって形成されている。各第1ビア導体131は、各第1内部電極層141を貫通しており、ビア電極層135を介してそれら同士を導通している。各第2ビア導体132は、各第2内部電極層142を貫通しており、ビア電極層135を介してそれら同士を導通している。一方、各第2穴部134内には、樹脂絶縁層35の一部が充填されている。そして、各第2穴部134の中心部分には、樹脂絶縁層33,35を貫通し、第2穴部134に連通する複数の第2ビアホール137が形成されている。即ち、各第2ビアホール137の内径は、第2穴部134の内径よりも小さくなっている。各第2ビアホール137内には、複数の第3ビア導体138が電解銅めっきによって形成されている。なお、これらのビア導体131,132,138も、全面にわたって格子状(アレイ状)に配置されている。
図2に示されるように、ビア導体131,132,138の上面102側の端面は、樹脂絶縁層35上の前記導体層42に対して電気的に接続される。一方、ビア導体131,132,138の下面103側の端面は、樹脂絶縁層33上の前記導体層41に対して電気的に接続されており、ビア導体16,43、導体層41,42、BGA用パッド48及びはんだバンプ49を介して、図示しないマザーボードが有する電極(接触子)に対して電気的に接続される。
マザーボード側から導体層41等を介して通電を行い、第1内部電極層141−第2内部電極層142間に電圧を加えると、第1内部電極層141に例えばプラスの電荷が蓄積し、第2内部電極層142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、ビアアレイキャパシタ101がキャパシタとして機能する。また、このビアアレイキャパシタ101では、第1ビア導体131及び第2ビア導体132がそれぞれ交互に隣接して配置され、かつ、第1ビア導体131及び第2ビア導体132を流れる電流の方向が互いに逆向きになるように設定されている。これにより、インダクタンス成分の低減化が図られている。
次に、本実施形態のビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10の製造方法について述べる。
準備工程では、コア基板11とキャパシタ本体104とを、それぞれ従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
コア基板11は以下のように作製される。まず、縦415mm×横410mm×厚み0.87mmの基材の両面に、厚み35μmの銅箔が貼付された銅張積層板を準備する。次に、銅張積層板に対してドリル機を用いて孔あけ加工を行い、ビア導体16を形成するための貫通孔(図示略)を所定位置にあらかじめ形成しておく。そして、銅張積層板の全面に対して無電解銅めっきを施し、各貫通孔の内部を銅めっきで埋めることでビア導体16を形成する。さらに、銅張積層板の両面の銅箔のエッチングを行って導体層41を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする。具体的には、無電解銅めっきの後、この無電解銅めっき層を共通電極として電解銅めっきを施す。さらにドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、ドライフィルムを所定パターンに形成する。この状態で、不要な電解銅めっき層、無電解銅めっき層及び銅箔をエッチングで除去する。その後、ドライフィルムを剥離することによりコア基板11を得る(図7参照)。
また、キャパシタ本体104は以下のように作製される。まず、キャパシタ本体104となるべきセラミック未焼結体150を準備するセラミック未焼結体準備工程を実施する。即ち、セラミックのグリーンシート151,152(未焼結セラミック誘電体層)を形成し、これらのグリーンシート151,152に内部電極層用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。これにより、後に第1内部電極層141となる第1内部電極部153(未焼結内部電極層)と、第2内部電極層142となる第2内部電極部154(未焼結内部電極層)とが形成される。次に、第1内部電極部153が形成されたグリーンシート151と第2内部電極部154が形成されたグリーンシート152とを交互に積層し、シート積層方向に押圧力を付与することにより、各グリーンシート151,152が一体化され、セラミック未焼結体150が得られる(図3参照)。
続く穴部形成工程では、レーザー加工機を用いて、セラミック未焼結体150に対して第1穴部133及び第2穴部134をアレイ状に貫通形成する(図4参照)。次に、ビア電極層形成工程では、第1穴部133の内周面にビア電極層用ニッケルペーストを印刷し、ビア電極層135となるべきビア電極層部155を形成する(図5参照)。
続く焼成工程では、穴部133,134及びビア電極層部155が形成されたセラミック未焼結体150の乾燥を行い、ビア電極層部155などをある程度固化させる。次に、セラミック未焼結体150を脱脂し、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、キャパシタ本体104となる(図6参照)。
続くビルドアップ層形成工程では、従来周知の手法に基づいてコア基板11の上面102の上にビルドアップ層31を形成するとともに、コア基板11の下面103の上にビルドアップ層32を形成する。詳述すると、まずコア基板11の上面102及び下面103にシート状の熱硬化性エポキシ樹脂をラミネートし、レーザー加工機により、ビア導体43が形成されるべき位置に盲孔を有する第1層の樹脂絶縁層33,34を形成する。なお、シート状の熱硬化性エポキシ樹脂をラミネートする代わりに、液状の熱硬化性エポキシ樹脂を塗布することにより、樹脂絶縁層33,34を形成してもよい。次に、従来公知の手法(例えばセミアディティブ法)に従って電解銅めっきを行い、前記盲孔の内部にビア導体43を形成するとともに、樹脂絶縁層33,34上に導体層42を形成する(図8参照)。なお、この時点でビルドアップ層形成工程を一旦中止し、内蔵工程を実施する。
内蔵工程では、フリップチップボンダー等のマウント装置を用いて、樹脂絶縁層33上にキャパシタ本体104を配置する(図9参照)。この際、キャパシタ本体104は、未硬化状態の樹脂絶縁層33の一部が第1穴部133内及び第2穴部134内に入り込むことで、平面方向への位置ずれが防止される。
そして、ビルドアップ層形成工程を再開する。具体的には、第1層の樹脂絶縁層33,34上及びキャパシタ本体104の上面102上にシート状の熱硬化性エポキシ樹脂をラミネートし、未硬化状態にある第2層の樹脂絶縁層35,36を形成する(図10参照)。このとき、樹脂絶縁層35は、キャパシタ本体104の第1穴部133及び第2穴部134内にも入り込む。その結果、キャパシタ本体104が樹脂絶縁層33,35の層間に内蔵され、内蔵工程が終了する。なお、シート状の熱硬化性エポキシ樹脂をラミネートする代わりに、液状の熱硬化性エポキシ樹脂を塗布することにより、未硬化状態にある樹脂絶縁層35,36を形成してもよい。
そして、未硬化状態にある第2層の樹脂絶縁層35,36に対して、レーザー加工機により、ビア導体43が形成されるべき位置に盲孔を形成するとともに、樹脂絶縁層33,35を貫通して第1穴部133及び第2穴部134に連通する複数のビアホール136,137を形成する(ビアホール形成工程)。その後、樹脂絶縁層35,36を硬化させる(図11)。次に、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、前記盲孔の内部にビア導体43を形成するとともに、各ビアホール136,137内及び各穴部133,134内にビア導体131,132,138を形成する(ビア導体形成工程)。さらに、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、樹脂絶縁層35,36上に導体層42を形成する(図2参照)。なお、ビアアレイキャパシタ101はこの段階で完成する。
次に、第2層の樹脂絶縁層35,36上にシート状の熱硬化性エポキシ樹脂をラミネートし、レーザー加工機により、ビア導体43が形成されるべき位置に盲孔を有する第3層の樹脂絶縁層37,38を形成する。ここで、第3層の樹脂絶縁層37,38は、第1層の樹脂絶縁層33,34と同じ厚さに形成される。なお、シート状の熱硬化性エポキシ樹脂をラミネートする代わりに、液状の熱硬化性エポキシ樹脂を塗布することにより、樹脂絶縁層37,38を形成してもよい。さらに、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、前記盲孔の内部にビア導体43を形成するとともに、樹脂絶縁層37上に端子パッド44を形成し、樹脂絶縁層38上にBGA用パッド48を形成する。なお、ビルドアップ層31,32はこの段階で完成する。その結果、コア基板11及びビルドアップ層31,32からなるとともに、ビルドアップ層31にビアアレイキャパシタ101が内蔵されたビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10が完成する。
次に、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10を評価した結果について述べる。
まず測定用サンプルを次のように準備した。あらかじめ穴部133,134を形成したキャパシタ本体104をビルドアップ層31に内蔵することによって製造した測定用サンプルを、実施例とした。即ち、本実施形態のビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10と同様のビアアレイキャパシタ内蔵配線基板を実施例とした。また、穴部133,134を形成せずにキャパシタ本体104をビルドアップ層31に内蔵し、ビアホール136,137の形成の際に穴部133,134を同時に形成することによって製造した測定用サンプルを、比較例とした。
この結果、比較例では、穴部133,134を形成した時点で、ビアホール136,137の下面103側の端部にて発生した熱によるコア基板11の導体層41の溶融や、樹脂絶縁層33とキャパシタ本体104との界面に生じた熱応力が原因と見られる剥離の発生が見られた。その後、穴部133,134内にビア導体131,132,138を形成し、通常のビルドアップ工程を経て、ビルドアップ層31間にビアアレイキャパシタ101を内蔵した測定用サンプルを作製したが、十分な機能は得られなかった。一方、実施例では、上記のような問題は発生しなかった。従って、キャパシタ本体104にビルドアップ層31を内蔵する前の段階で穴部133,134を形成しておけば、信頼性の高いビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10を得られることが証明された。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10の製造方法によれば、あらかじめ穴部133,134が形成されたキャパシタ本体104を用いている。このため、キャパシタ本体104を内蔵して樹脂絶縁層33,35にビアホール136,137を形成する際に、樹脂絶縁層33,35よりも硬いセラミック製のキャパシタ本体104を貫通する加工をしなくても済む。その結果、ビアホール形成時において、レーザー加工機から照射されるレーザーの出力調整が容易になるため、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10の製造が容易になる。また、ビアホール形成時の穴加工に要する力の調整が容易になることで、レーザーの熱によってコア基板11の導体層41を溶融させなくて済む。よって、ビア導体131,132,138を形成すれば、ビア導体131,132,138の下面103側の端部を導体層41に確実に接続できるため、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10の不良品の発生率を低減できる。
(2)本実施形態の第1穴部133及び第2穴部134は、上面102及び下面103にて開口する貫通穴部である。このため、キャパシタ本体104の上面102側とコア基板11側との導通を図ることができる。また、キャパシタ本体104を樹脂絶縁層33上に配置する際に、未硬化状態にある樹脂絶縁層33の一部が第1穴部133内及び第2穴部134内に入り込むため、キャパシタ本体104の平面方向への位置ずれを防止できる。さらに、内蔵工程においてキャパシタ本体104を樹脂絶縁層33上に配置した際に、キャパシタ本体104と樹脂絶縁層33との間に空気が溜まったとしても、溜まった空気を穴部133,134を介して抜くことができる。
(3)本実施形態の製造方法では、樹脂絶縁層35を形成した後の工程で電解銅めっきを行う際に、樹脂絶縁層35にビア導体43や導体層42を形成するだけでなく、それと同時にビアホール136,137の内部にビア導体131,132,138も形成している。このため、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10を効率良く製造できる。
(4)本実施形態では、ビルドアップ層31の半導体素子搭載部23がビアアレイキャパシタ101の真上の領域に位置しているため、半導体素子搭載部23は、樹脂絶縁層33,35,37よりも強度が高いビアアレイキャパシタ101によって支持される。よって、上記半導体素子搭載部23においては、ビルドアップ層31の表面の実装面が変形しにくくなり平坦性(コプラナリティ)を高めることができるため、半導体素子搭載部23に搭載されるICチップ21をより安定的に支持できる。ゆえに、ICチップ21として、発熱量が大きいために熱応力の影響が大きい10mm角以上の大型のICチップや、Low−k(低誘電率)のICチップを用いることができる。
(5)本実施形態のキャパシタ本体104は、厚みの厚いコア基板11と比較してはるかに厚みの薄いビルドアップ層31に内蔵するために薄くなっている。これにより、キャパシタ本体104は、焼成後に凹凸、反り、うねりが生じやすい構造となっているため、樹脂絶縁層35上の導体層42やコア基板11上の導体層41に対して上手く導通できない可能性がある。しかし、本実施形態では、ビア導体131,132,138を、樹脂絶縁層35上の導体層42及びコア基板11上の導体層41に接合した構造となっている。その結果、キャパシタ本体104の状況にかかわらず、ビアアレイキャパシタ101と導体層41,42との確実な導通を図ることができるため、ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板10の信頼性が向上する。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の準備工程におけるキャパシタ本体104の作製を、他の方法によって行ってもよい。例えば、セラミック未焼結体準備工程においてセラミック未焼結体150を準備した後、充填用穴形成工程を実施し、セラミック未焼結体150において第1穴部133となるべき部分に複数の充填用穴162を形成する(図12参照)。続く充填工程では、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、ニッケルを主材料とする導体ペースト161(導電性材料)を各充填用穴162内に充填する(図13参照)。続くビア電極層形成工程では、レーザー加工機を用いて、充填用穴162内に充填された導体ペースト161に対して充填用穴162よりも小径のビア導体形成用穴163を形成する(図14参照)。これにより、充填用穴162の内周面に、ビア電極層135となるビア電極層部155が形成される。また、レーザー加工機を用いて、セラミック未焼結体150に対して第2穴部134を貫通形成する。その後、焼成工程においてセラミック未焼結体150を焼成することにより、キャパシタ本体104が作製される。
このようにする場合、ビア電極層135の形成に際し、第1穴部133となる充填用穴162内にあらかじめ導体ペースト161を充填しておくため、充填用穴162の内周面に導体ペースト161が確実に付着する。ゆえに、ビア電極層135を確実に形成できる。また、焼成工程前に充填用穴形成工程及びビア電極層形成工程を実施するため、充填用穴162の形成時においてキャパシタ本体104に大きな応力が作用しなくなり、キャパシタ本体104へのクラックの発生が防止される。しかも、ビア導体形成用穴163の形成時において充填用穴162内に充填された導体ペースト161に大きな応力が作用しなくなるため、導体ペースト161の破損が防止される。
・上記実施形態の穴部133,134は、キャパシタ本体104の上面102及び下面103にて開口する貫通穴部であったが、非貫通穴部であってもよい。例えば、図15に示されるように、ビア電極層135を上面102のみにて開口する有底の円筒体とすることにより、第1穴部133を非貫通穴部にしてもよい。
・上記実施形態では、各第1ビア導体131がビア電極層135を介して各第1内部電極層141同士を導通し、各第2ビア導体132がビア電極層135を介して第2内部電極層142同士を導通していた。しかし、図16に示されるように、ビア電極層135を省略してもよい。この場合、各第1ビア導体131は、各第1内部電極層141に接続されてそれら同士を導通し、各第2ビア導体132は、各第2内部電極層142に接続されてそれら同士を導通する。
・上記実施形態の内蔵工程では、キャパシタ本体104を樹脂絶縁層33上に配置したが、キャパシタ本体104をコア基板11の上面12上に配置してもよい。この場合、キャパシタ本体104の下面103にはコア基板11の導体層41が当接するようになる。よって、キャパシタ本体104をコア基板11によって安定的に支持できる。また、上記実施形態おいて、樹脂絶縁層35上に配置された導体層42を、キャパシタ本体104の上面102上に配置するようにしてもよい。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)第1主面及び第2主面を有するとともに、セラミック誘電体層と内部電極層とが交互に積層配置された構造を有するキャパシタ本体を備え、前記キャパシタ本体に、前記内部電極層と導通しうる複数のビア導体が内部に配置される複数の穴部が全体としてアレイ状に形成されたビアアレイキャパシタと、層間絶縁層及び導体層をコア基板上にて交互に積層した積層部とを備えるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法であって、前記セラミック誘電体層となるべき未焼結セラミック誘電体層と前記内部電極層となるべき未焼結内部電極層とが交互に積層配置された構造をなし、前記キャパシタ本体となるべきセラミック未焼結体を準備するセラミック未焼結体準備工程と、前記セラミック未焼結体に、前記セラミック未焼結体の厚さ方向に延びる複数の穴部をアレイ状に形成する穴部形成工程と、前記複数の穴部が形成されたセラミック未焼結体を焼成して前記キャパシタ本体とする焼成工程と、前記焼成工程後、前記キャパシタ本体の前記第2主面側を前記コア基板上または前記層間絶縁層上に配置した状態で、前記第1主面上に別の層間絶縁層を積層することにより、前記積層部内に前記キャパシタ本体を内蔵する内蔵工程と、前記層間絶縁層を貫通して前記複数の穴部に連通する複数のビアホールを形成するビアホール形成工程と、前記複数のビアホール内及び前記複数の穴部内に導電性材料を充填して前記複数のビア導体を形成するビア導体形成工程とを含むことを特徴とするビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法。
(2)第1主面及び第2主面を有するとともに、セラミック誘電体層を介して第1内部電極層と第2内部電極層とが交互に積層配置された構造を有するキャパシタ本体を備え、前記キャパシタ本体に、前記セラミック誘電体層及び前記第1内部電極層の両方を貫通して前記第1主面及び前記第2主面にて開口することにより、前記第1内部電極層と導通する複数の第1ビア導体、または、前記セラミック誘電体層及び前記第2内部電極層の両方を貫通して前記第1主面及び前記第2主面にて開口することにより、前記第2内部電極層と導通する複数の第2ビア導体が内部に配置される複数の第1穴部が全体としてアレイ状に形成されるとともに、前記第1内部電極層及び前記第2内部電極層を貫通せずに前記セラミック誘電体層のみを貫通して前記第1主面及び前記第2主面にて開口し、複数の第3ビア導体が内部に配置される複数の第2穴部が全体としてアレイ状に形成されたビアアレイキャパシタと、層間絶縁層及び導体層をコア基板上にて交互に積層した積層部とを備えるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法であって、前記キャパシタ本体を準備する準備工程と、前記準備工程後、前記キャパシタ本体の前記第2主面側を前記コア基板上または前記層間絶縁層上に配置した状態で、前記第1主面上に別の層間絶縁層を積層することにより、前記積層部内に前記キャパシタ本体を内蔵する内蔵工程と、前記層間絶縁層を貫通して前記複数の第1穴部に連通する複数の第1ビアホールを形成する第1ビアホール形成工程と、前記層間絶縁層を貫通して前記複数の第2穴部に連通する複数の第2ビアホールを形成する第2ビアホール形成工程と、前記複数の第1ビアホール内及び前記複数の第1穴部内に導電性材料を充填して前記複数の第1ビア導体及び前記複数の第2ビア導体を形成する第1ビア導体形成工程と、前記複数の第2ビアホール内及び前記複数の第2穴部内に導電性材料を充填して前記複数の第3ビア導体を形成する第2ビア導体形成工程とを含むことを特徴とするビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法。
(3)第1主面及び第2主面を有するとともに、セラミック誘電体層を介して第1内部電極層と第2内部電極層とが交互に積層配置された構造を有するキャパシタ本体を備え、前記キャパシタ本体に、前記セラミック誘電体層及び前記第1内部電極層の両方を貫通して前記第1主面及び前記第2主面にて開口することにより、前記第1内部電極層と導通する複数の第1ビア導体、または、前記セラミック誘電体層及び前記第2内部電極層の両方を貫通して前記第1主面及び前記第2主面にて開口することにより、前記第2内部電極層と導通する複数の第2ビア導体が内部に配置される複数の第1穴部が全体としてアレイ状に形成されるとともに、前記第1内部電極層及び前記第2内部電極層を貫通せずに前記セラミック誘電体層のみを貫通して前記第1主面及び前記第2主面にて開口し、複数の第3ビア導体が内部に配置される複数の第2穴部が全体としてアレイ状に形成されたビアアレイキャパシタと、層間絶縁層及び導体層をコア基板上にて交互に積層した積層部とを備えるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法であって、前記セラミック誘電体層となるべき未焼結セラミック誘電体層と前記内部電極層となるべき未焼結内部電極層とが交互に積層配置された構造をなし、前記キャパシタ本体となるべきセラミック未焼結体を準備するセラミック未焼結体準備工程と、前記セラミック未焼結体に、前記セラミック未焼結体の厚さ方向に延びる複数の穴部をアレイ状に形成する穴部形成工程と、前記穴部形成工程後、前記複数の第1穴部の内周面に、前記第1内部電極層及び前記第2内部電極層の前記第1穴部への露出部分に接続されるビア電極層を形成するビア電極層形成工程と、前記複数の穴部及び前記ビア電極層が形成されたセラミック未焼結体を焼成して前記キャパシタ本体とする焼成工程と、前記焼成工程後、前記キャパシタ本体の前記第2主面側を前記コア基板上または前記層間絶縁層上に配置した状態で、前記第1主面上に別の層間絶縁層を積層することにより、前記積層部内に前記キャパシタ本体を内蔵する内蔵工程と、前記層間絶縁層を貫通して前記複数の第1穴部に連通する複数の第1ビアホールを形成する第1ビアホール形成工程と、前記層間絶縁層を貫通して前記複数の第2穴部に連通する複数の第2ビアホールを形成する第2ビアホール形成工程と、前記複数の第1ビアホール内及び前記複数の第1穴部内に導電性材料を充填して前記複数の第1ビア導体及び前記複数の第2ビア導体を形成する第1ビア導体形成工程と、前記複数の第2ビアホール内及び前記複数の第2穴部内に導電性材料を充填して前記複数の第3ビア導体を形成する第2ビア導体形成工程とを含むことを特徴とするビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法。
(4)第1主面及び第2主面を有するとともに、セラミック誘電体層と内部電極層とが交互に積層配置された構造を有するキャパシタ本体を備え、前記キャパシタ本体に、前記内部電極層と導通しうる複数のビア導体が内部に配置される複数の穴部が全体としてアレイ状に形成されたビアアレイキャパシタと、層間絶縁層及び導体層をコア基板上にて交互に積層した積層部とを備えるビアアレイキャパシタ内蔵配線基板であって、前記ビアアレイキャパシタは前記第2主面側を前記コア基板側に向けた状態で前記積層部に内蔵され、前記キャパシタ本体は、前記層間絶縁層上に配置されるとともに、前記第1主面上に別の層間絶縁層が積層されており、前記複数のビア導体は、前記第1主面側及び前記第2主面側の前記層間絶縁層を貫通し、前記複数のビア導体の前記第1主面側の端部が前記積層部内の導体に接合されるとともに、前記複数のビア導体の前記第2主面側の端部が前記コア基板上の導体に接合されることを特徴とするビアアレイキャパシタ内蔵配線基板。