JP2006528044A - 不正操作防止キャップ付きプレフィルドシリンジ - Google Patents

不正操作防止キャップ付きプレフィルドシリンジ Download PDF

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Abstract

本発明は、すぐ使えるフレフィルドシリンジ型医療用器具(1)に関し、その先端(4)に注射針ルアーコネクタ(5)と、その基端(12)にカラー(13)とを具えた筒状本体(2)を有する。筒状本体(2)内を移動するピストン(3)は、少なくとも部分的に薬液が充填される内部有効容積(8)を筒状本体(2)と共に画成する初期位置に配され、このピストンのための操作ロッド(11)が筒状本体の基端を越えて延在し、硬質キャップ(15)はカラー(13)に連結されて確実に固定され、操作ロッド(11)の自由直線移動通過のための中央開口(23)を具え、前記キャップ(15)は操作ロッド(11)の基端方向に停止手段を形成または具えていることを特徴とする。プランジャ(14)は、筒状本体(2)内で直線状に自由に動くように配され、注射針によって突き破られない材料から作られる。

Description

本発明は、ピストンを具えたプレフィルドシリンジ型の医療用器具に関し、この器具は当該器具に例えば薬液が充填された場合、ピストンに対するアクセスおよびその抜き外しを防止するための手段を具えている。
すぐ使えるプレフィルドシリンジの分野において、このシリンジが使われてしまっているか否かを確認できるようにした器具がすでに示されている。これらの器具は、概ねシリンジの先端部、すなわちシリンジの注射針側の端部に関する。要するに、シリンジが使用可能となる前に破壊されるべきキャップで注射針を覆うことが提案されている。
しかしながら、プレフィルドシリンジの場合、ピストンに対するアクセスを防止する器具を提供することが有用である。また、ピストンが抜き外されるのを防止する器具を提供することも有用である。これは、ピストンを作動させる操作ロッドが取り外され、次いでピストンが注射針によって突き破られ、シリンジに予期しないまたは無許可の液体または成分が注入されることが起こる可能性があるためである。このロッドはその後、ピストンに再装着される。
この型のシリンジの製造中、シリンジは無菌環境にて充填され、次いで包装されて場合によっては殺菌消毒される。これら充填および包装の2つのステップの間で、これらのシリンジの内部空間が外部にさらされてはならず、またはここに収容される薬剤が汚染されてはならない。
特許文献1は、取り外される開いたクリップと、シリンジピストンの移動および/または抜き外しを防止するように、シリンジの本体の基端部に位置するフランジを越えて予め取り付けられたピストン操作ロッドとを記述している。
欧州特許第0738517号明細書
しかしながら、このクリップは、これが開いているため、簡単に取り外され、次いでシリンジのフランジに戻すことができる。従って、これをピストンに対するアクセスを拒むために使うことはできない。これはまた、ピストンの抜き外しも防止しない。
他のシステムは「閉鎖」存在と言われているが、ピストン操作ロッドが存在する場合にのみピストンの抜き外しが防止される。
本発明は、ピストンに対するアクセスを防止すると共にピストンが抜き外されるのを防止することを共に可能とする手段を装備したプレフィルドシリンジを提案することにより、この問題を改善することを意図している。
本発明は、すぐ使えるプレフィルドシリンジ型の医療用器具に関し、その先端の注射針を取り付けるためのチップおよびその基端のフランジを具えた筒状本体と、この筒状本体内を摺動可能であって少なくとも部分的に薬液が充填される内部有効容積を当該筒状本体と共に画成する初期位置に配されるピストンと、筒状本体の基端を越えて延在し、ピストンを作動させるためのロッドとを具えており、硬質カバーがフランジに装着されて確実に固定され、操作ロッドの自由直線移動通過用の中央開口を有し、前記カバーは操作ロッドを基端方向に停止する手段を形成または具えており、プラグがピストンと前記本体の基端との間の筒状本体内を自由に直線移動するように設けられ、前記プラグは注射針では突き破れない材料から作られていることを特徴とする。
本発明による器具は、ピストンに対するアクセスを拒んでピストンが抜き外されるのを阻止する。実際、本発明による器具において、ピストンにアクセスする任意の試みがなされた場合、ある試みは操作ロッドを引き抜くようにするが、基端方向へ操作ロッドを停止する手段が形成された硬質カバーの中央開口の形状のため、操作ロッドはこの剛体カバーによって止められ、ピストンを引き抜くことはできない。さらに、注射針によって突き破られない材料で作られたストッパが存在するため、ピストンへのアクセスが不可能である。
この出願において、構成部材の先端が器具の使用者から最も遠い端部を意味しているように理解されるべきであり、基端が器具の使用者に最も近い端部を意味しているように理解されるべきである。
プラグは、ピストンと前記本体の基端との間の筒状本体内を自由に直線移動するように設定されている。本発明の一実施形態において、操作ロッドはその先端にてプラグに固定される。本発明の他の実施形態において、操作ロッドはプラグに固定されない。
プラグおよびピストンとの間に支承面を有することが有利である。
本発明の好ましい一実施形態において、基端方向への停止手段がカバーとプラグとの間の操作ロッドに固定される。操作ロッドの先端は、例えばプラグを介してピストンに固定されることができる。
プラグおよびピストンは、直線運動に関して一方が他方に対し固定されることが有利である。
本発明の一実施形態において、カバーはアルミニウムから作られ、器具のフランジにかしめられる。
本発明の他の実施形態において、カバーはステンレス鋼から作られ、フランジに対して確実にクリップ留めされる。
本発明の他の実施形態において、カバーはプラスチックから作られる。
本発明の一実施形態において、カバーはリングの2つの半片の形態にあり、これらは硬質であって相互にスナップ締結され、このリングの2つの半片は、フランジに係合してこれに固定されることができ、リングの半片のそれぞれは、筒状本体の外寸に対応した半円の開口を具えた下部プラットホームと、操作ロッドが自由に直線移動するように、その通過のために設定された半円の開口を具えた上部プラットホームとを具えている。
本発明の一実施形態において、リングの2つの半片は対称である。
リングの一方の半片を他方にスナップ締結する手段は、それぞれのリングの半片の内側に位置していることが有利である。好ましくは、2つのリング半片の他方の中のスナップ締結物から結果として生ずるリングは、その外面にスナップ締結または係合解除手段を有しない。
プラグは、注射針によって突き破られない材料から作られる。好ましくは、プラグの材料の厚みおよび性質は、プラグが注射針で突き破られることができないように選択される。好ましくは、プラグが作られる材料は、プラスチック,ポリオレフィンポリマー,ポリカーボネートおよびこれらの混合物から選択される。
プラグは、プラグ内への前記ロッドのねじ込みまたはスナップ締結により操作ロッドの先端に連結されることが有利である。
本発明の一実施形態において、プラグはピストンに固定されない。
本発明の他の実施形態において、プラグは前記プラグをピストン内にねじ込むことによってピストンに連結される。
本発明の一実施形態において、操作ロッドは操作ロッドの軸線に関して概ね径方向の平面を向く少なくとも1つの突起が設けられ、この突起はプラグと筒状本体の基端との間に位置している。
本発明は、次に続く詳細な説明から、添付図面を参照してさらに良く理解されよう。
図1は、ガラスから作られる筒状本体2と、この筒状本体内を摺動可能なピストン3とを具えた器具1を示している。筒状本体2は、その先端4に注射針、例えば中空の皮下注射針(図示せず)を取り付けるためのチップ5−このチップはキャップ6によって塞がれている−と、その基端12にフランジ13とを有する。
ピストンの下部端7は、筒状本体2の内部に薬液9が充填される内部有効容積8を画成する。ピストン3から独立しているプラグ14は、筒状本体2の基端12から突出する操作ロッド11の先端36に固定されている。本発明の図示しない実施形態においては、操作ロッド11がプラグ14に固定されていない。このプラグ14は、これを先端方向に支持する前記ピストン3の基端側に対し、本体2内を自由に直線移動するように設定されている。そのため、プラグ14とピストン3との間に支承面10がある。
硬質のアルミニウム製カバー15がフランジ13にかしめられ、操作ロッド11が基端方向に自由に直線移動するように、これの通過のための中央開口23を有する。
従って、図1に示した器具の製造工程中に、筒状本体2を充填するステップの後でなおかつ器具が包装される前に、誰かが筒状本体からピストン3を作動させるロッド11を引き抜こうとした場合、これはプラグ14が硬質カバー15と接触状態にもたらされよう。このカバーは、操作ロッド11のプラグ14と、それ故に操作ロッド11自体とを停止させる。従って、操作ロッド11が筒状本体2から完全に引き抜かれてこれをプラグ14から分離したとしても、後者は筒状本体2内に残り、それに続くピストン3へのアクセスを阻止する。プラグ14の存在のため、鋭利な手段を開口23から導入してピストン3を突き破ることはできない。
図2は、本発明による器具の他の実施形態を示している。図1および図2において同じ部材を示す参照符号が繰り返される。操作ロッド11は、相互に逆方向に位置する径方向突起16が筒状本体2内に配される操作ロッドの部分に設けられている。ストッパ手段を形成するこれらの突起16は、ピストン3が筒状本体の基端12に向けてあらかじめ設定された限界を越えて動かされるのを阻止するように、カバー15と協力することができる。
本発明のこの第2の実施形態によると、カバー15はステンレス鋼から作られ、フランジ13に対し環状のカラー17を使って確実にクリップ留めされる。このカバー15は、中央開口23へと延在する径方向タブ18をさらに具えており、基端方向への突起16の直線移動を停止することができる。
図3は、ねじ、すなわちねじを切った部分19を使ってプラグ14内にねじ込まれる操作ロッド11を示している。ピストン3はプラグ14に連結されていない。このため、本発明のこの第1の実施形態によると、使用者はピストン3をシリンジの筒状本体2の基端に向けて動かすことができない。操作ロッド11がねじ込まれていない場合であっても、カバー15とピストン3との間のプラグ14の存在のため、ピストン3にアクセスすることも不可能である。
図4は、プラグ14内に固定されてクリップ留めされる操作ロッド11を示している。本発明のこの第2の実施形態によると、プラグ14はねじ、すなわちねじを切った部分20を用いてピストン3にねじ込まれる。従って、操作ロッド11の先端はプラグ14を介してピストン3に固定される。
図5は、シリンジのフランジ13に固定されるリング21の第1の半片211と、前記第1のリングの半片211にクリップ留めされるようになっているリング21の第2の半片212とを具えたカバー15を示している。
図6に見ることができるように、リング21の半片211は、筒状本体2の外寸に対応する半円の開口24を具えた下部プラットホーム22を具えている。このリング21の半片211はまた、寸法が操作ロッド11の通過を可能とする半円の開口26を具えた上部4 ラットホーム25を具えており、これが自由に直線移動するようになっている。この上部プラットホーム25は、上面27と底面28とを具えている。
図6および図7から明らかなように、リング21の半片211または212のそれぞれは、その底部プラットホーム22とその上部プラットホーム25との間に設けられ、2つの別々な凹部29および30と、他方において、2つの独立したスタッド31および32とを具えている。リング21の第1の半片211のスタッド31は、リング21の第2の半片212の凹部29の切欠き34内にクリップ留めされることができる切欠き33を有する。リング21の第1の半片211のスタッド32は、リング21の第2の半片212の凹部30内にクリップ留めすることができる。
リング21の半片211または212のそれぞれはまた、底部プラットホーム22がシリンジに対するリングの把持に支障を来さないように、筒状本体2の外寸に適合して調整されることを可能にする2つのブロック35も具えている。
図8は、リング21の2つの半片211および212が筒状本体2を囲んでフランジ13の両側に恒久的に相互にクリップ留めされる図5から図7のカバー15を示している。カバー15が筒状本体2に恒久的に固定されると、このカバーを破壊せずに前記本体の内部にアクセスすることは不可能である。
本発明は、この特許出願において例示により説明した実施形態に制限されない。
本発明の第1の実施形態による充填された状態の器具の断面図である。 第2の実施形態による充填された状態の断面図である。 図1に示した第1の実施形態による器具の操作ロッドとプラグとの間の接続を示す部分断面図である。 図2に描かれた第2の実施形態による操作ロッドと、プラグおよびピストンとの間の接続を示す部分断面図である。 本発明による器具の第3の実施形態に属するカバーを分解した立体投影図である。 図5によるカバーの半片リングの上方からの立体投影図である。 図5によるカバーの半片リングの下方からの立体投影図である。 図5によるカバーを閉じた状態の立体投影図である。

Claims (7)

  1. その先端(4)に注射針を取り付けるチップ(5)およびその基端(12)にフランジ(13)を具えた筒状本体(2)と、この筒状本体(2)内を摺動可能であって、少なくとも部分的に薬液(9)が充填される内部有効容積(8)を当該筒状本体(2)と共に画成する初期位置に配置されるピストン(3)と、前記筒状本体の基端を越えて延在し、前記ピストンを作動させるためのロッド(11)とを具えたすぐ使えるプレフィルドシリンジ型の医療用器具(1)であって、硬質カバー(15)が前記フランジ(13)に対して装着されて確実に固定され、操作ロッド(11)の自由な直線移動通過のための中央開口(23)を有し、前記カバー(15)は基端方向への操作ロッド(11)の停止手段を形成または具えており、プラグ(14)がピストン(3)と前記本体の基端(12)との間の筒状本体(2)内を自由に直線移動するように配され、前記プラグ(14)は注射針によって突き破られない材料から作られていることを特徴とする器具。
  2. 前記プラグ(14)と前記ピストン(3)との間に支承面があることを特徴とする請求項1に記載の器具。
  3. 前記カバー(15)と前記プラグ(14)との間の前記操作ロッド(11)に基端方向の停止手段(16)が固定されていることを特徴とする請求項2に記載の器具。
  4. カバー(15)がアルミニウムから作られてフランジ(13)にかしめられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の器具。
  5. 前記カバー(15)がステンレス鋼から作られてフランジ(13)に対し確実に係止されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の器具。
  6. 前記カバー(15)がプラスチックから作られていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の器具。
  7. 前記カバー(15)がリング(21)の2つの半片(211,212)の形態にあり、これらは硬質であって相互にスナップ結合され、前記リング(21)の2つの半片は前記フランジ(13)に係合してこれに固定されることができ、前記リング(21)のそれぞれの半片は、筒状本体(2)の外寸に対応した半円形の開口(24)を具えた下部プラットホーム(22)と、操作ロッド(11)の通過用に設計された半円形の開口(26)を具えた上部プラットホーム(25)とを具え、これが自由に直線運動するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の器具。

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