JP2010131064A - 容器兼用注射器 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間に渡って薬液を劣化させずして保管することが可能であるとともに、ハブルアーロックに流入する薬液や血液を良く観察することができ、さらに製品段階における薬液通路の最終滅菌を施すことが可能な容器兼用注射器を提供する。
【解決手段】容器兼用注射器40において、ハブルアーロック20のルアー先22にテーパ外周面22aを設け、嵌着穴24の底面24bと小径部3の先端面3dとによって挟み込まれるフランジ部12と小径部3内に気密液密に嵌め込まれ貫通孔11dを有する密栓部11とからなる医療用ゴム製のゴムパッキン10を設け、テーパ外周面22aに整合するテーパ内周面34bを備えたテーパ凹穴34と薬液通路22bにクリアランスをもって挿入されるとともに貫通孔11dを閉塞する閉塞栓部36とを備えたキャップ30を設け、テーパ内周面34bに突条35を周方向に間隔を空けて複数設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、薬液を予め充填・保管しておき、使用時に包装から取り出して直ちに使用することが可能な容器兼用注射器に関する。
容器兼用注射器は、予め薬液が充填されているため、医療機関において煩雑な操作をすることなく包装から取り出して直ちに使用できる。よって、利便性に優れていることから、医師や看護師等の医療業務に携わる者の作業軽減に大いに貢献し、このため多くの病医院で採用されている。
この容器兼用注射器としては、外筒と、該外筒内の前後端側に嵌入され、外筒内に充填された薬液を液密に封止する前部ストッパー及び後部ストッパーと、外筒の先端に嵌着され、前部ストッパーが入り込むバイパスチャンバー及びその先端の注射針を取り付けるためのルアー先が設けられたハブルアーロックと、外筒の後端に嵌着されたフィンガーグリップと、外筒の後端部から外筒内に挿入されて後部ストッパーに連結されたプランジャーロッドとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1、2等参照)。
このような容器兼用注射器の使用時には、プランジャーロッドをもって後部ストッパーを押し込むことにより薬液と共に前部ストッパーを前方へ押し進める。そして、前部ストッパーが外筒から押し出されてハブルアーロックのバイパスチャンバー内に入り込むと、前後部ストッパー間に密封されていた薬液における先端側の密封が解除される。これにより、当該薬液が外筒内からバイパスチャンバー内に流出し、前部ストッパーとバイパスチャンバーとの隙間を流れ、該バイパスチャンバーの内壁に設けられたバイパス溝に沿ってルアー先の内面に誘導されて注射針へと導入される。
また、未使用時においては、薬液はガラス製の外筒内においてブチルゴム製の前部及び後部ストッパーとの間に充填、保存されている。ここで、ガラス及びブチルゴムは薬液に対して化学的に安定であることが実証されている。したがって、上記容器兼用注射器においては、薬液を劣化させることなく、長期に亘って保管することができるようになっている。
一方、容器兼用注射器としては、上記のような前部ストッパー及びバイパスチャンバーを備えた構成の他に、一周り小径に形成された外筒先端内にゴム製のシール部材が嵌入された状態でハブルアーロックが取り付けられたものが知られている(例えば特許文献3参照)。この容器兼用注射器においては、シール部材を軸方向に貫通する貫通孔と、ハブルアーロックの先端側に形成されたルアー先を軸方向に貫通する薬液通路とが連通状態とされ、薬液通路の先端側から挿入された閉塞部材が上記貫通孔を閉塞することによって、外筒先端側の密封性が保たれている。そして、外筒の後端側に嵌入されたガスケット(ストッパー)と上記シール部材との間に薬液が充填、保存されて、該薬液を長期に亘って保管することができるようになっている。
特公昭62−58745号公報 特開平8−141081号公報 特許第3591636号公報
ところで、一般に、薬液を注射器によって直接体内の必要な部位に注入する医療行為である注射には、その薬剤の種類や効能あるいは使用目的等によって穿刺部位が定められており、この穿刺部位の違いにより、例えば、静脈注射、動脈注射、皮下注射、皮内注射等の種類に分かれている。
したがって、万一、穿刺部位を誤れば重大な医療事故を招来することは明らかで、このような危険を未然に防止するために、医療現場では、注射針を穿刺した後に即座に薬液を注入せず、一度軽くプランジャーロッドを手元方向へ引いて注射器内を陰圧にするという行為が行われる。これによって、注射針の刃先が適切に血管内に位置していれば、血液が僅かに注射器内へ流入(フラッシュバック)するため、刃先が血管内にあることを適切に確認することができる。この手技は一般にナースアスピレーションと言われている。
この手技を行うには、注射針に陰圧をかけた際に、注射器内への血液等の逆流の有無やその色状などを目視で即座に確認できなければならず、このためには注射器のハブルアーロック内において流入の有無、色状などが容易に確認できることが必須の条件となる。
また、このようなナースアスピレーションに限らず、注射器内に別の医薬品を吸引して2種以上の医薬品を混合して注射する混注を行う場合にも、注射器のハブルアーロック内において薬液の流入が確認できることが望まれる。
しかしながら、上記のような特許文献1及び2の容器兼用注射器においては、前部ストッパーの存在によって、ナースアスピレーション及び混注時における血液及び薬液の流入の有無や色状を目視で確認できる空間的余裕がほとんどなくなってしまうという問題がある。
さらに、プランジャーロッドを完全に押し込んで外筒内の薬液を注射針側に導入したとしても、バイパスチャンバー内のバイパス溝等が薬液の残留を許容してしまうため、患者に投薬されない無駄な薬液が生じてしまうという問題がある。
一方、容器兼用注射器は、薬液吸引時における細菌汚染の危険性を除去し作業の手間を省くため、容器としての注射器に薬剤があらかじめ充慣され、しかも完全に滅菌済みで製薬会社から出荷され、用時にはそのまま注射器として即座に注射ができるように設計されている。このように、容器兼用注射器は注射器の機能とともに、薬剤を長期間保管するための容器としての機能をも備えていることから、薬剤の充填に先だって容器として完全に無菌であることが必要なばかりでなく、製品段階における滅菌性を完全にすることが必要となる。そこで、薬剤充填、密封後に、特に薬液が直接的に通過することとなる薬液通路に蒸気又はその他の滅菌ガス(EOG、過酸化水素等)による滅菌を施し、これを最終滅菌とするのが望ましい。
この点、特許文献3の容器兼用注射器においては、薬液通路に閉塞部材を挿入して薬液を密封した製品段階においては、該薬液通路における滅菌処理を行うことができないという問題があった。
さらに、特許文献3の容器兼用注射器においては、シール部材に形成された薬液通路に閉塞部材を挿入することのみをもって薬液を封止していることから、外筒先端側における密封性に不安が残る。また、閉塞部材を気密液密に薬液通路に挿入しようとした場合、その挿入動作によってシール部材が所定の位置からずれてしまうことも考えられ、これによっても外筒先端側における密封性が損なわれてしまう。
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、ハブルアーロックに流入する薬液や血液を良く観察することができるとともに注射後の薬液の残留を低減することができ、製品段階における薬液通路の最終滅菌を施すことが可能な容器兼用注射器を提供することを第1の目的とする。
また、外筒先端側における気密液密性を確実に保持することができる容器兼用注射器を提供することを第2の目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る容器兼用注射器は、軸線に沿った略円筒状をなすガラス製の外筒と、該外筒の先端側に取り付けられて、注射針が装着されるとともに前記軸線に沿った薬液通路が設けられたルアー先を有するハブルアーロックと、前記外筒内の後端側に液密に嵌入される医療用ゴム製のストッパーと、前記外筒の後端側から該外筒内に挿入されて前記ストッパーに連結されるプランジャロッドとを備えた容器兼用注射器において、前記外筒は、その先端側部分が、外径及び内径が一段縮径した小径部とされ、前記ハブルアーロックは、その基端部に形成された嵌着穴が前記小径部に外嵌されることにより前記外筒に取り付けられるとともに、前記ルアー先の外周面が先端側に向かうに従って漸次縮径するテーパ外周面とされており、前記嵌着穴の底面と前記小径部の先端面とによって挟み込まれるフランジ部と前記小径部内に気密液密に嵌め込まれる密栓部とからなり、前記薬液通路と前記外筒内とを連通させる貫通孔が形成された医療用ゴム製のゴムパッキンを備え、前記外筒内における前記ゴムパッキンと前記ストッパーとの間に薬液が充填され、前記テーパ外周面に整合するテーパ内周面を備えたテーパ凹穴と、該テーパ凹穴の底面から前記軸線に沿って延び、前記薬液通路にクリアランスをもって挿入されるとともに前記貫通孔を気密液密に閉塞する閉塞栓部とを備えたキャップが設けられ、前記テーパ内周面に、前記軸線方向に沿って延びる複数の突条が周方向に間隔を空けて複数設けられ、これら突条が前記テーパ外周面に密着することによって、前記キャップが前記ルアー先に係止されていることを特徴とする。
このような特徴の容器兼用注射器によれば、容器兼用注射器の未使用時における薬液は、僅かながらキャップの閉塞栓部に接触する他は、当該薬液に対して化学的に安定なガラス製の外筒と、医療用ゴムからなるストッパー及びゴムパッキンとによって封入される。したがって、長期間に渡って容器兼用注射器を保管した場合であっても、薬液の品質が劣化することを防止することができる。
また、キャップをルアーロックからねじって外す操作によってキャップを容易に取り除くことのみをもって薬液を薬液通路を介して注射針へ導入することができるため、簡易な構成で薬液の保持及び導入を行うことが可能となる。したがって、従来の容器兼用注射器におけるバイパスチャンバーや前部ストッパーのような特別な部材を設ける必要はないため、ハブルアーロック内の視認が妨げられることはなく、また、注射後の薬液の残留を低減することができる。
さらに、外筒の先端側において開口面積の少ない小径部にゴムパッキンの密栓部が嵌め込まれることで薬液が封止されていることから、当該ゴムパッキンによる外筒先端側の密閉性を高くすることができる。
また、キャップが取り付けられて外筒先端側が封止された状態においては、閉塞栓部と薬液通路との間にはクリアランスが設けられ、さらに、キャップはそのテーパ凹穴のテーパ内周面に形成された突条がルアー先のテーパ外周面に密着することで固定されていることから、テーパ凹穴のテーパ内周面とルアー先のテーパ外周面との間にもクリアランス設けられる。したがって、これらクリアランスを通じて蒸気及びその他の滅菌ガス等を侵入させることによって、薬液通路に直接的に蒸気等を導入することが可能となる。
本発明に係る容器兼用注射器は、軸線に沿った略円筒状をなすガラス製の外筒と、該外筒の先端側に取り付けられて、注射針が装着されるとともに前記軸線に沿った薬液通路が設けられたルアー先を有するハブルアーロックと、前記外筒内の後端側に液密に嵌入される医療用ゴム製のストッパーと、前記外筒の後端側から該外筒内に挿入されて前記ストッパーに連結されるプランジャロッドとを備えた容器兼用注射器において、前記外筒は、その先端側部分が、外径及び内径が一段縮径した小径部とされ、前記ハブルアーロックは、その基端部に形成された嵌着穴が前記小径部に外嵌されることにより前記外筒に取り付けられるとともに、前記ルアー先の外周面が先端側に向かうに従って漸次縮径するテーパ外周面とされており、前記嵌着穴の底面と前記小径部の先端面とによって挟み込まれるフランジ部と前記小径部内に気密液密に嵌め込まれる密栓部とからなり、前記薬液通路と前記外筒内とを連通させる貫通孔が形成された医療用ゴム製のゴムパッキンを備え、前記外筒内における前記ゴムパッキンと前記ストッパーとの間に薬液が充填され、前記テーパ外周面に整合可能なテーパ内周面を備えたテーパ凹穴と、該テーパ凹穴の底面から前記軸線に沿って延び、前記薬液通路にクリアランスをもって挿入されるとともに前記貫通孔を気密液密に閉塞する閉塞栓部とを備えたキャップが設けられ、
前記テーパ内周面に、前記軸線回りにねじれて螺旋状に延びる複数の螺旋突条からなるラビリンス構造が設けられ、前記螺旋突条が前記テーパ外周面に密着することによって、前記キャップが前記ルアー先に係止されているものであってもよい。
このような特徴の容器兼用注射器においては、キャップが取り付けられて外筒先端側が封止された状態においては、閉塞栓部と薬液通路との間にはクリアランスが設けられ、さらに、キャップはそのテーパ凹穴のテーパ内周面に形成されたラビリンス構造の螺旋突条がルアー先のテーパ外周面に密着することで固定されていることから、テーパ凹穴のテーパ内周面とルアー先のテーパ外周面との間には、上記複数の螺旋突条に沿って螺旋状に延びる複数のクリアランス設けられる。したがって、これらクリアランスを通じて蒸気及びその他の滅菌ガス等を侵入させることによって、薬液通路に直接的に蒸気等を導入することが可能となる。
また、このようにテーパ凹穴とテーパ外周面とのクリアランスが螺旋状をなしている場合、該クリアランスを介しての外気の侵入が困難となるため容器兼用注射器内部の滅菌状態をより確実に維持することが可能となる。
また、本発明に係る容器兼用注射器は、前記嵌着穴の底面に前記ゴムパッキンのフランジ部に喰い込む環状リブが形成されていることを特徴とする。
このような特徴の容器兼用注射器によてば、ゴムパッキンのフランジ部はハブルアーロックの嵌着穴の底面と外筒の小径部の先端面とによって挟み込まれた際には、同時に嵌着孔の底面に形成された環状リブがフランジ部に喰い込み、ゴムパッキンを所定の位置に確実に固定することができる。これによって、ゴムパッキンの貫通孔にキャップの閉塞栓部をきつく挿入しようともゴムパッキンがずれることがない。したがって、ゴムパッキンの貫通孔とキャップの閉塞栓部との密着性を高くすることができるとともにゴムパッキンの位置ずれを防止することができるため、外筒先端側における気密液密性を確実なものとすることができる。
さらに、本発明に係る容器兼用注射器は、前記閉塞栓部に、その先端側から医療用ゴム製のゴムカバーが嵌着されていることを特徴とする。
このような特徴の容器兼用注射器によれば、ゴムカバーが嵌着された閉塞栓部がゴムパッキンの貫通孔に挿入されることにより、貫通孔の内周面とゴムカバーの表面とが互い隙間なく密着するため、外筒先端側の気密液密性をより高くすることができる。
また、容器兼用注射器の保管時においては、閉塞栓部が直接的に薬液に接触することはなく医療ゴムからなるゴムカバーが薬液に接触することになる。これによって、外筒内の薬液は、医療用ゴムのみに接触することとなるため、薬液の品質の劣化をより確実に防止することができる。
さらにまた、本発明に係る容器兼用注射器は、前記閉塞栓部の外周面に、前記軸線を中心とした環状溝が少なくとも一つ形成され、前記ゴムカバーの内周面に、前記軸線を中心として形成されて、前記環状溝に嵌合可能な環状リブが少なくとも一つ設けられたものであってもよい。
このような特徴の容器兼用注射器によれば、ゴムカバーの環状リブが閉塞栓部の環状溝に嵌合することで両者が強固に一体化されるため、キャップをハブルアーロックから取り外す際にゴムカバーのみがゴムパッキンの貫通孔に取り残されるのを防止することができる。
また、本発明に係る容器兼用注射器においては、前記小径部は、円筒状をなすその先端側が肉厚部とされているとともに、該肉厚部の後端側が肉薄部とされており、前記ハブルアーロックに、前記嵌着穴が前記肉厚部の外周に外嵌された際に前記肉厚部と前記肉薄部との間の段差部に係合可能な係合部が設けられたことを特徴としている。
例えば容器兼用注射器が落下等した場合、その先端側に衝撃が加わり易いため、特に外筒先端部分が破損することが多い。この点、本発明の容器兼用注射器においては、外筒の先端部分である小径部先端側が肉厚に形成されていることから、耐衝撃性を向上させて、破損を防止することができる。また、このような肉厚部と肉薄部との間の段差にハブルアーロックの係合部を係合させることにより、ハブルアーロックを強固に外筒と一体化させることが可能となる。
さらに、本発明に係る容器兼用注射器は、前記ストッパーの前記外筒先端側を臨む面が、前記小径部の内周面及び前記ゴムパッキンの前記外筒後端側を臨む面に密接可能な形状をなしていることを特徴とする。
これにより、プランジャロッドを押し込んでストッパーを外筒先端に移動させた際に、ストッパーの外筒先端側を臨む面が小径部の内周面及びゴムパッキンの外筒後端側を臨む面に液密に接触するため、外筒内に薬液が残留することをより確実に防止することができる。
また、本発明に係る容器兼用注射器においては、前記医療用ゴムがブチルゴムであることを特徴としている。
ブチルゴムは薬液に対する良好な安定性を示し耐食性が高いため、長期間に渡って薬液と接触しても薬液に悪影響を及ぼすことはない。したがって、薬液の品質の維持を図ることができ、より長期間に亘って容器兼用注射器を保管することが可能となる。
本発明の容器兼用注射器によれば、薬液をいずれも当該薬液に対して耐食性のあるガラス製の外筒、ストッパー及びゴムパッキンで封入することができるため、薬液を劣化させずして長期間に亘って保管することが可能となる。また、ハブルアーロック内の視認を妨げる部材がないため、ハブルアーロックに流入する薬液や血液の流入の観察を容易とし、ナースアスピレーション及び混注を円滑に行うことできるとともに、使用後における薬液の残留を防止することが可能となる。そして、キャップを取り付けた状態でも、薬液通路内に蒸気及びその他の滅菌ガス等を侵入させるためのクリアランスが設けられているため、製品段階における薬液通路の最終滅菌を施すことが可能となる。
また、外筒とハブルアーロックとに挟み込まれたフランジ部には嵌着穴の環状リブが喰い込むため、ゴムパッキンが所定の位置からずれることがなく外筒先端側における気密液密性を確実に保持することが可能となる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る容器兼用注射器について、図面を参照して詳細に説明する。図1は第1の実施形態に係る容器兼用注射きの側断面図、図2は第1の実施形態に係る容器兼用注射器の先端側部分の拡大図である。
図1に示すように、容器兼用注射器40は、外筒1と、その先端側(図1における左側、以下同じ)に取り付けられたハブルアーロック20と、外筒1の後端側(図1における右側、以下同じ)の外周に嵌着された合成樹脂製のフィンガーグリップ4と、外筒1内に充填された薬液mを後端側から封止するストッパー5と、外筒1内に後端側から挿入されて先端部がストッパー5に連結され、該ストッパー5を外筒1の軸線方向に往復動させるプランジャロッド6とを備えている。
さらに、当該容器兼用注射器40には、ハブルアーロック20内にて外筒1の先端開口を閉塞するゴムパッキン10と、ハブルアーロック20の先端側に取り付けられるキャップ30とが備えられている。
外筒1は、透明なガラスからなる二段円筒形状をなしており、ストッパー5が嵌入される内径を有して軸線Oに沿って延びる外筒本体2と、該外筒本体2の先端側部分が一段縮径するように外筒本体2よりも外径及び内径の小さく形成された小径部3とから構成されている。
上記外筒本体2の内部には薬液mが充填されるとともに、ストッパー5が該薬液mを後端側から封入するようにして嵌入される。
また、小径部3の先端側部分は、外筒本体2よりも円筒厚さの厚い肉厚部3aとされており、小径部3における肉厚部3aの直ぐ後端側部分は、肉厚部3aよりも外径が小さく形成されることにより円筒厚さが肉厚部3aよりも小さくされた肉薄部3bとされている。なお。これら肉厚部3aと肉薄部3bとでは、内径は同一とされている。
また、上記外筒本体2の後端外周には、リング状の突起2bが設けられており、該突起2bがフィンガーグリップ4の円筒孔部4aに形成されたリング状溝4bに嵌合することによって、フィンガーグリップ4が外筒1に強固に取り付けられている。
なお、該フィンガーグリップ4は、外筒本体2に別途取り付けられる構成の他、外筒本体2と一体に形成されたものであってもよい。
ストッパー5は、外筒本体2の内径より僅かに大きな外径を有する円柱形状をなし、薬液mに対して耐食性を供える医療用ゴム(例えば、本実施形態ではブチルゴム)から形成されている。このストッパー5は、外筒本体2の軸線O方向中央部からやや後端側に位置するように該外筒本体2内に嵌入されている。
ハブルアーロック20は、詳しくは図2に示すように、適度な剛性を備えた透明な合成樹脂から構成された外形二段円柱状をなしており、円筒形状をなす基端部21と、該基端部21よりも小径に形成されて基端部21の先端側に結合されるとともに、軸線Oに沿って先端側に向かって延びるルアー先22と、該ルアー先22の径方向外側に間隔を空けて基端部21の先端側に結合され、軸線Oを中心とした円筒状をなすルアーロック部23とを備えている。
上記基端部21の内側には有底状の嵌着穴24が形成されている。この嵌着穴24の内径は、外筒1における小径部3の肉厚部3aの外径と略同一に形成されている。これにより、該嵌着穴24を肉厚部3aに外嵌させることによって、ハブルアーロック20が外筒1の先端側に取り付けられることとなる。
また、該嵌着穴24の後端開口には、この嵌着穴24の径方向内側に向かって突出する環状の係合部24aが形成されている。ハブルアーロック20が外筒1に取り付けられた際には、この係合部24aが、小径部3における肉厚部3aと肉薄部3bとの間に形成された段部3cに係合する。
そして、嵌着穴24の底面24bには、軸線Oを中心とした円環状をなして後端側に向かって突出する環状リブ24cが形成されている。
また、このハブルアーロック20においては、ルアー先22の外周面は先端側に向かうに従って漸次縮径するテーパ外周面22aとされており、このルアー先22内部には、軸線Oに沿って先端側から後端側に向かって貫通し、嵌着穴24の底面24bに開口する薬液通路22bが穿設されている。
さらに、上記ルアーロック部23の内周面には、後述のキャップ30をハブルアーロック20に強固に固定し、又は図示しない注射針の針基を係止するためのロックネジ(雌ネジ)23aが形成されている。該ロックネジ23aは軸線Oを中心として螺旋状に延びている。
そして、本実施形態においては、上記のようなハブルアーロック20の嵌着穴24内にて、外筒1の先端開口、即ち、小径部3の先端開口を閉塞するゴムパッキン10が設けられている。このゴムパッキン10は、医療用ゴム(例えば、本実施形態においてはブチルゴム)からなり、密栓部11とフランジ部12が一体成形されることによって構成されている。
密栓部11は、軸線Oに沿って延びる円柱状をなし、その外径は上記小径部3の内径より僅かに大きく設定されている。また、密栓部11の後端側を向く面には、軸線Oに沿って窪む凹穴11aが形成されている。さらに、密栓部11の先端側を向く面11bの中央と凹穴11aの底面11c中央とを軸線Oに沿って貫通する貫通孔11dが穿設されている。
一方、フランジ部12は、上記のような密栓部11の先端外周から外筒1の径方向に円盤状に張り出すように形成されており、その外径は上記嵌着穴24の内径及び小径部3における肉厚部3aの外径と略同一に設定されている。
このような構成のゴムパッキン10を取り付ける際には、まず、外筒1にハブルアーロック20を外嵌する前に、密栓部11を小径部3の先端開口に挿入させる。この際、密栓部11の外径が小径部3の内径よりも僅かに大きいことから、該密栓部11が気密液密に外筒1内を封止する。なお、挿入の際には、凹穴11aの形状に従って密栓部11が弾性変形するため、挿入動作が妨げられることはない。
次いで外筒1にハブルアーロック20を外嵌させると、ゴムパッキン10のフランジ部12が、ハブルアーロック20における嵌着穴24の底面24bと外筒1における小径部3の先端面3dとによって挟み込まれるようにして固定される。さらに、この際、嵌着穴24の底面24bの環状リブ24cがフランジ部12の外筒1先端側を向く面12aに喰い込むこととなる。
このようにして、容器兼用注射器40においては、外筒1内部とハブルアーロック20とをゴムパッキン10により気密液密に隔てることで、外筒1内に充填される薬液mがハブルアーロック20の嵌着穴24及び底面24bに直接的に接触することがない。
なお、フランジ部12は、ハブルアーロック20と外筒1との嵌合を気密液密に保持することの補助ともなって、内部の薬液mが漏洩したり外気が侵入したりすることを防止する役割を果たしている。
キャップ30は、例えばプラスチックから形成されており、詳しくは図3に示すように、軸線Pを中心とした外形略二段円柱型のキャップ本体31を有している。このキャップ本体31は、ハブルアーロック20に取り付けられた際に容器兼用注射器40の先端側に位置してその外形を上記ルアーロック部23と略同一とされたキャップ頭部32と、該キャップ頭部32よりも一段小径とされてキャップ頭部32の後端側に結合されたキャップ取付部33とから構成されている。
上記キャップ取付部33には、その後端面から軸線Pに沿ってテーパ状に窪むテーパ凹穴34が設けられている。より詳しくは、このテーパ凹穴34の内周面は、テーパ凹穴34の底面34aに向かうに従って漸次縮径するテーパ内周面34bとされており、該テーパ内周面34bのテーパ角度は上記ルアー先22のテーパ外周面22aと同一とされ、即ち、テーパ内周面34bはテーパ外周面22aと整合可能に形成されている。
また、このテーパ内周面34bには、図4にも示すように、軸線P方向に沿った複数の突条35が周方向に間隔を空けて複数(本実施形態においては12条)設けられている。
さらに、上記テーパ凹穴34には、その底面34aから軸線Pに沿ってキャップ取付部33の後端面よりもさらに後端側に延びて、その先端部分が先細りに形成された閉塞栓部36が設けられている。この閉塞栓部36の外径は、ルアー先22における薬液通路22bの内径よりも僅かに小径に、かつ、ゴムパッキン10における貫通孔11dの内径よりも僅かに大径に形成されており、キャップ30がハブルアーロック20に取り付けられた際には薬液通路22bの先端側から挿入されて貫通孔11dを閉塞する。
また、このキャップ30におけるキャップ取付部33の後端には、周方向に180°対向した位置において径方向外側に向かってそれぞれ突出する一対の螺合突起37、37が設けられている。さらに、キャップ頭部32の外周面には、該外周面から突出して軸線P方向に沿って延びる複数のローレット32aが、周方向に間隔を空けて複数(本実施形態においては12条)設けられている。このローレット32aを指で押さえることによってキャップ30を容易に軸線P回りに回転させることができる。これにより、容易にキャップ30をロックネジ23aに対して螺合し又は取り外すことが可能となる。
このようなキャップ30をハブルアーロック20に取り付けるに際しては、該キャップ30の閉塞栓部36をルアー先22における薬液通路22b及びゴムパッキン10の貫通孔11dに挿入するとともに、キャップ30のテーパ凹穴34にルアー先22を挿入させ、さらに、キャップ30の螺合突起37をルアーロック部23のロックネジ23aに螺合させる。
これにより、キャップ30の軸線Pが軸線Oに一致し、また、閉塞栓部36がゴムパッキン10の貫通孔11dに気密液密に挿入されて外筒1先端側を封止する。そして、この際、閉塞栓部36の外径が薬液通路22bの内径よりも小径に形成されていることから、閉塞栓部36の外周面と薬液通路22bの内周面との間には僅かなクリアランスAが設けられる。
さらに、テーパ凹穴34のテーパ内周面34bはルアー先22のテーパ外周面22aに整合可能に形成されているものの、テーパ内周面34b複数の突条35が形成されているため該突条35のみがテーパ外周面22aに密着してキャップ30がルアー先22に係止される。これによりテーパ内周面34bとテーパ外周面22aとがテーパ嵌合することはなく、これらの間に突条35の厚みに応じたクリアランスBが設けられる。
この状態においては、ルアー先22の先端がテーパ凹穴34の底面34aに接触することのないように構成されているため、上記クリアランスA及びクリアランスBは連通状態とされる。また、クリアランスBはルアーロック部23の内周側の空間を介して外気と連通状態とされる。
以上のように構成された容器兼用注射器40においては、外筒1の先端側における開口面積の少ない小径部3にゴムパッキン10の密栓部11が嵌め込まれることで薬液mが封止されていることから、当該ゴムパッキン10による外筒1先端側の密閉性を高くすることができる。またこのゴムパッキン10は、そのフランジ部12がハブルアーロック20の嵌着穴24の底面24bと外筒1の小径部3の先端面3dとによって挟み込まれることで固定されていることから、ゴムパッキン10が所定の位置からずれることはなく、外筒1先端側における密閉性を確実なものとすることができる。
さらにこの際、嵌着穴24の底面24bの環状リブ24cがフランジ部12の外筒1先端側を向く面12aに喰い込むため、ゴムパッキン10の固定はより確実なものとなる。これにより、例えば、容器兼用注射器40の組み立て時において、キャップ30の閉塞栓部36をゴムパッキン10の密栓部11における貫通孔11dに挿入する際に、ゴムパッキン10が後端側に向かってずれることを確実に防止することができる。また、ゴムパッキン10の貫通孔11dにキャップ30の閉塞栓部36をきつく挿入しようともゴムパッキン10がずれることがない。したがって、容器兼用注射器40先端側における気密液密性をより高いものとすることができる。
また、容器兼用注射器40の未使用時においては、薬液mが外筒1に充填されてハブルアーロック20の先端にキャップ30が取り付けられた状態とされている。この際、薬液mが直接的に接触するのは、外筒1、ストッパー5、ゴムパッキン10及びキャップ30のみとなる。
ここで、外筒1はガラス製であるとともに、ストッパー5、ゴムパッキン10は医療用ゴムから形成されている。このようなガラス及び医療用ゴムはいずれも薬液mに対して化学的に安定で耐食性を備えており、長期間に亘って薬液mと接触したとしても当該薬液mに溶出物等で影響を与えるようなことはない。
したがって、薬液mをこれら耐食性のある部材のみによって封入することにより、該薬液mの品質を劣化させることなく長期間に渡って容器兼用注射器40を保管することが可能となる。
また、容器兼用注射器40の未使用時における薬液mは、外筒1の先端側においてはゴムパッキン10と密栓部11によって封止され、さらに、使用時においては、キャップ30を取り外すことのみをもって、先端側に薬液mを導入することができる。これにより、外筒1及びハブルアーロック20に特別な加工を施さずとも簡易な構成でもって薬液mの保持及び導入を行うことが可能となる。
よって、例えば従来のように、バイパスチャンバーや前部ストッパーのような特別な構成要素を設ける必要がないため、ハブルアーロック20内の視認が妨げられたり、注射後に薬液mが残留してしまうことはない。よって、ナースアスピレーションや混注を行う際に、血液及び薬液mの逆流の有無や、その色状などを目視で確認することが容易となるとともに、無駄な薬液mの発生を防止することができる。
そして、上記のように、キャップ30が取り付けられて外筒1先端側が封止された状態においては、テーパ内周面34bとテーパ外周面22aとの間にクリアランスBが設けられるとともに、閉塞栓部36の外周面と薬液通路22bの内周面との間にクリアランスAが設けられる。また、クリアランスBは外気と連通状態とされていることから、結果としてクリアランスBと連通状態とされたクリアランスAも外気と連通状態となる。
これによって、キャップ30を取り付けた状態であっても、容器兼用注射器40の外部からクリアランスAに蒸気を侵入させることができ、薬液通路に直接的に蒸気を導入することが可能となる。したがって、
薬液を外筒1内に充填してキャップ30をルアー先22に取り付けた容器兼用注射器40の製品段階における薬液通路22bの最終滅菌を施すことが可能となる。
また、例えば容器兼用注射器40が落下等した場合にはその先端側に衝撃が加わり易いため、特に外筒1先端部分が破損することが多い。この点、本実施形態の容器兼用注射器40においては、外筒1の先端部分である小径部3先端側が肉厚に形成されていることから、耐衝撃性を向上させて、破損を防止することができる。また、肉厚部3aと肉薄部3bとの間の段部3cにハブルアーロックの係合部24aを係合させることにより、ハブルアーロック20を強固に外筒1と一体化させることが可能となる。
次に、第2の実施形態の容器兼用注射器50について図5を用いて説明する。図5において図2と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第2の実施形態の容器兼用注射器50は、キャップ30の閉塞栓部36にゴムカバー51が嵌着されている点で第1の実施形態と相違する。
即ち、容器兼用注射器50においては、図3に示すように、キャップ30の閉塞栓部36の先端側部分に、該先端側部分全域を覆うようにしてブチルゴム等の医療ゴムからなり有底筒状をなすゴムカバー51が嵌着されている。
なお、閉塞栓部36の外周面には軸線Pを中心とした環状溝36aが軸線P方向に間隔を空けて2つ形成されている。これに対応するようにして、ゴムカバー51の内周面には軸線Pを中心として形成されて、上記2つの環状溝36aにそれぞれ嵌合可能な環状リブ51aが形成されている。
この第2の実施形態の容器兼用注射器50によれば、ゴムカバー51が嵌着された閉塞栓部36がゴムパッキン10の貫通孔11dに挿入されることにより、該貫通孔11dの内周面とゴムカバー51の表面とが互い隙間なく接触するため、外筒1先端側の気密液密性をより高くすることができる。
また、容器兼用注射器50の保管時においては、閉塞栓部36が直接的に薬液mに接触することはなく医療ゴムからなるゴムカバー51が薬液mに接触することになる。これによって、外筒1内の薬液mは、医療用ゴムのみに接触することとなるため、薬液mの品質の劣化をより確実に防止することができる。
なお、ゴムカバー51が嵌着された閉塞栓部36をゴムパッキン10の貫通孔11dに挿入するに際しては、ゴムカバー51の表面とゴムパッキン10の貫通孔11dの内周面とが密着することによりゴムパッキン10には閉塞栓部36挿入方向の力が加わることになるが、上記のようにゴムパッキン10は環状リブ24cによって強固に固定されていることから、該ゴムパッキン10が所定の位置からずれることはなく、外筒1先端側における密封性を保持することができる。
さらに、ゴムカバー51の環状リブ51aが閉塞栓部36の環状溝36aに嵌合することで両者が強固に一体化されるため、キャップ30をハブルアーロック20から取り外す際にゴムカバー51のみがゴムパッキン10の貫通孔11dに取り残されるのを防止することができる。
次に、第3の実施形態の容器兼用注射器60について図6を用いて説明する。図6において図1と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第3の実施形態の容器兼用注射器60においては、第1実施形態のキャップ30のテーパ凹穴34には軸線Pに沿った突条が設けられていたのに対して、テーパ凹穴34のテーパ内周面34bに、軸線P回りにねじれて螺旋状に延びる複数の螺旋突条38が設けられている。そして、これら複数の螺旋突条38によって、ラビリンス構造39が構成されている。
この第3実施形態の容器兼用注射器60においては、キャップ30が取り付けられて外筒先端1側が封止された状態においては、閉塞栓部36と薬液通路22bとの間にはクリアランスAが設けられ、さらに、キャップ30はそのテーパ凹穴34のテーパ内周面34bに形成されたラビリンス構造39の複数の螺旋突条38がルアー先22のテーパ外周面22aにそれぞれ密着することで固定されていることから、テーパ凹穴34のテーパ内周面34bとルアー先22のテーパ外周面22aとの間には、上記複数の螺旋突条38に沿って螺旋状に延びる複数のクリアランスCが設けられる。したがって、これらクリアランスCを通じて蒸気及びその他の滅菌ガス等を侵入させることによって、薬液通路22bに直接的に蒸気等を導入することが可能となる。
また、このようにテーパ凹穴34とテーパ外周面22aとのクリアランスCが螺旋状をなしている場合、該クリアランスCを介しての外気の侵入が困難となるため容器兼用注射器60内部の滅菌状態をより確実に維持することが可能となる。
以上、本発明である容器兼用注射器40、50、60の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、実施形態においては、ストッパー5及びゴムパッキン10を構成する医療用ゴムとしてブチルゴムを採用したが、これに限定されることはなく、薬液mに対して化学的に安定であり耐食性を備えた材料であれば、他のものから構成されていてもよい。
また、第2実施形態の容器兼用注射器50のようにゴムカバー51を備え、さらに第3実施形態の容器兼用注射器60のようにラビリンス構造39を備えたものであってもよい。
また、第1の実施形態の変形例として、図7に示すように、ストッパー5の外筒1先端側を臨む前面5aが小径部3の内周面及びゴムパッキン10の外筒1後端側を臨む面に密接可能な形状をなしているものであってもよい。
即ち、図7における容器兼用注射器40においては、ストッパー5の前面5aに、小径部3の内周面やゴムパッキン10の密栓部11の凹穴11aに密接可能な多段状の凸部5bが設けられている。これにより、プランジャロッド6を押し込んでストッパー5を外筒1先端に移動させた際に、凸部5bが小径部3の内周面及び密栓部11の凹穴11aに液密に接触するため、外筒1内に薬液mが残留することをより確実に防止することができる。
なお、このような変形例に係るストッパー5の構造は第1実施形態のみならず、上記説明した第2、第3実施形態にも適用可能である。
第1の実施形態に係る容器兼用注射器の側断面図である。 第1の実施形態に係る容器兼用注射器の先端側部分の拡大図である。 キャップの即断面図である。 キャップのA方向矢視図である。 第2の実施形態に係る容器兼用注射器の先端側部分を示す図である。 第3の実施形態に係る容器兼用注射器の先端側部分を示す図である。 変形例の容器兼用注射器の側断面図である。
符号の説明
1 外筒
2 外筒本体
3 小径部
3a 肉厚部
3b 肉薄部
3c 段部
3d 先端面
4 フィンガーグリップ
5 ストッパー
5a 前面
5b 凸部
6 プランジャロッド
10 ゴムパッキン
11 密栓部
11d 貫通孔
12 フランジ部
20 ハブルアーロック
21 基端部
22 ルアー先
22a テーパ外周面
22b 薬液通路
24 嵌着穴
24b 底面
24c 環状リブ
30 キャップ
31 キャップ本体
32 キャップ頭部
33 キャップ取付部
34 テーパ凹穴
34a 底面
34b テーパ内周面
35 突条
36 閉塞栓部
36a 環状溝
38 螺旋突条
39 ラビリンス構造
40 容器兼用注射器
50 容器兼用注射器
51 ゴムカバー
51a 環状リブ
60 容器兼用注射器

Claims (8)

  1. 軸線に沿った略円筒状をなすガラス製の外筒と、該外筒の先端側に取り付けられて、注射針が装着されるとともに前記軸線に沿った薬液通路が設けられたルアー先を有するハブルアーロックと、前記外筒内の後端側に液密に嵌入される医療用ゴム製のストッパーと、前記外筒の後端側から該外筒内に挿入されて前記ストッパーに連結されるプランジャロッドとを備えた容器兼用注射器において、
    前記外筒は、その先端側部分が、外径及び内径が一段縮径した小径部とされ、
    前記ハブルアーロックは、その基端部に形成された嵌着穴が前記小径部に外嵌されることにより前記外筒に取り付けられるとともに、前記ルアー先の外周面が先端側に向かうに従って漸次縮径するテーパ外周面とされており、
    前記嵌着穴の底面と前記小径部の先端面とによって挟み込まれるフランジ部と前記小径部内に気密液密に嵌め込まれる密栓部とからなり、前記薬液通路と前記外筒内とを連通させる貫通孔が形成された医療用ゴム製のゴムパッキンを備え、
    前記外筒内における前記ゴムパッキンと前記ストッパーとの間に薬液が充填され、
    前記テーパ外周面に整合可能なテーパ内周面を備えたテーパ凹穴と、該テーパ凹穴の底面から前記軸線に沿って延び、前記薬液通路にクリアランスをもって挿入されるとともに前記貫通孔を気密液密に閉塞する閉塞栓部とを備えたキャップが設けられ、
    前記テーパ内周面に、前記軸線方向に沿って延びる複数の突条が周方向に間隔を空けて複数設けられ、これら突条が前記テーパ外周面に密着することによって、前記キャップが前記ルアー先に係止されていることを特徴とする容器兼用注射器。
  2. 軸線に沿った略円筒状をなすガラス製の外筒と、該外筒の先端側に取り付けられて、注射針が装着されるとともに前記軸線に沿った薬液通路が設けられたルアー先を有するハブルアーロックと、前記外筒内の後端側に液密に嵌入される医療用ゴム製のストッパーと、前記外筒の後端側から該外筒内に挿入されて前記ストッパーに連結されるプランジャロッドとを備えた容器兼用注射器において、
    前記外筒は、その先端側部分が、外径及び内径が一段縮径した小径部とされ、
    前記ハブルアーロックは、その基端部に形成された嵌着穴が前記小径部に外嵌されることにより前記外筒に取り付けられるとともに、前記ルアー先の外周面が先端側に向かうに従って漸次縮径するテーパ外周面とされており、
    前記嵌着穴の底面と前記小径部の先端面とによって挟み込まれるフランジ部と前記小径部内に気密液密に嵌め込まれる密栓部とからなり、前記薬液通路と前記外筒内とを連通させる貫通孔が形成された医療用ゴム製のゴムパッキンを備え、
    前記外筒内における前記ゴムパッキンと前記ストッパーとの間に薬液が充填され、
    前記テーパ外周面に整合可能なテーパ内周面を備えたテーパ凹穴と、該テーパ凹穴の底面から前記軸線に沿って延び、前記薬液通路にクリアランスをもって挿入されるとともに前記貫通孔を気密液密に閉塞する閉塞栓部とを備えたキャップが設けられ、
    前記テーパ内周面に、前記軸線回りにねじれて螺旋状に延びる複数の螺旋突条からなるラビリンス構造が設けられ、前記螺旋突条が前記テーパ外周面に密着することによって、前記キャップが前記ルアー先に係止されていることを特徴とする容器兼用注射器。
  3. 前記嵌着穴の底面に前記ゴムパッキンのフランジ部に喰い込む環状リブが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器兼用注射器。
  4. 前記閉塞栓部に、その先端側から医療用ゴム製のゴムカバーが嵌着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の容器兼用注射器。
  5. 前記閉塞栓部の外周面に、前記軸線を中心とした環状溝が少なくとも一つ形成され、
    前記ゴムカバーの内周面に、前記軸線を中心として形成されて、前記環状溝に嵌合可能な環状リブが少なくとも一つ設けられたことを特徴とする請求項4に記載の容器兼用注射器。
  6. 前記小径部は、その先端側部分が肉厚部とされるとともに、該肉厚部の後端側部分が肉薄部とされており、
    前記ハブルアーロックに、前記肉厚部と前記肉薄部との間の段差部に係合可能な係合部が設けられたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の容器兼用注射器。
  7. 前記ストッパーの前記外筒先端側を臨む面が、前記小径部の内周面及び前記ゴムパッキンの前記外筒後端側を臨む面に密接可能な形状をなしていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の容器兼用注射器。
  8. 前記医療用ゴムがブチルゴムであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の容器兼用注射器。



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