JP2006527250A - 変形性関節症を治療するためのものであり、sapの結合を阻害する化合物 - Google Patents

変形性関節症を治療するためのものであり、sapの結合を阻害する化合物 Download PDF

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Abstract

患者の変形性関節症を治療または予防する薬品を製造するために、血清アミロイドP成分(SAP)リガンド結合活性を阻害できる薬剤または患者の血漿からSAPを消失させることができる薬剤を使用する方法。

Description

本発明は、変形性関節症の治療または予防に関するものである。
変形性関節症は関節症の最も代表的な形態であり、欧米人種では、55歳以上の人口のうち80%においてX線写真により検出され得る。膝の変形性関節症は、X線写真にて確認できる異常と共に痛みを伴う症状を示し、米国とイギリス両国における30歳以上の人口のうち約6%がその症状を有する。米国においては、約2.1千万人が医師により変形性関節症と診断されており、その内のほとんどの人がかなりの痛みと身体的障害に苛まれている。実際、全患者のうちの約12%の人が変形性関節症のために行動を制限されており、他のいかなる疾患よりも歩行や階段の昇降の際に介護を要する原因となっている。1994年の米国における変形性関節症にかかる年間コストの推定は、GNPのほぼ1%である155億ドルであり、そのうち50%超のコストは労働損失による。この問題は、老齢人口にとっては必然的により厳しいものとなり、年齢は明らかに変形性関節症の発症と関連する(参考文献1)。
変形性関節症の病状としては、関節軟骨の消耗や、繊維軟骨と活発な骨形成を伴う複雑な修復過程の消失が挙げられ、それにより正常な関節と関節周辺の構造の破壊が引き起こされる。これには痛み、滑液の滲出、および機能損失が伴う。
伝統的な治療法としては、減量、運動および心理社会的サポート;鎮痛剤;非ステロイド性抗炎症薬;関節内コルチコステロイド;ヒアルロン酸;関節洗浄;人的支援および器具の使用が挙げられる。しかしながら、これらの保守的な治療法は、多くの患者にとり不十分になってきており、骨膜切除、半月板の裂傷の修復、再編成のための骨切断といった手術を必要とし、遂には全関節の置換を必要とすることがある。変形性関節症にとっては後者が唯一の治療法であるが、ある限られた関節と個人にのみ適用可能であることは明らかである。
実験的であまり有効ではない他の治療方法としては、損傷を受けた軟骨の維持或いは修復という触れ込みによるグルコサミンおよびクロンドロイチン硫酸の投与があり、またテトラサイクリン、インターロイキン−1拮抗薬、コラゲナーゼおよび他のプロテイナーゼ阻害剤の投与が挙げられる。
よって、変形性関節症の進行を緩和することができ、さらに重要なことには、痛み、関節変形や滲出液、行動の制限や身体的障害といった、痛ましく通常生活を妨げる症状を軽減できる新たな薬物療法が強く求められている。
血清アミロイドP(SAP)は、血漿タンパク質のうちあまり進化せず進化学的に古来からあるペントラキシンファミリーの1つであり(参考文献2)、他のペントラキシンファミリーとしては、古典的な急性期タンパク質であるC反応性タンパク質(CRP)がある(参考文献3)。同じ3Dフォールド(参考文献4,5)、オリゴマー集合体、そしてカルシウム依存性リガンド結合能という性質を有する相同タンパク質は、全ての脊椎動物が備えており(参考文献6)、約6億年前に進化の過程で霊長類から分かれたカブトガニの一種であるアメリカカブトガニでさえ備えている(参考文献7)。ヒトにおいては、SAPの欠如或いはタンパク質多型は未だ文献報告されておらず、その炭水化物成分はいかなる既知の糖タンパク質の中で最も不変である(参考文献8)。このことは、SAPが生存に貢献する有利な作用効果を有するということの有力な証拠となる。
しかしながらSAPの名称は、アミロイドーシスの病状において、SAPが病理学的組織のアミロイド沈着中に必ず存在することに由来している(参考文献9)。これらの沈着の塊には、ヘパラン硫酸およびデルマタン硫酸型のグリコサミノグリカンが堅固に結合しており(参考文献11)、特徴的なクロス−βフォールドを有しミスフォールドして凝縮した自己由来のタンパク質からなるアミロイド原繊維により構成されている(参考文献10)。SAPは、in vitro(参考文献12)とin vivo(参考文献13,14)の両方において、これら原繊維に特異なカルシウム依存性結合をする。かかる性質は、全身性および局所性の脳以外におけるアミロイドーシスでの沈着を診断し、また観察するための特異的な高感度で且つ定量的なin vivoシンチグラフィトレイサーとしての放射線標識化SAPを開発するために利用されてきた(参考文献15)。
臨床上最も重要である脳以外の局所性アミロイドーシスの1つの形態として、透析アミロイドーシスがある。これは非常に深刻で苦痛を伴い、末期腎不全のための長期間の透析の致命的な合併症である。このタイプのアミロイドは、概して関節と関節周辺の構造で起こり、神経圧迫や骨嚢胞を起こし、遂には関節の破壊や病理学的骨折を引き起こす。透析アミロイドーシスは放射線標識化SAPを使用して広く研究されており、関節やその周辺における取り込みが、これらの位置における組織学的に証明されたアミロイド沈着に特異的であることが示されている(参考文献16,17)。
SAPにより結合される薬剤は、アルツハイマー病を含むアミロイドーシスの治療を目的として開発されてきた。WO95/05394には、アミロイドーシスの治療用および診断用の薬剤であり、SAPによるアミロイド原繊維への結合を阻害する分子を含む薬剤が記載されている。EP−A−0915088Aには、アルツハイマー病および成人発生型糖尿病を含む中枢性および全身的アミロイドーシスの治療および予防に使用されるD−プロリンおよびその誘導体が記載されている。WO03/013508には、血漿から不要なタンパク質を減少させるための治療剤であり、それに含まれる二官能性物質が複数のタンパク質と複合体を形成し、患者の血漿からそのタンパク質を減少させる治療剤が記載されている。上記文献では、R−1−[6−R−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸が、in vivoで特異的にSAPを標的とし、天然五量体SAP分子の凝縮を引き起こして十量体SAP薬剤複合体とし、かかる複合体が肝臓により速やかに除去されることが開示されている。
本発明は、患者における変形性関節症を治療または予防する薬品を製造するための、薬剤の使用方法に関するものである。当該薬剤は、SAPリガンド結合活性を阻害することができ、または患者の血漿からSAPを消失することができる。
驚くべきことに、変形性関節症の患者の治療において、上記薬剤の使用により病状の緩和に大きな効果を得られることが見出だされた。
第一の態様においては、本発明薬剤はSAPリガンド結合活性を阻害することができる。SAPリガンド結合活性の阻害が可能である薬剤としては、SAPに存在する結合部位に結合するリガンドにより結合され得るものと、その他の位置で結合されてSAPのリガンド結合活性をブロックしたり阻害するものとがある。従って、SAPリガンド結合活性の阻害は、直接阻害によっても或いはアロステリック阻害によってもよい。この阻害は競合的または非競合的であってもよく、また、可逆的または不可逆的であってもよい。
変形性関節症を治療または予防するために使用されるものであり、SAPリガンド結合活性を阻害できる薬剤の一般的な選択方法は、被検化合物の存在下、SAPのリガンド結合が許容される条件で、血清アミロイドP成分(SAP)を標的リガンドに接触させること;SAPリガンド結合の試験;および、被検化合物がSAPの標的リガンドへの結合を阻害した場合、被検化合物をSAP阻害剤として選択することを含む。
本発明はさらに、抗変形性関節症薬剤の製造プロセスを提供する。そのプロセスは、(i)上記方法に従って化合物を選択することによって、SAP阻害剤を同定すること、および(ii)SAP阻害剤または薬学的に許容されるその誘導体を提供することにより、抗変形性関節症薬剤を製造することを含む。
それゆえ本発明は、被検化合物の存在下でのSAPリガンド結合試験を含む方法であり、SAP阻害剤を選択する方法を使用する実施形態に関する。SAPのリガンド結合を阻害するものであれば、いかなる被検化合物でも阻害剤として選択してよい。例えば、被検化合物は、同定された後に化学的または生化学的合成により大規模に製造され得るものを選択してもよいし、或いは、抗変形性関節症薬剤として直接的に製剤化するための物理学的な理由で選択されてもよい。上記薬剤の製造プロセスに従って、被検化合物を薬学的用途のために製剤化すればよく、或いは薬学的に許容される誘導体を製造するために誘導体化してもよく、または化学修飾してもよい。また、例えば化合物の溶解度を変えるなど、薬剤をより製剤し易くすべく、新たな官能基を組み込むため或いは既存の官能基を変換するため、上記のような誘導体化が求められることもある。このような種類の誘導体化は、化合物の毒性の減少、化合物の安定性の変更、または化合物の薬理学的活性の修正などに用いられてもよい。上記のように誘導体化または修正を行った化合物については、本発明の方法に従って再検査を行う必要がある。
SAPをリガンドと接触させるステップでは、被検化合物無しでSAPリガンド結合が許容されるような十分な条件を備えておかなければならない。こうすることにより、被検化合物の存在下ではSAPリガンド結合が起こらず、または起こったとしても予想より少なければ、この効果は被検化合物に起因すると考えられる。ここにおいて、結合の阻害は広く解釈され、いかなる特定の機構にも限定されるべきではない。本発明では、結合の阻害はいかなる結合範囲で減少してもよい。一般的に、結合の阻害はコントロール値(被検化合物無しでの最大結合値)を基準として測定され、好ましくはIC50がμmol以下であり、さらに好ましくはnmol以下である。接触は、SAPの特異的なカルシウム依存性結合を許容するために、遊離カルシウムイオンを十分含む条件下で行われる。加えて、単離されたSAPに特徴的なカルシウム依存性の自動凝集(参考文献18,19)を防ぐために、十分な量の血清アルブミンを確保することが必要である。接触における好ましい緩衝剤は、生理緩衝食塩水である。SAPは、単離精製された形態で、または全血清に取り込まれた形態で提供されてもよい。
SAPが結合するリガンドで適切なものとしては、ヒトまたは他の哺乳類由来のもの、下等動物または微生物起源に由来するもの、および合成物質が挙げられる。高分子リガンドには、DNA、クロマチン、アミロイド原繊維、グリコサミノグリカン(特にヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、およびデルマタン硫酸)、アガロース、およびSAPにより特異的に認識されるカルボキシエチリデン環を有する他の炭化水素が含まれる。合成リガンドには、固相に結合したカルボキシル基への共有結合的なカルボジイミドカップリングにより固定化されたホスフォエタノールアミン基が含まれる。微生物のようなリガンドを有する適切な固体物質と共に、細菌のような全生命体を使用することができ、これにより実際のリガンド分子の精製を行う必要がなくなるという便宜が図られる。SAPが強く結合する細菌として適切なものとしては、化膿連鎖球菌(参考文献20)および髄膜炎菌(参考文献21)が挙げられる。SAP用リガンドを有するウィルスとして最も適切なものは、ヒトのインフルエンザウィルス(参考文献22)である。
SAP、標的リガンドおよび被検化合物が接触する順序は重要ではない。基本的に3つ全ての成分が同時に混合されてもよく、3つの化合物のうち2つを混合し、3つ目の成分を加える前にプレインキュベートしてもよい。接触は、一般的に3つの化合物のうち少なくとも1つは液相である条件下で行われる。しかしながら、SAPまたはリガンドの何れかにとっては、一部が固相を形成する方が便利である。なぜなら、試験過程において、SAPリガンド結合の範囲の試験を容易にするために、結合したものを結合していないものから分離する技術として相分離が可能になるからである。
従って、SAPまたはリガンドのうちの1つを含む第1の成分は固相として存在し、液相の一部として他の物質を含む第2の成分に接触させることが好ましい。次いで、SAPリガンド結合を試験するステップとして、第2成分の固相への結合を検出することを含んでいてもよい。第2成分の固相への結合の検出は、固相上の第2成分の結合を検出することによって、或いは、固相に結合しなかった第2成分の量を求め、初めに固相へ加えられた第2成分から実際に固相に結合した量を差し引くことにより行なえばよい。
この実施形態では、固相は好ましくは固形支持体に結合した第1成分を含み、その固形支持体は粒子の支持体または固体表面を含んでいてもよい。利便性の高い実施形態では、固体表面はマイクロタイタープレートウェルなどの容器の内部表面を含む。
利便性のために、SAPリガンド結合を試験するステップは、結合しなかった物質を除去するための固相の洗浄をさらに含む。
第2成分は、上述したように、放射線標識、蛍光色素、または酵素等の検出可能な標識で標識化されてもよい。或いは、第2成分の固相への結合は、固相へ結合するのと同様に第2成分へ結合する抗体により、または第2成分のうち固相へ結合しないものの量の定量免疫学的測定により、免疫学的に検出されてもよい。
本発明は、ヒトまたは他の動物由来SAPの標的リガンドへの結合を阻害する作用を有する化合物を検出するためのin vitroスポット試験、低処理量スクリーニング過程、および高処理量スクリーニング過程を提供する。これらの方法は、有機、無機および生体起源の天然化合物の試験化合物のライブラリ、また従来の合成化合物またはコンビナトリアルケミストリーのあらゆる態様により創出された化合物ライブラリをスクリーニングするために適している。また、これらの方法は、スクリーニングまたはスポット試験により同定されたリード化合物から、潜在的なまたは実際の医薬品を化学的および医薬品化学的に開発する際において、SAP結合の阻害メカニズムの解析や、阻害の有効性を評価することにも適している。本発明はまた、ヒトや実験動物におけるSAP結合、血漿の代謝回転および異化代謝に関して、SAP阻害化合物が有する効果と有効性を試験するためのin vivo方法も提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、複数の被検化合物から抗変形性関節症の化合物を選択する方法を提供する。その方法では、反応帯列と複数の被検化合物を用意し、SAPリガンド結合が許容される条件で被検化合物のうちの1つの存在下、各反応帯でSAPをリガンドと接触させ、各反応帯でSAPリガンド結合を試験し、SAPのリガンドへの結合を阻害した被検化合物を抗変形性関節症の化合物として選択する。
この方法は、複数の被検化合物としてスクリーニング用の被検化合物ライブラリを含むものを用いる高処理量スクリーニング処理に適している。反応帯列および複数の被検化合物を用意し、各反応帯において本発明の方法を実施することによって、抗変形性関節症の化合物を選択することができる。こうすることにより、本発明の方法は高処理に拡大され、マイクロタイタープレートウェルアレイなどの容器列を利用した自動または半自動装置により実施することが可能になる。
適切な化合物は、SAPに結合されることによりSAPとリガンド間の相互作用部位を遮ることができ、或いはSAPに結合してその構造を変化させることによって、リガンドへの結合を阻害または抑制してもよい。SAP分子は、それを介してSAPがリガンドへ結合する特異的なカルシウム依存性のリガンド結合部位を有することが知られている。本発明を使用して同定できる化合物の多くは、SAPのカルシウム依存性リガンド結合部位により結合される物質を含むので、SAPのリガンドへの結合が阻害される。しかしながら本発明は、上述した他のメカニズムによりSAP結合を阻害する化合物を検出および研究するためにも用いられる。
本発明の有用な被検化合物は、WO95/05394に記載の候補化合物を含む。このPCT出願には、X線結晶学によるSAPの三次元構造の完全解析が記載されている。また、SAPがin vitroでアミロイド原繊維へ結合することによって、プロテイナーゼの存在下でも、それら原繊維のタンパク質分解が妨げられることも実証されている。SAPによる斯かる保護は、SAPリガンド結合活性を阻害できる化合物により無効になる可能性がある。それ故にそのような化合物は、WO95/05394に記載されるアッセイにより検出することができる。そのアッセイ用またはここで記載されるスクリーニング方法用の被検化合物の候補は、WO95/05394で同定されているリガンド結合部位の構造についての知識から得られる。このPCT出願はさらに、SAPのアミロイド原繊維への結合を阻害する分子の製造方法も提供する。この方法は、SAPの三次元構造を使用したコンピュータによる分子デザインを行い、そのデザインされた分子を合成し、その分子がSAPのアミロイド原繊維への結合を阻害する能力、および/またはその分子がアミロイド原繊維へ結合する能力があるかどうかを試験する。よって、WO95/05394の分子は、そこで述べられているカルシウム結合部位またはその周辺で、SAPと相互作用する分子である。その様な分子は、例えば、ヒトのSAPのAsp58、Asn59、Glu136、Asp138およびGln37残基のうち1つまたは複数と、或いは他の種のSAPにおける同等の残基と、および/または上記残基領域中の1つまたは複数の塩基性残基と相互作用し得る。WO95/05394の分子は、ヒトのSAPのTyr64およびTyr75のヒドロキシ基、または他の種のSAPの同等の残基と水素結合を形成し得る。
好ましい態様では、薬剤は、置換若しくは非置換D−プロリン、またはその立体類似体を含む。そのような薬剤は、患者における変形性関節症の治療または予防に効果的であるならば、SAPリガンド結合活性の阻害、または患者の血漿からのSAPの消失が可能であってもなくてもよい。しかしながら、そのような薬剤は、SAPリガンド結合活性を阻害できるか、患者の血漿からSAPを消失させることができることが好ましい。よって上記薬剤は、ここに述べられるスクリーニング方法のうちのいずれかひとつの方法によって得ることができる。
本発明におけるD−プロリン化合物の好ましい基は、EP−A−0915088に記載されている。このヨーロッパ特許出願には、下記式を有するD−プロリン類、その薬学上許容される塩、そのモノエステル、またはそのジエステルが記載されている。
Figure 2006527250
[式中、
Rは
Figure 2006527250
基を示し;
1は水素原子またはハロゲン原子を示し;
Xは、−(CH2n−;−CH(R2)(CH2n−;−CH2O(CH2n−;−CH2NH−;ベンジル;−C(R2)=CH−;−CH2CH(OH)−;またはチアゾール−2,5−ジイルを示し;
Yは、−S−S−;−(CH2n−;−O−;−NH−;−N(R2)−;−CH=CH−;−NHC(O)NH−;−N(R2)C(O)N(R2)−;−N[CH263(OCH32]−;−N(CH265)−;−N(CH265)C(O)N(CH265)−;−N(アルコキシアルキル)−;−N(シクロアルキル−メチル)−;2,6−ピリジル;2,5−フラニル;2,5−チエニル;1,2−シクロヘキシル;1,3−シクロヘキシル;1,4−シクロヘキシル;1,2−ナフチル;1,4−ナフチル;1,5−ナフチル;1,6−ナフチル;ビフェニレン;または1,2−フェニレン,1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレンを示し、当該フェニレン基は、ハロゲン原子、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、−COO−低級アルキル、ニトリロ、5−テトラゾール、(2−カルボン酸ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エトキシ、N−ヒドロキシカルバミミドイル、5−オキソ[1,2,4]オキサジアゾリル、2−オキソ[1,2,3,5]オキサチアジアゾリル、5−チオキソ[1,2,4]オキサジアゾリルおよび5−tert−ブチルスルファニル−[1,2,4]オキサジアゾリルから選択される1〜4の置換基により置換されていてもよい;
X’は、−(CH2n−;−(CH2nCH(R2)−;−(CH2nOCH2−;−NHCH2−;ベンジル;−CH=C(R2)−;−CH(OH)CH2;またはチアゾール−2,5−ジイルを示し;
2は、低級アルキル、低級アルコキシまたはベンジルを示し
nは0〜3を示す]。
本発明には、D−プロリン類の立体類似体も含まれる。
上記式において、「低級アルキル」の語は、直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素残基を示し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルなどの1〜4炭素原子を有するものが好ましい。ハロゲンは、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子および臭素原子を示す。式1−Aおよび1−Bの化合物は、例えばナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウムまたはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩などの金属、例えばn−エチルピペリジン、プロカインまたはジベンジルアミンなどのアミン塩などの有機塩基との塩、アルギニンまたはリジンとの塩のような塩基性アミノ酸との塩を形成することができる。当該化合物は、脂肪族または芳香族エステルのようなエステルの形で使用することもできる。これらエステルには、例えばアルキルおよびフェノールエステルが含まれる。最も好ましいエステルは、C1-4アルカノールに由来するアルキルエステルであり、特にメチルおよびエチルエステルである。
これらの化合物はまた、1つまたは両方のカルボニル基におけるプロドラッグの形態で使用することができる。
これら化合物の詳細例およびその合成物は、EP−A−0915088に記載されている。
本発明において、薬剤としては、共に共有結合する複数のリガンドを有することによって、SAPおよび、好ましくはSAPである第2タンパク質と複合体を形成できるものが特に好ましい。当該リガンドの少なくとも2つは同一であるか又は異なるものであり、当該リガンドの1つがSAPに存在するリガンド結合部位により結合され得るものであり、他の1つが第2タンパク質に存在するリガンド結合部位により結合され得るものである。このタイプの薬剤は、SAPリガンド結合活性を阻害でき、および/または患者の血漿からSAPを消失させることができる。WO09/013508およびPepysらによる文献(参考文献23)に記載されているように、かかる薬剤は、標的タンパク質を迅速に除去することによって、in vivoで循環系から消失させる点に大変有効性のあることが見出されている。当該リガンドの少なくとも1つがSAPに存在するリガンド部位により結合され、他のリガンドがSAPまたは第2タンパク質に存在するリガンド結合部位により結合され得ると、迅速な除去と破壊を命じる身体独自の生理的メカニズムにより識別され、複合体が形成される。よって、SAPが患者から除去され、変形性関節症の治療または予防の効果がもたらされる。化合物(R)−1−[6−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸(WO09/013508および参考文献23)において、各端のカルボン酸基を含むピロリジン環は、SAPのカルシウム依存性リガンド結合部位により結合され、その結果、SAP分子の一組が向かい合わせで架橋結合し、それはゲル濾過や複合体のX線結晶学による原子解析により確認することができる。この架橋結合により、SAPは明らかにin vivoで血漿から除去され迅速に異化代謝される。これは、本発明の実施形態による化合物の望ましい効果である。
上記リガンドが各標的タンパク質に対し特異的であれば、各リガンド−タンパク質結合部位における相互作用の親和性は特に高くある必要はない。10mmolまでの解離定数であれば十分であるといえる。しかしながら、解離定数は、好ましくは1mmol未満、さらに好ましくは100μmol未満、最も好ましくは10μmol未満が好ましい。親和性は、好ましくはおおよそμmol以上が好ましい。親和性は可能な限り高い方が望ましいことは明らかであるが、SAPの場合はμmolの親和性で十分であるとされる。
本発明の薬剤は、複数のリガンドが共有結合により相互に直接結合されていてもよいが、リンカーにより相互に共有結合されていることが好ましい。そうすることにより、リガンドは十分な間隔をもって離され、1つのタンパク質が他のタンパク質の結合を妨げずに、複数の標的タンパク質が薬剤へ結合することができる。一般的に、リンカーは反応性基を含まないことが好ましいが、厳密な構造は重要ではない。リンカーには、直鎖状または分枝鎖状の2価炭化水素基であり、その炭素原子の1または2以上がヘテロ原子により置換されていてもよいものが含まれる。リンカー鎖長は、2〜20原子の範囲であってよい。有利な鎖長と化学的な組成は、薬剤と複合体を形成するタンパク質に応じて、実験により決定することができる。薬剤が2つのリガンドを有する場合は、リンカーは通常直鎖状である;好ましい一般的な構造は、リガンド− リンカー −リガンドである。これは、本発明の目的のための「パリンドローム」として便宜的に表される。3つ、4つ以上の標的タンパク質が複合体を形成することができるならば、適切な分枝状リンカーで3つ、4つまたはそれ以上のリガンドを含む他の構造も考えられる。
医薬品組成物は、本発明の薬剤と、薬学上許容される賦形剤、希釈剤または基材を任意に組み込んで製剤化してもよい。その医薬品組成物は、被投与者により代謝されるときのみ活性化される薬剤またはその誘導体を含むプロドラッグの形態であってもよい。そのような医薬品組成物の成分の正確な性質や量は実験により決定すればよく、組成物の投与経路に一部依存する場合もある。被投与者への投与経路としては、経口、口腔、舌下、吸入、局所(点眼を含む)、直腸、膣、鼻腔、非経口(静脈、動脈、筋肉内、皮下、関節内を含む)がある。使用上の便宜のために、本発明における投薬は経口が好ましいが、実際の薬剤とその生体利用性によって決められる。
本発明のこの態様において、SAP上のリガンド結合部位により結合され得るリガンドは、置換または非置換D−プロリン、またはその立体類似体を含むことが好ましい。特に好ましいD−プロリンは、(R)−1−[6−(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸、その薬学上許容される塩、そのモノエステル、またはそのジエステルである。
本発明において好適な、SAP結合を阻害する或いはSAPを消失させる他の望ましい方法としては、SAPにより結合される或いはSAPへ結合する高分子の使用がある。当該高分子の第1カテゴリーは、in vivoでのタンパク質分解に抗するために、カルボキシ末端のD−プロリン残基、好ましくは複数のD−アミノ酸から構成されている構造を1つ、好ましくは1以上含む様々な大きさのタンパク質である。SAPに対するリガンドは、SAPに結合されるに当たり、本明細書に記載されているD−プロリンを含む低分子量化合物と同様に機能し、SAPがin vivoで他のリガンドに結合することを阻害し、循環からSAPの迅速な除去を促進して、変形性関節症に対する有利な効果を示す。SAPはさらに、先端部分にアスパラギン酸および他の残基を有するβターンを含む他のタンパク質モチーフを認識し結合する。それ故、これらの種類のペプチド配列も望ましい。第2カテゴリーは、SAPに結合し消失させる高分子であり、ヒトのSAPに特異な抗体を含む。そして、ここで望まれる治療目的のために、これらの抗体は、ヒト化されているか完全にヒトのものであるモノクローナル抗体、またはFvフラグメントのようなSAPに対して特異的な結合能力を持つ抗体分子の低分子量フラグメントであることが好ましい。注射剤の投与後、これらの部分はin vivoのSAPを認識して結合し、循環系からSAPを迅速に除去し消失させるよう促進する。一般的に、本発明で有用なSAPに対する抗体は、in vivoのSAPに結合する際に起こる可能性がある有害な炎症誘発効果を避けるために、補体を活性化させないものである方がよい。さらに当該抗体は、SAP分子を産生する身体の通常の組織構造を認識して結合したり、および損傷したりしない方が好ましい。
SAPのリガンドへの結合を証明するための方法
SAPのリガンド結合を阻害する化合物を同定するためには、先ず、かかる結合を証明するための方法を確立することが必要である。
1)SAPの固相リガンドへの結合
本発明の課題解決のためには、ヒト全血または動物血清或いは単離精製したSAPを固相リガンドへ接触させることによって、試験リガンドへのSAPの結合を直接実証できなければならない。かかる接触は、SAPによるリガンド結合に必須である十分な遊離カルシウムイオン(約2mmol/l)を含む生理食塩水中で行なう。単離されたヒトSAPの場合では、溶液中のSAPを維持するために、緩衝液にはヒトまたはウシの血清アルブミンも40g/l含有させなければならない;カルシウムの存在下では、アルブミン濃度がこれより低いと、ヒトSAPは速やかに自己凝集して沈殿する(参考文献18,19)。SAPが典型的なカルシウム依存性の結合を示す適切なリガンドには、アガロース(参考文献24)、ホスフォエタノールアミン(参考文献25)、DNA(参考文献26)、クロマチン(参考文献27)、およびアミロイド原繊維(参考文献12,28)が含まれる。それらは、アガロース、アクリルアミド、ポリスチレン、ラテックス、セルロース、または他のビーズの様な粒子、或いは膜、フィルター、或いはマイクロタイタープレートや個々のチューブなどのプラスチックやその他の固体表面、或いは直接使用できる細菌やアガロースゲルの様な固体粒子の複合成分の上にも固定化される。可溶化リガンドの固定化や、利便性の面から用いられる微粒子リガンドの二次的な固定化においては、リガンドはおそらく直接非特異的に結合しているか、或いはリガンド分子が直接連結されるアミノ基、ヒドロキシル基または他の化学基を介して、または固相材料へスペーサーリンカーを介して共有結合的に結合している。SAPを固相または固定化リガンドへ接触させた後、結合していないSAPは、結合を実施した緩衝液と同様の緩衝液で洗浄除去し、また、リガンドに結合したSAPの存在を検出し定量化する。かかる洗浄には、固体粒子の遠心分離や浸漬、膜、フィルター、およびプラスチック表面等の固体表面の貫流や表面流の様な相分離が含まれる。SAPの結合は、SAP源が検出可能なマーカーで標識されているSAPを含むのであれば、直接検出することができる。その様なマーカーとしては、ガンマカウンターによる検出のための125Iや131Iの様なガンマ線放出同位元素;ベータまたはシンチレーションカウンターによる検出のための14Cや3Hの様なベータ線放出同位元素;フルオロメーター、フローサイトメーター、または蛍光励起細胞ソーターによる検出のための蛍光色素;特異的な酵素活性による検出のためのペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼの様な酵素が含まれる。これらの場合において、SAPを直接標識するプロセスが生理学的な結合特性を変化させないことを証明することは不可欠である。かかる証明は、カルボジイミドを使ってカルボキシヘキシル−セファロースTMへ結合したホスフォエタノールアミンの様な固相リガンドへ固定化されたリガンドへの、標識されたSAPと非標識SAPの結合を比較することによって為される。SAPの結合は、提供されたSAP源からのSAPの減少と、カルシウム含有緩衝液により最初に洗浄した後、カルシウムイオンに配位するEDTAを含む緩衝液でリガンド物質を溶出する際の結合SAPの回復を示す免疫化学的アッセイにより直接証明することもできる。また、結合したSAPは、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、テンジクネズミまたは他の動物に由来するものであり、試験される種のSAPに特異的な抗体を使って、間接的に検出することもできる。この目的のために、抗SAP抗体自体を、放射性同位元素、酵素、蛍光色素または他の検出マーカーで直接標識してもよいし、また、抗SAP抗体のSAPへの結合を、一次抗SAP試薬の種の免疫グロブリンに対する二次抗体を使って検出してもよい。使用するマーカーに適する機器での検出や定量化に加えて、微生物やその構成要素に対するSAPの結合は、光学、蛍光または電子顕微鏡を用いて直接または間接的に視覚化できる。酵素で標識されたSAPや抗SAP抗体は、光学または電子顕微鏡のために用いることができ、蛍光色素で標識された試薬は蛍光色素顕微鏡法のために、金(またはその他の電子リッチ粒子)標識は電子顕微鏡のために用いることができる。
2)固定化SAPによるリガンドの結合
SAPによるリガンド結合を証明するためのその他のアプローチとしては、SAPを固相に固定化した後、直接標識するか、或いは、例えばリガンドに対する特異的な抗体を使って検出可能なリガンドに結合させる方法がある。即ち、ヒトまたは他の動物から単離精製されたSAPは、直接的な非特異的吸着により、または共有結合により、または固相上に固定化された特異的な抗SAP抗体(参考文献29)で捕捉することにより、ビーズ、粒子、膜、フィルター、またはプラスチック若しくは他の固体表面に固定化することができる。上記1)に記載の条件を使って、適切なリガンドを固定化SAPに接触させ、結合させることができる。
リガンドへのSAPの結合の阻害
SAPによるリガンド結合を示すためのものとして上記1)と2)に記載した全ての方法は、かかる結合を阻害する化合物の性能を試験するために用いることができる。しかし、異なる目的に対するそれら方法の適正と同様に、技術が異なればその試験にかかる時間や容易性はかなり異なる。従って、多数の化合物を選別するためには、マイクロタータープレートを使用するものなど高処理能の方法が不可欠である。このタイプの具体的な方法としては、プレートに固定化したリガンドを用い、SAPの40%が結合する様な条件の下で各ウェルに一定量のSAPを供給する方法がある。試験すべき化合物はウェルに添加され、標識されたSAPの添加の前にプレインキュベートされる。そして、続くSAPの結合に対するそれら化合物の存在による効果をモニターする。その他の態様では、試験すべき化合物を、プレートに添加される前に、標識されたSAPとプレインキュベートする。SAPが固定化されているその逆の態様も、有益である。この態様では、試験化合物は、検出可能なリガンドが添加される前に固定化SAPとプレインキュベートされる。これら異なるアプローチによって、異なるメカニズムによりSAPのリガンド結合を阻害する化合物の検出が可能になり、また、それ自体がSAPの特異的なリガンドである化合物、その他の経路によりSAP分子に影響を与える化合物、およびリガンドに作用してSAPによるリガンドの認識を妨害する化合物とを区別できる様になる。
SAPによるリガンド結合とその阻害の直接の検出
表面プラズモン共鳴(SPR)の処理能力は低いが、本発明の解決課題のためには、カルシウム依存的に或いはカルシウムに依存せず、SAPに結合されるかまたはそれ自体がSAPに結合する化合物を同定するための強力に有益な方法である。例えば、本発明に関する標的リガンドを含む巨大分子リガンドへのSAPの結合を阻害する低分子化合物は、固相に固定化されたリガンドへの流体相SAPの結合により発せられるシグナルの効果により検出可能である(実験例A)。さらに、SAP自体がSPR機器で固相に固定化されている場合には、流体相へ供給される試験分子とSAPとの相互作用によって、検出および定量が可能なシグナルが発せられる。SPR機器に固定化された精製SAPは、SAPと複合体を形成する他の分子と接触すると、定量可能なシグナルを発し、複合体が形成されない場合の様にシグナルが無い場合と区別される。この技術によって、化合物のSAPとの相互作用能をスクリーニングできる様になる。またこの技術は、特にSAPのカルシウム依存性のリガンド結合部位の様な、SAPとの相互作用の特定の態様に依存しないことから、カルシウム依存性のSAP結合に限定される試験システムでは検出できない可能性のある分子が検出できる。処理能力は低いが強力で直接的な他の方法としては、溶液中におけるSAPと本発明化合物との相互作用による熱を測定する等温熱量測定がある。結合親和性は、潜在的な有用性の指針として正確に測定され得る。SAPと様々な化合物との解離定数Kdを測定する本方法による典型的な結果は、以下の通りである。
化合物 Kd μmol/l(反復測定結果)
ホスフォエタノールアミン 36,27,48
ホスフォコリン 結合無し
N-アセチル-D-プロリン 16,23,17
Ro-63-8695 0.0139,0.0059,0.0065,0.0088
Ro-64-2856 0.019,0.02。
最後の2つの化合物は、EP−A−915088のものであり、Ro−63−8695は(R)−1−[6−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸であり、Ro−64−2856は(R)−1−[[4−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエトキシ]フェノキシ]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸である。
in vitroにおけるSAP−リガンド結合を阻害する化合物のin vivoSAPに対する効果
本発明の課題解決のために、標的リガンドに対するSAP結合を阻害する化合物を、ヒトSAPを発現するトランスジェニックマウスによりin vivo試験する。即ち、参考文献23の記載に従って、血漿SAP濃度とその代謝回転およびその異化代謝に対する化合物の効果を測定する。化合物が本質的な毒性を示さないレベルの投与量は確立されているので、様々な量をヒトSAPトランスジェニックマウスに投与する。SAPの免疫化学的なアッセイのために、一定間隔で血清を取得する。また、微量の放射線標識SAPを、薬剤投与量に関連して様々な時間で静脈注射投与し、血漿半減時間とSAPの体内消失をモニターするために、体重測定と血液採取を行う(参考文献14,30)。また、微量のSAPを、様々な量の試験化合物とプレインキュベートした後、SAPの消失に対する薬剤の結合効果を試験するために、薬剤投与を受けていないマウスに注射する。本発明によって、in vivoでSAP消失を促進し、および/または血漿SAP濃度を低減することによって、SAPのin vivoでの利用を減ずる化合物を、治療の面から価値があるものとすることができる。
正式な毒性試験を受け、ヒトの治療に適することが分かった化合物は、その血漿SAP濃度、半減期、代謝回転および異化代謝に対する効果に関して評価される。単離されたヒトSAPは、125Iおよび/または123Iにより僅かに放射線標識され、静脈注射され、参考文献15,23,31に記載されている通り、続いて血漿代謝回転実験や全身シンチグラフィックイメージングが行なわれる。
実験例A カルシウムに依存するSAPのリガンド結合の阻害を検出するための表面プラズモン共鳴の使用
合成Aβ−42アミロイド原繊維(参考文献28)を、Fisons IAsysの表面プラズモン共鳴機器の反応体表面に共有結合により固定化し、次いで、単離したSAP(参考文献32)のTris−緩衝生理食塩水溶液を、カルシウムの非存在下(図中ではTN/Nとして示す)で接触させた。SAPの結合は起こらなかったことから、シグナルは発せられなかった。そこへカルシウムを導入したところ、固定化されたアミロイド原繊維に対してSAPが特異的に結合し、直ぐにシグナルが生じた(図1)。1−[(S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−D−プロリン(図中ではRo−3479と表す)は、カルシウム依存性のSAPによるリガンド結合の特異的な阻害剤である。カルシウムを含むTris−緩衝生理食塩水中(図中ではTC)、500μmol/lの1−[(S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−D−プロリン(Ro−3479)を添加することによって、SAPの結合に相当するシグナルは完全に無くなった(図1)。カルシウムの非存在下でSAPに続いて100μmol/lのRo03479を加え、システムを平衡化させた後に、カルシウム依存性のSAPの特異的なリガンド結合を可能にするため更にカルシウムを加えると、シグナルは消失する(図2)。このことは、Ro−3479がSAP結合を解離させるだけでなく、阻害することを示す。固相をTris−緩衝生理食塩水で洗浄し(図中ではTE)、次いでTN緩衝液と続いてカルシウムに再び曝すことによって、固相リガンドは、さらにカルシウム依存性のリガンド結合を再び起こした。SAPによるリガンド結合を反映する典型的なシグナルが再び観察され、次いで50μmol/lのRo−3479の添加により完全に無くなった(図3)。
実験例B マイクロタイタープレートに固定化された髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する125I放射性標識化SAPの結合の阻害剤のスクリーニング
熱殺菌された髄膜炎菌のPBS1ml当り1×108個の懸濁液を、1ウェル当り50μlでポリスチレンマイクロタイタープレートに分注し、4℃で一晩静置した。次に、全てのウェルを、4%w/vのBSAと0.05%/vのTween20(TCBT緩衝液)を含み、0.01MのTrisで緩衝化したpH8.0の0.14M NaCl/0.002M CaCl2(TC緩衝液)による2分間の平衡化に先立って、0.05%v/vのTween20を含む200μlのPBSで3回洗浄した。各ウェルに以下の試薬を加える前に、ウェルは空にした。阻害されず最大の結合を示すコントロールでは:35μlのTCBT緩衝液(2.3mMのCaCl2、5.72%w/vのBSA、0.072%v/vのTween20を含む)と、10μlのTCと、0.01M Trisで緩衝化されたpH8.0の0.14M NaCl(TN緩衝液)中で125Iにより放射線標識されたSAPを5μlであり、BSAの最終濃度を4%;Ca2+を2mM;Tween20を0.05%としたもの。非特異的で、非カルシウム依存性であり、EDTAの存在下で結合させるバックグラウンドでは:TN中の放射線標識されたSAP5μlと、11.1mMのEDTA,4.4%w/vのBSAおよび0.06%w/vのTween20を含み、0.01M Trisで緩衝化されたpH8.0の0.14M NaCl(TEBT緩衝液)を45μlであり、EDTAの最終濃度を10mM;BSAを4%;Tween20を0.05%としたもの。阻害剤の試験のためには:35μlのTCBT(2.3mMのCa2+、5.72%のBSAおよび0.072%のTween20を含む)と、10mM、1mM、100μM、10μMまたは1μMの試験化合物を含むTCを10μlと、TN中の放射線標識化SAPを5μlとしたもの。全てのウェルは、200μl量のTCBTで3回洗浄する前に室温で2時間インキュベートし、室温で1時間乾燥した後、結合した放射性標識SAPを計数する。
ここに示す本実験で試験した化合物は、アミロイド原繊維へのSAP結合の阻害剤として開発された分子ファミリーに属するものであり、以下に識別表示する初期のリード分子は、米国特許6,126,918の多数の化合物ライブラリーを高処理能スクリーニングしたものである。最初にヒットしたのは、1−[(S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−D−プロリン(Ro−15−3479)であった。また、ジアステレオ異性体の2量体である(R)−1−[(S)−3−[(S)−3−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−メチル−3−オキソプロピルジスルファニル]−2−メチルプロピオニル]ピロリジン−2−カルボン酸(Ro−63−3300)は、より可能性があるものとして見出された。その他の2つのジアステレオ異性体は、SAPによるリガンド結合を阻害しなかった。化学的なプログラムによって、(R)−1−[6−(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸(Ro−63−8695)(EP−A−915088の実施例8b)と、その関連分子ファミリーを得、ここで試験した。それらの化学名とコード記号を以下に示す:
Ro−64−4383: (R)−1−[[2,5−ジヒドロキシ−4−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル]フェニル]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−64−2856: (R)−1−[[4−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエトキシ]フェノキシ]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−63−3300: (R)−1−[(S)−3−[(S)−3−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−メチル−3−オキソプロピルジスルファニル]−2−メチルプロピオニル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−15−3479: 1−[(S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−D−プロリン
Ro−64−2848: (R)−1−[[3−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエトキシ]−2−メチルフェノキシ]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−64−2668: (R)−1−[[3−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル]フェニル]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−64−2845: (R)−1−[[2−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエトキシ]−3−メトキシフェノキシ]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−64−2600: (R)−1−[cis−4−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−カルボニル]シクロヘキサンカルボニル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−64−5607: (R)−1−[[4−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル]ナフタレン−1−イル]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−64−5445: (R)−1−[[5−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエトキシ]ナフタレン−1−イルオキシ]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−63−8593: (R)−1−[[2−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエトキシ]フェノキシ]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
Ro−63−7777: (R)−1−[[4−[2−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル]フェニル]アセチル]ピロリジン−2−カルボン酸
結果
試験化合物の髄膜炎菌へのSAP結合の阻害能をパーセンテージで表す。このパーセンテージによれば、SAP結合は、阻害剤が存在しない場合の結合よりも減っていた(表1)。全ての結合はEDTAにより阻害され、特異的で、カルシウム依存性であり、相互作用の本質を裏付けるものであった。SAPのリガンドとして知られているホスフォエタノールアミン(参考文献25,32)は、高濃度で阻害を示したが、希釈すると中程度の効果しか示さなかった。SAPが生理的条件下でホスフォコリンを認識し結合するという証拠は他にないことから予想されたことであったが、SAPに極めて近い他のヒト血漿ペントラキシンタンパク質であるC反応性タンパク質の特異的リガンドであるホスフォコリンは、ほとんど効果を示さなかった。Ro−63−8695のファミリー分子は、いくつかのケースで数μmolの範囲のIC50価で阻害可能な阻害剤であった。従って、これら化合物は、本発明のさらなる試験の候補化合物である。
表1 様々な化合物による、髄膜炎菌に固定化された放射性標識SAPの結合の阻害率
Figure 2006527250
実験例C 125Iで放射線標識されたSAPの、マイクロタイタープレートに固定化されたクロマチンへの結合の阻害剤のスクリーニング
材料と方法
100μg/mlのチキン赤血球の野生型ロングクロマチン(参考文献27)を含むPBS溶液であり、pH9に調節したものを、N−オキシスクシンイミドで活性化された表面を有するマイクロタイタープレートへウェル当り50μlで分注し、室温で1時間静置した。次いで、全てのウェルを、0.05%v/vのTween20を含み、pH7.4で200μl量のPBS(PBST)で3回洗浄し、各ウェルにおいて、反応していない活性部位を、pH7.4のBSAの2%w/vPBS溶液50μlを加え、室温で30分間ブロックした。次に、4%w/vBSAと0.05%v/vTween20(TCBT緩衝液)を含み、0.01MのTrisで緩衝化したpH8.0の0.14M NaCl/0.002M CaCl2(TC緩衝液)で2分間の平衡化をする前に、200μlのPBSTでウェルを3回洗浄した。各ウェルに以下の試薬を加える前に、ウェルは空にした。阻害されず最大の結合を示すコントロールでは:35μlのTCBT緩衝液(2.3mMのCaCl2、5.72%w/vのBSA、0.072%v/vのTween20を含む)と、10μlのTCと、0.01M Trisで緩衝化されたpH8.0の0.14M NaCl(TN緩衝液)中で125Iにより放射線標識されたSAPを5μlであり、BSAの最終濃度を4%;Ca2+を2mM;Tween20を0.05%としたもの。非特異的で、非カルシウム依存性であり、EDTAの存在下で結合させるバックグラウンドでは:TN中の放射線標識されたSAP5μlと、11.1mMのEDTA、4.4%w/vのBSAおよび0.06%w/vのTween20(TEBT緩衝液)を含み、pH8.0の0.01M Trisで緩衝化された0.14M NaClを45μlであり、EDTAの最終濃度を10mM;BSAを4%;Tween20を0.05%としたもの。阻害剤の試験のためには:35μlのTCBT(2.3mMのCa2+、5.72%のBSAおよび0.072%のTween20を含む)と、10mM、1mM、100μM、10μMまたは1μMの試験化合物を含むTCを10μlと、TN中の放射線標識化SAPを5μlとしたもの。全てのウェルは、200μl量のTCBTで3回洗浄する前に室温で2時間インキュベートし、室温で1時間乾燥した後、結合した放射性標識SAPを計数する。ここに示す本実験で試験した化合物は、上記実験例Bで特定したものと同様である。
結果
クロマチンへの試験化合物のSAP結合の阻害能をパーセンテージで表す。このパーセンテージによれば、SAP結合は、阻害剤が存在しない場合の結合よりも減っていた(表2)。全ての結合はEDTAにより阻害され、特異的で、カルシウム依存性であり、相互作用の本質を裏付けるものであった。クロマチンが存在しないコントロールウェルでありBSAでブロックされたものへの結合は、EDTAまたは特異的阻害剤により完全に阻害された場合に見られるバックグラウンドレベルと同様であった。SAPのリガンドとして知られているホスフォエタノールアミン(参考文献25,32)は、高濃度で阻害を示したが、希釈すると中程度の効果しか示さなかった。SAPが生理的条件下でホスフォコリンを認識し結合するという証拠は他にないことから予想されたことであったが、SAPに極めて近い他のヒト血漿ペントラキシンタンパク質であるC反応性タンパク質の特異的リガンドであるホスフォコリンは、ほとんど効果を示さなかった。Ro−63−8695のファミリー分子は、いくつかのケースで数μmolの範囲のIC50価で阻害可能な阻害剤であった。従って、これら化合物は、興味深いことに本アッセイは固定化リガンドとして髄膜炎菌を用いた場合よりも感受性は低かったものの、本発明のさらなる試験の候補化合物である。
表2 様々な化合物による、野生型ロングクロマチンに固定化された放射性標識SAPの結合の阻害率
Figure 2006527250
実験例D 125Iで放射線標識されたSAPの、マイクロタイタープレートに固定化されたインフルエンザウィルスへの結合の阻害剤のスクリーニング
材料と方法
PBS1ml当り10mgのタンパク質を有する精製インフルエンザウィルスであるA/Shanghai/24/90の濃縮懸濁液を、1:50でPBSにより希釈し、次いで、1ウェル当り50μlずつポリスチレンマイクロタイタープレートへ分注し、4℃で一晩静置した。次に、各ウェルにBSAの2%w/vPBS溶液200μlを加え室温で1時間インキュベートすることによりブロックする前に、全てのウェルを空にした。全てのウェルを、4%w/vのBSAと0.05%v/vのTween20(TCBT緩衝液)を含み、0.01MのTrisで緩衝化したpH8.0の0.14M NaCl/0.002M CaCl2(TC緩衝液)で2分間平衡化する前に、0.05%v/vのTween20を含む200μlのPBSで3回洗浄した。各ウェルに以下の試薬を加える前に、ウェルは空にした。阻害されず最大の結合を示すコントロールでは:35μlのTCBT緩衝液(2.3mMのCaCl2、5.72%w/vのBSA、0.072%v/vのTween20を含む)と、10μlのTCと、0.01M Trisで緩衝化されたpH8.0の0.14M NaCl(TN緩衝液)中で125I(参考文献32)により放射線標識されたSAPを5μlであり、BSAの最終濃度を4%;Ca2+を2mM;Tween20を0.05%としたもの。非特異的で、非カルシウム依存性であり、EDTAの存在下で結合させるバックグラウンドでは:TN中の放射線標識されたSAP5μlと、11.1mMのEDTA、4.4%w/vのBSAおよび0.06%w/vのTween20(TEBT緩衝液)を含み、0.01M Trisで緩衝化されたpH8.0の0.14M NaCl(TEBT緩衝液)を45μlであり、EDTAの最終濃度を10mM;BSAを4%;Tween20を0.05%としたもの。阻害剤の試験のためには:35μlのTCBT(2.3mMのCa2+、5.72%のBSAおよび0.072%のTween20を含む)と、10mM、1mM、100μM、10μMまたは1μMの試験化合物を含むTCを10μlと、TN中の放射線標識化SAPを5μlとしたもの。全てのウェルは、200μl量のTCBTで3回洗浄する前に室温で2時間インキュベートし、室温で1時間乾燥した後、結合した放射性標識SAPを計数する。ここに示す本実験で試験した化合物は、上記実験例Bと特定したものと同様である。
結果
固定化されたインフルエンザウィルスへのSAP結合における試験化合物の阻害能をパーセンテージで表す。このパーセンテージによれば、SAP結合は、阻害剤が存在しない場合の結合よりも減っていた(表3)。全ての結合はEDTAにより阻害され、特異的で、カルシウム依存性であり、相互作用の本質を裏付けるものであった。ウィルスが存在しないコントロールウェルでありBSAでブロックされたものへの結合は、EDTAまたは特異的阻害剤により完全に阻害された場合に見られるバックグラウンドレベルと同様であった。SAPのリガンドとして知られているホスフォエタノールアミン(参考文献25,32)は、高濃度で阻害を示したが、希釈すると中程度の効果しか示さなかった。SAPが生理的条件下でホスフォコリンを認識し結合するという証拠は他にないことから予想されたことであったが、SAPに極めて近い他のヒト血漿ペントラキシンタンパク質であるC反応性タンパク質の特異的リガンドであるホスフォコリンは、ほとんど効果を示さなかった。Ro−63−8695のファミリー分子は、いくつかのケースで数μmol、高nmolの範囲のIC50価で阻害可能な阻害剤であった。従って、これら化合物は、本発明のさらなる試験の候補化合物であり、興味深いことに本アッセイは、固定化リガンドとして髄膜炎菌または野生型ロングクロマチンを用いた場合よりも感受性が高かった。
表3 様々な化合物による、インフルエンザウィルスに固定化された放射性標識SAPの結合の阻害率
Figure 2006527250
実験例E 関節炎の罹患患者の関節における標識化SAPの蓄積
標識化SAPの蓄積は、透析アミロイドーシスを伴わない患者の関節で観察された。かかる患者は、関節炎の他の形態に罹患しており:5人は変形性関節炎(図4)、12人は関節リウマチ、そして1人には外傷性の浸出液が見られた。これらそれぞれの患者においては、原因はともかくとして著しい浸出液が見られる全ての関節で標識化SAPが検出された。このこと自体は、血漿タンパク質が関節滲出液へ入ることが知られていることから、驚くべきことではない。しかし、様々なタイプの関節症患者の30人中20人で、臨床的には滲出液が観察されなかった関節において標識化SAPの取り込みも観察された。
図4は、123I−標識化SAPを静脈注射してから24時間後における変形性関節炎患者の手のシンチグラフィックイメージを示す。SAPの取り込みと滞留は、第二中手指節関節と指骨間関節の両方の手根骨領域で観察された。
血液から罹患関節へのSAPの局在化のメカニズムとして考えられるものの1つは、関節および関節周辺におけるアミロイド沈着にある。老人の滑膜、関節軟骨および/または関節包において、顕微鏡観察で見られるアミロイド沈着の広い分布に関して強い証拠がある(参考文献33〜44)。しかし、これら病理解剖および/または切除標本の観察的な研究からの総体的な印象では、アミロイド沈着は主に患者の加齢と関連し、変形性関節炎の臨床的または病理学的な兆候の程度や重大度とは特に関係しない。その代わり、またはそれに加えて、SAPは、炎症または損傷した関節に存在するアミロイド原繊維以外の構造上でリガンドへ結合している。in vitroにおけるカルシウム依存性のSAPのグルコサミノグリカンへの結合が報告されているが(参考文献45)、この結合は、それぞれ軟骨と滑液に最も豊富な硫酸クロマチンとヒアルロン酸よりも、ヘパランやデルマタン硫酸に特異的であった。それにも関わらず、グルコサミノグリカンは関節組織に偏在しており、異常に顕在化していることから、罹患関節とその周辺でSAPのリガンドを提供することになる。in vitroと同様にin vivoにおいてもSAPがよく結合するその他のリガンドは、死亡細胞により提示される際(参考文献46)の遊離の及びクロマチン内のDNA(参考文献26,27)である。SAPは、in vivoでアポトーシス細胞にも結合する(参考文献47)。アポトーシスでもまたはネクローシスでも、クロマチンを提示する炎症関節で増加した死亡細胞は、リガンド濃度を以上に増加させ、それによりSAP沈着を集中させる。
実験例F 罹患関節におけるリガンドへのSAPの結合
SAPが罹患関節でリガンドに結合するか否かを試験するために、先ず、2人の患者において、放射線標識したヒト血清アルブミンの分布をSAPの分布と比較した。アミロイドと関係することが立証された透析にかかっている1人において、SAPの関節での取り込みはアルブミンよりも顕著に多く、SAPの局在化がアミロイドに特異的であることを示した。対照的に、関節リウマチに罹患中であり滲出液を伴う様々な疾病に冒された関節を有する患者において、通常の関節ではアルブミンよりもSAPの滞留が高かったものの、アルブミンとSAPの局在化は同程度であり、2つのタンパク質にとり滑液スペースへの滲出プロセスは同様で非特異的であることが示された。さらに、放射性標識化SAPを注射されてから24時間後に膝関節滲出液を吸引され乾燥された患者に1人において、その関節ではSAPが強く局在したままであった。第2に、我々は、様々な原因による関節滲出液を伴う15人の患者からの2つの試料において、滑液と血漿におけるSAPおよび他のタンパク質の濃度を測定し、また、滑液:血漿の割合を計算した。この割合とタンパク質の分子量には逆の直線関係があり、血流から関節スペースへの拡散によりそれらが接近することは比較的容易に示せることは、よく知られている。しかしこの割合は、そのSAPと同様の分子量を有するタンパク質から期待されるよりも、SAPにとり顕著かつ大幅に少ない(図5)。このことは、滑液へ確かに接近できるSAPは、標識化SAPに関する我々の実験で示した様に、関節内の構造へおそらく結合しており、その結果、滑液自体を用いる検出やアッセイには役に立たない。
図5は、滲出液を伴う様々な形態の関節炎患者からの滑液と血漿における様々な血漿タンパク質の濃度の割合を示す。SAPを除き、ここで示す全てのタンパク質で、相対的な分子量と滑液/血漿濃度の割合との間には、r=0.62で直線関係がある。滑液におけるSAP濃度は、その分子量と血漿濃度から予測されるよりも顕著に少ない。(キーワード:α1AG、α1−酸 グリコプロテイン;A1b、アルブミン;Trf、トランスフェリン;Cer、セルロプラスミン;α2M、α1−マクログロブリン)。
老人および変形性関節炎の関節で非常に一般的であり顕微鏡観察で見られるアミロイド沈着は、変形性関節炎の病因または兆候とはこれまで考えられていなかった。関節におけるアミロイド原繊維や他の構造に対するSAPの結合が、いかにして変形性関節炎の病因となるのかも明らかでない。人為的に凝集させたSAPは、補体システムを活性化することができることから(参考文献48)、起炎症性のものであり得る。あらゆる既知リガンドへのSAPの結合は、補体を活性化するのみでなく、実は基質による補体の活性化を阻害する(参考文献49,50)。また、変形性関節炎患者では、局所的にも全身的にも補体を活性化するという証拠はない。それにも関わらず、我々による関節におけるSAPの局在化と予想より低い滑液での遊離SAP濃度の観察の観点から、我々はSAPが変形性関節炎に関与するか否かを試験した。
実験例G 変形性関節炎患者の治療
2つの実施例により、かかる治療の効果が実証される。
1)ニュージーランドに住む引退した一般開業医であり64歳のRJは、長年にわたる骨と関節の損傷の経験を有し、子供時代と10代を農場で暮らし、大人になりラグビーとスキーをしていた。42歳から手仕事の後や特に寒い時には以前に損傷した関節に痛みや腫れを感じる様になった。左中指と右薬指の近位指節間関節、右肘および胸部中部の椎間関節が、最も罹患していた。症状と兆候は22歳を過ぎてから次第に悪くなったことから、肉体的な仕事が制限される様になり、冬季には非ステロイド抗炎症剤による治療をしばしば或いは継続的に受けなければならなくなった。これらは、何れも変形性関節炎の兆候である。2000年には腎機能障害が見出され、最終的には、別途、フィブリノーゲンA α鎖の遺伝子の変異による遺伝的な全身性アミロイドーシスの完全な診断も受けた。このタイプのアミロイドーシスは関節とその発症には影響を与えず、臨床的な兆候は変形性関節炎と全く関連しない。
彼は、2001年10月9日に、(R)−1−[6−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸を10mgずつ1日2回皮下注射するというアミロイドーシスの実験的な治療を開始した。2002年の1月に、この効能あるSAPの除去剤投与から3ヶ月が経過し、彼の血漿SAP濃度は確実に95%まで減少した。彼は、先ず、関節炎の病状が以前よりも軽減されたことに気付いた。かかる改善は持続して更に良くなり、ニュージーランドでは秋である2002年4月までには、かかる印象は揺ぎ無いものとなった。長年無かったことであるが、冬季を通じて、彼は非ステロイド抗炎症剤による治療を必要とせず、代わりに肉体的な活動も増えていった。彼は(R)−1−[6−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸による治療を現在(2003年6月)まで続けており、彼の変形性関節炎の全ての症状は、顕著に沈静化していった。過去数ヶ月にわたって、かれは尋常でない肉体的活動のストレスさえもなく、以前彼を悩ませていた痛みや腫れを感じることなく、フェンシングや、重いものを持ち上げたり運んだりする造園といった陸上でのハードな肉体的活動を日常的に継続している。
2)ウェールズ出身のサービス労働者で49歳のCDは、6〜8年にわたる痛みと、いくつかの関節における機能低下の経験があった。特に手を上に伸ばしたり頭の後ろに持っていく際に彼女の両肩は痛み、髪を乾かすことや家事が苦痛で困難となった。彼女は胸部中部の後ろや両側の踵にほとんど一日中痛みを感じ、通常、長い間立つことにより痛みは起こった。かなりの仕事を行う際には右の手首にも痛みを感じることがあり、特に瓶を開ける操作が困難であった。これら症状は、全て変形性関節炎に合うものである。
CDは、2001年10月の慢性腎機能障害の検査において、アポリポタンパク質AIの遺伝子の変異により引き起こされる遺伝的な全身性アミロイドーシスに罹患していると診断された。このタイプのアミロイドーシスは関節には影響を与えず、関節炎の病状を起こすこともしない。彼女は、2001年10月22日に、(R)−1−[6−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸を15mgずつ1日2回皮下注射するというアミロイドーシスの実験的な治療を開始した。2001年の12月には、この効能あるSAPの除去剤投与から2ヶ月が経過し、彼女の血漿SAP濃度は確実に95%まで減少した。彼女は、先ず、関節の病状が以前よりも顕著に軽減されたことに気付いた。かかる改善は持続して更に良くなり、2002年1月までには彼女は痛みから解放され、関節は正常な機能を取り戻した。(R)−1−[6−[(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸におよる治療は2002年10月に終了し、顕著な回復は現在(2003年6月)まで続いている。
本発明は、実施例と付随する図面を参照して、あくまで例示としてさらに詳細に説明される。
図1〜3は、1−[(S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−D−プロリン(図中、Ro−3479と示す)が、カルシウムの存在する場合および存在しない場合におけるSAPのアミロイド原繊維への結合に及ぼす効果を評価する表面プラズモン共鳴実験のトレースを示す。
図4は、変形性関節症に罹患した患者の手のシンチグラフィ画像を示す図であり、123I標識化SAPを静脈注射してから24時間後の図である。
図5は、様々な形態の関節炎が原因の滲出液を伴う患者の滑液と血清中における様々なタンパク質の濃度比を示す図である。
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Claims (13)

  1. 患者の変形性関節症を治療または予防する薬品を製造するために、SAPのリガンド結合活性を阻害できる薬剤または患者の血漿からSAPを消失させることができる薬剤を使用する方法。
  2. 上記薬剤がSAPに存在するリガンド結合部位により結合され得るものである請求項1に記載の使用方法。
  3. 上記薬剤が、共に共有結合している複数のリガンドを有することによって、SAPおよび第2タンパク質と複合体を形成できるものであり、当該リガンドの少なくとも2つが同一であるか又は異なるものであり、当該リガンドの1つがSAPに存在するリガンド結合部位により結合され得るものであり、他の1つが第2タンパク質に存在するリガンド結合部位により結合され得るものである請求項2に記載の使用方法。
  4. 上記第2タンパク質がSAPである請求項3に記載の使用方法。
  5. 上記複数のリガンドが、リンカーを介して共に共有結合している請求項3または4に記載の使用方法。
  6. 上記リンカーが、直鎖状または分枝鎖状の2価炭化水素基であり、その炭素原子の1または2以上がヘテロ原子により置換されていてもよいものを含む請求項5に記載の使用方法。
  7. 上記薬剤が2つのリガンドを有する請求項1〜6のいずれかに記載の使用方法。
  8. 上記薬剤が、一般式:リガンド − リンカー − リガンドの構造を有する請求項6に記載の使用方法。
  9. SAPに存在するリガンド結合部位により結合され得る上記リガンドが、置換若しくは非置換D−プロリン、またはその立体類似体を含むものである請求項3〜8のいずれかに記載の使用方法。
  10. 上記薬剤が下記式のD−プロリン、その薬学上許容される塩、そのモノエステル、またはそのジエステルである請求項9に記載の使用方法。
    Figure 2006527250
    式中、
    Rは
    Figure 2006527250
    基を示し;
    1は水素原子またはハロゲン原子を示し;
    Xは、−(CH2n−;−CH(R2)(CH2n−;−CH2O(CH2n−;−CH2NH−;ベンジル;−C(R2)=CH−;−CH2CH(OH)−;またはチアゾール−2,5−ジイルを示し;
    Yは、−S−S−;−(CH2n−;−O−;−NH−;−N(R2)−;−CH=CH−;−NHC(O)NH−;−N(R2)C(O)N(R2)−;−N[CH263(OCH32]−;−N(CH265)−;−N(CH265)C(O)N(CH265)−;−N(アルコキシアルキル)−;−N(シクロアルキル−メチル)−;2,6−ピリジル;2,5−フラニル;2,5−チエニル;1,2−シクロヘキシル;1,3−シクロヘキシル;1,4−シクロヘキシル;1,2−ナフチル;1,4−ナフチル;1,5−ナフチル;1,6−ナフチル;ビフェニレン;または1,2−フェニレン,1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレンを示し、当該フェニレン基は、ハロゲン原子、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、−COO−低級アルキル、ニトリロ、5−テトラゾール、(2−カルボン酸ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エトキシ、N−ヒドロキシカルバミミドイル、5−オキソ[1,2,4]オキサジアゾリル、2−オキソ[1,2,3,5]オキサチアジアゾリル、5−チオキソ[1,2,4]オキサジアゾリルおよび5−tert−ブチルスルファニル−[1,2,4]オキサジアゾリルから選択される1〜4の置換基により置換されていてもよい;
    X’は、−(CH2n−;−(CH2nCH(R2)−;−(CH2nOCH2−;−NHCH2−;ベンジル;−CH=C(R2)−;−CH(OH)CH2;またはチアゾール−2,5−ジイルを示し;
    2は、低級アルキル、低級アルコキシまたはベンジルを示し
    nは0〜3を示す。
  11. 上記D−プロリンが、(R)−1−[6−(R)−2−カルボキシピロリジン−1−イル]−6−オキソヘキサノイル]ピロリジン−2−カルボン酸、その薬学上許容される塩、そのモノエステル、またはそのジエステルである請求項10に記載の使用方法。
  12. 上記薬剤が、置換若しくは非置換D−プロリン、またはその立体類似体を含むものである請求項2に記載の使用方法。
  13. 患者の変形性関節症を治療または予防するための方法であって、SAPのリガンド結合活性を阻害できる薬剤または患者の血漿からSAPを消失させることができる薬剤を含有する治療上有効量の薬品を患者へ投与することを含む方法。
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