JP2006523225A - ヘキサフルオロプロピレンダイマーの除去方法 - Google Patents

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Abstract

流体からのヘキサフルオロプロピレンダイマー(「HFPダイマー」)、ダイマー水素化物および他のオリゴマーの除去方法が記載される。本方法は、流体を加熱してHFPダイマーを熱力学的異性体に異性化する工程と、流体を第三級アミン(またはその塩)と接触させてヘキサフルオロプロピレンダイマー−第三級アミン付加体を形成する工程とを含む。本方法はダイマー付加体を反応混合物から分離する工程をさらに含んでもよい。

Description

本発明は、流体からのヘキサフルオロプロピレンダイマーおよび他のオリゴマー汚染物質の除去方法に関する。
ヘキサフルオロプロピレンから誘導されたフッ素化流体には、電子装置(例えば、スーパーコンピューター)のための冷却剤、不活性溶剤および流体、消火剤、ならびに伝熱剤のような多くの工業的用途がある。しかしながら、それらの製造に用いられる方法で、または一時加熱時に、これらのフッ素化流体の多くは、ダイマーのようなオリゴマー副生物を形成する。これらのダイマーは、かかる液体を取り扱う人もしくは汚染液体を含有する装置を運転する人に有害な場合があり、または使用の条件下で、反応性であり、それ故望ましくないことがある。
米国特許第3,696,156号明細書には、不純なフルオロパーハロカーボンを約180〜250℃で気相で塩基性アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物または酸化物を含有するアルミナと接触させることによって、2〜6個の炭素原子を有する飽和フルオロパーハロカーボン化合物からパーフルオロオレフィンおよびパーフルオロクロロオレフィン不純物を除去する方法が記載されている。
米国特許第5,233,107号明細書には、ゼオライト上200〜400℃で気相で水素含有クロロフルオロカーボンからオレフィン系不純物を除去する方法が記載されている。汚染されたより高沸点のクロロフルオロカーボンは、液体を前もって気相に変換するために予熱される。プロセス流れへの0.5〜10体積%の空気または酸素の添加が、非常に低レベルにコーキングを保つために推奨されている。高温を利用する方法の欠点の1つは、それらが有害な化合物で汚染された熱いガスを取り扱う必要があることである。さらに、ある種のフルオロカーボンは不安定であり、高温で特に触媒表面の存在下で様々なオレフィン系および脂肪族不純物を生み出す。
飽和フルオロパーハロカーボン液体からオレフィン系不純物を除去することによって当該飽和フルオロパーハロカーボン液体を精製するためのシステムおよび方法は、米国特許第5,300,714号明細書および同第5,507,941号明細書に開示された。この方法では、無機酸化物、水酸化物、炭酸塩、またはリン酸塩粒子が使用される。
イングランド(England)ら著「フッ素化学雑誌(J Fluorine Chem.)、17(1981)、265−288ページには、アミンとヘキサフルオロプロペンのダイマーおよびヘキサフルオロプロペンから製造されたパーフルオロビニルスルフィドとの反応が記載されている。無水アンモニアがヘキサフルオロプロペンダイマーの溶液に添加されて(1−アミノ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピリデン)プロパンジニトリルが形成された。
米国特許第5,462,908号明細書に開示されているように、好ましくは前処理された、有機アミン−含浸活性炭組成物が、様々な毒性パーフルオロカーボンの除去を増進するために呼吸ガスフィルターで使用されてきた。処理された材料の組成物またはフルオロアルケンと安定な固定化付加体を形成するために使用される求核試薬の性質に関しては何の開示もない。
米国特許第6,521,461号明細書(ミュラー(Mueller)ら)は、N−、S−、またはP−含有求核試薬−フルオロアルケン付加体を形成するのに十分な時間流体をN−、S−、またはP−含有求核試薬と接触させることによって流体から1つもしくはそれ以上のフッ素化アルケンを除去するための方法を記載している。求核試薬、およびそれ故付加体は、多孔性の繊維ウェブに絡ませることができる微粒子担体と共有結合するか、それにコーティングされるか、または吸着されることができる。
ヘキサフルオロプロピレン(HFP)は、求電子試薬へのヘキサフルオロプロピレンのフッ化物−触媒付加によって製造される、多種多様な有用なフッ素化化合物およびポリマーの製造に使用されてきた。しかしながら、これらの方法は、所望の生成物を汚染することができる、健康または暴露リスクをもたらすおそれがあり、除去することが困難であるHFPダイマーおよび他のオリゴマー副生物を常にもたらす。オリゴマー副生物を除去するための公知の方法は多くの場合費用がかかり、時間がかかり、または有害な試薬の使用を伴う。単純な蒸留は、所望の生成物と望ましくないダイマーとの間のよく似た沸点のために多くの場合困難である。蒸留はまた、毒性のあるダイマーおよびダイマー水素化物(dimer hydride)を濃縮するおそれがある。より具体的には、現行方法の多くは、望ましくないダイマー副生物だけでなく所望の反応生成物ともよく反応し、所望の価値ある生成物の収率を下げることができる。
手短に言えば、本発明は、流体を加熱してHFPダイマーを熱力学的異性体に異性化する工程と、流体を第三級アミン(またはその塩、好ましくはそのHF塩)と接触させてヘキサフルオロプロピレンダイマー−第三級アミン付加体を形成する工程とによる流体からのヘキサフルオロプロピレンダイマー(「HFPダイマー」)、ダイマー水素化物および他のオリゴマーの除去方法を提供する。本方法は、ダイマー付加体を反応混合物から分離する工程をさらに含んでもよい。
本発明は、容易に入手可能な材料および装置を用いる望ましくないオリゴマー副生物の簡単な除去方法を提供する。有利なことに、本方法は潜在的に有害な試薬または反応条件を伴わず、かつ、試薬は所望のHFP−誘導生成物の収率を実質的に下げない。
本方法は、フッ素化ケトン、HFPトリマーおよびフッ素化芳香族化合物のような、ヘキサフルオロプロピレンから誘導されたフッ素化化合物からHFPダイマーを除去するのに特に有用である。従って、本発明は、ヘキサフルオロプロピレンから誘導されるフッ素化化合物の製造方法であって、フッ化物イオンの存在下でHFPを求電子試薬と接触させる工程と、場合により粗反応生成物を分離する工程と、粗反応生成物を加熱してHFPダイマーを異性化する工程と、異性化したダイマーを第三級アミン(またはその塩)で処理する工程とを含む方法をさらに提供する。
必要に応じて、第三級アミンは、多孔性または非多孔性担体のような担体上に吸着されていても、コーティングされていても、またはそれに結合していてもよい。有用な担体としては、微粒子担体、多孔性もしくは非多孔性フィルムもしくはウェブ、またはフォームが挙げられる。
本願では、
「付加体」または「ダイマー−アミン付加体」は、副生物の脱離を伴うまたは伴わない第三級アミンとHFPダイマーとの付加生成物を意味し、
「流体」は25℃、および760mmHg圧力、すなわち、標準状態で液体である物質を意味し、
「HFPダイマー」は、ヘキサフルオロプロピレンの二量化によって形成された式C612の不飽和化合物を意味する。
「HFPダイマー水素化物」または「HFPダイマーの水素化物」は、HFPダイマーへのHFの付加によって形成された式C613Hの化合物を意味する。
「HFPオリゴマー」は、ヘキサフルオロプロピレンのダイマー、トリマーおよびテトラマーを意味する。
ヘキサフルオロプロピレンは、フッ化物イオンの存在下で、好適な求電子試薬に付加して有用なフッ素化化合物を形成することのできる式(CF3−)2CF-のヘプタフルオロプロピレンアニオンを形成する。例えば、ヘプタフルオロプロピレンアニオンはパーフッ素化アシルフルオリドに付加してパーフッ素化ケトンを形成することができる。しかしながら、かかるアニオンはまた、ヘキサフルオロプロピレンそのものと反応することもでき、所望の生成物を汚染するおそれのある副生物ダイマー、トリマーおよびより高い分子量のオリゴマーを形成することがある。プロブスト(Probst)ら著、フッ素化学雑誌(J.Fluorine Chem)、37(1987)、223−245ページに特記されているように、HFPダイマーおよびダイマー水素化物は、それらの毒性のために暴露有害性(exposur hazard)を示すことがある。
一般に、HFPの動力学的ダイマー異性体はフッ化物イオンの存在下で迅速に形成し、時間と共に熱力学的ダイマーに転化される。ダイマー副生物には、次の構造の2つの動力学的異性体と熱力学的異性体とがある。
Figure 2006523225
本発明の方法では、HFPダイマーを含む流体は加熱されてHFPダイマーを熱力学的異性体に異性化し、第三級アミン(またはその塩)と接触してヘキサフルオロプロピレンダイマー−第三級アミン付加体を形成する。多くの場合、流体は、少量の、1%未満のダイマーまたはその水素化物を含むに過ぎない。意外にも、第三級アミンは感知できるほどの速度でシス−またはトランス−動力学的ダイマーに容易に付加しないが、熱力学的ダイマーに付加することが見いだされた。従って、ダイマー異性体は、先ず混合物を異性化し、引き続き第三級アミン(またはその塩)での処理によって除去されてもよい。HFPダイマー水素化物もまた本発明の方法によって除去される。水素化物は反応条件下で脱フッ素水素されてHFPダイマーを生み出すと考えられる。
異性化は、流体に添加されるフッ化物イオンで触媒できる。しかしながら、多くの場合、追加のフッ化物は必要でないことがあり、流体は製造の方法の結果として異性化を達成するのに十分なフッ化物イオンを含有することがある。例えば、パーフッ素化ケトンの製造において、フッ化物イオンはヘプタフルオロプロピレンアニオンの付加でパーフッ素化アシルフルオリドから脱離される。多くの商業的フッ素化流体は、製造のそれらの方法のために存在する少量のフッ化物イオンを有する。より多量が使用されてもよいが、通常、存在するダイマーの総重量を基準として0.5〜10重量%のフッ化物量が動力学的ダイマーを熱力学的ダイマーに異性化するのに十分である。
フッ化物イオンの有用な供給源としては、単純なおよび複雑な無機フッ化物塩、単純なおよび複雑な有機フッ化物塩またはそれらの組合せが挙げられる。特に有用な無機フッ化物塩は、ナトリウム、カリウム、セシウムフッ化物およびフッ化カルシウム等のアルカリ−およびアルカリ土類フッ化物塩である。有機フッ化物塩としては、モノ−、ジ−、トリおよびテトラアルキルアンモニウムフルオリドだけでなく、フッ化アンモニウムを挙げることができる。
他の求核試薬、例えば、臭化物、塩化物等のハロゲン化物、およびアミンもまた、異性化を達成するために使用できる。しかしながら、かかる求核試薬はダイマーとの付加/脱離反応を受けて、異性化をさらに触媒するフッ化物イオンを放出すると考えられる。このように、フッ化物イオンの同時脱離と共にダイマーとの付加脱離反応を受け得るいかなる求核試薬も触媒異性化を達成するために使用できる。さらに、フッ化物触媒異性化は相間移動触媒の添加によって増進できる。ある流体では、フッ化物の溶解度は低く、相間移動剤の添加は有益に溶解度を上げ、異性化の速度を高めることができる。有用な相間移動剤としては、例えば、アルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical)から入手可能な、アドゲン(ADOGEN)(商標)464のようなテトラアルキルハロゲン化アンモニウム(tetralkyl ammonium halides)が挙げられる。
異性化は75〜150℃の温度で行うことができる。室温をはじめとするより低い温度が用いられてもよいが、速度は許容される商業方法にとっては遅過ぎるかもしれない。好ましくは、温度は少なくとも100℃である。
必要とされる時間は、フッ化物イオン濃度、存在するダイマーの濃度、処理されるべき流体の容量および温度に依存し、それらは一般に異性化が1日未満で、好ましくは1〜6時間で起こるように選択される。
HFP−アミン付加体を形成するための第三級アミンはモノ−、ジ−、またはポリアミンであってもよい。アミンは、末端またはペンダント第三級アミノ基を有する高分子化合物であってもよい。最も簡単な第三級アミンはトリメチルアミンであり、この化合物、およびそのC2、C3、C4〜CΩ類似体を使用することができる。勿論、アルキル基の混合物を含有する第三級アミン、例えば、メチルジエチルアミンを使用することは可能である。第三級アミンは、2つ以上の第三級アミン部分を含有することができる。それらの他の官能基が必要とされる反応を妨害しない、または該官能基が必要とされる反応に有益に関与するという条件で、それはまた他の官能基を含有してもよい。妨害しない官能基の例はエーテル基である。
有用な第三級アミンとしては、例えば、N−メチルモルホリン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチル−4−ジメチルアミノエチルピペラジン、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリメチルアミン、フェニルメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ピリジン、10−ジメチルアミノピリジン、2−エチルイミダゾールおよび2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、テトラメチルグアニジン等のグアニジン類;1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロへキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、テトラエチルトリエチレンジアミン、メチレン−ビス(シクロへキシルアミン)、N,N,N,N−テトラブチルエチレンジアミン、テトラメチレンエチレンジアミン、ジピペリジノメタン、テトラメチルジアミノメタンおよびペンタメチルジエチレントリアミンなどが挙げられる。好適な高分子アミンとしては、ポリビニルアミン、ポリエチレンジアミン、ポリプロピレンジアミンおよびポリアリルアミンから誘導されたそれらの第三級アミンが挙げられる。
第三級アミンは、有機または無機アニオンを有してもよい、アミン塩、すなわち、第四級アミン塩の形であってもよい。本発明の塩はアンモニウム、および有機または無機第三級アミン塩であり、穏和な条件下で第三級アミンを適切な酸で処理することによって製造することができる。第四級アミンは他の有機または無機アニオンを含んでもよいが、フッ化物が好ましい。第三級アミンのフッ化水素塩が最も好ましい。
第三級アミンは一般に、存在するダイマーの量と等モル量で、またはそれより過剰で加えられる。汚染ダイマーは通常反応生成物の5重量%もしくはそれ未満であるので、これらの量の第三級アミンは、たとえそれらが所望の生成物とよく反応するとしても、所望のフッ素化生成物の収率を実質的に低下させない。通常、流体中に存在するダイマーの量に関して1〜5倍のアミンが十分である(モル基準で)。使用される量は、処理されるべき流体の重量の5重量%を通常超えない。本発明の方法を用いて、存在するダイマーの量を5000ppm未満、好ましくは1000ppm未満、最も好ましくは500ppm未満に減らすために流体を処理できる。ある種の流体規格は、本発明の方法を用いて達成することができる100ppmのような、より低い限度を要求する場合がある。流体中のダイマーの量は、ガスクロマトグラフィ/質量分析法、IR、1Hおよび19FNMRのような通常の分析法によって測定できる。HFP−アミン付加体形成に有用な温度は室温からそれより上、例えば20〜100℃である。
ダイマー−アミン付加体は化合物の混合物を含んでもよい。理論に縛られるわけではないが、アミンはダイマーの二重結合に付加して両性イオン中間体を形成し、それを脱離してビニルアンモニウム化合物を形成したり、またはプロトン化してβ−ヒドロアミノ化合物を形成できると考えられる。あるいはまた、ダイマー水素化物化合物は、第三級アミンと反応して塩を形成したり、または脱フッ化水素によって反応して1つもしくはそれ以上の不飽和ダイマー異性体を生成することができる。アミン塩が使用される場合、それらは二重結合をフッ化水素化してダイマー水素化物を形成すると考えられる。
必要に応じて、第三級アミン(またはその塩)は、多孔性または非多孔性マトリックス上に吸着されても、その上へコーティングされても、またはそれに結合されてもよい。マトリックスは、流体が処理されるために通過してもよいカラムまたはカートリッジの形であってもよい。かかるマトリックスの使用によって、処理された流体または所望のフッ素化生成物からのダイマー−アミン付加体の分離を容易にすることができる。
異性化および付加体形成の工程は優先的には順次的であるが、工程は同時に起こってもよく、それによって流体は室温または高温でフッ化物イオンおよび第三級アミン、または第三級アミンのフッ化水素塩で処理される。
本発明は、ヘキサフルオロプロピレンから誘導された反応生成物から望ましくないダイマー、およびダイマー水素化物を除去するのに特に有用である。公知のように、ヘキサフルオロプロピレンは弱求核性のヘプタフルオロプロピレンアニオンを形成し、それは強求電子性化合物に付加して有用なフッ素化生成物を形成することができる。有用な求電子試薬としては、テトラフルオロエチレン、パーフルオロブテン等の他のフッ素化オレフィン、アシルハライド、エステル、および酸無水物をはじめとする、パーフッ素化−、非フッ素化−または部分フッ素化アシル化合物、ならびにフッ素化芳香族化合物が挙げられる。
フッ素化ケトン(すなわち、パーフルオロケトン)は、例えば、米国特許第3,185,734号明細書(フォーセット(Fawcett)ら)および米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、84(1962)、4285−88ページに記載されているように、高温で、典型的には約50〜80℃の温度で無水フッ化物イオンの存在下に無水環境中で(例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、すなわち「ジグライム」中で)パーフルオロアシルハライド(例えば、CF3CF2COF)へのヘキサフルオロプロピレン付加によって製造されてもよい。ジグライム/フッ化物イオン混合物は次のフッ素化ケトン製造のために、例えば、湿気への暴露を最小限にするためにリサイクルすることができる。この反応スキームが用いられる場合、ヘキサフルオロプロピレンダイマーおよび/またはトリマーは分岐パーフルオロケトン生成物中に副生物として生み出される。ダイマーおよび/またはトリマーの量は、長時間、例えば数時間にわたるパーフルオロアシルハライドへのヘキサフルオロプロピレンの逐次付加によって減らすことができる。
かかるパーフッ素化ケトンは、米国特許第6,478,979号明細書(リバース(Rivers)ら)に記載されているようにハロン(HALON)1301およびハロン1211のような臭素含有化合物の代替のための消火組成物として有用である。(CF32CF−CO−CF2CF3の製造において、生成物は、安全性標準を満たすために減らされなければならない副生物ダイマーで汚染される。トランス−およびシス−動力学的異性体(〜46℃)、熱力学的異性体(〜50oC)と所望の生成物(〜49oC)との近い沸点のために蒸留は効果がないが、本発明の方法によって除去されるかもしれない。
フッ素化アシルフルオリドは周知であり、電解質として無水フッ化水素(シモンス(Simons)ECF)か、KF/2HF(フィリップス(Phillips)ECF)かのどちらかを用いて、相当する炭化水素カルボン酸またはその誘導体の電気化学的フッ素化(ECF)によって製造することができる。フルオロアルキルエステルおよびフルオロアルキルカーボネートもまた当該化学技術では周知であり、フッ素化アシルフルオリドから製造することができる、または適切な有機前駆体のフッ素化のような公知方法によって直接製造することができる。
フッ素化求電子試薬として有用であることができる化合物の例には、フッ素化アシルフルオリド、フッ素化アシルクロリド、フルオロアルキルエステル、フッ素化酸無水物、およびフルオロアルキルカーボネートが挙げられ、次の通り例示される:CF3C(O)F、C25C(O)F、C37C(O)F、C49C(O)F、C511C(O)F、CF3C(O)Cl、C25C(O)Cl、C37C(O)Cl、C49C(O)Cl、C511C(O)Cl、CF3CO2CF3、C25CO225、C49CO249、C5llCO251l、CF3C(O)−O−C(O)CF3、C25C(O)−O−C(O)C25、C37C(O)−O−C(O)C37、C49C(O)−O−C(O)C49、C511C(O)−O−C(O)C511、CF3OC(O)OCF3、CF3CF2OC(O)OCF2CF3、C37OC(O)OC37、ならびにそれらの部分フッ素化類類似体。
フッ素化化合物は、フッ化物イオンの存在下でHFPを求電子試薬と接触させることによって製造できる。反応は周囲温度で進行することができるが、一般に、反応流体の加熱が好ましい。さらに、0〜100℃の任意の温度が用いられてもよい。例えば、約60℃またはそれより高くへの穏和な加熱がヘプタフルオロプロピレンアニオンの生成をもたらすために、または該アニオンと求電子試薬との反応速度を上げるために有用であり得る。反応の経過は、標準分析技法、例えば、ガスクロマトグラフィを用いて監視し、反応体の転化および生成物形成を観察することができる。
このように、本発明は、求電子試薬の存在下でヘキサフルオロプロピレンをフッ化物イオンと接触させて所望のフッ素化生成物と望ましくないダイマー(またはダイマー水素化物、およびトリマーのような他のオリゴマー)とを生み出す工程と、フッ化物イオン(または他の好適な異性化触媒)の存在下で反応混合物を加熱してダイマー異性化させる工程と、次に反応混合物を第三級アミン(またはその塩)と接触させてダイマー−アミン付加体を生み出す工程とによるヘキサフルオロプロピレンから誘導されるフッ素化生成物の製造方法を提供する。
必要に応じて、処理されるべき流体は極性非プロトン性溶剤をさらに含んでもよい。溶剤は、ダイマー、ダイマー付加体または所望の反応生成物のいずれとも反応しないように選ばれる。好適な極性非プロトン性溶剤としては、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、およびジエチレングリコールジメチルエーテル等の非環式エーテル;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、およびエチレンカーボネート等のカルボン酸エステル;アセトニトリル等のアルキルニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、およびN−メチルピロリドン等のアルキルアミド;ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシド;ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、および他のスルホラン等のアルキルスルホン;N−メチル−2−オキサゾリドン等のオキサゾリドン;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
ダイマー−アミン付加体は、当該技術で公知の通常の方法を用いて溶液から分離できる。一実施形態では、処理されるべき流体は、その中にフッ素化生成物またはダイマー−アミン付加体が可溶であるが、両方が可溶ではない溶剤を含む。この実施形態では、例えば、溶剤は、ダイマー付加体が所定の溶剤に可溶であるが、所望の生成物が可溶ではないように選ばれる。あるいはまた、溶剤は、所望の生成物が所定の溶剤に可溶であるが、ダイマー付加体が可溶ではないように選ばれてもよい。別の実施形態では、処理されるべき流体を、付加体に対して選択的な親和力を有するシリカまたはアルミナと接触させる。別の実施形態では、生成物フッ素化化合物は、場合により共沸混合物として流体から蒸留される。フッ化水素第三級アミン塩がアミン−ダイマー付加体を生み出すために使用される場合、蒸留温度は好ましくは付加体の分解温度より下に保たれる。別の実施形態では、ダイマー−アミン付加体は、処理された流体から沈殿、または「分相」してもよいし、デカンテーションによって分離されてもよい。
次の実施例の目的のためには、すべての百分率はガスクロマトグラフィ−水素炎イオン化検出器分析(GC−FID)の面積%として与える。この面積%は重量パーセントと非常に密接に対応する。
1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノノフルオロ−4−トリフルオロメチルペンタン−3−オンCF3CF2C(O)CF(CF32の製造
粗C6パーフッ素化ケトン(CF3CF2C(O)CF(CF32)は米国特許第6,478,979号明細書に記載された方法に従って製造することができる。溶剤としてジグライムおよび触媒としてKFを使用してC25COFをHFPと反応させた。粗C6パーフルオロケトンは、不純物としてHFPトランス−動力学的ダイマー、HFPシス−動力学的ダイマー、HFP熱力学的ダイマー、およびダイマー水素化物((CF32CH−CF2CF2CF3)を含有した。次の実施例で用いられる用語「C6PFK」は、この方法で製造された粗C6パーフッ素化ケトンを意味する。
実施例1 動力学的ダイマーのトリマーおよび熱力学的ダイマーへの転化
300gの粗C6パーフルオロケトンを、撹拌機、ヒ−ターおよび熱電対を備えた600mlステンレススチール・パー(Parr)反応器に加えた。粗C6パーフルオロケトンはガスクロマトグラフィ(GC−FID)で分析した場合に次の不純物を有していた:HFPトランス−動力学的ダイマー−0.57%、HFPシス−動力学的ダイマー−0.06%、HFP熱力学的ダイマー−0.24%、ダイマー水素化物−0.02%、およびHFPトリマー−0.31%。30gのKF(アルドリッチ)および150gのジグライム(アルドリッチ)もまたパー反応器に加えた。反応器中の混合物を撹拌しながら140℃に加熱し、この温度に6時間保持した。次に反応混合物を室温まで冷却した。C6パーフルオロケトン相のGC分析から次のことが判った:HFPトランス−動力学的ダイマー−0.12%、HFPシス−動力学的ダイマー−0.06%、HFP熱力学的ダイマー−0.43%、ダイマー水素化物−0.02%、およびHFPトリマー−0.35%。
実施例2 第四級アンモニウム塩を使用した動力学的ダイマーのトリマーおよび熱力学的ダイマーへのへの転化
300gの粗C6PFK(実施例1参照)、30gのKF、150gのジグライム、および6gのアドゲン/ジグライム(重量で50/50)を、撹拌機、ヒーターおよび熱電対を備えたパー反応器に装入した。アドゲン/ジグライムは、ジグライムの存在下でアドゲン464(アルドリッチから入手可能なメチルトリアルキル第四級アンモニウムクロリド相間移動触媒)から残留アルコールをストリップすることによって調製した。反応器中の混合物を撹拌しながら105℃に加熱し、この温度に6時間保持した。次に反応混合物を室温まで冷却した。C6パーフッ素化ケトン相のGC分析から次のことが判った:HFPトランス−動力学的ダイマー−0.03%、HFPシス−動力学的ダイマー−0.04%、HFP熱力学的ダイマー−0.36%、ダイマー水素化物−0.02%、およびHFPトリマー−0.48%。
実施例3 第四級アンモニウム塩を使用した動力学的ダイマーのトリマーへの転化
300gの粗C6PFKを、撹拌機、ヒ−ターおよび熱電対を備えた600mlステンレススチール・パー反応器に装入した。粗C6PFKはGCで分析されるように次の不純物を有した:HFPトランス−動力学的ダイマー−0.81%、HFPシス−動力学的ダイマー−0.16%、HFP熱力学的ダイマー−0.81%、ダイマー水素化物−0.04%、およびHFPトリマー−0.83%。30gのKF、150gのジグライム、および6gのアドゲン/ジグライム(実施例2で調製したように重量比50/50)もまた反応器に装入した。反応器中の混合物を撹拌しながら130℃に加熱し、当該温度に6時間保持した。次に反応混合物を室温まで冷却した。生じたC6パーフッ素化ケトン相のGC分析から次のことが判った:HFPトランス−動力学的ダイマー−0.06%、HFPシス−動力学的ダイマー−0.14%、HFP熱力学的ダイマー−0.64%、ダイマー水素化物−0.04%、およびHFPトリマー−1.23%。
実施例4 トリブチルアミンを使用した動力学的ダイマーのトリマーおよび熱力学的ダイマーへの転化
300gの粗C6PFK(実施例3参照)、30gのKF、150gのジグライム、および2gのトリブチルアミン(アルドリッチ)を、撹拌機、ヒ−ターおよび熱電対を備えたパー反応器に装入した。反応器中の混合物を撹拌しながら105℃に加熱し、当該温度に6時間保持した。次に反応混合物を室温まで冷却した。生じたC6パーフッ素化ケトン相のGC分析から次のことが判った:HFPトランス−動力学的ダイマー−0.17%、HFPシス−動力学的ダイマー−0.06%、HFP熱力学的ダイマー−0.98%、ダイマー水素化物−0.09%、およびHFPトリマー−1.03%。
実施例5 HFP熱力学的ダイマー(CF32C=CFCF2CF3の製造
撹拌機、サーモウォッチおよび冷却器を備えた2リットル・フラスコに、5.8グラムのフッ化セシウム(アルドリッチ)、100グラムのメチルスルホキシド(アルドリッチ)および10グラムのアドゲン/ジグライム(実施例2に記載したように重量で50/50)を加えた。1926gの動力学的HFPダイマー(米国特許第5,254,774号明細書に従って製造した)を溶液に加え、それを次に還流、48℃に加熱し、撹拌しながら一晩保持した。この物質を、反応器からの分留によって精製し、50〜51℃で沸騰し、97.8%の熱力学的ダイマーを含有する1548グラムの物質を得た。この物質の510グラムを75℃に設定したパー反応器中で100グラムのジグライム、100グラムのフッ化カリウムおよび62.4グラムの相間移動触媒(PTC)溶液で再処理し、17時間保持した。生成物をパー反応器から蒸留し、水で3回洗浄し、分留して80グラムのNMR分析で測定されるように99.4%の熱力学的ダイマーを得た。PTC溶液は、ジグライムでの50%溶液で60℃で一晩反応させた等モル量のトリペンチルアミン(シグマ・アルドリッチ社、ミズーリ州セントルイス(Sigma−Aldrich Corp.,St.Louis MO)からの異性体の97%混合物)とジメチル硫酸(アルドリッチ)との反応生成物であった。
実施例6 テトラメチルジアミノメタン(TMDM)によるHFP熱力学的ダイマーの除去
0.43%熱力学的ダイマーのマスターバッチを、実施例5で製造した熱力学的ダイマーを純ノベック(Novec)1230(商標)消火流体(3Mカンパニー、ミネソタ州セントポール(3M Company,St.Paul,MN))中へ投与することによって調製した。このマスターバッチの40グラム・アリコートを100mlフラスコ中でTMDM(シグマ・アルドリッチ、ミズーリ州セントルイスからの2.2グラム、0.215モル)で処理し、磁気撹拌しながら49℃に2時間加熱した。次に反応混合物を室温まで冷却し、分液漏斗に移して97.6%の出発マスターバッチを得た。生じたC6パーフッ素化ケトンのGC−FID分析から、熱力学的HFPダイマーが10ppmのFID検出限界未満に低下したことが判った。何のダイマー水素化物も観察されなかった。
実施例7 テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)によるHFP熱力学的ダイマーの除去
実施例6で調製した同じマスターバッチの40gアリコートを、実施例6に記載したように2.3gTMEDA(シグマ・アルドリッチ、ミズーリ州セントルイス)で処理した。生じた出発原料の80%を分相から回収し、GC−FID分析から、熱力学的ダイマーが10ppmのFID検出限界未満に低下したことが判った。何のダイマー水素化物も観察されなかった。
実施例8 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)によるHFP熱力学的ダイマーおよびダイマー水素化物の除去
250gの粗C6パーフルオロケトンを250mlプラスチックボトルに入れた。粗C6パーフルオロケトンは0.4%熱力学的HFPダイマーおよび0.07%ダイマー水素化物を含有した。7gのDBU(アルドリッチ)をボトルに加えた。ボトルをシールし、振盪機上に置き、室温で2時間振盪した。生じたC6パーフルオロケトンのGC分析から、熱力学的HFPダイマーおよびダイマー水素化物が両方とも10ppm未満に低下したことが判った。
実施例9 ペンタメチルジエチレントリアミンによるHFP熱力学的ダイマーおよびダイマー水素化物の除去
250gの粗C6パーフルオロケトン(実施例8で使用したものと同じ)を、250mlプラスチックボトルに入れた。7gのペンタメチルジエチレントリアミン(アルドリッチ)と25gのジグライムとをボトルに加えた。ボトルをシールし、振盪機上に置き、室温で2時間振盪した。生じたC6パーフルオロケトンのGC分析から、熱力学的HFPダイマーおよびダイマー水素化物が両方とも10ppm未満に低下したことが判った。
実施例10 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)によるHFP熱力学的ダイマーおよびHFPトリマーの除去
250gの粗C6パーフルオロケトンを、撹拌機、ヒーターおよび熱電対を備えた600mlステンレススチール・パー反応器に入れた。C6パーフルオロケトンは、GCで分析した場合に0.4重量%熱力学的HFPダイマーと1.0重量%HFPトリマーとを含有した。3gのDBUと25gのジグライムとをパー反応器に加えた。反応器中の混合物を撹拌しながら93℃に加熱し、この温度に撹拌を続けながら16時間保持した。次に反応混合物室温まで冷却した。生じたC6パーフルオロケトンのGC分析から、熱力学的HFPダイマーが10ppm未満に低下し、HFPトリマーが0.1重量%未満に低下したことが判った。
実施例11 ヒドロフルオロエーテル(HFE)からHFP熱力学的ダイマーを除去するための第一級アミンの使用
30gのHFE7100ヒドロフルオロエーテル(3Mカンパニー)を30mlポリボトルに入れた。それが8,000ppmHFP動力学的ダイマー、3,200ppmHFP熱力学的ダイマー、および熱力学的HFPダイマーの15ppmダイマー水素化物を含有するように、HFE7100にHFP動力学的ダイマー(米国特許第5,254,774号明細書でのように製造した)およびHFP熱力学的ダイマー(実施例5で製造した)を投与した。1.2gのアリルアミン(アルドリッチ)をボトルに加えた。ボトルをシールし、振盪機上に置き、室温で2時間振盪した。生じたHFE7100のGC分析から、HFP熱力学的ダイマーが17ppmに減少し、ダイマー水素化物が検出できず、HFP動力学的ダイマーが変化しないことが判った。
実施例12 ヒドロフルオロエーテル(HFE)からHFP熱力学的ダイマーを除去するための第二級アミンの使用
(実施例11に記載したように)HFPダイマーを投与した30gのHFE7100ヒドロフルオロエーテルを30mlポリボトルに入れた。1.2gのモルホリン(アルドリッチ)をボトルに加えた。ボトルをシールし、振盪機上に置き、室温で2時間振盪した。生じたHFE7100のGC分析から、HFP熱力学的ダイマーが26ppmに減少し、HFP動力学的ダイマーが変化しないことが判った。
実施例13 ヒドロフルオロエーテル(HFE)からHFP熱力学的ダイマーを除去するための第三級アミンの使用
(実施例11に記載したように)HFPダイマーを投与した30gのHFE7100を30mlポリボトルに入れた。1.2gの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)をボトルに加えた。ボトルをシールし、振盪機上に置き、室温で2時間振盪した。生じたHFE7100のGC分析から、HFP熱力学的ダイマーが300ppmに減少し、HFP動力学的ダイマーが変化しないことが判った。

Claims (19)

  1. 溶液からヘキサフルオロプロピレンダイマーを除去する方法であって、
    a.前記ダイマーを熱力学的異性体に異性化する工程と、
    b.該溶液を第三級アミンまたは第三級アミン塩と接触させてアミン−ダイマー付加体を形成する工程と、
    c.前記付加体を溶液から除去する工程と
    を含む方法。
  2. 前記異性化工程が前記異性化を達成するのに十分な時間および温度で前記ダイマーを触媒量のフッ化物イオンと接触させることを含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記フッ化物が求核試薬とダイマーとの付加/脱離反応によって現場生成される請求項2に記載の方法。
  4. フッ化物イオンが、存在するダイマーの総重量を基準として0.5〜10重量%を占める請求項2に記載の方法。
  5. 前記異性化工程が前記溶液を高温に維持することを含む請求項2に記載の方法。
  6. 前記異性化工程が前記溶液を少なくとも100℃の温度で加熱することを含む請求項2に記載の方法。
  7. 前記第三級アミンがN−メチルモルホリン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチル−4−ジメチルアミノエチルピペラジン、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリメチルアミン、フェニルメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ピリジン、10−ジメチルアミノピリジン、2−エチルイミダゾールおよび2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロへキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、テトラエチルトリエチレンジアミン、メチレン−ビス(シクロへキシルアミン)、N,N,N,N−テトラブチルエチレンジアミン、テトラメチル−テトラメチレンエチレンジアミン、ジピペリジノメタン、テトラメチルジアミノメタンおよびペンタメチルジエチレントリアミン、それらの混合物及び塩から選択される請求項1に記載の方法。
  8. 前記アミン−ダイマー付加体がデカンテーションによって除去される請求項1に記載の方法。
  9. 前記アミン−ダイマー付加体が蒸留によって除去される請求項1に記載の方法。
  10. 前記溶液がヘキサフルオロプロピレンとパーフッ素化アシル化合物との反応生成物を含む請求項1に記載の方法。
  11. 前記溶液中のアミン−ダイマー付加体の溶解度を下げるために溶剤を添加する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  12. 前記異性化が相間移動触媒の存在下で行われる請求項2に記載の方法。
  13. 前記相間移動触媒がハロゲン化テトラアルキルアンモニウムである請求項12に記載の方法。
  14. 前記熱力学的ダイマーが熱力学的および動力学的ダイマーの混合物から選択的に除去される請求項1に記載の方法。
  15. 前記異性化が溶媒の存在下で行われる請求項1に記載の方法。
  16. a.ヘキサフルオロプロピレンをフッ化物イオンの存在下で求電子化合物と接触させる工程と、
    b.反応混合物を加熱して生じたヘキサフルオロプロピレンダイマーを熱力学的異性体に異性化する工程と、
    c.該溶液を第三級アミンまたは第三級アミン塩と接触させてアミン−ダイマー付加体を形成する工程と、
    d.前記付加体をフッ素化化合物から分離する工程と
    を含むフッ素化化合物の製造方法。
  17. フッ素化化合物がパーフッ素化ケトンである請求項16に記載の方法。
  18. 前記求電子試薬がパーフッ素化アシルハライド、パーフッ素化エステル、またはパーフッ素化酸無水物である請求項17に記載の方法。
  19. 前記処理された流体が1000ppm未満のダイマーを含む請求項1に記載の方法。
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