JPH10101595A - フッ素系不活性液体の精製方法 - Google Patents
フッ素系不活性液体の精製方法Info
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- JPH10101595A JPH10101595A JP25796896A JP25796896A JPH10101595A JP H10101595 A JPH10101595 A JP H10101595A JP 25796896 A JP25796896 A JP 25796896A JP 25796896 A JP25796896 A JP 25796896A JP H10101595 A JPH10101595 A JP H10101595A
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- based inert
- polyether
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Abstract
(57)【要約】
【課題】フッ素系不活性液体の加熱使用時にフッ化水素
の発生の極めて少ないフッ素系不活性液体を得る。 【解決手段】フッ素系不活性液体をポリエーテルとアル
カリ水溶液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化
カリウム水溶液の混合物と接触させることを特徴とする
フッ素系不活性液体の精製方法。
の発生の極めて少ないフッ素系不活性液体を得る。 【解決手段】フッ素系不活性液体をポリエーテルとアル
カリ水溶液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化
カリウム水溶液の混合物と接触させることを特徴とする
フッ素系不活性液体の精製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素系不活性液体に
含まれる部分フッ素化物や不飽和化合物等の不純物を除
去し、加熱時に発生するフッ化水素が少ないフッ素系不
活性液体を得るための精製方法に関する。
含まれる部分フッ素化物や不飽和化合物等の不純物を除
去し、加熱時に発生するフッ化水素が少ないフッ素系不
活性液体を得るための精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペルフルオロ化合物に代表されるフッ素
系不活性液体は、化学的・熱的に安定で、良好な電気絶
縁性、熱伝導性を有しており、また、無毒であるため、
変圧器等の電気絶縁用液体、電子部品用液体、信頼性試
験用液体、蒸気相はんだ付け用液体等に用いられてい
る。しかしながら、フッ素系不活性液体中に水素原子を
分子内に有する部分フッ素化物や、炭素−炭素二重結
合、炭素−窒素二重結合等を有する不飽和化合物等の不
純物が含まれていると、加熱状態での使用する場合や、
長期間にわたって密閉容器中で使用する場合においてフ
ッ化水素が発生するという問題があった。フッ化水素は
腐食性、毒性が高く、装置材質の腐食、電気絶縁性の低
下や人体への安全性等の点で問題となる。
系不活性液体は、化学的・熱的に安定で、良好な電気絶
縁性、熱伝導性を有しており、また、無毒であるため、
変圧器等の電気絶縁用液体、電子部品用液体、信頼性試
験用液体、蒸気相はんだ付け用液体等に用いられてい
る。しかしながら、フッ素系不活性液体中に水素原子を
分子内に有する部分フッ素化物や、炭素−炭素二重結
合、炭素−窒素二重結合等を有する不飽和化合物等の不
純物が含まれていると、加熱状態での使用する場合や、
長期間にわたって密閉容器中で使用する場合においてフ
ッ化水素が発生するという問題があった。フッ化水素は
腐食性、毒性が高く、装置材質の腐食、電気絶縁性の低
下や人体への安全性等の点で問題となる。
【0003】従来より、フッ素系不活性液体を精製する
方法が提案されてきた。例えば、蒸留またはガスクロマ
トグラフィーによって精製する方法、水酸化カリウムペ
レットに代表されるアルカリ金属水酸化物の様な塩基と
接触させることによって部分フッ素化物を分解する方法
(特開昭60-112724号公報)、またジイソブチルアミン
の存在下、等容量の水酸化カリウム水溶液と長時間還流
加熱することによって部分フッ素化物を除去する方法
(特開昭58-225013号公報)、などが示されている。し
かしこれらの方法では、満足し得る程度にまで部分フッ
素化物や、不飽和化合物を除去することが難しく、また
フッ化水素の発生を充分に低下させることができない。
方法が提案されてきた。例えば、蒸留またはガスクロマ
トグラフィーによって精製する方法、水酸化カリウムペ
レットに代表されるアルカリ金属水酸化物の様な塩基と
接触させることによって部分フッ素化物を分解する方法
(特開昭60-112724号公報)、またジイソブチルアミン
の存在下、等容量の水酸化カリウム水溶液と長時間還流
加熱することによって部分フッ素化物を除去する方法
(特開昭58-225013号公報)、などが示されている。し
かしこれらの方法では、満足し得る程度にまで部分フッ
素化物や、不飽和化合物を除去することが難しく、また
フッ化水素の発生を充分に低下させることができない。
【0004】特開昭61-251643号公報では、ナトリウム
メチラートに代表されるアルコラートと、あるいは米国
特許5352785号公報では、水酸化カリウムと例えばメタ
ノールのようなアルコールの混合物と、フッ素系不活性
液体を混合することによって、フッ素系不活性液体に含
まれる部分フッ素化物と不飽和化合物を分解する方法が
示されている。これらの方法では、引火点が低く工業的
な使用において制約をうける低級アルコールを用いなけ
ればならず、また不飽和化合物とアルコールの反応生成
物による新たなフッ素系不活性液体の汚染が生じるとい
った問題点がある。
メチラートに代表されるアルコラートと、あるいは米国
特許5352785号公報では、水酸化カリウムと例えばメタ
ノールのようなアルコールの混合物と、フッ素系不活性
液体を混合することによって、フッ素系不活性液体に含
まれる部分フッ素化物と不飽和化合物を分解する方法が
示されている。これらの方法では、引火点が低く工業的
な使用において制約をうける低級アルコールを用いなけ
ればならず、また不飽和化合物とアルコールの反応生成
物による新たなフッ素系不活性液体の汚染が生じるとい
った問題点がある。
【0005】ドイツ民主共和国特許160718号公報では、
ポリエチレングリコールのアルカリ塩をジエチルエーテ
ルなどの有機溶剤に溶解し、ポリエチレングリコールの
求核反応性を利用して不飽和化合物を分解する方法が示
されている。しかしこの方法では部分フッ素化物の除去
が十分ではなく、またフッ化水素の発生を低下させるこ
とは難しく、さらに有機溶剤によるフッ素系不活性液体
の汚染が生じるといった問題がある。
ポリエチレングリコールのアルカリ塩をジエチルエーテ
ルなどの有機溶剤に溶解し、ポリエチレングリコールの
求核反応性を利用して不飽和化合物を分解する方法が示
されている。しかしこの方法では部分フッ素化物の除去
が十分ではなく、またフッ化水素の発生を低下させるこ
とは難しく、さらに有機溶剤によるフッ素系不活性液体
の汚染が生じるといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのため、フッ素系不
活性液体に含まれる部分フッ素化物や不飽和化合物等の
不純物を新たな汚染を生じることなく分解し、フッ化水
素の発生を充分に低下させることのできる精製方法が望
まれていた。
活性液体に含まれる部分フッ素化物や不飽和化合物等の
不純物を新たな汚染を生じることなく分解し、フッ化水
素の発生を充分に低下させることのできる精製方法が望
まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、部
分フッ素化物や不飽和化合物等の不純物を含まず、さら
に加熱時に発生するフッ化水素の少ないフッ素系不活性
液体を得ることを目標として鋭意研究を続けてきた。
分フッ素化物や不飽和化合物等の不純物を含まず、さら
に加熱時に発生するフッ化水素の少ないフッ素系不活性
液体を得ることを目標として鋭意研究を続けてきた。
【0008】その結果、フッ素系不活性液体をポリエー
テルとアルカリ水溶液の混合物と接触させることによっ
て上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成
させるに至った。
テルとアルカリ水溶液の混合物と接触させることによっ
て上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成
させるに至った。
【0009】すなわち、本発明は、フッ素系不活性液体
をポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させる
ことを特徴とするフッ素系不活性液体の精製方法であ
る。
をポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させる
ことを特徴とするフッ素系不活性液体の精製方法であ
る。
【0010】本発明で精製の対象となるフッ素系不活性
液体は、フッ素原子を有する不活性な液体として公知の
ものであり、ポリエーテルの存在下にアルカリと接触さ
せても実質的に反応性を有しないものを何ら制限無く使
用できる。好ましくは、炭素−水素結合を有する有機化
合物の水素原子が全部フッ素原子によって置換された化
合物、あるいは炭素−水素結合を有する有機化合物が不
飽和結合を含む場合は、フッ素原子による水素原子の置
換と不飽和結合へのフッ素原子の付加によって得られた
化合物を挙げることができる。さらに好適には、常温に
おいて液体であるものが好ましい。
液体は、フッ素原子を有する不活性な液体として公知の
ものであり、ポリエーテルの存在下にアルカリと接触さ
せても実質的に反応性を有しないものを何ら制限無く使
用できる。好ましくは、炭素−水素結合を有する有機化
合物の水素原子が全部フッ素原子によって置換された化
合物、あるいは炭素−水素結合を有する有機化合物が不
飽和結合を含む場合は、フッ素原子による水素原子の置
換と不飽和結合へのフッ素原子の付加によって得られた
化合物を挙げることができる。さらに好適には、常温に
おいて液体であるものが好ましい。
【0011】具体的には、ペルフルオロアルカン類、ペ
ルフルオロエーテル類、ペルフルオロ三級アミン類、ペ
ルフルオロアミノエーテル類等のペルフルオロ化合物を
挙げることができる。特にペルフルオロ三級アミン類と
ペルフルオロアミノエーテル類は本発明による効果が大
きく好ましい。上記物質を例示すると、ペルフルオロア
ルカン類としては、ペルフルオロペンタン、ペルフルオ
ロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオク
タン、ペルフルオロノナン、ペルフルオロメチルシクロ
ヘキサン、ペルフルオロデカリンなど、ペルフルオロエ
ーテル類としては、ペルフルオロジブチルエーテル、ペ
ルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフ
ルオロ(2−プロピルテトラヒドロピラン)など、ペル
フルオロ三級アミン類としては、ペルフルオロトリヘキ
シルアミン、ペルフルオロトリペンチルアミン、ペルフ
ルオロトリブチルアミン、ペルフルオロトリプロピルア
ミン、ペルフルオロ(N,N−ジメチルヘキシルアミ
ン)、ペルフルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキシル
アミン)、ペルフルオロトリエチルアミンなど、ペルフ
ルオロアミノエーテル類としては、ペルフルオロ−N−
メチルモルホリン、ペルフルオロ−N−エチルモルホリ
ン、ペルフルオロ−N−プロピルモルホリン、ペルフル
オロ−N−ブチルモルホリンなどが挙げられる。これら
は単独ではもちろんのこと、2種以上を混合して用いて
も良い。また、予め中和、水洗、蒸留あるいは公知の方
法により精製されたフッ素系不活性液体を用いても良
い。
ルフルオロエーテル類、ペルフルオロ三級アミン類、ペ
ルフルオロアミノエーテル類等のペルフルオロ化合物を
挙げることができる。特にペルフルオロ三級アミン類と
ペルフルオロアミノエーテル類は本発明による効果が大
きく好ましい。上記物質を例示すると、ペルフルオロア
ルカン類としては、ペルフルオロペンタン、ペルフルオ
ロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオク
タン、ペルフルオロノナン、ペルフルオロメチルシクロ
ヘキサン、ペルフルオロデカリンなど、ペルフルオロエ
ーテル類としては、ペルフルオロジブチルエーテル、ペ
ルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフ
ルオロ(2−プロピルテトラヒドロピラン)など、ペル
フルオロ三級アミン類としては、ペルフルオロトリヘキ
シルアミン、ペルフルオロトリペンチルアミン、ペルフ
ルオロトリブチルアミン、ペルフルオロトリプロピルア
ミン、ペルフルオロ(N,N−ジメチルヘキシルアミ
ン)、ペルフルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキシル
アミン)、ペルフルオロトリエチルアミンなど、ペルフ
ルオロアミノエーテル類としては、ペルフルオロ−N−
メチルモルホリン、ペルフルオロ−N−エチルモルホリ
ン、ペルフルオロ−N−プロピルモルホリン、ペルフル
オロ−N−ブチルモルホリンなどが挙げられる。これら
は単独ではもちろんのこと、2種以上を混合して用いて
も良い。また、予め中和、水洗、蒸留あるいは公知の方
法により精製されたフッ素系不活性液体を用いても良
い。
【0012】フッ素系不活性液体の製造方法は、従来公
知の方法が何ら制限なく利用できる。例えば、電解フッ
素化方法、フッ素ガスによる直接フッ素化方法、三フッ
化コバルト等の高原子価金属フッ化物によるフッ素化方
法、水素原子が実質的に全部フッ素原子に置換されたモ
ノマーを重合あるいは共重合させる方法、あるいはこれ
らを適宜組み合わせた方法等が好適に採用される。
知の方法が何ら制限なく利用できる。例えば、電解フッ
素化方法、フッ素ガスによる直接フッ素化方法、三フッ
化コバルト等の高原子価金属フッ化物によるフッ素化方
法、水素原子が実質的に全部フッ素原子に置換されたモ
ノマーを重合あるいは共重合させる方法、あるいはこれ
らを適宜組み合わせた方法等が好適に採用される。
【0013】本発明の特徴は、これらフッ素系不活性液
体をポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させ
る点にある。
体をポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させ
る点にある。
【0014】本発明に用いられるポリエーテルは、主鎖
中に2個以上のエーテル結合を有する有機化合物であ
り、鎖状または環状の有機化合物を用いることができ
る。例えば、鎖状ポリエーテルは一般式 XO(CHZCH2O)nY (X、Y、Zは水素原子またはメチル基、エチル基など
の好適には炭素数1〜4のアルキル基であり、X、Y、
Zは同種または異種でもよく、nは2以上、好適には2
〜250の整数)で表される化合物であり、分子内の水
酸基は特に必要としない。鎖状ポリエーテルとしてはポ
リエチレングリコール類、ポリエチレングリコールエー
テル類、ポリプロピレングリコール類など、また環状ポ
リエーテルとしてはクラウンエーテル類、クリプタンド
類などを用いることができる。代表的なポリエーテルを
例示すると、ポリエチレングリコール類としては、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、平均分子
量180以上のポリエチレングリコールなど、ポリエチ
レングリコールエーテル類としては、平均分子量200
以上のポリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル、平均分子量200以上のポリエ
チレングリコールジメチルエーテル、平均分子量200
以上のポリエチレングリコールジエチルエーテルなど、
ポリプロピレングリコールとしては平均分子量300以
上のポリプロピレングリコールなど、クラウンエーテル
類としては18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラ
ウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6な
ど、クリプタンド類としては4,7,13,16,2
1,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ
[8.8.8]ヘキサコサンなどが挙げられる。なかで
も平均分子量200〜10000のポリエチレングリコ
ール類、ポリエチレングリコールエーテル類は本発明に
よる効果が高く、入手が容易で安価であるためにより好
ましく、さらに平均分子量400〜10000のポリエ
チレングリコール類が好ましい。また、工業的に使用し
た場合の廃水処理を勘案すると、常温において固体とな
り、アルカリ水溶液と濾過によって容易に分離できるた
め、平均分子量1000〜10000のポリエチレング
リコールが好ましい。
中に2個以上のエーテル結合を有する有機化合物であ
り、鎖状または環状の有機化合物を用いることができ
る。例えば、鎖状ポリエーテルは一般式 XO(CHZCH2O)nY (X、Y、Zは水素原子またはメチル基、エチル基など
の好適には炭素数1〜4のアルキル基であり、X、Y、
Zは同種または異種でもよく、nは2以上、好適には2
〜250の整数)で表される化合物であり、分子内の水
酸基は特に必要としない。鎖状ポリエーテルとしてはポ
リエチレングリコール類、ポリエチレングリコールエー
テル類、ポリプロピレングリコール類など、また環状ポ
リエーテルとしてはクラウンエーテル類、クリプタンド
類などを用いることができる。代表的なポリエーテルを
例示すると、ポリエチレングリコール類としては、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、平均分子
量180以上のポリエチレングリコールなど、ポリエチ
レングリコールエーテル類としては、平均分子量200
以上のポリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル、平均分子量200以上のポリエ
チレングリコールジメチルエーテル、平均分子量200
以上のポリエチレングリコールジエチルエーテルなど、
ポリプロピレングリコールとしては平均分子量300以
上のポリプロピレングリコールなど、クラウンエーテル
類としては18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラ
ウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6な
ど、クリプタンド類としては4,7,13,16,2
1,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ
[8.8.8]ヘキサコサンなどが挙げられる。なかで
も平均分子量200〜10000のポリエチレングリコ
ール類、ポリエチレングリコールエーテル類は本発明に
よる効果が高く、入手が容易で安価であるためにより好
ましく、さらに平均分子量400〜10000のポリエ
チレングリコール類が好ましい。また、工業的に使用し
た場合の廃水処理を勘案すると、常温において固体とな
り、アルカリ水溶液と濾過によって容易に分離できるた
め、平均分子量1000〜10000のポリエチレング
リコールが好ましい。
【0015】ポリエーテルは、液体または粉末状の単体
をそのまま用いても良く、2種以上のポリエーテルを混
合して用いても良い。また取扱いを容易にするために、
水溶性のポリエーテルの場合は水溶液として用いても良
い。
をそのまま用いても良く、2種以上のポリエーテルを混
合して用いても良い。また取扱いを容易にするために、
水溶性のポリエーテルの場合は水溶液として用いても良
い。
【0016】ポリエーテルの量、接触温度、接触時間、
アルカリ水溶液の量、あるいはアルカリ水溶液のアルカ
リ濃度は、対象となるフッ素系不活性液体によって異な
るので、あらかじめ予備実験を行なって接触条件を求め
ることが望ましい。一般には、ポリエーテルの量は、フ
ッ素系不活性液体100重量部に対し、0.01〜50
重量部が好ましく、0.1〜20重量部がさらに好まし
い。
アルカリ水溶液の量、あるいはアルカリ水溶液のアルカ
リ濃度は、対象となるフッ素系不活性液体によって異な
るので、あらかじめ予備実験を行なって接触条件を求め
ることが望ましい。一般には、ポリエーテルの量は、フ
ッ素系不活性液体100重量部に対し、0.01〜50
重量部が好ましく、0.1〜20重量部がさらに好まし
い。
【0017】接触温度は、接触時間を短くするうえで高
い温度を選択することが好ましい。通常10〜100℃
が好ましく、40〜95℃がさらに好ましい。接触温度
がフッ素系不活性液体の沸点を越える場合には、加圧下
に接触を行っても良い。
い温度を選択することが好ましい。通常10〜100℃
が好ましく、40〜95℃がさらに好ましい。接触温度
がフッ素系不活性液体の沸点を越える場合には、加圧下
に接触を行っても良い。
【0018】接触時間は、できるだけ長い時間を採用す
ることが好ましいが、通常は1分〜50時間、さらに
0.5〜24時間の範囲から選ぶことが好ましい。
ることが好ましいが、通常は1分〜50時間、さらに
0.5〜24時間の範囲から選ぶことが好ましい。
【0019】アルカリとしては、アルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物などが挙げられる。実用
的には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが好適に用い
られる。
物、アルカリ土類金属水酸化物などが挙げられる。実用
的には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが好適に用い
られる。
【0020】本発明では、アルカリを水溶液として用い
る。アルカリ水溶液とポリエーテルの混合物はフッ素系
不活性液体中の部分フッ素化合物や不飽和化合物等の不
純物の分解を行うとともに、分解によって生成する物質
をフッ素系不活性液体中から取り除く作用を有してい
る。また、フッ素系不活性液体にアルカリ水溶液は溶解
しないため、フッ素系不活性液体が汚染されない。
る。アルカリ水溶液とポリエーテルの混合物はフッ素系
不活性液体中の部分フッ素化合物や不飽和化合物等の不
純物の分解を行うとともに、分解によって生成する物質
をフッ素系不活性液体中から取り除く作用を有してい
る。また、フッ素系不活性液体にアルカリ水溶液は溶解
しないため、フッ素系不活性液体が汚染されない。
【0021】アルカリ水溶液の量は特に制限されない
が、フッ素系不活性液体の重量に対し、通常0.01〜
5倍の範囲に入れば良い。また、アルカリ水溶液は繰り
返し使用しても良い。
が、フッ素系不活性液体の重量に対し、通常0.01〜
5倍の範囲に入れば良い。また、アルカリ水溶液は繰り
返し使用しても良い。
【0022】アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、良好な
精製を実施するためには通常5〜60重量%であること
が好ましい。高い濃度のアルカリ水溶液を用いると、精
製に必要となる時間を短縮できるため、20〜55重量
%の範囲であることがさらに好ましい。
精製を実施するためには通常5〜60重量%であること
が好ましい。高い濃度のアルカリ水溶液を用いると、精
製に必要となる時間を短縮できるため、20〜55重量
%の範囲であることがさらに好ましい。
【0023】フッ素系不活性液体へのポリエーテルとア
ルカリ水溶液の混合物の接触方法は、通常、フッ素系不
活性液体とポリエーテルとアルカリ水溶液が相互に溶解
性をほとんどもたず三相に相分離するため、三者を効率
よく接触させる方法であれば公知の方法を何ら制限なく
用いることができる。各成分の配合順序は、特に制限さ
れるものではなく、ポリエーテルとアルカリ水溶液の混
合物を予め調合し、これにフッ素系不活性液体を接触さ
せる態様だけでなく、三者を一度に混合する等の方法で
実施してもよい。具体的な接触方法としては、例えば、
攪拌槽等において攪拌する方法、ポリエーテルを分散さ
せたアルカリ水溶液中にフッ素系不活性液体の液滴を分
散させる方法、ポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物
を循環させ、循環液中にフッ素系不活性液体を導入し混
合する方法等が好適に用いられる。接触はバッチ的に行
っても良く、連続的に行っても良い。
ルカリ水溶液の混合物の接触方法は、通常、フッ素系不
活性液体とポリエーテルとアルカリ水溶液が相互に溶解
性をほとんどもたず三相に相分離するため、三者を効率
よく接触させる方法であれば公知の方法を何ら制限なく
用いることができる。各成分の配合順序は、特に制限さ
れるものではなく、ポリエーテルとアルカリ水溶液の混
合物を予め調合し、これにフッ素系不活性液体を接触さ
せる態様だけでなく、三者を一度に混合する等の方法で
実施してもよい。具体的な接触方法としては、例えば、
攪拌槽等において攪拌する方法、ポリエーテルを分散さ
せたアルカリ水溶液中にフッ素系不活性液体の液滴を分
散させる方法、ポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物
を循環させ、循環液中にフッ素系不活性液体を導入し混
合する方法等が好適に用いられる。接触はバッチ的に行
っても良く、連続的に行っても良い。
【0024】フッ素系不活性液体をポリエーテルとアル
カリ水溶液の混合物と接触させた後に、フッ素系不活性
液体とアルカリ水溶液とを分離する必要がある。通常、
水およびポリエーテルはフッ素系不活性液体に不溶であ
り、またフッ素系不活性液体は水より比重が大きいた
め、静置することによりフッ素系不活性液体を容易に分
離することができる。分離したフッ素系不活性液体に
は、極くわずかにポリエーテルおよびアルカリ水溶液が
分散している場合があるため、必要に応じて水洗による
洗浄操作、蒸留操作やシリカゲル、アルミナ、ゼオライ
ト、シリカアルミナゲル等の脱水剤を用いた脱水操作を
行ってもよい。
カリ水溶液の混合物と接触させた後に、フッ素系不活性
液体とアルカリ水溶液とを分離する必要がある。通常、
水およびポリエーテルはフッ素系不活性液体に不溶であ
り、またフッ素系不活性液体は水より比重が大きいた
め、静置することによりフッ素系不活性液体を容易に分
離することができる。分離したフッ素系不活性液体に
は、極くわずかにポリエーテルおよびアルカリ水溶液が
分散している場合があるため、必要に応じて水洗による
洗浄操作、蒸留操作やシリカゲル、アルミナ、ゼオライ
ト、シリカアルミナゲル等の脱水剤を用いた脱水操作を
行ってもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素系不活性液体を
ポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させるこ
とによって、フッ素系不活性液体に含まれる部分フッ素
化物および不飽和化合物等の不純物を分解することがで
き、フッ素系不活性液体の加熱使用時にフッ化水素の発
生の極めて少ないフッ素系不活性液体を得ることができ
る。
ポリエーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させるこ
とによって、フッ素系不活性液体に含まれる部分フッ素
化物および不飽和化合物等の不純物を分解することがで
き、フッ素系不活性液体の加熱使用時にフッ化水素の発
生の極めて少ないフッ素系不活性液体を得ることができ
る。
【0026】その理由は明確ではないが、おそらくアル
カリ水溶液中の水酸化物イオンがポリエーテルによって
活性化され、フッ素系不活性液体中の部分フッ素化物や
不飽和化合物等の不純物と反応するものと考えている。
ポリエーテルがフッ素系不活性液体に不溶であるにもか
かわらず、相間移動触媒のような水酸化物イオンの活性
効果がみられることは驚くべきことである。
カリ水溶液中の水酸化物イオンがポリエーテルによって
活性化され、フッ素系不活性液体中の部分フッ素化物や
不飽和化合物等の不純物と反応するものと考えている。
ポリエーテルがフッ素系不活性液体に不溶であるにもか
かわらず、相間移動触媒のような水酸化物イオンの活性
効果がみられることは驚くべきことである。
【0027】本発明によって精製されたフッ素系不活性
液体は、電気絶縁用液体、電子部品用液体、信頼性試験
用液体、蒸気相はんだ付け用液体等として、不活性、安
定性、信頼性が特に要求される用途に好適に使用でき
る。
液体は、電気絶縁用液体、電子部品用液体、信頼性試験
用液体、蒸気相はんだ付け用液体等として、不活性、安
定性、信頼性が特に要求される用途に好適に使用でき
る。
【0028】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0029】なお、以下、フッ素系不活性液体をILと
略す。
略す。
【0030】実施例1 無水フッ化水素酸とトリブチルアミンを原料とし、後者
の濃度を10重量%として、ニッケル製電解槽(電極面
積15dm2、電流30A、容量6L)を用いて電解フッ
素化を行った。無水フッ化水素酸とトリブチルアミンを
連続的に供給しながら、生成するフッ素化物を電解槽の
下部より間欠的に抜きだした。生成したフッ素化物を室
温下で5重量%の水酸化ナトリウム水溶液と接触させて
フッ化水素を中和した。さらに減圧蒸留を行い、ILと
してペルフルオロトリブチルアミンを得た。ガスクロマ
トグラフィーによる分析の結果、得られたペルフルオロ
トリブチルアミンには2.4%の部分フッ素化物が含ま
れており、炭素−炭素二重結合を有する不飽和化合物は
検出されなかった。
の濃度を10重量%として、ニッケル製電解槽(電極面
積15dm2、電流30A、容量6L)を用いて電解フッ
素化を行った。無水フッ化水素酸とトリブチルアミンを
連続的に供給しながら、生成するフッ素化物を電解槽の
下部より間欠的に抜きだした。生成したフッ素化物を室
温下で5重量%の水酸化ナトリウム水溶液と接触させて
フッ化水素を中和した。さらに減圧蒸留を行い、ILと
してペルフルオロトリブチルアミンを得た。ガスクロマ
トグラフィーによる分析の結果、得られたペルフルオロ
トリブチルアミンには2.4%の部分フッ素化物が含ま
れており、炭素−炭素二重結合を有する不飽和化合物は
検出されなかった。
【0031】次に還流冷却器と攪拌器を有するガラス製
反応器を用い、ペルフルオロトリブチルアミンと平均分
子量400のポリエチレングリコール及び30重量%N
aOH水溶液とを、表1に示す条件下で攪拌速度600
rpmで攪拌し、ペルフルオロトリブチルアミンをポリ
エーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させた。ペル
フルオロトリブチルアミン、ポリエチレングリコール及
びアルカリ水溶液の混合物を、分液ロートに移し、アル
カリ水溶液、ポリエチレングリコール、ペルフルオロト
リブチルアミンの3層のなかで最下層のペルフルオロト
リブチルアミンを抜き出した。得られたペルフルオロト
リブチルアミンをシリカアルミナゲルによって乾燥し、
精製したペルフルオロトリブチルアミンを得た。ペルフ
ルオロトリブチルアミンに残存する部分フッ素化物と不
飽和化合物の量を、それぞれガスクロマトグラフィーと
赤外線吸収スペクトルによって求め、結果を表1に示し
た。
反応器を用い、ペルフルオロトリブチルアミンと平均分
子量400のポリエチレングリコール及び30重量%N
aOH水溶液とを、表1に示す条件下で攪拌速度600
rpmで攪拌し、ペルフルオロトリブチルアミンをポリ
エーテルとアルカリ水溶液の混合物と接触させた。ペル
フルオロトリブチルアミン、ポリエチレングリコール及
びアルカリ水溶液の混合物を、分液ロートに移し、アル
カリ水溶液、ポリエチレングリコール、ペルフルオロト
リブチルアミンの3層のなかで最下層のペルフルオロト
リブチルアミンを抜き出した。得られたペルフルオロト
リブチルアミンをシリカアルミナゲルによって乾燥し、
精製したペルフルオロトリブチルアミンを得た。ペルフ
ルオロトリブチルアミンに残存する部分フッ素化物と不
飽和化合物の量を、それぞれガスクロマトグラフィーと
赤外線吸収スペクトルによって求め、結果を表1に示し
た。
【0032】精製したペルフルオロトリブチルアミン1
00gを還流器を上部に配した200mlの三口フラスコ
に入れて液を加熱し、4日間大気圧下で沸騰させた。液
温度は177℃であった。この間、80ml/min流量の窒
素ガスを4日間にわたり液に吹き込み、発生するフッ化
水素を100mlの0.01mol/l水酸化カリウム水溶液
に吸収させた。この水酸化カリウム水溶液に含まれるフ
ッ化物イオン濃度をイオンクロマトアナライザー(横河
北辰電機製、モデルIC100)で測定することにより
フッ化水素発生量を求め、IL単位重量当りのフッ化水
素発生量を求めた。結果を表1に併せて記した。なお、
この4日間沸騰中に発生するフッ化水素発生量をHF発
生量とした。
00gを還流器を上部に配した200mlの三口フラスコ
に入れて液を加熱し、4日間大気圧下で沸騰させた。液
温度は177℃であった。この間、80ml/min流量の窒
素ガスを4日間にわたり液に吹き込み、発生するフッ化
水素を100mlの0.01mol/l水酸化カリウム水溶液
に吸収させた。この水酸化カリウム水溶液に含まれるフ
ッ化物イオン濃度をイオンクロマトアナライザー(横河
北辰電機製、モデルIC100)で測定することにより
フッ化水素発生量を求め、IL単位重量当りのフッ化水
素発生量を求めた。結果を表1に併せて記した。なお、
この4日間沸騰中に発生するフッ化水素発生量をHF発
生量とした。
【0033】表1には比較例として、ペルフルオロトリ
ブチルアミンに平均分子量400のポリエチレングリコ
ールのみを接触させた場合(比較例No.1)、30重量%
の水酸化ナトリウム水溶液のみを接触させた場合(比較
例No.2)、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに水酸化ナ
トリウムペレットを用いた場合(比較例No.3)、ポリエ
ーテルの代わりにIL100重量部に対して2重量部の
エチレングリコールを用いた場合(比較例No.4)、ポリ
エーテルの代わりにIL100重量部に対して2重量部
のジイソブチルアミンを用いた場合(比較例No.5)、ポ
リエーテルの代わりにIL100重量部に対して2重量
部のメタノールを用いた場合(比較例No.6)、IL10
0重量部に対して5重量部のポリエチレングリコールメ
チルエーテル(平均分子量350)のナトリウム塩を含
むエーテル溶液と接触させた場合(比較例No.7)、及び
精製前のペルフルオロトリブチルアミン(比較例No.8)
における分析結果も併せて示した。比較例のNo.2、
3、4、および5では、精製前のペルフルオロトリブチ
ルアミンには含まれていなかった、炭素−炭素2重結合
を有する不飽和化合物が検出された。不飽和化合物はア
ルカリによって部分フッ素化物の一部が脱HF反応をお
こし、生成したものと推定された。
ブチルアミンに平均分子量400のポリエチレングリコ
ールのみを接触させた場合(比較例No.1)、30重量%
の水酸化ナトリウム水溶液のみを接触させた場合(比較
例No.2)、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに水酸化ナ
トリウムペレットを用いた場合(比較例No.3)、ポリエ
ーテルの代わりにIL100重量部に対して2重量部の
エチレングリコールを用いた場合(比較例No.4)、ポリ
エーテルの代わりにIL100重量部に対して2重量部
のジイソブチルアミンを用いた場合(比較例No.5)、ポ
リエーテルの代わりにIL100重量部に対して2重量
部のメタノールを用いた場合(比較例No.6)、IL10
0重量部に対して5重量部のポリエチレングリコールメ
チルエーテル(平均分子量350)のナトリウム塩を含
むエーテル溶液と接触させた場合(比較例No.7)、及び
精製前のペルフルオロトリブチルアミン(比較例No.8)
における分析結果も併せて示した。比較例のNo.2、
3、4、および5では、精製前のペルフルオロトリブチ
ルアミンには含まれていなかった、炭素−炭素2重結合
を有する不飽和化合物が検出された。不飽和化合物はア
ルカリによって部分フッ素化物の一部が脱HF反応をお
こし、生成したものと推定された。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 ILとして、ペルフルオロトリペンチルアミン、ペルフ
ルオロトリエチルアミン、ペルフルオロ−N−メチルモ
ルホリン、ペルフルオロ−N−プロピルモルホリン、ペ
ルフルオロヘキサン、ペルフルオロデカリン、ペルフル
オロジブチルエーテル、ペルフルオロ(2−ブチルテト
ラヒドロフラン)を用いた。各々のILに、IL100
重量部に対して1重量部のポリエチレングリコール(平
均分子量400)と50重量部のNaOH水溶液(濃度
30重量%)とを、攪拌速度600rpmで攪拌しなが
ら17時間にわたり50℃にて接触させた。接触させた
のち分液し、HF発生量を求めた。結果を表2に示し
た。いずれのILからも部分フッ素化物および不飽和化
合物は、ガスクロマトグラフィーと赤外線吸収スペクト
ルによって検出されなかった。表2には上記したポリエ
チレングリコールとアルカリ水溶液とに接触させる前の
ILを用いてフッ化水素発生量を求めた結果も、精製前
HF発生量として併記した。
ルオロトリエチルアミン、ペルフルオロ−N−メチルモ
ルホリン、ペルフルオロ−N−プロピルモルホリン、ペ
ルフルオロヘキサン、ペルフルオロデカリン、ペルフル
オロジブチルエーテル、ペルフルオロ(2−ブチルテト
ラヒドロフラン)を用いた。各々のILに、IL100
重量部に対して1重量部のポリエチレングリコール(平
均分子量400)と50重量部のNaOH水溶液(濃度
30重量%)とを、攪拌速度600rpmで攪拌しなが
ら17時間にわたり50℃にて接触させた。接触させた
のち分液し、HF発生量を求めた。結果を表2に示し
た。いずれのILからも部分フッ素化物および不飽和化
合物は、ガスクロマトグラフィーと赤外線吸収スペクト
ルによって検出されなかった。表2には上記したポリエ
チレングリコールとアルカリ水溶液とに接触させる前の
ILを用いてフッ化水素発生量を求めた結果も、精製前
HF発生量として併記した。
【0036】
【表2】
【0037】実施例3 ILとしてペルフルオロトリブチルアミン、及び表3に
示すポリエーテルと各種のアルカリ水溶液とを用いた。
温度80℃、接触時間16時間の条件下で、IL100
重量部に対して2重量部のポリエーテルと30重量部の
アルカリ水溶液を、攪拌速度600rpmで攪拌しなが
らILに同時に接触させた。接触したのち分液し、HF
発生量を求めた。結果を表3に示した。
示すポリエーテルと各種のアルカリ水溶液とを用いた。
温度80℃、接触時間16時間の条件下で、IL100
重量部に対して2重量部のポリエーテルと30重量部の
アルカリ水溶液を、攪拌速度600rpmで攪拌しなが
らILに同時に接触させた。接触したのち分液し、HF
発生量を求めた。結果を表3に示した。
【0038】
【表3】
【0039】実施例4 ILとしてペルフルオロトリブチルアミンを用い、IL
100重量部に対して2重量部のポリエチレングリコー
ルと30重量部のNaOH水溶液(濃度30重量%)と
を、温度90℃、接触時間16時間の条件下で攪拌速度
600rpmで攪拌しながら接触させた。接触ののち分
液し、精製したペルフルオロトリブチルアミンを得た。
100重量部に対して2重量部のポリエチレングリコー
ルと30重量部のNaOH水溶液(濃度30重量%)と
を、温度90℃、接触時間16時間の条件下で攪拌速度
600rpmで攪拌しながら接触させた。接触ののち分
液し、精製したペルフルオロトリブチルアミンを得た。
【0040】精製したペルフルオロトリブチルアミン
を、還流器を上部に配したナス型フラスコにいれて10
日間にわたって液を100℃に加熱した。
を、還流器を上部に配したナス型フラスコにいれて10
日間にわたって液を100℃に加熱した。
【0041】10日間加熱した前後における精製したペ
ルフルオロトリブチルアミンの体積抵抗率と絶縁破壊電
圧を、それぞれの測定温度を25℃とした以外はJIS
C2101に準拠して測定した。測定する前にシリカ
ゲルによる脱水操作と0.2μmのメンブランフィルタ
ーを用いたろ過操作を行った。体積抵抗率と絶縁破壊電
圧は、沸騰させる前はそれぞれ5.6×1015Ω cm、57kVの
値であり、100℃で10日間加熱した後はそれぞれ5.
3×1015Ω cm、56kVの値であった。
ルフルオロトリブチルアミンの体積抵抗率と絶縁破壊電
圧を、それぞれの測定温度を25℃とした以外はJIS
C2101に準拠して測定した。測定する前にシリカ
ゲルによる脱水操作と0.2μmのメンブランフィルタ
ーを用いたろ過操作を行った。体積抵抗率と絶縁破壊電
圧は、沸騰させる前はそれぞれ5.6×1015Ω cm、57kVの
値であり、100℃で10日間加熱した後はそれぞれ5.
3×1015Ω cm、56kVの値であった。
【0042】一方、比較例として、精製前のペルフルオ
ロトリブチルアミンをそのまま上記と同様に10日間に
わたって100℃に加熱し、加熱前後におけるペルフル
オロトリブチルアミンの体積抵抗率と絶縁破壊電圧を上
記と同様にして測定した。その結果、体積抵抗率と絶縁
破壊電圧は、加熱前はそれぞれ4.7×1015Ω cm、55kVの
値であり、10日間加熱後はそれぞれ2.3×1013Ω cm、
35kVの値であった。
ロトリブチルアミンをそのまま上記と同様に10日間に
わたって100℃に加熱し、加熱前後におけるペルフル
オロトリブチルアミンの体積抵抗率と絶縁破壊電圧を上
記と同様にして測定した。その結果、体積抵抗率と絶縁
破壊電圧は、加熱前はそれぞれ4.7×1015Ω cm、55kVの
値であり、10日間加熱後はそれぞれ2.3×1013Ω cm、
35kVの値であった。
【手続補正書】
【提出日】平成8年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明では、アルカリを水溶液として用い
る。アルカリ水溶液とポリエーテルの混合物はフッ素系
不活性液体中の部分フッ素化物や不飽和化合物等の不純
物の分解を行うとともに、分解によって生成する物質を
フッ素系不活性液体中から取り除く作用を有している。
また、フッ素系不活性液体にアルカリ水溶液は溶解しな
いため、フッ素系不活性液体が汚染されない。
る。アルカリ水溶液とポリエーテルの混合物はフッ素系
不活性液体中の部分フッ素化物や不飽和化合物等の不純
物の分解を行うとともに、分解によって生成する物質を
フッ素系不活性液体中から取り除く作用を有している。
また、フッ素系不活性液体にアルカリ水溶液は溶解しな
いため、フッ素系不活性液体が汚染されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 41/38 C07C 41/38 43/12 43/12 209/84 209/84 211/15 211/15
Claims (1)
- 【請求項1】フッ素系不活性液体をポリエーテルとアル
カリ水溶液の混合物と接触させることを特徴とするフッ
素系不活性液体の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25796896A JPH10101595A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | フッ素系不活性液体の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25796896A JPH10101595A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | フッ素系不活性液体の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10101595A true JPH10101595A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17313723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25796896A Pending JPH10101595A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | フッ素系不活性液体の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10101595A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019123834A1 (ja) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | セントラル硝子株式会社 | ジフルオロメチル-1,2,2,2-テトラフルオロエチルエーテルの精製方法および製造方法 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP25796896A patent/JPH10101595A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019123834A1 (ja) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | セントラル硝子株式会社 | ジフルオロメチル-1,2,2,2-テトラフルオロエチルエーテルの精製方法および製造方法 |
JP2019112339A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | セントラル硝子株式会社 | ジフルオロメチル−1,2,2,2−テトラフルオロエチルエーテルの精製方法および製造方法 |
US10899692B2 (en) | 2017-12-22 | 2021-01-26 | Central Glass Company, Limited | Purification method and production method of difluoromethyl-1, 2, 2, 2-tetrafluoroethyl ether |
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