JP2006522646A - ニードルとカテーテルとからなる安全なアセンブリ - Google Patents

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Abstract

本発明は、カテーテルと導入ニードルとからなるアセンブリに関するものであって、導入ニードル(38)は、ニードルハブ(40)に対して取り付けられているとともに、基端部(39)と先端部(41)とを有しており、さらに、基端部と先端部との間に、屈曲部(44)を有している。アセンブリは、さらに、基端部(31)と先端部(29)とを有したチューブ状カテーテル(28)を具備している。ニードルは、カテーテルの内部に同軸的に受領される。アセンブリは、中空カテーテルハブ(30)を具備しており、カテーテルハブの先端部は、カテーテルの基端部に対して取り付けられている。カテーテルハブは、カテーテルに対して流体連通可能とされている。アセンブリは、ニードル尖端プロテクター(26)を具備している。このプロテクターは、ニードルがカテーテルから基端向きに取り外された際にニードル尖端をカバーする。

Description

本発明は、一般的には、静脈内(IV)カテーテルに関するものであり、より詳細には、ニードルの引き抜き時にニードル尖端を自動的にカバーするニードル尖端プロテクターを備えたような、安全なIVカテーテルに関するものである。
静脈内(IV)カテーテルは、患者の血液流内へと直接的に、例えば生理的食塩水といったようなある種の流体を導入するために使用される器具である。典型的には、ニードルあるいは他のスタイレットが、まず最初に、カテーテルの套管部分を通して、例えば患者の手の裏側すなわち腕の内部の血管といったような所望位置において患者の皮膚内へと、導入される。挿入が完了した後に、ニードルを、カテーテルの套管部分から取り外す。ニードルを取り外した後に、例えばシリンジといったような流体取扱いデバイスを、カテーテルハブの基端部に配置されたルアー連結部材に対して取り付ける。これにより、流体は、患者の血液流内へと、流体取扱いデバイスからカテーテルを通して、直接的に流れることとなる。
ニードルが套管から取り外す際には、医療従事者は、ニードルの取り外しを実行するのに必要な操作を同時に行いながら、近傍位置に、露出したニードル尖端を位置させなければならない。露出したニードル尖端がニードルの偶発的な突刺という危険を生むのは、正にこの瞬間である。この時、医療従事者は、例えばヒト免疫ウィルス(HIV)や肝炎といったような様々な危険な血液由来の疾病に対して、曝される傾向がある。
汚染されたニードルによる突刺というリスクは、静脈内カテーテルを挿入する医療従事者にとっては、回避し得ないものである。使用済みニードルの不注意な廃棄処分は、他の医療従事者に対しても、危険を引き起こし得る。医療従事業者以外の業者にとっても、例えば清掃業者や医療廃棄物の最終処分業者にとっても、不注意に廃棄されたニードルに由来するニードルの偶発的な突刺というリスクが存在する。
医療従事者にとってのまた医療従事業者以外の業者にとっての、ニードルの偶発的な突刺という危険性のために、安全機構を備えたカテーテルが開発された。このようなカテーテルにおいては、ニードルによるそのような偶発的な突刺が防止される。安全機構を備えたカテーテルの一例は、Lemieux 氏に対して付与された米国特許第RE34,416号明細書に開示されている。安全機構付きカテーテルは、カテーテルからのニードルの取外し時にニードル尖端をカバーする部材を備えるものとして、開示されている。安全部材は、その基端部のところに、スプリットフランジを備えている。スプリットフランジは、ニードルがこのスプリットフランジの中心のところに位置した一回り小さなサイズの穴内へと挿入されたときには、ニードルによって拡張される。これにより、安全部材は、一回り小さなサイズの穴を通して挿入することによってスプリットフランジの外周縁がカテーテルハブの内壁に対して押圧されることにより、カテーテルハブ内に安全に保持される。この構成に関する1つの欠点は、スプリットフランジによってニードルに対してもたらされる摩擦力の大きさである。カテーテル壁に対するフランジのきつい係合は、ニードルに対する大きな摩擦を引き起こす。このため、外科医は、ニードルをカテーテルから引き抜くことが困難である。係合度合いが緩ければ、ニードルを引き抜くに際して、ニードルがカテーテルから時期尚早に抜け出てしまう傾向がある。これにより、ニードル尖端が露出される可能性がある。
安全機構付きのカテーテルの他の例は、Woehr 氏他に対して付与された米国特許第6,117,108号明細書に開示されている。安全なIVカテーテルは、カテーテルハブからのニードルの引き抜き時にニードル尖端を保護する弾性的ニードルガードを備えているものとして、開示されている。ニードルガードは、開口を有したアームを備えている。開口を通してニードルを挿通させることにより、アームが軸方向に移動する。この軸方向移動は、グルーブ内へとあるいはカテーテルハブの内部に配置されたリブの背後に、アームを位置させ、これにより、カテーテルハブ内にニードルガードを捕捉する。この構成に関する潜在的な問題点は、ニードルガードがカテーテルハブ内において適切に着座しない場合に、顕在化する。ニードルガードアームの先端部が、カテーテルハブ内のグルーブに対して位置合わせされていない場合には、ニードルに対して過度の力が印加され、これにより、外科医がニードルを引き抜く際に、大きな引きずり力を引き起こす。そして、ニードルガードアームがグルーブ内に適切に着座していないことのために、ニードルの引き抜き時には、ニードルがカテーテルハブから時期尚早に解放されてしまい、ニードル尖端を露出させてしまう。
すべての従来技術による安全カテーテルは、1つ以上の欠点を有するものであって、医療従事者にとって容認しがたくかつ有用性に制限を有したものである。したがって、要望されている安全IVカテーテルは、信頼性高く機能し得るものであるとともに、容易に製造し得るものであり、さらに、安価に製造し得るものであり、さらに、容易に使用し得るものである。
米国特許第RE34,416号明細書 米国特許第6,117,108号明細書
本発明によれば、カテーテル導入アセンブリが提供される。このカテーテル導入アセンブリは、ニードルとニードルハブとを備えてなるニードルアセンブリを具備しており、ニードルは、ニードルハブに対して取り付けられた基端部と、先端側に位置した先端部と、を有している。ニードルは、基端部と先端部との間に配置された屈曲部を有している。カテーテル導入アセンブリは、さらに、チューブ状カテーテルとカテーテルハブとを備えてなるカテーテルアセンブリを具備しており、チューブ状カテーテルが、カテーテルハブに対して取り付けられた基端部を有している。ニードルは、カテーテルの内部に同軸的に受領される。カテーテル導入アセンブリは、さらに、カテーテルハブの内部に配置されたニードル尖端プロテクターを具備している。ニードル尖端プロテクターは、ニードル上においてスライド可能に配置されている。これにより、ニードルがカテーテルから基端向きに取り外された際には、ニードル尖端プロテクターは、ニードルを保持することができる。
本発明の新規な特徴点は、特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明や、本発明の構成や、使用方法や、本発明の目的や、本発明の利点は、添付図面を参照しつつ、以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
本明細書においては、『基端部』という用語は、ニードル尖端プロテクターを備えたカテーテルおよびニードルアセンブリ上における位置に関して、デバイスを使用している外科医に最も近いような位置を意味している。したがって、デバイスの使用対象をなす患者から見た場合には、最も遠い位置を意味している。それとは逆に、『先端部』という用語は、外科医から最も遠くかつ患者から最も近い位置を意味している。
図1および図2に示すように、IVカテーテルアセンブリ20は、カテーテルアセンブリ22と、ニードルアセンブリ24と、を備えている。ニードルアセンブリ24は、さらに、ニードル尖端プロテクター26を備えている。カテーテルアセンブリ22は、カテーテル28を備えており、カテーテル28は、チューブ状構造をなすものであって、基端部31および先端部29を有している。カテーテル28の基端部31は、カテーテルハブ30に対して固定的に取り付けられている。カテーテルは、医療の分野においては周知なものであり、カテーテル28の材質としては、多くの適切な材料が選択され、材料の大部分は、フレキシブルな加熱可塑性物質である。そのような材料は、例えば、ポリウレタンや、あるいは、フッ素化されたエチレンプロピレン、を備えることができる。カテーテルハブ30は、全体的にチューブ状の構造体であって、カテーテル28の内部管腔に対して流体連通した内部キャビティを有している。カテーテルハブ30は、例えばポリプロピレンやポリカーボネートといったような、適切なかつ剛直なかつ医療グレードの熱可塑性材料から形成することができる。例示の目的のために、カテーテルハブ30は、半透明なものとして示されている。しかしながら、実際の使用に際しては、カテーテルハブ30は、半透明なものとも、また、不透明なものとも、することができる。カテーテルハブ30の基端部には、医療分野においては周知であるようなルアー連結部材32が一体的に取り付けられている。ルアー連結部材32は、チューブや、シリンジや、あるいは、カテーテルアセンブリを通しての流体の注入や吸引のために使用される他の任意の多くの医療デバイスに対しての、確実なかつ密封的な取付をもたらす。図5および図6においてより明瞭に示されるように、リブ34は、カテーテルハブ30の内部側壁36から一体的に内向き突出した隆起環状リングである。リブ34は、側壁36において、基端部と先端部との間のほぼ中央に配置されている。リブ34は、詳細に後述するように、カテーテルハブ30内にニードル尖端プロテクター26を固定するに際して、重要な役割を果たす。
図1および図2を再び参照すると、ニードルアセンブリ24は、ニードル38を備えている。ニードル38は、チューブ状の構造体であって、基端部39および先端部41を有している。ニードルアセンブリ24は、さらに、ニードルハブ40と、ニードル尖端プロテクター26と、を備えている。ニードル尖端プロテクター26は、ニードル38上にわたってスライド可能であるようにして、組み立てられる。ニードル38は、好ましくは、ステンレススチールから形成されている。ニードル38の基端部39は、ニードルハブ40に対して固定的に取り付けられている。傾斜部42が、ニードル38の最先端に配置されていて、尖鋭な穿孔尖端を形成している。ニードル屈曲部44が、傾斜部42よりも基端側において、ニードル38の先端部に配置されている。ニードル屈曲部44は、ニードル38に屈曲をもたらしている。ニードル屈曲部44は、例えば『ロータリードローベンディング』手法といったような曲げ手法によって、形成することができる。ロータリードローベンディング手法は、金属の曲げの分野においては周知の手法であって、この手法においては、ニードル38の公称直径に適合し得るよう成型されたクランプダイと曲げダイとを使用することで、圧力ダイに対して押圧しつつ、ニードル38を回転させることができる。操作時には、ニードル38内にマンドレルが挿入され、これにより、ニードル38の外径に沿って発生するような拡径を最小化することができる。これと同時に、ワイパーダイが、ニードル38の内径に沿っての皺形成を低減させることができる。ニードル屈曲部44は、ニードル尖端プロテクター26の第2フランジ穴72から遠ざかるような角度で形成され、このことは、詳細に後述するように、ニードル38からのニードル尖端プロテクター26の完全な脱離を防止することにおいて重要である。好ましい実施形態においては、屈曲部44は、第2フランジ穴72から遠ざかるように、45〜90°という角度をなしている。
ニードルハブ40は、全体的にチューブ状構造とされていて、ニードル38の管腔に対して流体連通した内部キャビティを有している。ニードルハブ40は、好ましくは、例えばポリカーボネートといったような、半透明または透明の、全体的に剛直な熱可塑性材料から形成される。ニードルハブ40の内部キャビティの最も基端部には、多孔性プラグ46が固定的に取り付けられている。フラッシュバックチャンバ48が、多孔性プラグ46の先端側において、キャビティ内に形成されている。多孔性プラグ46は、複数の微視的開口を備えている。これら微視的開口は、空気および他のガスを通過させ得る程度に十分に大きいものであり、かつ、血液を通過させ得ない程度に十分に小さいものである。フラッシュバックチャンバ48は、ターゲットとされた静脈内へとニードル尖端が成功裡に挿入された際には、外科医に対して、ニードルが正確に配置されたことを視覚的に確認させる。
さて、図3および図4に示すように、ニードル尖端プロテクター26は、基端部49および先端部50を有しているとともに、好ましくは、好ましくはステンレススチール製といったように薄くかつ弾性的な材料から一体部材として形成された単一構造である。第1フランジ66と第2フランジ68とは、全体的に正方形であるとともに、それぞれ、第1外壁74および第2外壁76に対して直角に一体的に連結されている。第1外壁74は、第1タブフランジ78に対して直角に連結されている。第1タブフランジ78および第2タブフランジ80の各々は、第2外壁76に対しては、90°よりもわずかに大きな角度で形成されている。これにより、結果的に得られる寸法cは、カテーテルハブ30内においてリブ34間にわたっての内径d(図5〜図7参照)よりもわずかに大きい。好ましい実施形態においては、角度a,bの各々は、およそ94.25°である。好ましい実施形態においては、寸法cは、寸法dと比較して、およそ0.127mm〜0.229mm(およそ0.005〜0.009インチ)だけ大きい。第1フランジ穴70は、第1フランジ66の中央に配置されており、ニードル38をスライド可能に受領し得るよう、少し大きめのサイズとされている。第2フランジ穴72およびスカート82は、第2フランジ68の中央に配置されている。スカート82は、第2フランジ穴72に対して一体化されており、第2フランジ68の先端方向へと第2フランジ穴72から材料を突出させることによって、形成されている。これにより、スカート82は、ニードル38の公称直径上にわたって、非常に緊密にかつスライド可能に適合することができる。スカート82は、さらに、ニードル尖端プロテクター26の中心軸に対してのニードル38の位置合わせを維持することを補助し得るように、当業者であれば理解されるように、フランジ穴72は、それが受領することを意図して特定のニードル『ゲージ』サイズに対して適切なサイズとされている。第1タブ86および第2タブ88は、それぞれ、第1タブフランジ78および第2タブフランジ80に対して直角に連結されており、ニードル尖端プロテクター26の中心軸から遠ざかるよう外向きに突出している。第1タブエッジ90は、第1タブ86の外側部分に位置しており、第2タブエッジ92は、第2タブ88の外側部分に位置してい
る。これら第1タブエッジ90および第2タブエッジ92の各々は、共にアーチ形状とされており、カテーテルハブ30の側壁36の湾曲度合いとほぼ適合することができる。
図3を再び参照すれば、第1梁96は、第1外壁74から先端側へと延出されており、ニードル尖端プロテクター26の中心軸を横断するようにして、傾斜している。この第1梁96の先端部には、湾曲した第1リップ98が一体的に形成されている。第1リップ98は、ニードル尖端プロテクター26の中心軸を横断して延在している。第2梁100は、第2外壁76から先端側へと延出されており、ニードル尖端プロテクター26の中心軸を横断するようにして、傾斜している。この第2梁100の先端部には、係止フランジ102が一体的に形成されている。係止フランジ102は、ニードル尖端プロテクター26の中心軸を横断して、なおかつ、ニードル尖端プロテクター26の中心軸に対して直交して、延在している。係止フランジ102の先端部のところには、第2梁100に対する連結箇所とは反対側のところに、湾曲した第2リップ104が、一体的に形成されている。
さて、図5〜図9に示すように、ニードル尖端プロテクター26は、以下のようにして、ニードル38に対して組み立てられる。
ニードル38の基端部は、ニードルハブ40の先端部に対して固定的に取り付けられる。ニードルハブ40は、基端部へ固定された多孔性プラグ46を備えている。
ニードル38の先端部は、ニードル尖端プロテクター26の第1フランジ穴70を通してさらにその後第2フランジ穴72を通して挿入され、基端側から先端側へと移動する。
第1梁96および第2梁100は、それらの弾性に基づいて、ニードル尖端プロテクター26の中心軸に関して、撓む。これにより、ニードル38は、第1リップ98と第2リップ104との間を通過する(図8参照)。
ニードル屈曲部44は、傾斜部42の基端側において、ニードル38の先端部に対して追加される。屈曲部44は、局所的には、第2フランジ穴72から遠ざかるような角度を有している(図9参照)。これにより、ニードル38の先端部からのニードル尖端プロテクター26の完全な脱離が防止される。
さて、ニードル尖端プロテクター26を含むニードルアセンブリ24は、カテーテルアセンブリ22に対して、以下のようにして、組み立てられる。
ニードル38の先端部は、カテーテルハブ30の基端部内に配置され、ニードルアセンブリ24は、先端向きに移動される。これにより、ニードル38を、カテーテル28内へと導入する。
ニードルアセンブリ24を先端向きに移動させ続けたときには、ニードル尖端プロテクター26が、カテーテルハブ30の基端部の開口内へと導入される。
ニードルアセンブリ24をさらに先端向きに移動させ続けると、ニードルハブ40の先端エッジが、ニードル尖端プロテクター26上の第1タブ86および第2タブ88を押し込み、ハブ側壁36上に配置されたリブ34に対して接触させる。
先端向きの移動を継続すると、第1タブ86および第2タブ88が、ニードル尖端プロテクター26の弾性に基づいて、リブ34を超えて、リブ34のちょうど先端側のところにおいて、側壁36に対して接触する。
よって、ニードル尖端プロテクター26は、第1タブ86および第2タブ88の撓み力によって、カテーテルハブ30のキャビティの内部において、リブ34よりも先端側に保持される。これは、ニードル尖端プロテクター26の寸法cの方が、カテーテルハブ30の内部のリブ34の内径寸法dよりも、大きいからである(図6参照)。
図7に明瞭に示すように、ニードル尖端プロテクター26が最終的にリブ34よりも先端側に着座したときには、第1タブ86および第2タブ88の移動は、第2外壁76および第1タブフランジ78に対して撓みを引き起こす。これにより、第1フランジ穴70および第2フランジ穴72が、ほぼ位置合わせされることとなる。
さて、実際の臨床的使用に際し、本発明によるIVカテーテルアセンブリ20は、以下のようにして機能する。
ニードル38の先端部は、カテーテル28の先端部を超えて延在し、患者の静脈内に挿入される。
外科医は、ニードルハブ40内のフラッシュチャンバ内において、血液を確認する。
外科医は、ニードルハブ40を把持し、カテーテルアセンブリ22だけを、静脈内へと先端側に移動させる。
外科医は、挿入サイトに対してわずかの圧力を印加し、これにより、カテーテルアセンブリ22を安定的に保持する。
外科医は、ニードルハブを把持し、カテーテルアセンブリ22からのニードルアセンブリ24の引き抜き操作を開始する。この際、ニードル尖端プロテクター26は、ニードル38の先端部のニードル屈曲部44が第2フランジ穴72と接触するまで、カテーテルハブ30の内部に安定的に維持される。ニードル屈曲部44が第2フランジ穴72に遭遇する直前には、第1梁96および第2梁100の付勢力は、係止フランジ102および第1リップ98を、ニードル38の中心軸を横断しつつさらにこの中心軸に直交して、移動させる。これにより、ニードル尖端プロテクター26に対しての、ニードル38のすべてのさらなる先端移動を阻止する。係止フランジ102および第1リップ98が、ニードル38の中心軸を横断しつつさらにこの中心軸に直交して移動した後には、第1梁96および第2梁100は、ニードル38の軸方向移動を防止し、これにより、ニードル38が捻られて第2フランジ穴72を通してニードル屈曲部44を操作することを防止する。
ニードル屈曲部44が、第2フランジ穴72から遠ざかるような角度で屈曲していることにより、また、第1梁96および第2梁100が、ニードル38の軸方向移動を防止し、さらに、第2フランジ穴72を通してのニードル屈曲部44の操作を不可能としていることにより、ニードル38の基端側への移動を継続した際には、ニードル尖端プロテクター26も一緒に基端向きに移動し、ニードル尖端プロテクター26の第1タブ86および第2タブ88を、リブ34に対して押圧する。第1タブ86および第2タブ88は、ニードル尖端プロテクター26の中心軸に向けて垂直に撓むこととなる。これにより、リブ34を超えて、基端側へと、さらに移動させることができる。
この時点で、ニードルアセンブリ24は、カテーテルアセンブリ22から完全に取り外され、この際、ニードル尖端は、本発明によるニードル尖端プロテクター26によってカバーされている。
図10は、本発明による代替可能な実施形態を示している。この実施形態においては、ニードル38と同様のニードル138は、スリーブ199を備えている。スリーブ199は、屈曲部144よりも基端側において、ニードル138上において、スライド可能にあるいは固定的に、取り付けることができる。この場合、スリーブ199は、ニードル138がカテーテルアセンブリ22から取り外される場合には、第2フランジ穴172に向けて付勢される。スリーブ199は、ニードル尖端プロテクター126が、第2のフランジ穴172を通して屈曲部144を操作できないことを保証することにより、ニードル138から完全に脱離してしまうことを防止する。
本発明の好ましい実施形態について図示し説明したけれども、当業者であれば、そのような実施形態が単なる例示に過ぎないことは、明白であろう。当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更や変形や置換を行い得るであろう。したがって、本発明は、特許請求の範囲によって規定された精神および範囲によってのみ、限定されることが意図されている。加えて、上述したされた各構造が機能を有していること、および、各構造が、そのような機能を達成するための手段と見なされ得ることは、理解されるであろう。
本発明による、カテーテルとニードルとからなる安全なアセンブリを示す斜視図である。 カテーテルアセンブリとニードルアセンブリとを示す分解斜視図であって、本発明によるニードル尖端プロテクターを備えている。 本発明によるニードル尖端プロテクターを示す分解斜視図である。 図3における4−4線に沿った矢視図であって、製造時点での、ニードル尖端プロテクターの背面フランジにおける穴の位置を示す図である。 図1における5−5線に沿って、カテーテルアセンブリおよびニードルアセンブリを示す矢視断面図である。 図5の一部を拡大して示す図であって、ニードル尖端プロテクターのタブとカテーテルハブのリブとの間の相対位置を示している。 図5における7−7線に沿って、ニードル尖端プロテクターを有したカテーテルハブを示す矢視断面図である。 ニードル尖端プロテクターを示す斜視図であって、カテーテルハブを挿通させてニードルを挿入した状態でカテーテルハブ内に配置された様子を示している。 ニードル尖端プロテクターを示す斜視図であって、カテーテルハブから取り外したときの様子を示しており、この場合、ニードル尖端は、プロテクターによってカバーされている。 本発明によるニードル尖端プロテクターの代替可能な実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
20 IVカテーテルアセンブリ(カテーテル導入アセンブリ)
22 カテーテルアセンブリ
24 ニードルアセンブリ
26 ニードル尖端プロテクター
28 カテーテル
29 先端部
30 カテーテルハブ
31 基端部
38 ニードル
39 基端部
40 ニードルハブ
41 先端部
44 ニードル屈曲部
138 ニードル
144 屈曲部
199 スリーブ

Claims (13)

  1. カテーテル導入アセンブリであって、
    a)ニードルとニードルハブとを備えてなるニードルアセンブリであるとともに、前記ニードルが、直径と、前記ニードルハブに対して取り付けられた基端部と、先端側に位置した先端部と、前記基端部と前記先端部との間にわたって延在する長手方向軸と、を有し、前記ニードルが、さらに、前記基端部と前記先端部との間に配置された屈曲部を有しているような、ニードルアセンブリと;
    b)チューブ状カテーテルとカテーテルハブとを備えてなるカテーテルアセンブリであるとともに、前記チューブ状カテーテルが、前記カテーテルハブに対して取り付けられた基端部と、先端部と、を有し、さらに、前記チューブ状カテーテルが、内部に前記ニードルを同軸的に受領し得るものとされているような、カテーテルアセンブリと;
    c)前記カテーテルハブの内部に配置されるとともに、前記ニードル上にわたってスライド可能とされた、ニードル尖端プロテクターであり、前記ニードルが前記カテーテルから基端向きに取り外された際に前記ニードルを保持し得るものとされた、ニードル尖端プロテクターと;
    を具備していることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  2. 請求項1記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記ニードルの前記屈曲部が、45°〜90°という角度の屈曲をもたらしていることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  3. 請求項1記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記ニードルの前記直径が、前記先端部と前記基端部との間にわたって一定であることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  4. 請求項1記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記ニードルが、さらに、スリーブを有していることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  5. 請求項4記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記スリーブが、前記ニードルが前記カテーテルから取り外された際に前記プロテクター内における前記ニードルの保持を補助し得るよう、前記屈曲部よりも基端側に取り付けられていることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  6. カテーテル導入アセンブリであって、
    a)中空ニードルとニードルハブとを備えてなるニードルアセンブリであるとともに、前記中空ニードルが、外径と、前記ニードルハブに対して取り付けられた基端部と、先端側に位置した先端部と、前記基端部と前記先端部との間にわたって延在する長手方向軸と、を有し、前記中空ニードルが、さらに、前記基端部と前記先端部との間に配置された屈曲部を有しており、これにより、前記中空ニードルの前記先端部における長手方向軸が、前記中空ニードルの前記基端部における長手方向軸に対してオフセットされているような、ニードルアセンブリと;
    b)チューブ状カテーテルとカテーテルハブとを備えてなるカテーテルアセンブリであるとともに、前記チューブ状カテーテルが、前記カテーテルハブに対して取り付けられた基端部と、先端部と、を有し、さらに、前記チューブ状カテーテルが、内部に前記ニードルを同軸的に受領し得るものとされているような、カテーテルアセンブリと;
    c)前記カテーテルハブの内部に配置されるとともに、前記ニードル回りにおいてスライド可能とされた、ニードル尖端プロテクターであり、前記ニードルが前記カテーテルから基端向きに取り外された際には前記屈曲部がこのニードル尖端プロテクターからの前記ニードルの脱離を防止することができ、これにより、このニードル尖端プロテクターが前記ニードルを保持し得るようになっているような、ニードル尖端プロテクターと;
    を具備していることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  7. 請求項6記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記ニードルの前記屈曲部が、45°〜90°という角度の屈曲をもたらしていることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  8. 請求項6記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記ニードルが、さらに、スリーブを有していることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  9. 請求項8記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記スリーブが、前記ニードルが前記カテーテルから取り外された際に前記プロテクター内における前記ニードルの保持を補助し得るよう、前記屈曲部よりも基端側に取り付けられていることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  10. カテーテル導入アセンブリであって、
    a)中空ニードルとニードルハブとを備えてなるニードルアセンブリであるとともに、前記中空ニードルが、前記ニードルハブに対して取り付けられた基端部と、先端側に位置した先端部と、前記基端部と前記先端部との間にわたって延在する長手方向軸と、前記先端部と前記基端部との間にわたって一定なものとされた外径と、を有し、前記中空ニードルが、さらに、前記基端部と前記先端部との間に配置された屈曲部を有しており、これにより、前記中空ニードルの前記先端部における長手方向軸が、前記中空ニードルの前記基端部における長手方向軸に対してオフセットされているような、ニードルアセンブリと;
    b)チューブ状カテーテルとカテーテルハブとを備えてなるカテーテルアセンブリであるとともに、前記チューブ状カテーテルが、前記カテーテルハブに対して取り付けられた基端部と、先端部と、を有し、さらに、前記チューブ状カテーテルが、内部に前記ニードルを同軸的に受領し得るものとされているような、カテーテルアセンブリと;
    c)前記カテーテルハブの内部に配置されるとともに、前記ニードル回りにおいてスライド可能とされた、ニードル尖端プロテクターであり、前記ニードルが前記カテーテルから基端向きに取り外された際には前記屈曲部がこのニードル尖端プロテクターからの前記ニードルの脱離を防止することができ、これにより、このニードル尖端プロテクターが前記ニードルを保持し得るようになっているような、ニードル尖端プロテクターと;
    を具備していることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  11. 請求項10記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記ニードルの前記屈曲部が、45°〜90°という角度の屈曲をもたらしていることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  12. 請求項10記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記ニードルが、さらに、スリーブを有していることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
  13. 請求項12記載のカテーテル導入アセンブリにおいて、
    前記スリーブが、前記ニードルが前記カテーテルから取り外された際に前記プロテクター内における前記ニードルの保持を補助し得るよう、前記屈曲部よりも基端側に取り付けられていることを特徴とするカテーテル導入アセンブリ。
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