JP2006520451A - 特に商用車のためのディスクブレーキ - Google Patents

Abstract

特に商用車のためのディスクブレーキであって、ブレーキディスク１を把持するブレーキキャリパ２が設けられており、該ブレーキキャリパは商用車のブレーキキャリア３に２つの固定エレメントによって、ブレーキディスク１に関して軸方向で摺動可能に固定されており、一方の固定エレメントが不動軸受４として、他方の固定エレメントが可動軸受５として形成されており、該可動軸受は、ブレーキキャリパ２の孔内に挿入されるスライドブシュ６を有しており、該スライドブシュの内輪郭及び／又は外輪郭は円形ではなく、該スライドブシュ内には、横断面が例えば円形のガイドバー８が案内されている形式のものにおいて、可動軸受５のスライドブシュ６に少なくとも１つの位置固定部材１０が設けられており、該位置固定部材は、スライドブシュ６が正確な位置で組み付けられている場合にスライドブシュを位置固定するように前記孔の切欠１１内に挿入されている。

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の、特に商用車のためのディスクブレーキに関する。

このような形式のディスクブレーキでは、ブレーキキャリパが固定エレメントによって、車両に取り付けられているブレーキキャリアに結合されている。この場合、ガイドバーがブレーキキャリアに係合していて、他方ではガイドバーはブレーキキャリパの滑り軸受に、定置のブレーキキャリアに対するブレーキキャリパの軸方向の摺動が可能であるように案内されている。滑り軸受は、一方は僅かな滑り遊びを有した不動軸受として形成されていて、他方は可動軸受として形成されている。これにより特に製造誤差が補償される。

このような補償を得るために、スライドブシュに、横断面で見て広い意味で楕円の孔を設けることが公知である。この場合、この孔の最も大きな幅は、軸方向に対して横方向に延びているので、中央の長手方向軸線に対して両方向へのガイドバーの側方への動きが生じる。この中央の長手方向軸線に対して垂直方向には、不動軸受におけるのと同様に全体として全く遊びが設けられていないかごく僅かな遊びしか設けられていない。

しかしながら、スライドブシュの完全な機能性のために継続的に正確な位置決めが必要である。正確な位置決めとは軸方向の摺動不能性と回転不能性を含む。

大量生産では、このような正確な位置での位置固定は例えば、スライドブシュがブレーキキャリパに、かしめはめられることにより得られる。スライドブシュをプレス嵌めでブレーキキャリパに保持することも公知である。このためには大量生産においては、相応に位置正確な挿入を問題なく可能にする適当な工具が提供される。

これに対して、修理の際の交換ではスライドブシュのこのように正確な位置での組み付けは保証されていない。従ってこれまではスライドブシュは、機能問題を引き起こす恐れがある不正確な位置に配置されている。

いずれにせよ、スライドブシュの所定の位置への取り付け、およびその位置での固定は、大きな手間をもって実現するしかない。

従って本発明の課題は、冒頭で述べた形式のディスクブレーキを改良して、スライドブシュの可能な各運動方向において問題のない取り付けと継続的な位置固定とをいつでも構造的に簡単な手段によって可能にすることである。

この課題は、請求項１の特徴を有するディスクブレーキにより解決される。

ディスクブレーキの可動軸受のスライドブシュを本発明のように構成することにより、完全な組み付け状態で、スライドブシュは確実に、正確な所定の位置をとる。これにより可動軸受の機能性は制限されることなく得られる。

この場合、位置固定部材は少なくとも１つの位置固定舌片から成っていて、これは、可動軸受の使用位置で、スライドブシュの外周面を越えて突出し、ブレーキキャリパ側の孔の切欠に挿入される。

ポケットとして形成することができる孔の切欠と対応する前には、位置固定舌片はスライドブシュの内孔内に突入しており、これによりガイドバーの自由な貫通進入を妨げている。ガイドバーの導入の際には即ち、ガイドバーの自由な進入のために位置固定舌片は孔の切欠内に突入しなければならない。このような形式で実質的にダブル固定が得られ、スライドブシュは完全な組み付け状態で所定の位置をとり、かつこの位置での位置固定が維持される。

とりわけ保守・整備作業の前には、このような特性は重要であり、誤組み付けを実質的に排除する。

原則的には位置固定部材の数、即ち位置固定舌片の数は任意であって良く、この場合、必要な保持力に関する要求に応じて選択される。

簡単な組み付けは、できるだけ少数の位置固定舌片、有利には唯１つの位置固定舌片によって固定され、軸方向力及び／又は回転力が大きい場合には、多数の位置固定舌片が設けられる。

位置固定舌片の形状も基本的には自由に選択可能である。しかしながら、位置固定舌片は、孔の切欠に挿入されていない状態ではガイドバーの押込みを、即ちその組み付けを確実に妨害するように形成されていなければならない。

位置固定舌片とこれに対応する、有利にはポケットの形状の切欠は、形状と寸法において互いに、対応する際に互いにほぼ形状接続されるように適合されている。これにより、スライドブシュの周方向でのおよび軸方向でのロックが保証されている。

総じて、これにより固定に関する利点だけでなく、著しい組み付けの利点も得られる。何故ならば、スライドブシュの組み込みは今や著しく簡単になり迅速に行われるからである。このことは特に、大量生産における工具が提供されることも、使用されることもない保守整備の際のスライドブシュの交換の際にいえることである。

本発明の別の思想によれば、位置固定舌片はスライドブシュから一体的に成形されている。この場合、既に説明したように、まず位置固定舌片が、内孔によって形成された室内に曲げ込まれていて、次いで孔の切欠内に、切欠壁に当接して各方向でスライドブシュの運動が止められるまで湾曲される。この位置では、内孔の貫通孔は、使用すべきガイドバーのために自由に貫通可能である。

本発明のさらなる構成は請求項２以下に記載されている。

本発明の実施例を次に図面につき詳しく説明する。

図１には、特に商用車のためのディスクブレーキが示されている。このディスクブレーキは基本構造としてブレーキキャリパ２を有していて、このブレーキキャリパはベンチレーテッドブレーキディスク１を有している。このブレーキディスク１は、商用車の図示されてない軸に固定されている。

ブレーキキャリパ２は商用車のブレーキキャリア３に、ブレーキディスク１に関して軸方向に摺動可能に配置されている。

このために２つの固定エレメント４，５が設けられており、そのうちの固定エレメント５は可動軸受（フローティングベアリング）として形成されていて、固定エレメント４は不動軸受として形成されている。

両固定エレメント４，５はそれぞれ１つのスライドブシュ６，７と、このスライドブシュ６，７内に案内されたガイドバー８とを有している。この場合、外周面で円形のスライドブシュ６，７は、ブレーキキャリパ２の円形の孔内にプレス嵌めされている。

ガイドバー８はブレーキキャリア３にねじ込まれていて、従ってブレーキキャリパ２に対して定置であり、一方スライドブシュ６，７はブレーキキャリパ２に不動に結合されていて、従って軸受ピン８に沿ってブレーキキャリパ２と共に軸方向で摺動可能に支承されている。

特に図２に示されているように、可動軸受５のスライドブシュ６は、横断面が円形ではなく、この実施例でほぼ楕円形の内孔９を有している。この孔の最大の幅は、不動軸受４が位置する平面で延びている。

内孔９の最大の寸法に対して垂直に位置する最小の寸法は、円形のガイドバー８の直径にほぼ相当する。従って、内孔９に対してガイドバー８の側方の遊びが生じる。

これに対して、不動軸受４のスライドブシュ７は円筒形の中空体として形成されていて、この場合、円筒状のガイドバー８は僅かな遊びをもって案内されているので、スライドブシュ７の、ひいてはブレーキキャリパ２の問題のない軸方向の摺動が可能である。

さらに図２により、特に明瞭には図３及び図４によっても明らかであるように、可動軸受５のスライドブシュ６は位置固定部材１０を有している。この位置固定部材１０は、スライドブシュ６が正確な位置で組み付けられている場合、ブレーキキャリパ２の孔の切欠１１内に挿入されて、これによりスライドブシュ６は軸方向および回転方向で位置固定される。

この場合、切欠１１はポケット状に形成されていて、位置固定部材１０は、図３及び図４に示した例では、２つの位置固定舌片１２として形成されている。これらの位置固定舌片１２は切欠１１に押し込む前はフック状にスライドブシュ６の内孔９内に突入している。

最初に、切欠１１内に位置固定舌片１２を曲げ込むことにより、内孔９は、ガイドバー８が問題なく内孔９内に挿入できるほどに解放される。

本発明によるスライドブシュ６の特に簡単な製造は、図５及び図６による実施例を可能にする。

ここでは位置固定部材１０は、一貫したほぼ円弧状の位置固定舌片から成っている。この位置固定舌片は、一点鎖線で示した位置に相応する完全には組み付けられていない状態では、内孔９によって規定された室内に突入しており、位置固定位置では、図５に実線で示したように凸状の折返し部として切欠１１内に突入している。

スライドブシュ６が金属から成っているので、位置固定部材１０の切欠１１内への押込みは、塑性変形によりスライドブシュ６の耐用期間全体にわたって継続的に維持するロック部を成している。

位置固定部材１０の製造は特に、図５に示した実施例では極めて簡単である。図６に示したように、両縁部領域の一方に１つのスリット１４がスライドブシュ６の壁に設けられている。このスリットにより、スリット１４とスライドブシュ６の対応する端面との間に配置されている位置固定部材１２０の問題のない成形が可能である。

必要に応じて勿論、位置固定部材１０の別の形状も考えられる。多くのものと同様に、スライドブシュ６の必要に応じて、軸方向不動で回転不能である。

いずれの場合も、切欠１１（ポケット）、特にブレーキキャリパ２の孔の１つは位置固定部材１０の最終形状にほぼ適合する。これによりほぼ遊びのない固定が、可能な両運動方向で保証されている。

本発明によるディスクブレーキの部分長手方向断面図である。 図１のＩＩ−ＩＩ線の方向で見たディスクブレーキの詳細図である。 不完全な組み付け位置におけるディスクブレーキのスライドブシュの平面図である。 完全な組み付け位置における図３のスライドブシュの平面図である。 別の実施例のスライドブシュの平面図である。 図５のスライドブシュの側方図である。

符号の説明

１ ブレーキディスク、 ２ ブレーキキャリパ、 ３ ブレーキキャリア、 ４，５ 固定エレメント、 ６，７ スライドブシュ、 ８ ガイドバー、 ９ 内孔、 １０ 位置固定部材、 １１ 切欠、 １２ 位置固定舌片

Claims (11)

1. 特に商用車のためのディスクブレーキであって、ブレーキディスク（１）を把持するブレーキキャリパ（２）が設けられており、該ブレーキキャリパ（２）は商用車のブレーキキャリア（３）に２つの固定エレメントによって、ブレーキディスク（１）に関して軸方向で摺動可能に固定されており、一方の固定エレメントが不動軸受（４）として、他方の固定エレメントが可動軸受（５）として形成されており、該可動軸受（５）は、ブレーキキャリパ（２）の孔内に挿入されるスライドブシュ（６）を有しており、該スライドブシュ（６）の内輪郭及び／又は外輪郭は円形ではなく、該スライドブシュ（６）内には、横断面が例えば円形のガイドバー（８）が案内されている形式のものにおいて、
   可動軸受（５）のスライドブシュ（６）に少なくとも１つの位置固定部材（１０）が設けられており、該位置固定部材（１０）は、スライドブシュ（６）が正確な位置で組み付けられている場合に、スライドブシュ（６）を位置固定するように、前記孔の切欠（１１）内に挿入されていることを特徴とする、特に商用車のためのディスクブレーキ。
2. 位置固定部材（１０）が少なくとも１つの位置固定舌片（１２，１３）から成っていて、該位置固定舌片がスライドブシュ（６）の構成部分として、塑性変形されながら前記切欠（１１）に押し込まれている、請求項１記載のディスクブレーキ。
3. 位置固定舌片（１３）が使用位置で、凸状の外輪郭を有している、請求項２記載のディスクブレーキ。
4. ２つの位置固定舌片（１２）が設けられており、これらの位置固定舌片（１２）が使用位置でそれぞれ切欠（１１）に挿入されている、請求項２記載のディスクブレーキ。
5. 位置固定部材（１０）が非使用位置で、挿入されたガイドバー（８）の横断面によって規定されている内孔（９）の領域内に突入している、請求項１から４までのいずれか１項記載のディスクブレーキ。
6. 位置固定部材（１０）が、切欠（１１）内に位置する使用位置で、挿入されたガイドバー（８）の横断面によって規定される領域の外側に位置している、請求項１から４までのいずれか１項記載のディスクブレーキ。
7. 位置固定部材（１０）がスライドブシュ（６）と一体に結合されている、請求項１から６までのいずれか１項記載のディスクブレーキ。
8. 位置固定部材（１０）が形状接続的に切欠（１１）に挿入されている、請求項１記載のディスクブレーキ。
9. スライドブシュ（６）が位置固定部材（１０）の切欠（１１）への挿入により、軸方向運動および回転運動しないように固定されている、請求項８記載のディスクブレーキ。
10. 位置固定部材（１０）を形成するために、スライドブシュ（６）が、その両縁部領域の少なくとも一方に、少なくとも１つのスリット（１４）を有していて、位置固定部材（１０）が、外側の端面とスリット（１４）との間に形成された領域の変形により形成される、請求項１から９までのいずれか１項記載のディスクブレーキ。
11. 位置固定部材（１０）が、内孔（９）の最大の横断面寸法を有するスライドブシュ（６）の壁の領域に配置されている、請求項１から１０までのいずれか１項記載のディスクブレーキ。

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