JP2006520368A - アルツハイマー病の治療 - Google Patents

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Abstract

本発明はアルツハイマー病(AD)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)又はゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSSD)の治療及び/又は予防のためのインターフェロン−β(IFN−β)の使用に関する。これはさらに、アルツハイマー病を治療しかつ/又は予防することを目的とする、アルツハイマー病治療薬と組合せた形でのIFN−βの使用にも関する。早期発症アルツハイマー病を治療しかつ/又は予防するためのコリンエステラーゼ阻害剤と組合せた形でのIFN−βの使用が好ましい。

Description

本発明は、痴呆の治療に関する。本発明は、アルツハイマー病(AD)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)又はゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSSD)の治療及び/又は予防用の医薬品の製造を目的としたインターフェロンβ(IFN−β)の使用に関する。本発明はさらに、ADの治療及び/又は予防用の医薬品の製造を目的とした、アルツハイマー病治療剤と組合せた形でのIFN−βの使用にも関する。これは特定的には、ADの治療及び/又は予防のための医薬品の製造を目的とした、コリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤と組合せた形でのIFN−βの使用に関する。特に、本発明は、早期発症ADの治療及び/又は予防のための医薬品の製造を目的とした、単独での又は、コリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤と組合せた形でのIFN−βの使用に関する。
アルツハイマー病(AD)
アルツハイマー病(AD)は、神経細胞の損失に起因し言語障害、判断力、問題解決、計画、抽象的思考の問題、失行症、視覚機能欠損及び痴呆を結果としてもたらす進行性認識機能障害(記憶、認知及び行動安定性の喪失)を特徴とする進行性神経変性障害である。年令に関連する有病率の増加がADにおいて実証されており、65才以上の人口の約6〜10%そして85才以上で最高50%がこれに悩まされている。ADは痴呆の主要な原因であり、心臓血管疾患、ガン及び卒中に続いて4番目の死因である。
この病気の発症は、最近の事象を思い出す能力の障害によって特徴づけられるが、疾病の進行に伴って、その他の知的技能も衰える。その後、異常な行動、妄想及び身体機能の制御喪失が発生する。アルツハイマー病の診断は、確立された基準(McKhann et al.1984)に基づいている。すなわち、「確実例」アルツハイマー病は、剖検において確認された疾病に限定される;「ほぼ確実例」アルツハイマー病は、付随する病気の無い臨床的疾病であり;「疑い例」アルツハイマー病は、甲状腺機能低下症又は脳血管疾患といったような中枢神経系機能不良をひき起こし得るその他の病気を伴う基準を満たす個体に対するものである。疾病の臨床的診断は、神経的及び精神的状態の検査の組合せに基づいており、合理的な精度をもっている。死亡時において、脳内に最も頻繁に見られる病的徴候には、細胞内対合らせん状フィラメント(PHF)及び細胞外アミロイド斑によって特徴づけされる大脳辺縁系及び大脳皮質内の特異的神経病理学的病巣が含まれる。疾病の一次的病理学的特長は、原線維アミロイドの細胞外被着と老人斑へのその圧縮である。
従って、神経原線維変化及び老人斑(原線維凝集体の被着)がそれぞれアルツハイマー病と結びつけられる。広範な神経細胞喪失(神経細胞ならびにシナプス)と合わせて、これらは、疾病の特質である神経病理学的特長であり、なお死後診断を確認する唯一の手段である。神経原線維変化は、主として、高リン酸化タウ粒子(微小管集合タンパク質)で構成され、一方老人斑の主要な原線維成分は、アミロイド−β(ペプチドAβ)つまりアルツハイマー前駆体タンパク質(APP)の40〜42のアミノ酸フラグメントである。この疾病の非常にめずらしい家族性形態の原因である遺伝的突然変異が、アミロイドカスケード仮説の開発を導いてきた。それは、異常なタンパク質分解事象によるその過剰産生及びアポリポプロテインE及びアンチキモトリプシンといったような病理学的シャペロンとのその相互作用の結果としての、通常は可溶性であるAβペプチドによるアミロイド原線維の形成及び被着によって特徴づけされる。これらは、老人斑のわずかな成分であり、アミロイド原線維へと集合するAβの性癖を増大させる能力をもつ対立遺伝子変異体を有する。
老人斑は、神経細胞損傷を導く、アミロイド斑に隣接する星状細胞及びミクログリアの両方の活性化が関与する複雑な細胞反応の病巣である。実際、ミクログリアは、これらの斑に関連する最も豊富で傑出した細胞成分である。斑に関連するミクログリアは、反応性又は活性化された表現型を示す。反応性表現型の獲得を通して、これらのミクログリアは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII抗原及び補体受容体を含む数多くの細胞表面分子の発現の増大によって証明されるように、さまざまな刺激に対し応答する。
3つの遺伝子内の突然変異、すなわち染色体21上のアミロイド前駆体タンパク質(APP)遺伝子、染色体14上のプレセニリン1(PS1)及び染色体1上のプレセニリン2(PS2)は、30才代ですでに発症する常染色体優性アルツハイマー病をもつ家族において発見されてきた。アポリポプロテイン−E(APOE)ε4の対立遺伝子変異体も同様に、通常65才以降の発症を伴う散発性及び家族性疾患に関連づけされてきた。α2−マクログロブリンにおける突然変異は、AD集団の少なくとも30%にリンクされるものと示唆されてきた。早期発症疾患をひき起こす遺伝子内の突然変異は、アミロイドβペプチド(Aβ1−40及びAβ1−42)のレベルを上昇させる。変異体APOE対立遺伝子は、アミロイドβの除去又は分解に関与し得る。かくして、病因に導く一般的経路が、アルツハイマー病をもつ家族の系統的調査によって同定されてきた。
感染性海綿状脳症(TSE)
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及びゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSSD)は感染性海綿状脳症(TSE)である。海綿状というのは、穴を特徴とし顕微鏡下では海綿に似ている感染した脳の外見を意味している。CJDは、既知のヒトTSEのうち最も一般的なものである。その他のヒトTSEとしては、クールー病、及び致死性家族性不眠症(FFI)が含まれる。クールー病はパプアニューギニアの孤立した部族の人々において同定されたものであり、現在はほぼ消滅している。致死性家族性不眠症及びGSSDは、世界でほんの数家系にしか見られない極めてめずらしい遺伝的疾患である。
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、世界中でアルツハイマー病の約10000分の1にあたる100万人に約1症例という有病率の異例かつ稀で変性的な必ず死に致る脳障害である。CJD症例の85%は、散発性であり、残りを家族性及び医原性(つまり後天的)症例が占めている。症候は、標準的におよそ60%で発症し、患者のほぼ90%が1年以内に死亡する。散発性CJDにおいては、疾病は、既知の関連するリスク因子が全く無い状態で発生する。遺伝性CJDにおいては、時として遺伝的突然変異の組合せを伴う疾病の家族性履歴が存在する。医原性CJDは、通常は或る種の医療処置を通じた脳又は神経系組織に対する露呈によって伝染する。
最初に、CJD患者は、筋肉調整;記憶、判断力及び思考障害を含めた人格変化;及び視力障害に伴う問題を経験する。不眠症、うつ病又は異常感覚がその他の通常の症候である。疾病の進行に伴って、精神的欠陥が重度となる。間代性筋けいれんと呼ばれる不随意筋運動が、失明と同様に発生しうる。運動及び会話不能が起こり、昏睡が考えられる結末である。これらの患者では、肺炎及びその他の感染が往々にして発生し、死に至る可能性がある。
CJDには、疾病の症候及び経過が異なる既知の異型がいくつか存在する。新異型及び異型CJD(nv−CJD、v−CJD)は、主として精神的症候で始まり、その他のタイプのCJDと比べて若い患者に影響を及ぼし、発症から死までの時間が普通よりも長い。新異型クロイツフェルト・ヤコブ病を患う患者においては、症候は、平均年令26才(散発性疾患の患者に比べほぼ40年早い)で発生し、数多くの患者が、情動不安、興奮性、不安症、無気力症、エネルギー損失、不眠症、及び引き込もりを含めた、顕著な情動的症候を呈する。汎脳障害形態と呼ばれるもう1つの異型は、主として日本で発生し、比較的経過が長く、症候は往々にして数年にわたり進行する。CJDの一部の症候は、ADについて前述したもの及びハンチントン病に関連するものといったようなその他の進行性神経疾患の症候に類似している可能性がある。しかしながら、CJDは、脳組織内で独特の変化をひき起こし、AD又は大部分のその他のタイプの痴呆に比べその人物の能力のより急速な劣化をひき起こす傾向をもつ。
ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病は、小脳性運動失調症、進行性痴呆、及び脚部の無反射そして病理学的には中枢神経系全体にわたるアミロイド斑によって特徴づけされる。発症は、通常50才代であり、早期においては、運動失調が優勢である。その後痴呆が発生する。経過は2〜10年間にわたる。
CJDの診断は通常は、認知障害、疼痛及び知覚障害、構音障害及び歩行異常を含め、神経症候が現われるまで疑われない。間代性筋けいれんが、晩期特長であり、驚愕間代性筋けいれんが惹起されることは稀である。標準的診断試験としては、より一般的な痴呆の原因を除去するための脊椎穿刺、及びCJDにおける特定的タイプの異常を示すことから特に貴重でありうる、脳の電気パターンを記録するための脳波図(EEG)が含まれる。脳のコンピュータ断層撮影法は、症候が卒中又は脳腫瘍といったようなその他の問題の結果である可能性を除外する一助となる可能性がある。磁気共鳴影像法(MRI)脳走査も、CJDの診断を助ける脳変性の特徴的パターンを明らかにすることができる。しかしながら、CJDの診断を確認する唯一の方法は、脳生検又は剖検である。クロイツフェルト・ヤコブ病の免疫診断は、病的なタンパク質を取っておく一方で正常なタンパク質を優先的に分解させる組織前処理によって付与された特異性を用いて、プリオンタンパク質又はPrPの正常な及び病的なイソ型の両方を認識する抗体を使用することによって実証される。
現時点での主要な科学的理論は、CJD及びその他のTSEが1つの生体によってではなくプリオンと呼ばれる1つのタイプのタンパク質によってひき起こされるということを支持している。プリオンは、体の細胞内で発見される無害のタンパク質である正常形態つまりPrP;及び病気をひき起こす感染性形態つまりPrPScの両方の形で発生する。無害の形態及び感染性形態のプリオンタンパク質はほぼ同一であるが、感染性形態は正常なタンパク質とは異なる折畳まれた形状をとる。人の正常プリオンの一部はそのタンパク質の感染性形態へと自然発生的に変化し連鎖反応においてその他の細胞内のプリオンを改変させることから、散発性CJDが発生し得る。それらがひとたび出現すると、異常なプリオンタンパク質が粘着し合い、斑と呼ばれる繊維及び/又は塊を形成する。繊維及び斑は、CJDの症候が現われ始める何年も前に蓄積を開始する可能性がある。
プリオン病(例えばCJD及びGSSD)は、ADと同様、PrPのプロテアーゼ耐性イソ型(PrPSc)から成るアミロイド原線維の細胞外蓄積によって特徴づけられる。ADと同様、病変部におけるミクログリア応答の存在が、スクレピー及びCJDにおいて示されてきた。多中心性アミロイド斑は、8、15及び21〜30kDaのプロテアーゼ耐性PrPフラグメントから成る。21kDaのフラグメントも同様にCJDにおいて観察されたが、8kDaのフラグメントはGSSDに特異的であると思われる。数多くの神経病理学的類似性が存在するものの、GSSDは、大脳皮質及び小脳皮質、基底核及び白質内にクールー斑及び数多くの多中心性、綿状斑が存在するという点で、CJDと異なっている。
家族性CJDならびにGSSDを患う患者は、PrP(PRNP)をコードする遺伝子内に突然変異を有する。ヒトプリオンタンパク質は、染色体20の長腕上で単一のエキソンによりコードされる。重要なことに、プリオン遺伝子内の少なくとも2つの突然変異(コドン145と183)が、臨床的にADに似た疾病(以下参照)をひき起こす可能性があり、塩基対144における挿入が非常に可変的な表現型を示し得る。
家族性CJDに関係づけされる大部分の一般的突然変異は、発症時の平均年令がわずかに低い(55才)プリオン遺伝子のコドン200におけるもの及び、イタリア人家系に見られるコドン208及び210における近くの突然変異である。コドン178にある第2に一般的な突然変異は、さらに早い発症(50代)及びより長い持続期間(1〜2年)をもつ疾病を生成する。異型CJDがウシ海綿状脳症の作用物質の伝染に関連付けられてきたものの、これまでにテストされた症例は全て、コドン129でメチオニンに対し同型接合的であった。散発性クロイツフェルト・ヤコブ病を患う多くの患者が、その脳脊髄液中に異常なタンパク質、特に14−3−3タンパク質を有する。
GSSDでは、コドン102突然変異が最も頻繁である(複数のヨーロッパ諸国及び日本において発見されている)。それは、運動失調形態のGSSD、すなわち30才又は40才代の発症時の小脳症候とそれに続く、視力徴候、錐体路徴候及び知的徴候、をひき起こす。死は、発症後1〜11年の間のどこででも起こる。主として小脳中にアミロイド斑が発見できる。コドン117の突然変異(ドイツ及びアルザス地方の家系)は、注視麻痺、難聴、偽球麻痺及び皮質盲ならびに反射神経障害及び伸展性足底反射障害といったような、錐体路徴候及び偽性球徴候を伴う痴呆をひき起こす。アミロイド斑は単中心性であるか又は多中心性である。その他の稀な突然変異には、198(1アメリカ人家系)、217(1スウェーデン人家系)、145(1日本人患者)及び105(日本で1症例)が含まれる。ADにおいて類似したものである多中心性斑及び神経原線維変性がコドン198及び217突然変異で発見される。ADに関連する臨床的症候は、コドン145突然変異で発生し、ここでアミロイド斑は、切形PrPから成る。最後に、コドン105突然変異は、晩期痴呆を伴うけいれん性不全対麻痺をひき起こす。アミロイド斑は、主として前頭葉に局在化している。
CJDを治ゆ又は制御する治療は全く存在しない。CJDに対する現行の治療は、症候を緩和し、患者を可能なかぎり快適にすることを目的としたものである。麻薬性薬物は疼痛を緩和するかもしれないし、クロナゼパム及びバルプロ酸ナトリウムは間代性筋けいれんを緩和し得るだろう。GSSDに対する治療も存在しない。PrPの病的イソ型への転換を阻害しうる化合物は、アクリジン及びフェノチアジン誘導体キナクリン及びクロルプロマジンを含め、有用であり得る。PrPの一部の形態は、病的イソ型への配座転換に耐えることができる。これらの「優性陰性」プリオンタンパク質の過剰発現は、マウスにおけるスクラピの発生を予防するか又は劇的に低速化することができ、PrPのその病的状態への転換との干渉が場合によって1つの治療的アプローチを表わす、ということを示唆している。
ChE阻害剤
アセチルコリンエステラーゼ又はアセチルコリンアセチルヒドロラーゼ(AChE、EC3、1、1、8)及び関連する酵素ブチリルコリンエステラーゼ又はアシルコリンアシルヒドロラーゼ(BuChE、EC3、1、1、7)は、アルツハイマー病における老人斑に異常なほどに関連していることが発見されたその他のタンパク質である(1)。研究により両方の酵素共、哺乳動物の神経系においてコリン作動性シナプス及び神経筋接合部での加水分解により神経伝達物質アセチルコリン(ACh)のレベルを同時調節でき(2)、AD患者の脳内で重要な役割を果たし得る、ということが示された。加水分解反応は、カルボニル炭素に対する求核攻撃により進められ、酵素をアシル化しコリンを解放する。この後、アシル化された酵素の急速な加水分解が続き、酢酸が生成され、酵素が回復される。AChEはAChといったようなアセチルエステルを優先的に加水分解し、一方BuChEは、好ましくはブチリルコリンといったようなその他のタイプのエステルを加水分解する。3つの異なるAChEサブユニットが存在し、交互のmRNAスプライシングにより発生する。すなわち、シナプスAChE(AChE−S)、赤血球中に見られる造血性AChE(AChE−H)及び「リードスルー」AChE(AChE−R)である。
アルツハイマータイプの神経病理の重症度及びより特異的には脳基底部内のより特異的に変性的な変化は、病変部と相関し(4)かつ早期症候に関係するため早期に発生するAChE及びコリンアセチルトランフフェラーゼ活性の含有量を低減させる(3)。BuChEは通常、脳内で非常に低レベルでしか発現されない(5)。アルツハイマー病における変性部域と高レベルのAChEを有する部域との間にも同様に相関関係が存在する(6)。
AChEは、神経細胞分化において直接的な役割を有し得るということが証明されている。胚形成中の脳内のAChEの過渡的発現は、AChEが、神経突起伸長の調節(8)及び軸索路の発達(9)において機能し得るということを示唆している。さらに、細胞付着におけるAChEの役割が調査されてきた(10)。結果は、細胞接着の役割を通してAChEが神経芽細胞腫細胞系統内の神経突起伸長を促進することを示している(11)。さらに、研究は、AChEの末梢アニオン部位が酵素(12)の神経向性活性に関与していることを示してきており、又、AChEの付着機能が末梢アニオン部位(13)にあるという結論を下している。
AChE(BuChEではなく)と原線維Aβの間の相互作用が実証され、AChEは、(Aβによる原線維形成速度(15)及び原線維の神経毒性(16)を増大させる能力をもつ)病理的シャペロンのように挙動することが示されてきた。AChEは、酵素の生化学的及び薬理学的特性を変化させβA原線維の神経毒性の増大をひき起こすことのできる安定したβA−AChE複合体を形成するアミロイド原線維へのβAペプチドの集合を直接促進する。同様に、Aβペプチド凝集体の神経毒性が、複合体に結合したAChEの量に左右されるということも示されてきており、AChEがADの脳の神経変性において1つの役割を果たすということも示唆している。BuChEは、アミロイド斑と関連づけされるものとして報告されている。AChE内部の線維原性領域の存在は、Aβにより形成されたアミロイド原線維とAChEの相互作用に関係する可能性があり(17)、ヒト組換え型アセチルコリンエステラーゼ(HuAChE)阻害剤は、HuAChEにより誘発されるAβ凝集を阻害することが発見された(18)。従って、付着及びAβ被着といったようなAChEの非コリン作動性機能に関係する領域が同定されてきた。アミロイド斑の内部及び周囲のAChE活性の増強は、酸化性応力により媒介されてAβ25−35によって誘発されることが示され、又ビタミンE及びNOS阻害剤がこの効果を妨げており、アセチルコリンシナプスレベルを維持しかくしてAD患者の認知及び記憶機能を予防又は改善する上での重要な役割をさらに示唆している。
かくして、コリン作動性欠損(特に皮質コリン作動性神経伝達の喪失)は、ADに付随する認知障害及び精神的機能と相関関係をもつ。軽度乃至は中度のADのための第1の有効な対症療法の開発(20)には、AChの分解を阻害することによって作用するコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)が関与する(21)。これらの薬物の臨床的効能は、AD患者における認知的、機能的及び包括的改善により特徴づけされてきており、それらが痴呆の進行をも遅延させ得るという証拠が存在する(21)。全てのAD形態(軽度、中度及び重度)において、コリン作動性薬物が有効であり得る。新皮質コリン作動性欠損がADにおける重度の痴呆患者の特徴であるものの、顕性コリン作動性欠損は、一般に疾病の経過の比較的晩期になるまで出現しない(22)。従って、ChEIは、「中度乃至は重度」のAD患者において効能を示した(23)。さらに、ガランタミンは、「進行性中度」AD患者に対する効能を示し、軽度乃至中度のADの場合以外にもChEIが使用できる可能性をさらに提起した。
AChEの阻害剤は、酵素上の2つの標的部位すなわち活性部位と末梢部位に作用する。活性部位に向けられた阻害剤は、高い親和力をもつ部位を占有することによって(タクリン)(24)か又は触媒セリンと不可逆的に反応することによって(有機リン酸エステル及びカルバミン酸塩)(25)、基質分子の結合又はその加水分解を妨げる。末梢部位は、触媒通路の入口にあるさほど明確でない領域から成る。その部位に結合する阻害剤としては、プロピジウムといったような小分子(26)及びファシキュリンといったペプチド毒素(27)が含まれる。テカメトニウムといったようなビス型第4阻害剤(28)は、活性及び末梢部位に同時に結合し、かくして触媒通路全体を占有する。
個々のChE1は、その薬理学的特性に関して互いに異なり、これらの差異は、その効能又は安全性プロフィールの中に反映され得る。タクリン、ドネペジル及びガランタミンは、可逆的ChE1であり、メトリホナートは、不可逆的ChE1であり、リバスティグミンは、中間的作用持続時間をもつ偽似不可逆的(緩慢可逆的)なChE1である。これらの作用物質の一次標的はAChEであるものの、一部はBuChEに対する親和性をも示す。一部の阻害剤(例えばガランタミン)は、同時に2重の作用モードを有し、ニコチン性アセチルコリン受容体を変調させ、AChEを阻害する(23)。この薬学特性は、ニコチン及びその他の関連するα7−受容体アゴニストがもつさまざまな実験モデル内で神経防護作用を提供する能力と結びつけられてきた。AChE阻害及びニコチン性アセチルコリン受容体変調の組合せは、アセチルコリン神経伝達を容易にする上でAChE阻害単独の場合と比べ、有意な潜在的利点を提供するものであることが示唆されている(30)。コリンは、α7−ニコチン性アゴニスト活性及び潜在的な神経防護能力の両方を有することが示されてきており、ピロリジンコリンを含むこれらの化合物の多くがコリンと共にCNS内に輸送される(29)。その他の化合物も同様に、AChE及びモノアミンオキシターゼ(MAO)に対する2重阻害モードを示す。ラサジリン、セレジリン及びトラニルシプロミンは、ADにおけるさらに進行した形態への認知機能のさらなる劣化を遅らせる確率の高いMAO阻害剤である。イミノ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドールカルバメート(AChE阻害剤フィソスティグミンとMAO阻害剤セレジリン及びトラニルシプロミンのハイブリッド)、N−ピリミジン4−アセチルアニリン誘導体、7−アリールオキシクマリン誘導体、N−プロパルギルアミノインダン及びN−プロパルギルフェネチルアミンといったようなプロパルギルアミノカルバメートは、2重MAO−AChE阻害活性を示す化合物である。
コリン作動性酵素AChEの非コリン作動性の側面、そのアルツハイマーの特質との関係及びこれらの機能全てにおけるAChEの末梢部位の役割、ならびにMAOHI又はα7受容体アゴニストとのAChEIといった2重モード阻害剤及びAChEの2重部位阻害剤を考慮すると、認知欠損の軽減及びβ−アミロイド集合の低減が同時に発生して神経変性プロセスを効率良く遅延させる可能性がある。
従って、ADの治療において、コリンエステラーゼ阻害剤、タクリン、アミリジン、ドネペジル及び誘導体TAK−147及びCP−118’954、ミナプリン、ニバスチグミン、ガラシタミン、ヒューペルジン、ヒュープリン、ビス−テトラヒドロアミノアクリジン(ビス−THA)誘導体例えばビス(7)−タクリン、イミダゾール、1,2,4−チアジアゾリジノン、ベンズアゼピン誘導体、4,4’−ビピリジン、インデノキノリニルアミン、デカメトニウム、エドロフォニウム、Bw284C51、フィゾスチグミン誘導体エプタスティグミン、メトリホナート、プロピジウム、ファシキュリン、有機リン酸エステル、カルバミン酸塩、イミノ1,2,3,4−テトラヒドロミクロペント[b]インドールカルバメート(AChE阻害剤フィソスタグミンとMAO阻害剤セレジリン及びトラニルシプロミンのハイブリッド)、N−ピリミジン4−アセチルアニリン誘導体、7−アリールオキシクマリン誘導体、プロパルギルアミノカルバメート例えばN−プロパルギルアミノインダン及びN−プロパルギルフェネチルアミン、ビタミンE、NOS阻害剤、コリン及びピロリジンコリンといった前駆物質、ならびにコリン作動性受容体アゴニスト(例えばニコチン性、特にα7及びムスカリン性)が有用であり得る。
その他のアルツハイマー治療
Aβ毒性の低減:抗炎症剤は、AD治療において有用であることが証明できるものと思われる(31)。イブプロフェン、インドメタシン及びスリンダクスルフィドといったような非ステロイド系抗炎症薬は、Aβ1−42の量を減少させる(32,33)。3−アミノピリダジンの誘導体といったような細胞死関連タンパク質キナーゼ(DAPK)は、Aβ活性化により星状細胞内の神経炎症性応答を変調させることができる(34)。シクロオキシゲナーゼ(COX−1及び−2)阻害剤、ビタミンC及びEといった酸化防止剤、ならびにメマンチンといったNMDAモジュレータも同じくAβの細胞毒性を低減させることができる。前述の通りのMAO阻害剤ラサジリン、セレジリン及びトラニルシプロミンは、ADにおいてより進行した形態への認知機能のさらなる劣化を遅延する確率が高い。
ホルモン代替。閉経後の女性によるエストロゲンの使用は、ADのリスクの減少と関連づけされてきた(35)。ホルモン代替を用いる女性は、疾病リスクが約50%減少していた。エストロゲンは、ガンマセクレターゼ経路におけるアミロイド前駆体タンパク質のプロセッシングを調節することにより抗アミロイド効果をもたらすことが発見された(36)。
脂質降下剤及びコレステロール変調。脂質降下剤(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリール補酵素A(HMG−CoA)リダクターゼ阻害剤)又はスタチンは、ADのリスク低下と関連づけられる。スタチンは、細胞内及び細胞外のAβペプチドの量を削減することが示された(37)。これらの作用物質には、メチル−β−シクロデキストリン、7−デヒドロコレステロールレダクターゼ(例えばBM15.766)、アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、P13K阻害剤例えばウォルトマニン、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、シムバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、コンパクチン、メビロニン、メバスタチン、ビザスタチン、ベロスタチン、シンビノリン、リバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチンが含まれる。
セレクターゼ阻害剤:β−及びγ−セレクターゼ(アスパラギン酸プロテアーゼ)の阻害剤は、Aβ1−40及びAβ1−42のレベルを低下させる確率が高く、α−セクレターゼ促進分子は同様にADの治療において有用であり得る。Aβペプチドはβ及びγ−セクレターゼによる逐次的タンパク質分解によりAPPから分割され、Aβ1−40、Aβ1−42及びAβ1−43を生成する。α−セクレターゼは同様に、APPも分割し、非アミロイド原性フラグメントであるフラグメントsAPPα及びC83を生成する。C83が次にγ−セクレターゼによって分割され、P3ペプチドを生成する。例えばペプチド阻害剤を用いたAβ産生のために必要とされるβ−部位アミロイド分割酵素(BACE)及びBACE2(β−セクレターゼ)の阻害剤は、ADに対する治療アプローチとして有用であり得る(38)。トリペプチドアルデヒド1、SIB−1281、OM99−2及びStat−Valが全てペプチド阻害剤である。非ペプチドBACE阻害剤には、アルコキシ置換テトラリンが含まれ、γ−セクレターゼ阻害剤には、ジフルオロケトンベースの化合物、SIB−1405、ヒドロキシ置換ペプチド尿素、アラニン−フェニルグリシン誘導体、カプロラクタム、ベンゾシアゼビン及びヘキサンアミドといったようなペプチド及び小分子の両方が含まれる。γ−セクレターゼの非ペプチド阻害剤には、フェニチルアミンスルフォンアミド、2環式スルホンアミド及びイソクマリンが含まれる。γ−セクレターゼメカニズムを通した有望なアミロイド産生阻害剤には、さらに、スルホンアミド、ジアリールアセチレン、イミダゾピリジン及びポリ酸素化芳香族構造が含まれる。α−セクレターゼ促進分子には、タンパク質キナーゼC活性化剤、グルタミン酸塩、カルバコール、ムスカリン性アゴニスト、AIT−082(Neotrophin (商標))、神経分化誘導物質、第II銅含有化合物及びコレステロール除去剤が含まれる。
Aβ凝集阻害剤:Aβは、ひとたびAPPから分割された時点で、神経毒性オリゴマ及び原線維へと凝集し得る。ペプチジル阻害剤(例えばペンタペプチド阻害剤)は、Aβと結合しAβ凝集体の形成を改変するペプチドの中央hydrophibic領域(Aβ10−25)からのAβフラグメント又はフラグメント類似体である。非ペプチジル阻害剤は、アミロイド結合染料コンゴレッド及びチオフラビンTの類似体、抗ガン剤ドキソルビシンの類似体(例えばアントラサイクリン−4’−デオキシ−4’−ヨードドキソルビシン(IDOX))、リファムピシン又はその類似体及びクリオキノールといった抗生物質、ベンゾフラン(例えばSKF−74652)、カプトプリル(例えばCPHPC)といった血清アミロイドタンパク質(SAP)の阻害剤、及びCu2+、ZN2+又はFe3+の添加による金属キレート化である。
神経原線維阻害剤:プロリン指向性キナーゼであるグリコーゲンシンターゼキナーゼ(GSK3β)及びサイクリン依存性キナーゼ5(cdk5)は、微小管と会合し、タウ粒子をAD関連エピトープにてリン酸化し、カルパインにより媒介され得るアポトーシスカスケードに関与する(39)。LiClといったようなGSK3β阻害剤、インジルビン及びパウロンといったGSK3β及びcdk5阻害剤、及びカルパイン阻害剤は、AC還元性神経原線維病においてタウ粒子病変を減少させることができる。パクリタキセルといった微小管安定化剤及び関連作用物質は、細胞の生存を増強し、Aβ−誘発されるアポトーシスを減少させる(40)。
β−アミロイド異化作用:アミロイドペプチドを分解する酵素又はこれらの酵素の内因性阻害剤がAD治療の標的であり得る。タンパク質分解酵素には、亜鉛メタロプロティナーゼ(例えばネプリリシン)、エンドテリン転換酵素、インシュリン分解酵素(例えばIDE、インシュリシン)及びプラスミンが含まれる。薬物介入のための標的を代表しうるネプリリシン阻害剤が同定されてきた(41)。
インターフェロン
インターフェロンは、老人性痴呆症の治療において有用であることを実証できるもう1種類の分子である。
インターフェロンは、サイトカインすなわち細胞間でメッセージを伝達し、感染をひき起こす微生物を破壊するのを助け結果としてのあらゆる損傷を修復することによって免疫系において不可欠な役割を果たす可溶性タンパク質である。インターフェロンは、感染した細胞により天然に分泌され、1957年に初めて同定された。その名前は、それがウィルスの複製及び産生と「干渉する」という事実に由来する。
インターフェロンは、抗ウィルス及び増殖防止活性の両方を示す。生化学及び免疫学的特性に基づいて、天然に発生するヒトインターフェロンは、3つの主要なクラスすなわちインターフェロン−アルファ(白血球)、インターフェロン−ベータ(線維芽細胞)及びインターフェロン−ガンマ(免疫性)に分類される。アルファインタフェロンは、現在、毛様細胞白血病、性病いぼ、カポジ肉腫(一般に後天性免疫不全症候群(エイズ)患者がかかるガン)及び慢性非A非B型肝炎の治療のために米国及びその他の国で承認されている。
さらに、インターフェロン(IFNs)は、ウィルス感染に応答して身体が産生する糖タンパク質である。これらは、防護された細胞内のウィルスの繁殖を阻害する。比較的低い分子量のタンパク質から成るIFNは、その作用において並外れて非特異的である。すなわち1つのウィルスによって誘発されたIFNは、広範囲のその他のウィルスに対して有効である。しかしながらこれらは種特異的である。すなわち1つの種により産生されたIFNは、同じ又は密に関連する種の細胞においてのみ抗ウィルス活性を刺激することになる。IFNは、その潜在的抗腫瘍及び抗ウィルス活性のため開発利用の対象とすべき最初のサイトカイン群であった。
3つの主要なIFNは、IFN−α、INF−β及びINF−γと呼ばれる。かかる主要な種類のIFNは、当初その由来細胞[白血球、線維芽細胞又はT細胞]に従って分類された。しかしながら、1つの細胞により複数のタイプが産生され得ることが明らかになった。従って、白血球IFNは現在IFN−αと呼ばれ、線維芽細胞IFNはINF−βと、そしてT細胞IFNはINF−γと呼ばれている。第4のタイプのIFNすなわち、「Namalwa」細胞系統(パーキットリンパ腫に由来する)内で産生されるリンパ芽球様IFNも存在し、これは白血球及び線維芽細胞IFNの両方の混合物を産生すると思われる。
インターフェロン単位又はインターフェロン用の国際単位(U又は国際単位としてIU)は、ウィルス損傷から細胞の50%を保護するのに必要な量として定義されたIFN活性の一つの尺度として報告されてきた。生物活性を測定するために使用可能な検定は、記述された通りの細胞変性効果阻害検定である(42)。インターフェロンについてのこの抗ウィルス検定においては、約1単位/mlのインターフェロンが50%の細胞変性効果を生み出すのに必要な数量である。この単位は、国立衛生研究所により提供されたHu−IFN−ベータについての国際基準規格との関係において決定されている(43)。
全てのIFNクラスは、全く異なる複数のタイプを含んでいる。INF−β及びINF−γは各々単一の遺伝子の産物である。
IFNs−αとして分類されたタンパク質は、約15タイプを含有する最も多様性ある群である。少なくとも23の成員を含み、そのうち15が活性で転写されている、IFN−α遺伝子のクラスタが染色体9に存在する。
IFN−α及びINF−βは、類似の生物学的活性を伴って全て同じ長さ(165又は166個のアミノ酸)である。INFs−γは、長さが146個のアミノ酸であり、α及びβクラスとの類似度は比較的低い。INFs−γのみがマクロファージを活性化するか又はキラーT細胞の成熟を誘発することができる。実際、これらの新しいタイプの治療剤は、腫瘍に対する生体の応答に対する効果をもち、免疫変調を介して認識に影響を及ぼすことから、生物反応修飾物質と呼ぶことができる。
特に、ヒト線維芽細胞インタフェロン(INF−β)は、抗ウィルス活性を有し、同様に新生細胞に対してナチュラルキラー細胞を刺激することもできる。それは、ウィルス及び2本鎖RNAにより誘発される約20,000Daのポリペプチドである。組換えDNA技術によりクローニングされた線維芽細胞インターフェロン用の遺伝子のヌクレオチド配列から、(44)は該タンパク質の完全なアミノ酸配列を演繹した。その長さはアミノ酸166個である。
その抗ウィルス活性を根絶した塩基842における突然変異(位置141でCys→Tyr)及びヌクレオチド1119〜1121の欠失を伴う変異体クローンが記述された(45)。
塩基469(T)を(A)と置換し位置17でCys→Serへのアミノ酸の切換えをひき起こすことによって、人工的突然変異が挿入された(46)。結果としてのINF−βは、「未変性」INF−βと同じ位活性でありかつ長期保管(−70℃)中安定しているものとして報告された。
Rebif(登録商標)(組換え型ヒトインターフェロン−β)は、多発性硬化症(MS)のためのインターフェロン療法における最近の開発であり、治療における有意な進歩を表わしている。Rebif(登録商標)は、哺乳動物の細胞系統から産生されたインターフェロン(IFN)−ベータである。インターフェロンベータ−1aを一週間に3回皮下投与することは、再発性−緩解期多発性硬化症(RR−MS)の治療において有効である。インターフェロンベータ−laは、再発の回数及び重症度を低減させ、MRIにより測定されるような疾病の活性及び疾病の負担を軽減することによって、MSの長期経過に対しプラスの効果を及ぼすことができる(The Lancet,1998)。
INF−βは星状細胞による神経成長因子産生の強力なプロモータであることが示されてきており、この観察に基づいて、INF−βがADにおける潜在的有用性をもち得るということが示唆されたが、この供述を裏づけするその他の何らかの証拠も実験データも存在しない(47)。
ADにおける最も一般的な治療戦略は、Aβレベルを降下させること及び、(1)Aβペプチドへのアミロイド前駆体タンパク質(APP)のプロセッシングの阻害、(2)Aβ凝集の阻害、反転又は浄化、(3)コレステロール削減及び(4)Aβ免疫化を通して毒性Aβ凝集体のレベルを低下させることに向けられている。本発明には、AD及び海綿状脳症の治療には単独での、又AD治療用に相乗効果を生み出すためには前述の利用可能なAD戦略を組合せた形での、インターフェロンβの使用が関与している。
本発明は、単独での又はコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)と組合せでのINF−βの投与が早期発症のアルツハイマー病(AD)に対し有利な効果をもち、早期発症のアルツハイマー患者において該疾病の臨床的徴候を有意に減少するという発見事実に基づいている。アルツハイマー病及び海綿状脳症の共通の特長に基づいて、INF−βは同様にクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)又はゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSSD)にとっても有利であると思われる。
従って、本発明の第1の目的は、AD、CJD又はGSSDの治療及び/又は予防用の医薬品の製造のために、インターフェロンβ(INF−β)又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分又は塩を使用することにある。
本発明の第2の目的は、ADの治療及び/又は予防向けの医薬品の製造のために、アルツハイマー病治療剤と組合わせた形で、INF−β又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分又は塩を使用することにある。
本発明の第3の目的は、早期発症ADの治療及び/又は予防用の医薬品の製造のために、単独で又はコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤と組合せた形でINF−β又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分又は塩を使用することにある。
本発明の第4の目的は、ADの治療及び/又は予防用の医薬品の製造のために、コリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤と組合せた形でINF−β又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分又は塩を使用することにある。
本発明の第5の目的は、アルツハイマー病治療のために、同時、逐次又は個別向けの、ただし合同投与のための、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択されたアルツハイマー病治療剤を含む組成物と、IFN−βを含む組成物という、1つの包装単位の形で製造された2つの別々の組成物から成る物質を使用することにある。
本発明の第6の目的は、単数又は複数の薬学的に受容可能な賦形剤の存在下で、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択されたアルツハイマー病治療剤及びINF−βを含む薬学組成物を提供することにある。
本発明に従うと、インターフェロンβは、単独でか又はコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)と組合せた形で投与された場合、早期発症アルツハイマー病(AD)の臨床的重症度に対し著しく有利な効果を及ぼすことが発見された。その上、INF−βは、早期発症AD患者においてコリンエステラーゼ阻害剤の治療活性を相乗的に増強させることによって早期発症患者の条件を改善するということが示された。INF−βがアルツハイマー病治療剤(すなわちChEI)のポテンシエーターであるという事実に基づいて、その他のアルツハイマー病治療剤と組合せた形でのINF−βがADに有利であると思われる。一般的特長に基づくと、INF−βは同様に、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)又はゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSSD)のような海綿状脳症用としても治療上有用であると思われる。
従って、本発明の1つの態様は、アルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病又はゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病の治療及び/又は予防のための医薬品の製造を目的としたインターフェロン−β(INF−β)又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分又は塩の使用に関する。
第2の態様では、本発明は、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択されたアルツハイマー病治療剤と組合わせたインターフェロン−β(INF−β)又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分又は塩の、同時、逐次又は個別使用向けのアルツハイマー病の治療及び/又は予防用医薬品の製造を目的とした使用に関する。
好ましくは、本発明は、アルツハイマー病の特定のサブカテゴリに関し、このADサブカテゴリは早期発症サブカテゴリと呼ばれる。
「早期発症のAD」という語は、本書では、AD発症年令が一貫して60〜65才以前であり、往々にして55才以前である患者のサブカテゴリを包含している。
さらに好ましくは、前記コリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤及び/又はブチリルコリンエステラーゼ阻害剤又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、組換え型タンパク質、機能的誘導体、活性画分又は塩である。
さらに最も好ましくは、ChEIは、ドネペジル、リバスティグミン、ガランタミン、タクリン、アミリジン、ミナプリン、ヒューペルジン、ヒュープリン、ビス−テトラヒドロアミノアクリジン(ビス−THA)、イミダゾール、1,2,4−チアジアゾリジノン、ベンズアゼピン、4,4’−ビピリジン、インデノキノリニルアミン、デカメトニウム、エドロフォニウム、フィゾスチグミン、メトリホナート、プロピジウム、ファシキュリン、有機リン酸エステル、カルバミン酸塩、イミノ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドールカルバメート、N−ピリミジン4−アセチルアニリン、7−アリールオキシクマリン、プロパルギルアミノカルバメート、ビタミンE、NOS阻害剤、コリン及びピロリジンコリンといったACh前駆物質、又はコリン作動性受容体アゴニスト(例えばニコチン性、特にα7−及びムスカリン性)である。
さらに好ましくは、前記Aβ毒性降下剤は、イブプロフェン、インドメタシン、スリンダクスルフィド、3−アミノピリダジンの誘導体といったような細胞死関連タンパク質キナーゼ(DAPK)阻害剤、シクロオキシゲナーゼ(COX−1及び−2)阻害剤、ビタミンC及びEといった酸化防止剤、メマンチンといったNMDAモジュレータ又はラサジリン、セレジリン及びトラニルシプロミンといったMAO阻害剤である。
さらに好ましくは、ホルモン代替剤は、エストロゲンである。
さらに好ましくは、脂質降下剤は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レゼクターゼ阻害剤、スタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、シムバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、コンパクチン、メビロニン、メバスタチン、ビザスタチン、ベロスタチン、シンビノリン、リバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン、メチル−β−シクロデキストリン、7−デヒドロコレステロールレダクターゼ、アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤又はウォートマニンといったP13K阻害剤である。
さらに好ましくは、セクレターゼ変調剤は、β又は/及びγ−セクレターゼ阻害剤又はα−セクレターゼ促進分子の阻害剤である。
さらに最も好ましくは、β−セクレターゼ阻害剤は、トリペプチドアルデヒド1 アルコキシ置換テトラリンといったBACE及びBACE2阻害剤であり、γ−セクレターゼ阻害剤は、ジフルオロケトンベースの化合物、ヒドロキシ置換ペプチド尿素、アラニン−フェニルグリシン誘導体、カプロラクタム、ベンゾジアゼピン、ヘキサンアミド、フェンキルアミン、スルホンアミド、2環式スルホンアミド、イソクマリン、ジアリールアセチレン、イミダゾピリジン、ポリ酸素化芳香族構造であり、α−セクレターゼ促進分子は、タンパク質キナーゼC活性化剤、グルタミン酸塩、カルバコール、ムスカリン性アゴニスト、神経分化誘導物質又は第II銅含有化合物である。
さらに好ましくは、Aβ凝集阻害剤は、ペプチジル阻害剤(例えばペンタペプチド阻害剤)、アミロイド結合染料コンゴレッド及びチオフラピンTの類似体、抗がん剤ドキソルビシンの類似体、リファムピシン又はその類似体及びクリオキノールといったような抗生物質、ベンゾフラン、カプトプリルといったような血清アミロイドタンパク質(SAP)の阻害剤、又はCu2+、ZN2+又はFe3+の添加による金属キレート剤である。
さらに好ましくは、神経原線維阻害剤は、LiClといったようなGSK3β阻害剤、インジルビン及びパウロンといったGSK3β及びcdk5阻害剤、カルパイン阻害剤、又はパクリタキセル及び関連作用物質である。
さらに好ましくは、β−アミロイド異化作用阻害剤は、亜鉛メタロプロティナーゼ(例えばネプリリシン)、エンドテリン転換酵素、インシュリン分解酵素(例えばIDE、インシュリシン)、プラスミン、又はネプリリシン阻害剤である。
第3の態様では、本発明は、アルツハイマー病の治療を目的とした、同時、逐次又は個別使用向けの、ただし合同投与のための、一方はIFN−βを含有し、もう一方は、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択されたアルツハイマー病治療剤を含有する、一包装単位の形で製造された2つの別々の組成物から成る物質の使用に関する。
第4の態様では、本発明は、単数又は複数の薬学的に受容可能な賦形剤の存在下での、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択されたアルツハイマー病治療剤とINF−βを含んで成る薬学組成物を提供している。
本発明に従うと、アルツハイマー病治療剤及びインターフェロンβは、同時に、逐次的に又は別々に使用することができる。
「コリンエステラーゼ阻害剤」という語は例えば、コリンエステラーゼ活性に対する阻害活性をもつタンパク質、ペプチド又は小分子量化合物であり得る。これは又、コリンエステラーゼ活性を減速、減少、降下、減退、低減又は縮小させる作用物質でもあり得る。コリンエステラーゼ活性を有する、減少させる又は阻害する作用物質はさらに、コリンエステラーゼ活性を劣化又は根絶するあらゆる作用物質であってもよい。かかる作用物質の例としては、コリンエステラーゼに対して向けられた抗体が含まれる。
本発明の状況下で「予防」という語は、疾病又はその単数又は複数の症候の完全な予防のみならず、疾病の早期発症における又はその前の効果へあらゆる部分的又は実質的な予防、減衰、削減、減少又は縮小をも意味する。
本発明の状況における「治療」という語は、疾病の発症の後の病理的発達の減衰、削減、減少又は縮小を含む疾病の進行に対する何らかの有利な効果を意味する。
本書で使用される「インターフェロンβ(INF−β)」という語は、生体液からの単離によって得られる又は原核又は真核宿主細胞からDNA組換え型技術によって得られるようなヒト線維芽細胞インターフェロンを内含するものと意図されている。ヒト由来のインターフェロンβ又はINF−βの使用も同様に、本発明に従って好まれる。本書で使用するインターフェロンβ又はINF−βという語は、その塩、イソ型、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、変異体、類似体及び活性フラグメントを包含するように意図されている。
本書で使用される通りの「コリンエステラーゼ阻害剤(ChE1)」は、天然に発生するその対立遺伝子と、植物、昆虫、魚、動物又はヒト由来のコリンエステラーゼ(ChE)阻害剤を両方の意味するものとする。
1実施形態においては、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤は、そのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、組換え型タンパク質、機能的誘導体、ハイブリッド、変異体、活性画分又は塩である。
好ましい1実施形態においては、コリンエステラーゼ阻害活性をもつ作用物質は、コリンエステラーゼ阻害剤又はそのイソ型、ムテイン、融合タンパク質、組換え型タンパク質、機能的誘導体(例えば単一、2重(例えばヒューペルジンA−タクリン2量体誘導体)又は複数結合部位ChE阻害剤)、変異体、類似体、ハイブリッド(例えばヒュープリンならびに1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドールカルバメートといったようなMAO−AChE阻害剤)、活性フラグメント又は塩である。
本発明に従うと、コリンエステラーゼ阻害剤は同様に、コリンエステラーゼ受容体を阻害する分子でもあり得る。類似の要領で、セクレターゼ阻害剤は同様に、セクレターゼ受容体を阻害する分子でもあり得る。
以下では、「アルツハイマー治療剤」及び特にコリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤そしてさらに特別にはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤又は/及びブチリルコリンエステラーゼ阻害剤も同様に、「発明の物質(単複)」と呼ぶことができる。
本書で使用する「ムテイン」という語は、本発明の野生型物質と比べて結果としての生成物の活性と著しく変更することなく、本発明の天然物質のアミノ酸残基のうちの単数又は複数のものが異なるアミノ酸残基によって置換されているか又は欠失されているか又は、本発明の物質の天然配列に対し単数又は複数のアミノ酸残基が添加されている、本発明に従った物質の類似体を意味する。これらのムテインは、既知の合成及び/又は部位特異的突然変異誘発技術又はそれに適したその他の既知のあらゆる技術によって調製される。
このような任意のムテインは、好ましくは、例えば本発明の物質と実質的に類似の、さらにはそれより優れた活性をもつように、本発明の物質のものと充分に重複するアミノ酸の配列を有する。インターフェロンβ及びコリンエステラーゼ阻害剤の生物学的機能は当業者にとって周知であり、生物学的標準品が設定されており、INF−βについては例えば国立生物学的製剤研究所(http://immunology.org/links/NIBSC)から入手可能である。
INF−βの決定のための生物学的検定が記述されてきた。INF検定は、例えばRukinstein et al., 1981により記述された通りに実施可能である。かくして、任意の与えられたムテイン、誘導体、ハイブリッドがINF−βと類似の、さらにはそれよりも優れた活性を有するか否かを、日常的な実験により決定することができる。
本発明に従って使用可能である本発明の物質のムテイン又はその核酸コーディングには、本書で提示されている教示及び指針に基づき、必要以上の実験無く、当業者が日常的に獲得できる置換ペプチド又はポリヌクレオチドとして実質的に対応する配列の有限集合が内含される。
当業者であれば、必要以上の実験無く、本発明の物質のハイブリッド、誘導体、単一、2重、複数結合部位ChE阻害剤、変異体及び類似体を日常的に得ることができる。
本発明に従ったムテインについての好ましい変化は、「保存的」置換として知られているものである。本発明のポリペプチド又はタンパク質の保存的アミノ酸置換には、類似の物理化学特性を充分有するためその成員間の置換が分子の生物学的機能を保存することになるような一群中の同義語アミノ酸が含まれる可能性がある。アミノ酸の挿入及び欠失も、特に例えば30未満好ましくは10未満のわずかなアミノ酸がそれに関与しているにすぎず、例えばシステイン残基といった機能的立体構造にとってきわめて重要であるアミノ酸を除去しない又は変位させない場合に、その機能を改変することなく上述の配列内で行なうことができるということは明白である。このような欠失及び/又は挿入により産生されるタンパク質及びムテインは、本発明の範囲内に入る。
好ましくは、同義語アミノ酸は、表Iに規定されているものである。より好ましくは、同義語アミノ酸基は、表IIに規定されているものであり、最も好ましくは、同義語アミノ酸基は表IIIに規定されているものである。
表1
同義語アミノ酸の好ましい基
アミノ酸 同義語基
Ser Ser、Thr、Gly、Asn
Arg Arg、Gln、Lys、Glu、His
Leu Ile、Phe、Tyr、Met、Val、Leu
Pro Gly、Ala、Thr、Pro
Thr Pro、Ser、Ala、Gly、His、Gln、Thr
Ala Gly、Thr、Pro、Ala
Val Met、Tyr、Phe、Ile、Leu、Val
Gly Ala、Thr、Pro、Ser、Gly
Ile Met、Tyr、Phe、Val、Leu、Ile
Phe Trp、Met、Tyr、Ile、Val、Leu、Phe
Tyr Trp、Met、Phe、Ile、Val、Leu、Tyr
Cys Ser、Thr、Cys
His Glu、Lys、Gln、Thr、Arg、His
Gln Glu、Lys、Asn、His、Thr、Arg、Gln
Asn Gln、Asp、Ser、Asn
Lys Glu、Gln、His、Arg、Lys
Asp Glu、Asn、Asp
Glu Asp、Lys、Asn、Gln、His、Arg、Glu
Met Phe、Ile、Val、Leu、Met
Trp Trp
表2
同義語アミノ酸のより好ましい基
アミノ酸 同義語基
Ser Ser
Arg His、Lys、Arg
Leu Leu、Ile、Phe、Met
Pro Ala、Pro
Thr Thr
Ala Pro、Ala
Val Val、Met、Ile
Gly Gly
Ile Ile、Met、Phe、Val、Leu
Phe Met、Tyr、Ile、Leu、Phe
Tyr Phe、Tyr
Cys Cys、Ser
His His、Gln、Arg
Gln Glu、Gln、His
Asn Asp、Asn
Lys Lys、Arg
Asp Asp、Asn
Glu Glu、Gln
Met Met、Phe、Ile、Val、Leu
Trp Trp
表3
同義語アミノ酸の最も好ましい基
アミノ酸 同義語基
Ser Ser
Arg Arg
Leu Leu、Ile、Met
Pro Pro
Thr Thr
Ala Ala
Val Val
Gly Gly
Ile Ile、Met、Leu
Phe Phe
Tyr Tyr
Cys Cys、Ser
His His
Gln Gln
Asn Asn
Lys Lys
Asp Asp
Glu Glu
Met Met、Ile、Leu
Trp Met
本発明で使用するための本発明の物質のムテインを得るために使用可能なタンパク質中のアミノ酸置換の生成例には、Mark et alに対する米国特許第4,959,314号、4,588,585号及び4,737,462号;Koths et alに対する米国特許第5,116,943号;Namen et alに対する4,965,195号;Chong et alに対する4,879,111号;及びLee et alに対する5,017,691号で提示されている通りの既知のあらゆる方法ステップ;ならびに米国特許第4,904,584号(Shaw et al)に提示されているリジン置換されたタンパク質が内含されている。INF−βの特異的ムテインが、例えばMark et al.,1984によって記述されてきた。
「融合タンパク質」という語は、例えば体液中で長い滞留時間を有するもう1つのタンパク質に融合された本発明の物質又はそのムテインを含むポリペプチドを意味する。本発明の物質はかくして、もう1つのタンパク質、ポリペプチド又はそれに類するもの例えば免疫グロブリン又はそのフラグメントに融合可能である。
本書で使用されている「機能的誘導体」は、当該技術分野において既知の手段により残基又はN又はC末端基上の側鎖として発生する官能基から調製可能である本発明の物質及びそのムテイン及び融合タンパク質の誘導体を網羅し、それらが薬学的に需要可能なものであり続けるかぎり、すなわち、本発明の物質の活性と実質的に類似するタンパク質の活性を破壊せず又それを含有する組成物に対し毒性特性を付与しないかぎりにおいて本発明の中に内含される。これらの誘導体は、例えば、抗原部位を隠し体液中の本発明の物質の滞留を延長することのできるポリエチレングリコール側鎖を内含し得る。その他の誘導体としては、カルボキシ基の脂肪族エステル、アンモニア又は第1級又は第2級アミンとの反応によるカルボキシ基のアミド、アシル部分(例えばアルカノイル又は炭素環式アロイル基)で形成されたアミノ酸残基の遊離アミノ基のN−アシル誘導体又はアシル部分で形成された遊離ヒドロキシル基のOアシル誘導体(例えばセリル又はトレオニル残基のもの)が含まれる。
本発明は、その画分が本発明の対応する物質と比較して著しく削減された活性をもたないことを条件として、会合分子又はそれにリンクされた残基例えば糖又はリン酸残基と合わさった又は単独のタンパク質分子或いは、タンパク質分子又は糖残基自体の凝集体のポリペプチド鎖のあらゆるフラグメント又は前駆物質を、本発明の物質又はムテイン又は融合タンパク質の「活性画分」として網羅する。
本書の「塩」という語は、カルボキシ基の塩及び上述のタンパク質又はその類似体のアミノ基の酸付加塩の両方を意味する。カルボキシル基の塩は、当該技術分野において既知の手段によって形成され得、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、第2鉄塩又は亜鉛塩などといった無機塩、及び、トリエタノールアミン、アルギニン又はリジン、ピペリジン、プロカインなどといったようなアミンと共に形成されるもののような有機塩基との塩を内含し得る。酸付加塩には、例えば、塩酸又は硫酸といったような鉱酸及び例えば酢酸又はシュウ酸といったような有機酸との塩が含まれる。当然のことながら、このような塩はすべて、本発明に関係するタンパク質の生物活性(それぞれINF−β及びアルツハイマー病治療剤)、すなわち対応する受容体に結合し受容体シグナリングを開始させる能力)を保持しなければならない。
最も一般的な痴呆はアルツハイマーである。従って、本発明の好ましい実施形態においては、INF−β単独又はコリンエステラーゼ阻害剤との組合せでのINF−βの使用がアルツハイマー病(AD)の治療及び/又は予防のために用いられる。
AChEIは、ADの一般的形態に比べ早期発症ADにおいてさらに効率が高いということが記述されてきた。従って、本発明の最も好ましい実施形態においては、早期発症アルツハイマー病の治療及び/又は予防のために、単独で又はコリンエステラーゼ阻害剤と組合わせた形でINF−βの使用が用いられる。
本発明に従うと、組換え型ヒトIFN−β及びタクリン、アミリジン、ドネペジル誘導体TAK−147及びCP−118´954、ミナプリン、ヒューペルジン、ヒュープリン、bis−テトラヒドロアミノアクリジン(bis−THA)誘導体、例えばびbis(7)−タクリン、イミダゾール、1,2,4−チアジアゾリジノン、ベンズアゼピン誘導体、4、4´−ビピリジン、インデノキノリニルアミン、デカメトニウム、エドロフォニウム、Bw284C51、フィソスティグミン誘導体エプタスティグミン、メトリフォネート、プロピジウム、ファシキュリン、有機リン酸エステル、カルバミン酸塩、イミノ1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドールカルバメート(AChE阻害剤フィゾスチグミン及びMAO阻害剤セレギリン及びトラニルサイプロミンのハイブリッド)、N−ピリミジン4−アセチルアニリン誘導体、7−アリールオキシクマリン誘導体、N−プロパルギルアミノインダン及びN−プロパルギルフェネチルアミンといったプロパルギルアミノカルバメート例えば、ビタミンE、NOS阻害剤、コリン及びピロロリジンコリンといった前駆物質並びにコリン作動性アゴニスト(例えば、ニコチン性、特にα7、及びムスカリン性)の使用が特に好ましい。
本発明に従うと、組換え型ヒトINF−β及びドネペジル、リバスティグミン又はガランタミンの使用が最も好ましい。
さらに好ましい実施形態においては、融合タンパク質はIg融合を含む。該融合は直接的なものであってもよいし、又は長さが1〜3アミノ酸残基という短かいものであるか又は例えば13アミノ酸残基という比較的長いものであり得る短かいリンカーペプチドを介したものであってもよい。前記リンカーは例えば配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチドであっても、又は本発明の物質の配列と免疫グロブリン配列の間に導入された、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metを含む13アミノ酸リンカー配列であってもよい。結果として得られる融合タンパク質は、体液中での滞留時間(半減期)の延長、比活性の増大、発現レベルの増大といった改善された特性を有するか又は融合タンパク質の精製が容易になる。
好ましい実施形態においては、INF−βは、Ig分子の定常領域に融合される。好ましくは、それは例えばヒトIgG1のCH2及びCH3ドメインのような重鎖領域に融合される。イソ型IgG2又はIgG4又は例えばIgM又はIgAのようなその他のIgクラスといったような、Ig分子のその他のイソ型も、本発明に従った融合タンパク質の生成に適している。融合タンパク質は、単量体又は多量体、ヘテロ又はホモ多量体であってよい。
本発明は、インターフェロンβの単一使用又はアルツハイマー病治療剤とのその組合せに関する。それが単量体であろうと多量体であろうと、2つ又は3つの別々の分子ではなく、1つの単一分子を投与できるように治療用構成要素を互いにリンクさせることも又可能である。多量体融合タンパク質は、Ig部分に融合されたコリンエステラーゼ阻害剤ならびにIg部分に融合されたINF−βを含むことができる。一緒に発現された場合、例えばジスルフィド架橋によってリンクされ得る結果としての融合タンパク質は、アルツハイマー病治療剤及びINF−βの両方を含むことになる。本発明の化合物はさらに、例えばポリエチレン分子といったような他のあらゆる架橋剤又は部分によってリンクされ得る。
さらなる好ましい実施形態においては、機能的誘導体は、アミノ酸残基上で単数又は複数の側鎖として発生する単数又は複数の官能基に付着させられた少なくとも1つの部分を含む。好ましくは、該部分は、ポリエチレン(PEG)部分である。PEG化は、例えば国際公開第99/55377号パンフレット中に記述されたものといったような既知の方法によって実施することができる。
AD、CJD又はGSSDの治療のためのヒトINF−βの投薬量は、一日80,000IU/kg及び200,000IU/kgから又は一日一人あたり6MIU(100万国際単位)及び12MIU又は一人あたり22〜44μg(マイクログラム)の範囲内にある。本発明に従うと、INF−βは、約1〜50μg、より好ましくは約10〜30μg又は一日一人あたり約10〜20μgの投薬量で投与可能である。好ましい投与経路は、例えば一週間に3回の割合での皮下投与である。さらに好ましい投与経路は、例えば一週間に一回適用され得る筋内投与である。
好ましくは、22〜44μg又は6MIU〜12MIUのINF−βが皮下注射により一週間に三回投与される。
INF−βは一日おきに250〜300μg又は8MIU〜9.6MIUの投薬量で皮下投与され得る。
30μg又は6MIUのINF−βをさらに一週間に一度筋内投与することもできる。
INF−βは同様に毎日又は隔日で、又はそれ以下の頻度で投与することもできる。
本発明に従った活性成分の投与は、静脈内、筋内又は皮下経路によるものであってよい。INF−βのための好ましい投与経路は皮下経路である。
AD治療においては、現在使用されているタクリンの標準投薬量は一日4回10mgずつであり、推奨される最大量は40mg/日である。現在、タクリンカプセルが経口摂取されている。ドネペジルについては、標準投薬量は5mg/日であり、推奨される最大量は一日10mgである。現在、ドネペジルの錠剤が経口摂取されている。リバスティグミンについては、一日2回1.5mgずつが標準投薬量であり、推奨最大量は一日2回6mgずつである。現在、リバスティグミンのカプセルが経口摂取されている。ガランタミンについては、現在使用されている標準投薬量は一日2回4mgずつである。現在、ガランタミンの錠剤が経口摂取されている。
好ましい実施形態においては、タクリンは一日一人あたり約0.1〜200mg、好ましくは一日一人あたり約10〜150mg、より好ましくは一日一人あたり約20〜60mg、又は一日一人あたり約60〜100mgの投薬量で投与される。
もう1つの好ましい実施形態では、ドネペジルが一日一人あたり約0.1〜200mg、好ましくは約1〜100m、より好ましくは約2〜30mg、又は約30〜60mgの投薬量で投与される。
もう1つの好ましい実施形態では、リバスティングミンが、一日一人あたり約0.1〜200mg、好ましくは約0.3〜50mg、より好ましくは約0.5〜20mg又は約20〜40mgの投薬量で投与される。
もう1つの好ましい実施形態では、ガランタミンが一日一人あたり約0.1〜200mg、好ましくは約0.5〜100mg、より好ましくは約1〜30mg、又は約30〜60mgの投薬量で投与される。
利用される実際の投薬量は、患者の必要条件及び処理対象の身体条件の重症度に応じて変動し得る。特定の状況についての適切な用法・用量の決定は当該技術分野の技能範囲内にある。便宜上、合計一日投薬量は、必要に応じてその日のうちの分量に分割され投与されてもよい。
好ましい実施形態においては、コリンエステラーゼ阻害剤は好ましくは経口投与される。
投与様式に応じて、本発明の化合物は、約0.01〜約15重量%、好ましくは約1〜10重量%の化合物を有する軟こう、クリーム、フォーム及び溶液を形成するべく適切な希釈剤及び担体を用いて処方可能である。
「薬学的に受容可能な」という語は、活性成分の生物活性の有効性と干渉せず投与対象の宿主にとって毒性のないあらゆる担体を包含することになっている。例えば、非経口投与のためには、活性タンパク質(単複)を、食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミン及びリンゲル溶液といったビヒクル中の注射用単位投薬形態の形で処方することができる。
本発明に従った薬学組成物の活性成分は、さまざまなやり方で個体に投与可能である。投与経路には、皮内、経皮(例えば徐放性製剤中)、筋肉、腹腔内、静脈内、皮下、経口、硬膜外、局所、鼻腔内経路が含まれる。例えば、活性作用物質をin vivoで発現及び分泌させる活性作用物質をコードするDNA分子が患者に投与される(例えばベクタを介して)遺伝子療法によるもの又は上皮又は内皮組織を通した吸収といった、その他のあらゆる治療的に効果の高い投与経路を使用することができる。さらに、本発明に従ったタンパク質(単複)は、薬学的に受容可能な界面活性剤、賦形剤、担体、希釈剤及びビヒクルといったような生物学的に活性な作用物質のその他の成分と共に投与することができる。
皮下経路は、本発明に従ったINF−βにとって好ましいものである。
本発明を実施するもう1つの可能性は、本発明の化合物すなわちアルツハイマー病治療剤及び/又はINF−βのために遺伝子を内生的に活性化させることにある。この場合、通常はコリンエステラーゼ阻害剤及び/又はINF−βの発現について沈黙しているか又は充分でない量のコリンエステラーゼ阻害剤及び/又はINF−βの量を発現する細胞の中で、INF−βの内因的産生を誘発しかつ/又は増強させ例えばコリンエステラーゼの内因的産生を減少又は阻害させるためのベクトルが、AD、CJD又はGSSDの治療のために用いられる。該ベクタは、INF−βを発現しコリンエステラーゼを抑制することが望まれる細胞内で機能的な調節配列を含み得る。INF−βの場合におけるかかる調節配列は、例えばプロモータ又はエンハンサであり得、コリンエステラーゼの場合にはレプレッサ又はサイレンサであり得る。調節配列はこのとき相同な組換えによりゲノムの正しい遺伝子座内に導入され、かくして、発現の誘発又は増強が必要とされている遺伝子と調節配列を作動的にリンクさせることが可能である。該技術は通常、「内因性遺伝子活性化」[E.G.A]と呼ばれ、それについては例えば国際公開第91/09955号パンフレット内で記述されている。
本発明はさらに、AD及び感染症の治療及び/又は予防のための医薬品の製造における、INF−β及び/又はアルツハイマー病治療剤を産生するように遺伝的に修飾された細胞の使用にも関する。
非経口(例えば静脈内、皮下、筋内)投与のためには、活性タンパク質(単複)を、薬学的に受容可能な非経口ビヒクル(例えば水、食塩水、デキストロース溶液)及び等張性(例えばマンニトール)又は化学的安定性(例えば防腐剤及び緩衝液)を維持する添加剤と結びつけた形で、溶液、懸濁液、エマルジョン又は凍結乾燥された粉末として処方することができる。該製剤は、一般的に用いられている技術により滅菌される。
本発明に従った活性タンパク質(単複)の生物学的利用能は同様に、PCT特許出願国際公開第92/13095号パンフレット中で記述されているように、例えば分子をポリエチレングリコールにリンクすることといった、人体内の分子の半減期を増大させる接合手順を用いることによっても改善可能である。
個体に対し単一又は多数の用量として投与される投薬量は、薬物動態特性、投与経路、患者の身体条件及び特徴(性別、年令、体重、健康、サイズ)症候の程度、併用治療、治療頻度及び所望の効果を含めたさまざまな要因に応じて変動することになる。
本発明の物質は、毎日又は一日おきに、又はさらに少ない頻度で投与可能である。好ましくは、本発明の物質のうちの単数又は複数のものは、一週あたり1回、2回又は3回投与される。
一日用量は、通常、所望の結果を得るのに有効な持続放出形態で又は分割用量で与えられる。2回目以降の投与は、その個体に投与された初期の又は先行する用量と同じ又はそれより少ないかそれより多い投薬量で実施可能である。2回目以降の投与は、疾病の発症中又はそれに先立って行なうことができる。
本発明に従うと、本発明の物質は、その他の治療用投薬計画又は作用物質(例えば多重薬物投薬計画)に先立って、又はそれと同時に又はそれにひき続いて、治療上有効な量で個体に対し、予防的に又は治療用として、投与することができる。他の治療用作用物質と同時に投与される活性作用物質は、同一の又は異なる組成で投与することができる。
雑誌記事又は抄録、公開済み又は未公開の米国又は外国特許出願、発行された米国又は外国特許又はその他のあらゆる参考文献を含めた、本書に引用される全ての参考文献は、引用されている参考文献中で提示されている全てのデータ、表、図及びテキストを含め、本書に参考として全体が内含される。さらに、本書で引用される参考文献の中で引用されている参考文献の内容全体も同様に、参考として全体が内含される。
既知の方法ステップ、従来の方法ステップ、既知の方法又は従来の方法に対する参照指示は、いかなる形であれ、本発明の任意の態様、記述又は実施形態が関連技術において開示、教示又は示唆されていることの是認とはならない。
特定の実施形態についての以上の記述は、本発明の全体的性質を完全に顕示していることから、その他の人物は、本発明の全体的概念から逸脱することなく、必要以上の実験無く(本書に引用されている参考文献の内容を含めた)当該技術分野の技能範囲内に入る知識を適用することによってかかる特定の実施形態をさまざまな利用分野のために容易に修正及び/又は適合することが可能である。従って、かかる適合及び修正は、本書に提示されている教示及び指針に基づき、開示された実施形態の等価物の意味合い及び範囲の中に入るものであることが意図されている。本書中の表現又は用語は制限的意味をもたず説明を目的としており、従って本明細書の用語又は表現は、当業者の知識と組合せて本書中に提示されている教示及び指針に照らして当業者が解釈すべきものであるというふうに理解すべきである。
本発明を以上で記述してきたが、本発明を制限することを意図せず例示を目的として提供されている以下の例を参照することにより、本発明がより容易に理解されることだろう。
実施例
例1
早期発症AD患者における、AChEIと組合せた形でのINF−βの効果
AD病の発達に対するAChEIと組合わせた形のINF−βの効果を、40人の早期発症AD患者について実施する。
ADの治療におけるINF−β−1a(Rebif(登録商標)22μg、tiw(週3回))の臨床的効能を、基線からの神経心理学的性能の変化を測定することによって評価する。
この6ヵ月にわたる単一施設でのピボタルスタディーは、40人の早期発症AD患者について実施される。対象を2つのグループに無作為に分け、第1グループ(n=20)にはRebif(登録商標)22μg、tiwとアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えばドナペジル、リバスティグミン、ガランタミンなど)を投与し、第2グループ(n=20)には、プラシーボとアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を投与する。
試験対象患者基準
・ 年令≧50才
・ 精神障害診断及び統計マニュアル、第4版(DSM−IV)に従ったアルツハイマー病の診断。
・ 簡易精神状態検査(MMSE)評点11〜25。
・ 介護士による監視
・ 地方倫理委員会の書面によるインフォームドコンセント及び承認有り。
臨床試験除外基準
・ 修正ハチンスキー虚血評点≧4
・ 神経心理学的評価を受けることができない。
・ 有意な肝臓、甲状腺又は血液学的機能不全。
設計
24週間皮下でRebif(登録商標)22μgtiwとアセチルコリンエステラーゼ阻害剤か又は皮下でプラシーボtiwとアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を受けるべく、2重盲検式に、40人の患者を無作為に割当てる。
サンプルサイズの理論的根拠及び統計学的分析
試験は、ADの治療におけるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤と組合せた形でのRebif(登録商標)22μg、tiwの臨床的有用性のパイロット調査として設計される。サンプルサイズは、単一部位研究についての実現可能性に基づいて選択された。認知及び行動評点を含めた連続的変数を基線からの変化を測定することによって分析する。グループ間差異を比較するために分散分析を使用する。記述統計学及びノンパラメテリックテストを用いて副作用を分析する。
割当て
無作為分別計画を研究薬局において生成する。治験責任医師及び研究要員は、データ収集が完了するまで参加者のグループ割当てに対し盲検状態にとどまる。
成果の尺度
成果の尺度は、基線で、12週目及び25週目(研究の完了)で査定する。
一次的成果尺度には以下のものが含まれる;
− アルツハイマー病査定スケール(ADAS)、認知サブスケール
− 包括的劣化スケール
− 変化の臨床的包括的印象スケール
二次的成果尺度には以下のものが含まれる;
− MMSE
− ADAS、非認知サブスケール
− 手段的日常生活活動(IADL)
− 日常生活動作能力評価スケール(PSMS)
− 介護士がランク付けする変化の包括的印象(cGIC)。
有害事象の評価
治療に関連する有害事象の出現を、検診毎に査定する。以下のいずれかの時点で、研究からの撤退が保証される;
1) 患者の要請
2) 治験責任医師の要請
3) 重篤な全身性疾患の証拠。
4) 治療関連(INFβ−1a)の重篤有害事象の証拠
例2;
早期発症AD患者におけるINF−βの効果
AD病の発達に対するINF−βの効果を、40人の早期発症AD患者について実施する。
基線から28週の治療検証までの2つの治療群(プラシーボ及び治療)内で神経心理学的性能変化の差を測定することにより、AD治療におけるINFβ−1a(Rebif(登録商標)22μg,tiw)の臨床的効能を見極める。
この52週間にわたる単一施設でのピボタルスタディーは、40人の早期発症AD患者について実施される。対象を2つのグループに無作為に分け、第1グループ(n=20)にはRebif(登録商標)22μgtiwを投与し、第2グループ(n=20)には、プラシーボを投与する。治療期間は28週後に終わる。
治験責任医師及び研究要員は、データ収集が完了するまで参加者のグループ割当てに対し盲検状態にとどまる。
試験対象患者基準
・ 年令50〜70才
・ 精神障害診断及び統計マニュアル、第4版(DSM−IV)に従ったアルツハイマー病の診断。
・ 簡易精神状態検査(MMSE)評点15以下25以下。
・ 介護士による監視
・ 地方倫理委員会の書面によるインフォームドコンセント及び承認有り。
研究用薬物適用
0.5mL入りの予め充てんされた注射器の中に、Rebif(登録商標)(インターフェロンベータ−1a)を供給する。各々の注射器は、22μg(6MIU)のインターフェロンベータ−1a、2mgのアルブミン(ヒト)USP、27.3mgのマンニトールUSP、注入のための水、そしてpH調整のための酢酸及び/又は水酸化ナトリウムを収納している。Rebifは、SC投与向けの予め充てんされた注射器内に包装された0.5mL中22μg(6MIU)の無菌溶液として供給される。Rebiject(商標)Miniを、Rebif(登録商標)溶液の予備充てんされた注射器と共に用いることができる。
Rebif(登録商標)薬物投与の用量、経路及び計画
初期用量滴定の後のRebifの投薬量は、一週あたり3回の皮下注射で22μgである。Rebifは、可能な場合、同じ3日(例えば月曜、水曜及び金曜)で同時刻(好ましくは夕方又は夜)に投与される。
治療の始めの潜在的副作用は、下表で概略的に示されている計画を用いて、最初の4週間について用量を漸進的に増大させることによって最小にすることができる。
Figure 2006520368
研究設計
アルツハイマー痴呆症患者においてインターフェロンベータ治療とフラシーボを比較する2重盲検制御型並行グループ研究に、40人の患者を無作為に割当てる。
帰無仮説
(認知衰退を査定するべくMMSE及びADASを用いて計算された)研究の一次的目標に基づくと、帰無仮説は、インターフェロンベータがアルツハイマー痴呆症の自然歴に典型的な認知機能の漸進的衰退を止めることはない、というものである。換言すると、12ヵ月の治療後、インターフェロンベータ療法を受けるように無作為に分別された患者のMMSE及びADAScog評点はプラシーボ治療を受ける患者のものと類似のものとなることである。
サンプルサイズ
このプロトコルについては、20+5に等しいMMSE評点をもつ患者が登録された。サンプル分析では、臨床的に関連する効果サイズが、以前の無作為抽出された臨床試験に登録された患者のコホート内の平均MMSE及びADAS−cog評点に対するそれぞれの標準偏差(SD)と一致することが仮定された。MMSEは、調整された26/30の年令及び教育の値の下では異常である認知障害と共に減少する0〜30の範囲を有するスケールである。ADAS−cogは、9.5/70という値までが異常であり、認知機能の障害と共に増大する0〜70の評点をもつテストである。基線における平均MMSE及びADAS−cogのSDはそれぞれ約5及び10に等しいことが示されてきた(Fartow RM, Hake A, Messina J, Hartman R, Veach J, Araud R.リバスティグミン治療に対するアルツハイマー病患者の応答が、疾病の進行速度により予測される。Arch Neurol 2001;58:417-422)。
登録基準(すなわち平均MMSE評点が20に等しい患者)及びプラシーボで治療された患者が3ヵ月毎に1.2点ずつ評点が下がるという仮説(Rogers SL、Friedhaff LT及びドネペジル研究グループ。アルツハイマー病患者におけるドネペジルの効能及び安全性;多施設無作為抽出2重盲検プラシーボ制御型試験の結果。Demeutia 1996;7:293-303)に基づくと、プラシーボ患者における予想平均MMSE評点は15.2である。帰無仮説が誤っている場合、インターフェロンベータで治療された患者における予想平均評点は、20.2に等しくなくてはならない(SD=5とする)。研究の目標に関しては、各グループに17人の患者を無作為に分けることで、0.05に等しいアルファと80%のパワーで、帰無仮説を却下することが可能となる。
ADAS−cogを用いて評価された認知的衰退に対するインターフェロンベータの効果の一次的目標に関しては、文献中で、MMSE評点がADAS−cog評点と一致することが報告されてきた(Doraiswarmy)PM, Bleper F, Kaiser L, Krishnan KR, Reuning-Scherer J, Gulanski B. アルツハイマー病査定スケール;多施設アルツハイマー病試験における基線認知性能のパターン及び予測判断材料。Neurology 1997;48:1511-1517)。MMSE上で15.2という評点は、ADAS−cog上で約36.5の値に対応する。帰無仮説が誤っている場合、インターフェロンベータで治療を受けた患者の予測された平均評点は26.5となるはずである(SD=10とする)。前述の研究目標と同様に、各グループに17人の患者を無作為に分けることにより、0.05に等しいアルファと80%のパワーで帰無仮説を却下することが可能となる。
約15%という脱落率を考慮すると、サンプルサイズの最終的推定値は、1治療群あたり20名の患者である。
患者が研究対象である間又は治療中断から30日以内に報告された全ての重篤有害事象(SAE)が作表される。
基線における実験室テスト及び基線からの変化が、無作為に分けられた治療グループ毎にまとめられる。さらに、基準範囲との関係において、低、標準又は高としての値の分類に基づいた実験室テストについてのシフト表が無作為に分けられた治療グループ毎にまとめられ提示される。
割当て
無作為分別計画を研究薬局において生成する。治験責任医師及び研究要員は、データ収集が完了するまで参加者のグループ割当てに対し盲検状態にとどまる。
成果の尺度
成果の尺度は、基線で、12週目及び25週目(研究の完了)で査定する。
一次的成果尺度には以下のものが含まれる;
− アルツハイマー病査定スケール(ADAS)、認知サブスケール
− 包括的劣化スケール
− 変化の臨床的包括的印象スケール
二次的成果尺度には以下のものが含まれていた;
− MMSE
− ADAS、非認知サブスケール
− 手段的日常生活活動(IADL)
− 日常生活動作能力評価スケール(PSMS)
− 介護士がランク付けする変化の包括的印象(cGIC)。
− 老人性うつ病スケール(GDS)
− 2つの治療群への疾病の進行についての研究を中断した患者
有害事象の評価
治療に関連する有害事象の出現を、検診毎に査定する。以下のいずれかの時点で、研究からの撤退が保証される;
5) 患者の要請
6) 治験責任医師の要請
7) 重篤な全身性疾患の証拠。
8) 治療関連(INFβ−1a)の重篤有害事象の証拠
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Claims (24)

  1. アルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病又はゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病の治療及び/又は予防のための医薬品の製造を目的としたインターフェロン−β(IFN−β)の使用。
  2. コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択されたアルツハイマー病治療剤と組合わせたインターフェロン−β(IFN−β)の、同時、逐次又は個別使用向けのアルツハイマー病の治療及び/又は予防用医薬品の製造を目的とした使用。
  3. 前記アルツハイマー病が早期発症アルツハイマー病である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記コリンエステラーゼ阻害剤がアセチルコリンエステラーゼ阻害剤及び/又はブチリルコリンエステラーゼ阻害剤である、請求項2又は3に記載の使用。
  5. 前記阻害剤がドネペジル、リバスティグミン、ガランタミン、タクリン、アミリジン、ミナプリン、ヒューペルジン、ヒュープリン、ビス−テトラヒドロアミノアクリジン(ビス−THA)、イミダゾール、1,2,4−チアジアゾリジノン、ベンズアゼピン、4,4’−ビピリジン、インデノキノリニルアミン、デカメトニウム、エドロフォニウム、フィゾスチグミン、メトリホナート、プロピジウム、ファシキュリン、有機リン酸エステル、カルバミン酸塩、イミノ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドールカルバメート、N−ピリミジン4−アセチルアニリン、7−アリールオキシクマリン、プロパルギルアミノカルバメート、ビタミンE、NOS阻害剤、コリン及びピロリジンコリンといったACh前駆物質、又はムスカリン性及びニコチン性特にα7−コリン作動性受容体アゴニストといったようなコリン作動性受容体アゴニストである、請求項4に記載の使用。
  6. 前記Aβ毒性降下剤が、イブプロフェン、インドメタシン、スリンダクスルフィド、3−アミノピリダジンの誘導体といったような細胞死関連タンパク質キナーゼ(DAPK)阻害剤、シクロオキシゲナーゼ(COX−1及び−2)阻害剤、ビタミンC及びEといった酸化防止剤、メマンチンといったNMDAモジュレータ又はラサジリン、セレジリン及びトラニルシプロミンといったMAO阻害剤である、請求項2又は3に記載の使用。
  7. 前記ホルモン代替剤がエストロゲンである、請求項2又は3に記載の使用。
  8. 前記脂質降下剤が3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レゼクターゼ阻害剤、スタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、シムバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、コンパクチン、メビロニン、メバスタチン、ビザスタチン、ベロスタチン、シンビノリン、リバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン、メチル−β−シクロデキストリン、7−デヒドロコレステロールレダクターゼ、アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤又はウォートマニンといったP13K阻害剤である、請求項2又は3に記載の使用。
  9. 前記セクレターゼ変調剤が、β又は/及びγ−セクレターゼ阻害剤、又はα−セクレターゼ促進分子である、請求項2又は3に記載の使用。
  10. 前記β−セクレターゼ阻害剤が、トリペプチドアルデヒド1、アルコキシ置換テトラリンといったBACE及びBACE2阻害剤であり、前記γ−セクレターゼ阻害剤が、ジフルオロケトンベースの化合物、ヒドロキシ置換ペプチド尿素、アラニン−フェニルグリシン誘導体、カプロラクタム、ベンゾジアゼピン、ヘキサンアミド、フェンキルアミン、スルホンアミド、2環式スルホンアミド、イソクマリン、ジアリールアセチレン、イミダゾピリジン、ポリ酸素化芳香族構造であり、前記α−セクレターゼ促進分子がタンパク質キナーゼC活性化剤、グルタミン酸塩、カルバコール、ムスカリン性アゴニスト、神経分化誘導物質又は第II銅含有化合物である、請求項9に記載の使用。
  11. 前記Aβ凝集阻害剤が、ペプチジル阻害剤(例えばペンタペプチド阻害剤)、アミロイド結合染料コンゴレッド及びチオフラピンTの類似体、抗がん剤ドキソルビシンの類似体、リファムピシン又はその類似体及びクリオキノールといったような抗生物質、ベンゾフラン、カプトプリルといったような血清アミロイドタンパク質(SAP)の阻害剤、又はCu2+、Zn2+又はFe3+の添加による金属キレート剤である、請求項2又は3に記載の使用。
  12. 前記神経原線維阻害剤がLiClといったようなGSK3β阻害剤、インジルビン及びパウロンといったGSK3β及びcdk5阻害剤、カルパイン阻害剤、又はパクリタキセル及び関連作用物質である、請求項2又は3に記載の使用。
  13. 前記β−アミロイド異化作用阻害剤が、亜鉛メタロプロティナーゼ(例えばネプリリシン)、エンドテリン転換酵素、インシュリン分解酵素(例えばIDE、インシュリシン)、プラスミン、又はネプリリシン阻害剤である、請求項2又は3に記載の使用。
  14. 前記誘導体が、アミノ酸残基上で単数又は複数の側鎖として発生する単数又は複数の官能基に付着した少なくとも1つの部分を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。
  15. 前記部分がポリエチレン部分である、請求項15に記載の使用。
  16. 前記IFN−βが一日一人あたり約1〜50μgの用量で又は一日一人あたり約10〜30μg又は10〜20μgの用量で投与されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用。
  17. 前記IFN−βが毎日又は隔日に投与される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
  18. 前記IFN−βが毎週2回又は3回投与される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
  19. 準毒性濃度が、100μg/m2未満又は50μg/m2未満又は10μg/m2未満又は1μg/m2未満である、請求項16に記載の使用。
  20. 前記IFN−βが皮下投与される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の使用。
  21. 前記IFN−βが筋肉投与される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の使用。
  22. 前記IFN−βが静脈内投与される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の使用。
  23. アルツハイマー病の治療を目的とした、同時、逐次又は個別使用向けの、ただし合同投与のための、一方はIFN−βを含有し、もう一方は、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択された請求項1〜22のいずれか1項に記載のアルツハイマー病治療剤を含有する、一包装単位の形で製造された2つの別々の組成物から成る物質の使用。
  24. 単数又は複数の薬学的に受容可能な賦形剤の存在下での、コリンエステラーゼ阻害剤、Aβ毒性降下剤、ホルモン代替剤、脂質降下剤、セクレターゼ変調剤、Aβ凝集阻害剤、神経原線維阻害剤又はβ−アミロイド異化作用阻害剤から成るグループの中から選択された請求項1〜23のいずれか1項に記載のアルツハイマー病治療剤と組合わせてINF−βを含んで成る薬学組成物。
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