JP2006520237A - ジャイロスコープを備えた傾斜磁石システムを有する磁気共鳴映像システム - Google Patents

ジャイロスコープを備えた傾斜磁石システムを有する磁気共鳴映像システム Download PDF

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Abstract

本発明は、検査容積(11)と、検査容積内に主磁界(B)を発生するための主磁石システム(13)と、主磁界の傾斜を発生するための傾斜磁石システム(19)と、傾斜磁石システムの振動を削減するための防振システム(39)と、を含むMRIシステムに関する。本発明によれば、防振システムは、傾斜磁石システムに取り付けられたジャイロスコープ(41)を含む。ジャイロスコープのジャイロ効果の結果、傾斜磁石システムの振動は効果的に削減される。本発明に従った開放型MRIシステムでは、別個のジャイロスコープ(41,43)が傾斜磁石システム(19)の2つの部分(21,23)のそれぞれに取り付けられ、各ジャイロスコープは、主磁界(B)の主方向(Z)と平行な回転軸(61)を有する。

Description

本発明は、検査容積と、検査容積内に主磁界を発生するための主磁石システムと、主磁界の傾斜を発生するための傾斜磁石システムと、傾斜磁石システムの振動を削減するための防振システムと、を含む磁気共鳴映像(MRI)システムに関する。
冒頭部分で述べられている種類のMRIシステムは、米国特許第5,617,026号によって既知である。既知のMRIシステムは、核磁気共鳴法を用いて、患者の体の内蔵の映像を作成するために用いられる。既知のMRIシステムにおいて、主磁石磁石システムは、極低温容器内に収容された幾つかの超伝導電気コイルを含む。よって、主磁石システムに発生された主磁界は比較的強力であり、その結果、強力な核磁気共鳴効果が達成される。傾斜磁石システムは、主磁界の傾斜を3つの直交する方向に発生するための幾つかの電気コイルを含む。患者の体の映像は、傾斜を連続的に変化することによって選択される患者の体の多数位置で、核磁気共鳴効果を連続的に観察することによって構成される。検査に必要な受容可能な全体的な時間を達成するために、主磁界の傾斜は比較的高周波で変更され、その結果、傾斜磁石システムのコイル内の電流も高周波で変化する。
主磁石システムの磁界と傾斜磁石システム内で変化する電流との間の磁気的相互作用の結果、既知のMRIシステムの動作中、変化する機械的負荷、具体的には、ローレンツ力が傾斜磁石システムに作用する。追加的な手段がなければ、前記機械的負荷は、傾斜磁石システムの機械的及び音響的振動を引き起こし、該振動は、MRIシステムによって生成される映像の歪み、並びに、検査容積内及びMRIシステムの周囲における許容し難い強力な音響ノイズを引き起こす。既知のMRIシステムは、傾斜磁石システムの前記振動を削減するための防振システムを含む。防振システムは、傾斜磁石システムのコイルの円筒形キャリヤ内に組み込まれた複数の圧電装置を含む。動作中、圧電装置は励起されることで、傾斜磁石システムのコイルに作用する変化する機械的負荷、特にローレンツ力によって引き起こされるキャリヤの局所的変形が、圧電装置の補償的変形によって打ち消される。前記補償の故に、傾斜磁石システムの機械的及び音響的振動はある程度削減されるが、既知のMRIシステムの傾斜磁石システムの残留する機械的及び音響的振動は依然として相当程度である。既知のMRIシステムの他の欠点は、防振システムの圧電装置が制御システムによって制御される必要があることであり、その結果、既知のMRIシステムの構造は多少複雑である。
より簡単な構造を有し、それ故に、傾斜磁石システムに作用する変化する機械負荷によって引き起こされる機械的及び音響的振動が更に削減された防振システムを備えた、冒頭段落で述べられている種類の磁気共鳴映像(MRI)システムを提供することが本発明の目的である。
この目的を達成するために、本発明に従った磁気共鳴映像(MRI)システムは、防振システムが傾斜磁石システムに取り付けられたジャイロスコープを含むことを特徴とする。ジャイロスコープは、ジャイロスコープの回転軸について、傾斜磁石システムに対して回転可能に軸支された均衡部材を含む。ジャイロスコープは、均衡部材を回転軸について回転するための電気モータを更に含み、電気モータの固定子は傾斜磁石システムに対する固定位置に配置され、電気モータの回転子は均衡部材に対する固定位置に配置される。動作中、均衡部材は比較的高い角速度で回転軸について回転される。機械負荷、具体的には、主磁石システムの磁界と傾斜磁石システム内の電流との間の電磁相互作用の結果であるローレンツ力が傾斜磁石システムに加えられると、前記機械負荷は、傾斜磁石システム及びジャイロスコープの結合システムの重心についての機械トルクをもたらす。ジャイロ効果の結果として、ジャイロスコープの回転軸に対して直交して向けられた前記機械トルクの成分(以下「直交成分」と呼ぶ)によって引き起こされる、前記重心についての前記結合システムの角運動は大幅に制限される。ジャイロ効果は、前記結合システムの所謂行列動作(processional movement)の原因となる。この行列動作は、ジャイロスコープの回転軸に対して直交し、且つ、機械トルクの直交成分に対して直交して向けられた回転軸についての角運動である。しかしながら、行列動作は、もしジャイロスコープが存在しないならば機械負荷によって引き起こされるであろう動作に比べて小さい。均衡部材の慣性モーメント及び角速度の適切な値、並びに、均衡部材の回転軸の適切な方向を備えることで、傾斜磁石システムに加えられる変化するローレンツ力によって引き起こされる、傾斜磁石システム及びジャイロスコープの結合システムの振動は、該振動によって引き起こされるMRIシステムの音響ノイズ、及び、生成された映像の歪みが受容し得る程に低いレベルであるようなレベルに削減される。防振システムは前記ジャイロスコープ、即ち、回転可能な均衡部材及び電気モータを含むので、防振システムは加えて比較的簡単な構造を有する。
本発明に従ったMRIシステムの具体的な実施態様は、検査容積が、相互に離間して配置された第一磁石ユニットと第二磁石ユニットとの間に存在することを特徴とし、第一磁石ユニット及び第二磁石ユニットは、主磁石システムの第一部分及び第二部分の各々と、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の各々とを含み、防振システムは、傾斜磁石システムの第一部分に取り付けられた第一ジャイロスコープと、傾斜磁石システムの第二部分に取り付けられた第二ジャイロスコープとを含み、第一ジャイロスコープ及び第二ジャイロスコープの各々は、主磁石システムの主たるZ方向と平行に向けられた回転軸を有する。この具体的な実施態様では、MRIシステムは所謂開放型である。そこでは、Z方向で見られたとき、主磁石システム及び傾斜磁石システムが2つの別個の磁石ユニット内に相互に離間して収容されているという事実の結果として、検査容積は患者及び医療スタッフのために容易にアクセス可能とされている。本発明のこの具体的な実施態様は、開放型MRIシステムにおいて、傾斜磁石システムの機械的及び音響的振動が、主磁石システムと傾斜磁石システム内の電流との間の電磁相互作用の結果として、Z方向に対して直交する軸について、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分に加えられる機械トルクによって支配的に引き起こされるという洞察に基づいている。この実施態様におけると同様に、別個のジャイロスコープが傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分に取り付けられ、各ジャイロスコープはZ方向と平行に向けられた回転軸を有し、Z方向に対して直交する軸についての前記機械トルクによって引き起こされる、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の振動は、ジャイロスコープのジャイロ効果の結果として大幅に削減される。このようにして、傾斜磁石システムの2つの部分の機械的及び音響的振動の支配的部分は効果的に削減され、ジャイロスコープの慣性モーメント及び角速度の適切な値を用いることで、傾斜磁石システムの振動は、該振動によって引き起こされる開放型MRIシステムの音響ノイズ、及び、生成された映像の歪みが受容し得る程度の低いレベルであるようなレベルに低減される。
本発明に従ったMRIシステムの更なる実施態様は、各ジャイロスコープに関して、回転軸についての慣性モーメントJ、及び、動作中、角速度ωは、生成物J ωが2π EXCよりも大幅に大きいようであり、ここで、Jは、傾斜磁石システムの各部分、及び、回転軸についての各ジャイロスコープの慣性モーメントの合計であり、fEXCは、傾斜磁石システムの各部分の削減されるべき振動の周波数であることを特徴とする。その結果、fEXCまでの周波数のために、傾斜磁石システムの振動の有効な削減が達成され、fEXCまでの周波数のために、ジャイロ共振効果が回避される。
本発明に従ったMRIシステムの更なる実施態様は、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の各々が、コイルシステムを支持し且つ検査容積に面する第一磁石ユニット及び第二磁石ユニットの各々の部分内に収容された支持部を有し、第一ジャイロスコープ及び第二ジャイロスコープは、検査容積から離間した第一磁石ユニット及び第二磁石ユニットの各々の側部に配置され、且つ、主磁石システムの第一部分及び第二部分の各々に設けられた中央通路内に収容された取付部材によって、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の各々に取り付けられていることを特徴とする。検査容積から離間した各磁石ユニットの側部で、比較的大量の空間が各ジャイロスコープを位置付けるために利用可能である。具体的には、この側部に、各ジャイロスコープの回転可能な部分を、ジャイロスコープの回転軸から比較的大きな距離で配置することが可能であり、よって、ジャイロスコープの比較的大きな慣性モーメントを、ジャイロスコープの限定的な総質量で達成し得る。このようにして、ジャイロスコープは比較的強力なジャイロ効果をもたらし、よって、傾斜磁石システムの各部分の振動の比較的強力な削減が達成される。
本発明に従ったMRIシステムの更なる実施態様は、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の各々が、コイルシステムを支持し且つ検査容積に面する第一磁石ユニット及び第二磁石ユニットの各々の部分内に収容された支持部を含み、第一ジャイロスコープ及び第二ジャイロスコープの各々が、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の各々の支持部に配置されていることを特徴とする。各ジャイロスコープは傾斜磁石システムの各部分の支持部内に配置されているので、各ジャイロスコープと、ローレンツ力が動作中に加えられる、傾斜磁石システムの各部分のコイルシステムと、の間に比較的短い距離が存在する。このようにして、傾斜磁石システムの各部分及び各ジャイロスコープの結合システムの比較的剛的な構造が達成され、その結果、前記結合システムの内部の機械的共振周波数が可能な限り回避される。
本発明に従ったMRIシステムの具体的な実施態様では、ジャイロスコープは、アクチュエータシステム及び連結装置によって傾斜磁石システムに連結されることで、傾斜磁石システムに対するジャイロスコープの移動を許容し、磁気共鳴映像システムは、動作中、アクチュエータシステムが傾斜磁石システムの残余振動を削減する補償的な機械負荷を傾斜磁石システムに加えるよう、アクチュエータシステムを制御するための制御システムを有することを特徴とする。アクチュエータシステムによって加えられる補償的な機械負荷の結果として、傾斜磁石システムに加えられる機械トルクの直交成分によって引き起こされる、傾斜磁石システムの残余角運動及び傾斜磁石システムの行列動作の双方が、更に削減され或いは実質的に防止される。傾斜磁石システムに加えられるべき補償的な機械負荷は、制御システムによって、例えば、傾斜磁石システムの残余振動を測定するセンサシステムを用いて決定される。代替的に、或いは、センサシステムとの組み合わせで、補償的な機械負荷は、傾斜磁石システム内の電流の所定値、傾斜磁石システムの機械特性、並びに、ジャイロスコープの機械的及びジャイロ特性に基づいて、制御システムによってフィードフォワードに決定され得る。アクチュエータシステムは、ジャイロスコープに、前記補償的な機械負荷と同一且つ相対する機械反作用負荷を加える。連結装置は、傾斜磁石システムに対するジャイロスコープの十分に自由な動作をもたらすようであり、よって、前記機械反作用負荷は、傾斜磁石システムに対するジャイロスコープの移動に完全に変換される。ジャイロスコープは十分に大きな質量及び/慣性モーメントを有し、よって、ジャイロスコープの結果的な移動及び振動は可能な限り削減されることが好ましい。
本発明に従ったMRIシステムの更なる実施態様では、第一ジャイロスコープ及び第二ジャイロスコープの各々は、別個のアクチュエータシステム及び別個の連結装置によって、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分に連結されることで、相互に及びZ方向に対して直交して延びる第一回転軸及び第二回転軸についての、傾斜磁石システムの各部分に対する各ジャイロスコープの回転を少なくとも許容し、MRIシステムは、動作中、各アクチュエータシステムが、傾斜システムの各部分に、傾斜磁石システムの各部分の残余振動を削減する、第一回転軸及び第二回転軸についての補償的な機械トルクを少なくとも加えるよう、各アクチュエータシステムを制御するための制御システムを有することを特徴とする。このようにして、開放型MRIシステムにおいて、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分に加えられるローレンツ力の支配的部分によって引き起こされる、Z方向に対して直交する方向についての傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の残余角運動、並びに、傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の行列動作が、更に削減され或いは実質的に防止される。
本発明に従った磁気共鳴映像(MRI)システムの実施態様を図面を参照して以下に詳細に記載する。
図1に示される本発明に従ったMRIシステム1の第一実施態様は所謂開放型であり、2つの垂直ポスト7,9によって相互接続された上部ハウジング3及び下部ハウジング5を有する。上部ハウジング3及び下部ハウジング5の間には検査容積11が存在し、検査されるべき患者はそこに位置し得る。MRIシステムは、更に、上部ハウジング3内に収容された第一部分15と、下部ハウジング5内に収容された第二部分17と、を有する主磁石システム13を含む。前記第一部分及び第二部分15,17は、図1には詳細に示されていないが、極低温容器内に収容された多くの超伝導電気コイルをそれぞれ含む。主磁石システム13によって、動作中、主磁界Bが検査容積11内に発生し、その主磁界Bは垂直のZ方向に主として向けられている。MRIシステム1は、更に、主磁石システム13の第一部分15と検査容積11との間に配置された第一部分21と、主磁石システム13の第二部分17と検査容積11との間に配置された第二部分23と、を有する傾斜磁石システム19を含む。前記第一部分及び第二部分21,23は、3つの直交する方向X,Y,Zで検査容積11内の主磁界の傾斜を発生するために、図1に詳細に示されていない電気コイルシステムを支持する円錐形支持部25をそれぞれ含む。第一部分21の支持部25は、検査容積11に面する上部ハウジング3の側部29で、上部ハウジング3に設けられた円錐形凹部27内に間隙を備えて収容されているのに対し、第二部分23の支持部25は、検査容積11に面する下部ハウジング5の側部33で、下部ハウジング5に設けられた円錐形凹部31内に間隙を備えて収容されている。主磁石システム13の第一部分15及び傾斜磁石システム19の第一部分21は、上部ハウジング3内に収容された第一磁石ユニット35に属するのに対し、主磁石システム13の第二部分17及び傾斜磁石システム19の第二部分23は、第一磁石ユニット35から垂直距離で、下部ハウジング5内に収容された第二磁石ユニット37に属する。更に、第一磁石ユニット35及び第二磁石ユニット37は、図1に詳細に示されていないRFコイルをそれぞれ含む。
MRIシステム1は、核磁気映像法を用いて、患者の体の内蔵の映像を作成するのに適している。患者の体の映像は、患者の体の多数位置における核磁気映像効果を連続的に観察することによって構成され、患者の体は主磁界Bの傾斜を変えることによって連続的に選択される。各選択位置において、RF信号がRFコイルによって発信され、引き続き、該位置における核磁気共鳴効果の結果として発生するRF信号が、RFコイルユニットによって受信される。主磁石システム13は超伝導電気コイルを含むので、主磁界Bは比較的強力であり、よって、比較的強力な核磁気共鳴効果が達成される。完全な検査のために要する全体的時間を制限するために、主磁界Bの傾斜は比較的高周波数で変更される。この目的のために、傾斜磁石システム19のコイルシステム内の電流も高周波数で変更される。
主磁石システム13の磁界の一部が傾斜磁石システム19内に存在するため、電磁的な相互作用が、主磁石システム13の磁界と傾斜磁石システム19内の変化する電流との間で発生する。前記相互作用は機械的負荷を引き起こし、動作中、具体的には、ローレンツ力が傾斜磁石システム19のコイルシステムに作用する。主磁石システム13の磁界は比較的強力であり、傾斜磁石システム19内の電流は比較的高周波数で変化するため、ローレンツ力は比較的高い。追加的な手段がなければ、ローレンツ力は、傾斜磁石システム19の強力な機械的及び音響的振動を引き起こす。該振動は、MRIシステム1の他の部分にまでも、具体的には、主磁石システム13、並びに、上部及び下部ハウジング3,5に伝達される。前記振動の結果、主磁界Bの歪みが発生し、それはMRIシステム1によって生成される映像の許容し難い歪みを引き起こす。その上、許容し難い高い音響的振動がMRIシステム1の内部及び周囲に発生する。
傾斜磁石システム19の前記機械的及び音響的振動を制限するために、MRIシステム1は防振システム39を含む。図1に示されるMRIシステム1の第一実施態様において、防振システム39は、第一部分21の振動を制限するために、傾斜磁石システム19の第一部分21に取り付けられた第一ジャイロスコープ41と、第二部分23の振動を制限するために、傾斜磁石システム19の第二部分23に取り付けられた第二ジャイロスコープ43とを含む。以下において、防振システム39の第一ジャイロスコープ41のみが詳細に議論される。第二ジャイロスコープ43の構造及び動作は、第一ジャイロスコープ41と同一である。その上、傾斜磁石システム19の第一部分21の多くの構造的詳細が議論されるが、傾斜磁石システム19の第二部分23が同一の構造的詳細を有することは明らかであろう。
図1に示されるように、防振システム39の第一ジャイロスコープ41は、検査容積11から離間した、上部ハウジング3の側部45に配置されている。第一ジャイロスコープ41は、Z方向に対して直交する仮想平面49に延在する環状の均衡部材47を含む。第一ジャイロスコープ41は、ディスク形状の取付素子55を介して、均衡部材47に対して固定された位置に取り付けられた回転子53と、傾斜磁石システム19の第一部分21に対して固定された位置に取り付けられた固定子57と、を含む電気モータ51を更に含む。電気モータ51は、図示の実施態様では、図1には詳細に示されていない流体溝軸受である軸受59を有し、それによって、均衡部材47は、Z方向と平行に延びる第一ジャイロスコープ41の回転軸61について、傾斜磁石システム19の第一部分分21に対して回転可能に軸支されている。第一ジャイロスコープ41のモータ51の固定子57は、大部分が円形の円筒取付部材63を用いて、傾斜磁石システム19の第一部分21の円錐形支持部25に取り付けられている。前記円筒取付部材63は、主磁石システム13の第一部分15に設けられた中央通路65内に収容されている。よって、傾斜磁石システム19の第一部分21及び第一ジャイロスコープ41は結合システム67を構成し、それは、取付部材63の外面71及び中央通路65の内面73に取り付けられた環状の懸架素子69を介して、主磁石システム13の第一部分15に取り付けられる。懸架素子69は、例えばゴムのような弾性変形可能な材料で形成され、結合システム67の重心75のZ方向位置に対応するZ方向位置を有する。
開放型MRIシステムにおいて、傾斜磁石システム19の第一部分21及び第二部分23の機械的及び音響的振動は、主として、機械トルクM,M(図1を参照)によって引き起こされ、これらの機械トルクは、主磁石システム13の磁界と第一部分及び第二部分21,23のコイルシステム内の電流との間の電磁的な相互作用の結果として、Z方向に直交する方向に向けられた軸について第一部分及び第二部分21,23に作用する。第一ジャイロスコープ41及び第二ジャイロスコープ43を使用する結果として、ジャイロ効果が達成され、第一部分21に関してにここに説明されるように、それは機械トルクM,Mによって引き起こされる第一部分及び第二部分21,23の振動を大幅に制限する。このジャイロ効果は第二部分23に関しても類似する。
動作中、第一ジャイロスコープ41の均衡部材47は、モータ51によって、比較的高い角速度ωで回転軸61について回転される。均衡部材47は、回転軸61について比較的大きな慣性モーメントJを有する。これは第一ジャイロスコープ41が第一ハウジング3の側部45に配置されているという事実の結果として達成され、そこでは、比較的大量の空間が第一ジャイロスコープ41のために利用可能である。具体的には、環状の均衡部材47は比較的大きな直径Dを有し、よって、比較的大きな慣性モーメントJが均衡部材47の比較的小さな質量で達成される。その結果、回転する均衡部材47は比較的大きな角運動量J×ωを有し、よって、第一ジャイロスコープ41は強力なジャイロ効果をもたらす。
機械トルクMが傾斜磁石システム19の第一部分21に加えられると、前記ジャイロ効果は、第一ジャイロスコープ41が存在しないならば機械トルクMによって引き起こされるであろう第一部分21の振動を強く削減する。前記削減は、第一ジャイロスコープ41の回転軸61が機械トルクMの方向に対して直交して延びるという事実の結果である。第一ジャイロスコープ41の回転軸61は機械トルクMの方向に対しても直交して延びているので、機械トルクMによって引き起こされる振動に関しても類似の削減が得られる。ジャイロ効果は、不可避的に、所謂行列動作(processional movement)を更にもたらす。変化する機械トルクMに起因する行列動作は、Y方向と平行な軸についての結合システム67の角振動であるのに対し、変化する機械トルクMに起因する行列動作は、X方向と平行な軸についての結合システム67の角振動である。しかしながら、前記行列動作は比較的小さく、前記表列動作と、機械トルクM,Mに直接起因する残余振動との合計は、第一ジャイロスコープ41が存在しないならば機械トルクM,Mによって引き起こされるであろう第一部分21の振動よりも大幅に小さい。均衡部材47の慣性モーメントJZ及び角速度ωの適切な値を用いることで、第一部分21に加えられる変化するローレンツ力によって引き起こされる傾斜磁石システム19の第一部分21の振動は、MRIシステム1の音響ノイズ、及び、該振動によって生成される映像の歪みが受容可能な低レベルであるようなレベルに低減されることが分かった。
図1に示される実施態様では、機械トルクM,Mは、約25Hzの周波数で約600Nmのピーク振幅を有し、機械トルクM,Mの支配的振幅は100Hzまでの周波数で発生するのが典型的である。これらの支配的トルクによって引き起こされる振動の効果的な削減を達成するために、均衡部材の角速度J ωは、2π EXCよりも大幅に大きくなければならないことが分かった。ここで、Jは、回転軸61に対して直交する軸についての結合システム67の慣性モーメントであり、fEXCは、削減されるべき振動の最大周波数である。図1の実施態様では、典型的な値は、例えば、J=11kg.m2、J=110kg.m2、及び、ω=100rad/sであり得る。これらの値は、約100Hzまでの機械トルクM,Mによって引き起こされる振動の有効な削減をもたらす。これらの値を用いて、及び、例えば、fEXC=25Hzに関して、機械トルクM,Mに直接起因する振動のために、約98%の削減が達成されるのに対し、行列動作の振幅は、第一ジャイロスコープ41が存在しないならば振動が有するであろう振幅の約15%である。ジャイロスコープのより高い角運動量を用いることで、より高い削減が達成され得る。J ωが2π EXCよりも大幅に大きいとき、励起周波数fEXCが約J ω/(2π)であるときに典型的に発生するジャイロ共振効果の回避が達成される。「大幅に大きい」という表現は、「1.5の因数よりも大きい又はそれ以上」を意味するのが典型的である。上述の値は典型的な値の例に過ぎず、当業者であれば、特定のMRIシステムの特性に適合するJとωのための適切な値を発見し得ることが分かるであろう。
図2は本発明に従ったMRIシステム1の第二実施態様を示し、これも開放型である。図2において、上述されたようなMRIシステム1の部分に対応するMRIシステム1’の部分は、対応する参照番号によって示されており、詳細には議論されない。図2は、MRIシステム1’の第二磁気ユニット37’を収容する下部ハウジング5’内の主要部を概略的に示している。第一磁石ユニットを収容する上部ハウジングは図2において示されていないが、当業者であれば、上部ハウジング及び第一磁石ユニットが、下部ハウジング5’及び第二磁石ユニット37’と実質的に同一であることを理解するであろう。MRIシステム1’とMRIシステム1との間の主要な相違のみを以下に簡潔に議論する。
前述のMRIシステム1と同様に、MRIシステム1’は、傾斜磁石システム19’の第一部分(図2では見えない)に取り付けられた第一ジャイロスコープ(図2では見えない)と、傾斜磁石システム19’の第二部分23’に取り付けられた第二ジャイロスコープ43’と、を有する防振システム39’を含む。図2に示されるように、MRIシステム1’とMRIシステム1との間の主要な相違は、第二ジャイロスコープ43‘が傾斜磁石システム19’の第二部分23’の円錐形支持部25’内に配置されていることである。このために、支持部25’は中央チャンバ77を備える。第二ジャイロスコープ43’は、環状の均衡部材79と、電気モータ81と、Z方向と平行に向けられた第二ジャイロスコープ43’の回転軸85を定める軸受83とを含む。電気モータ81は、中央チャンバ77内の固定位置に取り付けられた固定子87と、環状取付部材91を介して、均衡部材79に対する固定位置に取り付けられた回転子89とを有する。円錐形支持部25’は、固定位置において円錐形支持部25’に取り付けられた環状取付部材93を更に含む。傾斜システム19’の第二部分23’及び第二ジャイロスコープ43’は結合システム95を構成し、それは、取付部材93と第二部分17’の中央通路65’の内面73’とに取り付けられた環状懸架素子97を介して、主磁石システム13’の第二部分17’に取り付けられている。第二ジャイロスコープ43’の動作及び効果は、上述されたようなMRIシステム1の第一ジャイロスコープ41の動作及び効果と実質的に同一である。傾斜磁石システム19’の第二部分23’のコイルシステムのコイル(図2には示されていない)が円錐形支持部25’の外面に設けられているので、比較的短い間隔のみが第二ジャイロスコープ43’とコイルシステムとの間、即ち、第二部分に作用するローレンツ力がそれらの適用地点を有する場所に存在する。その結果、結合システム95の比較的剛的な構造が達成され、よって、結合システム95の内部の機械的共振周波数は可能な限り回避される。
図3は、本発明に従ったMRIシステム1の第三実施態様”を概略的に示し、これも開放型である。図3では、上述されたようなMRIシステム1の部分に対応するMRIシステム1”の部分は対応する参照番号によって示されており、詳細には議論されない。図3は、MRIシステム1”の第二磁石ユニット37”を収容する下部ハウジング5”内の主要部を概略的に示している。第一磁石ユニットを収容する上部ハウジングは図3に示されていないが、当業者であれば、上部ハウジング及び第一磁石ユニットが、下部ハウジング5”及び第二磁石ユニット37”と実質的に同一であることを理解するであろう。MRIシステム1”とMRIシステム1との間の主要な相違のみを以下に簡潔に議論する。
上述されたMRIシステム1と同様に、MRIシステム1”は、傾斜磁石システム19”の第一部分(図3では見えない)に取り付けられた第一ジャイロスコープ(図3では見えない)と、傾斜磁石システム19”の第二部分23”に取り付けられた第二ジャイロスコープ43”と、を有する防振システム39”を含む。図3に示されるように、MRIシステム1”とMRIシステム1との間の主要な相違は、MRIシステム1における電気モータ51の固定子57と同様に、第二ジャイロスコープ43”、即ち、電気モータ51”の固定子57”が、第二部分23”の円錐形支持部25”に対する固定位置に取り付けられていないが、アクチュエータシステム99によって前記支持部25”に連結され、それによって、第二ジャイロスコープ43”が前記支持部25”に対して移動され得ることである。図3に示される実施態様において、アクチュエータシステム99は、3つの圧電アクチュエータ101を含み、各アクチュエータはZ方向と平行な変形の主方向を有する。図3は、3つのアクチュエータ101のうちの2つのみを概略的に示しているのが分かるであろう。3つのアクチュエータ101は、第二ジャイロスコープ43”の回転軸61”の周りの仮想円上に規則的な間隔で配置されており、アクチュエータ101は、支持部25”に剛的に取り付けられた第一の円形の円筒取付部材105の下部取付面103と、電気モータ51”の固定子57”に剛的に取り付けられた第二の円形の円筒取付部材109の上部取付面107とに取り付けられている。傾斜磁石システム19”の第二部分23”、第一取付部材105、アクチュエータシステム99、第二取付部材109、及び、第二ジャイロスコープ43”は、全体として結合システム111を構成する。結合システム111は、第一取付部材105の外面115と、中央通路65”の内面73”とに取り付けられた環状の弾性変形可能な取付素子113によって、主磁石システム13”の第二部分17”に取り付けられている。動作中、アクチュエータ101は、各々がZ方向と平行な方向に向けられた補償的な機械力FC1,FC2,FC3を傾斜磁石システム19”の第二部分23”に加えることによって、アクチュエータシステム99は、X方向と平行に延びる第一回転軸、及び、Y軸と平行に延びる第二回転軸のそれぞれについて、補償的な機械トルクMCX,MCYを前記第二部分23”に及ぼす。その上、連結装置が第二ジャイロスコープ43”と支持部25”との間に設けられている。連結装置は、第二ジャイロスコープ43”及び第二部分23”が前記第一及び第二回転軸について相互に回転し、且つ、第二ジャイロスコープ43”及び支持部25”がZ方向で相互に移動することを許容すると共に、第二ジャイロスコープ43”及び第二部分23”がZ方向と平行な回転軸について相互に回転し、且つ、第二ジャイロスコープ43”及び支持部25”がZ方向及びY方向に相互に移動することを防止する。前記連結装置は簡潔性のために図3に示されていないが、当業者であれば、例えば、適切な数の弾性変形可能な連結ロッドを含む連結装置のような、前記の特性を有する適切な連結装置を設計することが可能であろう。アクチュエータシステムがX方向及びY方向において並びにZ方向の周りの角方向において十分な堅固さを提供することを条件として、アクチュエータシステムが必要な連結装置を構成する或いは含む実施態様も本発明の範囲内であることが分かるであろう。
3つのアクチュエータ101は、簡潔性のために図3に示されていないMRIシステム1”の制御システムによって制御される。前記のように、第一及び第二ジャイロスコープ41,43のジャイロ効果と連携された不可避的な行列動作の結果として、MRIシステム1の傾斜磁石システム19の第一部分及び第二部分21,23の振動は、第一及び第二ジャイロスコープ41,43によって完全に中性化され得ない。MRIシステム1において、前記制御システムは、第二部分23”に加えられるローレンツ力及び前記行列移動に直接起因する、前記第一回転軸及び第二回転軸についての第二部分23”の残余角振動が更に削減されるか或いは防止されるよう、アクチュエータシステム99によって傾斜磁石システム19”の第二部分23”に加えられる補償的な機械トルクMCX,MCYを決定する。このために、第二部分23”は、第二部分23の残余振動を測定し且つ測定された残余振動に対応する測定信号を制御システムに供給するセンサを備える。制御システムは、測定された残余振動が所望レベルに制限されるよう、必要な補償的な機械トルクMCX,MCYを決定するフィードバック制御ループを含む。代替的に、或いは、前記センサと共に、制御システムは、第二部分23”のコイルシステム内の電流に基づいて必要な補償的な機械トルクを決定するフィードフォワード制御ループを含む。主磁界Bの傾斜は、MRIシステム1”のシーケンス制御ユニットによって制御された所定のシーケンスに従って設定されるべきであるので、第二部分23”内の必要な電流は予め決定され、よって、第二部分23に加えられるローレンツ力は制御システムによって予測され得る。予測されたローレンツ力、第二部分23”及び結合システム111の機械特性、及び、第二ジャイロスコープ43”のジャイロ特性に基づいて、制御システムは第二部分23”の残余振動を補償するために必要な機械トルクMCX,MCYを予測する。
アクチュエータシステム99が前記補償的な機械トルクMCX,MCYを傾斜磁石システム19”の第二部分23”に加えるという事実の結果として、アクチュエータシステム99は、前記補償的な機械トルクMCX,MCYと同一且つ相対する機械反作用負荷を第二ジャイロスコープ43”に加える。その結果、ジャイロスコープ43は、前記第一及び第二回転軸について第二部分に対して角振動し、該角振動は第二部分23と第二ジャイロスコープ43”との間に設けられた連結装置によって許容される。第二ジャイロスコープ43”は第二部分23”に単独で連結されているので、第二ジャイロスコープ43”の振動は、主磁石システム13のようなMRIシステム1”の他の部分に伝達されない。第二ジャイロスコープ43”の均衡部材47”は比較的大きな質量を有するので、第二ジャイロスコープ43”の前記振動は比較的小さく、一般的に、MRIシステム1”の内部及び周囲における受容し難い高い音響ノイズの原因とはならない。しかしながら、振動し且つ回転する第二ジャイロスコープ43”の音響ノイズを制限するために、第二ジャイロスコープ43”を例えば真空チャンバ内に配置し得る。
本発明は前記された実施態様のような開放型のMRIシステムに限定されず、例えば、円筒形検査容積を囲む単一の円筒磁石ユニットを含む所謂閉鎖円筒型のMRIシステムもカバーすることが分かるであろう。閉鎖型のMRIシステムの傾斜磁石システムは、単一の円筒形傾斜コイルシステムを含むのが普通である。従って、本発明に従った閉鎖型MRIシステムの防振システムは、前記円筒形傾斜コイルシステムに取り付けられる単一のジャイロスコープのみを含み得る。閉鎖型MRIシステムの傾斜磁石システムの特徴である内部機械曲げトルクを補償するために、閉鎖型MRIシステムは単一の円筒形傾斜コイルシステムに取り付けられた2つ又はそれ以上のジャイロスコープも備え得る。
前記のMRIシステム1,1’,1”において、防振システム39,39’,39”は、機械トルクM,Mによって引き起こされる傾斜磁石システム19,19’,19”の振動を制限するために用いられる。本発明はそのような実施態様に限定されず、傾斜磁石システムに加えられる他の種類の機械負荷を打ち消すために防振システムが用いられるMRIシステムもカバーすることが分かるであろう。所与の上記記載に基づいて、当業者であれば、防振システムが適用されるべきMRIシステムに関して典型的な機械負荷の特徴に基づいて、ジャイロスコープの最適な数及び各ジャイロスコープの回転軸の最適な方向を決定し得るであろう。具体的には、回転軸の相互に異なる方向を有する2つ又はそれ以上のジャイロスコープを上記の特徴に基づいて用い得る。もし、そのような代替的な実施態様において、傾斜磁石システムに補償的な機械負荷を加えるために、追加的なアクチュエータシステム及び連結装置が用いられるならば、当業者は、上記の特徴に基づいて、アクチュエータシステム及び連結装置の適切な構造を決定し得るであろう。
傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分が前記のMRIシステム1,1’,1”で用いられているような円錐形以外の形状を有するコイルシステムの支持部を備える開放型MRIシステムの実施態様も本発明によってカバーされることが更に分かるであろう。支持部は、例えば、ディスク形状を有し得る。
補償的な機械負荷を傾斜磁石システムに加えるためのアクチュエータシステムが、防振システム39’の第一及び第二ジャイロスコープ41’,43’が支持部25’内に配置されているMRIシステム1’でも用いられ得ることが更に分かるであろう。最後に、モータ51,51’,51”及び軸受59,83は如何なる適切な種類であり得ることが分かるであろう。モータ51,51’,51”は、例えば、ブラシレス直流モータ又は加圧空気モータであり得る。もしモータ51,51’,51”が所謂Bモータで構成されるならば、永久磁石を有さないが、主磁石システム13,13’,13”の永久磁界を用いる簡単な構造が達成される。
本発明に従ったMRIシステムの第一実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明に従ったMRIシステムの第二実施態様の一部を概略的に示す断面図である。 本発明に従ったMRIシステムの第三実施態様の一部を概略的に示す断面図である。

Claims (7)

  1. 検査容積と、
    該検査容積内に主磁界を発生するための主磁石システムと、
    前記磁界の傾斜を発生するための傾斜磁石システムと、
    該傾斜磁石システムの振動を削減するための防振システムと、
    を有する磁気共鳴映像システムであって、
    前記防振システムは、前記傾斜磁石システムに取り付けられたジャイロスコープを有する、
    ことを特徴とする磁気共鳴映像システム。
  2. 前記検査容積は、相互に離間して配置された第一磁石ユニットと第二磁石ユニットとの間に存在し、前記第一磁石ユニット及び前記第二磁石ユニットの各々は、前記主磁石システムの第一部分及び第二部分の各々、並びに、前記傾斜磁石システムの第一部分及び第二部分の各々を有し、前記防振システムは、前記傾斜磁石システムの前記第一部分に取り付けられた第一ジャイロスコープと、前記傾斜磁石システムの前記第二部分に取り付けられた第二ジャイロスコープとを有し、前記第一ジャイロスコープ及び前記第二ジャイロスコープの各々は、前記主磁界の主たるZ方向と平行に向けられた回転軸を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像システム。
  3. 各ジャイロスコープに関して、前記回転軸についての慣性モーメントJ、及び、動作中、角速度ωは、生成物J ωが2π EXCよりも大幅に大きいようであり、ここで、Jは、前記傾斜磁石システムの各部分、及び、前記回転軸についての各ジャイロスコープの慣性モーメントの合計であり、fEXCは、前記傾斜磁石システムの各部分の削減されるべき振動周波数である、ことを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴映像システム。
  4. 前記傾斜磁石システムの前記第一部分及び前記第二部分の各々は、コイルシステムを支持し、且つ、前記検査容積に面する前記第一磁石ユニット及び前記第二磁石ユニットの各々の部分内に収容された、支持部を有し、前記第一ジャイロスコープ及び前記第二ジャイロスコープは、前記検査容積から離間した、前記第一磁石ユニット及び前記第二磁石ユニットの各々の側部に配置され、且つ、前記主磁石システムの前記第一部分及び前記第二部分の各々に設けられた中央通路内に収容された取付部材によって、前記傾斜磁石システムの前記第一部分及び前記第二部分の各々に取り付けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴映像システム。
  5. 前記傾斜磁石システムの前記第一部分及び前記第二部分の各々は、コイルシステムを支持し、且つ、前記検査容積に面する前記第一磁石ユニット及び前記第二磁石ユニットの各々の部分内に収容された、支持部を含み、前記第一ジャイロスコープ及び前記第二ジャイロスコープの各々は、前記傾斜磁石システムの前記第一部分及び前記第二部分の各々の前記支持部内に配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴映像システム。
  6. 前記ジャイロスコープは、アクチュエータシステム及び連結装置によって傾斜磁石システムに連結されることで、前記傾斜磁石システムに対する前記ジャイロスコープの移動を許容し、当該磁気共鳴映像システムは、動作中、前記アクチュエータシステムが前記傾斜磁石システムの残余振動を削減する補償的な機械負荷を前記傾斜磁石システムに加えるよう、前記アクチュエータシステムを制御するための制御システムを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像システム。
  7. 前記第一ジャイロスコープ及び前記第二ジャイロスコープの各々は、別個のアクチュエータシステム及び別個の連結装置によって、前記傾斜磁石システムの前記第一部分及び前記第二部分に連結されることで、相互に及びZ方向に対して直交して延びる第一回転軸及び第二回転軸についての、前記傾斜磁石システムの各部分に対する各ジャイロスコープの回転を少なくとも許容し、当該MRIシステムは、動作中、各アクチュエータシステムが、前記傾斜システムの各部分に、前記傾斜磁石システムの各部分の残余振動を削減する、前記第一回転軸及び前記第二回転軸についての補償的な機械トルクを少なくとも加えるよう、各アクチュエータシステムを制御するための制御システムを有する、ことを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴映像システム。
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