JP2005028499A - 回転装置 - Google Patents

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Masafumi Asai
雅文 浅井
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Abstract

【課題】回転体に対する精密なバランス調整が可能なバランス調整機構を備えた回転装置を提供する。
【解決手段】回転体の中心軸104dに垂直な平面内において、円筒形の固定子201と固定子201に挿入され内部に非磁性物質が部分的に充填された円筒形の移動子202とで構成された超音波モータ200を複数備え、該超音波モータ200の中心軸202aが,前記回転体の回転中心104dに向かうように保持された重心位置調整機構。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転時の回転軸の軸ぶれを抑制する機構を備えた回転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
材料や工具を回転体に取り付け、その回転体を回転させて加工を行なう工作機械が広く普及している。このような工作機械において、回転体を回転させた時の回転軸の軸ぶれは加工精度の著しい低下を招くため問題である。ここで、この回転軸の軸ぶれは、回転体の重心が回転の中心軸上に来るように、この重心の位置を動かして回転体自体のバランスを調整することによって抑制できることが従来から知られており、そのような調整を行なうバランス調整機構を備えた様々な回転装置が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−74852号公報(段落番号0007−段落番号0014、第1図)
【特許文献2】
特開平11−125311号公報(段落番号0021−段落番号0072、第2図)
【特許文献3】
特開平6−31622号公報(段落番号0013−段落番号0045、第4図)
【特許文献4】
特開平8−219927号公報(段落番号0008−段落番号0033、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの特許文献に示された回転装置は、主に大型の工作機械や研削機械等への適用を想定したものである。このような機械は数トン以上の重量を有し、さらに装置自体が地面に固定されているため、モータからの回転を回転体に伝える回転軸を支える軸受けの剛性が非常に高くなっている。従って、このような機械では、回転軸の軸ぶれに対する抑制が多少不十分なものであったとしても、軸受け自体で回転軸の軸ぶれを押さえ込むことが可能である。また、このような機械においては回転軸の軸ぶれは100nm程度に抑制すればよい。そのため、上記のバランス調整機構による回転軸の軸ぶれに対する抑制効果は、軸受けによる押さえ込みの効果を加味した上で上記の要求値を満足する程度のものとなっている。
【0005】
一方、回転装置を有する近年の装置の中には、例えば、数10Gbit/in以上の高密度光ディスクの原盤を電子ビームで描画する光ディスク原盤露光装置等がある。このような装置では、多くの場合、回転軸を支持する支持部の剛性は低く、この支持部自体で回転軸の軸ぶれを押さえ込むことは困難である。
【0006】
また、上記の大型の工作機械や研削機械等の回転装置が備えているバランス調整機構では、上述したように回転体の重心が回転の中心軸上に来るように、この重心の位置を動かし回転体自体のバランスを調整する。しかしながら、たとえ回転体の重心を回転の中心軸上に完全に合わせたとしても、まだ回転軸に微小な軸ぶれが残ってしまうことが知られている。ここで、光ディスク原盤露光装置等のように精度よい描画が要求される装置では、多くの場合、回転軸の軸ぶれは10nm以下に抑制しなければならない。回転軸の軸ぶれをこのように精密に抑制するためには、上記の微小な軸ぶれをも抑制する必要があるが、上記のバランス調整機構では、このような微小な軸ぶれを抑制することは無理であり問題である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、回転体に対する精密なバランス調整が可能なバランス調整機構を備えた回転装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の回転装置は、
回転する回転体であって、この回転体の重心に対する、回転の中心軸に垂直な方向での重心位置調整と、該中心軸を挟むこの回転体の任意の両翼それぞれの重心に対する、該中心軸に平行な方向での相互間隔の調整との双方が自在な調整機構を有する回転体と、
前記回転体を回転駆動する駆動部と、
前記回転体を回転自在に支持する支持部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
回転体の重心を回転の中心軸上に完全に合わせたときに、まだ回転軸に残っている微小な軸ぶれの主な発生原因は、回転体内の厚さ方向の質量分布が回転体内の場所毎に異なっていることである。
【0010】
例えば、重心が回転の中心軸上にある回転体を任意の両翼に分割して考える。このとき、これら両翼内の厚さ方向の質量分布が互いに異なっているとする。すると、これら両翼それぞれの重心の厚さ方向の位置が互いにずれることになる。このような回転体を回転させると、回転中には常に、回転軸にその回転軸を傾けるような遠心力が働く。このような遠心力が働いた状態で回転体が回転するので、回転軸に軸ぶれが発生する。
【0011】
ここで、回転装置における回転軸の軸ぶれの原因のうち、回転の中心軸からの重心のずれを静的バランスのずれ、回転体の厚さ方向の質量分布の場所毎の相違を動的バランスのずれと呼称する。
【0012】
前述の光ディスク原盤露光装置における回転装置に要求されるように、回転軸の軸ぶれを精密に抑制するためには、上記の静的バランスのずれだけでなく上記の動的バランスのずれも補正する必要がある。
【0013】
本発明の回転装置では、回転体の重心に対する回転の中心軸に垂直な方向での重心位置調整を上記調整機構で行なうことにより、この回転体の上記の静的バランスのずれを補正することができる。さらに、回転の中心軸を挟むこの回転体の任意の両翼それぞれの重心に対する、中心軸に平行な方向での相互間隔の調整を上記調整機構で行なうことにより、この回転体の上記の動的バランスのずれを補正することができる。従って、本発明の回転装置によれば、回転体に対する精密なバランス調整を行なうことができる。
【0014】
ここで、本発明の回転装置において、
「上記調整機構が、複数の錘と、それら複数の錘に一対一に対応して各錘を動かす複数のアクチュエータとを備えたものである」
という形態は好ましい形態である。
【0015】
このような調整機構を備えた好ましい形態の回転装置によれば、回転体の上記の静的バランスおよび動的バランスそれぞれのずれの補正を上記アクチュエータを用いて容易に行なうことができる。
【0016】
さらに、このような調整機構を備えた好ましい形態の本発明の回転装置において、
「上記錘が、円筒形の外形を有し、かつその円筒形の中心軸から外れた位置に重心を有するものであり、
上記アクチュエータが、上記錘を、その錘の中心軸が上記回転体の回転中心に向くように保持するものであるとともに、その錘を、その錘の中心軸に沿う方向とその錘の中心軸回りの回動方向とに移動自在なものである」
という形態はさらに好ましい形態である。
【0017】
上記調整機構によれば、上記アクチュエータで、上記錘をその錘の中心軸に沿う方向に動かすことにより、回転体の重心に対する回転の中心軸に垂直な方向での重心位置調整を行なうことできる。さらに、上記錘をその錘の中心軸回りに回動することにより、回転の中心軸を挟むこの回転体の任意の両翼それぞれの重心に対する、中心軸に平行な方向での相互間隔の調整を行なうことができる。
【0018】
また、本発明の回転装置において、
上記調整機構が、非磁性材料で構成されたものであるという形態も好ましい形態である。
【0019】
このような調整機構を備えた好ましい形態の本発明の回転装置は、例えば前述の光ディスク原盤露光装置等のように、装置内における磁気の発生を嫌う装置に適用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明を適用した光ディスク原盤露光装置の一実施形態を示す図である。
【0022】
図1に示す光ディスク原盤露光装置10は、真空チャンバ101と、この真空チャンバ101内に設置されたX軸ステージ102と、このX軸ステージ102の上に固定されたスピンドルモータ103と、このスピンドルモータ103の回転軸103aに固定されたターンテーブル104と、X軸ステージ102を図中のX軸方向に移動させるX軸ステージ移動機構109と、このX軸ステージ移動機構109を駆動する移動機構駆動装置110とを備えている。
【0023】
描画対象である光ディスク原盤114はホルダ105内に固定され、このホルダ105がターンテーブル104に固定される。
【0024】
ここで、ターンテーブル104およびホルダ105が本発明にいう回転体の一例を構成し、スピンドルモータ103が本発明にいう駆動部の一例に相当し、スピンドルモータ103の回転軸103aが本発明にいう支持部の一例に相当し、これらターンテーブル104、ホルダ105、スピンドルモータ103、および回転軸103aが本発明の回転装置の一例を構成する。
【0025】
図1に示す光ディスク原盤露光装置10には、さらに、光ディスク原盤114に電子ビームによる描画を施す電子銃106と、この電子銃106のフォーカス調整を行なうために光ディスク原盤114の高さを検出する高さ検出器107と、電子銃106から光ディスク原盤114に照射される電子ビームの露光量等を調整するときに光ディスク原盤114からの二次電子等を検出するための電子検出器108とが備えられている。また、図1に示す光ディスク原盤露光装置10では、電子銃106からの電子ビームで図示しない試料を走査し、この試料からの二次電子等を電子検出器108で検出することによって試料の電子顕微鏡像を得、光ディスク原盤の描画前の電子銑調整を行うことができる。
【0026】
図1に示す光ディスク原盤露光装置10では、ホルダ105を介してターンテーブル104に固定された光ディスク原盤114がスピンドルモータ103によって回転されるとともに、移動機構駆動装置110とX軸ステージ移動機構109とによってX軸ステージごとX軸方向にゆっくりとシフトされる。そのとき、この光ディスク原盤114に電子銃から電子ビームが照射される。その結果、光ディスク原盤114の表面に電子ビームによって螺旋状に描画が施される。
【0027】
ここで、図1に示す光ディスク原盤露光装置10が仮に、ターンテーブル104、ホルダ105、および光ディスク原盤114からなる回転体のバランス調整を行なう後述の機構を備えておらず、この回転体に偏心、つまり前述の静的バランスのずれがあると、この回転体の回転時に回転軸103aに垂直な方向に、回転体の静的バランスのずれに起因する力が加わる。例えば、図1に示す光ディスク原盤露光装置10において、X軸ステージ102がX軸方向に9.8N/μmのばね係数の弾性を有するとして、回転の中心軸に対する上記の回転体の偏心を0.01g・mとすると、上記の回転体が1200rpmで回転するときには、回転軸103aにおよそ1.6×10−3N程度の力が加わる。回転軸103aに加わるこのような力は、この回転軸103aに軸ぶれを発生させるとともにX軸ステージ102に伝わり、このX軸ステージ102に振動を引き起こす。その結果、X軸ステージ移動機構109によるX軸ステージ102のX軸方向への移動精度が劣化する。
【0028】
また、上記の回転体に、前述の動的バランスのずれがあると、この回転体の重心がたとえ回転の中心軸上にあったとしても、この回転体が取り付けられている、スピンドルモータ103の回転軸103aに微小な軸ぶれが残ってしまう。
【0029】
このような、X軸ステージ102移動精度の劣化、および回転軸103aの軸ぶれは、光ディスク原盤114への描画精度の劣化を引き起こす。
【0030】
そこで、本実施形態では、ターンテーブル104に備えられた、超音波モータからなる後述の機構によって、ホルダ105を介して光ディスク原盤114が搭載されたターンテーブル104の静的バランスと動的バランスが調整される。
【0031】
ここで、以下の説明では、ホルダ105を介して光ディスク原盤114が搭載されたターンテーブル104を回転体と呼称する。
【0032】
図1に示す光ディスク原盤露光装置10には、スピンドルモータ103の回転軸103aの、回転中の軸ぶれを検出する軸ぶれ検出器111と、X軸ステージ103のX軸方向の位置を検出する位置検出器112とがさらに備えられており、軸ぶれ検出器111と位置検出器112には、それぞれ位置センサ111a,112aが備えられている。そして、上記の回転体全体の静的バランスのずれに起因するX軸ステージ102の振動が位置検出器112によって観測される。そして、静的バランスのずれに対する後述の補正によって、この位置検出器112で観測される振動のレベルが所定の閾値を下回ったときに、軸ぶれ検出器111によって観測される回転軸103aの軸ぶれが、上記の回転体全体の動的バランスのずれに起因する軸ぶれである。この軸ぶれは、動的バランスのずれに対する後述の補正によって抑制される。
【0033】
また、図1に示す光ディスク原盤露光装置10には、ターンテーブル104の下面104aに埋め込まれた後述の超音波モータを駆動する駆動装置113がさらに備えられている。この駆動装置113は、上記の超音波モータへ駆動電力を供給するための給電口113aを備えている。
【0034】
図1に示す光ディスク原盤露光装置10では、上記の超音波モータの駆動により、ターンテーブル104、ホルダ105、および光ディスク原盤114からなる回転体全体の静的バランスのずれに対する補正と、この回転体全体の動的バランスのずれに対する補正とがこの順番で実施される。これら2つの補正については後述する。
【0035】
これら2つの補正の後、光ディスク原盤114への電子ビームによる描画を実施することにより、光ディスク原盤露光装置10は、この光ディスク原盤114に精度のよい描画を施すことができる。
【0036】
次に、ターンテーブル104に埋め込まれている上記の超音波モータについて説明する。
【0037】
図2は、図1に示す光ディスク原盤露光装置のターンテーブルの下面を、この下面に埋め込まれた超音波モータとともに示す図である。
【0038】
図2に示すターンテーブル104の下面104aには、このターンテーブル104を図1に示すスピンドルモータ103の回転軸103aに取り付けるための取り付け穴104bが4つ設けられている。さらに、ターンテーブル104の下面104aには、長方形の穴104cが4つ設けられており、各穴104cの底には超音波モータ200が固定されている。ここで、これら4つの長方形の穴104cと各穴の底に取り付けられた超音波モータ200は、ターンテーブル104を回転中心104dを中心に90°ずつ回転させたときにこのターンテーブル104が回転対称となるように配置されている。各超音波モータ200は円筒形の固定子201と、この固定子に挿入された円筒形の移動子202とを備えている。各超音波モータ200は、その超音波モータ200が備えている移動子202の中心軸202aがターンテーブル104の回転中心104dを向くように配置されている。
【0039】
ここで、各超音波モータ200の移動子202の内孔には後述の非磁性物質が部分的に充填されている。この非磁性物質が充填された移動子202が本発明にいう錘の一例に相当し、超音波モータ200が本発明にいうアクチュエータの一例に相当する。そして、ターンテーブル104に固定された4つの超音波モータ200が本発明にいう調整機構の一例を構成している。
【0040】
図2に示すターンテーブル104の側面における各超音波モータ200に対応する位置には、外部から各超音波モータ200に供給される駆動電力を受ける受電部104eが設けられている。各超音波モータ200は4本の配線203を備えており、受電部104eが受けた駆動電力はこれら4本の配線203を経由して各受電部104eに対応する超音波モータ200に供給される。
【0041】
前述の静的バランスの調整および動的バランスの調整の際には、各超音波モータ200毎に、図1に示す駆動装置113の給電口113aが受電部104eに接続され、その受電部104eに対応する超音波モータ200に駆動装置113から駆動電力が供給される。
【0042】
図3は、図2に示す受電部の拡大図である。
【0043】
図3には、図2において2点差線で囲われた範囲Qの側面に配置されている受電部104eが示されている。
【0044】
受電部104eは、図1に示す各超音波モータ200に備えられた4本の配線203それぞれ毎に1個ずつ設けられた合計4個の受電端子104fから構成されている。
【0045】
次に、図2に示す超音波モータ200の詳細な構成および動作について説明する。
【0046】
図4は、図2に示す超音波モータの外観斜視図である。
【0047】
図2を参照して説明したように、超音波モータ200は、円筒形の固定子201と、この固定子201に挿入された円筒形の移動子202とを備えている。移動子202の外周面と固定子201の内周面とは互いに密着しており、両者間の摩擦力によって移動子202は固定子201に保持されている。
【0048】
固定子201の外周面は、円周方向に2分割されて長さ方向に2分割された合計4つの領域に分かれており、それぞれの領域に電極201aが設けられている。そして、各電極201aには配線203が1本接続されている。
【0049】
移動子202の内孔は、この内孔の半分の体積に相当する半円柱状の空間が非磁性物質204で充填されている。その結果、この非磁性物質204が充填された移動子202は、移動子202の中心軸202aから外れた位置に重心を有することになる。
【0050】
この移動子202は、固定子201の電極201aに接続された配線に駆動電力が供給されることにより、移動子202の中心軸202aに沿う方向Lとこの中心軸202a回りの回動方向Rに動かされる。
【0051】
以下に、図4に示す超音波モータ200の動作について説明する。
【0052】
図5は、移動子と固定子との部分拡大図である。
【0053】
固定子201は、電極201a、圧電セラミック201b、およびステータ金属201cで構成される3層構造を有している。ここで、ステータ金属201cの表面が固定子201の内周面に相当し、この面に移動子202の外周面が接している。
【0054】
固定子201の各電極201aには交流電力が、相互に隣り合う電極201aに対して互いに位相をずらして供給されている。図5には相互に隣り合う2つの電極201aが示されており、さらに、2つの交流電源Gがそれぞれ対応する電極201aに交流電力を供給する様子が示されている。ここで、図5の2つの交流電源Gは本実施形態における具体的な電源を示すものではなく、これらの電源Gは、2つの電極201aそれぞれに交流電力を互いに位相をずらして供給する電源を模式的に示すものである。
【0055】
このような交流電力が各電極201aに供給されると、各電極201aに対応する圧電セラミック201bが交流電力の周波数に応じて伸縮し、ステータ金属201cがこの伸縮に応じて上下にたわむ。その結果、ステータ金属201cの表面には、図中中央の矢印D1が示す方向に進む進行波が生じる。このとき、ステータ金属201cの表面の、この進行波の各波頭に相当する部分には図中左の楕円Cが示すような楕円運動が発生している。その結果、この波頭部分に接している移動子202が、図中上段の矢印D2が示す方向に移動する。
【0056】
図4に示す超音波モータ200では、固定子201の内周面上に、この内周を一周する方向に進む進行波を発生させるように各電極201aに交流電力を供給することにより、移動子202を中心軸202aの回りに回動させることができ、また、固定子201の内周面上に、中心軸202aに沿う方向に進む進行波を発生させるように各電極201aに交流電力を供給することにより、移動子202をこの中心軸202aに沿って直進させることができる。
【0057】
以上で、超音波モータ200の動作についての説明を終了し、以下では、この超音波モータ200を用いた、回転体の静的バランスのずれに対する補正方法、および動的バランスのずれに対する補正方法について説明する。
【0058】
図6は、図4に示す超音波モータを用いた、回転体の静的バランスのずれに対する補正方法、および動的バランスのずれに対する補正方法を説明する図である。ここで、以下の説明においては、適宜図1および図4を参照する。
【0059】
図6には、図2と同様に、ターンテーブル104の下面が示されている。
【0060】
ここで、図6ではターンテーブル104に固定されている4つの超音波モータには、説明の便宜上、各超音波モータ毎に異なる4つの符号200_1,200_2,200_3,200_4が付されている。また、各超音波モータの構成要素は、全て図4に示す各構成要素と同じものであり、代表として図中左側の超音波モータ200_1の構成要素に図4の構成要素と同じ符号が付されている。
【0061】
まず、ターンテーブル104に固定されている各超音波モータの初期設定について説明する。この初期設定では、各超音波モータの移動子202を以下に説明する初期位置に設定する。
【0062】
移動子202の中心軸202a回りの回動方向の初期位置は、この移動子202内の円柱状の空間をターンテーブル104の下面に対して垂直な平面で左右に2分割したときのいずれか一方の空間を、非磁性物質204が占めるような位置である。さらに、全ての移動子202が初期位置に設定されたときには、各移動子202内の非磁性物質024は、ターンテーブル104の回転中心104dの周りに互いに回転対称となる位置関係にある。次に、移動子202の中心軸202aに沿う方向の初期位置は、移動子202の長さ方向の中心と固定子201の長さ方向の中心が一致するような位置である。
【0063】
図6には、各超音波モータにおける移動子202の上記の回動方向の初期位置として、回転体の側面から見たとき(即ち図中の各矢印A,B,A’,B’方向から見たとき)、非磁性物質204が充填されている空間が移動子202内の右側に来る例が示されている。
【0064】
各超音波モータの移動子202のこのような初期位置への設定は、以下のような手順で行なわれる。
【0065】
まず、所望の超音波モータに対応する受電口104eが、図1に示す給電口113aに対する接続位置に来るように、ターンテーブル104の回転とX軸ステージ102の移動とが実施される。その後に、この受電口104eに給電口113aが接続され、この所望の超音波モータの移動子202が上記の初期位置に来るように、駆動装置113からこの超音波モータの固定子201に交流電力が供給される。このような操作が、全ての超音波モータに対して順次実施される。
【0066】
次に、上記の回転体の静的バランスのずれに対する補正について説明する。
【0067】
始めに、ホルダ105を介して光ディスク原盤114をターンテーブル104に固定した状態で、ターンテーブル104が回転され、そのときのX軸ステージ102の振動の振幅と位相が位置検出器112によって検出される。ここでターンテーブル104の回転が止められ、その後ターンテーブル104に固定されている4つの超音波モータから超音波モータが1つずつ選択され、上記の初期設定の手順と同じ手順でこの超音波モータに対応する受電部104eに図1に示す給電口113aが接続される。そして、この超音波モータの移動子202を、移動子202の中心軸202aに沿う方向に、上記の位置検出器112で検出されたX軸ステージ102の振動の振幅および位相に基づいて各移動子202毎に求められる距離だけ移動させるような交流電力が固定子201に供給される。受電部104eへの給電口113aの接続と、交流電力の供給との操作が、全ての超音波モータに対して順次実施される。このような各移動子202の移動によって、上記の回転体の重心に対して回転の中心軸に垂直な方向への重心位置調整が実施される。この後、再びターンテーブル104の回転と、そのときのX軸ステージ102の振動振幅の検出が再度実施される。ここで、この再度検出された振動振幅が所定の閾値を下回っていれば、静的バランスのずれに対する補正は終了される。振動振幅が上記の閾値以上である場合には、受電部104eへの給電口113aの接続と、交流電力の供給との操作による回転体の重心位置調整が繰り返され、さらにX軸ステージ102の振動振幅の検出が実施される。このような重心位置調整が、調整後に位置検出器112で検出されるX軸ステージ102の振動の振幅が上記の閾値を下回るまで繰り返し実施される。これにより、上記の静的バランスのずれが補正されると、次に前述の動的バランスのずれに対する補正が実施される。
【0068】
以下、上記の回転体の動的バランスのずれに対する補正について説明する。
【0069】
上記の静的バランスのずれに対する補正の後、再度ターンテーブル104が回転され、そのときのスピンドルモータ103の回転軸103aの振動の振幅と位相が軸ぶれ検出器111によって検出される。ここで、ターンテーブル104の回転が止められた後、ターンテーブル104に固定されている4つの超音波モータそれぞれの移動子202が、各移動子202の中心軸202aの回りに回動される。これら移動子202の回動は、図1の駆動装置113から各超音波モータの固定子201に供給される交流電力によって実行されるが、そのときの受電部104eへの給電口113aの接続の手順は、上記の静的バランスのずれに対する補正のときの手順と同じである。また、ターンテーブル104の回転中心104dを挟んで相互に向き合っている2つの超音波モータの移動子201が互いに逆向きに同じ角度だけ回動される。各超音波モータの移動子202の回動する角度と方向は、軸ぶれ検出器111で検出された回転軸103aの振動の振幅および位相に基づいて各移動子202毎に求められた角度である。
【0070】
図6には、図中左側の超音波モータ200_1では矢印B方向から見たとき移動子202を時計回りに、図中右側の超音波モータ200_3では矢印B’方向から見たとき移動子202を反時計回りに、それぞれ角度β°だけ回動させ、また、図中下側の超音波モータ200_2では矢印A方向から見たとき移動子202を時計回りに、図中上側の超音波モータ200_4では矢印A’方向から見たとき移動子202を反時計回りに、それぞれ角度α°だけ回動させる例が示されている。
【0071】
各超音波モータの移動子202を上記のように回動させることにより、回転体全体において、図中左側の超音波モータ200_1を含む周辺部分の重心と、この部分と回転中心104dを挟んで相互に向き合っている図中右側の超音波モータ200_3を含む周辺部分の重心との間の、回転の中心軸に平行な方向での相互間隔が縮まるように調整される。さらに、図中下側の超音波モータ200_2を含む周辺部分の重心と、図中上側の超音波モータ200_4を含む周辺部分の重心との間の、回転の中心軸に平行な方向での相互間隔も縮まるように調整される。その結果、スピンドルモータ103の回転軸103aに対して上記のそれぞれの重心に起因する遠心力がかかる作用点が回転の中心軸に平行な方向に互いに近づくので、この回転軸103aの軸ぶれが抑制される。
【0072】
この後、再びターンテーブル104の回転と、そのときのスピンドルモータ103の回転軸103aにおける軸ぶれの検出が実施される。ここで、この再度検出された軸ぶれが所定の閾値を下回っていれば、動的バランスのずれに対する補正は終了される。軸ぶれが上記の閾値以上である場合には、受電部104eへの給電口113aの接続と、交流電力の供給との操作による各超音波モータの移動子202の回動が繰り返され、さらに回転軸103aの軸ぶれの検出が実施される。このような操作は、操作終了後に軸ぶれ検出器111で検出されるスピンドルモータ103の回転軸103aにおける軸ぶれが上記の閾値を下回るまで繰り返し実施される。これにより、上記の動的バランスのずれが補正される。
【0073】
以上説明したような、静的バランスのずれおよび動的バランスのずれの双方に対する補正を行なった後、光ディスク原盤114への電子ビームによる描画を実施することにより、図1に示す光ディスク原盤露光装置10は、この光ディスク原盤114に精度よい描画を施すことができる。
【0074】
尚、本実施形態では、本発明の回転体を構成するターンテーブル104を駆動部であるスピンドルモータ103の回転軸103aで直接支持するという支持部の例を挙げて説明したが、本発明の支持部はこれに限るものではなく、例えば支持部が独立した回転軸であってもよい。この場合、モータ等で発生させた駆動力は、例えば、歯車あるいはベルト等で構成される伝達系を経てこの回転軸に伝達される。また、本発明の回転体の設置場所が本実施例の光ディスク原盤露光装置のように磁気の発生を不可とするような場所でないならば、例えば、本発明の支持部は、例えば回転体を磁力等を利用して浮かせて、非接触で支持するものであってもよい。回転体がこのような支持部で支持されている場合であっても、静的バランスのずれおよび動的バランスのずれに起因する回転のがたつきを計測することができれば、本発明の調整機構を用いて回転体の静的バランスのずれおよび動的バランスのずれを補正することができる。
【0075】
また、本実施形態では、本発明の調整機構として、静的バランスのずれおよび動的バランスのずれの両方を補正する役割を担う超音波モータ200を複数備えた例を挙げて説明したが、本発明の調整機構はこれに限るものではなく、静的バランスのずれを補正する機構と動的バランスのずれを補正する機構とをそれぞれ別に備えるものであってもよい。
【0076】
また、本発明にいう調整機構を構成するアクチュエータの一例として超音波モータを挙げて説明したが、本発明において、このアクチュエータは超音波モータに限るものではなく、例えばインチワームモータ、あるいは他の電磁式のアクチュエータであってもよい。ただし、本実施形態として例示した光ディスク原盤露光装置等のように装置内での磁気の発生を嫌う装置へ本発明の回転装置を適用する場合は、上記のアクチュエータは超音波モータやインチワームモータ等のように非磁性材料で構成されたアクチュエータである必要がある。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回転装置によれば、回転体に対して精密なバランス調整を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ディスク原盤露光装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す光ディスク原盤露光装置のターンテーブルの下面を、この下面に埋め込まれた超音波モータとともに示す図である。
【図3】図2に示す受電部の拡大図である。
【図4】図2に示す超音波モータの外観斜視図である。
【図5】移動子と固定子との部分拡大図である。
【図6】図4に示す超音波モータを用いた、回転体の静的バランスのずれに対する補正方法、および動的バランスのずれに対する補正方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 光ディスク原盤露光装置
101 真空チャンバ
102 X軸ステージ
103 スピンドルモータ
103a 回転軸
104 ターンテーブル
104a 下面
104b 取り付け穴
104c 長方形の穴
104d 回転中心
104e 受電部
104f 受電端子
105 ホルダ
106 電子銃
107 高さ検出器
108 電子検出器
109 X軸ステージ移動機構
110 移動機構駆動装置
111 軸ぶれ検出器
111a,112a 位置センサ
112 位置検出器
113 駆動装置
113a 給電口
114 原盤
200,200_1,200_2,200_3,200_4 超音波モータ
201 固定子
201a 電極
201b 圧電セラミック
201c ステータ金属
202 移動子
202a 中心軸
203 配線
204 非磁性物質

Claims (4)

  1. 回転する回転体であって、この回転体の重心に対する、回転の中心軸に垂直な方向での重心位置調整と、該中心軸を挟むこの回転体の任意の両翼それぞれの重心に対する、該中心軸に平行な方向での相互間隔の調整との双方が自在な調整機構を有する回転体と、
    前記回転体を回転駆動する駆動部と、
    前記回転体を回転自在に支持する支持部とを備えたことを特徴とする回転装置。
  2. 前記調整機構が、複数の錘と、それら複数の錘に一対一に対応して各錘を動かす複数のアクチュエータとを備えたものであることを特徴とする請求項1記載の回転装置。
  3. 前記錘が、円筒形の外形を有し、かつその円筒形の中心軸から外れた位置に重心を有するものであり、
    前記アクチュエータが、前記錘を、該錘の中心軸が前記回転体の回転中心に向くように保持するものであるとともに、該錘を、該錘の中心軸に沿う方向と該錘の中心軸回りの回動方向とに移動自在なものであることを特徴とする請求項2記載の回転装置。
  4. 前記調整機構が、非磁性材料で構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の回転装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101813542A (zh) * 2010-04-23 2010-08-25 哈尔滨工业大学 单轴气浮转台台面外加载荷后自动调整质心的装置及方法
EP2390642A1 (de) * 2010-05-25 2011-11-30 Dittel Messtechnik GmbH Stelleinrichtung, Stellsystem und Werkzeugmaschine mit Stelleinrichtung oder Stellsystem

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