JP4677560B2 - 回転体のバランス調整装置および工作機械 - Google Patents

回転体のバランス調整装置および工作機械 Download PDF

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Description

本発明は、回転体のバランス調整装置、および、この回転体のバランス調整装置を備える工作機械に関する。
従来から、砥石を回転させる研削盤等の主軸に取り付けられ、主軸を含む回転体の回転バランスの調整を行うバランス調整装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。一般に、回転体の回転バランスの調整を行うためには、少なくとも2個のバランス調整用の部材が必要になる。そのため、特許文献1に記載されたバランス調整装置では、主軸の先端部の外周に圧電素子からなるリング状の振動子が軸方向に重なるように2個取り付けられ、2個の振動子のそれぞれの外周側に、主軸の回転バランスを調整するためのリング状のバランスリングが合計2個配設されている。そして、このバランス調整装置では、振動子の振動によって、2個の振動子それぞれの外周面に進行波が生じ、2個のバランスリングが個別に回転して、主軸の回転バランスを調整する。
また、特許文献1に記載されたバランス調整装置は、主軸の回転バランス調整後に、振動子に対するバランスリングの回転を防止するための係止機構を備えている。すなわち、このバランス調整装置では、回転バランスの調整後に、バランスリングは振動子とともに主軸と一体で回転する。
特開平4−131540号公報
しかしながら、特許文献1に記載のバランス調整装置では、2個のバランスリングを個別に回転させることでバランス調整を行っているため、2個のバランスリングを個別に回転させるための2個の振動子が必要になる。また、回転バランスの調整に、振動子によって回転する比較的大きなバランスリングが2個必要になる。そのため、2個の振動子および2個のバランスリングの配置スペースが必要となりの装置の小型化が困難となる。また、圧電素子からなる振動子への配線も、2個の振動子ごとに必要となるため、装置の構成が複雑化し、その結果、装置の小型化が困難となる。
そこで、本発明の課題は、小型化に適した構成を備える回転体のバランス調整装置および、この回転体のバランス調整装置を備える工作機械を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、回転体に取り付けられ、該回転体の回転バランスを調整する回転体のバランス調整装置において、回転バランスを調整するための複数のバランス部材と、該バランス部材を保持する回転側保持部を有する回転側部材と、該回転側部材を回転駆動するための振動を発生する振動体とバランス部材を保持する固定側保持部とを有し回転体に固定される固定側部材と、を備え、バランス部材は、伸縮するアクチュエータを備えるとともに、当該アクチュエータの伸縮方向の両端に固定されたパッド部材を備え、アクチュエータが伸びて、パッド部材が、回転側保持部または固定側保持部のいずれか一方に挟み込まれることで、バランス部材が、回転側部材または固定側部材のいずれか一方に保持され、アクチュエータが縮んで、パッド部材が、回転側保持部または固定側保持部のいずれか他方を挟み込むことで、バランス部材が、回転側部材または固定側部材のいずれか他方に保持される、ことを特徴とする。
本発明の回転体のバランス調整装置では、回転バランスを調整するためのバランス部材が伸縮するアクチュエータを備えている。また、アクチュエータが伸びると回転側保持部または固定側保持部のいずれか一方にバランス部材が保持され、アクチュエータが縮むと回転側保持部または固定側保持部のいずれか他方にバランス部材が保持される。そのため、アクチュエータによって、複数のバランス部材を個別に回転側部材に保持させ、かつ、回転側部材から複数のバランス部材を個別に解放させるとともに固定側部材に保持させることが可能となる。したがって、1個の回転側部材によって、複数のバランス部材を個別に固定側部材に対して移動させ、また、所定の位置で固定側部材に複数のバランス部材を個別に保持させることで、回転バランスの調整が可能になる。
すなわち、本発明では、1個の回転側部材によって、回転体の回転バランスの調整が可能となる。また、1個の回転側部材で回転バランスの調整が可能となるため、本発明のバランス調整装置は、回転側部材を回転駆動するための振動を発生する振動体を1個備えていれば良い。したがって、本発明のバランス調整装置では、装置の小型化を図ることができる。また、特に、バランス調整装置が取り付けられる回転体が高速で回転する場合、あるいは、回転体の回転軸の径が細い場合等には、バランス調整装置の形状や重さが回転体の回転に与える影響が大きくなる(すなわち、バランス調整装置自体が回転体にアンバランスな回転を生じさせる原因となる)が、本発明のバランス調整装置では、装置の小型化を図ることができるため、バランス調整装置が回転体の回転に与える影響を抑制して、回転体の適切な回転を容易に実現することができる。
また、バランス部材は、アクチュエータの伸縮方向の両端に固定されたパッド部材を備え、アクチュエータが伸びて、パッド部材が、回転側保持部または固定側保持部のいずれか一方に挟み込まれることで、バランス部材が、回転側部材または固定側部材のいずれか一方に保持され、アクチュエータが縮んで、パッド部材が、回転側保持部または固定側保持部のいずれか他方を挟み込むことで、バランス部材が、回転側部材または固定側部材のいずれか他方に保持される。そのため、簡易な構成で、回転側部材および固定側部材にバランス部材を保持させることができる。
本発明において、固定側部材は、振動体が配置される振動発生部を備え、振動発生部と回転側部材とは、回転側部材の軸方向で対向して当接することが好ましい。このように構成すると、振動発生部と回転側部材とを径方向で当接させる構成と比較して、小型化を図りつつ、振動発生部と回転側部材との当接面積を増加させることができる。その結果、小型化を図りつつ、振動体によって回転側部材を適切に回転させることができる。また、回転側部材の径方向内側に振動発生部が配置される構成と比較して、振動体の振幅が小さくても、回転側部材に大きな回転トルクを発生させることが可能になる。
本発明において、固定側保持部は、回転側部材の外周側に形成されていることが好ましい。すなわち、バランス部材は、回転側部材の外周側に配設されていることが好ましい。このように構成すると、バランス部材を小さく軽くしても、固定側保持部に保持されるバランス部材の慣性力を確保することができ、回転体の回転バランスの調整が可能になる。すなわち、このように構成すると、バランス部材を小さく軽くすることができる。
本発明において、回転体の径方向におけるバランス部材の外側面に固定される集電体と、固定側部材に固定され集電体が接触する給電線とを有する接触式の給電機構を備え、アクチュエータは、給電機構から給電されて伸縮する圧電素子で形成されていることが好ましい。このように構成すると、アクチュエータを有するバランス部材と固定側部材との間の配線が不要となり、装置の構成を簡素化できる。また、バランス部材は、回転側部材の外周側に配置されているため、バランス部材が回転側部材に保持されている場合であっても、回転体の回転時の遠心力で、集電体と給電線とを適切に接触させることが可能になる。
本発明の回転体のバランス調整装置は、このバランス調整装置が取り付けられる主軸を備える工作機械に用いることができる。この工作機械では、小型化が可能なバランス調整装置が用いられるため、工作機械の小型化を図ることができる。また、バランス調整装置が取り付けられる主軸が高速で回転する場合や主軸の径が細い場合等であっても、バランス調整装置の小型化を図ることができるため、バランス調整装置が主軸の回転に与える影響を抑制して、主軸の適切な回転を容易に実現することができる。
本発明の工作機械は、本体部に取り付けられる1次巻線と、固定側部材に取り付けられる2次巻線との相互誘導を利用して発電を行う非接触式の発電機構を備え、発電機構によって、回転体のバランス調整装置で使用する電気を発生させることが好ましい。このように構成すると、主軸とともに回転するバランス調整装置と工作機械の本体部との間の配線
が不要となり、工作機械の構成を簡素化できる。
以上説明したように、本発明にかかる回転体のバランス調整装置では、装置の小型化を図ることが可能になる。また、本発明の工作機械では、機械の小型化を図ることが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
(工作機械の要部の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる工作機械1の要部の概略構成を示す側面図である。図2は、図1のX−X方向から発電用基板9を示す図である。
本形態の工作機械1は、所定の加工対象物(ワーク)2の表面切削、ネジ切りあるいは孔あけ等を行う旋盤である。特に、本形態の工作機械1は、たとえば、内径40μm、外径100μmであるステンレス鋼管や、径が60μmである金属棒材等の小径かつ小型のワーク2に対して切削加工を行うための旋盤であり、また、卓上への設置が可能な小型の旋盤である。
この工作機械1は、図1に示すように、ワーク2に当接して加工を行う加工工具3が固定される回転軸(主軸)4と、主軸4を回転可能に支持する軸受5、5等を含む主軸4の回転駆動機構等が収納される本体部6と、主軸4を含む回転体13の回転バランスを調整する回転体のバランス調整装置7(以下、バランス調整装置7とする。)と、バランス調整装置7で使用する電気を発生させるための発電機構8を構成する発電用基板9とを備えている。なお、本形態では、加工工具3および主軸4等から、バランス調整装置7によって回転バランスが調整される回転体13が構成されている。
また、工作機械1は上述した構成の他、加工時にワーク2を保持するチャッキング装置(図示省略)、チャッキング装置を図1の左右方向、紙面垂直方向および上下方向に移動するチャッキング装置駆動機構(図示省略)、本体部6を図1の左右方向および紙面垂直へ移動する本体部駆動機構(図示省略)および、回転体13の回転バランスを測定するためのバランスセンサ(図示省略)等を備えている。なお、チャッキング装置は、加工時にワーク2を回転させるための回転機構を備えていても良い。また、本体部駆動機構は、本体部6を図1の上下方向に移動するための構成を備えていても良い。
上述のように、本形態の工作機械1では、小径かつ小型のワーク2に対して切削加工を行うため、工作機械1には高い回転精度が要求される。たとえば、工作機械1では、回転体13の回転振れを0.1μm未満に抑える必要があり、バランス調整装置7で回転体13の回転バランスの調整を行うことで、回転体13の回転振れがその値未満に抑制されている。
主軸4は、図1に示すように、2つの軸受5、5によって支持される支持部4aと、加工工具3が固定される先端部4bと、支持部4aと先端部4bとの間に配置され、支持部4aおよび先端部4bよりも径の大きなフランジ部4cとを備えている。上述のように、本形態の工作機械1は、小径かつ小型のワーク2に対して切削加工を行うものであるため、主軸4の径も細くなっている。たとえば、主軸4の先端部4bの径は20mmである。
先端部4bは、加工工具3を固定するためのチャッキング機構(図示省略)を先端に備えている。また、先端部4bの外周側には、バランス調整装置7を主軸4に固定するための後述の固定用ナット10が螺合される雄ねじが形成されている。
図1における支持部4aの左端(図示省略)は、主軸4を回転駆動する駆動モータ(図示省略)の出力軸にカップリング(図示省略)等を介して接続されている。これらの駆動モータやカップリング等は、主軸4の回転駆動機構を構成しており、本体部6に収納されている。本形態の主軸4は、回転駆動機構によって高速回転するように構成されており、たとえば、主軸4は、50000rpmで回転する。
バランス調整装置7は、略円筒状に形成されており(図3、図4参照)、その内周側に主軸4の先端部4bが挿通された状態で主軸4に固定されている。具体的には、図1に示すように、バランス調整装置7の内周側に先端部4bが挿通されフランジ部4cに一端面(図1の左端面)が当接した状態で、先端部4bに形成された雄ねじに固定用ナット10が螺合されることで、バランス調整装置7は主軸4に固定されている。上述のように、本形態の工作機械1は、小径かつ小型のワーク2に対して切削加工を行うものであるため、バランス調整装置7の外径も小さくなっている。たとえば、バランス調整装置7の外径は60mmである。なお、バランス調整装置7を先端部4bに焼嵌め等することで、バランス調整装置7を主軸4に固定しても良い。バランス調整装置7の詳細な構成は後述する。
発電用基板9には、図1および図2に示すように、主軸4の先端部4bが挿通される貫通孔9aが形成されている。この発電用基板9は、本体部6に固定された取付部材11を介して本体部6に取り付けられている。具体的には、貫通孔9aに先端部4bが挿通された状態で、バランス調整装置7よりも主軸4の先端側(図1の右側)に、かつ、バランス調整装置7と主軸4の軸方向で対向するように、発電用基板9は取付部材11に固定されている。
また、発電用基板9には、バランス調整装置7が有する後述の2次巻線28と協働して、バランス調整装置7で使用する電気を発生させるためのたとえば円環状の1次巻線12が実装されている。すなわち、図1に示すように、1次巻線12は、主軸4の軸方向で2次巻線28と対向するように発電用基板9に実装されている。1次巻線12は、渦巻き状に巻回されている。また、この1次巻線12に、所定の周波数で変化する交番電流(交流)が供給されることで、1次巻線12と2次巻線28との相互誘導を利用した発電が行われる。このように、本形態では、発電用基板9に実装された1次巻線12および2次巻線28等から、バランス調整装置7を構成する後述の振動子19やアクチュエータ34で使用される電気を発生させる非接触式の発電機構8が構成されている。なお、図1では便宜上、1次巻線12を発電用基板9から図示左方向に大きく突出させて図示しているが、実際の1次巻線12は、発電用基板9からほとんど突出していない状態で実装されている。
本形態では、回転体13の回転に悪影響が生じないように(すなわち、コギングの発生を防止するために)、1次巻線12に供給される交流の周波数は、回転体13の回転周波数よりも非常に高くなっている。たとえば、回転体13の回転周波数が約833Hz(=50000rpm/60sec)であるのに対して、1次巻線12に供給される交流の周波数は約1MHzとなっている。
(バランス調整装置の構成)
図3は、図1に示すバランス調整装置7の軸方向の断面を示す断面図である。図4は、図3のY−Y方向から、カバー部材25および第1ロータ部材30を取り外した状態を示す図である。図5は、図3のZ部を拡大して示す拡大図であり、(A)はアクチュエータ34が縮んでバランス部材18が突出部22aに保持された状態を示し、(B)はアクチュエータ34が伸びてバランス部材18がフランジ部30a、31b間に保持された状態を示す。なお、図3では、図4のW−W方向から見たバランス調整装置7の断面が図示されている。
バランス調整装置7は、図3および図4に示すように、主軸4に固定される固定側部材16と、固定側部材16に対して相対回転する回転側部材17と、回転体13の回転バランスを調整するための2個のバランス部材18、18とを備えている。また、固定側部材16は、回転側部材17を回転駆動するための振動を発生させる振動体として、圧電素子から構成され円環状に形成された振動子19を備えている。すなわち、本形態のバランス調整装置7には、振動子19によって発生する進行波によって回転側部材17を回転駆動する超音波モータの構成が内蔵されている。さらに、本形態では、固定側部材16に対する回転側部材17の回転中心が、主軸4の回転中心とほぼ一致する。
なお、以下のバランス調整装置7の説明では、主軸4の軸方向(図3の左右方向)を「軸方向」、主軸4の径方向を「径方向」と表記する。また、軸方向の本体部6側(図3の左側)を「本体側」、軸方向の加工工具3側(図3の右側)を「先端側」と表記する。
固定側部材16は、振動子19の他、振動子19が配置される振動発生部としてのステータ部材20と、バランス調整装置7の制御を行う制御基板21と、制御基板21に実装される制御用素子(図示省略)やステータ部材20等が収納される第1から第3のケース体22、23、24およびカバー部材25とを備えている。
第1ケース体22および第3ケース体24は、図3に示すように、径方向の厚さが薄い薄肉の円筒状に形成されている。また、第2ケース体23は、本体側の端部に形成されたフランジ部23aと筒部23bとを有するフランジ付でかつ径方向の厚さが薄い薄肉の円筒状に形成されている。さらに、カバー部材25は、主軸4の先端部4bが挿通される円形の開口部25aを有する円板状に形成されている。なお、本形態では、第2ケース体23と第3ケース体24とが別体となっているが、第2ケース体23と第3ケース体24とが一体で形成されても良い。
第1ケース体22の外径、第3ケース体24の外径、第2ケース体23のフランジ部23aの外径およびカバー部材25の外径は、図3に示すように、ほぼ等しくなっている。第2ケース体23の内周側には、主軸4の先端部4bが挿通されており、第2ケース体23の内径は、先端部4bの外径とほぼ等しくなっている。また、第2ケース体23の筒部23bの外径は、第1ケース体22の内径および第3ケース体24の内径よりも小さくなっている。
図3に示すように、第1ケース体22および第3ケース体24は、第2ケース体23のフランジ部23aを挟んだ状態で軸方向に配設されている。本形態では、第3ケース体24が、第2ケース体23の筒部23bの径方向外方に配置されている。そして、第1ケース体22、第3ケース体24およびフランジ部23aは、図示を省略するネジ等の固定手段によって固定されている。また、カバー部材25は、第1ケース体22の本体側の端面に当接した状態で、ネジ26、26によって第1ケース体22に固定されている。
第1ケース体22の内周面には、径方向内側へ突出する円環状の突出部22aが形成されている。突出部22aの軸方向の断面は、図5等に示すように矩形状になっている。この突出部22aの内周面には、図5に示すように、バランス部材18を構成する後述のアクチュエータ34に電気を供給するための給電線27が取り付けられている。本形態では、たとえば、2本の給電線27、27が突出部22aの内周面に取り付けられており、2個のバランス部材18、18のそれぞれのアクチュエータ34に個別に電気を供給することができるように構成されている。また、給電線27は、制御基板21に接続されており、給電線27には、制御基板21から電気が供給される。
ステータ部材20は、導電性の低い硬質のエンジニアリングプラスチックや金属部材等で、径方向の厚さが厚い厚肉の円筒形状に形成されている。ステータ部材20の内径は先端部4bの外径と略等しくなっており、ステータ部材20の内周側には、主軸4の先端部4bが挿通されている。また、ステータ部材20の外径は、第1ケース体22の内径はよりも小さくなっており、ステータ部材20は、図3に示すように、第1ケース体22、フランジ部23aおよびカバー部材25で囲まれた空間に配置されている。具体的には、ステータ部材20は、フランジ部23aの本体側の側面に固定されている。
ステータ部材20の本体側の端面には、円環状の振動子19が配置される円環状の溝部20aが形成されている。本形態では、振動子19が振動すると、ステータ部材20も振動子19とともに振動して、回転側部材17を回転駆動するように構成されている。そのため、ステータ部材20の先端側の端面には、振動子19とともに振動するステータ部材20の振動周波数を調整するための逃げ部20bが窪むように形成されている。
振動子19は、複数の圧電素子から構成されている。具体的には、振動子19は、90°位相の異なる2つの正弦波状の電圧がそれぞれ印加される2組の複数の圧電素子から構成され、一方の組の圧電素子と他方の組の圧電素子とが円周方向に交互に配置されている。そして、一方の組の圧電素子と他方の組の圧電素子とのそれぞれに90°位相の異なる2つの正弦波状の電圧が印加されると、振動子19が振動して、振動子19およびステータ部材20の本体側の端面に楕円振動が発生する。すなわち、本形態では、振動子19が振動すると、振動子19およびステータ部材20の本体側の端面に回転側部材17を回転駆動する進行波が生じる。
制御基板21は、第3ケース体23の筒部23bに固定するための円形の開口部21aを有する円板状に形成されている。図3に示すように、制御基板21は、筒部23bの先端側に固定されている。制御基板21の本体側の面には、バランス調整装置7の制御を行うための制御用素子(図示省略)が実装されている。すなわち、制御用素子は、第3ケース体24、フランジ部23aおよび制御基板21で囲まれた空間に配置されている。
本形態の制御基板21は、制御用素子として、たとえば、バランス部材18を構成する後述のアクチュエータ34および、振動子19への通電のオンオフ制御(スイッチング)を行うフォトダイオード(受光素子)を備えている。本形態では、耐電圧の高いフォトダイオード(たとえば、耐電圧が200Vのもの)が用いられている。そのため、フォトダイオード用に降圧回路を設ける必要がなく、制御基板21の回路構成が簡素化される。
また、制御基板21には、上述した1次巻線12と協働して、バランス調整装置7で使用する電気を発生させるためのたとえば円環状の2次巻線28が実装されている。具体的には、上述のように、2次巻線28は、軸方向で1次巻線12と対向するように制御基板21に実装されている。2次巻線28も1次巻線と同様に、渦巻き状に巻回されている。なお、相互誘導によって2次巻線28に生じる電気を蓄えるためのコンデンサ等の簡易な蓄電手段を制御基板21に設けても良い。また、図1および図3では、便宜上、2次巻線28を制御基板21から先端側に大きく突出させて図示しているが、実際の2次巻線28は、制御基板21からほとんど突出していない状態で実装されている。
回転側部材17は、図3に示すように、第1ロータ部材30と、第2ロータ部材31と軸受32とを備えている。なお、本形態では、第1ロータ部材30と第2ロータ部材31とが別体となっているが、第1ロータ部材30と第2ロータ部材31とが一体で形成されても良い。
第1ロータ部材30は、図3に示すように、軸方向の長さが短くかつ径方向の厚さが厚い厚肉の円筒状に形成されている。この第1ロータ部材30の本体側の端部には、径方向外側に広がるフランジ部30aが形成されている。
第2ロータ部材31は、図3に示すように、径方向の厚さが厚い厚肉の円筒状に形成されている。この第2ロータ部材31の先端側の端部の径方向外側部分には、先端側に伸びる薄肉の円筒部31aと、円筒部31aの先端側の端部から径方向外側に広がるフランジ部31bとが形成されている。図3に示すように、円筒部31aとフランジ部31bとの軸方向の長さは、ステータ部材20の軸方向の長さとほぼ等しくなっている。また、円筒部31aの内径は、ステータ部材20の外径よりも大きくなっている。
軸受32は、径方向の厚さが薄い薄肉の円筒状に形成されている。軸受32の内径は先端部4bの外径とほぼ等しくなっている。また、軸受32の軸方向の長さは、第1ロータ部材30と第2ロータ部材31との軸方向の長さとほぼ等しくなっている。
図3に示すように、第1ロータ部材30の先端側の端面と第2ロータ部材31の本体側の端面とが当接した状態で、第1ロータ部材30と第2ロータ部材31とは固定されている。また、第1ロータ部材30および第2ロータ部材31の内周側に軸受32が配置され、軸受32の内周側には主軸4の先端部4bが挿通されている。さらに、第2ロータ部材31の円筒部31aの内周側にステータ部材20が配置されている。また、第1ロータ部材30の先端側の端面と第2ロータ部材31の本体側の端面とが当接した状態では、第1ロータ部材30のフランジ部30aと、第2ロータ部材31のフランジ部31bとが軸方向に所定の間隔をあけた状態で対向している。すなわち、フランジ部30aとフランジ部31bとの間には軸方向に空間が形成されている。この空間には、図3に示すように、バランス部材18が配設されている。
回転側部材17は、図3に示すように、第1ケース体22、フランジ部23aおよびカバー部材25で囲まれた空間に配設されている。具体的には、振動子19の振動によって、回転側部材17を回転させるため、第2ロータ部材31や軸受32と、振動子19やステータ部材20との接触面が所定の接触圧で当接するように、第1ロータ部材30、第2ロータ部材31、軸受32およびステータ部材20が、軸方向で、フランジ部23aとカバー部材25とに挟まれている。
なお、本形態では、上述のように、第1ロータ部材30、第2ロータ部材31、軸受32およびステータ部材20が、軸方向で、フランジ部23aとカバー部材25とに挟まれているため、フランジ部30aの本体側の面とカバー部材25の先端側の面とが当接し、また、フランジ部31bの先端側の面とフランジ部23aの本体側の面とが当接する。したがって、これらの当接部分の摩擦抵抗を軽減して、回転側部材17を適切に回転させるために、これらの当接部分に潤滑性被膜のコーティングを行うことが好ましい。
上述のように、本形態では、振動子19が振動すると、ステータ部材20も振動子19とともに振動する。振動子19およびステータ部材20が振動すると、振動子19およびステータ部材20の本体側の端面に進行波が発生し、この進行波で第1ロータ部材30、第2ロータ部材31、軸受32(すなわち回転側部材17)が回転する。本形態では、図4における時計方向および反時計方向のいずれの方向にも回転側部材17を回転させることできるように振動子19が振動する構成となっている。なお、本形態の軸受32は、振動子19の振動によって回転する回転側部材17に含まれているが、軸受32をステータ部材20あるいは主軸4に固定して、振動子19の振動によって第1ロータ部材30および第2ロータ部材31のみが回転する構成としても良い。
バランス部材18は、図3および図5に示すように、軸方向に伸縮するアクチュエータ34と、アクチュエータ34の伸縮方向の両端にそれぞれ固定された合計2枚のパッド部材35、35と、アクチュエータ34の径方向外側面に固定された集電体36とを備えている。
アクチュエータ34は、圧電素子から略直方体のブロック状に形成されている。本形態のアクチュエータ34は、チタン酸鉛(PbTiO)とジルコン酸鉛(PbZrO)との固溶体(PZT)を積層して形成されている。すなわち、本形態のアクチュエータ34は、セラミック材料からなる圧電素子によって形成されている。また、本形態のアクチュエータ34は、通電されると軸方向に伸び、通電が停止されると軸方向に縮む。
パッド部材35、35は、たとえば、金属平板で略矩形状に形成されており、上述のように、アクチュエータ34の伸縮方向の両端にそれぞれ固定されている。図5等に示すように、パッド部材35、35の径方向外側部分は、アクチュエータ34の径方向外側面より径方向外側に突出している。
集電体36は、図5に示すように、給電線27に接触して、アクチュエータ34を駆動するための電気の供給を給電線27から受ける。本形態では、上述のように、2本の給電線27、27が設けられており、2個のバランス部材18、18のうち、一方のバランス部材18に設けられた集電体36には、一方の給電線27から電気が供給され、他方のバランス部材18に設けられた集電体36には、他方の給電線27から電気が供給される。すなわち、本形態では、2個のバランス部材18、18のそれぞれのアクチュエータ34を個別に駆動できるように構成されている。なお、本形態では、給電線27と集電体36とによって、アクチュエータ34へ電気を供給する接触式の給電機構が構成されている。また、本形態では、後述のように、主軸4が回転している状態でアクチュエータ34の駆動が行われるため、アクチュエータ34の駆動時には、主軸4の回転による遠心力で給電線27と集電体36とが接触する。
上述のように、フランジ部30aとフランジ部31bとの間に形成された空間にバランス部材18が配設されている。そして、バランス部材18では、給電線27に電気が供給されず、アクチュエータ34が通電状態にないとき(すなわち、アクチュエータ34が縮んでいるとき)には、図5(A)に示すように、パッド部材35、35の、アクチュエータ34の径方向外側面より径方向外側に突出した部分が、第1ケース体22の突出部22aの軸方向の両端面を挟み込み(掴み)、バランス部材18が第1ケース体22に保持されている。すなわち、アクチュエータ34が通電状態にないときには、図5(A)に示すように、パッド部材35、35が第1ケース体22の突出部22aに密着し、本体側のパッド部材35とフランジ部30aとの間、および、先端側のパッド部材35とフランジ部31bとの間には、隙間G1、G1が形成されている。そのため、この状態で、主軸4が回転すると、バランス部材18は第1ケース体22と一体となって回転する。このように、本形態では、突出部22aは、バランス部材18を固定側部材16に保持する固定側保持部となっている。
一方、給電線27および集電体36を介してアクチュエータ34に電気が供給されると、アクチュエータ34が軸方向へ伸びて、パッド部材35、35は第1ケース体22の突出部22aから離れる。その結果、アクチュエータ34が通電状態にあるとき(すなわち、アクチュエータ34が伸びているとき)には、図5(B)に示すように、アクチュエータ34およびパッド部材35、35が、第1ロータ部材30のフランジ部30aと第2ロータ部材31のフランジ部31bとに挟み込まれて(アクチュエータ34およびパッド部材35、35が突っ張った状態で、フランジ部30aとフランジ部31bとに接触して)、バランス部材18が回転側部材17に保持されている。すなわち、アクチュエータ34が通電状態のときには、図5(B)に示すように、本体側のパッド部材35とフランジ部30aとが密着するとともに、先端側のパッド部材35とフランジ部31bとが密着し、また、第1ケース体22の突出部22aの軸方向の端面と、パッド部材35、35との間には、隙間G2、G2が形成されている。そのため、この状態で、回転側部材17が回転すると、バランス部材18は回転側部材17と一体となって回転する。このように、本形態では、フランジ部30a、31bは、バランス部材18を回転側部材17に保持する回転側保持部となっている。
(回転バランスの調整方法)
図6は、図1に示す工作機械1の回転体13の回転バランスの調整手順を示すフローチャートである。
以上のように構成された工作機械1では、以下のように、回転体13の回転バランスの調整を行う。
本形態では、回転体13の回転バランスの調整は主軸4を回転させた状態で行う。すなわち、まず、主軸4を回転させる(ステップS1)。主軸4を回転させながら、バランスセンサ(図示省略)で回転体13の回転バランスを測定し(ステップS2)、回転バランスの調整が必要であるか否かを判断する(ステップS3)。なお、本形態では、主軸4を回転させた状態で回転体13の回転バランスの調整を行っているため、回転バランスを測定しながら、回転バランスの調整を行うことができる。したがって、回転バランスの調整が容易になる。
ステップS3で、回転バランスの調整が必要でないと判断した場合には、主軸4の回転を停止し(ステップS11)、回転体13の回転バランスの調整を終了する。一方、回転バランスの調整が必要であると判断した場合には、発電機構8で発電を行い、振動子19およびアクチュエータ34の駆動に必要な電気を発生させる(ステップS4)。具体的には、1次巻線12に所定の周波数の交流を供給して発電を行う。なお、発電装置8での発電をステップS1の後に行っても良い。
その後、アクチュエータ34を通電状態にする(ステップS5)。すなわち、回転バランスの測定結果に基づいて、移動させたい1個または2個のバランス部材18のアクチュエータ34に、給電線27および集電体36を介して、制御基板21から電気を供給する。通電状態となったアクチュエータ34は伸びて、アクチュエータ34およびパッド部材35、35が、フランジ部30aとフランジ部31bとに挟み込まれて回転側部材17に保持される(図5(B)参照)。
その後、振動子19を振動させ、バランス部材18を保持した回転側部材17を回転させる(ステップS6)。具体的には、振動子19に通電し、振動子19を振動させる。回転バランスの測定結果に基づいて、回転側部材17を所定の角度、回転させた後、振動子19の振動を停止する(ステップS7)。
その後、アクチュエータ34への通電を停止する(ステップS8)。すなわち、制御基板21から給電線27への電気の供給を停止する。通電が停止されるとアクチュエータ34は縮んで、パッド部材35、35の、アクチュエータ34の径方向外側面より径方向外側に突出した部分が、突出部22aの軸方向の両端面を挟み込み、バランス部材18が第1ケース体22に保持される(図5(A)参照)。
その後、再び、回転体13の回転バランスを測定し(ステップS9)、回転バランスの調整が必要であるか否かを判断する(ステップS10)。回転バランスの調整が必要でないときには、主軸4の回転を停止し(ステップS11)、回転体13の回転バランスの調整を終了する。一方、回転バランスの調整が必要なときには、ステップS5に戻って、回転体13の回転バランスが適切なものとなるまで(すなわち、回転体13の回転振れが所定の値以下または所定の値未満になるまで)、回転バランスの調整を継続する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、バランス部材18が伸縮するアクチュエータ34を備えている。また、アクチュエータ34が伸びると回転側部材17にバランス部材18が保持され、アクチュエータ34が縮むと第1ケース体22(すなわち、固定側部材16)にバランス部材18が保持される。さらに、2個のバランス部材18、18のそれぞれのアクチュエータ34は、個別に駆動可能となっている。そのため、アクチュエータ34によって、2個のバランス部材18、18を個別に回転側部材17に保持させることができ、また、回転側部材17から2個のバランス部材18、18を個別に解放させるとともに固定側部材16に保持させることができる。したがって、1個の回転側部材17によって、2個のバランス部材18、18を個別に固定側部材16に対して移動させ、また、所定の位置で固定側部材16に2個のバランス部材18、18を個別に保持させることで、回転体13の回転バランスの調整を行うことができる。
すなわち、本形態では、1個の回転側部材17によって、回転体13の回転バランスの調整ができるため、回転側部材17を回転駆動するための振動を発生する振動子19を1個備えていれば良い。換言すれば、回転側部材17と振動子19とを1組備えていれば、回転体13の回転バランスの調整ができるため、本形態のバランス調整装置7では、装置の小型化を図ることができる。その結果、本形態の工作機械1のように、主軸4がたとえば50000rpmといった高速で回転し、かつ、主軸4の径が細くても、バランス調整装置7の形状や重さが回転体13の回転に与える影響を抑制して、回転体13の適切な回転を容易に実現することができる。
特に、本形態では、アクチュエータ34が伸びることで、アクチュエータ34およびパッド部材35、35が、フランジ部30a、31bに挟み込まれて、バランス部材18が回転側部材17に保持されている。また、アクチュエータ34が縮むことで、パッド部材35、35の、アクチュエータ34の径方向外側面より径方向外側に突出した部分が、第1ケース体22の突出部22aの軸方向の両端面を挟み込み、バランス部材18が第1ケース体22に保持されている。すなわち、本形態では、アクチュエータ34とパッド部材35、35とを用いた簡易な構成で、回転側部材17および固定側部材16にバランス部材18を保持させることができる。また、パッド部材35、35が、フランジ部30a、31bおよび突出部22aに当接するため、圧電素子からなるアクチュエータ34の損傷を防止できる。
本形態では、振動子19の振動によって、回転側部材17を回転駆動する進行波が生じる振動子19およびステータ部材20の本体側の端面と、回転側部材17(具体的には、第2ロータ部材31および軸受32)とが、主軸4の軸方向で対向して当接している。そのため、進行波が生じる面と回転側部材とを径方向で当接させる従来の構成と比較して、小型化を図りつつ、進行波が生じる面と回転側部材17との当接面積を増加させることができる。その結果、小型化を図りつつ、振動子19によって回転側部材17を適切に回転させることができる。また、回転側部材の径方向内側に進行波が生じる面が配置される従来の構成と比較して、振動子19の振幅が小さくても、回転側部材17に大きな回転トルクを発生させることができる。
本形態では、バランス部材18は、回転側部材17の外周側に配設されている。そのため、バランス部材18を小さくかつ軽くしても、固定側部材16に保持されるバランス部材18の慣性力を大きな値として確保することができ、回転体13の回転バランスの調整が可能になる。すなわち、このように構成すると、バランス部材18を小さくかつ軽くすることができ、その結果、バランス調整装置7の小型化を図ることができる。
本形態では、バランス部材18の径方向外側面に固定される集電体36と、第1ケース体22の突出部22aに固定され集電体36が接触する給電線27とを備える接触式の給電機構からの給電によって、アクチュエータ34が駆動される。そのため、バランス部材18と固定側部材16との間の配線が不要となり、装置の構成を簡素化できる。
本形態の工作機械1は、1次巻線12と2次巻線28との相互誘導を利用して発電を行う非接触式の発電機構8によって、バランス調整装置7で使用する電気を発生させている。そのため、主軸4とともに回転するバランス調整装置7と本体部6との間の配線が不要となり、工作機械1の構成を簡素化できる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、主軸4の先端側(図1の右側)に、1個のバランス調整装置7が取り付けられている。この他にもたとえば、図7に示すように、主軸4の、軸受5、5に軸支される部分の両側に1個ずつ、合計2個のバランス調整装置7が取り付けられても良い。このように構成した場合には、回転体13の回転バランスをより適切に調整することが可能になる。なお、図7では、図1に示す構成と同様の構成および図1に示す構成と同等の構成については、同一の符号を付している。
また、上述した形態では、アクチュエータ34が伸びると回転側部材17にバランス部材18が保持され、アクチュエータ34が縮むと固定側部材16にバランス部材18が保持されている。この他にもたとえば、アクチュエータ34が伸びると固定側部材16にバランス部材18が保持され、アクチュエータ34が縮むと回転側部材17にバランス部材18が保持されても良い。
さらに、上述した形態では、バランス調整装置7は、2個のバランス部材18、18を備えている。この他にもたとえば、バランス調整装置7が、3個以上のバランス部材18を備えていても良い。バランス部材18が3個以上であっても、本形態の構成を採用すれば、1組の回転側部材17と振動体19とによって、全てのバランス部材18を個別に移動させることができる。
さらにまた、上述した形態では、バランス部材18は2枚のパッド部材35、35を備えているが、バランス部材18がパッド部材35、35を備えていなくても良い。すなわち、伸縮することでフランジ部30a、31bおよび突出部22aに直接当接する形状のアクチュエータを用いて、バランス部材を構成しても良い。また、アクチュエータ34は圧電素子には限定されず、たとえば、超磁歪素子でアクチュエータを構成しても良い。
また、上述した形態では、給電線27と集電体36とで構成される接触式の給電機構によって、アクチュエータ34に電気が供給されている。この他にもたとえば、バランス部材18と制御基板21とをリード線等の配線を用いて接続しても良い。また、上述した形態では、発電機構8によって、バランス調整装置7で使用する電気を発生させている。この他にもたとえば、バランス調整装置7に充電式の電池を取り付けて、バランス調整装置7で使用する電気をこの電池から供給しても良い。
さらに、上述した形態では、主軸4の先端に加工工具3が固定されている。この他にもたとえば、主軸4の先端にワーク2が固定されても良い。また、上述した形態では、工作機械1として旋盤を例に挙げて、本発明の実施の形態を説明したが、工作機械1は旋盤には限定されず、フライス盤、研削盤、あるいは、マシニングセンタ等であっても良い。さらにまた、回転体を有する工作機械1以外の装置(たとえば、回転体としてのロータを有するモータ等)で、上述した形態のバランス調整7を用いて回転体の回転バランスの調整を行っても良い。
本発明の実施の形態にかかる工作機械の要部の概略構成を示す側面図である。 図1のX−X方向から発電用基板を示す図である。 図1に示すバランス調整装置の軸方向の断面を示す断面図である。 図3のY−Y方向から、カバー部材および第1ロータ部材を取り外した状態を示す図である。 図3のZ部を拡大して示す拡大図であり、(A)はアクチュエータが縮んでバランス部材が突出部に保持された状態を示し、(B)はアクチュエータが伸びてバランス部材がフランジ部間に保持された状態を示す。 図1に示す工作機械の回転体の回転バランスの調整手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態にかかる工作機械の主軸の周辺を示す側面図である。
符号の説明
1 工作機械
4 主軸(回転軸)
6 本体部
7 回転体のバランス調整装置
8 発電機構
12 1次巻線
13 回転体
16 固定側部材
17 回転側部材
18 バランス部材
19 振動子(振動体)
20 ステータ部材(振動発生部)
22 第1ケース体
22a 突出部(固定側保持部)
27 給電線
28 2次巻線
30 第1ロータ部材
30a フランジ部(回転側保持部)
31 第2ロータ部材
31b フランジ部(回転側保持部)
34 アクチュエータ
35 パッド部材
36 集電体

Claims (6)

  1. 回転体に取り付けられ、該回転体の回転バランスを調整する回転体のバランス調整装置において、
    上記回転バランスを調整するための複数のバランス部材と、該バランス部材を保持する回転側保持部を有する回転側部材と、該回転側部材を回転駆動するための振動を発生する振動体と上記バランス部材を保持する固定側保持部とを有し上記回転体に固定される固定側部材と、を備え、
    上記バランス部材は、伸縮するアクチュエータを備えるとともに、当該アクチュエータの伸縮方向の両端に固定されたパッド部材を備え、
    上記アクチュエータが伸びて、上記パッド部材が、上記回転側保持部または上記固定側保持部のいずれか一方に挟み込まれることで、上記バランス部材が、上記回転側部材または上記固定側部材のいずれか一方に保持され、
    上記アクチュエータが縮んで、上記パッド部材が、上記回転側保持部または上記固定側保持部のいずれか他方を挟み込むことで、上記バランス部材が、上記回転側部材または上記固定側部材のいずれか他方に保持される、
    ことを特徴とする回転体のバランス調整装置。
  2. 前記固定側部材は、前記振動体が配置される振動発生部を備え、
    該振動発生部と前記回転側部材とは、前記回転側部材の軸方向で対向して当接することを特徴とする請求項記載の回転体のバランス調整装置。
  3. 前記固定側保持部は、前記回転側部材の外周側に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の回転体のバランス調整装置。
  4. 前記回転体の径方向における前記バランス部材の外側面に固定される集電体と、前記固定側部材に固定され上記集電体が接触する給電線とを有する接触式の給電機構を備え、
    前記アクチュエータは、上記給電機構から給電されて伸縮する圧電素子で形成されていることを特徴とする請求項記載の回転体のバランス調整装置。
  5. 請求項1からいずれかに記載の回転体のバランス調整装置と、該バランス調整装置が取り付けられる主軸とを備えることを特徴とする工作機械。
  6. 前記工作機械の本体部に取り付けられる1次巻線と、前記固定側部材に取り付けられる2次巻線との相互誘導を利用して発電を行う非接触式の発電機構を備え、
    該発電機構によって、前記回転体のバランス調整装置で使用する電気を発生させることを特徴とする請求項記載の工作機械。
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