JP2010018016A - 切断装置および切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬く且つ脆い材料から形成された加工対象物に対して、優れた切断性能を安定して示し、かつ設計が容易な円盤状のブレードを用いた切断装置を提供する。
【解決手段】 チタン製のフランジ2a、2bの各々に8個のスリット12を設ける。そして、フランジ2a、2bの外側表面には、スリット12より外周部に円環状の圧電セラミック3a、3bを接合する。圧電セラミック3a、3bは、配線を便利にするために折り返し電極20および無電極部21を有している。ブレード1と接するフランジ2a、2bの内側にはリング状の突起13a、13bを設けている。そしてモータの電源をいれ回転軸5を回転させる。次にロータリートランス6a、6bを介してリング状の圧電セラミック3aに図示しない超音波発振回路からの超音波交流電圧を印加する。
【選択図】図5
【解決手段】 チタン製のフランジ2a、2bの各々に8個のスリット12を設ける。そして、フランジ2a、2bの外側表面には、スリット12より外周部に円環状の圧電セラミック3a、3bを接合する。圧電セラミック3a、3bは、配線を便利にするために折り返し電極20および無電極部21を有している。ブレード1と接するフランジ2a、2bの内側にはリング状の突起13a、13bを設けている。そしてモータの電源をいれ回転軸5を回転させる。次にロータリートランス6a、6bを介してリング状の圧電セラミック3aに図示しない超音波発振回路からの超音波交流電圧を印加する。
【選択図】図5
Description
本発明は、ガラスやシリコンなどの脆い材料から形成された加工対象物の切断あるいは溝入れに有利に用いることができる円盤状のブレードを持つ切断装置に関する。
ガラス、シリコン、サファイア、炭化珪素、希土類磁石材料もしくは超硬金属などの硬く且つ脆い材料から形成された加工対象物を切断あるいは溝入れするために、円盤状のブレードを備えた切断装置が一般的に用いられている。
図1は、特許文献1に記載の従来の切断装置10の構成例を示す正面図であり、そして図2は、図1の切断装置10の側面図である。図1及び図2に示す切断装置10は、回転駆動装置11の回転軸5に取付けられた第一のフランジ2a、円盤状のブレード1、及び第二のフランジ2b、そしてこれらのフランジ2a、2bによりブレード1を締め付け固定するためのナット7から構成されている。そして切断装置10の回転駆動装置11を作動させて円盤状のブレード1を回転させながら、加工対象物を切断あるいは溝入れを行う。
一方、工作機械のバイトなどの工具に超音波振動を付与しながら加工対象物を切削する方法は知られている。このような切削方法は、超音波切削加工と呼ばれており、非特許文献1に詳しく記載されている。超音波切削加工は、加工対象物と工具との摩擦抵抗が小さくなるために、加工面の熱歪みが低減され、加工精度が高くなり、そして切削工具の寿命が長くなるなどの利点を有している。
特許文献2には、円盤状のブレードを回転させる回転軸に超音波振動子が付設された構成の切断装置が開示されている。この切断装置は、円盤状のブレードを回転させ、かつ超音波振動子にて発生させた超音波振動を、回転軸を介して円盤状のブレードに付与しながら、ブレードの外縁端部にて加工対象物を切断する。この切断装置のブレードは、円盤状の振動伝達方向変換器とナットとにより締め付けられた状態で回転軸の先端に固定される。回転軸に付設された超音波振動子は、回転軸の長さ方向に振動する超音波振動を発生させ、この超音波振動は、振動伝達方向変換器によりブレードの径を拡縮させる方向に振動する超音波振動へと変換され、ブレードに付与される。超音波振動の伝達方向を変換するため、回転軸や振動伝達方向変換器は、有限要素法などによる数値計算により所定の形状に設計される。
特開平8−127023公報 特開2000−210928公報 超音波便覧編集委員会、「超音波便覧」、丸善株式会社、平成11年8月、p679−684
上記の特許文献2に記載の切断装置においては、ブレードに付与する超音波振動の振動方向や振動数などを変更する場合には、有限要素法などによる数値計算を再度行って回転軸や振動伝達方向変換器の形状を設計し直す必要がある。また、この切断装置は、回転軸に超音波振動子を取り付けているため回転軸が超音波振動するので軸受にも超音波振動が伝播し、軸受は破損の恐れが生ずる。また回転軸および軸受に異常な磨耗が発生したり、磨耗が大きくなる恐れがある。さらに、回転軸の直径とほぼ等しい超音波振動子を回転軸に接合するため、重量が増加して、慣性が大きくなり高速回転には不適な構成になる。さらに、回転軸に接合された超音波振動子の形状の誤差、重量のアンバランスにより回転が不安定になり、回転装置が故障し、加工精度が低下する。またこれらを回転軸に取付けにために従来より困難な調整作業が必要になる。
本発明の目的はまた、優れた切断性能を安定して示し、かつ設計が容易な切断装置を提供することにある。
本発明は、回転軸に嵌め合わされる透孔を中央に備えた円盤状のブレードを持つ切断装置において、円盤状のブレードを固定保持するための2個のフランジがスリット、孔、溝を持ち、かつ一方のフランジに接合された超音波振動子に交流電圧を印加するものである。
本発明はまた、回転軸に嵌め合わされる透孔を中央に備えた円盤状のブレードを持つ切断装置において、円盤状のブレードを支持するための2個のサポート板がスリット、孔、溝を持ち、かつ一方のサポート板に接合された超音波振動子に交流電圧を印加するものである。
本発明はまた、回転軸に嵌め合わされる透孔を中央に備えた円盤状のブレードを持つ切断装置において、円盤状のブレードがスリット、孔、溝を持ち、かつ一方のブレードの面に接合された超音波振動子に交流電圧を印加するものである。
スリットより外周部に超音波振動子を接合したブレード、サポータ板、フランジは、スリットより外側の超音波振動の拘束はほとんどなく、かつスリットの内側に超音波振動をほとんど伝播させない。このため、回転軸に伝播する超音波振動が小さくなるため、回転軸を回転自在に支持する軸受けを損傷させることはほとんどない。また回転軸などに不要な超音波振動を励起する必要がないので、超音波駆動源に与える電力を小さくできるので、不要な発熱が抑制されため、高精度な切断が可能となる。さらに前記のブレード、サポータ板、フランジの一方の超音波振動子にだけ交流電圧を印加する方法により、電気配線が簡略化できる。
本発明の第1の実施の形態について説明する。まず、フランジ部の詳細を図3の正面図、そして図3のA−A線で切断した図4の断面図で示す。
チタン製のフランジ2a、2bの各々に8個のスリット12を設ける。ここでは、スリット12を設けたが、複数の孔、溝でもよい。スリット12、複数の孔、溝の作用は、超音波振動を反射することである。そして、フランジ2a、2bの外側表面には、スリット12より外周部に円環状の圧電セラミック3a、3bを接合する。圧電セラミック3a、3bは、配線を便利にするために折り返し電極20および無電極部21を有している。ブレード1と接するフランジ2a、2bの内側にはリング状の突起13a、13bを設けている。
次に、図3に示したフランジ部を回転軸5に取り付けた正面図を図5に、そして図5のA−A線で切断した図6の断面図で示す。
円盤状のブレード1として金属の表面に砥粒を固定したものが用いる。円盤状の基板の材料の例として、アルミニウム、鉄、ステンレスおよび超硬金属が挙がられる。また図には示さないが、フランジとブレードの接触をより確実にするためにフランジ2またはブレード1の表面に薄い有機材料を設けても良いし、またグリースをフランジ2またはブレード1の接触面に塗ってもよい。
円盤状のブレード1をチタン製のフランジ2a、2bで両側から挟み支持固定する。なお、フランジ2aはスリーブ8と一体の構成となっている。
フランジ2a、2bの両面には、超音波振動子である圧電セラミック3a、3bがエポキシ樹脂により接合されている。圧電セラミック3a、3bの板厚方向の両側には銀電極が設けられている。また、分極方向は板厚方向である。そして、片側からのみ配線できるように折り返し電極20と無電極部21が設けられている。
ケース14に固定側のロータリートランス6bに取り付ける。スリーブ8に回転側のロータリートランス6aを図示しないネジにより取付ける。そして、スリーブ8を回転軸5に押し込み、ナット7で回転軸5に固定支持する。
円盤状ブレード1をスリーブ8に沿って挿入し、さらに外側フランジ2bをスリーブ8に沿って挿入し、さらにフランジナット4によりスリーブ8に固定する。この際、外側のフランジ2bに設けられたスリット12より内側をフランジナット4により締め付けることが重要である。また、フランジ2bとフランジナット4を一体化した構成も用いることができる。
回転側のロータリートランス6aとフランジ2aに接合した圧電セラミック3aの電極とをリード線15a、15bにより接続する。また、ロータリートランス6aとフランジ2aに接合した圧電セラミック3aの電極を電気的に接続するために金属板、フレキシブルプリント配線板を用いることもできる。
次に上記の円盤状のブレード1とフランジ2a、2bを使用した切断装置の運転方法について同じく図6の断面図を用いて説明する。まず図示しないモータの電源をいれ回転軸5を回転させる。次にロータリートランス6a、6bを介してリング状の圧電セラミック3aに図示しない超音波発振回路からの超音波交流電圧を印加する。超音波交流電圧を印加することにより、圧電セラミック3aを接合して構成したフランジ2aに径方向の拡がり振動が励起される。ここで、圧電セラミック3aに交流電圧を供給するためにケースにブラシそしてスリーブにスリップリングを取り付けてもよい。なおブラシには超音波発振回路が接続される。
フランジ2aの振動は、ブレード1に伝播して、さらにフランジ2bに伝播する。フランジ2bには圧電セラミック3bが接合されているので、やはり共振特性を持っている。この状態は図7に示す等価回路で表現できる。そして図7の等価回路は、径方向の共振周波数付近のフランジ2a、2bの等価回路である。ここで、圧電セラミック3aを接合したフランジ2aはコイル17a、コンデンサ18a、電気抵抗19aで表せる。そして圧電セラミック3bを接合したフランジ2bはコイル17b、コンデンサ18b、電気抵抗19bで表せる。フランジ2bに接合された圧電セラミック3bには、超音波発振回路からの超音波交流電圧は供給されていないが、等価回路で示すように振動により電気的に直列に超音波交流電圧が供給された状態になる。なお、等価回路において、フランジ2a、2bに比較してブレード1の質量が小さいため、ブレードの1の負荷質量を省略した。
このように圧電セラミック3aに超音波交流電圧を印加することにより、圧電セラミック3a、3bに超音波交流電圧を印加することと同様になる。つまり、圧電セラミック3bへの配線が必要がないため、装置が簡略化できるため安価な装置を提供できる。また、圧電セラミック3bへの配線には、ブレード1にリード線を通す穴が必要になるが、これが必要でない。また、圧電セラミック3bへの配線が必要でないため、これに関わる断線などの問題が生じない。
フランジ2a、2bに設けられたスリット12の効果により、スリット12より外周部はほぼ拘束なく振動することができるので、大きな振動変位を得ることができる。フランジ2a、2bの突起13a、13bと円盤状のブレード1は、強く機械的に接合されているため、円盤状のブレード1にも径方向の拡がり振動が励起される。また、スリット12の内周部のフランジ2にはほとんど超音波振動が伝播しないため、ブレードに効率よく振動を励起することができる。
フランジと円盤状のブレード1の径方向の拡がり振動モードを励起する固有振動数の周波数の電圧を圧電セラミック3aに印加することにより、スリット12の効果により、低い電圧でブレードの先端部に数ミクロン以上の振動変位を容易に励起できる。
上記の構成によれば従来の円盤状のブレードをそのまま用いることができるので、特に改めてブレードを特別に製作する必要がない。
また、円盤状のブレードとスリットより外周部のフランジが主に振動するだけなので、他の部分には振動が伝播することが少ないため、不要な振動ロスがほとんどないので小さな電力で必要な大きさの振動を励起させることができる。したがって、ブレードの温度の上昇を小さくできるので、加工精度を向上させることができる。
また、回転軸には、ほとんど振動が伝播することがないので回転軸と回転軸を回転自在に支持する軸受けの損傷の恐れほとんどない。
上記のように、ブレードおよびスリットより外周のフランジにだけ振動をほとんど閉じ込めることができることにより加工精度の高い、信頼性の高い切断装置を提供できる。
ここで、比較のため図6に示すようにフランジ2bに接合された圧電セラミック3bとフランジ2aに接合された圧電セラミック3aに並列に超音波交流電圧を印加する。この状態の等価回路を図8に示す。図7の直列接続と比較すると異なるところは、図8は並列接続であるところだけである。この並列接続を実現するためには、回転側のロータリートランス6aからフランジ2aに接合された圧電セラミック3aとフランジ2bに接合された圧電セラミック3bにリード線15a、15bにより接続しなければならない。この配線はかなり複雑な構成になる。また、切断装置の回転数は毎分3万回転になることもあるのでリード線15が切断する虞もある。さらにブレード1にリード線15を通す穴が必要になる。
またフランジ2bに圧電セラミック3bを接合しないときの等価回路を図9に示す。そのとき、フランジ2bは振動損失を有した負荷質量になるが、径方向の振動モードの固有振動数が小さくなり、同じ大きさの超音波交流電圧を印加したときのブレード1の超音波振動は、圧電セラミック3bの電極間を開放したときに比較して大きくなる。ただし、ブレード1の中心面に対してフランジ2aとフランジ2bが非対称になる虞があるので、非対称を解消する形状にしなければならない。
ここで、図10を用いて3個以上のフランジ2を用いて2個以上のブレード1を持つ切断装置について説明する。すべてのフランジ2に圧電セラミック3が接合されている。そして回転側のロータリートランス6a側のフランジ2aに接合された圧電セラミック3aだけに交流電圧を印加し、そしてフランジ2aを超音波振動させる。この超音波振動は、フランジ2b、2c、2d、2eに伝播し、ブレード1a、1b、1c、1dが超音波振動する。この現象は、図7の等価回路で説明したものと同様であり、フランジ2a、2b、2c、2d、2eの等価回路が直列接続になる。
このように、3個以上のフランジ2を用いて2個以上のブレード1を持つ切断装置においては、電気配線が特に簡略化されるため、切断装置を安価に製作できる。また、電気配線が簡略化されるため、電気配線に関わる様々な問題を解消できる。またブレード1に配線のための穴が必要でない。さらに配線作業時間が大幅に短縮できる。
本発明の第2の実施の形態について説明する。まず、サポート板部の詳細を図11の正面図、そして図11のA−A線で切断した図12の断面図で示す。
アルミ製のサポート板9a、9bに8個のスリット12を設ける。そして、サポート板9a、9bのスリット12より外周部でかつ、外側表面には円環状の圧電セラミック3a、3bを接合する。サポート板とブレードの接触をより確実にするためにサポート板またはブレード1の表面に薄い有機材料を設けても良いし、またグリースをサポート板またはブレード1の接触面に塗ってもよい。
次に上記の円盤状ブレード1、サポート板9a、9bとフランジ2a、2bを回転軸5に取付けた構成を図13の断面図で示す。スリーブ8に回転側のロータリートランス6aを図示しないネジにより取付ける。ケース14には固定側のロータリートランス6bを取り付ける。その後スリーブ8を回転軸5に押し込み、ナット7で回転軸5に固定支持する。なお、スリーブ8とフランジ2aは、一体の構成となっている。
サポート板9a、円盤状ブレード1、サポート板9bをスリーブ8に沿って挿入し、さらに外側フランジ2bをスリーブ8に沿って挿入し、さらにフランジナット4によりスリーブ8に固定する。
サポート板9aに接合した圧電セラミック3aの電極と回転側のロータリートランス6aをリード線15により接続する。
次に上記の円盤状ブレード1、サポート板9a、9b取り付けた切断装置の運転方法について同じく図13の断面図を用いて説明する。まず図示しないモータの電源をいれ回転軸5を回転させる。次にロータリートランス6a、6bを介してリング状の圧電セラミック3aに超音波発振回路からの超音波交流電圧を印加する。超音波交流電圧を印加することにより、圧電セラミック3aを接合して構成したサポート板9aに径方向の拡がり振動が励起される。サポート板9aの振動はブレード1そしてサポート板9bに伝播する。この状態は図7の等価回路で説明したものと同様である。したがって、サポート板9bの圧電セラミック3bには交流電圧を印加しないが、電気的に直列接続した現象と同じ効果が得られる。
サポート板9a、9bに設けられたスリット12の効果により、スリット12より外周部はほぼ拘束なく振動することができるので、大きな振動変位を得ることができる。サポート板9a、9bと円盤状のブレード1は、強く機械的に一体化されているため、円盤状のブレード1にも径方向の拡がり振動が励起される。
スリット12より外周部のサポート板9a、9bと円盤状のブレード1の径方向の拡がり振動モードを励起する固有振動数の周波数の電圧を圧電セラミック3aに印加することにより、100V以下の低い電圧でブレードの先端部に数ミクロン程度の振動変位を容易に励起できる。また、スリット12より内周部のサポート板9a、9bには、ほとんど超音波振動が伝播しない。このため、回転軸には、ほとんど振動が伝播することがないので回転軸と回転軸を回転自在に支持する軸受けの損傷の恐れほとんどない。
上記の構成によれば従来の円盤状のブレードをそのまま用いることができるので、特に改めてブレードを特別に製作する必要がない。
また、円盤状のブレード1とスリット12より外周部のサポート板9a、9bが主に振動するだけなので、他の部分には振動が伝播することが少ないため、不要な振動ロスがほとんどないので小さな電力で必要な大きさの振動を励起させることができる。したがって、ブレードの温度の上昇を小さくできるので、加工精度を向上させることができる。
上記の構成によれば従来の円盤状のブレードをそのまま用いることができるので、特に改めてブレードを特別に製作する必要がない。
また、円盤状のブレード1とこれに接触するスリット12より外周部のサポート板9だけが振動するだけなので、他の部分にはほとんど振動が伝播することがないため不要な振動ロスがほとんどないので小さな電力で必要な大きさの振動を励起させることができる。したがって、ブレードの温度の上昇を小さくできるので、加工精度を向上させることができる。
上記のように、ブレードおよびスリットより外周部のサポート板にだけほとんどの振動を閉じ込めることができることにより加工精度の高い、信頼性の高い切断装置を提供できる。
本発明の第3の実施の形態について説明する。まず、ブレード部の詳細を図14の正面図、そして図14のA−A線で切断した図15の断面図で示す。
ブレード1に8個のスリット12を設ける。そして、スリット12より外周部の位置の ブレード1の両表面に円環状の圧電セラミック3a、3bにエポキシ樹脂を用いて接合する。
次に上記の円盤状ブレード1とフランジ2a、2bを回転軸5に取付けた構成を、図16の断面図で示す。スリーブ8に回転側のロータリートランス6aを図示しないネジにより取付ける。ケース14には固定側のロータリートランス6bを取り付ける。その後スリーブ8を回転軸5に押し込み、ナット7で回転軸5に固定支持する。
両表面に円環状の圧電セラミック3a、3bを接合した円盤状ブレード1をスリーブ8に沿って挿入し、さらに外側フランジ2aをスリーブ8に沿って挿入し、さらにフランジナット4によりスリーブ8に固定する。なお、スリーブ8とフランジ2bは、一体の構成となっている。
ブレード1に接合した圧電セラミック3aの電極とリード線を接続する。
次に上記の円盤状ブレードを取り付けた切断装置の運転方法について同じく図16の断面図を用いて説明する。まず図示しないモータの電源をいれ回転軸5を回転させる。次にロータリートランス6a、6bを介してリング状の圧電セラミック3aに図示しない超音波発振回路からの超音波交流電圧を印加する。超音波交流電圧を印加することにより、ブレード1に径方向の拡がり振動が励起される。そしてこの振動は圧電セラミック3bに伝達する。この状態は図7の等価回路で説明したものと同様である。したがって、圧電セラミック3aと圧電セラミック3bを直列接続して、超音波発振回路からの超音波交流電圧を印加することと同様になる。
この結果、ブレードの両側から振動を与えられるために、径方向だけの振動を励起できることになる。もし、圧電セラミック3bの電極間が短絡されているか、または圧電セラミック3bない場合は、ブレードの片側からのみ振動が与えられるため軸方向に変位する曲げ振動が励起される虞がある。
ブレード1に設けられたスリット12の効果により、スリット12より外周部はほぼ拘束なく振動することができるので、大きな振動変位を得ることができる。
円盤状のブレード1の径方向の拡がり振動モードを励起する固有振動数の周波数の電圧を圧電セラミック3a、3bに印加することにより、100V以下の低い電圧でブレードの先端部に数ミクロン以上の振動変位を容易に励起できる。
本発明の円盤状のブレードおよび切断装置は、ガラスやシリコンなどの脆い材料から形成された加工対象物の切断あるいは溝入れに有利に用いることができる。
本発明はまた、高速回転する砥石に工作物を押し付け研削加工する平面研削、円筒外面研削、円筒内面研削、研削切断に用いる研削装置にも用いることができる。
1 ブレード
2 フランジ
3 圧電セラミック
4 フランジナット
5 回転軸
6 ロータリートランス
7 ナット
8 スリーブ
9 サポート板
10 切断装置
11 回転駆動装置
12 スリット
13 突起
14 ケース
15 リード線
16 超音波電源
17 コイル
18 コンデンサ
19 電気抵抗
20 折り返し電極
21 無電極部
2 フランジ
3 圧電セラミック
4 フランジナット
5 回転軸
6 ロータリートランス
7 ナット
8 スリーブ
9 サポート板
10 切断装置
11 回転駆動装置
12 スリット
13 突起
14 ケース
15 リード線
16 超音波電源
17 コイル
18 コンデンサ
19 電気抵抗
20 折り返し電極
21 無電極部
Claims (3)
- 回転軸に嵌め合わされる透孔を中央に備えた円盤状のブレードを持つ切断装置において、円盤状のブレードを固定保持するための2個のフランジがスリット、孔、溝を持ち、かつ一方のフランジに接合された超音波振動子に交流電圧を印加することを特徴とする。
- 回転軸に嵌め合わされる透孔を中央に備えた円盤状のブレードを持つ切断装置において、円盤状のブレードを支持するための2個のサポート板がスリット、孔、溝を持ち、かつ一方のサポート板に接合された超音波振動子に交流電圧を印加することを特徴とする。
- 回転軸に嵌め合わされる透孔を中央に備えた円盤状のブレードを持つ切断装置において、円盤状のブレードがスリット、孔、溝を持ち、かつ一方のブレードの面に接合された超音波振動子に交流電圧を印加することを特徴とする。
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