JP2006518898A - 身分証明書および旅行書類 - Google Patents

Abstract

例えば、旅行書類にまたは単独のカードとして使える身分証明書。この身分証明書は、互いに融合した、好ましくはポリカーボネート材料の、少なくとも二つのコア層（６、７）から成る。各コア層に、各々異なるサイズの窪み（１２、１３）がある。組立てると、これらの窪みは、折重なって位置するようになり、結果として出来た大きな窪みに半導体チップ（１４）を収容する。コア層の少なくとも一つ（６）に融合したカバー層（８）があり、一方レーザによって書込める層も付けてある。このコア層に折重なって（半）透明窓が存在することができ、もしカバー層が透明ならば、光を伝えることができ、これらの窓に特定のパターンを付けることが可能である。

Description

本発明は、
互いに融合したプラスチック材料の第１および第２コア層を備え、上記第１コア層が収容部、半導体チップを有し、そのチップが上記収容部の中へ延びる、多層プラスチック構造体を有する身分証明書に関する。

この種の身分証明書は、米国特許第４，３１８，５５４号明細書に開示してある。この明細書は、医療または情報目的で使用し、これらのコア層の一つがそれを貫通する孔を備え、その中にチップを置くカードを開示する。次に、このコア層を隣接するコア層に積層する。この隣接するコア層は、紙で作ってあるのが好ましいが、同様にプラスチック材料を含むことができる。
国際公開第ＷＯ９８／１９８７０号は、識別部が多層でできていて、レーザビームを使って書込めるパスポートを開示する。

本発明の目的は、中心位置に空白を作り、別の場所に特定の情報を備えられる身分証明書を提供することである。多くの特別なセキュリティ機能のために、この身分証明書は、積層にしなければならない。この積層構造は、容易に達成できなければならないが、他方、偽造防止のために、それは、生産後各層を再び互いから分離できてはならない。この身分証明書は、容易に検出できる多数のセキュリティ機能を含むための能力がなければならない。

この目的は、上に説明した身分証明書で、上記チップに接続したアンテナが上記融合した層の間に配置してあり且つその周辺の周りに伸び、各コア層の厚さが５０μｍと６００μｍとの間であり、上記収容設備が窪みを含み、および上記第２コア層が窪みを備え、これらの上記窪みは、組立てた位置で互いに重なり且つ寸法が異なり、
上記第１コア層の上に配置したカバー層、上記カバー層の自由表面と上記第２コア層の間に設けた、レーザ光によって書込める層を備えるカードで実現する。

例えば、接着積層品に基づく身分証明書とは対照的に、本発明によれば、これらの積層品は、互いに融合したプラスチック材料層から成る。その例は、ＰＶＣ、ポリカーボネートおよびポリエステルである。そのような層は、軟化点の少し上の温度で互いに溶融し且つ積層する。すると目に見える損傷なしには分離できない連続した組立体ができる。一緒に積層するときに、チップとアンテナをこれらの層の間に置く。即ち、この身分証明書は、セキュリティをもたらすチップを備え、および接触によって機能するのではなくアンテナ（コイル）を介して作動し且つ信号を伝達する。レーザ光によって書込める層もある。この層は、コア層かカバー層に配置することができ、またはこのコア層とカバー層の間に別の層として付けることができる。レーザ光によって書込めるそのような層は、この空白に、構造位置に所持者に特有な情報を設けることを可能にし、これは、この空白を作る位置ではない。

ここで、窪みとは、完全に貫通する孔ではなく、末端限界のある空洞であると理解し、それは、勿論、関係するコア層の材料から成る。即ち、二つのコア層を一緒に融合した後、この様にして得た組立体は、全ての側面がこのコア層材料で覆われている。このチップの位置でさえ、外側境界は、常にこのコア層の材料で作られている。

この発明の特定の実施例によれば、互いに重ねて置いた第１および第２コア層の窪みによって作った空洞は、このチップの体積より幾らか小さい。更に、アンテナ用に窪みが全く設けてないのが好ましい。一緒に積層するときだけ、その囲いによって作ったアンテナ用窪みがあり、その上、この空洞の容積がチップの体積より小さいならば、このチップを非常にきつい締り嵌めで収容するために、この容積の空洞を作り、これらの窪みを積層中に幾らか拡大する。
レーザ光によって書込める層の上に説明したレーザ彫刻は、その厚さ全体に亘って行う。

上に説明した身分証明書は、そのコストをそれほど増すことなく、多数のセキュリティ機能を組込むことを可能にし、その上、これらのセキュリティ機能を変えることは、容易に可能ではない。カバー層を含む種々の層が可溶性であるため、この身分証明書に損傷なく変更できるリスクはない。

これらのセキュリティ機能の二三を以下に説明する。第１セキュリティ機能は、さもなければ不透明であるコア層に窓を作ることである。これらの窓を折重なって隣接する二つ以上のコア層に配置することによって、このカードの透明性を得ることができる。この透明性は、完全でもよいが、部分透明性を設けて、その結果として特定のパターンを作ることも可能である。そのようなパターンは、紙の透かしに見られるパターンと同じである。

もう一つのセキュリティ機能は、ホログラム状構造体を設けることを含む。特定の種類のインクまたは画像を使うことも可能であり、その場合、このカードを光源に対して傾けることによって異なる色または異なる画像を検出することが可能である（それぞれ、光学的可変インクおよび光学的可変デザイン）。更に、単純にラスタパターンをプリントするのではなく、情報ラインをプリントすることによって情報を提供することが可能である。ラスタパターンは、小さい孔の形でセキュリティ機能として設けることができる。そのようなラスタパターンは、例えば、所持者の写真を表示するために使うことができる。所持者についての他の生物測定データをこのカードに付けることも可能である。この文脈で、虹彩情報、顔面認識および指紋に関する情報を考慮することができる。

この身分証明書をユニークにする、これらの機能は、全て検出が比較的容易である。専門家でない人でもそのような機能があるかどうか、およびそれらにどの程度の不正な干渉があったかどうかをチェックすることができる。
更なるセキュリティ機能をこの発明によるカードに設けることもできることが分るだろう。

この発明は、複数頁を備える小冊子を含み、上に説明した身分証明書が取付けてある背から突出するリップ（出っ張り）を有する、パスポートのような旅行書類にも関する。そのようなリップ、即ち、間に挟んだ部分は、特に良い（フィルム）ヒンジ特性のプラスチック材料から成るのが好ましい。この身分証明書をこのリップにそれを取外せないように接合することが重要であるので、特定の実施例によれば、そのようなリップに一連の孔を設けることを提案する。そこで身分証明書をこのリップの片側に付け、ストリップを他の側に置く。このストリップは、これらの孔を貫通する多数のスタブを備える。次に、このストリップを身分証明書に融合することによって、この身分証明書を目に見える損傷なしにこの小冊子の残りから分離することは不可能である。
この発明を、図面に示す実施例を参照して以下に更に詳しく説明する。

図１に、身分証明書の全体を１で示す。この身分証明書は、矩形で、所持者の写真画像２を含む。この画像２は、この身分証明書の幾つかの層を貫通する多数のパーフォレーションから成る。所持者に関する読取り可能な情報および発給当局を３によって示す。そのような情報は、セキュリティ機能も含むことができる。

この身分証明書の構造を図２に概略的に示す。この身分証明書は、二つのコア層６および７から成る。そのようなコア層６および７が三つ以上あってもよいことを理解しなければならない。好適実施例によれば、これらのコア層は、ポリカーボネート材料から成るが、他の可溶性材料を使えることを理解しなければならない。第１コア層６に隣接して、レーザによって書込める層８がある。透明カバー層９がこの上に付けてある。他の側に、即ち、第２コア層７に隣接して、同様にレーザによって書込める層１０が付けてあり、その上に、これも同様に透明なカバー層１１が置いてある。組立てた状態で、これらの種々の層は、互いに融合している。もし、この組合せが非溶性層を含むなら、これらは、可溶性材料が伸び得る孔を備えなければならない。

第１コア層６は、窪み１３を備え、一方第２コア層７は、窪み１２を備える。第１コア層６および第２コア層７を折重ねて置くとき、それでチップ１４を収容するに丁度十分な大きい窪みを形成する。図示しない方法でこのチップに接続するアンテナ／コイルの窓を１５によって示す。これによって、電気的接触が必要なく、周囲との情報交換が可能である。印刷情報を１８によって示す。この印刷情報は、（例えば、ＹＡＧ）レーザを使ってこのカードに書込むことによって、カードを一緒に接合した後に付ける。この第１および第２コア層は、不透明にする。白を例としての色素として挙げる。窓を１６によって示す。これらは、大なり小なり透明な孔でもよい。透明なカバー層９および１１の結果として、このカードを透かし見ることが可能であり、それが更なるセキュリティ機能を構成する。半透明の窓１７がある。これらに付けたパターンは、ユーザに見え、透かし模様として現れる。

つや消しを１９によって示し、一方２０は、浮彫りを示す。これらは、ユーザが容易に検出できる、更なるセキュリティ機能である。
更なる機能を詳しくは示さない方法で導入することができる。このチップは、虹彩、顔面または指紋の照合に関する情報を含むことができる。ホログラフィ構造の形の光学的可変装置を２１によって示す。
光学的可変インクから成る、他の印刷情報がある。

上に説明したカードは、それだけと更なる情報坦体との組合せの両方で使うことができる。後者の例を図３に与え、この旅行書類全体を２５によって示す。それは、カバー２６によって構成され、その中に多数の頁２７、例えば、ビザを提示するためのものが置いてある。間に挟んだ部分を２８によって示し、これはリップ２９を含む。そのようなリップは、ヒンジ特性の良い、即ち、疲れを何も示さず、高強度で容易にちぎり取れない、材料で作ってある。そのような材料の例は、ポリプロピレンである。孔３０がこのリップ２９に打抜いてある。身分証明書１の固着は、図４に詳しく示すように行う。身分証明書１は、リップ２９の片側にあり、ストリップ３１が他の側に付けてある。このストリップ３１は、孔３０を貫通するピンまたはスタブを備える。ストリップ３１は、身分証明書１と融合できる材料で作ってあるのが好ましい。目に見える損傷なしには元へ戻せない、この接合は、ストリップ３１の上部および孔３０を貫通するストリップ３１のスタブの両方をカード１と融合することによって作り、一方検査官に肉眼で直ちに明白でなくてこの旅行書類に別の身分証明書を導入することは不可能である。

上の説明を読めば、変形が当業者には直ちに明白だろう。これらの変形は、添付の請求項の範囲内に入る。

この発明による身分証明書の斜視図である。 図１の身分証明書を構成する種々の層の断面分解図である。 図１および図２による身分証明書を備える旅行書類を示す。 身分証明書の旅行書類への固着の詳細を示す。

Claims (15)

1. 多層プラスチック構造を有する身分証明書であって、
   互いに融合したプラスチック材料の第１コア層（６）および第２コア層（７）を備え、前記第１コア層が収容部、該収容部の中へ伸びる半導体チップ（１４）を有する身分証明書（１）に於いて、前記チップに接続したアンテナ（１５）が前記融合した層の間に配置され且つその周辺の周りに延び、各コア層の厚さが５０μｍと６００μｍとの間であり、前記収容部が窪みを含み、そして前記第２コア層が窪みを備え、前記窪みが、組立てた位置で互いに重なり且つ寸法が異なり、
   前記第１コア層の上に配置したカバー層（９）を備え、該カバー層（９）の自由頂部表面とレーザ光によって書込まれる前記第２コア層（７）との間に層（８）が設けられる身分証明書。
2. レーザ光によって書込める前記層が前記カバー層と第１コア層の間に配置してあり且つそれらと融合できる別の層を含む請求項１に記載された身分証明書。
3. 前記第２層に付けたカバー層（１１）を含む請求項１または２のいずれか１項に記載された身分証明書。
4. 前記カバー層が透明である請求項１から３までのいずれか１項に記載された身分証明書。
5. 前記層がポリカーボネートを含む請求項１から４までのいずれか１項に記載された身分証明書。
6. 透明窓（１６、１７）が前記第１および第２コア層に配置してあり、前記窓が組立てた状態で互いに重なっている請求項１から５までのいずれか１項に記載された身分証明書。
7. 前記窓（１６）が透明である請求項６に記載された身分証明書。
8. 前記窓（１７）が半透明パターンで設けてある請求項６または７に記載された身分証明書。
9. 所持者の生物測定的特徴を含む請求項１から７までのいずれか１項に記載された身分証明書。
10. ラスター写真を含む請求項９に記載された身分証明書。
11. 一つによるＩＤカードであって、虹彩情報を含む請求項９または１０のいずれか１項記載された身分証明書。
12. 指紋情報を含む請求項９から請求項１１までのいずれか１項に記載された身分証明書。
13. 顔面情報を含む請求項９から請求項１１までのいずれか１項に記載された身分証明書。
14. 複数頁を備える小冊子を含み、請求項１から１３までのいずれか１項に記載された身分証明書が固着してある背から突出するリップを有する旅行書類。
15. 前記固着が前記リップに作った孔のパターンおよび前記孔のパターンを通して嵌め込み且つ前記ＩＤカードと融合した閉鎖ストリップ（３１）を含む請求項１４に記載された旅行書類。

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