JP2006518703A - カスパーゼ活性化調節ペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明はアポトーシス性細胞死を調節しえる小分子の構造を提供する。より具体的には、本構造はヒトα-フェトプロテイン(AFP)およびアルブミンのアポトーシス活性部位の構造に関する。この活性部位を模倣するペプチドは2つの配列Arg-Gly-AspおよびAsp-X-X-Asp(Xは任意のアミノ酸)を含む。これらの配列は広範囲の生物学的活性を生じさせるために同一の分子中に必要である。このペプチドはチトクロームc-媒介カスパーゼ活性化を阻害することによりアポトーシス経路を抑制するために使用することが出来る。従って、本ペプチドは酸化的ストレス、薬剤、サイトカイン、Fas-リガンド、α-フェトプロテインに使用することが出来、培養細胞、器官移植、免疫学的自己免疫疾患、ウイルス感染によって誘導される免疫不全症候群におけるアポトーシスの防止のために使用することが出来、化学療法および放射線療法後の細胞傷害性副作用を軽減するために使用することが出来る。

Description

本発明はヒトおよび動物の細胞死のための医薬および機構に関する。特に、本発明は、種々の因子により誘導されるアポトーシス性細胞死を阻害することの出来るペプチドに関する。本発明はその様な活性を有するペプチドおよびそのようなペプチドを製造する方法および使用する方法を記述する。
アポトーシスは正常細胞の発生および悪性細胞トランスフォーメーションの多様な過程に関与する細胞死の能動的一形態である。アポトーシスの機構は種々の型の薬剤、サイトカイン、成長因子、酸化的ストレス、放射線照射、加齢、自己免疫疾患、器官移植における免疫拒絶によって誘導される生物学的事象に関与している。アポトーシスに関する近年の研究により、ホルモン、サイトカイン、成長因子枯渇、化学療法剤、電離放射線照射、免疫学的疾患、AIDS、癌及び加齢によって誘導される種々の型のアポトーシスに共通の分子的機構が利用されていることが示されている(Nagata、(1997) Cell 88, 355-365)。
カスパーゼプロテアーゼのカスケード様活性化はアポトーシスの誘導における基本点を代表する(Cohenら、(1997)Biochem. J., 326:1-16)。2種の別個のアポトーシスシグナル伝達が記載されている。アポトーシスのレセプター依存性誘起の初期段階にはTNFまたはFasLのような特異的リガンドによる適当なデスレセプターの活性化が含まれる。これらは現在最も研究されたアポトーシスの誘導因子である(Wallachら、(1997). FEBS Letters, 410:96-106)。活性化されると、細胞表面デスレセプター、Fas(CD95)またはTNFR1は細胞質アダプタータンパク質(FADD、MORT、RIP、TRADD)に接着し、次にそれらがカスパーゼ-8を漸増させインターロイキン-1-β-変換酵素ICD/CED-3ファミリープロテアーゼ(カスパーゼ)カスケードを活性化させ、続いて、システインプロテアーゼCPP32/カスパーゼ-3サブファミリーを活性化する。このファミリーの構成員は潜在的前駆体、プロカスパーゼの形態で細胞質に生じる(Enariら、(1996) Nature 380:723-726)。レセプター非依存型のアポトーシスにはチトクロームc、dATP、Apaf-1およびプロカスパーゼ-9の3次元複合体の形成(自己タンパク質分解およびホモ二量体化によってプロカスパーゼ-9の活性化につながる)を必要とする非常に重要なチトクロームc-誘導性機構および続くカスパーゼカスケード活性化が通常含まれる(Liuら、(1996) Cell, 86:147-157; Panら、(1998) FEBS Letters, 426: 151-154; Sleeら、(1999) J. Cell Biol. 144: 281-292)。
従って、アポトーシスの生物学的制御に影響する因子は多くの臨床応用において潜在的な治療的有用性を有する。植物由来の種々のアポトーシス阻害因子は、しばしば化学療法、放射線照射、免疫疾患またはAIDSに伴う病理学的異常を抑えるために使用される。これらのサプリメントは一般に炭水化物、脂質、および植物タンパク質加水分解物、レクチン、およびリン脂質を含んでいる(US6004579、Barrら)。アポトーシスの強力な制御因子はサイトカイン療法、化学療法、または放射線療法を制御するために癌患者の治療に使用できるであろう。アポトーシス機構は、自己免疫疾患、器官移植における免疫拒絶またはアナフィラキシー、またはヒト免疫不全ウイルスによるウイルス感染のような種々の型の免疫疾患において機能している。
α-フェトプロテイン(AFP)は、細胞増殖制御、未熟細胞の分化、活性化免疫細胞の免疫抑制、腫瘍特異的アポトーシス誘導、および他の因子によるアポトーシス性シグナルの制御、および、種々の遺伝子発現の制御を含む広範な生物学的活性を示す腫瘍関連胎児性糖タンパク質である(Deutsch、(1991) Adv. Cancer Res., 56: 253-312; Mizejewsky, (1997) Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 215: 333-362)。腫瘍抑制活性を含む細胞増殖制御活性の多数の証拠は完全長AFP分子の種々の分子種(Semenkovaら、(1997) Tumor Biology, 18:261-274; Semeniukら、(1995) Ad. Exper. Med. Biol., 383:255-269; Sonnenscheinら、(1980) J. Natl. Cancer Inst., 64: 1141-1146; Sotoら、(1980) Proc. Natl Acad. Sci. USA, 77: 2084-2087; Jacobsonら、(1999) Cancer Research, 50: 415-420)、そのタンパク質分解断片(Dudichら、(1999) Biochemistry, 38: 10406-10414)または組換えドメイン(Festinら、(1999) Biochim. Biophys. Acta, 1427: 307-314)および合成ペプチド(Mesfinら、(2000) Biochim. Biophys. Acta, 1501: 33-43; Mizejewskyら、(1996) Mol. Cell. Endocr., 118: 15-23 (1996))について報告されている。AFPの多様な活性に関与する機能的活性部位の位置決定が多くの研究者によって行われつつある。アラキドン酸およびエストラジオール結合部位の位置特定が成功している(Deutsch、(1991) Adv. Cancer Res., 56:253-312; Mizejewski, (1997) Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 215: 333-362; Nishiら、(1993) Tumor Biol. 14: 234-243)。
最近、AFPはカスパーゼ-3の活性化および独立にFas/FasLおよびTNF/TNFRシグナル伝達を介してアポトーシスを起動することによってその腫瘍抑制活性を実現していることが明らかにされた(Dudichら、(1999) Eur. J. Biochem. 266: 1-13; Semenkovaら、(1997) Tumor Biology, 18: 261-274; Dudichら、(1998) Tumor Biology, 19: 30-40)。AFP-媒介腫瘍細胞増殖抑制の多数の証拠がこの10年間に報告されているが、アポトーシスシグナル伝達に関与するAFP分子の活性部位は明らかにされていない。
ヒトAFPのDNA配列およびアミノ酸配列が報告されている(Morinagaら、”Primary structures of human alpha-fetoprotein and its mRNA” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:4604-4608 (1983))。E2-結合部位に対応する合成ペプチドが腫瘍抑制活性を有することが示された(米国特許第5674842号;10/1997 Mizejewsky; 米国特許第5707963号、07/1998 Mizejewsky)。種々の生物学的に活性なタンパク質がAFPと配列相同性を有する(Mizejewsky,(1993) BioEssays, 15: 427-432; Mizejewsky, (1997) Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 215: 333-362)。Bcl2、TNFR1、Fasその他のような、アポトーシスに関与する種々のタンパク質とAFPとの真正な相同性が明らかにされている(Mizejewsky, (2001) Proc. Soc. Exp. Biol. Med)。WO 9835981 A1(Economou, Jら、1998)には癌に対する免疫に有用な66個のAFPペプチド配列の使用が記載されている。それらのペプチドの一つ、A20(CRGDVLDCL)、は本発明によって見出されたAFPの活性部位の一部を偶然含む。しかしながら、ペプチドCRGDVLDCLによる特別な効果は見出されておらず、本発明はなお、AFPの推定的な生物学的活性部位の一つを同定することができた最初の発明である。さらに本発明のペプチドは、付加的なシステイン残基を含んでおり、それにより鎖間ジスルフィド結合の形成が可能となり、配列CRGDVLDCLよりも有意に高い生物学的活性を生じさせる。
重要なインテグリン結合部位はトリペプチドArg-Gly-Aspであり、これは種々のインテグリンリガンド中に存在する。インテグリンは細胞−マトリックス、細胞−細胞相互作用を媒介し、細胞分化、免疫認識、腫瘍発達および転移性増殖の過程に積極的な役割を果たすヘテロ二量体糖タンパク質である。Arg-Gly-Asp配列に対する接触領域はインテグリンサブユニット中で明らかにされている(Pasqualiniら、”A peptide isolated from phage display lilbraries is a structural and functional mimic of an Arg-Gly-Asp-binding site on integrins” J. Cell Biol. (1995) 130: 1189-1196)。Arg-Gly-Aspモチーフを含む合成ペプチドがインテグリン−リガンド相互作用の阻害因子として使用される(D'Souzaら、(1988) Science, 242: 91-93)。Arg-Gly-Aspモチーフを含む合成ペプチドが直接カスパーゼ-3活性化を行うことが出来ることが報告されている(Bukleyら、(1999) Nature, 397:534-539)。AFPはその配列中にArg-Gly-Asp(RGD)配列を含み、それはドメインII中、位置253-255に位置している。本発明によれば、RGD配列はアポトーシスシグナル伝達に関与するAFPの機能的活性部位の一部である。
本発明はアポトーシスシグナル伝達に関与する、AFP分子の最小部分を記述する。小さなペプチドまたは小さなハプテンは、in vitroで合成することができ、中和抗体を生じないので、それらは薬剤として使用するために重要な制御因子である。6〜10残基を含むペプチドをF-MOC固相化学法の補助により作製した。ヒト血清アルブミン(HSA)の相同配列に対応する類似のペプチドも合成した。全てのペプチドは培養細胞における増殖制御活性について評価し、無細胞細胞質抽出物におけるカスパーゼ活性化を直接誘導する能力について全てのペプチドを試験した。さらに、これらのペプチドをAFPおよび抗-Fas細胞傷害性Mabs CH-11によって誘導されるアポトーシスを調節する能力について全細胞系で評価し、それらがチトクロームc-誘導カスパーゼ活性化に影響を与える能力について無細胞系で評価した。
本発明の主題はアポトーシス性細胞死を制御することの出来るペプチド、特に、人工合成多量体環状ペプチドを提供する。より具体的には、本発明はα-フェトプロテイン(AFP)またはアルブミン分子上の、腫瘍細胞におけるアポトーシスの制御に関与するアミノ酸配列に関する。
AFPは細胞増殖制御、未熟細胞の分化、活性化免疫細胞の免疫抑制、腫瘍特異的アポトーシス誘導、および他の因子によるアポトーシスシグナルの制御、および、種々の遺伝子発現の制御を含む広範な生物学的活性を示す腫瘍関連胎児性糖タンパク質である。近年、AFPが全細胞系および無細胞系においてカスパーゼ-3の直接または間接的活性化を介して腫瘍選択的アポトーシスを誘導することが示された(Dudichら、1999, J. Eur. Biochem. 266, 750-761)。本発明によれば、そのような効果の活性部位はAFPおよびアルブミンに見出される。活性部位を形成するペプチドを設計し、多くの合成天然または非天然ペプチドをそれらの生物学的活性についてスクリーニングした。
本発明のペプチドは、チトクロームc-媒介カスパーゼカスケード活性化に依存する種々の型の細胞死、例えば、酸化的ストレス、薬剤、サイトカイン、Fas-リガンド、α-フェトプロテインによって誘導されるアポトーシスの阻害に使用することができる。本ペプチドは培養細胞においてアポトーシスを予防するため、器官移植用に器官の維持性を高めるため、自己免疫疾患およびウイルス感染による免疫不全を防止するため、化学療法および放射線療法後の細胞毒性効果を防止するために利用することが出来る。また、それらのペプチドのアミノ酸配列、およびそれらのペプチドの製造方法および使用方法も提供される。これらのペプチドの最も活性な構造は、以下のような強固な分子形態を有する非天然合成ペプチドである:
Figure 2006518703
本発明は、理論的アプローチおよび実験的アプローチを利用して、腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘起に関与するAFP分子の活性部位を決定するために行われた。活性部位のモデルである活性ペプチドは全細胞系でアポトーシスを直接に誘導し、無細胞系においてはカスパーゼ-3活性化を引き起こすか、AFPおよび/または抗-Fasまたはチトクローム-cのような他のアポトーシス因子によって誘導されるアポトーシス性シグナルを調節するかもしれないという仮説がたてられた。驚いたことに、AFP分子の一部を表し、いくつかのカスパーゼと明確に相同性のある合成環状ペプチド*Cys-Cys-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*(以後アポサイクリン-Aと呼ぶ)は生物学的に活性のようであった。機能的に重要なアミノ酸を同定するためにアポサイクリン-A配列中のアミノ酸の一連の構文解釈と置換を計画した。全てのペプチドを培養中の腫瘍細胞の生存に影響を与える能力について、および、無細胞細胞質ゾル溶解物中でカスパーゼ活性化に影響を与える能力について試験した。ペプチド試験の次の段階は、AFP、抗-Fasによって誘導されるアポトーシスに対して影響を与えるペプチドの能力を全細胞系で調べ、無細胞系においてCyt cによって媒介されるカスパーゼ活性化を調節する能力を調べることである。AFP配列251-259に対応する9-merペプチド、アポサイクリン-Aがin vitroで腫瘍細胞のAFP-媒介アポトーシスを完全に抑制し、無細胞細胞質ゾル抽出物において腫瘍細胞のCyt-cおよびAFP-媒介カスパーゼ活性化を有意に調節することが明らかにされた。より具体的には無細胞系において、アポサイクリン-Aは低用量チトクロームc-媒介カスパーゼ活性化を有意に増強し、高用量チトクローム-cによって誘導される効果を減少させた。
より短い6-merペプチドp25は無細胞系ではこの活性を部分的に維持していたが、全細胞系ではそうでなかった。AFP-由来ペプチドは細胞抽出物中におけるCyt c-媒介カスパーゼ活性化の制御において相互的な拮抗作用を示すことも明らかにされた。9-merペプチドアポサイクリン-Aは低用量Cyt c-媒介効果を中程度に支持し、外来性または内因性チトクロームcの高用量によって誘起されるカスパーゼ活性化を有意に阻害することが示された。これらのデータは、AFP-由来9-merペプチドアポサイクリン-Aがアポトーシスシグナル伝達に関与する未知の細胞質性分子との特異的結合に関与するAFPの最小部分であることを示している。このペプチドの同定された構造およびその人工的性質は、このペプチドがin vitroおよびin vivoにおいて種々のアポトーシス因子の作用に対抗する新規な薬剤の活性成分となり得ることを意味している。このペプチドの応用例には、培養細胞におけるアポトーシスを防止すること、同種移植及び自己免疫反応の免疫学的拒絶を防止する方法、敗血症ショックおよびサイトカイン治療その他によって誘導されるアポトーシスを防止する方法が含まれる。
本明細書で使用されるアミノ酸の略号は以下の表の通りである。
Figure 2006518703
アポトーシスシグナル伝達に関与するAFP分子の最小部分を明らかにするため、F-MOC固相化学法により6〜10残基を含むペプチドを作製した。ヒト血清アルブミン(HSA)の相同配列に対応する類似のペプチドも合成した。全てのペプチドを培養中の全細胞系でその増殖制御活性について評価し、全てのペプチドを無細胞細胞質ゾル抽出物におけるカスパーゼ活性への直接的影響能力について試験した。さらに、これらのペプチドをAFPおよび抗-Fas細胞傷害性Mabs CH-11によって誘導されるアポトーシスを調節する能力について全細胞系で評価し、また、cyt c-誘導カスパーゼ活性化に影響を与える能力について無細胞系において評価した。ヒトα-フェトプロテイン(AFP)の251-259配列に対応するArg-Gly-Asp(RGD)モチーフを含む人工環状ペプチド*CCRGDVLDC*(アステリスクは可能なジスルフィド結合を意味する)、Cys252をGlyへ置換した*CGRGDVLDC*を有する相同な環状ペプチドおよび、残基253-258に対応する直線状ペプチドRGDVLDをF-MOC固相化学により作製した。ヒト血清アルブミン由来の相同な環状ペプチド、*CCHGDLLEC*, *CGHGDLLEC* および直線状ペプチドHGDLLEも合成し、機能的対照として使用した。配列RCDのみを含むペプチドは本発明のペプチドとは大きく異なっていることを認識すべきである。
AFP由来の多量体環状RGD-含有ペプチド、*CCRGDVLDC*(アポサイクリン-A)はin vitroで腫瘍細胞におけるアポトーシスを完全に抑制することが出来る。アポサイクリン-Aはヒト骨髄芽球細胞U937におけるAFP-誘導性アポトーシスを完全に中和し、抗-Fas-媒介細胞死を有意に阻害することが示された。さらに、無細胞系において、AFP-由来ペプチドアポサイクリン-Aおよび直線状6-merペプチドRGDVLDの、Cyt cおよびAFPによって誘導されるカスパーゼ活性化に対して影響を与える能力について評価した。アポサイクリン-Aは低用量の外来性または内因性Cyt cによって誘導されるdATP-依存性カスパーゼ活性化を顕著に増強し、アポトーシス的に高活性用量のCyt cによって誘導されるカスパーゼ活性化を事実上完全に抑制することが見出された。また、HepG2細胞からの無細胞細胞質ゾル抽出物中で、アポサイクリン-AがAFP-誘導Cyt c/dATP-依存性カスパーゼ-3活性化を完全に中和することが明らかになった。直線状AFP-由来6-merペプチドRGDVLDは全細胞系においてアポトーシス制御活性を全く示さなかったが、無細胞系においてCyt c/AFP-媒介カスパーゼ活性化を抑制することができた。
レセプターのような生物学的に活性なタンパク質を阻害するためにその機能的部位に対する抗体を生じさせることはよく知られたことであり、通常利用されるアプローチである。そのような抗体はレセプター部位に正確に適合する構造をそのFabユニットに生成する。一方、最初に調製されたFab-ユニットに適合する抗-イディオタイプ抗体を作製することも出来る。従って、この抗-イディオタイプ抗体はレセプターの活性部位に類似する。本発明に従えば、AFPおよびアルブミンは細胞死サイクルを誘起するレセプターに適合し、それらを阻害する特別な活性部位を含んでいる。従って、本発明により見出された、AFP/アルブミンのある部分はこの誘起部位を阻害する構造を有している。従って、AFP及び/またはアルブミンの活性部位に対する抗-イディオタイプ抗体は細胞死レセプターを阻害することの出来る分子の非常に重要な構造情報を含んでいる。そのような3-D構造は一般的なX線結晶解析および/または配列データからのコンピューター分子モデリングによって明らかにすることが出来る。
本発明の基本的な態様は、哺乳動物における2つの重要且つ豊富なタンパク質、AFPおよびアルブミンのアポトーシス的に活性な部位を見出したことである。この発見に基づき、哺乳動物細胞における細胞死誘起レセプターを阻害するための一連の分子構造が開発された。試験した分子は、合成が簡単なのでペプチドであったが、合成または天然の化合物に基づく他の分子を設計しても良いことは言うまでもない。また同様に、この分子構造は、他の担体分子、特に非免疫原性の担体分子上に構築することができる。
本発明の実用的な主たる結果はAFP由来の環状ペプチド、*CCRGDVLDC*(アポサイクリン-A)である。このペプチドは2つの活性部位、RGDとDVDLを含む。どちらの配列もカスパーゼ活性及びアポトーシスの制御に直接に関与している。RGD-含有タンパク質またはペプチドはインテグリン分子との相互作用に関与することが知られており、細胞間接触の阻害のため、すなわち細胞増殖およびアポトーシスに影響を及ぼすために使用することが出来る。アポサイクリン-Aは、環状形態中にこの部位を多数提示していることによって他のRGD-含有ペプチドとは異なっている。RGD配列をマルチマー提示することによって全体的な効果の増強が可能となっている。
配列DVDLはアポサイクリン-A中でRGDの直後に位置しており、カスパーゼ-3、-7及び-2のよく知られた切断部位を表している。従って、これはカスパーゼ基質に典型的な構造、DXXD(Thornberry, N.A.ら、(2000) Methods in Enzymology, v.322, pp.100)を有している。アポサイクリン-Aにおいて、この部位はペプチド基質としてカスパーゼ-3の活性部位に結合できるであろう。類似の活性はAFP分子全体にも帰属させられるかも知れないが、この場合、アポトーシス-調節活性を表すために対応する部位の露出が可能となる構造変化が必要であろう(Semenkovaら、(2003) Eur. J. Biochem. 270,印刷中)。
無細胞系においてアポサイクリン-Aがカスパーゼ-3の活性を阻害することができるということは、対応するカスパーゼの活性部位に結合してこれを阻害することの出来る基質様アミノ酸配列の存在によって説明することが出来るだろう。さらに、アポサイクリン-AのDVLD-部位は、典型的なカスパーゼ-3阻害因子であるテトラペプチドDEVD-cho(Bratton, S.B.ら、(2001) EMBO J. 5, 998)と同様に、XIAPとプロセッシングされたカスパーゼ-3との間の相互作用を妨害することにより、アポトソーム複合体からのカスパーゼ-3の遊離を選択的に容易にすることが出来るであろう。
アポサイクリン-A特有の性質はその環状構造であり、このことにより基質配列の多量体提示、および、アポトーシスシグナル伝達に関与する種々の分子との同時的相互作用による総効果の増強が可能となる。
本発明は更に以下の非限定的実施例によって更に説明される。
(実施例)
実施例1.
ペプチド合成
合成機、モデル430A(Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)によって、ペプチド合成の通常の方法に従ってペプチドを合成した。環状ペプチドは、直線状ペプチドの水溶液を大気酸素に曝露すると主として自発的に形成され、これをペプチドについて一般的に利用される手法を用いてHPLCによって溶液から精製した。
1.ヒトAFPのアミノ酸配列251-259番に対応する環状多量体9-merペプチド、*Cys-*Cys-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*, *CCRGDVLDC*(アステリスクは可能なジフルフィド結合を意味する)、以後これをアポサイクリン-Aと呼ぶ。2番目のシステイン、Cys252は2つの隣接する環状モノマーペプチド間にS-S結合を形成することが出来る。モノマー環状ペプチドの分子量は983Daである。アポサイクリン-Aペプチドは、2以上(5未満)の、配列*Cys-*Cys-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*に対応する環-様9-merペプチド構造から構成されている。
Figure 2006518703
2.ヒトAFPのアミノ酸配列251-259番に対応するが、モノマー間のS-S結合形成によるペプチド多量体化を防止するためにCys252をGlyで単一アミノ酸置換した環状モノマーペプチド*Cys-Gly-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*(アステリスクは可能なジスルフィド結合を表す)。このモノマー環状9-merペプチドの分子量は937Daである。

3.配列253-259番に対応するAFP由来の直線状ペプチド、Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp(253-259)。このモノマーの分子量は674Daである。

4.HSA(ヒト血清アルブミン)由来の環状ペプチド、*Cys-Cys-His-Gly-Asp-Leu-Leu-Glu-Cys*, *CCHGDLLEC* (M.wt:992)

5.HSA由来の環状ペプチド、*Cys-Gly-His-Gly-Asp-Leu-Leu-Glu-Cys*, *CGHGDLLEC* (M.wt:992)。このペプチドではCys252がGlyに置換されている。

6.HSA p26由来の直線状ペプチド、His-Gly-Asp-Leu-Leu-Glu, HGDLLE (M.wt:683)。
試薬
蛍光ペプチド基質DEVD-AMCおよびLEHD-AFCはAlexis Biochemicals社(San Diego, USA)から購入した。ウシ心臓チトクロームc(Cyt c)、アデニルヌクレオチド三リン酸(dATP)および他の試薬はSigma Chemical社から購入した。ヒトAFPはDudichら、(1999) Biochemistry, 38:10406-10414に記載されたように、イオン交換、アフィニティーおよびゲルろ過クロマトグラフィーを用いて臍帯血清から単離した。AFPの純度はPAGEおよびRocket電気泳動により、ヒトAFPおよび成人血清タンパク質に対する単一特異的抗体で確認し、99.8%を下回らないことが明らかにされた。
無細胞抽出物の調製
ヒト肝臓癌種細胞HepG2およびヒト単芽球腫細胞株U937はアメリカンタイプカルチャーコレクションから入手した。細胞抽出物は低張抽出バッファー中で細胞を溶解することによって調製した。細胞質ゾルS-100画分を得るため、細胞溶解物を100,000 x gで1時間遠心した。抽出物は直ちに、または後の使用のため-70℃にて凍結した。
無細胞反応
無細胞反応は典型的には13-μl反応体積で設計した。アポトーシスは1mM dATP存在下で種々の用量のウシ心臓チトクロームcおよび/または精製ヒトAFPの添加によって誘導した。13-μlスケール反応について、10μlの細胞抽出物(Bradfordアッセイ法によって決定したところ〜2-4mg/ml)に反応バッファー中の1μlのdATP、1μlのCyt cおよび/またはAFP溶液を添加し、必要な試薬の最終濃度とした。ペプチドの活性を評価するため、1mM dATPと共に反応バッファーに溶解したペプチドの種々の用量を細胞抽出物へ添加した。Cyt cおよびAFPのアポトーシス効果を調節するペプチドの能力を決定するため、チトクロームcまたはAFPの10分間前に抽出物にペプチドを添加した。対照サンプルは試薬添加をしない同体積(3μl)のバッファーと共にインキュベーションした。アポトーシスを開始させるため、抽出物を37℃にて40分間インキュベーションした。
カスパーゼ活性の決定
カスパーゼ活性化反応終了後、抽出物の少量(5μl)に蛍光基質DEVD-AMC(3mM)を添加し、37℃にて一定時間(0.5〜1時間)インキュベーションした。反応を2.0mlの氷冷0.2mMリン酸ナトリウムバッファー、pH7.5を添加することによって終了させ、Perkin Elmer MPF-44A(λexc=365nm、λem=440nm)で蛍光を測定した。各サンプルについて、蛍光強度を細胞質ゾルタンパク質濃度に関して正規化した。カスパーゼ活性化はサンプルの正規化蛍光強度と対照サンプルについての対応する測定値に対する比として表した。
アポトーシスの誘導
U937細胞を平底の96穴プレート(Costar)に4x103/ウェルの密度で完全培地中にプレーティングし、2時間インキュベーション後試薬を添加した。次に細胞をPBSに溶解した種々の用量のAFPで24時間処理し、増殖について評価した。細胞傷害性IgM抗-Fas抗体CH-11による細胞の処理を記載されたように行った。U937細胞を50ng/mlのCH-11抗体で18時間処理した。細胞は未処理のまま置くか、または、充分な時間、試薬で処理し、培養の最後の4時間は[3H]-チミジン(1Ci/mmol/ウェル)取り込みに供した。実験データは三つ組の培養における、培地対照に対する[3H]-チミジン取り込みのパーセンテージとして表した。添加物なしで培養した細胞を対照とした。
ペプチド活性のアッセイ
ペプチドの増殖制御活性を評価するため、種々の用量のペプチドを24時間細胞に添加し、次にその細胞を増殖、細胞生存性およびDNA-断片化について評価した。ペプチドの他の因子によって誘導されるアポトーシスを調節する能力を測定するため、Jurkat細胞をActD無しで20ng/mlのCH-11で、Raji細胞を0.5μg/mlのActDの存在下CH-11で、18時間処理した。TNF-αによるアポトーシス誘導のため、細胞(Jurkat、MCF7またはU937)を25ng/mlのこのサイトカインで24時間処理し、次にこれらの細胞を上述したように増殖または生存性について評価した。内在性増殖因子を除去するため、TNFを添加する前に、HepG2細胞を新鮮な培地で予備洗浄した。
実施例2.アポトーシスシグナル伝達に関与する、ヒトAFP中のカスパーゼ-3特異的RGD-含有活性部位
AFP分子中の機能的に重要なアミノ酸を決定するため、ヒトAFP、カスパーゼ-3および-1とのアミノ酸配列相同性を決定し、提唱される活性部位のペプチド類似物の構造を構築した。
Figure 2006518703
このアラインメントから、AFPがカスパーゼ1および3の酵素的活性部位と相同性を有していることが分かる。カスパーゼ1および2の酵素的活性部位はRGDモチーフを含み、それが触媒活性なCys残基の前に位置していることが分かる。エフェクターカスパーゼ3および7はこの位置にRGTモチーフを有するが、Cys残基の位置はAFP分子中とcasp-3およびcasp-7中において正確に一致する。AFPがCys252とCys259の間の鎖間ジスルフィド結合を有すること(Morinagaら、(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:4604-4608)を考慮して、AFP分子上のカスパーゼ様活性部位の位置は残基Cys251-Cys259の間のどこかであるという仮説をたてた。casp-3、-7および-8もRGDモチーフを有するが、それらは触媒活性位置とは異なる位置にある(Bukleyら、(1999) Nature, 397:534-539)ことを述べておかなければならない。ペプチド構造中の遊離のシステインCys258は2つの隣接するペプチド間の鎖間ジスルフィド結合を形成することが出来る(図1)。AFP分子内のCys251-Cys259ループ中の機能的に重要なアミノ酸の存在を証明するため、この提唱される活性部位のペプチド類似物の構造を構築した。対照として、HSAからの相同ペプチドも合成した。
実施例3.AFP由来の環状ペプチド、アポサイクリン-AはU937細胞におけるAFP-誘導性アポトーシスを中和する
これまでに公表されたデータは、種々の起源の(胎児性、または肝癌腫細胞株HepG2の培養培地由来)AFPが、有意な増殖抑制、細胞傷害性および、DNA-断片化(Dudichら、(1998)Tumor Biol. 19:30-40)のようなアポトーシスの古典的な特徴(Dudichら、(1998) Tumor Biol. 19:30-40)によって特徴付けられ、種々の腫瘍細胞の用量依存性増殖抑制およびプログラム細胞死を誘導することができることを示している。アポトーシスシグナル伝達に関与するAFP分子上の活性部位のあり得る位置を決定するため、種々のAFP-由来ペプチドのこの効果を阻害する能力を試験した。図2はAFP-由来ペプチド、アポサイクリン-AがU-937細胞においてAFP-誘導性アポトーシスを完全に抑制することを示している。更に、U-937細胞のアポサイクリン-A(1mM)による15分間の予備処理は培地対照に比べて15%の増殖刺激を誘導した。このことは、アポサイクリン-Aが24時間培養において細胞の自発的アポトーシスも抑制することを意味している。
実施例4.アポサイクリン-AはU-937細胞において抗-Fas-誘導性アポトーシスを有意に阻害する
AFP-特異性を試験するため、アポサイクリン-Aが他の因子によって誘導されるアポトーシスに影響を与えるかどうかを試験した。種々の用量の細胞傷害性IgM抗-Fasモノクローナル抗体CH-11によってU-937細胞にアポトーシスを誘導した。図3は0.5mMアポサイクリン-Aは総効果を約50%抑制することによって、抗-Fas媒介アポトーシスを有意に阻害したことを示している。アポサイクリン-A濃度を1mMまで増加させると抗-Fas-誘導性アポトーシスをより有意に阻害した。種々の型のアポトーシスに関与する細胞内経路がアポトーシス因子の大部分について共通していることが知られている。我々のデータは、アポトーシスのAFPおよびFasの両因子によるアポトーシスシグナル伝達に関与するある共通のレセプターと相互作用することにより、アポサイクリン-AはAFP-依存性およびFas-依存性経路に拮抗することを示している。
実施例5.AFP分子の活性部位における機能的に重要なアミノ酸の決定
a)AFP-由来ペプチド
Cys252がGlyに置換された環状ペプチド*CGRGDVLDC*および6-merペプチドRGDVLDを設計してアポトーシスシグナル伝達に関与する機能的活性部位の配列中の機能的に重要なアミノ酸を決定した。図4は、U-937細胞におけるAFP-媒介アポトーシスに対する*CGRGDVLDC*の影響を明らかにしている。このペプチドはAFP-媒介細胞傷害性を抑制できなかった。同じ結果がRGDVLDについて得られた(図4)。これらのデータは、Cys252は機能的に重要なアミノ酸であり、これをGlyに置換するとAFP分子全体のアポトーシス活性と相互作用するこのペプチドの能力が完全に抑制されることを示している。より短いペプチド、RGDVLDもAFP-媒介アポトーシスを制御することができなかったが、このことはアポトーシス活性部位の形成に環構造が必要であることを示している。
b)HSA-由来ペプチド
アルブミンはAFPと真の相同性があることが知られている(Morinagaら、Proc, Natl. Acad. Sci. USA, 80:4604-4608)。アポサイクリン-Aペプチドによってかたどられる、提唱される活性部位領域中の相同性も見出された。HSA配列から以下のペプチドを設計した:環状ペプチド*CCHGDLLEC*、*CGHGDLLEC*(CysからGlyへの単一置換)および直線状6-merペプチドHGDLLE。AFP-誘導性アポトーシスにこれらのペプチドが影響を与える能力について上述したように全細胞系で試験した(表1)。図5は*CCHGDLLEC*は、U-937細胞においてアポサイクリン-AがAFP-媒介アポトーシスを抑制するのと同様な活性を有することを示している。HGDLLEおよび*CGHGDLLEC*はAFPに対する細胞応答に影響を与えなかった。



表1.AFP-由来およびHSA-由来ペプチドがU-937細胞において細胞増殖およびAFP-誘導性アポトーシスに与える効果
Figure 2006518703
*環状ペプチド
1)無添加の対照に対する%で示した、U-937細胞増殖に対する1mM用量におけるペプチドの直接的効果。
実施例6.アポサイクリン-Aは、無細胞系において、最適用量未満の内在性チトクロームcと協同してカスパーゼ活性化を誘導する
AFP分子全体と同様に無細胞系においてカスパーゼ活性化を支持するようにアポサイクリン-Aが作用し得るかどうかを決定するため、上述したのと同じ無細胞系であるがAFPの代わりに環状ペプチドアポサイクリン-Aを使用した系を設定した。図8は、無細胞系において最適未満の低用量の内在性チトクロームcおよびdATPの存在下でアポサイクリン-Aがカスパーゼ-3の総活性を相乗的に増強したことを示している。同じ条件下でdATP無添加であるとアポサイクリン-AはDEVD-ase活性を誘導することが出来なかった。「サイレント」無細胞抽出物においてAFP全体について同じ効果が観察された。これらのデータは、我々がアポトーシス-促進活性に関与するAFPおよびアルブミンの活性部位を同定できたことを示している。
実施例7.アポサイクリン-Aは、細胞質ゾル抽出物において、最適用量未満の内在性チトクロームcおよびdATPと協同してカスパーゼ-3活性化を誘導する
我々は更に無細胞系においてAFPがカスパーゼ活性を誘導する能力について試験した。AFPをS100細胞質ゾル抽出物に添加すると、dATP-依存性のカスパーゼ-3-特異的DEVDaseの誘導が引き起こされ、これは少なくとも2時間の間漸増した(図7A)。対照として、等価量のヒト血清アルブミン(HSA)を同じ無細胞系に添加したが、DEVDase活性のレベルに何の影響も示さなかった。低いDEVDase活性がdATP単独によって生じたが、これは明らかに調製物中にある少量の内在性cyt-cの存在によるものであった。dATP非存在下では、AFPは全くカスパーゼ活性化を誘導しなかった。AFPは細胞質ゾル細胞抽出物において直接にカスパーゼ活性化を誘導することができるのか、cyt-cの基底レベルの存在を必要とするのかを決定するために、内在性チトクロームcを検出できるレベルで含まない「サイレント」細胞質ゾル抽出物に外来性cyt-cを添加後、DEVDase切断活性を調べた。図7Bは、このタイプの細胞質ゾル溶解物においては、dATPおよび最適未満の低用量cyt-cの存在下における処理2時間後でさえDEVDase活性は検出されなかったことを示している。しかしながら、同じ反応系にAFP(7μM)を添加すると、カスパーゼ活性化過程が引き起こされ、時間依存性様式で漸増した(図7B)。
実施例8. 無細胞系における、アポサイクリン-AによるCyt c/AFP-媒介カスパーゼ活性化の抑制
図8は、アポサイクリン-Aのカスパーゼ-3活性化に対する効果は種々の用量のチトクロームcおよびAFPによって媒介されたことを示している。高用量のペプチド(750μM)は高用量の内在性チトクロームcによって誘導されたカスパーゼ活性化を有意に(50〜70%)阻害した(図8A)。細胞質ゾル画分のチトクロームc/AFPによる併用処理によってDEVDase総活性の有意な増強が生じた(図8AおよびB)。アポサイクリン-A添加によりCyt c/AFP-媒介カスパーゼ活性化が60〜80%阻害された。これらのデータは、cyt c単独またはAFPとの組合せによって誘導される全体的なカスパーゼ活性化効果を抑制することにより、アポサイクリン-Aは無細胞系においてAFP分子全体に対して反対に作用することを示している。従って、アポサイクリン-Aは、アポトーシス活性に関与しアポトソーム集合体の構成員との相互作用に関与するAFP分子上の配列を提示している。
実施例9.AFP-由来ペプチドおよびHSA-由来ペプチドのdATP-依存性Cyt c-媒介カスパーゼ活性化に対する無細胞細胞質抽出物における効果
無細胞系において外来性チトクロームcによって誘導されるカスパーゼ活性化に対する種々のペプチドの影響能を試験するため、HepG2細胞の細胞質ゾル細胞抽出物を使用した。細胞抽出物の少量を750μMのペプチドで15分間予備処理し、その後種々の用量のチトクロームcを反応混合物に導入してカスパーゼ活性化を誘導した。対照抽出物はペプチドおよびチトクロームc無しにdATPとインキュベーションしたが、カスパーゼ活性を全く示さなかった。図9Aから、AFP由来のペプチド、9-merペプチドアポサイクリン-Aおよび6-merペプチドRGDVLD、およびHSA由来の6-merペプチドHGDLLEが高用量のチトクロームc-媒介カスパーゼ活性化を有意に阻害したことが分かる。一方、単一アミノ酸置換を有する環状モノマー9-merペプチド*CGRGDVLDC*、およびHSA由来の多量体環状ペプチド*CCHGDLLEC*は、全細胞系または無細胞系のいずれにおいてもアポトーシスを阻害する活性を示さなかった。従って、もっとも能力の高いペプチドアポサイクリン-AがAFPの活性部を模倣しており、アポトーシスシグナル伝達に関与する。低用量チトクロームc-誘導カスパーゼ活性化について全く異なる効果が得られた。図9Bは、アポサイクリン-Aは低用量チトクロームc-誘導カスパーゼ活性化において完全長AFP分子と同じ刺激を生じさせたことを示している。ペププチド、*CGRGDVLDC*および*CCHGDLLEC*は低用量チトクロームc活性に何ら影響を与えなかったが、ペプチドRGDVLDおよびHGDLLEはチトクロームc-誘導カスパーゼ活性化を有意に抑制することが明らかになった。
表2は無細胞細胞質ゾル抽出物におけるペプチドの活性を特徴付ける実験データをまとめたものである。
表2.無細胞系における、種々のペプチドによるCyt c-媒介DEVDase活性の調節
Figure 2006518703
* 環状ペプチド
実施例10.AFPの生物学的に活性な部位に対する抗-イディオタイプ抗体の調製
BALB/cAマウスを免疫、細胞融合および腹水液の作製に使用した。20匹のマウスをそれぞれフロイントの完全アジュバントで乳化した高度に精製したヒトAFP(40□g)で免疫した。マウスは2週間の間隔をおいて同じ量のフロイントの不完全アジュバント中に乳化したAFPでブーストした。ヒトAFPに対して最も高度に応答したマウスを選抜し、50□l中のフロイントの不完全アジュバントを含む100□lのAFP溶液中の80□gのAFPをマウスの尾に静脈注射した。3日後に脾臓細胞を調製し、マウスミエローマNS-1細胞と混合し、FCSを含むKC培地中でPEG処理した。FCSを含むHAT培地中で融合細胞を増殖させ、続いてHT培地で培養した。ウサギモノクローナル抗体を固定化捕獲抗体として用い、Eu-標識抗-ヒト抗体を監視抗体として用いるTR-FIAアッセイによりハイブリドーマを抗体産生について試験した(技術的詳細及び試薬については、Peuravuori, HとKorpera, T.ら、Clin. Chem. 1993, 39, pp.847-848を参照されたし)。抗体産生クローンの中で、ペプチド*CCRGDVLDC*およびその環状形態の添加に感受性でないクローンを排除した。良好な応答を示すクローンを腹水生成のためにマウスに導入するに充分になるまで増殖させた。腹水を調製し、抗-AFPモノクローナル抗体をそこから精製した。精製抗体をタンパク質分解にかけ、一般に知られた方法(技術に関しては、MuronetzとKorpela、J. Chromatogr. 2003, 790, pp.53-56を参照せよ)により、選択したクローンから純粋なFab断片を得た。Fabタンパク質を上述したようなAFPと同様な処理にかけ、Fab断片に対する単一特異性抗体を得た。AFP活性部位に対するこれらの抗-イディオタイプ抗体を、AFPの活性部位ペプチドに対する感受性によりこれらのクローンからスクリーニングした。ヒトアルブミンの配列位置246-254における活性部位に対する抗-イディオタイプ抗体もAFPに対して上述したのと本質的に同じ技術を用いて作製することが出来る。
図1は生物学的に活性な二量体ペプチドを模式的に表したものである(ここではモノマーがアポサイクリン-Aと呼ばれている;*Cys-Cys-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*) 図2は多量体環状9-merペプチド、アポサイクリン-A(*Cys-Cys-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*)によるAFP-誘導性アポトーシスの阻害を示す。マイクロタイターウェル中のU-937細胞を種々の用量のアポサイクリン-Aで15分間処理し、その後、3μMの純粋なヒトAFPを各ウェルに添加した。24時間インキュベーション後、細胞増殖を[3H]-チミジン取り込みによって評価した。 U-937細胞において細胞傷害性抗-Fasモノクローナル抗体CH-11によって誘導されたアポトーシスに対する多量体9-merペプチド、アポサイクリン-A(*Cys-Cys-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*)の効果を示したものである。細胞を500μMのアポサイクリン-Aで15分間処理し、その後種々の用量の細胞傷害性抗-Fas Mabs CH-11(Immunotech社)を各ウェルに添加した。16時間のインキュベーション後、細胞増殖を[3H]-チミジン取り込みによって評価した。 図4は、U-937細胞のAFP-媒介増殖抑制に対する6-merペプチドArg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp(RGDVLD)およびHis-Gly-Asp-Leu-Leu-Glu(HGDLLE)の効果を示している。細胞を種々の用量のペプチドで15分間処理し、その後3μMの純粋なヒトAFPを各ウェルに添加した。24時間インキュベーション後、細胞増殖を[3H]-チミジン取り込みによって評価した。 図5は、ヒト骨髄芽球腫細胞株U-937のAFP-媒介増殖抑制に対する環状モノマーペプチド*Cys-Gly-Arg-Gly-Asp-Val-Leu-Asp-Cys*(*CGRGDVLDC*)の効果を示したものである。細胞を種々の用量のペプチドで15分間処理し、その後3μMの純粋なヒトAFPを各ウェルに添加した。24時間インキュベーション後、細胞増殖を[3H]-チミジン取り込みによって評価した。 図6は環状9-merペプチド、アポサイクリン-A(*CCRGDVLDC*)が無細胞細胞質抽出物において低用量内在性Cyt cによって誘導されるATP-依存性プロ-カスパーゼ-3活性化を増強することを示している。U937細胞からの細胞抽出物を種々の用量のアポサイクリン-Aおよび1mMのdATPと共に40分間インキュベーションした。添加物無しにインキュベーションした抽出物を対照とした。カスパーゼ-3活性化は蛍光基質DEVD-AFCの切断によって評価した。 図7は、無細胞系におけるチトクロームc-媒介カスパーゼ活性化とヒトAFPの相乗的増強を示している。(A)AFPは無細胞細胞質抽出物においてdATPの存在下でカスパーゼ-3活性化を誘導する。HepG2-由来細胞質ゾル抽出物の少量(25μgのタンパク質)をAFP(7μM)または対照として同じ量のHSAで、dATP(1mM)の存在下で種々の時間処理し、次にDEVDase活性についてアッセイした。(B)HepG2細胞の細胞抽出物において、最適量未満の外来性チトクロームcの存在下でAFPによって媒介されるカスパーゼ-3活性化の相乗的増強。HepG2由来細胞質ゾル抽出物の少量(25μgのタンパク質)をAFP(10μM)、チトクロームc(0.2μM)、または両化合物の同用量の組合せとdATP(1mM)の存在下で種々の時間処理し、次にDEVDase活性についてアッセイした。(C)AFPは、無細胞細胞質抽出物において種々の量のチトクロームcによって誘導されるカスパーゼ-3活性化に様々に影響を与える。S100細胞質ゾル抽出物の少量(25μgタンパク質)をAFP(10μM)および種々の量のチトクロームcとdATP(1mM)存在下で30分間処理し、次にDEVDase活性についてアッセイした。4回の測定についての平均±SDが示されている。 図8は、高用量(165nM)の内在性チトクロームc(A)および低用量(110nM)の内在性チトクロームc(B)におけるHepG2細胞の無細胞細胞質ゾル抽出物中のdATP-依存性Cyt c-誘導カスパーゼ活性化に対する、ペプチド、アポサイクリン-A *CCRGDVLDC*、CGRGDVLDC、*CCHGDLLEC*、RGDVLDおよびHGDLLEの効果を示している。750μMの濃度のペプチドを細胞抽出物へ添加し、15分後チトクロームcを添加した。カスパーゼ活性化はカスパーゼ-3特異的蛍光基質DEVD-AMCの切断によって監視した。 図9は環状多量体9-merペプチド、アポサイクリン-A(*CCRGDVLDC*)がチトクロームc/AFP-媒介カスパーゼ-3活性化を無細胞系において抑制することを示している。HepG2-由来細胞質ゾル抽出物の少量を750μMのアポサイクリン-Aで予備処理し、次に、1mMのdATP存在下で10μMのAFPおよび/または110nM(A)または80nM(B)のチトクロームcで40分間処理した。カスパーゼ活性化はカスパーゼ-3特異的蛍光基質DEVD-AMCの切断によって監視した。

Claims (16)

  1. ヒトα-フェトプロテインのアミノ酸残基251-259番、またはヒト血清アルブミンの残基246-254番に位置する、アポトーシス活性部位に対する抗イディオタイプ抗体の認識部位の分子構造。
  2. 一般式CCRGDVLDnXmYまたはCCHGDLLEnXmY(式中Xは疎水性アミノ酸、Yは親水性アミノ酸、nは1、2または3、mは1、2または3を表す)を有する、請求項1記載のα-フェトプロテインまたはアルブミンの活性部位のペプチド構造。
  3. N-末端に0、1または3個の隣接システイン残基を有し、C-末端に0、1または3個の隣接システイン残基を有する、請求項1または2記載の直線状ペプチド構造。
  4. 重合した、または環化した、請求項3記載のペプチド構造。
  5. 同一分子中にRGDおよびDXXD(Xは疎水性アミノ酸残基、R、GおよびDはそれぞれArg、GlyおよびAspを表す)配列が存在する、請求項1〜4のいずれか1項記載のペプチド構造。
  6. 配列RGD中のDが配列DXXDと共通である、請求項5記載のヘキサペプチド。
  7. Xが、V、L、Wまたはそれらの組合せであり、YがD、EまたはGである、請求項2記載のペプチド配列。
  8. C*C*RGDVLDC*(式中、アステリスク残基は可能なジスルフィド結合の位置を表す)の、直線状、重合化、または環化構造。
  9. C*C*HGDLLEC*(式中、アステリスク残基は可能なジスフィド結合の位置を表す)の構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の直線状、重合化、または環化ペプチド。
  10. ヒトおよび動物細胞においてアポトーシス制御経路を抑制するための、請求項2〜9のいずれか1項記載のペプチドの使用。
  11. 移植部における器官または細胞の維持性を増大させるための、請求項2〜9のいずれか1項記載のペプチドの使用。
  12. 自己免疫疾患またはウイルス感染により誘導される免疫不全症候群の防止のための、請求項2〜9のいずれか1項記載のペプチドの使用。
  13. 化学療法または放射線療法後の細胞傷害性効果を低減するための、請求項2〜9のいずれか1項記載のペプチドの使用。
  14. 神経細胞アポトーシス、非特異的な薬剤-誘導性アポトーシス、または酸化的ストレス-媒介アポトーシスの抑制のための、請求項2〜9のいずれか1項記載のペプチドの使用。
  15. 科学的または技術的目的で調製される培養細胞のアポトーシスを防止するための、請求項2〜9のいずれか1項記載のペプチドの使用。
  16. 抗イディオタイプ抗体のFab断片の分子認識部位に対して調製された抗体に結合することのできる構造を特徴とする、請求項1記載の分子構造。
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