JP2006514013A - 慢性組織移植片拒絶を阻害するためのジアミド誘導体の使用 - Google Patents

慢性組織移植片拒絶を阻害するためのジアミド誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

組織移植片を有する被験体において、急性および慢性の組織移植片拒絶を阻害する方法が開示される。この方法は、有効量の、式(I)で示される化合物をその被験体に投与する工程を含む:(I)。式(I)中の変動するものの例は、明細書中に記載される。本発明の方法は、移植された組織片の慢性拒絶を処置するために有利に使用され得る。慢性拒絶は、これまでは有効な処置が利用可能でなかった状態である。本発明の方法はまた、移植された組織の急性拒絶を処置するためにも有利に使用され得る。
【化1】

Description

(関連出願パラグラフ)
本出願は、2002年11月21日出願の米国仮出願第60/428,332号の利益を主張し、米国仮出願第60/428,332号の全体の教示が本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
急性移植片拒絶の管理における改善は、その手順に続く最初の一年間の移植片の向上された生存において見られるように、過去30年にわたって存在してきた。しかしながら、長期の器官生存についての半減期は改善されておらず、約50%の移植片のみが10年後に機能的である。慢性移植片拒絶は、急性移植片拒絶とは対照的に、大多数の移植片の機能不全に対する原因である。
急性移植片拒絶は、移植された組織を攻撃する移植片レシピエントの免疫系の結果として生じる。急性拒絶は急速であり、一般に、その組織の移植後数時間から数週間以内に起こり、それは、代表的には、シクロスポリンAなどの免疫抑制剤の使用により抑制され得る。急性拒絶は免疫抑制プロトコルを用いて抑制されるのに対し、慢性の拒絶に対する処置はそれほど明確でない。急性拒絶および慢性拒絶は、免疫反応として著しく異なる特徴を有する。例えば、慢性拒絶は、成功裏の免疫抑制の存在下においてさえも、経時的に(代表的には移植後数ヶ月から数年にわたって)起こる。それは、宿主の複数の因子およびプロセスを伴わない、通常は、宿主が移植後に経験する創傷治癒の、長期のプロセスの結果である。それゆえに、慢性の拒絶は、起源が完全に免疫的というわけではなく、さらなる原因は十分には理解されていない。さらなる原因としては、免疫抑制剤と関連する虚血性の発作、その移植された組織の脱神経、高脂血症および高血圧症が挙げられ得る。
大部分の器官に対しては、拒絶が起こっていることを示す最も明確な方法は、その器官の生検による。しかしながら、実用的な理由で、生検はいつもなされるとは限らず、そして慢性拒絶が疑われる場合には、生検は特にあまり実用的ではない。移植片器官の慢性拒絶は、一般に、それがそのレシピエントまたは宿主においてその機能を果たし始めた後の器官の機能不全として特徴付けられる。従って、慢性拒絶は、一般に、器官機能の低下により監視され、その機能低下は、食い止められない場合には、その器官の機能不全、感染、および器官組織の壊死という結果になる。慢性拒絶は、細胞外基質たんぱく質(コラーゲン、フィブロネクチン、およびエラスチン)の広範な沈着、ならびに筋線維芽細胞表現型をともなう細胞の出現により特徴付けられる、病原性線維症により識別されるが、一般に、それでは、その移植片を救い得る処置のためには遅すぎる。線維症は、線維形成が器官の微細構造を損傷するか、または器官機能のためには開いたままになっている必要がある通路を遮断することが観察される慢性拒絶の明らかな特徴となる。
この慢性拒絶のプロセスは、現時点では、いずれの公知の治療用レジメンにより阻害されない。さらに、上記に記載されるように、上記移植片を救う時間枠の中でその慢性拒絶を検出し処置することは時々困難である。従って、器官移植患者の長期生存のさらなる改良は、慢性移植片拒絶を管理するための新しい手法の開発に依存している。
(発明の要旨)
新しい範疇の、慢性移植片拒絶を阻害することにおいて有効な化合物が、ここで見出され、本明細書中で開示される。1つの実施例においては、慢性拒絶の組織病理学的な証拠は、2つのマウスモデルにおいて、以下に示される化合物1により阻害された。第1のモデルにおいては、手術後8週間のレシピエントマウスにおける、完全にMHCクラスII不適合の移植された心臓の慢性拒絶は、手術に続く2週間の間、一日あたり、1kgあたり75mgの化合物1:
Figure 2006514013
のみを用いる処置により阻害された。第2のモデルでは、手術に続く2週間の間、一日あたり、1kgあたり75mgの化合物1による処置が、移植手術直後の250μgの抗CD154モノクローナル抗体の一度だけの投与と組み合わされる場合に、手術後120日目のレシピエントマウスにおける、完全にMHCクラスII不適合の移植された心臓の慢性拒絶は阻害された。抗CD154モノクローナル抗体のみを用いる処置は、急性拒絶を抑制するが、移植された組織の慢性拒絶を防止することにおいては有効ではない。これらの結果に基づき、慢性移植片拒絶を処置する方法が本明細書中で開示される。
本発明は、組織移植片を有する被験体において組織移植片拒絶を阻害する方法である。本方法は、移植された組織の急性拒絶および慢性拒絶の両方に対して有効であるが、慢性移植片拒絶を阻害することにおいて特に有利である。本方法は、有効量の、式(I):
Figure 2006514013
で表される化合物をその被験体に投与する工程を包含する。
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアルキル基である。
は、必要に応じて置換されたアラルキル基または−NRで置換されたアルキル基である。
は、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基である。
は、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基である。
およびRは、独立して、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基から選択されるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、非芳香族複素環式基である。
本開示される方法は、移植された組織片の慢性拒絶を処置するために有利に使用され得る。慢性拒絶は、これまでは有効な処置が利用可能でなかった状態である。さらには、移植された組織の急性拒絶もまた、本開示される方法により阻害され得る。
(発明の詳細な説明)
本明細書中で開示されるのは、レシピエント被験体において、移植された組織の拒絶を処置(防止、阻害または抑制)する方法である。本方法は、慢性の移植片拒絶を処置(防止、阻害または抑制)することにおいて特に有効である。必要に応じて、本開示される方法はまた、急性移植片拒絶を処置(防止、阻害または抑制)するためにも用いられ得る。
「急性移植片拒絶」とは、移植された組織が免疫学的に異物である場合の組織移植片レシピエントの免疫系による拒絶である。急性拒絶は、レシピエントの免疫細胞による上記移植された組織の浸潤により特徴付けられ、その免疫細胞は、そのエフェクター機能を果たし、上記移植された組織を破壊する。急性拒絶の発症は急速であり、一般に、ヒトにおいては移植手術後数週間以内に発生する。一般に、急性拒絶は、ラパマイシン、シクロスポリンA、抗CD40Lモノクローナル抗体などの免疫抑制剤を用いて阻害または抑制され得る。
「慢性移植片拒絶」は、一般に、ヒトにおいては、急性拒絶の成功裏の免疫抑制の存在下においてさえも、移植後数ヶ月から数年以内に発生する。線維症は、すべての種類の器官移植片の慢性拒絶の共通の因子である。慢性拒絶は、代表的には、上記特定の器官に特有のある特定の障害の範囲により記述され得る。例えば、肺移植片においては、そのような障害としては、気道の線維増殖的破壊(閉塞性細気管支炎)が挙げられ;心臓移植片または、弁代用品などの心臓組織の移植片においては、そのような障害としては、線維性アテローム性動脈硬化症が挙げられ;腎臓移植片においては、そのような障害としては、閉塞性ネフロパシー、腎硬化症、尿細管間質性ネフロパシーが挙げられ;そして肝臓移植片においては、そのような障害としては、消失胆管症候群が挙げられる。慢性拒絶はまた、免疫抑制剤に関連する虚血性の発作、移植された組織の脱神経、高脂血症および高血圧症によっても特徴付けられ得る。
用語「移植片拒絶」は、急性移植片拒絶および慢性移植片拒絶の両方を包含する。
上記に記載されるように、本開示される方法は、器官移植片または組織移植片を有する哺乳動物において、移植片拒絶、好ましくは慢性拒絶、を阻害または抑制するために、有利に用いられ得る。最も一般的な種類の移植片は、同種移植片であり、この同種移植片は同種のメンバー間の移植片である。
一つの代替法においては、例えば、上記移植された組織または器官が幹細胞または他の種類の前駆細胞から増殖させる場合には、その移植された組織または器官は、生体工学により作られる。生体工学により作られた組織または器官は、その身体外で増殖され得、そして上記宿主へ直接移植され得る。あるいは、上記前駆体細胞または未熟の器官もしくは未熟の組織は、上記宿主へ移植され、増殖し成熟する。
本開示される方法はまた、上記移植された器官または組織が異種移植片である場合、すなわち、そのドナーがそのレシピエントとは別種のメンバーである場合の、移植片拒絶を処置するためにも用いられ得る。異種移植片は、生体工学により作られる組織または器官とともに有利に用いられ、その異種移植片は、その組織または器官を必要とするレシピエント中に直接移植される代わりに、その生体工学により作られる組織または器官を必要とする適切なヒトのレシピエントが特定されるまで、非ヒトの哺乳動物などの代理宿主へ移植され得る。あるいは、その組織または器官は上記代理に移植され、その生体工学により作られる組織または器官を成熟させ得る。代理宿主の使用は、ヒトレシピエントの中への移植の前にその組織または器官のさらなる開発が要求される事例において、好ましくあり得る。別の代替法においては、適切な同種移植片ドナーが利用可能でない場合に、異種移植片が用いられる。異なる種へ移植する場合には、上記宿主およびドナーにおける上記器官のサイズが類似であるように、宿主を選択することが望ましい。加えて、その宿主は、伝染病の伝播をできるだけ少なくするために選択される。
用語「アリール基」(例えば、R、RおよびRにより表されるアリール基)は、単独でまたは「アラルキル」(例えば、Rにより表されるアラルキル基)などのより大きい部分の一部分として用いられ、このアリール基とは、フェニル、ナフチル、およびアントラシルなどの炭素環式芳香族基、ならびにイミダゾリル、イソイミダゾリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピリミジル、ピラニル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、およびテトラゾリルなどのヘテロアリール基などをいう。
用語「アリール基」は、単独でまたは「アラルキル」などのより大きい部分の一部分として用いられ、このアリール基はまた、炭素環式芳香族環またはヘテロアリール環が1つ以上の他のヘテロアリール環に縮合している、縮合多環式の芳香族環系も包含する。例としては、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾイソチアゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニルおよびイソインドリルが挙げられる。
用語「アリール基」は、単独でまたは「アラルキル」などのより大きい部分の一部分として用いられ、このアリール基はまた、シクロアルキル基または非芳香族複素環式基に縮合した、炭素環式芳香族環またはヘテロアリール芳香族環も包含する。例としては、インダニル、テトラヒドロナフチルおよびフルオレニルが挙げられる。
用語「アルキル基」(例えば、R〜Rにより表されるアルキル基)は、単独でまたは「アラルキル」(例えば、Rにより表されるアラルキル基)または「シクロアルキルアルキル」などのより大きい部分の一部分として用いられ、この「アルキル基」は、完全に飽和の、直鎖非芳香族炭化水素、分枝鎖非芳香族炭化水素または環状非芳香族炭化水素である。代表的には、直鎖のアルキル基または分枝鎖のアルキル基は、1〜約10個の炭素原子、好ましくは1〜約4個の炭素原子を有し、そして環状脂肪族基は3〜約10個の炭素原子、好ましくは3〜約8個の炭素原子を有する。適切な直鎖のアルキル基および分枝鎖のアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルが挙げられ;そして適切なシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。C1〜C10の直鎖のアルキル基もしくは分枝鎖のアルキル基またはC3〜C8の環状アルキル基はまた、「低級アルキル」基とも呼ばれる。
「アラルキル基」は、1つ以上のアリール基で置換されたアルキル基である。「置換されたアラルキル基」は、1つ以上の置換基を、そのアラルキル基のアルキル部分におよび/またはそのアラルキル基のアリール部分に有し得る。適切なアラルキル基置換基は、下記に、アリール基置換基およびアルキル基置換基の例を提供する節において、記載される。
「ヘテロアラルキル基」は、1つ以上のヘテロアリール基で置換されたアルキル基である。「置換されたヘテロアラルキル基」は、1つ以上の置換基を、そのヘテロアラルキル基のアルキル部分におよび/またはそのヘテロアラルキル基のヘテロアリール部分に有し得る。適切なヘテロアラルキル基置換基は、下記に、アリール基置換基およびアルキル基置換基の例を提供する節において、記載される。
「シクロアルキルアルキル基」は、1つ以上のシクロアルキル基で置換されたアルキル基である。「置換されたシクロアルキルアルキル基」は、1つ以上の置換基を、そのシクロアルキルアルキル基のアルキル部分またはシクロアルキルアルキル部分に有し得る。適切なシクロアルキルアルキル基置換基は、下記に、アルキル基置換基の例を提供する節において、記載される。
「ヘテロシクロアルキルアルキル基」は、1つ以上の非芳香族複素環式基で置換されたアルキル基である。「置換されたヘテロシクロアルキルアルキル基」は、1つ以上の置換基を、そのヘテロシクロアルキルアルキル基のアルキル部分または非芳香族複素環式部分に有し得る。適切なヘテロシクロアルキルアルキル基置換基は、下記に、アルキル基置換基および非芳香族複素環式基置換基の例を提供する節において、記載される。
用語「非芳香族複素環式環」(例えば、−NRで表される非芳香族複素環式基)とは、代表的には5〜14員、好ましくは5〜10員を有し、その非芳香族環系では、1個以上の環炭素、好ましくは1〜4個の環炭素、が各々N、O、またはSなどのヘテロ原子により置換されている非芳香族環系をいう。非芳香族複素環式環の例としては、3−1H−ベンズイミダゾール−2−オン、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、[1,3]−ジオキサラニル([1,3]−dioxalanyl)、[1,3]−ジチオラニル、[1,3]−ジオキサニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、4−チアゾリジニル、ジアゾロニル、N−置換ジアゾロニル、1−フタルイミジニル(1−pthalimidinyl)、ベンゾキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾチオラニル、およびベンゾチアニルが挙げられる。
アルキル基に対する、アリール基または非芳香族複素環式基上の炭素原子に対する適切な置換基は、上記化合物の移植片拒絶阻害能力を実質的に妨害しない置換基である。アリール、アルキルの炭素原子または非芳香族複素環式基の炭素原子に対する適切な置換基の例としては、−OH、ハロゲン(−Br、−Cl、−Iおよび−F)、R、−CHR、−OCHR、−CHOC(O)R、−OR、−O−COR、−COR、−CN、−NO、−COOH、−SOH、−NH、−NHR、−N(R)、−COOR、−CHO、−CONH、−CONHR、−CON(R)、−NHCOR、−NRCOR、−NHCONH、−NHCONRH、−NHCON(R)、−NRCONH、−NRCONRH、−NRCON(R)、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NHR、−C(=NH)−N(R)、−C(=NR)−NH、−C(=NR)−NHR、−C(=NR)−N(R)、−NH−C(=NH)−NH、−NH−C(=NH)−NHR、−NH−C(=NH)−N(R)、−NH−C(=NR)−NH、−NH−C(=NR)−NHR、−NH−C(=NR)−N(R)、−NRH−C(=NH)−NH、−NR−C(=NH)−NHR、−NR−C(=NH)−N(R)、−NR−C(=NR)−NH、−NR−C(=NR)−NHR、−NR−C(=NR)−N(R)、−SONH、−SONHR、−SON(R)、−SH、−SOR(kは0、1または2である)および−NH−C(=NH)−NHが挙げられる。各々のRは、独立して、アルキル基、置換アルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基である。好ましくは、Rは、アルキル基、ベンジル基またはアリール基である。加えて、−N(R)はまた、一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルなどの置換または非置換の非芳香族複素環式基を形成し得る。Rで表されるアルキル基、アリール基またはベンジル基上の置換基の例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルが挙げられる。置換アリール基、置換アルキル基および置換非芳香族複素環式基は、1個より多い置換基を有し得る。
非芳香族複素環式基またはヘテロアリールの置換可能な窒素上の適切な置換基としては、R’、−N(R’)、−C(O)R’−COR’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−SOR’、−SON(R’)、−C(=S)N(R’)、−C(=NH)−N(R’)、および−NR’SOR’が挙げられ;ここで、R’は水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル(Ph)、置換Ph、−O(Ph)、置換−O(Ph)、CH(Ph)、または非置換のヘテロアリールもしくは非芳香族複素環式環である。R’で表される脂肪族基またはフェニル環上の置換基の例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルが挙げられる。
さらには、上記開示される化合物の薬学的に受容可能な塩は、本開示される方法において使用され得る。例えば、アミンまたは他の塩基性基を含む化合物の酸性塩は、この化合物を、塩化水素、臭化水素、酢酸、過塩素酸などの適切な有機酸または無機酸と反応させることにより得られ得る。4級アンモニウム基を有する化合物もまた、クロリド、ブロミド、ヨージド、アセテート、ペルクロレートなどの対アニオンを有する。そのような塩の他の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩[例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩またはラセミ体混合物を含むこれらの混合物]、コハク酸塩、安息香酸塩およびグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。
カルボン酸または他の酸性官能基を含む化合物の塩は、適切な塩基と反応させることにより調製され得る。そのような薬学的に受容可能な塩は、薬学的に受容可能なカチオンを与える塩基を用いて生成され得、その塩としては、アルカリ金属塩(特にナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特にカルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩、アンモニウム塩が挙げられ、同様にトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニン、キノリン、ならびにリシンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸などの生理学的に受容可能な有機塩基から生成される塩が挙げられる。
式(I)の化合物の本発明に従う「有効量」とは、移植片レシピエントに投与された場合に、移植片拒絶を阻害または抑制する、すなわち、移植片拒絶(好ましくは慢性移植片拒絶)と関連する1つ以上の症状の発症を遅らせそして/またはその1つ以上の症状の重篤さを軽減する、量をいう。移植片レシピエントに投与されるべき本開示される化合物の量は、移植片の種類、ならびに全般的な健康、年齢、性別、体重および薬物に対する耐性などのその被験体の特徴に依存する。当業者は、これらの因子および他の因子に依存して適切な投与量を決定することができる。上記開示される化合物の有効量は、代表的には、一日あたり、1kgあたり約0.01mgと一日あたり、1kgあたり約100mgとの間の範囲にあり、そして好ましくは一日あたり、1kgあたり約0.1mgと一日あたり、1kgあたり約10mgとの間の範囲にある。
「被験体」は、哺乳動物であり、好ましくはヒトであるが、この被験体は、組織移植片を受け、移植片拒絶、そして好ましくは慢性移植片拒絶、を阻害するための処置を必要とする動物でもまたあり得る。そのような処置を必要とするレシピエント動物の例としては、例えば、コンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコなど)、農場動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)および実験室動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)が挙げられる。
移植片拒絶、例えば、慢性移植片拒絶、を阻害するための上記開示された化合物の使用は、特定の器官または組織の種類にまったく限定されない。上記開示される処置は、移植された心臓、腎臓、肺、肝臓、膵臓、膵島、脳組織、胃、大腸、小腸、角膜、皮膚、気管、骨、骨髄、筋肉、膀胱またはこれらの部分の拒絶を阻害するのに有効であるが、これらに限定されない。
本明細書中に記載される化合物、およびそれらの化合物の薬学的に受容可能な塩は、薬学的な調製物において、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて使用され得る。適切な薬学的に受容可能なキャリアとしては、不活性な固体充填物または希釈剤および殺菌した水溶液または有機溶液が挙げられる。上記化合物は、そのような薬学的組成物中に、本明細書中に記載される範囲の所望の投与量を提供するのに十分な量で存在する。本発明の化合物の処方および投与のための手法は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,第19版,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)中に見出され得る。
経口投与のために、上記開示される化合物またはこれらの化合物の塩は、適切な固体キャリアもしくは液体キャリアまたは固体希釈剤もしくは液体希釈剤と組み合わされ、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤などを形成し得る。
この錠剤、丸剤、カプセル剤などは、約1〜約99重量パーセントの上記活性成分およびトラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはアルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;ならびに/またはスクロース、ラクトースまたはサッカリンなどの甘味料を含有する。投薬単位の形態がカプセル剤である場合には、それは、上記の種類の材料に加えて、脂肪油などの液体キャリアを含有し得る。
様々な他の材料が、コーティングとして、または上記投薬単位の物理的形態を改変するために存在し得る。例えば、錠剤はシェラック、糖またはその両方で被覆され得る。シロップ剤またはエリキシル剤は、上記活性成分に加えて、スクロースを甘味料として、メチルパラベンまたはプロピルパラベンを保存剤として、色素およびさくらんぼ香味またはオレンジ香味などの矯味矯臭剤を含有し得る。
上記開示される化合物、またはそれらの化合物の塩の非経口の(parental)投与のために、その化合物またはその塩は、殺菌された水性媒体または有機媒体と組み合わされ、注入可能な溶液または懸濁液を形成し得る。例えば、ゴマ油または落花生油中、水性プロピレングリコール中などの溶液が使用され得、また上記化合物の水溶性の薬学的に受容可能な塩の水溶液も同様に使用され得る。分散液もまた、グリセロール、液状ポリエチレングリコールおよび油中のこれらの混合物の中で調製され得る。保存および使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有する。
上記の処方物に加えて、上記化合物はまた、貯蔵調製物として処方され得る。この種類の適切な処方物としては、架橋多糖処方物または水不溶性多糖処方物を用いる生体適合性および生分解性のポリマー状ヒドロゲル処方物が挙げられる。重合可能なポリエチレンオキシド処方物もまた挙げられる。この種類の処方物は、米国特許第5,410,016号、第4,713,448号、第4,636,524号、第6,083,524号、第5,785,993号、第4,937,270号および第5,017,229号に開示され、これらの教示の全体が、本明細書中で参考として援用される。そのような長期にわたって作用する処方物は、移植により、例えば、皮下にもしくは筋内に投与され得、または筋肉内への注射により投与され得る。好ましくは、それらは移植された器官または組織の微小環境中に移植される。従って、例えば、上記化合物は、例えば、受容可能な油中の乳液またはイオン交換樹脂として、または溶解性の乏しい誘導体として、例えば、溶解性の乏しい塩として、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料を用いて処方され得る。
好ましくは、開示される化合物またはこれらの化合物を含む薬学的処方物は、哺乳動物への投与のための単位投与量形態にある。この単位投与量形態は当該分野で公知の任意の単位投与量形態であり得、その形態としては、例えば、カプセル剤、静脈内バッグ、錠剤、またはバイアルなどが挙げられる。組成物の単位用量中の活性成分(すなわち、式Iの化合物またはその塩)の量は有効量であり、関与する特定の処置に従って、変更され得る。上記患者の年齢および状態に依存して、投与量に慣用的なバリエーションを加えることが必要であり得るということが認められ得る。上記投与量はまた、経口、エアゾール経路、直腸経路、経皮、皮下経路、静脈内経路、筋内経路、腹腔内経路および鼻腔内経路が挙げられる様々な経路に依り得る投与経路にも依存する。
本発明の方法で使用される化合物は、免疫抑制剤とともに有利に共投与され得る。例としては、コルチコステロイド、スクロスパリンA、ラパマイシンおよびFK506または抗T細胞抗体などの抗体療法が挙げられる。式(I)で表される化合物をラパマイシンまたは抗CD40Lモノクローナル抗体と共投与することは、特に有用である。
本発明の化合物は、WO01/87849号に開示される手順に従って調製され得、WO01/87849号の全体の教示が、本明細書中で参考として援用される。
好ましい実施形態においては、式(I)で表される化合物に関する可変物は、上記で提供されるとおりであるが、ただし、上記化合物は1つ以上の以下の特徴により特徴付けられる:
a)Rは、必要に応じて置換されたアリール基または必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基である。
b)Rは、必要に応じて置換されたフェニル基または必要に応じて置換されたフェニル−C〜Cのアルキル基である。Rのこれらの例に対する好ましい置換基としては、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、ハロゲン、CN、C〜C−アルキルチオール、C〜C−ハロアルキルおよびフェノキシが挙げられる。
c)Rは、必要に応じて置換されたヘテロアラルキル基または−NRで置換されたアルキル基である。
d)Rは、必要に応じて置換されたイミダゾリル(imadazolyl)−C〜C−アルキル基または−NRで置換されたC〜Cのアルキル基である。
e)Rは、必要に応じて置換された2−(イミダゾール−4−イル)エチル、必要に応じて置換された3−(イミダゾール−4−イル)プロピル、必要に応じて置換された3−(イミダゾール−1−イル)プロピル、必要に応じて置換された2−(モルホリン−4−イル)エチル、必要に応じて置換された2−(4−ピラゾリル)エチル、必要に応じて置換された2−N,N−ジメチルアミノエチルまたは必要に応じて置換された3−N,N−ジメチルアミノプロピルである。好ましくは、Rは2−(イミダゾール−4−イル)エチルである。
f)Rは、必要に応じて置換されたアリール基または必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基である。
g)Rは、必要に応じて置換された2−シクロヘキシルエチル、必要に応じて置換された2−シクロペンチルエチル、または必要に応じて置換されたC〜Cの第二級アルキル基もしくは第三級アルキル基である。
h)Rは、必要に応じて置換されたフェニル、必要に応じて置換されたフェニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたジフェニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたピラゾリル、必要に応じて置換されたピラゾリル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたインドリル、必要に応じて置換されたインドリル−C〜C−アルキル、チエニルフェニル、チエニルフェニル−C〜C−アルキル、フラニルフェニル、フラニルフェニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたフルオレニル、必要に応じて置換されたフルオレニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたナフチル、必要に応じて置換されたナフチル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたキノキサリニル、必要に応じて置換されたキノキサリニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたキナゾリニル、必要に応じて置換されたキナゾリニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたピロリル、必要に応じて置換されたピロリル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたチエニル、必要に応じて置換されたチエニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたフラニル、必要に応じて置換されたフラニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたピリジル、または必要に応じて置換されたC〜Cのピリジルである。
i)Rは、式(II):
Figure 2006514013
で表される。環Aは、置換または非置換であり;Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、必要に応じて置換されたフラニル基、必要に応じて置換されたチエニル基または必要に応じて置換されたピリジル基であり;nは、1〜4の整数であり;そして、Xは、結合、CH、OCH、CHOC(O)、CO、OC(O)、C(O)O、O、S、SOまたはSOである。環AおよびRで表されるアリール基に対する適切な置換基の例は、適切なアリール基置換基を記載する上記節に提供される。
j)Rは、式(II)により表され、ここで環Aは、置換または非置換であり;Rは、必要に応じて置換されたフェニル基であり;nは、1であり;そしてXは、COである。
k)Rは、式(II)により表され、環Aは、非置換であり、Rは、必要に応じて置換されたフェニル基であり;nは、1であり;そしてXは、COである。より好ましくは、Rは、フェニル基である。
l)Rは、必要に応じて置換されたアリール基、必要に応じて置換されたシクロアルキル基、必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基または必要に応じて置換されたC〜Cのシクロアルキルアルキル基である。
m)Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、必要に応じて置換されたフェニル−C〜C−アルキル基、必要に応じて置換されたジフェニル−C〜C−アルキル基、必要に応じて置換されたC〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル基または必要に応じて置換されたジ−(C〜C−シクロアルキル)−C〜C−アルキル基である。
n)Rは、必要に応じて置換されたベンジル、必要に応じて置換されたジフェニルメチル、必要に応じて置換された2−フェニルエチル、必要に応じて置換された1,2−ジフェニルエチル、必要に応じて置換された2,2−ジフェニルエチルまたは必要に応じて置換された3,3−ジフェニルプロピルである。Rのこれらの例に対する好ましい置換基としては、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、ハロゲン、CN、C〜C−アルキルチオール、C〜C−ハロアルキルおよびフェノキシが挙げられる。
別の好ましい実施形態においては、式(I)の化合物は、特徴a)、f)およびl)のうちの1つ以上の特徴で特徴付けられ、そして好ましくは特徴a)、f)およびl)のすべてで特徴付けられる。
別の好ましい実施形態においては、式(I)の化合物は、特徴b)、h)およびm)のうちの1つ以上の特徴で特徴付けられ、そして好ましくは特徴b)、h)およびm)のすべてで特徴付けられる。より好ましくは、式(I)の化合物は、特徴d)によりさらに特徴付けられる。
別の好ましい実施形態においては、式(I)の化合物は、特徴b)、d)、i)およびm)のうちの1つ以上の特徴で特徴付けられ、そして好ましくは特徴b)、d)、i)およびm)のすべてで特徴付けられる。あるいは、特徴m)は、特徴n)で置き換えられる。別の代替法においては、特徴m)は、特徴n)で置き換えられ、そして特徴i)は、特徴j)で置き換えられる。
別の好ましい実施形態においては、式(I)の化合物は、特徴b)、d)、k)およびm)のうちの1つ以上の特徴で特徴付けられ、そして好ましくは特徴b)、d)、k)およびm)のすべてで特徴付けられる。
さらに別の実施形態においては、本発明の方法は、式(I)の化合物の代わりに、式(III):
Figure 2006514013
の化合物を用いて実施される。
11は、−H、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
12は、NR1516で置換されたアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキルであり;
13は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、置換もしくは非置換のベンゾフェノニル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;そして
各々のR14は、独立して、−H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
15およびR16は、独立して、H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは非置換のアラルキルから選択されるか、またはR15およびR16は、それらが結合する窒素と一緒になってヘテロシクロアルキルである。
本発明は以下の実施例により例示されるが、それらの実施例は決して限定的であることを意図されてはいない。
(例示)
(実施例1 第1マウスモデルにおける、化合物1を用いる慢性移植片拒絶の抑制)
化合物1の、マウスモデルにおける慢性移植片拒絶を阻害する能力を試験した。特に、ドナーであるB6.C−H2bm12マウスからの心臓をC57/BL6レシピエントマウス(MHC II不適合)に、Hancock,W.W.ら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA 93:13967(1996)およびYuanら、Transplantation 73:1736(これらの全体の教示が、本明細書中で参考として援用される)に記載の標準のプロトコルを用いて移植した。手術後、そのマウスを、各々のグループに7匹ずつ、次の処置グループに分けた:
グループIは、非処置の対照グループであった。
グループIIを、手術後14日間、皮下に1日あたり、1kgあたり75mgの用量で、化合物1で処置した。
移植手術後8週目で、上記マウスを屠殺し、慢性拒絶によって促進されるアテローム性動脈硬化症について評価した。簡単には、移植された心臓をホルマリン中で固定し、パラフィン中に包埋し、冠状に切開した。その切片を、動脈血管に関して走査し、その動脈血管を組織病理学的な評点に供した。その組織病理学的な評点(0〜5にわたり、慢性拒絶によって促進されるアテローム性動脈硬化症の重篤さを示し、0は正常な血管であり、そして5は完全に閉塞された血管である)を図1に示す。この研究におけるすべての動物に対してデータが平均された場合には、化合物1は、顕著に(p=0.0002)慢性拒絶の組織学的な証拠を防止した。各々の動物に対する評点を個々に検討する場合には、その効果はさらにより顕著であり、例えば、7動物中の4動物には血管症がなかった一方で、3匹の処置された動物は十分な関与を示した。より高い評点を示す処置グループの3匹の動物は、処置されたとは思えないものであり、それらの動物は、上記化合物への減少した曝露を被ったかも知れない。なぜなら、それらの動物が処置されているときに、その化合物が、シリンジ中の取扱いおよび希釈の間に溶液から沈殿していたことが観察されたからである。改善された化合物処方物に由来する向上したバイオアベイラビリティが、慢性拒絶血管症からのより完全な保護を生じることはありそうである。
(実施例2 第2マウスモデルにおける、化合物1を用いる慢性移植片拒絶の抑制)
以前(Hancock,W.W.ら、1996.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:13967およびYuanら、Transplantation 73:1736)に記載されたように、CD154遮断によって急性の同種移植片拒絶を防止した、マウスの異型同種異系心臓移植片モデルにおいて、化合物1の、慢性移植片拒絶を阻害する能力を試験した。簡単には、このモデルは十分に不適合の心臓同種移植片(C57/BL6ドナー対Balb/Cレシピエント)からなる。無処置では、急性拒絶は、すべての移植片レシピエントにおいて、手術後10日以内に発生した一方で、化合物1単独での処置は、移植片生存における約20日までの統計的に有意な拡大を生じた。急性拒絶が、一度だけの250μg用量の抗CD154(抗CD40リガンド)モノクローナル抗体を投与することにより遮断される第3のグループを確立し、(その移植された心臓の収縮の停止により証明されるように)急性拒絶が、約50%のレシピエント動物において発生した。重要なことに、急性拒絶を示さなかったその残りの50%のレシピエントは、拡大された時間(100日よりも長い)の間、機能的な移植片を保持した。手術後100日目のこの処置グループの移植された心臓の組織学的な検査は、上記慢性拒絶プロセスの3つの主要な際だった特徴を示す。これらの特徴としては、心臓動脈の完全なアテローム性動脈硬化症遮断、細胞炎症(心筋自体への免疫細胞浸潤)、および心臓実質の線維性の瘢痕が挙げられる。その心臓を、組織病理学的な評点に供した。その組織病理学的な評点(0〜5にわたり、慢性拒絶によって促進されるアテローム性動脈硬化症の重篤さを示し、0は正常な血管であり、そして5は完全に閉塞された血管である)を図2に示す。従って、このモデルへの抗CD154の添加は、急性拒絶が管理され(この場合、抗CD154モノクローナル抗体を用いて)、その結果慢性拒絶の病状が観察され得るという点で、ヒトの移植片の臨床的な状態に所定の類似点を提供する。抗CD154(急性拒絶を遮断するために、手術直後に一度だけの用量として与えられる)を受けた第2のグループの動物への化合物1の添加(毎日1kgあたり75mg、手術後14日間、皮下)は、手術後100日より長い間、100%の移植片レシピエント動物において、急性拒絶の顕著な欠如を生じた。上記の慢性移植片拒絶の3つの指標のすべてについての上記移植された心臓の組織学的な評価は、上記移植片の慢性拒絶のすべての指標の劇的な阻害を示した。これらの心臓に対する組織病理学的な評点をまた図2に示す。図2中の評点の比較は、化合物1で処置された動物が、化合物1で処置されなかった動物と比較して、慢性拒絶の劇的な減少を有することを示す。
(実施例3 化合物1を用いる移植片拒絶の抑制)
マウスモデルにおいて、化合物1の、移植片拒絶を阻害する能力を試験した。特に、Hancock,W.W.ら、「Costimulatory function and expression of CD40 ligand,CD80 and CD86 in vascularized murine cardiac allograft rejection」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:13967(1996)に記載の標準のプロトコルを用いて、C57/BL6マウスからの心臓をBalb/cレシピエントマウス(全MHCが不適合)に移植した。手術後、上記マウスを次の処置グループに分けた:
グループIは非処置の対照グループである。
グループIIを、手術後14日間、皮下に1日あたり、1kgあたり75mgの用量で、化合物1で処置した。
処置を受けなかった対照マウスは、再現性よく、わずか10日後にそれらのマウスの移植された心臓の拒絶を経験した。化合物1のみを受けたマウスは、拒絶の発症において、統計的に有意な遅延(2〜3週間)(p<0.001)を示した。
本発明は、本発明の好ましい実施形態に関連して特に示され、記載されている一方で、形態および詳細における様々な変更が、添付される特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明中でなされ得ることは当業者により理解される。
図1は、心臓移植後8週間目のMHCクラスII不適合マウスのみからなるモデルにおける、移植された心臓中の慢性血管症の阻害を示すグラフである。そのグラフは、心臓移植手術後14日間、皮下に1kgあたり75mgの化合物1で処置されたマウスの一群における慢性血管症の阻害を、非処置の対照グループと比較する。そのグラフに示された評点は、0〜5にわたり、慢性拒絶により促進されるアテローム性動脈硬化症の重篤さを示し、0は正常な血管であり、そして5は完全に閉塞された血管である。 図2は、心臓移植後100日よりも長期の完全に不適合マウスのみからなるモデルにおける、移植された心臓中の慢性血管症の阻害を示すグラフである。そのグラフは、心臓移植手術直後の一度だけの250μm用量の抗CD154モノクローナル抗体で処置されたマウスの一群における慢性血管症の拒絶を、心臓移植手術直後の一度だけの250μm用量の抗CD154および心臓移植手術後14日間、皮下に1kgあたり75mgの化合物1で処置されたマウスの一群と比較する。そのグラフに示される評点は、0〜5にわたり、慢性拒絶によって促進されるアテローム性動脈硬化症の重篤さを示し、0は正常な血管であり、そして5は完全に閉塞された血管である。

Claims (26)

  1. 組織移植片を有する被験体において組織移植片拒絶を阻害する方法であって、該方法は有効量の式(I):
    Figure 2006514013
    で示される化合物または該化合物の生理学的な塩を投与する工程を含み、ここで:
    は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアルキル基であり;
    は、必要に応じて置換されたアラルキル基または−NRで置換されたアルキル基であり;
    は、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    は、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基であり;そして
    およびRは、独立して、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基から選択されるか、あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している窒素と一緒になって、非芳香族複素環式基である、方法。
  2. 組織移植片を有する被験体において慢性の組織移植片拒絶を阻害する方法であって、該方法は、有効量の式(I):
    Figure 2006514013
    で示される化合物または該化合物の生理学的な塩を投与する工程を含み、ここで:
    は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアルキル基であり;
    は、必要に応じて置換されたアラルキル基または−NRで置換されたアルキル基;
    は、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    は、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基であり;そして
    およびRは、独立して、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基から選択されるか、あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している窒素と一緒になって、非芳香族複素環式基である、方法。
  3. が、必要に応じて置換されたヘテロアラルキル基または−NRで置換されたアルキル基である、請求項2に記載の方法。
  4. が、必要に応じて置換されたアリール基、必要に応じて置換されたシクロアルキル基、必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基または必要に応じて置換されたC〜Cのシクロアルキルアルキル基である、請求項3に記載の方法。
  5. が、必要に応じて置換されたフェニル基、必要に応じて置換されたフェニル−C〜C−アルキル基、必要に応じて置換されたジフェニル−C〜C−アルキル基、必要に応じて置換されたC〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル基または必要に応じて置換されたジ−(C〜C−シクロアルキル)−C〜C−アルキル基である、請求項4に記載の方法。
  6. が、必要に応じて置換されたベンジル、必要に応じて置換されたジフェニルメチル、必要に応じて置換された2−フェニルエチル、必要に応じて置換された1,2−ジフェニルエチル、必要に応じて置換された2,2−ジフェニルエチルまたは必要に応じて置換された3,3−ジフェニルプロピルである、請求項5に記載の方法。
  7. が、必要に応じて置換されたアリール基または必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基である、請求項3に記載の方法。
  8. が、必要に応じて置換されたフェニル基または必要に応じて置換されたフェニル−C〜Cのアルキル基である、請求項7に記載の方法。
  9. が、必要に応じて置換されたアリール基または必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基である、請求項3に記載の方法。
  10. が、必要に応じて置換されたフェニル、必要に応じて置換されたフェニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたジフェニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたピラゾリル、必要に応じて置換されたピラゾリル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたインドリル、必要に応じて置換されたインドリル−C〜C−アルキル、チエニルフェニル、チエニルフェニル−C〜C−アルキル、フラニルフェニル、フラニルフェニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたフルオレニル、必要に応じて置換されたフルオレニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたナフチル、必要に応じて置換されたナフチル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたキノキサリニル、必要に応じて置換されたキノキサリニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたキナゾリニル、必要に応じて置換されたキナゾリニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたピロリル、必要に応じて置換されたピロリル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたチエニル、必要に応じて置換されたチエニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたフラニル、必要に応じて置換されたフラニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたピリジル、または必要に応じて置換されたC〜Cピリジルである、請求項9に記載の方法。
  11. が、次の構造式:
    Figure 2006514013
    で表され;
    ここで、環Aは、置換または非置換であり;Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、必要に応じて置換されたフラニル基、必要に応じて置換されたチエニル基、または必要に応じて置換されたピリジル基であり;nは、1〜4の整数であり;そしてXは、結合、CH、OCH、CHOC(O)、CO、OC(O)、C(O)O、O、S、SOまたはSOである、請求項10に記載の方法。
  12. が、必要に応じて置換された2−シクロヘキシルエチル、必要に応じて置換された2−シクロペンチルエチル、または必要に応じて置換されたC〜Cの2級アルキル基もしくは3級アルキル基である、請求項3に記載の方法。
  13. が、必要に応じて置換された2−(イミダゾール−4−イル)エチル、必要に応じて置換された3−(イミダゾール−4−イル)プロピル、必要に応じて置換された3−(イミダゾール−1−イル)プロピル、必要に応じて置換された2−(モルホリン−4−イル)エチル、必要に応じて置換された2−(4−ピラゾリル)エチル、必要に応じて置換された2−N,N−ジメチルアミノエチルまたは必要に応じて置換された3−N,N−ジメチルアミノプロピルである、請求項3に記載の方法。
  14. 請求項3に記載の方法であって、ここで:
    a)Rが、必要に応じて置換されたアリール基または必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基であり;
    b)Rが、必要に応じて置換されたアリール基または必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基であり;そして
    c)Rが、必要に応じて置換されたアリール基、必要に応じて置換されたシクロアルキル基、必要に応じて置換されたC〜Cのアラルキル基または必要に応じて置換されたC〜Cのシクロアルキルアルキル基である、
    方法。
  15. 請求項3に記載の方法であって、ここで:
    a)Rが、必要に応じて置換されたフェニル基または必要に応じて置換されたフェニル−C〜Cのアルキル基であり;
    b)Rが、置換または非置換のフェニル、フェニル−C〜C−アルキル、ジフェニル−C〜C−アルキル、ピラゾリル、ピラゾリル−C〜C−アルキル、インドリル、インドリル−C〜C−アルキル、チエニルフェニル、チエニルフェニル−C〜C−アルキル、フラニルフェニル、フラニルフェニル−C〜C−アルキル、フルオレニル、フルオレニル−C〜C−アルキル、ナフチル、ナフチル−C〜C−アルキル、キノキサリニル、キノキサリニル−C〜C−アルキル、必要に応じて置換されたキナゾリニル、必要に応じて置換されたキナゾリニル−C〜C−アルキル、ピロリル、ピロリル−C〜C−アルキル、チエニル、チエニル−C〜C−アルキル、フラニルまたはフラニル−C〜C−アルキルであり;そして
    c)Rが、必要に応じて置換されたフェニル基、必要に応じて置換されたフェニル−C〜C−アルキル基、必要に応じて置換されたジフェニル−C〜C−アルキル基、必要に応じて置換されたC〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル基または必要に応じて置換されたジ−(C〜C−シクロアルキル)−C〜C−アルキル基である、
    方法。
  16. が、必要に応じて置換されたイミダゾリル−C〜C−アルキル基または−NRで置換されたC〜Cのアルキル基である、請求項15に記載の方法。
  17. が、次の構造式:
    Figure 2006514013
    で表され;
    ここで、環Aは、置換または非置換であり;Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、フラニル基、チエニル基またはピリジル基であり;nは、1〜4の整数であり;そしてXは、結合、CH、OCH、CHOC(O)、CO、OC(O)、C(O)O、O、S、SOまたはSOである、請求項16に記載の方法。
  18. が、2,2−ジフェニルエチル、2−フェニルエチル、ベンジル、ジフェニルメチル、1,2−ジフェニルエチル、3,3−ジフェニルプロピル、ベンジル、または2−ピリジルエチルであって、Rの各々が必要に応じて、−OH、ハロゲン、R、−CHR、−OCHR、−CHOC(O)R、−OR、−O−COR、−COR、−CN、−NO、−COOH、−SOH、−NH、−NHR、−N(R)、−COOR、−CHO、−CONH、−CONHR、−CON(R)、−NHCOR、−NRCOR、−NHCONH、−NHCONRH、−NHCON(R)、−NRCONH、−NRCONRH、−NRCON(R)、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NHR、−C(=NH)−N(R)、−C(=NR)−NH、−C(=NR)−NHR、−C(=NR)−N(R)、−NH−C(=NH)−NH、−NH−C(=NH)−NHR、−NH−C(=NH)−N(R)、−NH−C(=NR)−NH、−NH−C(=NR)−NHR、−NH−C(=NR)−N(R)、−NRH−C(=NH)−NH、−NR−C(=NH)−NHR、−NR−C(=NH)−N(R)、−NR−C(=NR)−NH、−NR−C(=NR)−NHR、−NR−C(=NR)−N(R)、−SONH、−SONHR、−SON(R)、−SHまたは−SORで置換されており;
    各々のRは、独立して、必要に応じてアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、もしくはハロアルキルで置換されたC〜Cのアルキルまたはフェニルであり;そして
    kは、0、1または2である、請求項17に記載の方法。
  19. が、フェニル基またはフェニル−C〜Cのアルキル基であって、Rが、各々、必要に応じてR、−CHR、−OCHR、−CHOC(O)R、−OH、ハロゲン、−OR、−O−COR、−COR、−CN、−NO、−COOH、−SOH、−NH、−NHR、−N(R)、−COOR、−CHO、−CONH、−CONHR、−CON(R)、−NHCOR、−NRCOR、−NHCONH、−NHCONRH、−NHCON(R)、−NRCONH、−NRCONRH、−NRCON(R)、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NHR、−C(=NH)−N(R)、−C(=NR)−NH、−C(=NR)−NHR、−C(=NR)−N(R)、−NH−C(=NH)−NH、−NH−C(=NH)−NHR、−NH−C(=NH)−N(R)、−NH−C(=NR)−NH、−NH−C(=NR)−NHR、−NH−C(=NR)−N(R)、−NRH−C(=NH)−NH、−NR−C(=NH)−NHR、−NR−C(=NH)−N(R)、−NR−C(=NR)−NH、−NR−C(=NR)−NHR、−NR−C(=NR)−N(R)、−SONH、−SONHR、−SON(R)、−SHまたは−SORで置換されている、請求項18に記載の方法。
  20. が、フェニル基またはフェニル−C〜C アルキル基であって、Rが、各々、必要に応じてC〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、ハロゲン、CN、C〜C−アルキルチオール、C〜C−ハロアルキルまたはフェノキシで置換されており;Rが、2,2−ジフェニルエチル、2−フェニルエチル、ベンジル、ジフェニルメチル、1,2−ジフェニルエチル、3,3−ジフェニルプロピル、ベンジル、または2−ピリジルエチルであって、Rの各々が必要に応じて、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、ハロゲン、CN、C〜C−アルキルチオール、C〜C−ハロアルキルまたはフェノキシで置換されており;Rが、必要に応じて置換されたフェニル基であり;nは、1であり;そしてXは、COである、請求項19に記載の方法。
  21. 環Aは非置換であり、Rは、フェニル基であって、該フェニル基が、必要に応じてR、−CHR、−OCHR、−CHOC(O)R、−OH、ハロゲン、−OR、−O−COR、−COR、−CN、−NO、−COOH、−SOH、−NH、−NHR、−N(R)、−COOR、−CHO、−CONH、−CONHR、−CON(R)、−NHCOR、−NRCOR、−NHCONH、−NHCONRH、−NHCON(R)、−NRCONH、−NRCONRH、−NRCON(R)、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NHR、−C(=NH)−N(R)、−C(=NR)−NH、−C(=NR)−NHR、−C(=NR)−N(R)、−NH−C(=NH)−NH、−NH−C(=NH)−NHR、−NH−C(=NH)−N(R)、−NH−C(=NR)−NH、−NH−C(=NR)−NHR、−NH−C(=NR)−N(R)、−NRH−C(=NH)−NH、−NR−C(=NH)−NHR、−NR−C(=NH)−N(R)、−NR−C(=NR)−NH、−NR−C(=NR)−NHR、−NR−C(=NR)−N(R)、−SONH、−SONHR、−SON(R)、−SHまたは−SORで置換されている、請求項20に記載の方法。
  22. がフェニル基である、請求項21に記載の方法。
  23. が2−(イミダゾール−4−イル)エチルである、請求項22に記載の方法。
  24. 組織移植片を有する被験体において組織移植片拒絶を阻害する方法であって、該方法が有効量の、次の構造式:
    Figure 2006514013
    で表される化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
  25. 組織移植片を有する被験体において慢性の組織移植片拒絶を阻害する方法であって、該方法が有効量の、次の構造式:
    Figure 2006514013
    で示された化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
  26. 組織移植片を有する被験体において組織移植片拒絶を阻害する方法であって、該方法が有効量の、次の構造式:
    Figure 2006514013
    で表される化合物または該化合物の生理学的に受容可能な塩を投与する工程を包含し、ここで:
    11は、−H、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
    12は、−NR1516で置換されたアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキルであり;
    13は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、置換もしくは非置換のベンゾフェノニル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;そして
    各々のR14は、独立して、−H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
    15およびR16は、独立して、H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは非置換のアラルキルから選択されるか、あるいはR13およびR14は、R13およびR14が結合している窒素と一緒になって、ヘテロシクロアルキルである、方法。
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