JP2006506114A - 車両座席用の取り付け具 - Google Patents

Abstract

車両座席用の取り付け具、特に自動車座席用のデテント取り付け具であって、第１取り付け具部品（１１）、第１取り付け具部品（１１）に対して回転可能かつロック可能な第２取り付け具部品（１２）、及び少なくとも１つのロック部材（１９）であって、その長手側部（２２）が第１取り付け具部品（１１）の案内表面（１７）間に位置する状態で半径方向に移動可能に配置され、ロックのためにそれの半径方向外側の少なくとも１つの歯（２１）で第２取り付け具部品（１２）の歯（１４）と協働するロック部材（１９）を備えており、長手側部（２２）の各々が少なくとも１つの段差部（４１）を有し、段差部によってそれぞれの長手側部（２２）が第１部分（４３）と、それに隣接して段差部（４１）及び歯（２１）間に位置する第２部分（４５）とに分割される、車両座席用の取り付け具、特に自動車座席用のデテント取り付け具において、第２部分（４５）は、対応の案内表面（１７）を基準にして第１部分（４３）より後退している。

Description

本発明は、請求項１の前文の特徴を有する車両座席用取り付け具、特に自動車座席用デテント取り付け具に関する。

この種類の取り付け具がヨーロッパ特許第０７２０９３０Ｂ１号から既知であり、これでは、設けられた３つのロック部材は、それらの歯の付近にそれらの移動方向に対して横方向に突出して段差部で取り囲まれた材料部分を備えており、これらの材料部分はロック部材の案内路より高強度を有する。たとえば、衝突の際に取り付け具の回転方向に高荷重を受けた場合、背もたれを結合した取り付け部に背もたれを介してトルクが加えられると、これらの材料部分が案内路に食い込み、それによってそれぞれのロック部材の移動が防止される。

本発明は、上記形式の取り付け具を改善するという目的に基づく。本発明によれば、この目的は、請求項１の特徴を有する取り付け具によって達成される。好都合な改良が従属請求項の主題である。

第１部分と比較して、第２部分が対応の案内表面を基準にして後退しているので、ロック部材は、第１部分だけでそれぞれの案内表面に当接する。特に衝突の際に第２取り付け具部品が高トルク衝撃を受けると、ロック部材が案内表面に対して傾動を行うことができ、その場合、ロック部材は好ましくは取り付け具部品に追従して、歯は噛み合い状態のままである。このため、本発明に従った取り付け具は、より高い荷重に耐えることができる。本発明に従った取り付け具は、たとえば、傾斜調節可能な背もたれか、または高さ及び／または傾斜調節可能な座部などの調節可能な部材群を有するすべての車両座席において高さまたは傾斜を調節するためのアジャスタとして用いることができる。

ロック部材の傾動中、段差部の、第１部分に面する縁部が好ましくは旋回軸として機能する。段差部の位置は好ましくは、既存の歯の側面のそれぞれの表面法線が、ロック部材の対応の長手側部の第２部分と交差するように選択される。有効曲線がこの表面法線に対応する第２取り付け具部品の歯によって伝達される力が、ロック部材にトルクを加え、それによってロック部材の傾動を支援する。

好適な実施形態では、ロック部材は、それを半径方向外向きに移動させるために、ロック部材にその半径方向内側に面する側部から作用する偏心部材によって２点支持される。それにより、傾動に対してより良好な支持を行うことができ、２つの対角線方向に向き合ったロック部材の場合、これらは第２取り付け具部品から荷重を受け取って、偏心部材を介して対角線方向にそれを伝達する。このように、より大きい力を伝達することができ、したがって、より高い安定度を達成することができる。

図面に示された例示的な実施形態によって本発明をさらに詳細に説明する。

背もたれ３の傾斜を調節するために、自動車の車両座席１は２側部にそれぞれ１つの取り付け具を有し、これはデテント取り付け具として具現されている。２つの取り付け具５は、伝達バー７によって歯車伝達式に相互連結されている。伝達バー７に固定的に取り付けられたハンドレバー９が、取り付け具５を手動操作できるようにする。取り付け具５に関して以下に示す方向の表示は、伝達バー７によって定められる円筒座標系に関連している。

各取り付け具５は、第１取り付け具部品としての下側取り付け具部品１１と、第２取り付け具部品としての上側取り付け具部品１２とを有し、これらの部品は、ここでは図示しない保持板によって軸方向に合わせて保持されている。座部取り付け側の下側取り付け具部品１１は４つの案内及び支持セグメント１５を具備し、それらの半径方向外側は、４部分を有する円筒形支持面を形成しており、それは、中空ホィールとして具現されている背もたれ取り付け側の上側取り付け具部品１２の、対応した湾曲の半径方向内側の支持表面用である。上側取り付け具部品１２のこの支持表面はさらに、歯１４を有する。２対の案内及び支持セグメント１５の各々が、移動可能に取り付けられた歯付きセグメント１９用の、半径方向に延在して平行な案内表面１７によって画定された１つの案内路を形成している。

ロック部材である各歯付きセグメント１９は、半径方向にさらに外側に位置する凸状湾曲側部に複数の歯２１を有し、これらが上側取り付け具部品１２の歯１４と協働して、取り付け具５をロックすることができる。２つの対応する案内及び支持セグメント１５は、案内表面１７によって歯付きセグメント１９の移動方向に延在する長手側部２２を案内するが、これらの長手側部２２のさらなる詳細な説明は以下に記載する。歯付きセグメント１９の半径方向内側に位置する側部は、互いに距離を置いて２つの凸状ロックカム２３を有する。

２つの歯付きセグメント１９を半径方向外向きに（ロック方向に）押し出すために、ディスク形偏心部材２５が設けられており、これはスリーブ形駆動部材２７によって伝達バー７に取り付けられている。駆動部材２７は伝達バー７に固定的に取り付けられている一方、偏心部材２５及び駆動部材２７間には回転方向の遊びが設けられ、これが伝達バー７のねじれと共に２つの取り付け具５間の位置の差を補償する。

偏心部材２５は、２つの渦巻きばね２９によって一方の回転方向、すなわち、閉鎖方向の予荷重が加えられている。偏心部材２５の外周上に、半径方向外向きに突出した４つの偏心カム３１が設けられて、それぞれ１つのクランプ面を有しており、このクランプ面は伝達バー７に対して偏心して湾曲している。偏心カム３１間の円周方向で、偏心部材２５はロックカム２３を収容できるように半径方向内側方向に十分に後退している。

偏心部材２５に固定的に取り付けられて、既知のようにしてスロット／ボルト案内路を介して２つの歯付きセグメント１９と協働する駆動板３５が、歯付きセグメント１９を半径方向内向きに解放する、すなわち、ロック解除処理を行う働きをし、ロック解除処理は、ハンドレバー９によって伝達バー７を回転させることによって開始される。

長手側部２２は、その全長にわたって均一な形状ではない。正確に言うと、その長さの下の方、すなわち歯２１に近い方の２／３の位置にそれぞれ段差部４１が設けられて、それが各長手側部２２を、接触面として案内表面１７に当接する第１部分４３と、後退して案内表面１７から距離を置いた位置の自由表面である第２部分４５とに分割する。第２部分４５は段差部４１から歯２１まで延在している一方、第１部分４３は段差部４１からロックカム２３まで延在している。歯付きセグメント１９を適当なやり方で切ることによって、後退部分を生じることができる。歯付きセグメント１９の長手方向を横切る段差部４１の長さ、すなわち寸法は、１ミリメートルの何分の１程度にすぎず、そのため、長手側部２２のより精密な詳細を図１の真の縮尺の図面で見ることは困難である。そのため、図４及び図５は真の縮尺ではない。

２つの歯付きセグメント１９が半径方向内方に位置するロック解除状態から始めて、ばね２９の予荷重によって偏心部材２５が回転し、それにより、偏心カム３１が最初にロックカム２３に当接し、次にさらなる回転中に、ロックカム２３を介して２点支持された歯付きセグメント１９を外向きに押す。歯付きセグメント１９が上側取り付け具部品１２に係合すると直ぐに、それぞれの取り付け具５がロックされる。

ロック状態において、たとえば、衝突の際などに上側取り付け具部品１２に高トルクが加えられると、歯１４及び噛み合い歯２１を介して、歯付きセグメント１９がそれらの移動方向に対して直角に案内表面１７の方に傾斜し、段差部４１の、第１部分４３に隣接する縁部が旋回軸として機能する一方、対応のロックカム２３が偏心部材２５で側面支持されるため、対向するロック力が増大する。

歯２１の衝突側の表面法線Ｎは、長手側部２２（傾動中に半径方向内側に位置して、旋回軸として機能する段差部４１を有するもの）の第２部分４５（図面において段差部４１の上方）と交差する、すなわち、傾動が強化されることを意味する。反対に、導入部に記載した従来の取り付け具の場合、表面法線は、長手側部と段差部の下方で交差する、すなわち、傾動に逆らうモーメントが働くであろうことを意味する。

高トルク荷重が取り付け具５に加わった場合、上側取り付け具部品１２が材料膨張のために半径方向に膨張し、それによって歯１４の直径が拡大する。一方では歯付きセグメント１９が傾動を行い、他方ではロックカム２３が偏心カム３１に載り、それによって歯付きセグメント１９をロック位置に保持して連動させるため、伝達バー７の中心軸、すなわち、取り付け具５の中心に対する歯付きセグメント１９の歯２１の半径方向距離が増加する。本発明によって導入される解決策により、歯２１は歯１４の膨張により緊密に追従し、それによって歯の噛み合いを維持する。

図３のＩ−Ｉ線に沿った例示的な実施形態の断面図である。 例示的な実施形態を装備した車両座席の概略図である。 図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った例示的な実施形態の断面図である。 通常のロック状態における、真の縮尺ではない部分図である。 衝突の際の対応の部分図である。

符号の説明

１ 車両座席
３ 背もたれ
５ 取り付け具
７ 伝達バー
９ ハンドレバー
１１ 第１取り付け具部品、下側取り付け具部品
１２ 第２取り付け具部品、上側取り付け具部品
１４ （上側取り付け具部品１２の）歯
１５ 案内及び支持セグメント
１７ 案内表面
１９ ロック部材、歯付きセグメント
２１ （歯付きセグメント１９の）歯
２２ 長手側部
２３ ロックカム
２５ 偏心部材
２７ 駆動部材
２９ ばね
３１ 偏心カム
４１ 段差部
４３ 第１部分
４５ 第２部分

Claims (8)

1. 車両座席用の取り付け具、特に自動車座席用のデテント取り付け具において、第１取り付け具部品（１１）、該第１取り付け具部品（１１）に対して回転可能かつロック可能な第２取り付け具部品（１２）、及び少なくとも１つのロック部材（１９）であって、その長手側部（２２）が前記第１取り付け具部品（１１）の案内表面（１７）間に位置する状態で半径方向に移動可能に配置され、ロックのためにそれの半径方向外側の少なくとも１つの歯（２１）で前記第２取り付け具部品（１２）の歯（１４）と協働するロック部材（１９）を備えており、前記長手側部（２２）の各々が少なくとも１つの段差部（４１）を有し、該段差部によってそれぞれの前記長手側部（２２）が第１部分（４３）と、それに隣接して前記段差部（４１）及び前記歯（２１）間に位置する第２部分（４５）とに分割される、車両座席用の取り付け具、特に自動車座席用のデテント取り付け具であって、前記第２部分（４５）は、対応の前記案内表面（１７）を基準にして前記第１部分（４３）より後退していることを特徴とする取り付け具。
2. 特に衝突の際に前記第２取り付け具部品（１２）に対して高トルク衝撃が加わる場合、前記ロック部材（１９）は、前記案内表面（１７）に対する傾動を行うことを特徴とする、請求項１に記載の取り付け具。
3. 前記段差部（４１）の前記第１部分（４１）側に位置する縁部は、旋回軸として機能することを特徴とする、請求項２に記載の取り付け具。
4. 前記傾動の途中で、前記歯（１４）が半径方向に移動、すなわち広がる時、前記歯（２１）は、前記歯（１４）に追従することを特徴とする、請求項２または３に記載の取り付け具。
5. 前記歯（２１）の側部の表面法線（Ｎ）は、前記長手側部（２２）の前記第２部分（４５）と交差することを特徴とする、請求項２〜４のいずれか１項に記載の取り付け具。
6. 前記取り付け具部品（１１、１２）に対して回転可能であって、前記ロック部材（１９）の半径方向内側の側部に作用してそれを半径方向外向きに押す偏心部材（２５）が設けられており、該偏心部材（２５）は、互いに間隔を置いた２点（２３、３１）を介して前記ロック部材（１９）に作用していることを特徴とする、請求項１〜５のに記載の取り付け具。
7. 対角線方向に互いに向き合った２つのロック部材（１９）が設けられており、前記第２取り付け具部品（１２）にトルクが加えられた場合、前記ロック部材はそれらが担う荷重を前記偏心部材（２５）を介して対角線方向に伝達することを特徴とする、請求項６に記載の取り付け具。
8. 背もたれ（３）を有する車両座席（１）であって、前記背もたれ（３）の傾斜調節のために請求項１〜７のいずれか１項に記載の取り付け具（５）を特徴とする車両座席。
   

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