JP2006504816A - マクロ孔質プラスチップビーズ材料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、10〜1000μmの平均粒径を有し、a)20℃で少なくとも1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー5〜60質量%、b)リガンドの求核性基とのポリマー類似の反応において共有結合することができる付加的な官能基を有するビニル重合性モノマー1〜40質量%、c)重合性のエチレン性不飽和基を2つ以上有する架橋性でラジカル重合性の親水性モノマー10〜40質量%およびd)20℃で最大1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー10〜60質量%なるコポリマーを含有し、その際、モノマーa)〜d)は通常、合計して100%であるマクロ孔質プラスチックビーズ材料に関する。

Description

本発明は架橋した(メタ)アクリレートプラスチックからなるコポリマーを含有するポリマー担体系の分野および特にマクロ孔質プラスチックビーズ材料に関する。
従来技術
架橋した(メタ)アクリレートプラスチックからなるコポリマーを含有するポリマー担体系はたとえばEP−A0328767、EP−A424130、EP−A579928またはWO99/33964から公知である。
WO99/40122(DE−A19804518)はモノマー相の逆懸濁重合により、ビーズ状の架橋した親水性の、求核性基を有するリガンドに対して結合活性なコポリマーを製造する方法に関する。該発明はさらに該方法により得られ、ペニシリンアミダーゼに対して高い結合能を有し、かつ低い膨潤指数を有する担体ポリマー材料ならびにその使用に関する。
架橋した(メタ)アクリレートプラスチックからなるコポリマーは次のモノマーの逆懸濁重合により得られる:
a)室温で少なくとも10%の水溶液を形成するビニル基を有するラジカル重合性の親水性モノマー5〜40質量%、
b)ビニル基および重合体類似の反応においてリガンドの求核性基と共有結合することができる付加的な官能基を有するラジカル重合性モノマー30〜50質量%、
c)エチレン性不飽和の重合性基を2つ以上有する架橋性でラジカル重合性の親水性モノマー20〜60質量%。
該コポリマーは種々のタイプの酵素のための担体材料として適切である。
課題および解決方法
WO99/40122から出発して、特に比較的疎水性の基質を反応させることができる酵素のため、有利にはリパーゼのための効果的な担体材料として適切な別のマクロ孔質プラスチックビーズ材料が提供されるべきである。その際、WO99/40122により公知の材料の有利な特性、たとえばその低い膨潤指数はできる限り損なわれるべきではない。さらに、リパーゼの結合後に試験系、たとえばトリブチリン−加水分解、トリアセチン−加水分解、フェニルエチルアセテート−加水分解および/またはフェニルエチルアセテート−合成において比較的高い活性を示すマクロ孔質プラスチックビーズ材料が提供されるべきである。
上記課題は、10〜1000μmの平均粒径を有し、
a)20℃で少なくとも1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー5〜60質量%、
b)リガンドの求核性基との反応において共有結合することができる付加的な官能基を有するビニル重合性モノマー1〜40質量%、
c)重合性のエチレン性不飽和基を2つ以上有する架橋性でラジカル重合性の親水性モノマー10〜40質量%
からなるコポリマーを含有するマクロ孔質プラスチックビーズ材料において、さらに
d)20℃で最大1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー10〜60質量%が含有されており、その際、モノマーa)〜d)は通常、合計して100%であることを特徴とする、マクロ孔質プラスチックビーズ材料により解決される。
発明の実施
平均粒径V 50
マクロ孔質プラスチックビーズ材料は10〜1000、有利には50〜600、特に有利には100〜500、特に200〜400μmの平均粒径V50を有する。
平均粒径V50の測定はたとえば粒子分析装置により行うことができる。この場合、通常、10〜10粒子の粒子濃度を有する試料に湿潤助剤として若干の界面活性剤を添加し、かつさらに測定前に粒子の分離のため、超音波により処理する。
多孔度
マクロ孔質プラスチックビーズ材料は、たとえばテトラヒドロフラン中での逆相サイズ排除クロマトグラフィーにより測定可能なKPS10値0.3〜0.9、特に0.35〜0.6により特徴付けることができる多孔度を有していてよい。
水中での膨潤指数
マクロ孔質プラスチックビーズ材料は1〜1.5、特に1.05〜1.2の水中での膨潤指数を有していてよい。
モノマー組成
コポリマーは本発明によればモノマーのタイプa)〜d)のラジカル重合した単位からなり、該単位は前記の量比で存在しており、かつ通常、合計して100質量%である。その際、疎水性基質の反応のための特性は実質的に個々のモノマーの選択および該モノマーの量的な割合により決定される。特に比較的親水性のモノマータイプa)と、比較的疎水性のモノマータイプd)とのバランスは疎水性基質の反応に重要な影響を与えるようである。
酵素に関する結合特性は特にモノマーのタイプb)の選択および割合によって影響される。モノマーのタイプc)は架橋剤としてプラスチックビーズのサイズおよび多孔度に影響を与える。サイズおよび多孔度はふたたび酵素に関する結合能および結合した状態での該酵素の触媒挙動に影響を与える。
コポリマーはわずかな割合で別のビニル重合性モノマーを含有していてもよく、その際、個々の場合において該コポリマーの実質的な特性は該モノマーによって必ずしも損なわれるものではないことは当業者にとって明らかである。しかしコポリマーは通常、ラジカル重合した単位の100%までがモノマーa)〜d)からなる。
モノマーa)
モノマーa)として20℃で少なくとも1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー5〜60質量%、有利には10〜50質量%がコポリマー中に含有されている。
モノマーa)として特にアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド、重合性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、たとえばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートが適切である。さらにたとえばN−ビニルピロリドン、メチルメタクリレートまたは3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールが適切である。有利であるのはメチルメタクリレートおよびメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(MPEGMA)、ポリエチレングリコールメタクリレート(PEGMA)、特にメトキシポリエチレングリコールメタクリレート350(MPEGMA350)およびポリエチレングリコールメタクリレート(PEGMA)である。
良好な結果は特に、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、たとえばMPEGMA350およびメチルメタクリレートが同時にコポリマー中に含有されている場合に得られる。両方のモノマーは合計してたとえば30〜45質量%含有されていてもよい。
モノマーb)
モノマーb)として、リガンドの求核性基との反応において共有結合することができる付加的な官能基、有利にはオキシラン基(エポキシ基)を有するビニル重合性モノマー1〜40質量%、有利には10〜30質量%が含有されていてもよい。
リガンドとは有利には生物学的に活性な分子、特に高分子、たとえばアミノ酸、ペプチド、蛋白質、特に酵素、たとえばリパーゼ、あるいはまた核酸または多糖類であると理解すべきである。リガンドがその生物学的活性を維持しながら結合するために特にオキシラン基が適切である。
適切なモノマーb)はグリシジルメタクリレートおよび/またはアリルグリシジルエーテルおよび/またはビニルアズラクトンである。
グリシジルメタクリレートが有利であり、特に15〜25質量%の量が有利である。
モノマーc)
モノマーc)として、重合性のエチレン性不飽和基を2つ以上有する架橋性でラジカル重合性の親水性モノマーが10〜40質量%、有利には20〜35質量%含有されている。
たとえば親水性ジ(メタ)アクリレート、たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリエチレンオキシド−ジ(メタ)アクリレートが適切である。適切なモノマーc)はさらにN,N′−メチレン−ビス−アクリルアミドまたはN,N′−メチレン−ビス−メタクリルアミドである。
有利なモノマーc)は1,4−ブタンジオールジメタクリレートである。
モノマーd)
モノマーd)として20℃で最大1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー10〜60質量%、有利には10〜30質量%が含有されている。
適切なモノマーd)はたとえばイソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートおよび2−エチルヘキシルメタクリレートである。
製造方法
コポリマーからなるマクロ孔質プラスチックビーズ材料は自体公知の方法で懸濁重合(真珠重合)により製造することができる。この場合、特に分散剤(distributor)、たとえば沈降水酸化アルミニウムを含有する水相を撹拌反応器中に装入する。引き続きモノマーを、有機相、たとえばシクロヘキサン中の重合防止剤、たとえば過酸化ジラウリルと共に添加する。その際、該相を撹拌下で分散させ、その際、モノマーの重合をたとえば60〜80℃の温度範囲で行うことができる。マクロ孔質プラスチックビーズ材料は濾過および乾燥によりバッチから取得することができる。
コポリマー/試験系の変種
カンジダ−アンタクティカ(Candida antarctica)からの酵素であるリパーゼが固定されたコポリマーの変種は次の試験系において良好な結果を有する。酵素の固定化はたとえばマクロ孔質プラスチックビーズ材料を市販の酵素溶液(たとえばNovozym (R) 525F)と共に水溶液中で1〜2日間、室温で培養することにより行うことができる。引き続き酵素と結合したプラスチックビーズ材料を洗浄および乾燥させる。こうして得られた固定化物を次の試験系において試験することができる。
トリブチリンの加水分解(水性系および水溶性基質)
マクロ孔質プラスチックビーズ材料およびカンジダ−アンタクティカからのリパーゼからなる固定化物はたとえば少なくとも150[U/g]、有利には少なくとも300[U/g]、特に少なくとも500[U/g]のトリブチリン−加水分解活性を有する。
トリアセチンの加水分解(水性系、水不溶性基質)
マクロ孔質プラスチックビーズ材料およびカンジダ−アンタクティカからのリパーゼからなる固定化物はたとえば少なくとも50[U/g]、有利には少なくとも100[U/g]、特に少なくとも150[U/g]のトリアセチン−加水分解活性を有する。
1−フェニルエチルアセテートの加水分解によるラセミ体分割(水性系、水不溶性基質)
マクロ孔質プラスチックビーズ材料およびカンジダ−アンタクティカからのリパーゼからなる固定化物はたとえば少なくとも80[U/g]、有利には少なくとも100[U/g]、特に少なくとも150[U/g]のフェニルエチルアセテート−加水分解活性を有する。
エステル交換反応による1−フェニルエタノールのラセミ体分割(非水性系)
コポリマーおよびカンジダ−アンタクティカからのリパーゼからなる固定化物はたとえば少なくとも100[U/g]、有利には少なくとも120[U/g]、特に少なくとも180[U/g]のフェニルエタノール−ラセミ体分割活性を有する。
使用
マクロ孔質プラスチックビーズ材料はペプチド、蛋白質、核酸または多糖類の固定化のために、有利にはリゾプス、アスペルギルス、ムコール、アルカリゲネス、カンジダ、シュードモナス、テルモミセス(Thermomyces)、クロモバクテリウム、ブタ膵臓からのリパーゼの固定化のために、ならびにストレプトマイシスおよびアクチノマヅラからのホスホリパーゼの固定化のために、ならびにブタ肝臓および橙皮からのエステラーゼの固定化のために使用することができる。
本発明によるマクロ孔質プラスチックビーズ材料は、撹拌反応器または貫流反応器中で存在するオキシラン基によりリガンドを共有結合するための担体材料として使用することができる。これはたとえば濃縮液から蛋白質、特に酵素を、その生物学的活性を維持しながら共有結合により付加することにより行うことができる。さらにペプチド、アミノ酸、リピド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、低分子の求核性化合物または有機金属化合物を担体ビーズのオキシラン基と反応させることもできる。
リガンドにより負荷されたポリマービーズは自体公知の方法でキラルな物質、たとえばアミノ酸(d−フェニルアラニン、p−ヒドロキシ−d−フェニルアラニン、I−t−ロイシン)または医薬、たとえばβ−ラクタム抗生物質、イブプロフェンを立体特異的に合成するために使用することができる。
もう1つの適用分野はファインケミカルまたは化学合成のためのベース製品(たとえばリンゴ酸)の合成である。ポリマービーズは吸着クロマトグラフィーまたはゲル透過クロマトグラフィーのための分離技術においても使用することができる。特異的な吸着のためにポリマービーズを抗血清からの免疫グロブリン画分またはモノクローナル抗体により負荷することができる。もう1つの使用分野として酵素または抗体により負荷した担体ポリマーの、病原物質もしくは毒性物質を全血から除去する体外治療における吸着剤としての使用が挙げられる。
実施例
1.コポリマー変種の例
Figure 2006504816
例1:コポリマー変種13の製造方法
相比:
水:モノマー(+溶剤)=2:1(これは変更可能である)、たとえば1:1または1:2。
モノマー:溶剤=2:1(これは変更可能である)、たとえば1:1または1:2。
全ての水量[810g]および硫酸アルミニウム[5.4g]を、熱電対、浴サーモスタット、還流冷却器、窒素導入管を備えた2Lの撹拌反応器中に撹拌下および窒素導入下で装入し、かつ70℃に加熱する。前記の内部温度に達したら、水酸化アルミニウムを沈澱させるためにソーダ溶液[24g]を一度に添加する。引き続き補助分散剤C15−パラフィンスルホネート、Na塩およびポリエチレングリコール5000/6000[それぞれ0.05g]の添加を行う。水相のpH値は約5.5である。その後、
イソブチルメタクリレート74g、
メチルメタクリレート74g、
グリシジルメタクリレート54g、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート67.5g
ならびに
ジラウロイルペルオキシド5.4g
をシクロヘキサン135g中に溶解して添加する。その後の20分で内部温度は70℃から72℃に上昇する。最高温度の後、70℃でさらに2時間、後加熱する。引き続き40℃に冷却し、かつ50%の硫酸10mlで酸性にする。該バッチをさらに冷却し、素焼吸込フィルタ(布製濾過器)上に排出し、かつ脱イオン水5Lで洗浄する。湿ったビーズを流動床乾燥器中50〜60℃で90分間乾燥させる。
例2:コポリマー変種60のための製造方法
全ての水量[810g]および硫酸アルミニウム[5.4g]を、熱電対、浴サーモスタット、還流冷却器、窒素導入管を備えた2Lの撹拌反応器中に撹拌下および窒素導入下で装入し、かつ70℃に加熱する。前記の内部温度に達したら、水酸化アルミニウムを沈澱させるためにソーダ溶液[24g]を一度に添加する。引き続き補助分散剤C15−パラフィンスルホネート、Na塩およびポリエチレングリコール5000/6000[それぞれ0.05g]の添加を行う。水相のpH値は約5.5である。その後、
イソブチルメタクリレート54g、
メチルメタクリレート54g、
グリシジルメタクリレート54g、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート67.5g
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート40.5g
ならびに
ジラウロイルペルオキシド5.4g
をシクロヘキサン135g中に溶解して添加する。その後の20分で内部温度は70℃から72℃に上昇する。最高温度の後、70℃でさらに2時間、後加熱する。引き続き40℃に冷却し、かつ50%の硫酸10mlで酸性にする。該バッチをさらに冷却し、素焼吸込フィルタ(布製濾過器)上に排出し、かつ脱イオン水5Lで洗浄する。湿ったビーズを流動床乾燥器中50〜60℃で90分間乾燥させる。
例3:コポリマー変種のポリマー分析
Figure 2006504816
平均粒径V50の測定:
平均粒径をL.O.T.GmbH社のCIS1粒子分析装置により測定する。試料の準備:粒子の濃度が10〜10になるまで試料を400mlのガラスビーカーに添加する。次いで湿潤助剤としての界面活性剤を数滴、試料に添加する。次いで脱塩水350mlで満たす。得られる懸濁液を超音波で約1分間処理し、かつ次いでCIS1装置、測定範囲5〜600μmで測定する。
分配係数KPS10の測定:
逆相サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、使用されるプローブ分子が到達できる細孔容量の割合を測定する。こうして得られる分配係数は試料の多孔度のための尺度である。Merck Superformanceガラス製カラム300×10mmをTHFおよびテトラクロロエチレンを用いる平衡密度(balanced density)の原理によってビーズポリマーで満たす。次いでカラムを充填し、かつTHF150mlを流速15ml/分で供給することにより平衡化する。その後、カラムを閉鎖し、かつさらにテトラヒドロフラン(THF)150mlを10ml/分の流速で供給する。この場合、>20バールの圧力を回避すべきである。というのも、その場合、カラムが著しく圧縮され、かつ適切なカラムの充填が達成されないからである。次いでプローブ分子を順次、カラムに添加し、かつ0.2ml/分の流速で溶離する。排除限界値をo−ジクロロベンゼンおよびポリスチレン6770000(分子量6770000ダルトン)により測定し、プローブ分子としてポリスチレン10200(分子量10200ダルトン)を使用する。
分配係数は溶出体積から次のとおりに計算される:
PS10=VE(PS10200)−VE(PS6770000)/VE(p−ジクロロベンゼン)−VE(PS6770000)
その際:
PS10=ポリスチレン10200に関する分配係数、
E(PS10200)=プローブ分子ポリスチレン10200の溶出体積、
E(PS6770000)=排除マーカーポリスチレン6770000の溶出体積、
E(o−ジクロロベンゼン)=排除マーカーo−ジクロロベンゼンの溶出体積。
膨潤指数の測定:
担体3gを0.5mlの目盛を有する25mlのメスシリンダーに秤量する。メスシリンダーを軽くたたいて表面を均し、かつ充填体積Vをmlで記録する。次いで0.01%Polysorbat80の溶液9mlを限外濾過水に添加し、かつメスシリンダーを密閉する。1時間以内にメスシリンダーを4回、15分間の間隔で強力に振とうする。その後、壁に付着しているビーズを、限外濾過水中の0.01%Polysorbat80溶液2〜3mlで洗い落とす。メスシリンダーを2時間放置し、次いで沈澱した材料と浮遊した材料との体積を読みとり、かつ加算してVとする。膨潤指数はV/Vの比率として定義される。
例4:固定化法
方法M2:
酵素溶液Novozym525F 4mlを蒸留水中のt−アミルアルコールの10体積%溶液16mlに添加する。この溶液を乾燥した担体2gに添加する。バッチを20℃で1.5日間、振とうする。次いでビーズをガラスフリットPor2上ですすぎ、かつ蒸留水50mlで6回洗浄する。最後のすすぎの後、強力に吸引する。乾燥器中、乾燥ゲル上で乾燥させる。
方法M3:
酵素溶液Novozym525F 4mlおよび純水6mlを混合する。混合物を乾燥した担体2gに添加する。振とうし、次いで室温で1.5日間、反転させながら振とうする。次いでビーズをガラスフリットPor2上ですすぎ、かつ蒸留水で50mlで3回および0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH7.5 50mlで3回洗浄する。最後の洗浄の後、強力に吸引し、かつ乾燥器中、乾燥ゲル上で乾燥させる。
方法M3−aMEK:
酵素溶液Novozym525F 4mlおよび純水6mlを混合する。混合物を乾燥した担体2gに添加する。回転させながら振とうし、次いで室温で1.5日間、反転させながら振とうする。次いでビーズをガラスフリットPor2上ですすぎ、かつ蒸留水50mlで6回洗浄する。乾燥のために強力に吸引し、かつガラスフリット上でメチルエチルケトン(MEK)50mlを6回用いてクロマトグラフィーにより洗浄し、次いで、乾燥のために吸引する(約30分)。MEKの代わりにその他の、部分的に、または完全に水と混和可能な溶剤、たとえばTHF、t−アミルアルコール、イソプロパノール、アセトンを使用することもできる。
方法M4:
酵素溶液Novozym525F 4mlおよび1MのKPP pH7.5 6mlを混合する。混合物を乾燥した担体2gに添加する。回転させながら振とうし、次いで23℃で1.5日間、放置する。次いでビーズをガラスフリットPor2上ですすぎ、かつ蒸留水50mlで3回および0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH7.5 50mlで3回洗浄する。最後のすすぎの後、強力に吸引する。乾燥器中、乾燥ゲル上で乾燥させる。
例5:活性試験:
5.1 トリブチリンの加水分解
活性試験において酪酸の遊離を1MのNaOH溶液を用いた滴定により一定のpH条件下で測定する。
装置:
pHスタット滴定装置、たとえばMettler DL50
100mlガラス容器(Mettler−Toledoの標準容器に類似)
pH電極DG−111−SC
10mlのビュレット
Mettlerのプロペラ撹拌機、速度80%
バッチサイズ:
緩衝液pH7.0、Fulka 82571 48.5ml
トリブチリン(100mM)5ミリモル
酵素固定化物50mg
実施:
トリブチリン1.47ml(5ミリモル)を0.5Mのリン酸塩緩衝液pH7.0 48.5ml中で、室温でプロペラ撹拌機を用いて5分間乳化させた。エマルションのpH値を1Mの水酸化ナトリウム溶液の添加によりpH7.0に調整した(前滴定)。引き続き、固定化物50mgを添加し、これにより反応が開始される。接続された滴定装置は加水分解時間に依存するアルカリ液の消費を記録する。曲線の直線的な勾配から酵素の活性を測定する。使用される酵素量あたりml/分で記載される、ここから得られる値からU/g固定化物として活性を直接算出することができる。
5.2 トリアセチンの加水分解
活性試験において酢酸の遊離を一定のpH条件下で0.1MのNaOH溶液を用いた滴定により測定する。
装置:
pHスタット滴定装置、たとえばSchott Titroline Alpha
100mlダブルジャケットのガラス容器
サーモスタット制御可能な水浴
撹拌スタンド放射計TTA80
pH電極Schott Blue Line
10mlのビュレット
バッチサイズ:
0.05Mリン酸カリウム緩衝液pH7.0 16ml
トリアセチンMerck No.108238 400μl
酵素固定化物100mg
実施:
反応容器を25℃に温度調節する。0.05Mリン酸カリウム緩衝液pH7.0 16mlを装入し、試験すべき固定化物100mgを添加する。次いで撹拌を開始する。トリアセチン400μlの添加により反応を開始する。接続されている滴定装置は加水分解時間に依存するアルカリ液の消費を記録する。曲線の直線的な勾配により酵素の活性を測定する。使用される酵素量あたり、mlNaOH/分で記載される、ここから得られる値からU/g固定化物として活性を直接算出することができる。
5.3 フェニルエチルアセテートの加水分解
活性試験において(±)−1−フェニルエチルアセテートからの酢酸の遊離を一定のpH条件下で1MのNaOH溶液を使用して滴定することにより測定する。
装置:
pHスタット滴定装置、たとえばMettler DL50
25mlのガラス製半微量容器(Mettler−Toledoの標準容器)
微小pH電極Mettler N 6000 A
5mlのビュレット
Mettlerのマイクロプロペラ撹拌機、速度100%
バッチサイズ:
緩衝液pH7.0、Fulka 82571 19.2ml
(±)−1−フェニルエチルアセテート(250mM)5ミリモル
酵素固定化物100mg
実施:
(±)−1−フェニルエチルアセテート800μl(5ミリモル)を0.5Mのリン酸塩緩衝液pH7.0 19.2ml中に、マイクロプロペラ撹拌機を用いて室温で5分間乳化させた。エマルションのpH値を、1Mの水酸化ナトリウム溶液の添加によりpH7.0に調整する(前滴定)。引き続き固定化物100mgを添加し、このことにより反応が開始される。接続されている滴定装置は加水分解時間に依存するアルカリ液の消費を記録する。曲線の直線的な勾配により酵素の活性を測定する。使用される酵素量あたり、ml/分で記載される、ここから得られる値から活性をU/g固定化物として直接算出することができる。
アセテートの約50%が反応した後、反応を中断し、酵素を濾別し、かつメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)により後洗浄した。加水分解物をMTBEで3回抽出し、かつ合した有機相をMgSOにより乾燥させ、かつ溶剤を回転蒸発器より濃縮する。残留物中でHPLCを用いてキラルなカラム(Daicel Chiralcel OD−H)により反応率ならびにエダクトおよび生成物に関するエナンチオマー過剰を測定する。HPLC法:
床:ヘキサン:t−ブタノール98.0:2.0
流量0.5ml/分>1.0ml/分
検出254nm
カラムの炉の温度20℃
(±)−1−フェニルエチルアセテート(R)または(S)Rt=11.1分;Rt=11.9分
フェニルアセトンRt=14.9分
(±)−1−フェニルエタノール(R)または(S)Rt=25.6分;Rt=39.1分
5.4フェニルエチルアセテートの合成
酢酸ビニルを用いた(±)−1−フェニルエタノールの(R)−1−フェニルエチルアセテートへのエステル化を測定する。反応の進行をHPLCにより測定する。その際、(R)−1−フェニルエチルアセテートの合成および(R)−1−フェニルエタノールの低減を観察する。次いで合成曲線の上昇から酵素の特異的活性を算出する。
装置:
25mlおよび10mlのねじ蓋式ガラス容器
Ika 軌道振とう装置(orbital shaker)(500rpm)
バッチサイズ:
MTBE20mlまたは8ml
(±)−1−フェニルエタノール2ミリモルまたは0.8ミリモル
酢酸ビニル6ミリモルまたは2.4ミリモル
酵素固定化物50mg
実施:
(±)−1−フェニルエタノール0.8ミリモルおよび酢酸ビニル2.4ミリモルを、軌道振とう装置上の10mlのねじ蓋式ガラス容器中、反応温度40℃でMTBE8ml中、500rpmで振とうした。10分間の定義された時間間隔で最初の1時間までに試料20μlを採取し、アセトニトリル400μlを添加し、かつHPLCカラムにより分析した。酵素活性を測定するための反応率をRP−18−HPLCカラムにより測定した(カラムLichrospher RP−18(250mm×5μm)、水:アセトニトリル50:50;流量0.5ml;254nm;RT)。エナンチオマー過剰をHPLCを用いてキラルな相により測定した(Daicel Chiralcel OD−H)。HPLC法は上記を参照のこと。
例6:固定化物の活性
Figure 2006504816
右の2つの欄は次のことが該当する:生成物のエナンチオマー純度は全ての場合において>99%eeである。
Figure 2006504816
右の2つの欄は次のことが該当する:生成物のエナンチオマー純度は全ての場合において>99%eeである。
Figure 2006504816
右の2つの欄は次のことが該当する:生成物のエナンチオマー純度は全ての場合において>99%eeである。
ポリマーA:
メタクリルアミド 10質量%
グリシジルメタクリレート 20質量%
アリルグリシジルエーテル 20質量%
N,N′−メチレンビスメタクリルアミド 50質量%
からなる市販のマクロ孔質の架橋したプラスチックビーズ材料。
ポリマーB:
メタクリルアミド 30質量%
グリシジルメタクリレート 20質量%
アリルグリシジルエーテル 20質量%
N,N′−メチレンビスメタクリルアミド 30質量%
からなる市販のマクロ孔質の架橋したプラスチックビーズ材料。
ポリマーCはモノマー組成においてポリマーAに相応するが、しかし、より低い膨潤指数(<1.5)を有する(製造はDE−A19804518による)。

Claims (10)

  1. 10〜1000μmの平均粒径を有し、
    a)20℃で少なくとも1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー5〜60質量%、
    b)リガンドの求核性基との反応において共有結合することができる付加的な官能基を有するビニル重合性モノマー1〜40質量%、
    c)重合性のエチレン性不飽和基を2つ以上有する架橋性でラジカル重合性の親水性モノマー10〜40質量%
    からなるコポリマーを含有するマクロ孔質プラスチックビーズ材料において、さらに
    d)20℃で最大1%の水溶性を有するビニル重合性モノマー10〜60質量%が含有されており、その際、モノマーa)〜d)は通常、合計して100%であることを特徴とする、マクロ孔質プラスチックビーズ材料。
  2. 多孔度が、テトラヒドロフラン中での逆相サイズ排除クロマトグラフィーにより測定して0.3〜0.9のKPS10値であることにより特徴付けられている、請求項1記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料。
  3. 水中での膨潤指数が1〜1.5である、請求項1または2記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料。
  4. モノマーa)としてメトキシポリエチレングリコールメタクリレートおよびメチルメタクリレートがコポリマー中に含有されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料。
  5. カンジダ−アンタクティカからのリパーゼを固定した後に少なくとも150[U/g]のトリブチリン−加水分解活性が得られる、請求項1から4までのいずれか1項記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料。
  6. カンジダ−アンタクティカからのリパーゼを固定した後に少なくとも80[U/g]のフェニルエチルアセテート−加水分解活性が得られる、請求項1から4までのいずれか1項記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料。
  7. カンジダ−アンタクティカからのリパーゼを固定した後に少なくとも100[U/g]のフェニルエタノール−ラセミ体分割活性が得られる、請求項1から4までのいずれか1項記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料。
  8. 懸濁重合による、請求項1から7までのいずれか1項記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料の製造方法。
  9. アミノ酸、ペプチド、蛋白質、特に酵素または抗体、核酸または多糖類のようなリガンドを共有結合するための請求項1から7までのいずれか1項記載のマクロ孔質プラスチックビーズ材料の使用。
  10. リパーゼを固定化するための請求項9記載の使用。
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