JP2019027951A - 体液接触用酵素電極、生体センサ、およびその製造方法 - Google Patents

体液接触用酵素電極、生体センサ、およびその製造方法 Download PDF

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Naoto Ogiwara
小久保奈津子
natsuko Kokubo
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Abstract

【課題】生理活性物質の分析のための生体センサに表面における体液タンパクの吸着や血栓の形成による感度低下を抑制できる体液接触用酵素電極の提供、および前記体液接触用酵素電極を用いた生体センサを提供する。
【解決手段】作用電極の体液接触面に酵素を含む層を担持する体液接触用酵素電極であって、酵素を含む層22が、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0〜2であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとを特定の割合で含有するブロック重合体と、酸化還元酵素とを含む、体液接触用酵素電極。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体センサ向けの体液接触用酵素電極、前記体液接触用酵素電極を用いた生体センサ、および生体センサの製造方法に関する。詳しくは、体液タンパクの吸着や血栓の形成による使用中の感度低下を抑制できる体液接触用酵素電極に関する。
従来から、酵素や抗体など、生体高分子の高度な特異反応を利用して電気信号を発生させ、目的物質を選択的に検出する生体センサが開発されている。また、これら生体センサを用いることにより、生体の生理活性物質の分析の応用研究がおこなわれている。
例えば、特許文献1には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCモノマーという)と他のモノマーとの共重合体を内表面に有することを特徴とした生化学的分析用反応容器が開示されている。特許文献2には、MPCモノマーを用いた共重合体をポリオレフィン繊維に付着させた血液成分濾過フィルターやタンパク質濾過フィルターなどの医療用品が開示されている。また、特許文献3には、MPCモノマーを用いた共重合体をキャピラリ電気泳動の内壁にコートした装置が開示されている。このように、ホスホリルコリル基を含む高分子化合物は既に生物医療用材料や機器の表面に使用されており、このようなポリマーは血液、涙や尿などの体液と接触する際に発生する異物反応を抑制できることが知られている。
また、特許文献4には、電極表面に酸化還元酵素と親水性高分子および電子受容体の混合物からなる酵素反応層を設けた生体センサが開示されている。また、特許文献5には、作用電極と、前記作用電極表面に、疎水性高分子媒体中に分散した電子受容体を含有する多孔性電荷移動媒体層と、前記多孔性電荷移動媒体層上に設けられ、親水性高分子中に酸化還元酵素を固定化した酵素反応層とを備えることを特徴とした生体センサが開示されている。
特許文献1:特開平7−5177号公報
特許文献2:特開2005−6704号公報
特許文献3:特開2009−281879号公報
特許文献4:特開平3−202764号公報
特許文献5:特開2004−294231号公報
しかし、特許文献1〜3に開示される共重合体は、原料であるMPCモノマー合成時に複数の反応やそれに伴う精製が必要であるなど生産性に問題を有していた。また、MPCモノマーは共重合可能なモノマーが限られており、コーティング適性(加工性)に優れる重合体を調製することが難しいという課題があった。
また、特許文献4では親水性高分子としてポリビニルピロリドンやゼラチン、カルボキシメチルセルロースを用いることが提案され、特許文献5では親水性高分子としてポリカチオンポリマーとポリアニオンポリマーとからなるポリイオンコンプレックスを用いることが提案されている。しかし、測定対象液中にタンパク質や赤血球などの生体物質が含まれる場合、前記生体物質が電極上の酵素反応層表面へ付着するため、最終的に電極反応が影響されてしまうなどの問題があった。
本発明は、生理活性物質の分析のための生体センサの表面における体液タンパクの吸着や血栓の形成による感度低下を抑制できる体液接触用酵素電極の提供、および前記体液接触用酵素電極を用いた生体センサの提供を目的とする。
そこで、前記目的に鑑み鋭意検討した結果、本発明者らはポリエチレンオキサイド鎖(以下、PEG鎖ともいう)を主鎖に組み込んだブロック重合体(a)と酸化還元酵素とを含有する組成物を、作用電極の体液接触面に担持させることによって、前記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(12)に関する。
(1) 作用電極の体液接触面に酵素を含む層を担持する体液接触用酵素電極であって、
前記酵素を含む層が、
水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体(a)と、
酸化還元酵素とを含み、
前記ブロック重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイドブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとの合計の質量]が0.01〜0.3である、
体液接触用酵素電極。
(2) 前記ブロック重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとが、下記式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなる、(1)記載の体液接触用酵素電極。

(3) 前記ブロック重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとが、下記式(IA)の構造で結合してなる、(1)記載の体液接触用酵素電極。
(4) 前記ブロック重合体(a)が、下記一般式(II)で示される部位を有する、ポリエチレンオキサイドブロックを有し且つ質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて前記アクリル系モノマーを重合してなるブロック重合体である、前記(2)又は(3)記載の体液接触用酵素電極。

(式中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)
(5) 前記アクリル系ポリマーブロックが、水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるアクリル系モノマーのみから形成されるホモポリマーブロック又はコポリマーブロックである、前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の体液接触用酵素電極。
(6) 作用電極と酵素を含む層との間に、電子受容体を含む層がさらに配置されている、前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の体液接触用酵素電極。
(7) 電子受容体を含む層が、
水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体を、
さらに含む、前記(6)記載の体液接触用酵素電極。
(8) 酵素を含む層が電子受容体をさらに含むか、もしくは酵素を含む層上に電子受容体をさらに担持する、前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の体液接触用酵素電極。
(9) 基材と、該基材上に設けられた体液接触用酵素電極と対電極とを有する生体センサであって、
前記体液接触用酵素電極が、前記(1)〜(8)いずれか1項に記載の体液接触用酵素電極である、
生体センサ。
(10) 対電極の体液接触面に、
水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体を含む層が、
さらに配置されている、
前記(9)記載の生体センサ。
(11) 基材と、該基材上に設けられた体液接触用酵素電極と対電極とを有する生体センサでの製造方法であって、
前記基材上に設けられた作用電極上に、
水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体(a)であって、前記ブロック重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイドブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとの合計の質量]が0.01〜0.3であるブロック重合体(a)と、酸化還元酵素とを含有するコーティング剤を塗工する工程と、
塗工後、コーティング剤を乾燥又は硬化し、体液接触用酵素電極を形成する工程とを含む、
生体センサの製造方法。
(12) 基材と、該基材上に設けられた体液接触用酵素電極と対電極とを有する生体センサでの製造方法であって、
前記基材上に設けられた作用電極上に、
電子受容体を含む層を設ける工程と、
前記電子受容媒体を含む層上に、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体(a)であって、前記ブロック重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイドブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとの合計の質量]が0.01〜0.3であるブロック重合体(a)と、酸化還元酵素とを含有するコーティング剤を塗工する工程と、
塗工後、コーティング剤を乾燥又は硬化し、体液接触用酵素電極を形成する工程とを含む、
生体センサの製造方法。
本発明の体液接触用酵素電極には、生体成分が吸着しにくく、血液の凝固反応を抑制することができる。そのため、種々の生体関連物質の分析等に使用することにより、再現性良く高精度の分析値を得ることができる。つまり、体液中のタンパク質等の非特異吸着などを防止することができるため、高感度な分析が可能となる。
図1は、本発明の生体センサの模式的断面図を表す。 図2は、本発明の別の態様の生体センサの模式的断面図を表す。 図3は、本発明の別の態様の生体センサの模式的断面図を表す。
1.体液接触用酵素電極
本発明の体液接触用酵素電極は、作用電極の体液接触面に酵素を含む層を担持する。酵素を含む層は、ブロック重合体(a)と、後述する酸化還元酵素とを含む。
後述するように本発明の体液接触用酵素電極は、作用電極と酵素を含む層との間に、電子受容体を含む層がさらに設けられていたり、酵素を含む層が電子受容媒体をさらに含有したり、あるいは酵素を含む層上に電子受容体をさらに担持したりすることができる。
電気化学反応の点からは作用電極と酵素を含む層との間に、電子受容体を含む層を設けることが好ましく、体液接触用酵素電極および生体センサの生産性の点からは酵素を含む層が電子受容体をさらに含有することが好ましい。また、酵素と電子受容体を混合していると、試料液が供給されると速やかに反応が始まるため、測定時間の短縮も可能となる。
<ブロック共重合体(a)>
本発明においてブロック重合体(a)とは、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとを有すことで、タンパク質の吸着性が制御される。アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとは共有結合で結合されている。
なお、アクリル系ポリマーブロックは、「アクリル系ポリマー部分」、「アクリル系ポリマーブロック(A1)」、「アクリル系ポリマー部分(A1)」と、
ポリエチレンオキサイドブロックは、「ポリエチレンオキサイド部分」、「ポリエチレンオキサイドブロック(A2)」、「ポリエチレンオキサイド部分(A2)」と、それぞれ記すことがある。また、前記のとおり、ポリエチレンオキサイドを「PEG」(又は「PEO」)と略すことがある。
また、アクリル系ポリマー部分は、アクリル系モノマーの重合体ブロックであり、このブロック部分は、アクリル系モノマーのホモポリマーでも、アクリル系モノマーのコポリマーでもどちらでも良い。コポリマーの場合、交互共重合、ランダム共重合、又はブロック共重合のいずれの形式でも良い。
アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)のブロック重合体(a)は、下記式(IA)、(IB)又は(IC)のいずれかの構造(結合構造)を介して結合されていることが好ましい。その合成方法については、後述するが、特に限定されない。なお、ブロック重合体(a)は、下記式(IA)〜(IC)のいずれか一以上の結合構造を含むことが好ましいが、これら以外の結合構造を一部に含んでいてもよい。下記式(IA)の構造を介して結合してなる重合体であることがより好ましい。
上記の式(IA)で示される結合構造を有するブロック重合体(a)の合成方法の一例を挙げる。
例えば、ラジカル重合開始剤として4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「V−501」等)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマーブロック(A1)と、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが上記式(IA)で結合してなるブロック重合体を得ることができる。
あるいは、上記の式(IA)で示される結合構造を有するブロック重合体(a)は、アクリル系ポリマーを合成する際のラジカル重合開始剤として、下記式(II)で示される、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とアゾ基を含む構造単位を有する高分子アゾ重合開始剤を用いて好ましく合成することができる。式中、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数である。高分子アゾ重合開始剤は、高分子セグメントとアゾ基(−N=N−)が繰り返し結合した構造を有しており、本実施形態では、高分子セグメントとしてポリエチレンオキサイドブロック(A2)を含む高分子アゾ開始剤を用いることで、容易にブロック重合体(a)を合成できる。
高分子アゾ重合開始剤を用いる場合、該開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率を適宜変更することによって、ブロック重合体の質量平均分子量の調整ができる。
高分子アゾ重合開始剤の質量平均分子量は、5,000〜10万程度であることが好ましく、1万〜5万程度であることがより好ましい。また、該開始剤のポリエチレンオキサイドブロック(A2)の分子量は、800〜1万程度であることが好ましく、1,000〜8,000程度であることがより好ましい。
また、好ましくはmは15〜200、より好ましくはmは20〜100であり、好ましくはnは3〜50、より好ましくはnは4〜30である。
前記高分子アゾ重合開始剤は、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)を有しているため、水、アルコール、及び有機溶剤に可溶であり、溶液重合、乳化重合、又は分散重合によりブロック重合体の合成が可能である。また、分子鎖骨格中に重合開始部分(ラジカル発生部分:―N=N−)を有しているため、別途重合開始剤を使用する必要がなく、さらには末端反応性マクロモノマーに比べてラジカルの反応性、及び安定性が高いという特徴を有している。
前記高分子アゾ重合開始剤は、・C(CH3)CN−(CH22−COO−(CH2CH2O)m−CO−(CH22−C(CH3)CN・にて示されるようなラジカルを生じ、後述するアクリル系モノマーを重合させる。そして、アクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロック(A1)と前記ラジカル由来の部分とが結合した主鎖を形成し、ブロック重合体を形成する。ポリエチレンオキサイドブロック(A2)は、ラジカルの一部に由来する。
高分子アゾ重合開始剤の具体例としては、和光純薬製の高分子アゾ開始剤VPE0201(上記式(II)の(CH2CH2O)の部分の分子量が約2000、nが6程度)などが例示される。
高分子アゾ重合開始剤の他に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ開始剤や、過酸化ベンゾイルのような有機過酸化物開始剤を併用することができる。これらの開始剤を併用することにより、開始効率を高め、効率よくアクリル系ポリマーブロック(A1)にPEGに組み込むことができ、残留モノマーを減らすことができる。
ブロック重合体(a)の合成時には、用途に応じてラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用して、分子量や末端構造を制御しても良い。
次に、アクリル系ポリマーブロック(A1)と、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが上記式(IB)の構造を介して結合してなるブロック重合体(a)の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、上記式(IB)の構造を介して結合してなるブロック重合体(a)は、アクリル系モノマーを、ヒドロキシ基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、末端にヒドロキシ基を有するアクリル系ポリマーブロックを得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロック(A1)およびポリエチレングリコールと、2官能のイソシアネート化合物とをウレタン化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロパンアミド](例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「VA−086」等)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、2官能イソシアネート化合物を用いてウレタン化反応させることで、アクリル系ポリマーブロック(A1)と、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが結合してなるブロック重合体(a)を得ることができる。
ウレタン化反応の際用いられる2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
さらに、アクリル系ポリマーブロック(A1)と、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが上記式(IC)の構造を介して結合してなるブロック重合体(a)の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、上記式(IC)の構造により結合してなるブロック重合体は、アクリル系モノマーを、カルボキシル基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーブロック(A1)を得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロック(A1)にポリエチレングリコールをエステル化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]4水和物(例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「VA−057」等)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマーブロック(A1)と、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが結合してなるブロック重合体(a)を得ることができる。
なお、式(IB)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなるブロック重合体(a)を得る際に、上記のような高分子ではないアゾ重合開始剤を用いる場合も、高分子アゾ重合開始剤を用いる際に併用し得るものとして記載した「他の開始剤」も適宜併用することができる。また、連鎖移動剤も適宜使用できる。
<アクリル系ポリマーブロック(A1)>
本発明においてアクリル系ポリマーブロック(A1)とは、アクリロイル基およびまたはメタクリロイル基を少なくとも一つ有する(メタ)アクリル系モノマーを全モノマーの内10%以上含むブロック構造部分を指す。アクリル系ポリマーブロック(A1)は、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるモノマーから構成されることで、得られるポリマーのタンパク質などとの過度な相互作用を抑えることができ、高感度な分析を行うことができる。
LogPは、化学物質の性質を表す数値の一つであり、添加量に依存しない一定の値である。対象とする物質が、水と1−オクタノールの混合液において、水相とオクタノール相が接した系中で平衡状態にある場合を対象として、各相の濃度をその常用対数で示したものである。LogPが大きくなると、比較的に疎水性が増大する傾向があり、LogPが小さくなると、比較的に親水性が増大する傾向がある。
LogPの測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、LogPは実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。LogPの計算に用いる方法やソフトウェアについては公知のものを用いることができるが、本発明ではCambridgeSoft社のシステム:ChemdrawPro11.0に組み込まれたプログラムを用い、LogPを求めている。
水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるモノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート等のアルキルエステル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルメトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシメチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレンなどのビニル基含有モノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、1−ビニルイミダゾール、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマーなどが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの化合物のうち、特にn−ブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレートが経済性や操作性の点から好ましい。また、ブロック重合体(a)に架橋基を導入するためにアクリル酸を組み合わせることも好ましい。このような架橋基を後に示す架橋剤と反応させることで、ポリエチレンオキサイドの運動性が保持され、タンパク非吸着性能が保管条件によって変化し難くなる。
本発明では、使用するアクリル系モノマーのLogPが0〜2の範囲であれば、ホモポリマー部分の原料として使用することができる。また、使用する(メタ)アクリル系モノマーのLogPが0〜2の範囲外であっても、その他の(メタ)アクリル系モノマーを含めたLogPの質量平均値が0〜2の範囲であれば、コポリマー部分の原料として使用することができる。
LogPが0〜2の範囲外のモノマーの中で、例えば、アルキル基の炭素数が5〜20のアクリレート、アルキル基の炭素数が4〜20のメタクリレート、スチレンなどのビニル基含有モノマー、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー、4−ヒドロキシスチレン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有モノマー、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの側鎖にポリエチレンオキサイド部分を持つモノマーなどが挙げられる。
ブロック重合体(a)を構成する親水性に富むポリエチレンオキサイドブロック(A2)と疎水性に富むアクリル系ポリマーブロック(A1)のバランスにより、体液中の測定対象成分の吸着を効果的に制御し得る。重合体(a)は、PEG部分に対し、アクリル系ポリマー部分を多く含むものであることが好ましく、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)の質量/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)との合計の質量]は、0.01〜0.3であり、0.1〜0.25であることが好ましい。即ち、1〜30質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。
PEG部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とPEG部分(A2)との合計の質量]は、合成に使用したモノマーの質量から計算することができる。
また、PEG部分を有する高分子アゾ重合開始剤を用いた場合は、PEG部分(A2)の質量を計算する際、厳密には、アゾ重合開始剤中のPEGの重量のみを計算して求めるべきであるが、本発明においては、PEG部分(A2)を有する高分子アゾ重合開始剤の重量をそのまま適応することにする。また、アクリル系ポリマー部分(A1)の質量は、重合に供したアクリル系モノマーの合計量である。
すなわち、アクリル系モノマー90重量部、PEG部分(A2)を有する高分子アゾ重合開始剤10重量部を用いて合成した場合、PEG部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とPEG部分(A2)との合計の質量]は0.1となる。
<分子量>
ブロック重合体(a)の質量平均分子量は、取り扱い性および作用電極へ塗布する観点から、3,000〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは、5,000〜500,000である。
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
質量平均分子量Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「GPC−101」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「KF−805L」(昭和電工社製:GPCカラム:8mmID×300mmサイズ)を直列に2本接続して用い、試料濃度1wt%、流量1.0ml/min、圧力3.8MPa、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。データ解析はメーカー内蔵ソフトを使用して検量線および分子量、ピーク面積を算出し、保持時間15〜30分の範囲を分析対象として質量平均分子量を求めた。
<架橋剤>
ブロック重合体(a)中のアクリル系ポリマー部分に、後述する架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマーを共重合することで、酵素を有する層を架橋させることもできる。架橋させることによって、作用電極からの酵素を有する層の剥離を抑制したり、酵素を有する層からのブロック重合体の溶出を抑えたり、生体センサ保管時にタンパク非吸着性が変化しないようにしたりすることができる。
アクリル系ポリマー部分の有し得る官能基としては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、及びイソシアネート基などを挙げることができる。
本発明において用いることのできる架橋剤としては、アクリル系ポリマー部分の有する官能基と反応し得るものであればよく、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、およびアジリジニル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものの他、金属キレート化合物、カルボジイミド基含有化合物等が挙げられる。
例えば、ブロック重合体(a)がカルボキシル基を有する場合、多価カルボジイミドを用いることが好ましい。多価カルボジイミドとしては特に限定はされないが、例えば、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズを用いることができる。
<酸化還元酵素>
次に本発明の体液接触用酵素電極において酵素を含む層に含まれる酸化還元酵素について説明する。
酸化還元酵素は、検出しようとする成分によって適宜選択される。
例えば、
検出対象成分がアルコールである場合には、酵素としてアルコールオキシダーゼやアルコールデヒドロゲナーゼを用い、
検出対象成分がグルコースである場合には、酵素としてβ−D−グルコースオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼを用い、
検出対象成分がコレステロールである場合には、酵素としてコレステロールオキシダーゼやコレステロールデヒドロゲナーゼを用い、
検出対象成分がホスファチジルコリンである場合には、酵素としてホスホリパーゼ及びコリンオキシダーゼを用い、
検出対象成分が尿素である場合には、酵素としてウレアーゼを用い、
検出対象成分が尿酸である場合には、酵素としてウリカーゼを用い、
検出対象成分が乳酸である場合には、酵素として乳酸デヒドロゲナーゼを用い、
検出対象成分が蓚酸である場合には、酵素として蓚酸デカルボキシラーゼを用い、
検出対象成分がピルビン酸である場合には、酵素としてピルビン酸オキシダーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼを用い、
検出対象成分がアスコルビン酸である場合には、酵素としてアスコルビン酸オキシダーゼを用い、
検出対象成分が乳酸である場合には、酵素として乳酸オキシダーゼを用い、
検出対象成分がキサンチンである場合には、酵素としてキサンチンオキシダーゼを用い、
検出対象成分がフルクトースである場合には、酵素としてフルクトースデヒドロゲナーゼを用い、
検出対象成分がクレアチンである場合には、酵素としてクレアチンホスホキナーゼ、クレアチンキナーゼを用い、
検出対象成分がグリセロールである場合には、酵素としてグリセロールオキシダーゼを用い、
検出対象成分がアシル-コエンザイムAである場合には、酵素としてアシル-コエンザイムAオキシダーゼを用い、
検出対象成分がチラミンである場合には、酵素としてチラミンオキシダーゼを用い、
検出対象成分がアミノ酸である場合には、酵素としてアミノ酸オキシダーゼを用い、
検出対象成分がグリコレートである場合には、酵素としてグリコレートオキシダーゼを用い、
検出対象成分がビリルビンである場合には、酵素としてビリルビンオキシダーゼを用い、
検出対象成分がガラクトースである場合には、酵素としてガラクトースオキシダーゼを用い、
検出対象成分がピリドキサールである場合には、酵素としてピリドキサール−4−オキシダーゼを用い、
検出対象成分がソルボースである場合には、酵素としてソルボースオキシダーゼを用い、
検出対象成分がグロノラクトースである場合には、酵素としてグロノラクトースオキシダーゼを用い、
検出対象成分がトリメチルアミンである場合には、酵素としてフラビン含有モノオキシダーゼを用いる。
<電子受容体>
前述したように本発明の体液接触用酵素電極は、作用電極と酵素を含む層との間に、電子受容媒体を含む層がさらに設けられていたり、酵素を含む層が電子受容媒体をさらに含有したり、あるいは酵素を含む層上に電子受容体をさらに担持したりすることができる。
作用電極と酵素を含む層との間に、電子受容媒体を含む層がさらに設けられる場合、前記電子受容媒体を含む層は、酵素を含む層と同様に、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体を含むことが好ましい。
電子受容体は、酵素等の生体触媒の反応に応じて酸化又は還元される低分子の酸化還元物質であり、生体触媒と作用電極との間の電子移動を媒介する。したがって、電子受容体は、酵素等の生体触媒と電子を授受することができるとともに、作用電極とも電子を授受することができる物質である限り何れも使用することができる。
本発明において用いることのできる電子受容体としては、一重結合と二重結合が交互に並んだπ共役系化合物であることが好ましい。例えば、特に限定されるものではないが、5-メチルフェナジニウムメチルスルファート(フェナジンメトスルファート:PMS)、5-エチルフェナジニウムメチルスルファート(フェナジンエトスルファート:PES)等、のフェナジン系化合物、フェノチアジン系化合物、フェリシアン化カリウム等のフェリシアン化物、フェロセンやジメチルフェロセン、フェロセンカルボン酸等のフェロセン系化合物、ナフトキノン、アントラキノン、ハイロドキノン、ピロロキノリンキノン等のキノン系化合物、シトクロム系化合物、ベンジルビオロゲンやメチルビオロゲン等のビオロゲン系化合物、ジクロロフェノールインドフェノール等のインドフェノール系化合物等が挙げられる。
例えば、本発明において、血液中のグルコース濃度を測定する場合、グルコースオキシダーゼの作用により、作用電極と対電極との間に必要な電位が印加されたときに試料液中のグルコースがグルコン酸に酸化され、過酸化水素が発生する。このときフェリシアン化カリウム、フェロセン、1,1’−ジメチルフェロセン、フェロセンカルボン酸及びフェロセンカルボキシアルデヒド等のフェロセン誘導体、ハイドロキノン、クロラニル及びブロマニル等のキノン類、または、フェリシアンイオン、オクタシアノタングステン酸イオン及びオクタシアノモリブデン酸イオン等の金属錯体イオンのようなメディエータを用いると、グルコースの濃度に比例した電流を選択的且つ高感度に検知できる。
2.生体センサ
本発明の生体センサは、基材と、該基材上に設けられた体液接触用酵素電極と対電極とを有する。前記体液接触用酵素電極は、前述した本発明の体液接触用酵素電極である、
図1は本発明の生体センサの実施態様の一例(断面図)である。
符号10はポリエステルやPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂で作られた絶縁性基板であり、この上に下地リード電極12が形成されている。リード電極12上には、導電性カーボンペーストなどで形成した電極14,16が設けられ、この一方の電極14は作用電極として用いられ、他方の電極16は対電極となる。
作用電極14上には電子受容体を含む層20、および酵素を含む層22が設けられている。酵素を含む層22は、ブロック重合体(a)と酸化還元酵素とを含む。酵素を含む層22は、ブロック重合体(a)と酸化還元酵素とを混合してなるコーティング剤を塗工し、塗工後、コーティング剤を乾燥又は硬化したり、ブロック重合体(a)を含むコーティング剤と酸化還元酵素とを含むコーティング剤とをそれぞれ順番にまたは同時に塗工し、塗工後、乾燥又は硬化したりすることによって、形成することができる。塗工は滴下をも含む。
符号18は、作用電極14,対電極16間を絶縁する絶縁層であり、作用電極14,対電極16に対応する位置に開口部を有する。
前記開口部に体液を滴下するなどして供給し、下地リード電極12を通じて、前記電極間に電位を印加し、体液中の検出対象の濃度を測定する。
なお、酵素を含む層22の場合と同様に、電子受容体を含む層20も電子受容体とその他の材料(例えば、ブロック重合体(a)とを予め混合した得られたコーティング液を作用電極14上に塗工してもよいし、電子受容体を含むコーティング液とブロック重合体(a)等を含むコーティング液とを別々に用意しておき、作用電極14上に順次または同時に塗工してもよい。
図2は本発明の生体センサの他の実施態様の一例(断面図)である。図2の場合、作用電極14上には、ブロック重合体と酸化還元酵素と電子受容体とを含む層23が設けられている。
酵素を含む層に含まれるブロック共重合体(a)は、血漿タンパクや血小板等の検出対象成分を付着し難いので、生体センサの作用電極14の形成に好適であり、安定した応答が得られる。
さらに、ブロック共重合体(a)は、対電極16の形成や図3に示す流路26の内面塗工にも用いることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。尚、実施例および比較例における「部」は「質量部」を表し、molとは物質量を表し、mol%は全単量体中の物質量の割合を表す。
[製造例1]
<ブロック重合体(a)の調製>
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてメチルエチルケトン(以下、MEKと略す)150質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを80質量部、2‐エチルヘキシルアクリレートを20質量部、重合開始剤としてVPE0201(和光純薬工業社製:マクロアゾ開始剤)を25質量部、溶媒としてMEKを10質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後6時間熟成した。その後、室温に冷却し反応を停止した。その後、ダイヤフラムポンプでMEKを除去し、ブロック重合体(a)を得た。得られた重合体のMwは57400であった。
なお、25℃のイオン交換水中99g中に、得られたビニル系重合体(a)を1g入れて撹拌し溶解後、25℃で24時間放置した。その結果これらの樹脂は分離、析出ともに見られず、完全に溶解可能であり、水溶性であることが示された。
[製造例2〜10]
表1に示す配合組成で、製造例1と同様の方法でブロック重合体(a)を合成した。
ただし、製造例9,10に関しては、イオン交換水に不溶であったため、後述する<血小板粘着性評価><抗血栓性評価><タンパク質吸着性評価><グルコース分析用センサの応答感度評価>は行っていない。
表中の記号は以下の通り。
MEA:メトキシエチルアクリレート、LogP=0.48
BA:ブチルアクリレート、LogP=1.88
MMA:メチルメタクリレート、LogP=1.11
AA:アクリル酸、LogP=0.38
BMA:ブチルメタクリレート、LogP=2.23
2EHA: 2−エチルヘキシルアクリレート、LogP=3.53
ISTA:イソステアリルアクリレート、LogP=7.47
VPE0201:和光純薬工業社製マクロアゾ開始剤
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
[実施例1〜6]、[比較例1〜2]
<体液成分の非吸着性の予備評価>
製造例1〜8の各ブロック重合体10部に、酸化還元酵素としてグルコースオキシダーゼ(以下、GODという)をリン酸緩衝液(以下、PBSという)に溶解した溶液(GOD濃度:1500unit/mL)1部、および水を加え、各ブロック重合体の濃度が20%になるように調製し、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルムに2000rpm10秒の条件でスピンコートし、乾燥した。
これを試験対象として、各ブロック重合体に対する体液成分の非吸着性等を後述する方法(1)〜(3)に従い予備評価した。別途、後述する方法(4)に従い、製造例1〜8の各ブロック重合体と酸化還元酵素とを含有する組成物について生体センサ用の体液接触用酵素電極としての性能を評価した。
(1)<血小板粘着性評価>
上記試験対象を15mmφに打ち抜き(試験片)、24ウェルプレートにシリコーンリングで固定し、リン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSという。)を各ウェルにそれぞれ1ml添加して、一晩表面を平衡化する。平衡化後、各ウェル内のPBSを吸引除去し、ヒト血小板多血漿を各ウェルにそれぞれ0.7ml加えて37℃で3時間培養する。
培養後、各ウェルから試験片を取り出し、PBSで3回リンスし、2.5%グルタルアルデヒド溶液にて1時間固定化を行う。固定化後、試験片をエタノール水溶液で脱水して、凍結乾燥後、金蒸着をする。これを走査型顕微鏡で観察し、血小板の粘着状態を評価した。ここでは、下記の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:試験片24枚のすべてに血小板の粘着が全くみられない。
〇:試験片24枚のうち一部に血小板の粘着がみられる。
△:試験片24枚のうち多くに血小板の粘着がみられるが、フィブリンネットの形成は確認できない。
×:試験片24枚のうち多くに血小板の粘着とともにフィブリンネットの形成も確認できる。
(2)<抗血栓性評価>
上記血小板粘着性評価の場合と同様にして、24ウェルプレート内にて試験片にPBSを添加し、一晩表面を平衡化する。平衡化後、各ウェル内のPBSを吸引除去し、下記カルシウム再添加血を各ウェルに0.7mlずつ分注し、1時間培養する。
培養後、各ウェルから試験片を取り出し、PBSでリンスして、目視にて血栓塊の剥がれやすさを確認することで、全血接触の評価を行った。ここでは、下記の3段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:試験片24枚のすべてに血栓塊の付着が全くみられない。
〇:試験片24枚のうち一部に少量の血栓塊の付着がみられる。
×:試験片24枚のうち多くに多量の血栓塊の付着がみられる。

カルシウム再添加血:ヒト鮮血クエン酸血10mlに対して、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)を178μl実験直前に添加したもの。
(3)<タンパク質吸着性評価>
上記試験対象を15mmφに打ち抜き(試験片)、24ウェルプレートにシリコーンリングで固定し、リン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSという。)を各ウェルにそれぞれ1ml添加して、一晩表面を平衡化する。平衡化後、各ウェル内のPBSを吸引除去し、タンパク質として、PBS(リン酸緩衝液)で10000倍に希釈したHRP−IgG(Horseradishperoxidase-ImmunoglobulinG)溶液1mlを、上記試験片上に加え、試験片の片面(上面)だけが、前記タンパク質溶液に接するよう試験片を浸漬した。室温で1時間インキュベートした後、上記試験片を別の空ウェルに移し、PBS−T(0.1%Tween20)を用いて4回洗浄した。
洗浄後、上記試料片の入ったウェル内に染色液としてTMBZ(3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine)溶液を各々1ml分注し、室温で10分間インキュベートした。次いで、StopSolution(タカラバイオ製WashandStopSolutionforELISAwithoutSulfuric Acid)1mlを各ウェルに分注後、試験片を取り除き、各ウェル内の溶液の吸光度を測定した。測定機器は、MITHRAS2LD943-M2Mマイクロプレートリーダーを使用し、450nm(副波長650nm)の吸光度を測定した。
別途、対照として、PETフィルムを用いて同様の処理および測定を行い、その吸光度を基準値とし、下記の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:0.2≧試験片の場合の吸光度/PETフィルムの場合の吸光度
○:0.5≧試験片の場合の吸光度/PETフィルムの場合の吸光度>0.2
△:1≧試験片の場合の吸光度/PETフィルムの場合の吸光度>0.5
×:試験片の場合の吸光度/PETフィルムの場合の吸光度>1
(4)[グルコース分析用センサの作製]
基材10であるポリエステル樹脂基材上にスクリーン印刷技術により下地リード電極12を印刷後、加熱乾燥した。リード電極12上には、導電性カーボンペーストをスクリーン印刷技術により印刷して作用電極14、対電極16の電極系を設けた。
作用電極14、対電極16の位置に対応する箇所に直径400μmの開口部をリソグラフィーにより設けておいた絶縁膜18を別途作成しておき、前記開口部を作用電極14、対電極16に対応させながら、絶縁膜18を基板10上に重ね、加熱圧着した。
次いで、各製造例で得たブロック重合体(a)1部、電子受容体であるフェロセン2部、イソプロピルアルコール97部からなる混合液0.05μLを、作用電極14上の開口部内に均一に滴下、乾燥し、電子受容体を含む層20を形成した。
別途、製造例1で得たブロック重合体(a)の1wt%水溶液1部に、酸化還元酵素としてグルコースオキシダーゼ(以下、GODという)をリン酸緩衝液(以下、PBSという)に溶解した溶液(GOD濃度:1500unit/mL)を1部加え、ブロック重合体(a)とGODとを含む溶液を用意した。そして、前記電子受容体を含む層20上に、前記ブロック重合体(a)とGODとを含む溶液を滴下し、これを乾燥させて、体液接触用酵素電極を形成し、グルコース分析用生体センサを作製した。
[試料液の作製]
リン酸緩衝液(PBS)にアルブミン(4.5g/dl)とγ−グロブリン(1.6g/dl)を溶かし、タンパク質溶液を作製した。前記タンパク質溶液に特定濃度のD−グルコース溶液を所定量ずつ添加し、グルコース濃度が50mM、30mM、20mM、10mM、5mMのグルコース溶液を調整した。合わせて、グルコース濃度が0mg/dlの溶液も準備した。
<グルコース分析用センサの応答感度評価>
各実施例、各比較例のグルコース分析用センサをそれぞれ複数(グルコース溶液の濃度の種類に応じた数)用意し、各グルコース分析用センサの酵素を含む層22および対電極16の両電極を覆うように、各濃度のグルコース溶液を3〜5μL滴下し、対電極16を基準にして作用電極14に、フェロセンの酸化還元電位である+350mVの定電圧を印加し、30秒後の酸化電流を測定した。
酵素を含む層22において、D−グルコースの酸化反応が行われる際、フェロセンは還元される。この還元されたフェロセンの酸化電流はグルコース濃度に対応することから、試料液中のグルコースは極微量であっても測定が可能になる。
下記の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:5mM以上50mM以下の濃度領域で濃度に応じた酸化電流値を観察できた。
○:5mM以上30mM以下の濃度領域で濃度に応じた酸化電流値を観察できたが、30mMを超える濃度領域では濃度に応じた酸化電流値を観察できなかった。
△:5mM以上20mM以下の濃度領域で濃度に応じた酸化電流値を観察できたが、20mMを超える濃度領域では濃度に応じた酸化電流値を観察できなかった。
×:5mM以上10mM以下の濃度領域で濃度に応じた酸化電流値を観察できたが、10mMを超える濃度領域では濃度に応じた酸化電流値を観察できなかった。
以上の基準に従い、評価した結果を表2に示す。

表2の実施例と比較例の結果を見て分かる通り、実施例1〜6では、広範囲の濃度領域で高感度測定が可能であることが示された。これに対し、比較例1〜2では、グルコース濃度に応じた出力値を観察できなかった。このように、ブロック重合体(a)を用いることで、タンパク吸着が抑えられ、かつ高感度な分析を行うことができた。
本発明の体液接触用酵素電極を用いた生体センサは、ブロック重合体(a)と酸化還元酵素とを含む層を作用電極の体液接触面に担持させることにより、検査対象中に含まれるタンパク質や赤血球などの作用電極への吸着抑制が期待でき、検査対象の濃度の安定測定が期待できる。本発明の生体センサは、短時間で測定できるディスポーサブルタイプの生体センサとして期待できる。
10:基材
12:下地リード電極
14:作用電極
16:対電極
18:絶縁層
20:電子受容体を含む層
22:酵素を含む層
23:ブロック重合体と酸化還元酵素と電子受容体とを含む層
24:上基板
26:流路

Claims (12)

  1. 作用電極の体液接触面に酵素を含む層を担持する体液接触用酵素電極であって、
    前記酵素を含む層が、
    水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体(a)と、
    酸化還元酵素とを含み、
    前記ブロック重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイドブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとの合計の質量]が0.01〜0.3である、
    体液接触用酵素電極。
  2. 前記ブロック重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとが、下記式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなる、請求項1記載の体液接触用酵素電極。

  3. 前記ブロック重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとが、下記式(IA)の構造で結合してなる、請求項1記載の体液接触用酵素電極。
  4. 前記ブロック重合体(a)が、下記一般式(II)で示される部位を有する、ポリエチレンオキサイドブロックを有し且つ質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて前記アクリル系モノマーを重合してなるブロック重合体である、請求項2又は3記載の体液接触用酵素電極。

    (式中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)
  5. 前記アクリル系ポリマーブロックが、水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるアクリル系モノマーのみから形成されるホモポリマーブロック又はコポリマーブロックである、請求項1〜4のいずれか1項記載の体液接触用酵素電極。
  6. 作用電極と酵素を含む層との間に、電子受容体を含む層がさらに配置されている、請求項1〜5のいずれか1項記載の体液接触用酵素電極。
  7. 電子受容体を含む層が、
    水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体を、
    さらに含む、請求項6記載の体液接触用酵素電極。
  8. 酵素を含む層が電子受容体をさらに含むか、もしくは酵素を含む層上に電子受容体をさらに担持する、請求項1〜5のいずれか1項記載の体液接触用酵素電極。
  9. 基材と、該基材上に設けられた体液接触用酵素電極と対電極とを有する生体センサであって、
    前記体液接触用酵素電極が、請求項1〜8いずれか1項に記載の体液接触用酵素電極である、
    生体センサ。
  10. 対電極の体液接触面に、
    水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体を含む層が、
    さらに配置されている、
    請求項9記載の生体センサ。
  11. 基材と、該基材上に設けられた体液接触用酵素電極と対電極とを有する生体センサでの製造方法であって、
    前記基材上に設けられた作用電極上に、
    水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体(a)であって、前記ブロック重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイドブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとの合計の質量]が0.01〜0.3であるブロック重合体(a)と、酸化還元酵素とを含有するコーティング剤を塗工する工程と、
    塗工後、コーティング剤を乾燥又は硬化し、体液接触用酵素電極を形成する工程とを含む、
    生体センサの製造方法。
  12. 基材と、該基材上に設けられた体液接触用酵素電極と対電極とを有する生体センサでの製造方法であって、
    前記基材上に設けられた作用電極上に、
    電子受容体を含む層を設ける工程と、
    前記電子受容媒体を含む層上に、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロックと、ポリエチレンオキサイドブロックとを有するブロック重合体(a)であって、前記ブロック重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイドブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとの合計の質量]が0.01〜0.3であるブロック重合体(a)と、酸化還元酵素とを含有するコーティング剤を塗工する工程と、
    塗工後、コーティング剤を乾燥又は硬化し、体液接触用酵素電極を形成する工程とを含む、
    生体センサの製造方法。
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JP2021525356A (ja) * 2019-04-30 2021-09-24 微泰医療器械(杭州)有限公司Micro Tech Medical (Hangzhou) Co.,Ltd. 共重合体でコーティングされたバイオセンサーを有するバイオセンサシステムおよびその使用
JP2021534371A (ja) * 2019-04-30 2021-12-09 微泰医療器械(杭州)股▲フン▼有限公司Microtech Medical (Hangzhou) Co., Ltd. 共重合体でコーティングされたバイオセンサーおよびその使用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021525356A (ja) * 2019-04-30 2021-09-24 微泰医療器械(杭州)有限公司Micro Tech Medical (Hangzhou) Co.,Ltd. 共重合体でコーティングされたバイオセンサーを有するバイオセンサシステムおよびその使用
JP2021534371A (ja) * 2019-04-30 2021-12-09 微泰医療器械(杭州)股▲フン▼有限公司Microtech Medical (Hangzhou) Co., Ltd. 共重合体でコーティングされたバイオセンサーおよびその使用

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