JP2006352811A - 交流信号増幅装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】寄生インダクタンス成分のインピーダンスを低減する。
【解決手段】トランジスタQ1のエミッタと接地端子との間に発生する寄生インダクタンス成分L14と並列に共振回路部21が接続される。寄生インダクタンス成分L14は、ボンディングワイヤ、パッケージリード等のインダクタンス成分である。共振回路部21の共振周波数は、高周波増幅回路1の使用周波数近傍に設定される。共振回路部21のインダクタンス成分L21は、ボンディングワイヤ、パッケージリード、IC内の素子あるいはICチップ外部のチップインダクタンスあるいはプリントパターンによって形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流信号増幅装置に関するものである。
携帯電話や無線LAN(Local Area Network)等には、交流信号増幅装置として、例えば、周波数5.25GHzの高周波信号を増幅する高周波増幅回路が備えられている(例えば、特許文献1参照)。この高周波増幅器には、図14に示すように、NPN形バイポーラトランジスタであるトランジスタQ51が備えられる。トランジスタQ51は、無線LANの使用帯域周波数である5.25GHz程度の高周波信号を増幅する。
かかるトランジスタQ51は、図15に示すような樹脂で形成された絶縁プリント基板51に実装される。高周波増幅回路は、パッケージ52でパッケージ化されたICチップ53に内蔵される。トランジスタQ51のエミッタは、配線パターンWR51を介してパッドPd51に接続される。パッドPd51とGNDパターン54との間は、ボンディングワイヤW53とパッケージリードP51とによって接続される。
特開2002−222893号公報(第2−3頁、図7−9)
しかし、従来の高周波増幅回路では、信号周波数が高いため、トランジスタQ51のエミッタとGNDパターン54との間に、ボンディングワイヤW53、パッケージリードP51による寄生インダクタンス成分が寄生する。これが図14に示す寄生インダクタンス成分L51である。この寄生インダタンス成分L51が寄生すると、このインピーダンスにより、利得の低下、雑音指数NF(Noise Figure)の上昇といった問題が生じる。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、寄生インダクタンス成分のインピーダンスを低減することが可能な交流信号増幅装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る交流信号増幅装置は、
交流信号を増幅する交流信号増幅装置(1)において、
前記交流信号を増幅する増幅回路部(12)と、
前記増幅回路部(12)が前記交流信号を増幅することによって前記増幅回路部(12)に寄生する寄生インダクタンス成分(L14)のインピーダンスを低減するように前記寄生インダクタンス成分(L14)と並列接続された共振回路部(21)と、を備えたことを特徴とする。
前記共振回路部(21)は、共振周波数が前記交流信号の周波数の近傍に設定されたものであってもよい。
前記増幅回路部(12)は、電流入力端と電流出力端と制御端とを有するトランジスタ(Q1)を含み、
前記トランジスタ(Q1)は、前記制御端に供給された交流信号に従って、前記電流入力端から電流出力端に流れる電流の電流量を調整することによって前記交流信号を増幅するものであって、
前記寄生インダクタンス成分(L14)は、前記トランジスタ(Q1)の電流入力端又は電流出力端に接続される接続線(W14,P14)に寄生するものであり、
前記共振回路部(21)は、前記接続線(W14,P14)と並列接続されたものであってもよい。
前記共振回路部(21)は、インダクタンス成分(L21)とコンデンサ(C21)との直列共振回路によって構成されたものであってもよい。
前記増幅回路部(12)は、バイアス線(Bs)を介してバイアス電圧(Vbias)が供給されるトランジスタ(Q2)を有するものであり、
前記バイアス線(Bs)にコンデンサ(C23)を介して接続されて前記交流信号のノイズ強度を低減する第2の共振回路部を備えたものであってもよい。
前記増幅回路部(12)は、集積回路に内蔵されたものであり、
前記集積回路は、電源端子又は接地端子を有する実装基板(31)に搭載されたものであり、
前記増幅回路部(12)に含まれるトランジスタの電流入力端又は電流出力端に接続される接続線(W14,P14)を第1の接続線(W14,P14)として、
前記トランジスタ(Q1)の電流入力端(コレクタ、ドレイン)又は電流出力端(エミッタ、ソース)は、前記第1の接続線(W14,P14)を介して前記実装基板(31)の電源端子又は接地端子に接続され、
前記トランジスタ(Q1)の電流入力端(コレクタ、ドレイン)又は電流出力端(エミッタ、ソース)と前記実装基板(31)の電源端子又は接地端子とが第2の接続線(W21,P21)によって接続され、
前記共振回路部(21)は、前記第2の接続線(W21,P21)を前記インダクタンス成分(L21)として、前記第2の接続線(W21,P21)とコンデンサ(C21)とによって形成されたものであってもよい。
前記第1の接続線は、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるボンディングワイヤとパッケージリードによって形成されたものであり、
前記共振回路部のインダクタンス成分は、前記第2の接続線として、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるボンディングワイヤとパッケージリードによって形成されたものであってもよい。
前記第1の接続線は、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるスルーホールによって形成されたものであり、
前記共振回路部のインダクタンス成分は、前記第2の接続線として、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるスルーホールによって形成されたものであってもよい。
前記共振回路部のコンデンサは、前記集積回路に内蔵されたものであってもよい。
前記共振回路部のコンデンサは、前記実装基板に配置されたものであってもよい。
本発明によれば、寄生インダクタンス成分のインピーダンスを低減することができる。
以下、本発明の実施形態に係る交流信号増幅装置を図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、交流信号増幅装置を高周波増幅回路として説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る高周波増幅回路の構成を図1に示す。
この高周波増幅回路1は、例えば、無線LAN等に備えられたものであり、約5.25GHzの高周波信号を増幅する。高周波増幅回路1は、コンデンサC11と、整合回路部11と、寄生インダクタンス成分L12と、増幅回路部12と、整合回路部13と、寄生インダクタンス成分L14と、共振回路部21と、からなる。
整合回路部11は、使用周波数帯において、入力された信号の電力が効率良く後段の回路に伝達されるようにインピーダンスを整合させるためのものであり、整合させるインピーダンスは、例えば、50Ωとされる。整合回路部11の一端には、コンデンサC11が接続され、コンデンサC11を介して外部から高周波信号が供給される。
寄生インダクタンス成分L12は、ボンディングワイヤ、パッケージリードにより、増幅回路部12の電源端子側に寄生するものである。増幅回路部12は、高周波信号を増幅するものであり、トランジスタQ1と、インピーダンスZ12と、からなる。
トランジスタQ1は、バイポーラ形NPNトランジスタであり、ベースに供給された高周波信号を、コレクタ−エミッタ端子間に流れる電流により増幅し、増幅した高周波信号をコレクタ端子から出力する。
トランジスタQ1のベースは、整合回路部11の他端に接続され、整合回路部11は、トランジスタQ1のベースに高周波信号の信号電流を供給する。
電源とトランジスタQ1のコレクタ端との間には、寄生インダクタンス成分L12とインピーダンスZ12とが接続される。インピーダンスZ12は、電流を電圧に変換して入力電圧を増幅するものである。寄生インダクタンス成分L12の一端は、電源に接続され、インピーダンスZ12の一端は、寄生インダクタンス成分L12の他端に接続され、インピーダンスZ12の他端は、トランジスタQ1のコレクタに接続される。
整合回路部13は、整合回路部11と同様にインピーダンス整合を行うためのものであり、その一端はトランジスタQ1のコレクタに接続され、他端には、コンデンサC13の一端が接続される。
この高周波増幅回路1は、IC(Integrated Circuit)チップ化されて、図2に示すような絶縁プリント基板31に実装される。絶縁プリント基板31は、例えば、樹脂によって形成されたものである。
高周波増幅回路1は、パッケージ化されたICチップ33内に形成され、ICチップ33のパッケージ32は、絶縁プリント基板31上に配置される。
トランジスタQ1のエミッタは、ICチップ33に形成された導電性の配線パターンWR21に接続される。パッドPd1とパッドPd2とは、この配線パターンWR21に接続される。絶縁プリント基板31には、GNDパターン34が形成され、GNDパターン34とパッドPd1とは、ボンディングワイヤW14、導電性のパッケージリードP14を介して接続される。
図1に示す寄生インダクタンス成分L14は、このボンディングワイヤW14とパッケージリードP14とのインダクタンス成分を示すものであり、トランジスタQ1のエミッタは、寄生インダクタンス成分L14を介してGNDパターン34に接地される。
共振回路部21は、寄生インダクタンス成分L14のインピーダンスを低減するための回路部であり、コンデンサC21とインダクタンス成分L21とによって構成される。
図2に示すボンディングワイヤW21,パッケージリードP21は、インダクタンス成分L21を形成するために設けられたものであり、ボンディングワイヤW21の一端は、パッドPd2の端部に接続され、他端はパッケージリードP21の一端に接続される。パッケージリードP21の他端は、コンデンサC21の一端に接続され、コンデンサC21の他端は、GNDパターン34に接続される。
次に、高周波増幅回路1の利得は、次の数1によって表される。
Figure 2006352811
また、この共振回路部21の共振周波数frは、次の数2によって表される。
Figure 2006352811
インダクタンス成分L21とコンデンサC21の容量cとは、この数2を満たすように設定される。即ち、ボンディングワイヤW14、パッケージリードP14の寄生インダクタンス成分L14は、シミュレーション又は実験等で求められる。この結果に基づき、数2を満足するように、インダクタンス成分L21とコンデンサC21の容量cとが設定される。このインダクタンス成分L21とコンデンサC21の容量cとは、寄生インダクタンス成分L14と同様、シミュレーション又は実験等で求められる。
このように定数が設定されると、トランジスタQ1のエミッタとGND間のインピーダンスZLは無視できる程度に小さくなる。このときの高周波増幅回路1の利得Gは、次の数3によって表される。
Figure 2006352811
この数3を満足するように、インダクタンス成分L21とコンデンサC21の容量cとの定数が設定されることにより、gmωLwによる利得の低下を抑制し、NF(Noise Figure)の低下を抑制することが可能になる。
尚、数2に示す共振周波数frは、高周波増幅回路1の使用周波数の近傍に設定される。即ち、高周波増幅回路1の使用周波数を、例えば、5.25GHzとした場合、共振周波数frは、4.0〜5.0GHz程度に設定される。このように共振周波数frが設定されることにより、高周波増幅回路1への寄生インダクタンス成分L14の影響を阻止することが可能になる。
次に実施形態1に係る高周波増幅回路1の動作を説明する。
整合回路部11の他端には、コンデンサC11を介して、外部から高周波信号が供給される。整合回路部11は、高周波信号に対してインピーダンス整合を行い、この高周波信号をトランジスタQ1のベースに供給する。
トランジスタQ1のコレクタには、寄生インダクタンス成分L12、インピーダンスZ12を介して電流が供給され、トランジスタQ1は、ベースに供給された高周波信号を増幅する。増幅した高周波信号は、整合回路部13、コンデンサC13を介して出力される。
一方、トランジスタQ1のコレクタに流入したコレクタ電流は、高周波のエミッタ電流としてエミッタから流出し、図2に示すパッドPd1、ボンディングワイヤW14、パッケージリードP14を介して、GNDパターン34へと流れる。この高周波電流が流れることにより、トランジスタQ1のエミッタ−GNDパターン34間に寄生インダクタンス成分L14が、高周波増幅回路1の特性に影響を及ぼす。
しかし、共振回路部21のインダクタンス成分L21とコンデンサC21の容量cとが、数2を満たすように設定されているため、トランジスタQ1のエミッタとGNDパターン34間のインピーダンスZLは無視できる程度に小さくなる。このため、寄生インダクタンス成分L14によるトランジスタQ1のエミッタ−GNDパターン34間のインピーダンスが低下し、高周波増幅回路1の利得Gは、数3によって表される値に近づく。
このシミュレーション結果を図3〜図6に示す。
図3は、コンデンサC21の容量c=1pFとして、インダクタンス成分L21のインダクタンスLa=0.25nH、0.5nH、1nHとした場合の周波数と各利得Gとの関係を示す図である。
このように、共振周波数frにおける本実施形態の利得Gは、他の利得Gよりも大きくなっており、寄生インダクタンス成分L14が寄生していない場合と同程度の値を示している。
図4は、寄生インダクタンス成分L14のインダクタンスLb=1nH、インダクタンス成分L21のインダクタンスLa=1nHとして、コンデンサC21の容量c=2pF,1.5pF,1.2pF,1.1pF,1.0pFとした場合の周波数とインピーダンスとの関係を示す図である。
このうち、容量c=1.0pFとした場合の共振周波数frにおけるインピーダンスは、無視できる程度に小さくなっている。このように、共振回路部21を寄生インダクタンス成分L14と並列に接続した場合のインピーダンス低減効果は大きい。
図5は、寄生インダクタンス成分L14のインダクタンスLb=1nH、インダクタンス成分L21のインダクタンスLa=1nHとして、コンデンサC21の容量c=2pF,1.5pF,1.2pF,1.1pF,1.0pFとした場合の周波数と利得Gとの関係を示す図である。この図5に示すように、特に、容量c=1.0pFとした場合の利得Gは、大きい。また、c=1.5pFとした場合でも、寄生インダクタンス成分L14のインダクタンスLb=0.25nHと同等の利得Gが得られる。
図6は、寄生インダクタンス成分L14のインダクタンスLb=1nH、インダクタンス成分L21のインダクタンスLa=1nHとして、コンデンサC21の容量c=2pF,1.5pF,1.2pF,1.1pF,1.0pFとした場合の周波数と雑音指数NFとの関係を示す図である。この図6に示すように、雑音指数NFは、容量cが小さくなるに従って小さくなり、特に、容量c=1.0pFの場合に最も小さくなる。
以上説明したように、本実施形態1によれば、ボンディングワイヤW14、パッケージリードP14による寄生インダクタンス成分L14と並列に共振回路部21を接続するようにした。
従って、寄生インダクタンス成分L14のインピーダンスを低減させることができ、雑音指数NFも低減させることができる。
また、ボンディングワイヤW21、パッケージリードP21を、ボンディングワイヤW14、パッケージリードP14と並列接続することにより、容易に共振回路部21のインダクタンス成分L21を形成することができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る高周波増幅回路は、増幅回路部のトランジスタをバイアスするように構成されたものに共振回路部を備えるようにしたものである。
実施形態2に係る高周波増幅回路1の構成を図7に示す。
実施形態2に係る高周波増幅回路1は、コンデンサC20と、増幅回路部12と、寄生インダクタンス成分L14と、共振回路部21,22と、コンデンサC23と、からなる。
実施形態2に係る増幅回路部12は、実施形態1のトランジスタQ1の代わりにトランジスタQ2を備える。
トランジスタQ2は、実施形態1のトランジスタQ1と同様、NPN形バイポーラトランジスタからなるものである。但し、トランジスタQ2のベースには、バイアス線Bsを介してバイアス電圧Vbiasが印加される。コンデンサC20の一端は、トランジスタQ2のベースに接続され、外部から他端に高周波信号が供給される。
寄生インダクタンス成分L14は、実施形態1と同様に、ボンディングワイヤW14、パッケージリードP14によるものである。
共振回路部21は、実施形態1と同様の構成のものである。共振回路部22は、使用周波数の信号以外のノイズの強度を低減するためのものである。例えば、使用周波数を5.25GHzとすると、共振回路部22は、周波数が約10GHz以上である高調波のノイズ強度を低減させるためのものである。
共振回路部22は、インダクタンス成分L22と、コンデンサC22と、からなる。共振回路部22のインダクタンス成分L22は、コンデンサC23を介してバイアス線Bsに接続される。また、インダクタンス成分L22は、共振回路部21と同様、ボンディングワイヤ、パッケージリードによって形成される。また、コンデンサC22も、共振回路部21のコンデンサC21と同様に、絶縁プリント基板31に配置される。
尚、共振回路部22のインダクタンス成分L22とコンデンサC22とは、シミュレーション又は実験等の結果に基づいて設定される。
以上説明したように、本実施形態2によれば、高周波増幅回路1が増幅回路部12のトランジスタをバイアスする回路ノイズが混入した場合にも、実施形態1と同様に、寄生インダクタンス成分L14のインピーダンスを低減させることができ、ノイズを除去することができる。
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、実施形態1における寄生インダクタンス成分と共振回路部とのインピーダンス回路を、等価なインピーダンス回路に置き換えることもできる。
図8(a)に示すインピーダンス回路と図8(b)に示すようなインピーダンス回路とは等価である。図8(a)に示すインピーダンス回路は、図8(c)に示す実施形態1の寄生インダクタンス成分L14と共振回路部21との並列回路に対応するものである。従って、この図8(c)に示す回路を図8(d)に示す回路に変形することも可能である。
図8(d)に示すインピーダンス回路は、寄生インダクタンス成分L32と共振回路部21とからなる。寄生インダクタンス成分L32は、実施形態1と同様、ボンディングワイヤ、パッケージリードのインダクタンス成分である。
さらに、図8(c)に示す回路を、図8(f)に示すようなインピーダンス回路に変形することも可能である。図8(f)に示すインピーダンス回路は、寄生インダクタンス成分L41と、抵抗R40と、共振回路部21と、によって構成される。
共振回路部21は、コンデンサC41,C42と、インダクタンス成分L42と、からなる。このように、図8(c)に示すインピーダンス回路と等価な回路を構成することができ、この場合でも寄生インダクタンス成分L31,L41ののインピーダンス、雑音指数NFを低減することができる。
また、図9に示すように、共振回路部21のコンデンサC21をICチップ33に内蔵することもできる。この場合、ICチップ33に2つのパッドが形成され、パッケージ内GNDに接続される。そして、ボンディングワイヤW14,W21によって、パッケージ内GNDに接続される。このボンディングワイヤW14、IC内配線によって、寄生インダクタンス成分L14がトランジスタQ1のエミッタ−GND間に寄生する。
また、図10に示すように、共振回路部21のコンデンサC21をICチップ33の外部に配置することもできる。図10に示す例では、トランジスタQ1のエミッタとGND端子とがボンディングワイヤW14、スルーホールH14で絶縁プリント基板31の底面部のリードRd14に接続されている。このボンディングワイヤW14、スルーホールH14、リードRd14により、寄生インダクタンス成分L14がトランジスタQ1のエミッタ−GND間に寄生する。
スルーホールH14は、絶縁プリント基板31の表面と裏面とを接続するためのものであり、その孔内面には、金属のような導体が形成される。そして、スルーホールH14の底面部は、接地導体等に接続される。
この場合、コンデンサC21の一方の端部C21−1は、半田Hd21−1を介して、絶縁プリント基板31表面の配線パターンP21−1に接続される。もう一方の端部C21−2は、半田Hd21−2、スルーホールH21を介して、絶縁プリント基板31の底面部のリードRd21に接続される。このボンディングワイヤ21、スルーホールH21、リードRd21によってインダクタンス成分L21が形成され、このインダクタンス成分L21とコンデンサC21とによって共振回路部21が形成される。
また、図11に示すように、ICチップ33にスルーホールH14が形成されている場合がある。この場合、IC内配線とスルーホールH14とにより、寄生インダクタンス成分L14がトランジスタQ1のエミッタ−GND間に寄生する。ICチップ33には、共振回路部21のコンデンサC21が内蔵され、スルーホールH21が形成される。インダクタンス成分L21は、このIC内配線とスルーホールH21とによるものであり、このインダクタンス成分L21とコンデンサC21とによって共振回路部21が形成される。
また、図12に示すように、リードRd14,Rd21の代わりに半田によってGNDが形成される場合もある。この場合、ICチップ33に2つのパッドが形成される。トランジスタQ1のエミッタとスルーホールH14とは、ボンディングワイヤW14を介して接続される。コンデンサC21の一端は、トランジスタQ1のエミッタに接続され、他端は、ボンディングワイヤ21を介してスルーホールH21に接続される。また、スルーホールH14,H21の底面部は、それぞれ、半田に接続される。
ボンディングワイヤW14、スルーホールH14により寄生インダクタンス成分L14がトランジスタQ1のエミッタ−GND間に寄生する。また、ボンディングワイヤW21とスルーホールH21、IC内配線によって、インダクタンス成分L21が形成され、このインダクタンス成分L21とコンデンサC21とによって共振回路部21が形成される。
また、図13に示すように、コンデンサC21がICチップ33に内蔵され、この場合でもスルーホールH14,H21により絶縁プリント基板裏面の接地導体に接続が行われる。
この場合も、ボンディングワイヤW14、スルーホールH14により寄生インダクタンス成分L14がトランジスタQ1のエミッタ−GND間に寄生し、ボンディングワイヤW21とスルーホールH21によって、インダクタンス成分L21が形成される。そして、このインダクタンス成分L21とコンデンサC21とによって共振回路部21が形成される。
また、例えば、トランジスタQ1,Q2は、NPN形バイポーラトランジスタでなくてもよく、例えば、PNP形バイポーラトランジスタでもよく、また、FETであってもよい。トランジスタQ1,Q2にPNP形バイポーラトランジスタを用いた場合、その電流出力端は、コレクタとなり、FETを用いた場合、その電流出力端は、ソース又はドレインとなる。
インダクタンス成分L21は、ボンディングワイヤ、パッケージリード、スルーホールに限られるものではない。例えば、インダクタンス成分L21は、IC内蔵のインダクタ、外部に取り付けたチップインダクタ、プリント基板上のパターンで作成されたものであってもよい。
また、回路形式もエミッタ接地に限定されるものではなく、ベース、コレクタ接地等の場合にも、上記実施形態は適用可能である。
上記実施形態では、交流信号増幅装置を高周波増幅回路として説明した。しかし、交流信号増幅装置は、高周波増幅回路に限られるものではない。また、使用周波数も5.25GHzに限られるものではない。
例えば、携帯電話では、使用周波数が800MHz〜2.1GHzであり、携帯電話の高周波増幅回路としての適用も可能である。この場合においても、数2に示す共振周波数frは、この携帯電話の使用周波数近傍に設定される。
上記実施形態では、寄生インダクタンス成分がトランジスタQ1、Q2のエミッタ−GND端子間に寄生するものとして説明した。しかし、寄生インダクタンス成分の寄生箇所は、これに限られるものではなく、例えば、電源端子のライン等にも寄生し、この場合でも上記実施形態は適用可能である。
本発明の実施形態1に係る高周波増幅回路の構成を示す回路図である。 図1に示す回路素子が実装された絶縁プリント基板を示す図である。 図1,2に示す高周波増幅回路の特性と、寄生のインダクタンス成分を変化させた場合の周波数と利得とのシミュレーション結果を示す図である。 図1,2に示す高周波増幅回路の特性として、共振回路部の容量を変化させた場合の周波数とインピーダンスとのシミュレーション結果を示す図である。 図1,2に示す高周波増幅回路の特性として、共振回路部の容量を変化させた場合の周波数と利得とのシミュレーション結果を示す図である。 図1,2に示す高周波増幅回路の特性として、共振回路部の容量を変化させた場合の周波数と雑音指数とのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態2に係る高周波増幅回路の構成を示す回路図である。 図1,2に示す高周波増幅回路の共振回路部の別の形態を示す図である。 高周波増幅回路の実装例として、共振回路部のコンデンサがICチップに内蔵された例を示す図である。 高周波増幅回路の実装例として、共振回路部のコンデンサがICチップの外に配置され、パッケージの裏面にリードが配置された例を示す図である。 高周波増幅回路の実装例として、プレートパッケージ内に形成され、共振回路部のコンデンサがICチップに内蔵され、インダクタンス成分がスルーホールによって形成された例を示す図である。 高周波増幅回路の実装例として、半田によるGNDがパッケージの裏面に形成され、共振回路部のコンデンサがICチップの外に配置され、インダクタンス成分がスルーホールによって形成された例を示す図である。 高周波増幅回路の実装例として、半田によるGNDがパッケージの裏面に形成され、共振回路部のコンデンサがICチップに内蔵され、インダクタンス成分がスルーホールによって形成された例を示す図である。 従来の高周波増幅回路に備えられたトランジスタと寄生インダクタンス成分とを示す図である。 従来の高周波増幅回路が実装された絶縁プリント基板を示す図である。
符号の説明
1 高周波増幅回路
12 増幅回路部
21,22 共振回路部
Q1,Q2 トランジスタ
L14 寄生インダクタンス成分
L21,L22,L32,L42 インダクタンス成分
C21,C22,C31,C41,C42 コンデンサ

Claims (10)

  1. 交流信号を増幅する交流信号増幅装置において、
    前記交流信号を増幅する増幅回路部と、
    前記増幅回路部が前記交流信号を増幅することによって前記増幅回路部に寄生する寄生インダクタンス成分のインピーダンスを低減するように前記寄生インダクタンス成分と並列接続された共振回路部と、を備えた、
    ことを特徴とする交流信号増幅装置。
  2. 前記共振回路部は、共振周波数が前記交流信号の周波数の近傍に設定されたものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流信号増幅装置。
  3. 前記増幅回路部は、電流入力端と電流出力端と制御端とを有するトランジスタを含み、
    前記トランジスタは、前記制御端に供給された交流信号に従って、前記電流入力端から電流出力端に流れる電流の電流量を調整することによって前記交流信号を増幅するものであって、
    前記寄生インダクタンス成分は、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端に接続される接続線に寄生するものであり、
    前記共振回路部は、前記接続線と並列接続されたものである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流信号増幅装置。
  4. 前記共振回路部は、インダクタンス成分とコンデンサとの直列共振回路によって構成されたものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交流信号増幅装置。
  5. 前記増幅回路部は、バイアス線を介してバイアス電圧が供給されるトランジスタを有するものであり、
    前記バイアス線にコンデンサを介して接続されて前記交流信号のノイズ強度を低減する第2の共振回路部を備えた、
    ことを特徴とする請求項4に記載の交流信号増幅装置。
  6. 前記増幅回路部は、集積回路に内蔵されたものであり、
    前記集積回路は、電源端子又は接地端子を有する実装基板に搭載されたものであり、
    前記増幅回路部に含まれるトランジスタの電流入力端又は電流出力端に接続される接続線を第1の接続線として、
    前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端は、前記第1の接続線を介して前記実装基板の電源端子又は接地端子に接続され、
    前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子とが第2の接続線によって接続され、
    前記共振回路部は、前記第2の接続線を前記インダクタンス成分として、前記第2の接続線とコンデンサとによって形成されたものである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の交流信号増幅装置。
  7. 前記第1の接続線は、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるボンディングワイヤとパッケージリードによって形成されたものであり、
    前記共振回路部のインダクタンス成分は、前記第2の接続線として、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるボンディングワイヤとパッケージリードによって形成されたものである、
    ことを特徴とする請求項6に記載の交流信号増幅装置。
  8. 前記第1の接続線は、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるスルーホールによって形成されたものであり、
    前記共振回路部のインダクタンス成分は、前記第2の接続線として、前記トランジスタの電流入力端又は電流出力端と前記実装基板の電源端子又は接地端子の間に接続されるスルーホールによって形成されたものである、
    ことを特徴とする請求項6に記載の交流信号増幅装置。
  9. 前記共振回路部のコンデンサは、前記集積回路に内蔵されたものである、
    ことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の交流信号増幅装置。
  10. 前記共振回路部のコンデンサは、前記実装基板に配置されたものである、
    ことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の交流信号増幅装置。
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